JP2003036744A - 酸化物超電導導体及び酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導導体及び酸化物超電導導体の製造方法

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JP2003036744A JP2001222149A JP2001222149A JP2003036744A JP 2003036744 A JP2003036744 A JP 2003036744A JP 2001222149 A JP2001222149 A JP 2001222149A JP 2001222149 A JP2001222149 A JP 2001222149A JP 2003036744 A JP2003036744 A JP 2003036744A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、臨界電流値が高い長尺の酸化物超
電導導体を得ることができる構造とその酸化物超電導導
体の製造方法に関する技術の提供にある。 【解決手段】 本発明は、テープ状の基材の少なくとも
一面側において酸化物超電導体の原料ガスを化学反応さ
せて基材上に成膜する方法により得られた酸化物超電導
層が複数積層されてなることを特徴とする。また、本発
明は、前記積層された酸化物超電導層が各々0.1〜0.
4μmの範囲の厚さにされてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導電力ケーブ
ル、超電導マグネット、超電導エネルギー貯蔵装置、超
電導発電装置、医療用MRI装置、超電導電流リード等
の分野において利用できる酸化物超電導体の構造とその
製造方法に係り、厚膜状であっても超電導特性に優れた
酸化物超電導層を有する酸化物超電導体の構造とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の酸化物超電導導体の製造方法とし
て、酸化物超電導粉末または熱処理によって酸化物超電
導体となり得る組成の混合粉末を円柱状にプレスし、こ
れを銀管中に挿入し、伸線加工あるいは圧延工程と熱処
理工程を行って線材化するパウダーインチューブ法(P
IT法)などの固相法の他に、レーザー蒸着法、スパッ
タ法などの物理的気相堆積法(PVD法)、あるいは化
学気相成長法(CVD法)などの気相法により金属テー
プなどの長尺の基材上に連続的に酸化物系超電導層を形
成する成膜法が知られている。
【0003】レーザー蒸着法やCVD法等の気相法によ
り製造された酸化物超電導導体の構造としては、図7に
示すようにAgなどの金属からなる基材191の上面に
YBaCuO系の酸化物超電導層193が形成され、更
にこの酸化物超電導層193上にAgからなる表面保護
層195が形成されたものが広く知られている。また、
上記のようにレーザ蒸着法やCVD法等の気相法により
酸化物超電導層を形成する場合においては、図7に示す
ように金属製の基材191上に酸化物超電導層193を
直接形成すると、基材191自体が多結晶体でその結晶
構造も酸化物超電導体と大きく異なるために結晶配向性
の良好な酸化物超電導層を形成することが難しいという
問題がある。そこでこの問題を改善するために、図8に
示すようにハステロイテープなどの金属製の基材191
の上面に、スパッタ装置を用いてYSZ(イットリア安
定化ジルコニア)などの多結晶中間層192を形成し、
この多結晶中間層192上にYBaCuO系などの酸化
物超電導層193を形成し、更にこの上にAgの安定化
層194を形成することにより、超電導特性の優れた酸
化物超電導導体を製造する試みなどが種々行われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがレーザー蒸着
法やCVD法等の気相法により作製した酸化物超電導導
体においては、パウダーインチューブ法等の固相法によ
り作製した酸化物超電導導体に比べて高い臨界電流密度
(Jc)が得られ易いものの、臨界電流(Ic)が小さ
くなり易いという問題があった。これは、レーザー蒸着
法やCVD法等の気相法により作製した酸化物超電導導
体は、薄膜状の酸化物超電導層の結晶配向性が良好であ
る反面、酸化物超電導層の厚膜化が困難であり、導電パ
スの部分の断面積を確保することが困難なことに起因す
るものである。従って、長尺の酸化物超電導導体の実用
化には、高臨界電流化が重要であり、特に超電導マグネ
ット等において実用化するには、少なくとも数10Aレ
ベルの臨界電流が要求されることになるが、レーザー蒸
着法やCVD法等の気相法を用いる従来の酸化物超電導
導体の製造方法により作製された酸化物超電導導体は数
Aレベル程度が限界であり、上記のように臨界電流が不
足しているために、超電導マグネット等への実用性は低
い状況であった。
【0005】例えば、通常の成膜法で得られるYBaC
uO系の酸化物超電導層の膜厚は1μm程度であり、こ
の酸化物超電導層をテープ状の基材上に成膜した場合、
テープ幅が1cm程度で10A以上の臨界電流(Ic)
を得られることとなるが、導体としての実用レベルの臨
界電流として知られている数10A〜数100A程度の
レベルの臨界電流を確保するためには、酸化物超電導層
の更なる厚膜化が必要であった。また、上述の気相法に
より長尺の酸化物超電導導体を製造する場合、テープ状
の基材を移動させながら基材上面に順次成膜処理を行い
酸化物超電導層を生成させるが、得られる酸化物超電導
層の厚さは基材の搬送速度に反比例して増加するので、
厚膜化するためには基材の搬送速度を遅くする必要が生
じる。
【0006】これらの背景において本発明者らは、特願
平10−161158、特願2000−134846、
特願2000−349684、特願2000−3496
85などの特許出願に開示したCVD蒸着装置を用いて
テープ状の基材上に酸化物超電導層を製造する研究を行
っている。図9は上述のCVD装置を用いてテープ状の
基材の搬送速度を種々変更してYBaCuO系の酸化物
超電導層を形成した場合、得られる酸化物超電導層の膜
厚と基材搬送速度との関係を測定した結果を示す。この
図9に示す測定結果から、基材搬送速度に対して膜厚は
反比例する関係にあることを確認することができた。ま
