JP4946442B2 - 表示素子 - Google Patents

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    • C09K2323/04Charge transferring layer characterised by chemical composition, i.e. conductive

Description

本発明は、銀の溶解析出を利用した電気化学的な表示素子に関する。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧が高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。また、エレクトロクロミック表示素子は、3V以下の低電圧で駆動が可能であるが、黒色またはカラー色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン、レッド等)の色品質が十分でなく、メモリー性を確保するため表示セルに蒸着膜等の複雑な膜構成が必要などの懸念点がある。
これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション(以下EDと略す)方式が知られている。ED方式は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、黒と白のコントラストや黒品質に優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
本発明者は、上記各特許文献に開示されている技術を詳細に検討した結果、従来技術では、黒化銀生成速度が遅いことに起因する応答速度に大きな課題があることを見いだした。加えて、本発明の課題及び本発明が規定する構成については、一切の言及や示唆がなされていない。
米国特許第4,240,716号明細書 特許第3428603号公報 特開2003−241227号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡便な部材構成で、低電圧で駆動可能で、表示コントラストが高い表示素子で、かつ応答速度に優れた表示素子を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質層が、下記一般式(1)で表される化合物のうち、ピリジニウム化合物を含有しており、該ピリジニウム化合物の含有量が電解質層中の電解質溶媒に対して1〜20質量%であることを特徴とする表示素子。
〔式中、Q1は窒素原子と共にピリジン環の芳香族カチオンを形成する原子団を表す。R1は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。X-はアニオンを表す。〕
.前記電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする1に記載の表示素子。
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01
.前記駆動操作が、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させることを特徴とする1または2に記載の表示素子の駆動方法
本発明によれば、簡便な部材構成で、低電圧で駆動可能で、表示コントラストが高い表示素子で、かつ応答速度に優れた表示素子を提供することができる。
本発明の表示素子の基本的な構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1 対向電極
2 電解質層
3 電源
4 アース
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質層が前記一般式(1)、(2)及び(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする表示素子により、簡便な部材構成で、低電圧で駆動可能で、表示コントラストが高い表示素子であって、かつ応答速度に優れた表示素子を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の表示素子においては、電解質層が溶融塩電解質として前記一般式(1)、(2)及び(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする。
前記一般式(1)において、Q1は窒素原子と共に5または6員環の芳香族カチオンを形成する原子団を表す。Q1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる原子により構成されるのが好ましい。Q1が形成する5員環はオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、インドール環またはピロール環であるのが好ましく、オキサゾール環、チアゾール環またはイミダゾール環であるのがより好ましく、オキサゾール環またはイミダゾール環であるのが特に好ましい。Q1が形成する6員環はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環またはトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環であることが特に好ましい。
前記一般式(2)において、A1は窒素原子またはリン原子を表す。
一般式(1)、(2)及び(3)において、R1〜R11はそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜24であり、直鎖状であっても分岐状であっても、また環式であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、あるいは置換または無置換のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、ビニル基、アリル基等)を表す。R1〜R11はそれぞれ独立に、より好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
一般式(2)におけるR2〜R5のうち、2つ以上が互いに連結してA1を含む非芳香族環を形成してもよく、一般式(3)におけるR6〜R11のうち2つ以上が互いに連結して環を形成してもよい。
上記Q1及びR1〜R11はそれぞれ置換基を有していてもよい。この置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等)、アリーロキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基等)、炭酸エステル基(例えば、エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基(例えば、ジエチルホスホニル基等)、アミド基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−カルボキシエチル基、ベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トルイル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基等)、シリル基、シリルオキシ基等が挙げられる。
前記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物は、Q1及びR1〜R11のいずれかを介して多量体を形成してもよい。
一般式(1)、(2)及び(3)において、X-はアニオンを表す。X-の好ましい例としては、例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、I-、Cl-、Br-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO22-、(CF3CF2SO22-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4-、(CF3SO23-等が挙げられる。X-はI-、SCN-、CF3SO3 -、CF3COO-、(CF3SO22-またはBF4 -であるのがより好ましい。
以下、本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
