JP2003035916A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP2003035916A
JP2003035916A JP2001221822A JP2001221822A JP2003035916A JP 2003035916 A JP2003035916 A JP 2003035916A JP 2001221822 A JP2001221822 A JP 2001221822A JP 2001221822 A JP2001221822 A JP 2001221822A JP 2003035916 A JP2003035916 A JP 2003035916A
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group
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Application number
JP2001221822A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Fujimoto
潔 藤本
Naoto Yanagihara
直人 柳原
Norihisa Kobayashi
範久 小林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答性、発色性、メモリ性等に優れ、滲みが
なく高精細で高密度な画像を保存性良く表示可能なEC
表示装置の提供。 【解決手段】 一対の電極の間に、電気化学的な酸化反
応及び還元反応の少なくとも一方により発色又は消色す
る化合物を少なくとも1種と、支持電解質と含有する媒
質を少なくとも有し、該媒質を加熱することによって画
像形成が制御される表示装置において、該化合物が画像
形成時の温度下では溶融せず画像形成時の温度下でのみ
溶融し視認可能に発色又は消色可能となることを特徴と
する表示装置である。化合物の融点が40〜200℃に
存する態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置に関し、
更に詳しくは、電気化学的酸化還元反応に伴う物質の吸
収波長変化を利用したエレクトロクロミック表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック(以下「EC」と
略称する)表示装置は、偏光板等が不要であるので視野
角依存性がなく受光型で視認性に優れる、電気化学的酸
化還元反応により発色又は消色する前記EC材料を含む
電解質と一対の電極とを少なくとも有すれば成立するの
で構造が簡単であり大型化が容易である、前記EC材料
の選択により多様な色調が得られる、電子の移動を遮断
し酸化還元状態を保持するだけで表示状態を静止できる
のでメモリー性に優れ、しかもその表示状態を維持する
のに電力が不要であるので消費電力が少ない、等の種々
の利点があることから各種分野において応用されてきて
いる。
【0003】近時、例えば、特開平9−120088号
公報、特開平7−152050号公報、特開平6−24
2474号公報等に示されているように、一対の電極上
に前記EC材料を蒸着し、該電極間に支持塩と溶媒とを
封入したEC表示装置や、一対の電極間に前記EC材料
と支持塩と溶媒とを封入したEC表示装置など、各種の
EC表示装置が提案されてきている。
【0004】しかし、これらのEC表示装置において
は、発色・消色に物質(イオン)の移動を伴うので、応
答速度が上げ難いという重大な問題があり、特に後者の
EC表示装置の場合には、発色物質の拡散による滲みが
発生してしまい、高精細な画像表示が困難であるという
問題がある。このため、例えば、特開2000−195
67号公報においては、後者のEC表示装置において高
分子固体電解質を用いることが提案されているが、加熱
等しても十分なイオン伝導度が得られず、応答性に劣る
という問題がある。したがって、応答性、発色性、メモ
リ性等に優れ、滲みがなく高精細で高密度な画像を保存
性良く表示可能なEC表示装置は未だ提供されていない
のが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記問題を解決し、以下の課題を解決することを目的
とする。即ち、本発明は、構造が簡単で製造が容易であ
り、応答性、発色性、メモリ性等に優れ、滲みがなく高
精細で高密度な画像を保存性良く表示可能なEC表示装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 一対の電極の間に、電気化学的な酸化反応及び
還元反応の少なくとも一方により発色又は消色する化合
物を少なくとも1種と、支持電解質と含有する媒質を少
なくとも有し、該媒質を加熱することによって画像形成
が制御される表示装置において、該化合物が非画像形成
時の温度下では溶融せず画像形成時の温度下でのみ溶融
し視認可能に発色又は消色可能となることを特徴とする
表示装置である。 <2> 化合物の融点が40〜200℃に存する前記<
1>に記載の表示装置である。 <3> 化合物が融点を有し、該融点が画像形成時の温
度と画像形成前の温度との間に存する前記<1>又は<
2>に記載の表示装置である。 <4> 化合物が炭素数12以上の直鎖アルキル基を分
子内に少なくとも1つ有する前記<1>から<3>のい
