JP2003036296A - 製品製造プロセスの管理方法及び管理システム - Google Patents

製品製造プロセスの管理方法及び管理システム

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JP2003036296A
JP2003036296A JP2001223767A JP2001223767A JP2003036296A JP 2003036296 A JP2003036296 A JP 2003036296A JP 2001223767 A JP2001223767 A JP 2001223767A JP 2001223767 A JP2001223767 A JP 2001223767A JP 2003036296 A JP2003036296 A JP 2003036296A
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Akio Honchi
章夫 本地
Takashi Sakurai
隆 櫻井
Tetsuo Horiuchi
哲男 堀内
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
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Hitachi Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、前工程群とこれに続く後工程
群の少なくとも一方が複数の工程群からなる製品製造プ
ロセスにおいて、各工程群で使用する製造設備に能力差
がある場合でも、常に製造プロセス全体の最適化が図
れ、製造原価を十分に低減できる製品製造プロセスの管
理方法及び管理システムを提供することにある。 【解決手段】複数の工程群の各工程群におけるボトルネ
ックとなる工程に関する情報に基づいて求められた利益
速度を表すデータを工程群毎に設置された情報端末から
ネットワークを介して収集し、この各工程群の利益速度
を表すデータを用いて製造プロセス全体の利益が最大と
なる前記複数の工程群の最適な組合せを求め、該最適な
組合せに関する情報を前記ネットワークを介して工程群
毎に設置された前記情報端末に提供することにより、前
記複数の工程群の製造プロセスを管理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前工程群で得られ
た半製品を後工程群へ供給して製品(完成品)を製造す
るプロセスに係り、特に前工程群又は後工程群の少なく
とも一方が複数の工程群からなる製造プロセスの管理に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】製品の製造プロセスは、これまで、主と
して直接員に対して標準作業時間を提示し、これを目標
に作業を管理してきた。プロセス自動化の進展により、
直接的な労務費の割合が減少してきたにもかかわらず、
プロセス管理の手法は従来通り直接員の労務管理を中心
に考えられてきた。
【0003】また、これまでは工程群に含まれる各工程
に要する時間を最小にするように運用し、設備の償却
費,間接業務に携わる労務費,動力照明費等の固定的費
用を、例えば各工程に要した時間割合で配分してきた。
このため、ある工程の所要時間を短縮しても、全体とし
て固定的費用の減少または製造量の増加にはつながら
ず、利益増にはならない場合があった。固定的費用の減
少または製造量の増加が伴わない場合は、製品単価に含
まれる固定的費用の配分が変わらないため、原価低減に
つながりにくかった。
【0004】また、半導体製造プロセスのように多数の
装置と工程(前工程群及び後工程群)が入り交じっている
場合には、一定以上の製造設備があれば製造が可能なた
め、前工程群及び後工程群ともに複数の工程群の使用が
可能である。この場合、各工程群で使用する製造設備の
能力(装置の機種,台数など)に差があったり、製造設
備が地理的に離れた場所にあることも多い。従って、ど
の工程群にどの程度の作業量を配分するかという問題が
生じる。
【0005】一方、一定時間内に製造される製品の量は
最も遅い工程(ボトルネックとなる工程)が制約となっ
ていることに着目して、固定的費用を制約となっている
工程のみに賦与してプロセスの効率化を図ろうとする考
え方がある。これは、例えば米国特許第5,966,964号や