た、基材搬送速度を2〜3m/hの範囲で変更しても酸
化物超電導層の膜厚に大きな変化は見られず、基材搬送
速度において1m/hを下回る値としなくては大きな膜
厚増加は見込めないことも判明した。図10は上述のC
VD装置を用いて得られた酸化物超電導層が示す膜厚毎
の臨界電流値の測定結果を示す。本来は、図10の鎖線
に示す計算結果の如く膜厚の上昇とともに臨界電流値が
比例関係をもって向上しても良いと思われるが、実験の
結果として、酸化物超電導層の膜厚が1μmを超えると
厚さに対する臨界電流値の増加割合が急激に低下するこ
とが判明し、単に膜厚を増加しても臨界電流値の上昇は
見込めない状況であることが判明した。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、臨界電流値が高い長尺の酸化物超電導導体を得るこ
とができる構造とその酸化物超電導導体の製造方法に関
する技術の提供にある。更に本発明は、厚膜化の過程で
生じると思われる軸配向の悪い配向粒の粗大化と異相成
分析出相の生成を抑制し、できる限り高い臨界電流値を
示すような酸化物超電導層を有する酸化物超電導導体の
提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る酸化物超電
導導体は、テープ状の基材の少なくとも一面側において
酸化物超電導体の原料ガスを化学反応させて基材上に成
膜する方法により得られた酸化物超電導層が複数積層さ
れてなることを特徴とする。化学気相法により生成可能
な酸化物超電導層においては、1つの酸化物超電導層自
体の厚さを向上させても臨界電流特性の向上には限界を
有する。よって、化学気相法により得られる1つの酸化
物超電導層のみではなく、複数の酸化物超電導層の積層
構造により酸化物超電導導体としての通電可能な電流値
の向上を図ることができる。
【0009】本発明に係る酸化物超電導導体は、前記積
層された酸化物超電導層が各々0.1〜0.4μmの範囲
の厚さにされてなることを特徴とする。化学気相法によ
り生成される酸化物超電導層の膜厚を1μmを超えて大
きくしても臨界電流値の向上は見込めない上に、酸化物
超電導層の膜厚をある値以上に大きくすると基材搬送速
度を高くすることができずに生産性が大幅に低下する。
このような事情に加えて本発明者らの研究から、化学気
相法により酸化物超電導層を生成させる場合、基材搬送
速度を遅くして生成した2μm程度の膜厚であっても、
酸化物超電導層を構成する酸化物超電導体の結晶のa軸
配向粒の粗大化や異相成分の析出により臨界電流値の向
上が見込めないことを知見している。このような背景か
ら結晶粒の粗大化や異相成分の析出を防止できる膜厚と
して0.1〜0.4μmの範囲の酸化物超電導層を積層し
た酸化物超電導導体であるならば、導体として流し得る
電流値を高くすることができる。
【0010】本発明に係る酸化物超電導体の製造方法
は、テープ状の基材の少なくとも一面側において酸化物
超電導体の原料ガスを化学反応させて基材上に成膜する
方法により基材上に酸化物超電導層を生成する方法にお
いて、原料ガスを化学反応させて基材上に成膜するため
の成膜領域を複数回通過させ、成膜領域を1回通過する
ことにより成膜した酸化物超電導層の上に他の回の成膜
領域の通過により成膜した他の酸化物超電導層を積層す
ることを特徴とする。化学気相法により生成した酸化物
超電導層は、本発明者らの研究によれば、基材搬送速度
を低くして膜厚を大きくしても得られる臨界電流値があ
る一定の値からは上昇し難くなる。これは、膜厚を大き
くすると、配向粒の粗大化や異相成分の析出によるもの
と思われる。よって、成膜領域を通過させた1回目の化
学気相法により得られた酸化物超電導層の上に成膜領域
を通過させる2回目の化学気相法により酸化物超電導層
を積層することで、1層あたりの臨界電流値を高くした
状態の酸化物超電導層を複数積層することができ、積層
構造としての全体の通電可能な電流値の向上を図ること
ができる。
【0011】本発明は、前記酸化物超電導層の上に他の
酸化物超電導層を積層する場合、1つの成膜領域に対し
て基材を繰り返し通過させて複数の酸化物超電導層を積
層する方法か、複数の成膜領域に対して順次基材を通過
させて複数の酸化物超電導層を積層する方法のいずれか
を行うことを特徴とする。成膜領域を通過させて基材上
に酸化物超電導層を生成させる場合、1つの成膜領域を
繰り返し通過させて酸化物超電導層を複数積層すること
も可能であるし、複数の成膜領域を用意してそれら複数
の成膜領域に順次基材を通過させて酸化物超電導層を積
層することもできる。
【0012】本発明は、前記複数の酸化物超電導層を積
層する場合、各酸化物超電導層の厚さを0.1〜0.4μ
mの範囲の厚さにすることを特徴とする。本発明は、先
に記載の酸化物超電導導体の製造方法において、移動中
のテープ状の基材の少なくとも一面側に酸化物超電導体
の原料ガスを化学反応させて酸化物超電導薄膜を成膜す
るCVD反応を行うリアクタと、前記リアクタに酸化物
超電導体の原料ガスを供給する酸化物超電導体の原料ガ
ス供給手段と、前記リアクタ内のガスを排気するガス排
気手段とが備えられ、前記酸化物超電導体の原料ガス供
給手段に、酸化物超電導体の原料ガス供給源と、酸化物
超電導体の原料ガス導入管と、酸素ガスを供給する酸素
ガス供給手段とが備えられ、前記リアクタに、基材導入
部と反応生成室と基材導出部とがそれぞれ隔壁を介して
区画され、前記反応生成室がテープ状の基材の移動方向
に直列に複数設けれられ、前記各隔壁に基材通過孔が形
成され、前記リアクタの内部に基材導入部と複数の反応
生成室と基材導出部とを通過する基材搬送領域が形成さ
れ、前記複数設けられた反応生成室にそれぞれガス拡散
部が設けられ、前記複数設けられた反応生成室が成膜領
域とされ、該反応生成室に前記ガス拡散部を介して前記
酸化物超電導体の原料ガス導入管が接続されてなる成膜
装置を用いて成膜することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る酸化物超電導
導体の製造方法について、並びにその製造方法を実施す
る場合に用いる装置について、図面に基づいて説明す
る。図1は本発明に係る酸化物超電導導体の製造装置の
一例を示すもので、この例の製造装置には、図2に構造
を示すようなCVD反応装置30が組み込まれ、このC