ずれかに記載の表示装置である。
【0007】前記<1>に記載の表示装置は、一対の電
極の間に、電気化学的な酸化反応及び還元反応の少なく
とも一方により発色又は消色する化合物を少なくとも1
種と、支持電解質と含有する媒質を少なくとも有し、該
媒質を加熱することによって画像形成が制御される表示
装置において、該化合物が非画像形成時の温度下では溶
融せず画像形成時の温度下でのみ溶融し視認可能に発色
又は消色可能となる。該表示装置においては、画像形成
時の温度下でのみ、前記化合物が溶融可能であり、視認
可能に発色又は消色し、画像の書込又は消去が行われ、
画像形成時の温度以外の温度下では、即ち画像形成時以
外(非画像形成時)では前記化合物が溶融せず、視認可
能な発色又は消色は起こらず、書込又は消去された画像
が保持される。このため、メモリ性が良好である。ま
た、前記化合物の視認可能な発色又は消色には温度依存
性があり、画像形成時の温度下でのみ該化合物が視認可
能に発色又は消色することから、応答性が良好であり、
発色性も良好である。
【0008】前記<2>に記載の表示装置は、前記<1
>において、化合物の融点が40〜200℃に存するの
で、画像形成時の温度以外である40℃未満の温度下
(非画像形成時の温度下)では、前記化合物が溶融せず
視認可能に発色又は消色しないが、温度上昇により40
〜200℃に存する前記融点を超えると、前記化合物が
溶融し視認可能に発色又は消色可能となり、該化合物の
視認可能な発色又は消色による画像の書込又は消去が行
われる。その後、温度低下により40〜200℃に存す
る前記融点を下回ると、前記化合物は溶融せず、視認可
能には発色又は消色せず、書込又は消去された画像が保
持される。このため、メモリ性が良好である。また、前
記化合物の視認可能な発色又は消色には温度依存性があ
り、画像形成時の温度下において該化合物が溶融し視認
可能に発色又は消色することから、応答性が良好であ
り、発色性も良好である。
【0009】前記<3>に記載の表示装置は、前記<1
>又は<2>において、化合物が融点を有し、該融点が
画像形成時の温度と画像形成前の温度との間に存する。
該表示装置においては、画像形成時の温度以外の温度下
では、即ち画像形成時以外(非画像形成時)では前記化
合物が固体状であるため電子の受け渡しが不能であり、
該化合物は発色又は消色しないが、画像形成時の温度下
になると、前記化合物が溶液状となり電子の受け渡しが
可能となり、該化合物は発色又は消色可能となり、該化
合物の発色又は消色による画像の書込又は消去が行われ
る。その後、画像形成時の温度以外の温度下に戻ると、
前記化合物が固体状となり、発色又は消色不能となり、
前記書込又は消去された画像が保持される。このため、
メモリ性が良好である。また、前記化合物の発色又は消
色に温度依存性があり、画像形成時の温度下でのみ該化
合物が発色又は消色することから、応答性が良好であ
り、発色性も良好である。
【0010】前記<4>に記載の表示装置は、前記<1
>から<3>のいずれかにおいて、化合物が炭素数12
以上の直鎖アルキル基を分子内に少なくとも1つ有す
る。該表示装置においては、画像形成時の温度以外の温
度下では、即ち画像形成時以外では前記化合物が固体状
であるため電子の受け渡しが不能であり、該化合物は発
色又は消色しないが、温度上昇により画像形成時の温度
下になると、前記特定の化合物が溶液状となり電子の受
け渡しが可能となり、該化合物は発色又は消色可能とな
り、該化合物の発色又は消色による画像の書込又は消去
が行われる。その後、温度低下により画像形成時の温度
以外の温度下に戻ると、前記化合物が固体状となり、発
色又は消色不能となり、書込又は消去された画像が保持
される。このため、メモリ性が良好である。また、前記
化合物の発色又は消色に温度依存性があり、画像形成時
の温度下でのみ該化合物が発色又は消色することから、
応答性が良好であり、発色性も良好である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の表示装置は、一対の電極
の間に媒質を少なくとも有してなり、更に必要に応じ
て、支持体、その他の部材を有してなる。
【0012】−媒質− 前記媒質における前記化合物としては、画像形成時の温
度下と画像形成前の温度下との間で急激に溶融するのが
好ましい。これらの場合には、前記化合物が融点を有
し、画像形成時以外(非画像形成時)では前記化合物の
溶融せず、温度上昇によりある温度を超えて画像形成時
の温度下になると急激に溶融するので、画像形成時にお
いて前記化合物を視認可能に発色又は消色させることが
でき、発色又は消色の応答性に優れる。
【0013】前記媒質における前記化合物の急激な溶融
は、40〜200℃に生ずるのが実用上好ましく、50
〜150℃に生ずるのがより好ましい。
【0014】前記媒質は、前記非画像形成時の温度下で
は溶融せず画像形成時の温度下でのみ溶融可能であっ
て、電気化学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一
方により発色又は消色する化合物を少なくとも1種含有
し、更に必要に応じて、支持電解質、マトリックス材、
その他の成分を含有してなる。
【0015】−−化合物−− 前記化合物(以下「EC材料」ということがある)とし
ては、前記非画像形成時の温度下では溶融せず画像形成