米国特許第5,946,661号に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前工
程群とこれに続く後工程群の少なくとも一方が複数の工
程群からなる製品製造プロセスにおいて、各工程群で使
用する製造設備に能力差がある場合でも、常に製造プロ
セス全体の最適化が図れ、製造原価を十分に低減できる
製品製造プロセスの管理方法及び管理システムを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、製品の製造
プロセス(以下、単に製造プロセスという)の自動化に
合わせた効率的管理方法を提供するために、製品の価格
からコストである材料費と加工費(直接労務費と固定的
費用)を差し引いた利益を最大化する方法を提供する。
特に、半導体の製造プロセスに見られるように、多数の
装置と工程が入り交じり、前工程群と後工程群に分割で
きる製造プロセスを主な対象としている。
【0008】本発明は、各工程群で使用する製造設備に
能力差がある場合でも、以下のようにして、常に製造プ
ロセス全体の最適化を図り、製造原価を十分に低減す
る。
【0009】単位時間(分)当りの利益すなわち利益速
度を求める手法では、製造プロセスの各工程における実
際の所要時間を計測して、ボトルネックとなる工程(以
下、BN工程という)を見出し、加工費をBN工程での
所要時間で割ることにより、単位時間当りの加工費とす
る。これに製品製造に要したBN工程の時間を掛けるこ
とにより、製品原価のうちの加工費を求める。製品の価
格から、コストである材料費と加工費(直接労務費と固
定的費用)を差し引いた額が利益となる。この利益をB
N工程での所要時間で割ることにより、利益速度が導出
される。本発明では、この利益速度を最大化する考え方
を導入している。
【0010】この考え方を実際の製造プロセスに有効に
適用するために、本発明では、利益速度を最大化する方
法と製造プロセスとをネットワークを介して有機的に結
合させ、各工程群の利益速度をリアルタイムで計測し
て、製造プロセス全体の利益を最大とする複数の工程群
の組合せを求め、この結果を各工程群にフィードバック
するようにした。
【0011】具体的には、本発明では、複数の工程群か
らなる製品製造プロセスの各工程群におけるボトルネッ
クとなる工程に関する情報に基づいて求められた利益速
度を表すデータを工程群毎に設置された情報端末からネ
ットワークを介して収集し、この各工程群の利益速度を
表すデータを用いて前記製造プロセス全体の利益が最大
となる前記複数の工程群の最適な組合せを求め、該複数
の工程群の最適な組合せに関する情報を前記ネットワー
クを介して工程群毎に設置された前記情報端末に提供す
ることにより、前記複数の工程群の製造プロセスを管理
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を半導体製造プロセ
スに適用した例について説明するが、本発明が類似の別
の製造プロセスにも適用可能であることは明らかであ
る。
【0013】(実施例1)以下、本発明を半導体製造プ
ロセスの管理サービスビジネスに適用した一実施例を図
面により説明する。図1は本サービスビジネスの主なビ
ジネスフロー図、図2は本サービスビジネスの概略ビジ
ネス系統図である。本実施例では、半導体製造プロセス
におけるプロセス全体の利益が最大となるような最適な
製造プロセスに関する情報を提供するサービスビジネス
を例に取って、以下説明する。
【0014】図1に示すように、本サービスビジネスに
関係する当事者は、管理サービス事業者1,半導体製造
事業者2,ソフト販売事業者3,機器リース事業者4で
ある。
【0015】図2に示すように、管理サービス事業者1
は利益管理システム10を備え、利益管理システム10
がインターネット等のネットワーク5を介して、半導体
製造事業者2,ソフト販売事業者3,機器リース事業者
4と接続されている。
【0016】半導体製造事業者2は、半導体製造プロセ
スのうち前工程群を実施する1ヶ所の製造設備21,後
工程群1〜3を実施する3ヶ所の製造設備22〜24を
有している。各製造設備21〜24には端末21a〜2
4aが設置され、端末21a〜24aがネットワーク5
に接続されている。各端末21a〜24aには、各工程
群の管理に必要な情報(データ)が保存され、各工程群
内において利益速度(単位時間当りの利益)の最適化計