VD反応装置30内においてテープ状の基材上に酸化物
超電導層が形成されるようになっている。この例の製造
装置で用いられる図1と図2に示すCVD反応装置30
は、横長の両端を閉じた筒型の石英製のリアクタ31
と、図1に示す気化器(原料ガス供給源)62に接続さ
れたガス拡散部40を有している。このリアクタ31
は、隔壁32と隔壁33によって図2の左側から順に基
材導入部34と反応生成室35と基材導出部36に区画
されている。なお、リアクタ31を構成する材料は、石
英に限らずステンレス鋼などの耐食性に優れた金属であ
っても良い。
【0014】隔壁32、33の下部中央には、長尺のテ
ープ状の基材38が通過可能な通過孔39がそれぞれ形
成されていて、リアクタ31の内部には、その中心部を
横切る形で基材搬送領域Rが形成されている。更に、基
材導入部34にはテープ状の基材38を導入するための
導入孔が形成されるとともに、基材導出部36には基材
38を導出するための導出孔が形成され、導入孔と導出
孔の周縁部には、基材38を通過させている状態で各孔
の隙間を閉じて基材導入部34と基材導出部36を気密
状態に保持する封止機構(図示略)が設けられている。
【0015】反応生成室35の天井部には、図2に示す
ように略角錐台型のガス拡散部40が取り付けられてい
る。このガス拡散部40は、リアクタ31に取り付けら
れたガス拡散部材45と、ガス拡散部材45の天井壁4
4に接続され、酸化物超電導体の原料ガスをガス拡散部
材45に供給するガス導入管53と、ガス導入管53の
先端部に設けられたスリットノズルを具備して構成され
ている。また、ガス拡散部材45の底面は、細長い長方
形状の開口部46とされ、この開口部46を介してガス
拡散部材45が反応生成室35に連通されている。
【0016】一方、反応生成室35の下方には、図2に
示すように基材搬送領域Rの長さ方向に沿って排気室7
0が設けられている。この排気室70の上部には図2に
示すように基材搬送領域Rに通されたテープ状の基材3
8の長さ方向に沿って細長い長方形状のガス排気孔70
a、70aがそれぞれ形成されている。また、排気室7
0の下部には、真空ポンプ71を備えた圧力調整装置7
2に接続されている排気管70bが複数本接続されてい
る。従って、ガス排気孔70a,70aが形成された排
気室70と、複数本の排気管70bと、バルブと、真空
ポンプ71と、圧力調整装置72によってガス排気機構
80が構成される。このような構成のガス排気機構80
は、CVD反応装置30の内部の原料ガスや酸素ガスや
不活性ガスなどのガスをガス排気孔70a、70aから
速やかに排気できるようになっている。
【0017】CVD反応装置30の外部には図1に示す
ように加熱ヒータ47が設けられ、基材導入部34が不
活性ガス供給源50に、また、基材導出部36が酸素ガ
ス供給源51にそれぞれ接続されている。また、ガス拡
散部40の天井壁44に接続されたガス導入管53は、
気化器(原料ガスの供給源)62に接続されている。ガ
ス導入管53の途中部分には、酸素ガスの流量調整機構
を介して酸素ガス供給源52が分岐して接続され、ガス
導入管53に酸素ガスを供給できるように構成されてい
る。前記気化器62には、後述の液体原料供給装置55
が収納されている。また、気化器62の外周部にはヒー
タ63が付設されていて、このヒータ63により液体原
料供給装置55からの原料溶液66を所望の温度に加熱
して気化させることにより原料ガスが得られるようにな
っている。また、気化器62の内底部には保熱部材62
Aが設置されている。この保熱部材62Aは、熱容量の
大きい材料であって液体原料66と反応しないものであ
れば、どのようなものでも良く、特に金属製の厚板が好
ましく、構成材料としてはステンレス鋼、ハステロイ、
インコネル等が好ましい。
【0018】液体原料供給装置55は、図1に示すよう
に、管状の原料溶液供給部56と、該供給部56外周を
取り囲んで設けられた筒状のアトマイズガス供給部57
とから概略構成された2重構造のものである。原料溶液
供給部56は、後述する原液供給装置65から送り込ま
れてくる原料溶液66を気化器62の内部に供給するも
のである。
【0019】アトマイズガス供給部57は、原料溶液供
給部56との隙間に前述の原料溶液66を噴出するため
のアトマイズガスが供給されるものである。アトマイズ
ガス供給部57の上部には、アトマイズガス用MFC
(流量調整器)60aを介してアトマイズガス供給源6
0が接続され、アトマイズガス供給部57内にアルゴン
ガス、ヘリウムガス、窒素ガスなどのアトマイズガスを
供給できるように構成されている。また、気化器62の
内部は仕切板62aにより2分割され、分割された領域
が仕切板62aの下側において連通され、仕切板62a
の下側の連通部分を原料ガスが通過して先のガス導入管
53が接続された接続部53Aに流動できるように構成
されている。
【0020】上述の液体原料供給装置55では、原料溶
液66を原料溶液供給部56内に一定流量で送り込むと
ともにアトマイズガスをアトマイズガス供給部57に一
定流量で送りこむと、原料溶液66は原料溶液供給部5
6の先端部に達するが、該先端の外側のアトマイズガス
供給部57の先端からアトマイズガスが流れてくるの
で、先端部59から吹き出る際、原料溶液66は上記ア
トマイズガスとともに気化器62の内部に導入され、気
化器62の内部を気化器底部に至るまで移動しながら加
熱、気化され、原料ガスとされる。気化器62の底部に
設置された保熱部材62Aに至り、この保熱部材62A
において更に気化がなされて原料溶液が完全に気化され
て原料ガスとされる。なお、本実施形態の構造では原料
溶液を原料溶液供給部56の先端部から霧化するのでは
なく、加熱とキャリアガスとの混合のみにより原料ガス
とするので、液体原料の気化に関しては、液体原料が原
料ガスに気化されるまでの間に気化器内部の内壁に衝突
しない構成とすることが好ましい。
【0021】このような液体原料供給装置55の原料溶
液供給部56には、原液供給装置65が加圧式液体ポン
プ67aを備えた接続管67を介し接続されている。原
液供給装置65は、収納容器68と、パージガス源69
を具備し、収納容器68の内部には原料溶液66が収納
されている。原料溶液66は、加圧式液体ポンプ67a
により吸引されて、原料溶液供給部56へ輸送される。