また、本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物は、市販されている、関東化学株式会社製、1−ブチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートなどの様に、入手することができる。また、合成する場合は、「イオン性液体の機能創成と応用」、2004年2月、(株)エヌ・ティー・エス刊、により合成することができる。
また、本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物は、電解質層中に、総計して、1質量%以上、99質量%以下の範囲で含有していることが好ましい。
上記で列挙した例示化合物のうち、好ましく用いられる化合物は、例示化合物6−3、18−3、21−3、30−3、31−3、33−3である。
また、その他の例として、国際特許第95/18456号、特開平8−259254号、電気化学 第65巻 11号、923頁(1997年)に記載の化合物を挙げることができる。
本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物は、単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
本発明の表示素子においては、電解質層中に、前記一般式(1)で表される化合物のうち、ピリジニウム化合物を電解質溶媒に対して1質量%〜20質量%の範囲で用いることが好ましい。また、前記一般式(1)で表される化合物の電解質層中での含有量が1質量%〜20質量%である場合は、応答速度向上が十分に良好であり、前記一般式(1)で表される化合物に起因する黄褐色の着色が低く抑えられ、白色表示におけるステインを低く抑えることができ好ましい。
本発明の表示素子においては、電解質層が前記一般式(1)、(2)及び(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物のカチオン化合物銀塩を溶媒に溶解させることにより調製した銀塩溶融物を含有することを特徴とする。
通常は、銀塩を溶媒に溶解させる場合の銀塩ソースとして、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀やクエン酸銀、シュウ酸銀、ベヘン酸銀等が用いられるが、電解質中への銀溶解濃度を最大化させる為には、銀と配位結合可能な含窒素化合物等の銀塩化合物を予め調製しておいてから、電解質中へ溶解させた方が有利である。また、製造工程において、120℃前後の高温処理が工程中に必要な場合、予め銀をブロックしておいた方が、黒化による変色が少なくなり、工程作業の容易性と、電解質液の安定性が向上する。
更に、銀塩化合物と前記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物を個別に添加するより、銀塩(銀塩溶融物)で添加した方が、対塩を省略できることにより、銀化合物の体積濃度が上がって有利である。銀塩と同種のカチオン種を別途添加して電解質液を調製することも好ましい。カチオン種を別途添加することにより、銀塩添加時、いわゆる共存物による溶媒ショックが低減され、化合物種を均一に揃わせるために必要な液停滞時間の短縮化が可能である。
本発明の表示素子においては、電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、0≦[X]/[Ag]≦0.01の条件を満たすことが好ましい。
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことをいう。[X]/[Ag]が0.01よりも大きい場合は、銀の酸化還元反応時に、X-→X2が生じ、X2は黒化銀と容易にクロス酸化して黒化銀を溶解させ、メモリー性を低下させる要因の1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は銀のモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[Ag]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]の順であることが好ましい。
(電解質溶媒)
本発明の表示素子においては、電解質層が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及び水から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含むことが好ましい。
上述の溶媒の中でも、凝固点が−20℃以下で、かつ沸点が120℃以上の溶媒を少なくとも1種含むことが好ましい。
本発明で用いることのできるその他の溶媒として、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th
ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electorlytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
(電解質−銀塩)
本発明の表示素子においてはヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、酸化銀、硫化銀、クエン酸銀、酢酸銀、ベヘン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、メルカプト類との銀塩、イミノジ酢酸類との銀錯体、等の公知の銀塩化合物を用いることができる。これらの中でハロゲンやカルボン酸や銀との配位性を有する窒素原子を有しない化合物を銀塩として用いるのが好ましく、例えば、p−トルエンスルホン酸銀が好ましい。
本発明に係る電解質層に含まれる銀イオン濃度は、0.2モル/kg≦[Ag]≦2.0モル/kgが好ましい。銀イオン濃度が0.2モル/kgより少ないと希薄な銀溶液となり駆動速度が遅延し、2モル/kgよりも大きいと溶解性が劣化し、低温保存時に析出が起きやすくなる傾向にあり不利である。
(電解質材料)
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電解質中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。さらに、I-/I3 -、Br-/Br3 -、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
また、支持電解質が固体である場合には、電子伝導性やイオン伝導性を示す以下の化合物を電解質中に含むことができる。
パーフルオロスルフォン酸を含むフッ化ビニル系高分子、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、トリフェニルアミン類、ポリビニルカルバゾール類、ポリメチルフェニルシラン類、Cu2S、Ag2S、Cu2Se、AgCrSe2等のカルコゲニド、CaF2、PbF2、SrF2、LaF3、TlSn25、CeF3等の含F化合物、Li2SO4、Li4SiO4、Li3PO4等のLi塩、ZrO2、CaO、Cd23、HfO2、Y23、Nb25、WO3、Bi23、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CuI、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl4、LiAlF4、AgSBr、C55NHAg56、Rb4Cu167Cl13、Rb3Cu7Cl10、LiN、Li5NI2、Li6NBr3等の化合物が挙げられる。
また、支持電解質としてゲル状電解質を用いることもできる。電解質が非水系の場合、特開平11−185836号公報の段落番号〔0057〕〜〔0059〕に記載のオイルゲル化剤を用いことができる。
(電解質添加の白色粒子)
本発明の表示素子においては、電解質層が白色粒子を含むことが好ましい。
本発明に係る白色粒子としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記白色粒子の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられる。また、無機酸化物(Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
(電解質添加の増粘剤)
本発明の表示素子においては、電解質層に増粘剤を用いることができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