算(演算)を実施し、最も効率よく各工程群が運用され
る。
【0017】一方、利益管理システム10は、サーバ1
1,最大利益演算部12,管理履歴データベース(D
B)13,制約条件データベース(DB)14,標準条
件データベース(DB)15を備える。サーバ11は、
ネットワーク5に接続されており、ネットワーク5を介
して各製造設備の端末21a〜24aに保存されている
情報(データ)を取り込む。
【0018】最大利益演算部12は、利益最大化プログ
ラムを備え、このプログラムにより、サーバ11が端末
21a〜24aから取り込んだデータを用いて、最も利
益を出す最適な工程群の組合せを求める。最大利益演算
部12には制約条件DB14及び標準条件DB15が接
続されており、利益最大化プログラムはこれらのデータ
ベースに保存されている条件(データ)を用いて、最適
な工程群の組合せを求める。標準条件DB15は、類似
する工程群のデータなどを代表的な(標準的な)各工程群
のデータとして保存している。これにより、何らかの原
因で端末21a〜24aから工程群の情報が得られなか
った場合でも、標準条件DB15に保存されている工程
群の情報を用いて、データの空白部を埋めることができ
る。
【0019】最大利益演算部12で求めた演算結果であ
る最適な工程群の組合せに関する情報(以下、最適工程
群情報という)は、サーバ11を介して管理履歴DB1
3に逐次保存される。管理履歴DB13に保存された最
適工程群情報は、サーバ11及びネットワーク5を介し
て各製造設備の端末21a〜24aに送信される。端末
21a〜24aは、受信した最適工程群情報に従って各
工程群を最適に運用(制御)する。
【0020】以下、図1を用いて、本サービスビジネス
の詳細を説明する。管理サービス事業者1は、ネットワ
ーク5を介して工程群毎の利益速度の最適化計算を行う
ための利益速度最適化プログラムをソフト販売事業者3
から受け取り、このソフト使用料をソフト販売事業者3
に支払う。管理サービス事業者1は、ソフト販売事業者
3との間でソフト使用契約を締結し、この契約において
ソフト使用料の支払い条件などを予め決めておく。
【0021】また、管理サービス事業者1は、半導体製
造プロセスの各工程群を実施する各製造設備21〜24
に設置する複数の端末(情報端末)21a〜24aを機
器リース事業者4からリースし、この端末リース料を機
器リース事業者4に支払う。さらに、管理サービス事業
者1は、必要に応じてまたは定期的に端末などの機器メ
ンテナンスを機器リース事業者4に依頼し、機器リース
事業者4が機器メンテナンスを実施する。管理サービス
事業者1は、機器リース事業者4との間で端末リース契
約を締結し、この契約において端末リース料の支払い条
件、機器メンテナンス条件などを予め決めておく。
【0022】また、管理サービス事業者1は、顧客であ
る半導体製造事業者2が所有する半導体製造プロセスの
前工程群及び後工程群1〜3を実施する製造設備21〜
24に、機器リース事業者4からリースした端末21a
〜24aを設置する。この際、端末21a〜24aに
は、利益速度最適化プログラム及び各工程群の運用(制
御)プログラムがインストールされている。
【0023】管理サービス事業者1は、各製造設備に設
置した端末21a〜24aから工程管理に必要なデータ
(工程管理用データ)を入手し、利益最大化プログラム
により、これらのデータを使って利益が最大となるよう
な最適な製造プロセス(工程群の組合せ)を求め、求め
た最適な製造プロセスに関する情報(最適工程群情報)を
半導体製造事業者2に提供する。
【0024】半導体製造事業者2は、管理サービス事業
者1から提供された最適工程群情報に基づいて、端末2
1a〜24aにより、製造プロセス(各工程群)を変更
し、最も効率よく各工程群が運用される。また、半導体
製造事業者2は、この製造プロセスの変更による利益の
増減などの効果を端末21a〜24aにより確認し、こ
の効果に関する情報を実施結果として、管理サービス事
業者1に報告(提供)する。
【0025】管理サービス事業者1は、半導体製造事業
者2から報告された実施結果に応じた管理サービス費を
半導体製造事業者2に請求して受け取る。管理サービス
費は、例えば利益の増加額に応じてランク分けされる。
また、管理サービス費に前記の端末リース料を含ませる
場合もある。管理サービス事業者1は、このような管理