【0022】さらに、CVD反応装置30の基材導出部
36の側部側(後段側)には、リアクタ31内の基材搬
送領域Rを通過するテープ状の基材38を巻き取るため
のテンションドラム73と巻取ドラム74とからなる基
材搬送機構75が設けられている。なお、前記テンショ
ンドラム73と巻取ドラム74は正逆回転自在に構成さ
れている。また、基材導入部34の側部側(前段側)に
は、テープ状の基材38をCVD反応装置30に供給す
るためのテンションドラム76と送出ドラム77とから
なる基材搬送機構78が設けられている。なお、前記テ
ンションドラム73と巻取ドラム74は正逆回転自在に
構成されている。
【0023】次に上記のように構成されたCVD反応装
置30を備えた酸化物超電導導体の製造装置を用いてテ
ープ状の基材38上に酸化物超電導層を形成し、酸化物
超電導導体を製造する場合について説明する。図1と図
2に示す製造装置を用いて酸化物超電導導体を製造する
には、まず、テープ状の基材38と原料溶液を用意す
る。この基材38は、長尺のものを用いることができる
が、特に、圧延集合組織を生成させたAgの配向テー
プ、あるいは、熱膨張係数の低い耐熱性の金属テープな
どのテープ状の基部の一面あるいは両面にセラミックス
製などの多結晶中間層を被覆してなる基材が好ましい。
上記耐熱性の金属テープの構成材料としては、銀、白
金、ステンレス鋼、銅、ハステロイ(C276等)など
の金属材料や合金が好ましい。また、上記金属テープ以
外では、各種ガラステープあるいはマイカテープなどの
各種セラミックスなどからなる長尺のテープ基材を用い
ても良い。次に、上記中間層を構成する材料は、熱膨張
係数が金属よりも酸化物超電導体の熱膨張係数に近い、
YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SrTiO
3、MgO、Al23、LaAlO3、LaGaO3、Y
AlO3、ZrO2などのセラミックスが好ましく、これ
らの中でもできる限り結晶配向性の整ったものを用いる
ことが好ましい。
【0024】次に酸化物超電導体をCVD反応により生
成させるための原料溶液は、酸化物超電導体を構成する
各元素の金属錯体を溶媒中に分散させたものが好まし
い。具体的には、Y1Ba2Cu37-xなる組成で広く知
られるY系の酸化物超電導層を形成する場合は、Ba-
ビス-2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン-ビス-
1,10-フェナントロリン(Ba(thd)2(phen)
2)と、Y(thd)2 と、Cu(thd)2などを使用
することができ(thd=2,2,6,6-テトラメチル-3,5-
ヘプタンジオン、phen=1,10-フェナントロリ
ン)、他にはY-ビス-2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプ
タンジオナート(Y(DPM)3)と、Ba(DPM)2
と、 Cu(DPM)2などを用いることができる。
【0025】なお、酸化物超電導層には、先のY系の他
に、La2-xBaxCuO4なる組成式で代表されるLa
系、Bi2Sr2Can-1Cun2n+2(nは自然数)なる
組成式で代表されるBi系、Tl2Ba2Can-1Cun
2n+2(nは自然数)なる組成で代表されるTl系のもの
など、多種類の酸化物超電導層が知られているので、目
的の組成に応じた金属錯塩を用いて上述のCVD法を実
施すれば良い。ここで例えば、Y系以外の酸化物超電導
層を製造する場合には、必要な組成系に応じて、トリフ
ェニルビスマス(III)、ビス(ジピバロイメタナ
ト)ストロンチウム(II)、ビス(ジピバロイメタナ
ト)カルシウム(II)、トリス(ジピバロイメタナ
ト)ランタン(III)、などの金属錯塩を適宜用いて
それぞれの系の酸化物超電導層の製造に供することがで
きる。
【0026】上記の多結晶中間層が形成されたテープ状
の基材38を用意したならば、これをCVD反応装置3
0のリアクタ31内の基材搬送領域Rに基材搬送機構7
8により基材導入部34から所定の移動速度で送り込む
とともに基材搬送機構75の巻取ドラム74で巻き取
り、更に反応生成室35内の基材38を加熱ヒータ47
で所定の温度に加熱する。なお、テープ状の基材38を
送り込む前に、不活性ガス供給源50から不活性ガスを
パージガスとしてCVD反応装置30内に送り込み、同
時にCVD反応装置30の内部のガスを圧力調整装置7
2でガス排気孔70a、70aから抜くことでCVD反
応装置30内の空気等の不用ガスを排除して内部を洗浄
しておくことが好ましい。
【0027】テープ状の基材38をリアクタ31内に送
り込んだならば、酸素ガス供給源51からCVD反応装
置30内に酸素ガスを送り、更に加圧式液体ポンプ67
aにより収納容器68から原料溶液66を流量0.1〜
10ccm程度で原料溶液供給部56内に送液し、これ
と同時にアトマイズガスをアトマイズガス供給部57に
流量200〜550ccm程度で送り込むとともに、シ
ールドガスをシールドガス供給部58に流量200〜5
50cc程度で送り込む。また、同時にCVD反応装置
30の内部のガスを圧力調整装置72でガス排気孔70
a、70aから排気する。この際、シールドガスの温度
は、室温程度になるように調節しておくことが好まし
い。また、気化器62の内部温度が上記原料のうちの最
も気化温度の高い原料の最適温度になるようにヒータ6
3により調節しておく。
【0028】すると、一定流量のミスト状の液体溶液3
4が気化器62内に連続的に供給され、ヒータ63によ
り加熱されて気化し、原料ガスとなり、さらにこの原料
ガスはガス導入管53を介してガス拡散部材45に連続
的に供給される。次に、反応生成室35側に移動した原
料ガスは、反応生成室35の上方から下方に移動し、加
熱された基材38上において上記原料ガスが反応して反
応生成物が堆積し、酸化物超電導層aを備えた酸化物超
電導導体85が得られる。またここで、反応に寄与しな
い残りの原料ガス等はガス排気孔70a、70aに引き
込まれて速やかに排出される。
【0029】このような構造の酸化物超電導導体85の
各層の厚みの具体例としては、テープ状の基材38の厚
さを50〜200μm程度、多結晶中間層86の厚さを
0.5〜1.0μm程度、酸化物超電導層aの厚さを0.