時の温度下でのみ溶融可能であれば特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができるが、融点を有して
いることが好ましく、該融点が画像形成時の温度と画像
形成前の温度との間に存するのがより好ましく、具体的
には、40〜200℃に存するのが実用上好ましく、5
0〜150℃に存するのがより好ましい。
【0016】前記無機材料としては、例えば、金属酸化
物、金属錯体、その他の材料などが好適に挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン、
酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化
バナジウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ロジウム、
酸化銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化鉄などが挙
げられる。前記金属錯体としては、例えば、例えば、プ
ルシアンブルー、金属−ビピリジル錯体、金属フェナン
トロリン錯体、金属−フタロシアニン錯体、メタフェリ
シアニド、これらの誘導体などが挙げられる。前記その
他の材料としては、例えば、ポリタングステン酸、窒化
インジウムなどが挙げられる。
【0017】前記有機材料としては、例えば、(1)ピ
リジン化合物類、(2)導電性高分子類、(3)スチリ
ル化合物類、(4)ドナー/アクセプター型化合物類、
(5)その他有機色素類、などが挙げられる。前記
(1)ピリジン化合物類としては、例えば、ビオローゲ
ン、ヘプチルビオローゲン(ジヘプチルビオローゲンジ
ブロミド等)、メチレンビスピリジニウム、フェナント
ロリン、アゾビピリジニウム、2,2−ビピリジニウム
錯体、キノリン・イソキノリン、などが挙げられる。前
記(2)導電性高分子類としては、例えば、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンジ
アミン、ポリアミノフェノール、ポリビニルカルバゾー
ル、高分子ビオローゲンポリイオンコンプレックス、T
TF、これらの誘導体などが挙げられる。前記(3)ス
チリル化合物類としては、例えば、2−[2−[4−
(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−3,3−ジ
メチルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−
[4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1,3−
ブタジエニル]−3,3−ジメチルインドリノ[2,1
−b]オキサゾリジン、2−[2−[4−(ジメチルア
ミノ)フェニル]エテニル]−3,3−ジメチル−5−
メチルスルホニルインドリノ[2,1−b]オキサゾリ
ジン、2−[4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]
−1,3−ブタジエニル]−3,3−ジメチル−5−ス
ルホニルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、
3,3−ジメチル−2−[2−(9−エチル−3−カル
バゾリル)エテニル]インドリノ[2,1−b]オキサ
ゾリジン、2−[2−[4−(アセチルアミノ)フェニ
ル]エテニル]−3,3−ジメチルインドリノ[2,1
−b]オキサゾリジン、などが挙げられる。前記(4)
ドナー/アクセプター型化合物類としては、例えば、テ
トラシアノキノジメタン、テトラチアフルバレン、など
が挙げられる。前記(5)その他有機色素類としては、
例えば、カルバゾール、メトキシビフェニル、アントラ
キノン、キノン、ジフェニルアミン、アミノフェノー
ル、Tris−アミノフェニルアミン、フェニルアセチレ
ン、シクロペンチル化合物、ベンゾジチオリウム化合
物、スクアリウム塩、シアニン、希土類フタロシアニン
錯体、ルテニウムジフタロシアニン、メロシアニン、フ
ェナントロリン錯体、ピラゾリン、酸化還元指示薬、p
H指示薬、これらの誘導体、などが挙げられる。
【0018】これらの中でも、炭素数12以上の直鎖ア
ルキル基を分子内に少なくとも1つ有する化合物が好ま
しい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0019】前記化合物の使用量としては、目的に応じ
て適宜選択することができる。
【0020】前記化合物としては、酸化状態では無色乃
至極淡色を示し、還元状態で発色する還元発色型のも
の、還元状態では無色乃至極淡色を示し、酸化状態で発
色する酸化発色型のもの、還元状態でも酸化状態でも発
色を示し、還元又は酸化の程度により数種類の色が発現
する多色発色型のもののいずれであってもよく、目的に
応じて適宜選択することができる。
【0021】−−支持電解質−− 前記支持電解質としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、無機電解質であってもよい
し、有機電解質であってもよい。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、
市販品であってもよく、適宜合成してもよい。
【0022】前記無機電解質としては、例えば、無機酸