サービス費に関する条件も含めた管理契約を半導体製造
事業者2との間で予め締結する。
【0026】次に、半導体製造プロセスの具体例につい
て図3を用いて説明する。図3は、半導体製造プロセス
の前工程群及び後工程群の一例を示すフローチャートで
ある。
【0027】図3に示すように、半導体製造プロセスの
前工程群及び後工程群には、それぞれ大きく分けて6種
類ずつの工程がある。前工程群は、ホトアライナー工程
A1,エッチング工程A2,インプラ工程A3,酸化・
拡散工程A4,デポ工程A5,研削・研磨工程A6から
構成される。後工程群は、ダイシング工程B1,ダイボ
ンディング工程B2,ワイヤボンディング工程B3,モ
ールディング工程B4,リード成形工程B5,マーキン
グ工程B6から構成される。
【0028】前工程群のホトアライナー工程A1では、
写真技術によりウエハ表面にパターンを描く。エッチン
グ工程A2では、パターニングされたウエハ表面を薬液
または特殊ガスを用いて加工する。インプラ工程A3で
は、P層あるいはN層を形成するために必要なイオン種
をウエハ表面に打ち込む。酸化・拡散工程A4では、高
温熱処理によって、ウエハ表面を酸化したり、イオン種
をウエハ内部に拡散させる。デポ工程A5では、絶縁
膜,保護膜を化学反応等を用いて形成する。研削・研磨
工程A6では、ウエハを機械的または化学的に加工す
る。
【0029】次に、後工程群のダイシング工程B1でウ
エハを切断してチップを切り出し、ダイボンディング工
程B2でパッケージの所定の位置に接着する。ワイヤボ
ンディング工程B3で配線し、モールディング工程B4
で高分子樹脂により封止する。リード成形工程B5で
は、リード部を形成して折り曲げる。最後に、マーキン
グ工程B6で製造メーカ印,品番,ロット番号などを捺
印して、製品が出来上がる。
【0030】実際の前工程群では、製品の種類によって
上記6種類の工程が複雑に組合わされ、前工程群を完了
したウエハ(半製品)が製造される。このように目的と
する製品の種類に応じて、前工程群及び後工程群内の各
工程が適切に組合わされて最終製品(完成品)が得られ
る。最終製品は、例えばIC,IGBTなどであり、そ
れぞれにおいて多くの機種に細分されている。
【0031】また、同じ製品を製造できる複数の前工程
群或いは後工程群が存在し、しかも地理的に離れた場所
にある場合もある。半導体の製造の場合、複数の工場や
拠点で同じ製品を製造できるのは、基本的なプロセスが
同じであり、その組合せや処理時間を変更することで所
望の製品を造ることができるからである。
【0032】しかし、前工程群及び後工程群には枚葉式
(ウエハ1枚毎に処理する方式)やバッチ式(複数枚を
一括処理する方式)の作業が混在し、また製造装置の台
数や種類により、各工程の所要時間が異なり、単位時間
当りに各工程で処理できる製品の数が異なる。即ち、多
種類の製品を製造する方法が多数存在することになり、
製造方法によって加工費が変わり、利益が変動する。
【0033】本発明では、このような状況にあるとき、
最も利益を上げる、即ち製造原価を最も低くして売上を
伸ばすための最適な製造方法を提供する。その手法とし
て、単位時間(分)当りの利益という考え方を用いて、
前工程群及び後工程群の各工程群における単位時間当り
の利益(利益速度)を求め、利益速度に関するデータを
ネットワークを介して収集し、製造プロセス全体におけ
る利益が最大となるように、製品種類毎に、複数ある前
工程群及び後工程群の組合せを選択する。
【0034】以下、製造プロセス全体における利益を最
大とする製造プロセスの求め方を、図4を用いて説明す
る。図4は、図2における半導体製造プロセスの第1実
施例を示すフローチャートである。この場合、製造プロ
セス全体における利益が最大となるように、1つの前工
程群で製造されたウエハ(半製品)Wが3つの後工程群
に配分される。
【0035】前工程群は実際には複雑であるが、簡単の
ために図3に示した6種類の工程を備える例で説明す
る。各後工程群も図3に示した6種類の工程を備え、最
終的に3種類の製品X,Y,Zになる。何れの後工程群
においても3種類の製品を製造でき、前工程群で得られ
た半製品Wを3つの後工程群の一つで加工し、希望する
種類の製品構成を得る。
【0036】図4に示した符号の意味は、C(円/
個):半製品Wのコスト,BN:各後工程群の中でボト
ルネックとなる工程,tnm(分/個):後工程群n