1〜0.4μmの範囲、より好ましくは0.16〜0.3
3μmの範囲とすることが好ましい。先の酸化物超電導
層aの厚さを0.1〜0.4μmの範囲とするのは、基材
38の移動速度を調節することによって実現できる。具
体的に例えば、圧延銀テープを用いる場合、圧延銀テー
プの搬送速度を1.8m/hの割合とすると、0.16μ
mの厚さの酸化物超電導層aを生成することができ、銀
テープの搬送速度を1m/hの割合とすると、0.33
μmの厚さの酸化物超電導層aを生成することができ
る。
【0030】以上説明の如く1回目の成膜を行って必要
長さの酸化物超電導層aを得たならば、次に、巻取ドラ
ム74と送出ドラム77の回転方向を逆転し、先の原料
ガス供給条件や温度制御をそのまま維持して基材38を
巻取ドラム74側から送出ドラム77側に巻き取る操作
を行う。この操作において基材38を移動させる速度は
先の場合と同等で方向のみ逆方向とする。この操作によ
り先に生成した酸化物超電導層aの上に同一組成の他の
酸化物超電導層bを生成することができる。そして、酸
化物超電導層bを積層して送出ドラム77側に巻き取っ
た酸化物超電導導体は、再度送出ドラム77と巻取ドラ
ム74を逆転駆動して送出ドラム77側から巻取ドラム
74側に巻き取り、リアクタ31の内部において酸化物
超電導層cを積層する。この操作により3層構造の酸化
物超電導層a、b、cを備えた図3に示す酸化物超電導
導体Sを得ることができる。
【0031】なお、酸化物超電導導体Sにおいては、酸
化物超電導層a、b、cを積層した後で酸素雰囲気中に
おいて300〜500℃の温度で数時間〜数10時間加
熱する熱処理を施して各酸化物超電導層の結晶構造を整
え、超電導特性が向上するようにしても良い。また、先
の酸化物超電導層a、b、cを成膜した各段階において
酸素雰囲気中にて熱処理を施しても良い。
【0032】図3に示す積層構造の酸化物超電導導体S
にあっては、基材38の搬送速度を適切な範囲として適
切な厚さの酸化物超電導層a、b、cを積層してなるの
で、各酸化物超電導層a、b、cの個々の層のa軸配向
粒の粗大化を抑制し、個々の層での異相成分の析出を防
止できているので、各酸化物超電導層a、b、cの個々
の層の有効な電流パスを大きくすることができ、結果的
に3層全体としての臨界電流を大きくすることができ
る。なおまた、前記酸化物超電導層a、b、cの個々の
厚さは同等である必要は無く、好ましい範囲である0.
1〜0.4μmの範囲、あるいは0.16〜0.33μm
の範囲であれば適宜変更して良い。また、酸化物超電導
層を繰り返し積層する場合の繰り返し回数や積層数も自
由に選定して良い。最後に、上述のようにして形成した
酸化物超電導導体上にさらに銀等からなる保護膜をスパ
ッタ法や蒸着法等により形成すると、安定化層付きの酸
化物超電導導体を得ることができる。
【0033】次に、先に記載の3層積層構造の酸化物超
電導層a、b、cを備えた酸化物超電導導体Sを製造す
る場合に用いる他の例の製造装置と製造方法について以
下に説明する。図4〜図6は本発明に係る酸化物超電導
導体の製造装置の一例を示すもので、この例の製造装置
には、略同等の構造を有する3つのCVDユニットA、
B、Cが組み込まれ、各CVDユニットA、B、Cに
は、先に説明したようなCVD反応装置30Aが組み込
まれ、各CVD反応装置30Aの反応生成室35A内に
おいてテープ状の基材の少なくとも一面に酸化物超電導
層を積層形成できるようになっている。この実施形態の
酸化物超電導導体の製造装置は、横長の両端を閉じた筒
型の石英製のリアクタ31Aを有している。このリアク
タ31Aは、隔壁32A、33Aによって図2の左側か
ら順に基材導入部34Aと反応生成室35Aと基材導出
部36Aに区画されているとともに、複数の隔壁37A
(図面では4枚の隔壁)によって、上記反応生成室35
Aが複数に分割(図面では3分割)されて、それぞれが
前述のCVD反応装置30Aと略同等の構造とされると
ともに、隣合う反応生成室35A,35Aの間(隣合う
隔壁37,37の間)には、境界室38Aが区画されて
いる。従って、このリアクタ31Aには、反応生成室3
5Aが後述する基材搬送領域Rに送り込まれるテープ状
の基材Tの移動方向に直列に複数(図面では3つの反応
生成室)が設けられていることになる。なお、リアクタ
31Aを構成する材料は、石英に限らずステンレス鋼な
どの耐食性に優れた金属であっても良い。
【0034】上記隔壁32A,37A,37A,37A,3
7A,33Aの下部中央には、図5と図6に示すよう
に、長尺のテープ状の基材Tが通過可能な通過孔39A
がそれぞれ形成されていて、リアクタ31Aの内部に
は、その中心部を横切る形で基材搬送領域Rが形成され
ている。さらに、基材導入部34Aにはテープ状の基材
Tを導入するための導入孔が形成されるとともに、基材
導出部36Aには基材Tを導出するための導出孔が形成
され、導入孔と導出孔の周縁部には、基材Tを通過させ
ている状態で各孔の隙間を閉じて基材導入部34Aと基
材導出部36Aを気密状態に保持する封止機構(図示
略)が設けられている。
【0035】各反応生成室35の天井部には、図5に示
すように略角錐台型のガス拡散部40が取り付けられて
いる。これらのガス拡散部40は先に説明した例のガス
拡散部40と同等の構造とされている。また、ガス拡散
部材45Aの底面は、細長い長方形状の開口部46Aと
され、この開口部46Aを介してガス拡散部材45が反