(電解質層のその他の添加剤)
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(層構成)
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
本発明の表示素子に係る構成層として、正孔輸送材料を含む構成層を設けることができる。正孔輸送材料として、例えば、芳香族アミン類、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール類、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリトルイジン誘導体、CuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23等を挙げることができる。
(基板)
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RD17643の28頁、同18716の647頁右欄から648頁左欄及び同307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRD308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
(電極)
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。金属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましく、中でも銀または銀含有率80%以上の銀電極が、銀の還元状態維持の為に有利であり、また電極汚れ防止にも優れる。電極の作製方法は、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
(表示素子のその他の構成要素)
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
(スクリーン印刷)
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
(表示素子駆動方法)
本発明の表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操作を行うことが好ましい。この駆動操作を行うことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行えると推定される。
本発明の表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、諧調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
(商品適用)
本発明の表示素子は、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、健康保険証、住民基本台帳、パスポート等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《表示素子の作製》
〔表示素子1の作製〕
(電解質溶液の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g中に、ヨウ化ナトリウム90mg、ヨウ化銀75mgを加えて完全に溶解させた後、シランカップリング剤により表面に疎水化処理を施した酸化チタン0.5gを加えて超音波分散機にて酸化チタンを分散させた。この分散液にポリエチレングリコール(平均分子量50万)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解質溶液を得た。
(透明電極の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板状に、通電部が15mm×15mmの大きさのITO膜を公知の方法に従って形成して透明電極(電極1)を得た。
(金属電極の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板に、銀ペーストインキ(東洋紡績製 DW−250H−5)を、通電部が15mm×15mmの大きさにスクリーン印刷し、150℃の真空オーブン中で30分加熱し、銀電極(電極2)を得た。
(表示素子の作製)
電解質溶液に、平均粒子径が20μmのポリアクリル製の球形ビーズを体積分率が10%になるように加えて攪拌した溶液を、電極2の上に塗布し、その上から電極1を挟み込んで、9.8kPa圧力で押圧し、周辺部をオレフィン系封止剤で封止して表示素子1を作製した。
〔表示素子2〜14の作製〕
上記表示素子1の作製において、電解質溶液における銀塩の種類、各添加剤の種類および濃度、溶媒の種類を表1に記載のように変更した以外は同様にして、表示素子2〜14を作製した。なお、各溶媒量は表示素子1におけるジメチルスルホキシドと同量とした。
また、表1に略称で記載の電解質溶液に添加した各化合物の詳細は、以下の通りである。
TsAg:p−トルエンスルホン酸銀
*1:2−メルカプトベンズイミダゾール
*2:メルカプトトリアゾール
*3:3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール
*4:例示化合物30のカチオン銀塩
EC:エチレンカーボネート
PC:プロピレンカーボネート
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:ジメチルホルムアミド
《表示素子の評価》
(駆動方法)
各電極を交流電源に接続し、5mC/cm2の電気量で、電解質中の銀の溶解析出反応を起こさせ、白表示(銀溶解状態)と黒表示(銀析出状態)を切り替えた。
(半減時間の測定)
応答速度として、白状態の550nmの反射率が1/2になる時間(半減時間)を求めた。反射率はミノルタ製分光測色計CM−3700dにより測定した。なお、この半減時間が短いほど応答速度が速いことを示している。
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、一般式(1)、(2)または(3)で表される化合物を含有した電解質層を有する本発明の表示素子は、比較例に対し、半減時間が短く、応答性に優れていることが分かる。更に、本発明の表示素子においては、一般式(1)で表される化合物のうち、ピリジニウム化合物を用いた水準、あるいは本発明に係る式(1)で規定する要件を満たす水準とすることにより、上記効果がより一層発揮されていることが分かる。
また、電解質層が前記一般式(1)、(2)及び(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物のカチオン化合物銀塩を溶媒に溶解させることにより調製した銀塩溶融物を含有する本発明の表示素子において、半減時間が短く、応答性に優れていることが分かる。
実施例2
実施例1で作製した各表示素子において、1.5Vで5mC/cm2相当量を印加する代わりに、2.0V、5ミリ秒印加の後に、0.8Vを反射率が約10%になる時間だけ印加した。
次いで、実施例1に記載の方法と同様にして全印加時間を測定した結果、表示素子1の全印加時間は実施例1に記載の特性と同等であったが、本発明の各表示素子においては、本発明の効果が更に約3%向上することを確認することができた。

Claims (3)

  1. 対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質層が、下記一般式(1)で表される化合物のうち、ピリジニウム化合物を含有しており、該ピリジニウム化合物の含有量が電解質層中の電解質溶媒に対して1〜20質量%であることを特徴とする表示素子。
    〔式中、Q1は窒素原子と共にピリジン環の芳香族カチオンを形成する原子団を表す。R1は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。X-はアニオンを表す。〕
  2. 前記電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の表示素子。
    式(1)
    0≦[X]/[Ag]≦0.01
  3. 前記駆動操作が、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の表示素子の駆動方法
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