(n=1〜3)のBNにおける製品m(m=X,Y,
Z)の所要時間(加工時間),Cn(円/分):後工程
群nのBNにおける単位時間当りの加工費,dn(円/
個):前工程群から後工程群nまでの輸送費、である。
【0037】この例の場合、後工程群1では工程B3
が、後工程群2では工程B2が、後工程群3では工程B
1が、それぞれBNである。各BNではtnm及びCn
が求められ、このtnm及びCnを用いて、後工程群
n,製品mの1個当りの利益Bnmが次式から求められ
る。
【0038】
【数1】 Bnm=Pm−(C+Rnm+dn)−Cn×tnm (数1) ここで、Pm(円/個):製品mの価格,Rnm(円/
個):工程群n,製品mの原料費、である。利益速度は
Bnm/tnmで表されるので、利益を大きくするため
には、この値の大きい工程群を優先的に使えばよい。
【0039】実際には複数の製品を目標数に従って製造
するので、希望する製品種類(X,Y,Z)の構成(す
なわち各製品種類の目標個数)となる後工程群の組合せ
に対して(数1)を適用し、製品全体の利益が最大とな
るように、最適化演算を行う。尚、Bnmは、(利益速
度×tnm)から求めることができる。
【0040】この最適化演算は、次のようにして行う。
後工程群nから生産される製品mの数をNnm(個)と
すると、利益総額Bは次式のようになる。
【0041】
【数2】
【0042】Bnmは定数となるので、Nnmを変数と
して、例えば線形計画法のような最適化手法によって利
益総額Bが最大となるようなNnmを求め、利益が最大
となる最適な後工程群の組合せを求める。
【0043】以上のようにして、各後工程群のBNに関
する情報、利益速度を表すデータ等を用いて、製造プロ
セス全体における利益が最大となる最適条件(最適な工
程群の組合せ)を求める。
【0044】なお、上記最適化演算の制約条件として、
各後工程群のBNで製造される製品の所要時間(加工時
間)の合計である総所要時間が、工程の最大稼働時間を
超えないようにする。また、上記(数1)には工程群間
の輸送費dnが含まれているため、製造設備が地理的に
離れた場所にある場合にも対応可能である。この最適化
演算の結果を前工程群及び後工程群にフィードバックし
て、製造プロセス全体における利益が最大となる条件
で、製造プロセスを運用する。
【0045】次に、図2の利益管理システム10によ
り、製造プロセス全体として利益を最大化するように製
造プロセスを管理する方法を説明する。図5は、この方
法を示すフローチャートである。
【0046】まず、図2の製造設備21〜24に設置さ
れている端末21a〜24aが、各工程群のBNを決定
し、各BNの所要時間を測定して、各工程群の運用を最
適化する。この最適化後に、端末21a〜24aは、再
び各工程群のBNを決定し、各BNの所要時間を測定す
るとともに、各工程群の利益速度を求める。端末21a〜
24aは、ネットワーク5を介して、このBNに関する
情報(前記のBN,Cn,tnmなど)及び利益速度を
表すデータ(情報)を利益管理システム10に送信す
る。
【0047】利益管理システム10は、各端末から送信
された各工程群のBNに関する情報及び利益速度を表す
データをサーバ11に収集し、利益最大化プログラムに
より全製造プロセスの最適化を図る。即ち、製造プロセ
ス全体として利益を最大とする最適な工程群の組合せを
求める。
【0048】各端末からサーバ11に収集された情報の
データフォーマットの一例を図6に示す。図6は図4の
製品Xに関して端末22a〜24aから収集したデータ
の例で、各後工程群に対応して、端末からデータが送信
された日時、BN,tnx,Cn,利益速度(Bnx/
tnx),Px,dn,Rnxなどのデータが整理さ
れ、これらのデータをもとに(数1)以降で説明したよ
うに最適化を図る。
【0049】利益管理システム10は、この最適な工程
群の組合せに関する情報(最適工程群情報)として、各
工程群の作業配分に関する指示情報(以下、作業配分指
示情報という)を、ネットワーク5経由で端末21a〜
24aに送信する。端末21a〜24aは、利益管理シス
テム10から送信された作業配分指示情報に基づいて、
各工程群の作業を実施する。このように、利益管理シス
テム10は、工程群管理装置として機能する。
【0050】以上のような製造プロセスの見直しを所定
期間毎に実施することにより、全製造プロセスにおける