応生成室35Aに連通されている。
【0036】また、境界室38Aの天井部には、遮断ガ
ス供給手段38Bが供給管38Cを介して接続され、遮
断ガス供給手段38Bが、境界室の38Aの両側の反応
生成室35A,35Aどうしを遮断するための遮断ガス
を供給し、供給管38Cの接続部分が、遮断ガス噴出部
を介して接続され、遮断ガスとしてたとえばアルゴンガ
スが選択される。
【0037】一方、各反応生成室35Aおよび境界室3
8Aの下方には、図4に示すように基材搬送領域Rの長
さ方向に沿って各反応生成室35Aおよび境界室38A
を貫通するように排気室70Aが設けられている。この
排気室70Aの上部には、図5に示すように、基材搬送
領域Rに通されたテープ状の基材Tの長さ方向に沿って
細長い長方形状のガス排気孔70a、70aが各反応生
成室35Aおよび境界室38Aを貫通するようにそれぞ
れ形成されており、このガス排気孔70a,70aに
は、隔壁32,33,37の基材搬送領域Rの両側下端
部が貫通状態とされている。また、排気室70Aの下部
には複数本(図面では10本)の排気管70bがそれぞ
れ接続されており、これらの排気管70bは真空ポンプ
71を備えた圧力調整装置72に接続されている。
【0038】また、先の図1に示す構造の装置と同様
に、ガス排気孔70a,70aが形成された排気室70
Aと、排気口70c,70e,70fを有する複数本の
排気管70b・・・と、バルブ70dと、真空ポンプ71
と、圧力調整装置72によってガス排気手段80Aが構
成されている。このような構成のガス排気手段80A
は、CVD反応装置30の内部の原料ガスや酸素ガスや
不活性ガス、および遮断ガスなどのガスを速やかに排気
できるようになっている。
【0039】リアクタ31Aの外部には、図4に示すよ
うに加熱ヒータ47Aが設けられている。図1に示す例
では、3つの反応生成室35Aに亘って連続状態の加熱
ヒータ47Aとしたが、該加熱ヒータ47Aを、各CV
D反応装置30の反応生成室35Aに対して独立の構造
とすることも可能である。更に、リアクタ31Aの基材
導入部34が不活性ガス供給源51Aに、また、基材導
出部36Aが酸素ガス供給源51Bにそれぞれ接続され
ている。また、CVDユニットA,Cに備えられている
各ガス拡散部40の天井壁44に接続された各原料ガス
導入管53Aは、図4に示すように、後述のガスミキサ
48を介して、後述する酸化物超電導体の原料ガス供給
手段50aの原料ガスの気化器(原料ガスの供給源)2
50に接続されている。
【0040】前記各酸化物超電導体の原料ガス供給手段
50aは、先に説明の原液供給装置65と液体原料供給
装置55と、原料溶液気化装置(原料ガス供給源)62
から概略構成されている。その他の構成は先の図1〜図
3に示す装置と同等であるので、同等の構成については
同一の符号を付してそれらの部分の説明を省略する。
【0041】次に上記のように構成されたCVDユニッ
トA,B,Cを有する酸化物超電導導体の製造装置を用
いてテープ状の基材T上に3層の酸化物超電導層を形成
し、酸化物超電導導体を製造する場合について説明す
る。図4〜図6に示す製造装置を用いて酸化物超電導体
を製造するには、まず、テープ状の基材Tと酸化物超電
導体の原料溶液と安定化膜の原料溶液を用意する。この
基材Tは、先の例で用いた基材38と同等のものを用い
ることができる。また、酸化物超電導体をCVD反応に
より生成させるための液体原料についても先に説明の装
置の場合と同等のものを用いることができる。
【0042】一方、上記のようなテープ状の基材Tを用
意したならば、これを酸化物超電導導体の製造装置内の
基材搬送領域Rに基材搬送機構78により基材導入部3
4Aから所定の移動速度で送り込むとともに基材搬送機
構の巻取ドラム74で巻き取る。また、各原料ガス供給
手段50aによってCVDユニットA、B、CのCVD
反応装置30にガスを送り込む方法についても先の一例
の場合と同等で良い。これにより、基材Tを3つのリア
クタ31Aに順次送り込むことができ、基材Tの上に3
層の酸化物超電導層a、b、cを積層した図3に示すも
のと同等の酸化物超電導導体Sを得ることができる。
【0043】さらに、制御手段82Aは、CVDユニッ
トA,B,Cごとにガス分圧を独立に制御して、各反応
生成室35A内において所定のガス分圧を維持するよう
に原料ガス供給手段50a、50b、50aを制御す
る。この際、制御手段82Aは、テープ状の基材Tの移
動方向の反応生成室35のガス分圧よりも、テープ状の
基材Tの移動方向下流の反応生成室35のガス分圧が高
くなるように原料ガス供給手段50a、50b、50a
を制御することが好ましい。なお、酸化物超電導薄膜a
の成膜後は、必要に応じて酸化物超電導薄膜の結晶構造
を整えるための熱処理を施してもよい。
【0044】最後に、上述のようにして形成した酸化物
超電導導体S上にさらに銀等からなる保護膜をスパッタ
法や蒸着法等により形成すると、安定化層付きの酸化物
超電導導体を得ることができる。このような構造の酸化
物超電導導体Sの各酸化物超電導層a、b、cの厚みの
具体例としては、先の例の場合と同様に酸化物超電導層
aの厚さを0.1〜0.4μmの範囲、より好ましくは
0.16〜0.33μmの範囲とする。先の酸化物超電導
層aの厚さを0.1〜0.4μmの範囲とするのは、基材
38の移動速度を調節することによって実現できる。具
体的に例えば、圧延銀テープを用いる場合、圧延銀テー