陰イオン−アルカリ金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属などが挙げられ、これらの中でも無機酸陰イオ
ン−アルカリ金属塩が好ましく、無機酸リチウム塩がよ
り好ましい。
【0023】前記無機酸陰イオン−アルカリ金属塩とし
ては、例えば、XAsF、XPF 、XBF、XC
lO、などが挙げられ、(但し、これらにおいてX
は、H、Li、K又はNaを表す。)、具体的には過塩
素酸リチウムなどが好適に挙げられる。
【0024】前記アルカリ金属塩としては、例えば、L
iI、KI、LiCFSO、LiPF、LiCl
、LiBF、LiSCN、LiAsF、NaC
SO、NaPF、NaClO、NaI、Na
BF、NaAsF、KCFSO、KPF、な
どが挙げられる。
【0025】前記有機電解質としては、例えば、有機酸
陰イオン−アルカリ金属塩、四級アンモニウム塩、アニ
オン性界面活性剤、イミダゾリウム塩、などが挙げら
れ、これらの中でも有機酸陰イオン−アルカリ金属塩が
好ましく、有機酸リチウム塩がより好ましい。
【0026】前記有機酸陰イオン−アルカリ金属塩とし
ては、例えば、XCFSO、XC2n+1SO
(n=1〜3)、XN(CFSO、XC(C
SO、XB(CH、XB(C
、などが挙げられ(但し、これらにおいてXは、H、
Li、K又はNaを表す)、具体的にはポリメタクリル
酸リチウムなどが好適に挙げられる。
【0027】前記四級アンモニウム塩としては、例え
ば、[CH(CHN・Y、C2n+1
N(CH・Y(n=10〜18)、(C
2n+1 N(CH・Y(n=10〜18)、
などが挙げられる(但し、これらにおいてYは、B
、PF、ClO、F、Cl、Br又はOHを表
す。)
【0028】前記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、C2n+1COO・X(n=10〜18)、C
2n+1OC2mCOO・X(n=10〜1
8、m=10〜18)、C10COO・X、C
2n+110COO・X(n=10〜18)、C
2n+1SO・X(n=10〜18)、C
n+1OC2mSO・X(n=10〜18、m=
10〜18)、C10 SO・X、C2n+1
10SO・X(n=10〜18)、C
2n+1OSO・X(n=10〜18)、などが挙げ
られる(但し、これらにおいてXは、H、Li、K又は
Naを表す。)
【0029】前記支持電解質として、本発明において
は、無機酸リチウム塩と有機酸リチウム塩とを含むのが
好ましい。この場合、多様な色相、色調が得られる点で
有利である。
【0030】−−マトリックス材−− 前記マトリックス材としては、特に制限はなく、目的に
応じて適宜選択することができ、例えば、ヘテロ原子を
有する高分子化合物、などが挙げられる。
【0031】前記ヘテロ原子を有する高分子化合物とし
ては、例えば、酸素原子を有する高分子化合物、窒素原
子を有する高分子化合物、硫黄原子を有する高分子化合
物、ハロゲン原子を有する高分子化合物、などが挙げら
れる。
【0032】前記酸素原子を有する高分子化合物として
は、例えば、R−(OCHCH O−R(n
は、整数を表し、Rは、エチレン基、スチレン基、プ
ロピレン基、ブテン基、ブタジエン基、塩化ビニル基、
酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル基、メ
タクリル酸基、メタクリル酸メチル基、メチルビニルケ
トン基、アクリルアミド基等を表し、Rは、H、CH
又はRを表す。)で表される化合物などが好適に挙
げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、非ポリエーテル類(例えば、ポリ
(3−ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ酢酸ビニル)、
などが好適に挙げられる。
【0033】前記窒素原子を有する高分子化合物として
は、例えば、R−(NHCHCHNH−R
(nは、整数を表し、Rは、エチレン基、スチレン
基、プロピレン基、ブテン基、ブタジエン基、塩化ビニ
ル基、酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル
基、メタクリル酸基、メタクリル酸メチル基、メチルビ
ニルケトン基、アクリルアミド基等を表し、Rは、
H、CH又はRを表す。)で表される化合物などが
好適に挙げられ、具体的には、ポリエチレンイミン、ポ
リ−N−メチルエチレンイミン、ポリアクリロニトリル
などが挙げられる。
【0034】前記硫黄原子を有する高分子化合物として
は、例えば、R−(SCHCH S−R(n
は、整数を表し、Rは、エチレン基、スチレン基、プ
ロピレン基、ブテン基、ブタジエン基、塩化ビニル基、
酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル基、メ
タクリル酸基、メタクリル酸メチル基、メチルビニルケ
トン基、アクリルアミド基等を表し、Rは、H、CH
又はRを表す。)で表される化合物などが好適に挙
げられ、具体的には、ポリアルキレンサルファイド類、
などが挙げられる。
【0035】前記ハロゲン原子を有する高分子化合物と
しては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニ
ル、などが挙げられる。
【0036】前記マトリックス材の分子量としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
が、低いほうが常温で流動性を有する場合が多いため、
製膜性の観点からは低いほうが好ましく、例えば、製膜
工程において塗布液が製膜し易い粘度となるような分子
量であるのが好ましい。
【0037】前記マトリックス材の前記媒質における使
用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択
することができる。
【0038】前記媒質の態様としては、前記化合物が画
像形成時の温度下と画像形成前の温度下との間で急激に
溶融するものであれば、液状、固体状等のいずれであっ
てもよいが、前記化合物が画像形成時の温度下でのみ溶
融可能である態様が好ましい。
【0039】前記態様の場合、画像形成時の温度以外の
温度下では前記化合物が溶融しないので発色又は消色す
ることがなく、画像形成時の温度下になると、前記化合
物が溶融可能となるので発色又は消色可能となり、画像
の書込又は消去を行うことができ、その後、画像形成時
の温度以外の温度下に戻ると、前記化合物が不溶の状態
となり発色又は消色不能とすることができる。
【0040】−−その他の成分−− 前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができるが、例えば、溶媒などが
挙げられる。前記その他の成分は、本発明の効果を害し
ない範囲内において使用することができる。
【0041】前記溶媒としては、前記支持電解質を溶融
させることができるものが好ましく、該支持電解質の種
類等に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエ
チレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレング
リコールジメチルエーテル等のオリゴエーテル類、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチル
カーボネート、炭酸ビニレン等のカーボネート類、ベン
ゾニトリル等の芳香族ニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N
−ビニルピロリドン等の極性溶媒などが挙げられる。
【0042】−一対の電極− 前記一対の電極としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができるが、少なくとも一方は透明
電極であることが必要であり、該透明電極の材料として
は、酸化錫インジウム化合物(ITO)、などが好適に
挙げられる。
【0043】前記電極の厚みとしては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透
明電極の場合、例えば、0.1μm以上であるのが一般
的である。
【0044】−支持体− 前記支持体は、前記透明電極の設ける基材等として使用
することができ、その材質、形状、構造、大きさ等につ
いては、特に制限はなく適宜設計することができる。前
記支持体としては、例えば、ガラス板、高分子フィル
ム、などが好適に挙げられる。
【0045】−その他の部材− 前記その他の部材としては、特に制限はなく、表示装置
の用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、ス
ペーサー、封止部材、リード線、サーマルヘッド、反射
手段、などが挙げられる。
【0046】本発明においては、前記表示装置に画像形
成時に熱を付与し、画層の書込又は消去を行うのにサー
マルヘッドを好適に使用することができる。前記サーマ
ルヘッドから前記表示装置に付与される熱量としては、
例えば、10〜200mJ/cmであるのが好まし
く、30〜100mJ/cmであるのがより好まし
い。
【0047】本発明の表示装置において画像を形成する
ための電圧としては、特に制限はなく目的に応じて適宜
選択することができるが、例えば、0.5〜10V程度
が好ましく、1〜5V程度がより好ましい。
【0048】本発明の表示装置の一例としては、図1に
示す通り、透明電極20が表面に設けられた透明基材1
0と、透明電極22が表面に設けられた透明基材12と
の間に媒質30を透明電極20及び透明電極22で挟み
込むようにして介在させたものが挙げられる。透明電極
20及び透明電極22はリード線60で結線されてお
り、電源50に接続されている。
【0049】この表示装置においては、その表面をサー
マルヘッド70で加熱する前では、媒質30における前
記化合物が不溶となっており発色しない。一方、この表
示装置の表面をサーマルヘッド70で像様に加熱し電圧
を印加すると、加熱された部位において、その温度が上
昇し、媒質30の温度がある温度を超えると、前記化合
物が溶融し発色し、画像の書込が行われる。その後、サ
ーマルヘッド70の加熱を止めると、表示装置の温度が
低下し、媒質30の温度が前記ある温度を下回ると、前
記化合物が不溶となり、既に発色した該化合物は発色し
たままで保持され、発色しなかった該化合物は発色しな
い状態のまま保持される。その結果、前記画像がメモリ
性が良く保持される。この表示装置においては、狭い温
度領域で媒質30における前記化合物が急激に溶融する