利益の最大化を常に図ることができる。即ち、常に製造
プロセス全体の最適化が図れ、製造原価を十分に低減で
きる。製造プロセスの見直し時期に関しても、管理サー
ビス事業者1と半導体製造事業者2との間で締結する管
理契約において予め決めておく。もちろん、上記製造プ
ロセスの見直しを、半導体製造事業者2からの要求によ
り適宜実施するような契約にすることも可能である。
【0051】(実施例2)次に、半導体製造プロセスの
第2実施例を図7により説明する。図7は、図2におけ
る半導体製造プロセスの第2実施例を示すフローチャー
トである。図4の第1実施例では前工程群は1つのみで
あったが、本実施例では3つの前工程群が存在する例を
示す。この場合、図4で説明した後工程群の考え方を前
工程群にも適用し、半製品Wを製造する際の各前工程群
への配分を最適化して、半製品Wの総コストCを最小化
する。
【0052】この例では、前工程群1では工程A3が、
前工程群2では工程A4が、前工程群3では工程A2
が、それぞれBNである。各BNではtnw及びCnが
求められ、このtnw及びCnを用いて、以下のように
して、半製品Wの総コストCを最小化する前工程群の最
適な配分を決定する。
【0053】なお、図7に示した符号は、BN:各工程
群(前工程群及び後工程群)の中でボトルネックとなる
工程、tnw(分/個):前工程群n(n=1〜3)の
BNにおける半製品wの所要時間(加工時間)、tnm
(分/個):後工程群n(n=1〜3)のBNにおける
製品m(m=X,Y,Z)の所要時間(加工時間),C
n(円/分):前工程群nまたは後工程群nのBNにお
ける単位時間当りの加工費,dn(円/個):前工程群
から後工程群nまでの輸送費、である。
【0054】前工程群n(n=1〜3)での半製品Wの
コストCnwは次式で表される。
【0055】
【数3】 Cnw=Rnw+dn+Cn×tnw (数3) ここで、Rnw(円/個)は、前工程群n,半製品wの
原料費である。
【0056】前工程群nから生産される半製品Wの数を
Nnw(個)とすると、総コストCは次式のようにな
る。
【0057】
【数4】
【0058】Cnwは定数となるので、Nnwを変数と
して、例えば線形計画法のような最適化手法によってC
が最小となるようなNnwを求め、総コストCが最小と
なる最適な前工程群の配分(組合せ)を求める。このと
き、制約条件として、各前工程群のBNで製造される半
製品の所要時間(加工時間)の合計である総所要時間
が、工程の最大稼働時間を超えないようにする。
【0059】上記したBN,tnw及びCnwを求める
ことは各前工程群に対応する製造設備に設置された端末
が行い、これらの前工程群のBNに関する情報を用い
て、利益管理システム10が半製品WのコストCを最小
化する前工程群の最適な配分を求める。その後は、図4
及び図5と同様にして、利益管理システム10が製造プ
ロセス全体として利益を最大とする最適な工程群の組合
せを求め、これに従って各工程群に対応する製造設備に
設置された端末が最適な工程群の運用を実施する。
【0060】上記最適条件を求める場合、地理的に離れ
た場所にある工程群に関しては、輸送費や輸送時間につ
いても、第1実施例と同様に制約条件として考慮する。
【0061】上記した第1実施例及び第2実施例では、
各工程群(前工程群及び後工程群)のBNを判定し、そ
こでの製品毎の所要時間tnmおよび単位時間当りの加
工費Cnを求め、これをもとに利益が最大となるように
最適な工程群の配分を決めた。
【0062】しかし、tnmやCnが不明な工程群や、
BNが何処であるか不明な工程群が存在する場合もあ
る。そのような場合に対応するために、利益管理システ
ム10が標準条件DB15を備えている。標準条件DB
15には類似した標準的な工程群のデータが保存されて
おり、これらのデータを組合せて対象となる工程群を仮
想的に構築し、BNに関する情報が不足している工程群
のデータとして使用することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、前工程群とこれに続く
後工程群の少なくとも一方が複数の工程群からなる製品
製造プロセスにおいて、各工程群で使用する製造設備に
能力差がある場合でも、常に製造プロセス全体を最適化
して、製造原価を十分に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を半導体製造プロセスの管理サービスビ