プの搬送速度を1m/hの割合とすると、0.33μm
の厚さの酸化物超電導層aを生成することができる。
【0045】図4〜図6に示す構造の装置を用いて酸化
物超電導導体Sを製造するならば、3層構造の酸化物超
電導導体Sを1回の基材Tの移動により製造することが
できる。この例で得られる酸化物超電導導体Sにあって
も、基材38の搬送速度を適切な範囲として適切な厚さ
の酸化物超電導層a、b、cを積層してなるので、各酸
化物超電導層a、b、cの個々の層のa軸配向粒の粗大
化を抑制し、個々の層での異相成分の析出を防止できて
いるので、各酸化物超電導層a、b、cの個々の層の有
効な電流パスを大きくすることができ、結果的に3層全
体としての臨界電流を大きくすることができる。なお、
図4〜図6に示す装置を用いて送出ドラム77と巻取ド
ラム74の間において基材Tを繰り返し往復移動し、6
層、あるいは9層などの積層数の酸化物超電導層を積層
して酸化物超電導導体を製造しても良い。
【0046】
【実施例】以下、本発明を、実施例および比較例によ
り、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 「実施例1」Y1Ba2Cu37-xなる組成で知られるY
系の酸化物超電導薄膜を形成するために、CVD用の原
料溶液としてBa-ビス-2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘ
プタンジオン-ビス-1,10-フェナントロリン(Ba(t
hd)2(phen)2)と、Y(thd)2と、Cu
(thd)2を用いた。これらの各々をY:Ba:Cu
=1.0:3.0:2.7のモル比で混合し、テトラヒド
ロフラン(THF)の溶媒中に7.3重量%になるよう
に添加したものを酸化物超電導体の液体原料(原料溶
液)とした。この酸化物超電導導体の液体原料を図1〜
図2に示す構成の酸化物超電導導体の製造装置に供し
た。テープ状の基材としては、長さ1000mm、幅1
0mm、厚さ0.2mmの圧延Agテープを用いた。
【0047】先の原料溶液を加圧式液体ポンプ(加圧
源)により0.27ml/分の流速で、液体原料供給装
置の原料溶液供給部に連続的に供給した。これと同時に
アトマイズガスとしてArをアトマイズガス供給部に流
量300ccm程度で送り込むとともにシールドガスと
してArをシールドガス供給部に流量100ccm程度
で送り込んだ。以上の操作により、一定量のミスト状の
液体原料を気化器内に連続的に供給し、さらにこの液体
原料が気化した原料ガスをガス導入管を経てCVD反応
装置のガス拡散部材に一定量連続的に供給した。この時
の気化器および輸送管の温度は230℃とした。
【0048】 送出ドラム側から巻取ドラム側に移動さ
せる基材のリアクタ内の基材移動速度を1.8m/h、
基材加熱温度を760〜800℃、リアクタ内圧力を
5.0トール、設定酸素分圧値を1.43〜1.53トー
ルに設定して、基材上に厚さ0.16μmのYBaCu
O系の酸化物超電導層を連続的に形成した。送出ドラム
側から巻取ドラム側に移動させる必要長さの基材の移動
を終了した後、送出ドラムと巻取ドラムの回転を逆転
し、再度リアクタ内を通過させて酸化物超電導層を積層
する操作を行い、先に生成した酸化物超電導層上に厚さ
0.16μmのYBaCuO系の酸化物超電導層を積層
するという基材の往復移動を繰り返し3往復行って合計
6層積層の酸化物超電導層(厚さ1μm)を有する酸化
物超電導導体を得た。この6層構造の酸化物超電導層
は、総厚約1μmであるが、臨界電流値として7.3A
(77K、0磁場)を得ることができた。
【0049】「比較例1」先に示したCVD装置と原
料、基材等は同等のものを用い、基材搬送条件のみを
0.32mに設定し、厚さ1μmの酸化物超電導層を基
材上に1層のみ積層しこの1層構造の酸化物超電導層
は、厚さ1μmであるが、臨界電流値として、5.7A
(77K、0磁場)を得ることができた。
【0050】先の実施例1と比較例1との対比から、総
厚がほぼ同等の酸化物超電導層であっても、薄い酸化物
超電導層を複数層積層したものの方が高い臨界電流値が
得られた。なお、厚さ1μmの酸化物超電導層を断面観
察したところ、a軸配向した異常成長結晶の存在と異相
の析出を一部認めることができた。
【0051】「実施例2」次に、図4〜図6に示すよう
に3つの反応生成室を有するようにCVDユニットを酸
化物超電導体の製造装置に組み込んだ装置を用い、各遮
断ガス供給手段により各境界室にArガスの遮断ガスを
供給することにより3つの反応生成室をそれぞれ独立し
た雰囲気状態とした。ついで、3つの反応生成室のうち
CVDユニットに備えられた各反応生成室内には先の実
施例と同等の液体原料を加圧式ポンプにより液体原料供
給装置に0.2ml/分で送り込み、気化器本体内部へ
霧化供給して酸化物超電導体の原料ガスを得、さらにこ
の酸化物超電導体の原料ガスを酸化物超電導体の原料ガ
ス導入管からガス拡散部を経て反応生成室に供給した。
【0052】そして、さらに加熱ヒータで銀テープの基
材を約760〜800℃に加熱しながらリアクタ内部の
基材搬送領域Rに1m/時間で送り込み、リアクタ内圧
力を5.0トール(665Pa)、設定酸素分圧値を1.
43〜1.53トール(190〜203Pa)に設定し
て、3つの反応生成室内を順次通過させ、CVDユニッ
トに備えられた各反応生成室内では基材上に上記酸化物
超電導体の原料ガスを化学反応させ、基材上に厚さ0.