ので、応答性が良好であり、発色性も良好である。な
お、この表示装置においては、像様に加熱して画像を形
成した部分をサーマルヘッド70で加熱し、画像を形成
する際に印加した電圧と逆電位の電圧を印加すると、形
成した画像が消去される。
【0050】本発明の表示装置は、各種分野において好
適に使用することができ、例えば、株価の表示板等の大
型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素子、タッ
チパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、光スイッ
チ、光メモリーなどに好適に使用することができる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0052】(実施例) −表示装置の作製− N−メチル−ピロリドンのポリフッ化ビニリデン1〜1
0質量%溶液を調製した。この溶液をITO電極が設け
られたガラス基板上に、得られるフィルム厚が10〜5
00μmになるように塗布し、80℃で溶媒を蒸発除去
し、更に50℃で真空乾燥することにより薄膜状のポリ
マーフィルムを得た。このポリマーフィルムに、前記支
持電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム0.1〜1.0モル/リットル及び前記化合物として
ドデシルビオローゲンジパーフルオロホスホニウムを前
記溶媒としてのアセトンに溶解した溶液を含浸させるこ
とにより、前記媒質を作製した。該媒質に、ITO電極
が設けられたもう1枚のガラス基板を、そのITO電極
が接するように配置し、一体化して表示素子を作製し
た。
【0053】得られた表示素子における一対の電極をリ
ード線で結線して表示装置を作製した。この表示装置に
ついて、発色の有無を観察した。即ち、まず、室温でこ
の表示装置に4Vの電圧を印加したところ、発色は観ら
れなかった。一方、該表示装置をホットプレート上に配
置し、80℃に加熱した状態で、この表示装置に4Vの
電圧を印加したところ、電極の界面において、ドデシル
ビオローゲンが還元されて、ラジカルアニオンが生成
し、青色の発色が観られた。そして、青色に発色した表
示装置を室温まで冷却して電圧の印加を停止したとこ
ろ、該青色の発色はそのまま保持された。
【0054】(比較例)前記実施例において、ジドデシ
ルビオローゲンジパーフルオロホスホニウムに代えてジ
エチルビオローゲンジパーフルオロホスホニウムを使用
した以外は、前記実施例と同様にして表示素子を作製し
た。
【0055】得られた表示素子における一対の電極をリ
ード線で結線して表示装置を作製した。この表示装置に
ついて、以下のようにして発色の有無を観察した。即
ち、この表示装置に4Vの電圧を印加した。すると、室
温の場合も、また、ホットプレート上で80℃に加熱し
た場合も、共に青色の発色が観察された。これは、観察
した温度域では、ジエチルビオローゲンジパーフルオロ
ホスホニウムが結晶化していなかったためであると考え
られた。
【0056】実施例の表示装置では、比較例の表示装置
よりも、応答性、発色性、メモリー性に優れていた。
【0057】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記問題
を解決することができ、構造が簡単で製造が容易であ
り、応答性、発色性、メモリ性等に優れ、滲みがなく高
精細で高密度な画像を保存性良く表示可能なEC表示装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のEC表示装置の一例を示す概
略説明図である。
【符号の説明】
10 透明基材 12 透明基材 20 透明電極 22 透明電極 30 媒質 50 電源 60 リード線 70 サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 範久 千葉県千葉市稲毛区長沼原町317−1−8 −704 Fターム(参考) 2K001 AA02 CA22 EA12 EA28 EA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極の間に、電気化学的な酸化反
    応及び還元反応の少なくとも一方により発色又は消色す
    る化合物を少なくとも1種と、支持電解質と含有する媒
    質を少なくとも有し、該媒質を加熱することによって画
    像形成が制御される表示装置において、該化合物が非画
    像形成時の温度下では溶融せず画像形成時の温度下での
    み溶融し視認可能に発色又は消色可能となることを特徴
    とする表示装置。
  2. 【請求項2】 化合物の融点が40〜200℃に存する
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 化合物が融点を有し、該融点が画像形成
    時の温度と画像形成前の温度との間に存する請求項1又
    は2に記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 化合物が炭素数12以上の直鎖アルキル
    基を分子内に少なくとも1つ有する請求項1から3のい
    ずれかに記載の表示装置。
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