ジネスに適用した一実施例を示す主なビジネスフロー
図。
【図2】図1の本サービスビジネスの概略ビジネス系統
図。
【図3】半導体製造プロセスの前工程群及び後工程群の
一例を示すフローチャート。
【図4】図2における半導体製造プロセスの第1実施例
を示すフローチャート。
【図5】利益管理システムにより製造プロセス全体とし
て利益を最大化するように製造プロセスを管理する方法
を示すフローチャート。
【図6】図4の製品Xに関して端末から収集したデータ
の例を示す図。
【図7】図2における半導体製造プロセスの第2実施例
を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…管理サービス事業者、2…半導体製造事業者、3…
ソフト販売事業者、4…機器リース事業者、5…ネット
ワーク、10…利益管理システム、11…サーバ、12
…最大利益演算部、13…管理履歴データベース、14
…制約条件データベース、15…標準条件データベー
ス、21,22,23,24…製造設備、21a,22
a,23a,24a…端末。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 哲男 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 鈴木 茂 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 Fターム(参考) 3C100 AA06 AA07 AA43 AA47 BB12 BB14 BB21 CC03 EE06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の工程群からなる製品製造プロセスの
    管理方法において、 各工程群におけるボトルネックとなる工程に関する情報
    に基づいて求められた単位時間当りの利益である利益速
    度を表すデータを、工程群毎に設置された情報端末から
    ネットワークを介して収集し、 この各工程群の利益速度を表すデータを用いて前記製造
    プロセス全体の利益が最大となる前記複数の工程群の最
    適な組合せを求め、 該複数の工程群の最適な組合せに関する情報を、前記ネ
    ットワークを介して、工程群毎に設置された前記情報端
    末に提供することにより、前記複数の工程群の製造プロ
    セスを管理することを特徴とする製品製造プロセスの管
    理方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ボトルネックとな
    る工程に関する情報は、該ボトルネックとなる工程にお
    ける製品の加工時間及び単位時間当りの加工費に関する
    情報を含むことを特徴とする製品製造プロセスの管理方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記ボトルネッ
    クとなる工程に関する情報を工程群毎に設置された前記
    情報端末からネットワークを介して収集し、前記ボトル
    ネックとなる工程に関する情報も用いて前記複数の工程
    群の最適な組合せを求めることを特徴とする製品製造プ
    ロセスの管理方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れかにおいて、工程群
    間の輸送費に関する情報も用いて前記複数の工程群の最
    適な組合せを求めることを特徴とする製品製造プロセス
    の管理方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかにおいて、前記複
    数の工程群が複数の前工程群とこれに続く複数の後工程
    群とからなり、前記複数の前工程群の一つで製造された
    半製品が、前記複数の後工程群の一つに配分されること
    を特徴とする製品製造プロセスの管理方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れかにおいて、工程群
    毎に設置された前記情報端末から前記利益速度を表すデ
    ータが入手できない場合には、予め保存している標準的
    な工程群のデータで代用することを特徴とする製品製造
    プロセスの管理方法。
  7. 【請求項7】複数の工程群からなる製品製造プロセスの