33μmのY1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導
層を3層積層し、図3に示す構造の酸化物超電導導体を
得た。この3層構造の酸化物超電導層は、総厚約1μm
であるが、臨界電流値として7.0A(77K、0磁
場)を得ることができた。
【0053】「実施例2」次に、図4〜図6に示すよう
に3つの反応生成室を有するようにCVDユニットを酸
化物超電導体の製造装置に組み込んだ装置を用い、各遮
断ガス供給手段により各境界室にArガスの遮断ガスを
供給することにより3つの反応生成室をそれぞれ独立し
た雰囲気状態とした。基材として圧延Agテープ(幅1
0×厚さ0.2×長さ1000m)を用い、0.5m/h
の搬送速度で3往復することにより0.66μm厚さの
酸化物超電導層を3層成膜し、総厚約2μmの酸化物超
電導層を有する酸化物超電導導体を得た。また、同等の
条件において基材搬送速度を1m/hに設定し、厚さ
0.33μmの酸化物超電導導体を成膜した。
【0054】これらの結果から、1層構造の酸化物超電
導層よりも、薄い積層構造の酸化物超電導層の方が高い
臨界電流値を得られ易い傾向があることが判明した。ま
た、0.33μmの酸化物超電導層を6層備えた構造の
酸化物超電導導体が10Aを超える13Aを示したので
優れた酸化物超電導導体であることが判明した。更に、
酸化物超電導層の複数積層型のものであっても、1層当
たりの厚さが、0.66μmのものでは、積層による臨
界電流値の向上効果は少なくなる傾向にある。以上のこ
とから、酸化物超電導層の厚さは、好ましくは、0.1
6〜0.33μmの範囲であると思われる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明の酸化物超電
導体にあっては、基材上に成膜する方法により得られた
酸化物超電導層が複数積層されてなるので、複数の酸化
物超電導層の積層構造により酸化物超電導導体としての
通電可能な電流値の向上を図ることができる。本発明に
係る酸化物超電導導体は、前記積層された酸化物超電導
層が各々0.1〜0.4μmの範囲の厚さにされてなるの
で、結晶粒の粗大化や異相成分の析出を防止することが
でき、酸化物超電導導体として流し得る電流値を高くす
ることができる。
【0056】本発明に係る酸化物超電導体の製造方法
は、原料ガスを化学反応させて基材上に成膜するための
成膜領域を複数回通過させ、成膜領域を1回通過するこ
とにより成膜した酸化物超電導層の上に他の回の成膜領
域の通過により成膜した他の酸化物超電導層を積層する
ので、成膜領域を通過させた1回目の化学気相法により
得られた酸化物超電導層の上に成膜領域を通過させる2
回目の化学気相法により酸化物超電導層を積層すること
で、1層あたりの臨界電流値を高くした状態の酸化物超
電導層を複数積層することができ、積層構造としての全
体の通電可能な電流値の向上を図ることができる。
【0057】本発明に係る製造方法において、積層され
る各酸化物超電導層の厚さを0.1〜0.4μmの範囲の
厚さにすることにより、a軸配向結晶粒などの粗大化を
抑制でき、異相結晶粒の生成を防止できるので、望まし
い組織と組成であり、導電パスの断面積の大きな酸化物
超電導層を積層できるので、総合的な臨界電流値の向上
をなし得ることができ、全体として臨界電流値の大きな
酸化物超電導導体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る酸化物超電導導体を製造する際
に用いる製造装置の一例の全体構成を示す図である。
【図2】 図1に示す酸化物超電導導体の製造装置に備
えられたリアクタの一構造例を示す斜視図である。
【図3】 図1と図2に示す装置で製造された酸化物超
電導導体の一構造例を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る酸化物超電導導体を製造する際
に用いる製造装置の他の例の全体構成を示す図である。
【図5】 図4に示す製造装置に備えられるリアクタの
詳細構造を示す斜視図である。
【図6】 図4に示す製造装置に備えられるリアクタの
詳細構造を示す断面図である。
【図7】 従来の酸化物超電導導体の一例を示す断面図
である。
【図8】 従来の酸化物超電導導体の他の例を示す断面
図である。
【図9】 従来の酸化物超電導導体において基材搬送速
度と膜厚の関係を示す図である。
【図10】 従来の酸化物超電導導体において膜厚と臨
界電流の関係を示す図である。
【符号の説明】
a、b、c…酸化物超電導層、S…酸化物超電導導体、
38、T…基材、A、B、C…CVDユニット、30…
CVD反応装置、31A…リアクタ、32A,33A,
37A…隔壁、34…基材導入部、35…反応生成室、
36…基材導出部、38…境界室、39…基材通過孔、
40…ガス拡散部、53…原料ガス導入管、80、80
A…ガス排気手段、R…基材搬送領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 39/24 H01L 39/24 B (72)発明者 武田 薫 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 鹿島 直二 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 長屋 重夫 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 Fターム(参考) 4G047 JA03 JC02 KA04 KF01 KG01 LB01 4K030 AA11 BA42 BB12 CA02 CA17 JA01 KA09 KA12 LA03 4M113 AD35 AD36 AD66 AD68 BA15 BA18 BA29 CA33 CA34 CA35 CA36 5G321 AA01 BA01 BA03 BA05 CA05 CA21 CA22 CA24 DB33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状の基材の少なくとも一面側にお
    いて酸化物超電導体の原料ガスを化学反応させて基材上
    に成膜する方法により得られた酸化物超電導層が複数積
    層されてなることを特徴とする酸化物超電導導体。
  2. 【請求項2】 前記積層された酸化物超電導層が各々
    0.1〜0.4μmの範囲の厚さにされてなることを特徴
    とする請求項1に記載の酸化物超電導導体。
  3. 【請求項3】 テープ状の基材の少なくとも一面側にお
    いて酸化物超電導体の原料ガスを化学反応させて基材上
    に成膜する方法により基材上に酸化物超電導層を生成す
    る方法において、原料ガスを化学反応させて基材上に成
    膜するための成膜領域を複数回通過させ、成膜領域を1
    回通過することにより成膜した酸化物超電導層の上に他
    の回の成膜領域の通過により成膜した他の酸化物超電導
    層を積層することを特徴とする酸化物超電導導体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化物超電導層の上に他の酸化物超
    電導層を積層する場合、1つの成膜領域に対して基材を
    繰り返し通過させて複数の酸化物超電導層を積層する方
    法か、複数の成膜領域に対して順次基材を通過させて複
    数の酸化物超電導層を積層する方法のいずれかを行うこ
    とを特徴とする請求項3に記載の酸化物超電導導体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の酸化物超電導層を積層する場
    合、各酸化物超電導層の厚さを0.1〜0.4μmの範囲
    の厚さにすることを特徴とする請求項4に記載の酸化物
    超電導導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 移動中のテープ状の基材の少なくとも一
    面側に酸化物超電導体の原料ガスを化学反応させて酸化
    物超電導薄膜を成膜するCVD反応を行うリアクタと、
    前記リアクタに酸化物超電導体の原料ガスを供給する酸
    化物超電導体の原料ガス供給手段と、前記リアクタ内の
    ガスを排気するガス排気手段とが備えられ、 前記酸化物超電導体の原料ガス供給手段に、酸化物超電
    導体の原料ガス供給源と、酸化物超電導体の原料ガス導
    入管と、酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段とが備え
    られ、 前記リアクタに、基材導入部と反応生成室と基材導出部
    とがそれぞれ隔壁を介して区画され、前記反応生成室が
    テープ状の基材の移動方向に直列に複数設けれられ、前
    記各隔壁に基材通過孔が形成され、前記リアクタの内部
    に基材導入部と複数の反応生成室と基材導出部とを通過
    する基材搬送領域が形成され、前記複数設けられた反応
    生成室にそれぞれガス拡散部が設けられ、 前記複数設けられた反応生成室が成膜領域とされ、該反
    応生成室に前記ガス拡散部を介して前記酸化物超電導体
    の原料ガス導入管が接続されてなる成膜装置を用いて成
    膜することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載
    の酸化物超電導導体の製造方法。
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