    管理方法において、 工程群毎に設置する情報端末を供給し、 各工程群におけるボトルネックとなる工程に関する情報
    に基づいて求められた単位時間当りの利益である利益速
    度を表すデータを、工程群毎に設置された前記情報端末
    からネットワークを介して収集し、 この各工程群の利益速度を表すデータを用いて前記製造
    プロセス全体の利益が最大となる前記複数の工程群の最
    適な組合せを求め、 該複数の工程群の最適な組合せに関する情報を、前記ネ
    ットワークを介して、工程群毎に設置された前記情報端
    末に提供することにより、前記複数の工程群の製造プロ
    セスを管理することを特徴とする製品製造プロセスの管
    理方法。
  8. 【請求項8】複数の工程群からなる製品製造プロセスの
    管理システムにおいて、 工程群毎に設置された情報端末にネットワークを介して
    接続され、各工程群におけるボトルネックとなる工程に
    関する情報に基づいて求められた単位時間当りの利益で
    ある利益速度を表すデータを工程群毎に設置された前記
    情報端末から前記ネットワークを介して収集し、この各
    工程群の利益速度を表すデータを用いて前記製造プロセ
    ス全体の利益が最大となる前記複数の工程群の最適な組
    合せを求め、該複数の工程群の最適な組合せに関する情
    報を前記ネットワークを介して工程群毎に設置された前
    記情報端末に提供することにより、前記複数の工程群の
    製造プロセスを管理することを特徴とする製品製造プロ
    セスの管理システム。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記ボトルネックとな
    る工程に関する情報は、該ボトルネックとなる工程にお
    ける製品の加工時間及び単位時間当りの加工費に関する
    情報を含むことを特徴とする製品製造プロセスの管理シ
    ステム。
  10. 【請求項10】請求項8又は9において、前記ボトルネ
    ックとなる工程に関する情報を工程群毎に設置された前
    記情報端末から前記ネットワークを介して収集し、前記
    ボトルネックとなる工程に関する情報も用いて前記複数
    の工程群の最適な組合せを求めることを特徴とする製品
    製造プロセスの管理システム。
  11. 【請求項11】請求項8乃至10の何れかにおいて、工
    程群間の輸送費に関する情報も用いて前記複数の工程群
    の最適な組合せを求めることを特徴とする製品製造プロ
    セスの管理システム。
  12. 【請求項12】請求項8乃至11の何れかにおいて、前
    記複数の工程群が複数の前工程群とこれに続く複数の後
    工程群とからなり、前記複数の前工程群の一つで製造さ
    れた半製品が、前記複数の後工程群の一つに配分される
    ことを特徴とする製品製造プロセスの管理システム。
  13. 【請求項13】請求項8乃至12の何れかにおいて、工
    程群毎に設置された前記情報端末から前記利益速度を表
    すデータが入手できない場合に代用するための標準的な
    データが保存されている標準条件データベースを備えた
    ことを特徴とする製品製造プロセスの管理システム。
  14. 【請求項14】複数の工程群からなる製品製造プロセス
    の管理システムにおいて、 前記複数の工程群毎に設置され、各工程群におけるボト
    ルネックとなる工程に関する情報に基づいて単位時間当
    りの利益である利益速度を表すデータを求める複数の情
    報端末と、 該複数の情報端末にネットワークを介して接続され、各
    工程群の利益速度を表すデータを前記複数の情報端末か
    ら前記ネットワークを介して収集し、この各工程群の利
    益速度を表すデータを用いて前記製造プロセス全体の利
    益が最大となる前記複数の工程群の最適な組合せを求
    め、該複数の工程群の最適な組合せに関する情報を前記
    ネットワークを介して前記複数の情報端末に提供するこ
    とにより、前記複数の工程群の製造プロセスを管理する
    工程群管理装置と、を備えることを特徴とする製品製造
    プロセスの管理システム。
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