JP2003035236A - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

電磁式燃料噴射弁

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JP2003035236A JP2001219807A JP2001219807A JP2003035236A JP 2003035236 A JP2003035236 A JP 2003035236A JP 2001219807 A JP2001219807 A JP 2001219807A JP 2001219807 A JP2001219807 A JP 2001219807A JP 2003035236 A JP2003035236 A JP 2003035236A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁式燃料噴射弁の弁組立体において,耐摩
耗性を要求される部分には高硬度材を使用しながら,割
れを発生さることなく,構成部材相互のレーザビーム又
は電子ビームによる結合を可能にする。 【解決手段】 弁ステム15を,高硬度材製であってス
トッパフランジ19を一体に有すると共に可動コア12
に一端を結合する第1弁ステム要素15aと,低硬度材
製であって第1弁ステム要素15aの他端に一端をレー
ザビームB又は電子ビームによる溶接で結合する第2弁
ステム要素15bとで構成し,その第2弁ステム要素1
5bの他端に弁体16をレーザビームB又は電子ビーム
による溶接で結合して弁組立体Vを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,主として内燃機関
の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特
に,弁孔及びこの弁孔の内端に連なる円錐状の弁座を有
する弁座部材と,この弁座部材の他端部に一端部を結合
する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端部に結合
される固定コアと,この固定コアに対向するように前記
弁ハウジングに軸方向移動可能に収容される可動コア,
前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する鋼球製の弁体,
並びにこれら可動コア及び弁体間を一体に連結する弁ス
テムからなる弁組立体とを備え,前記弁ステムには,弁
ハウジングに固設されるストッパプレートに当接して前
記弁体の開弁限界を規定するストッパフランジを形成し
た電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる電磁式燃料噴射弁は,例えば特開
昭56−107956号公報の第1図に開示されている
ように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かゝる電磁式燃料噴射
弁の弁組立体における,弁座と協働する弁体と,ストッ
パプレートに当接するストッパフランジを有する弁ステ
ムとは,何れも耐摩耗性を付与する必要から高硬度材で
構成することが望ましいが,両者を共に高硬度材製とし
た場合,両者をレーザビーム又は電子ビームによる溶接
で能率良く強固に結合しようとすると,その溶接部に割
れが屡発生する。それは,上記溶接により高硬度材が再
焼き入れの状態となって大きな歪みを発生することが主
な原因と考えられる。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,弁組立体の耐摩耗性を要求される部分には高硬度
材を使用しながら,割れを発生さることなく,弁組立体
の構成部材相互をレーザビーム又は電子ビームにより結
合することを可能にした,前記電磁式燃料噴射弁を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,弁孔及びこの弁孔の内端に連なる円錐状
の弁座を有する弁座部材と,この弁座部材の他端部に一
端部を結合する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他
端部に結合される固定コアと,この固定コアに対向する
ように前記弁ハウジングに軸方向移動可能に収容される
可動コア,前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する鋼球
製の弁体,並びにこれら可動コア及び弁体間を一体に連
結する弁ステムからなる弁組立体とを備え,前記弁ステ
ムには,弁ハウジングに固設されるストッパプレートに
当接して前記弁体の開弁限界を規定するストッパフラン
ジを形成した電磁式燃料噴射弁電磁式燃料噴射弁におい
て,前記弁ステムを,高硬度材製であって前記ストッパ
フランジを一体に有すると共に前記可動コアに一端を結
合する第1弁ステム要素と,低硬度材製であって前記第
1弁ステム要素の他端に一端をレーザビーム又は電子ビ
ームによる溶接で結合する第2弁ステム要素とで構成
し,その第2弁ステム要素の他端に前記弁体をレーザビ
ーム又は電子ビームによる溶接で結合して前記弁組立体
を構成したことを第1の特徴とする。
【0006】この第1の特徴によれば,弁組立体におけ
る弁体及び,ストッパフランジを有する第1弁ステム要
素を高硬度材製とすることで,それらの耐摩耗性を高め
ることができる。しかも,高硬度材製の第1弁ステム要
素及び弁体間に低硬度材製の第2弁ステム要素を介在さ
せ,それらをレーザ溶接又はビームによる溶接で結合し
たので,その溶接に際しては低硬度材製の第2弁ステム
要素側から入熱することにより,高硬度材製の第1弁ス
テム要素及び弁体の再焼き入れ状態を回避すると共に,
各溶接部に多少とも発生する歪みを低硬度材製の第2弁
ステム要素に吸収させ,各溶接部での割れの発生を防ぐ
ことができる。その結果,耐久性の高い弁組立体を能率
よく製造することができる。
【0007】また本発明は,第1の特徴に加えて,前記
第1弁ステム要素及び第2弁ステム要素の一方及び他方
に,その両者を同軸上で仮止めすべく互いに圧入嵌合さ
れる位置決め軸部及び位置決め孔を形成したことを第2
の特徴とする。
【0008】この第2の特徴によれば,第1及び第2弁
ステム要素の溶接に先立って,それぞれの位置決め軸部
及び位置決め孔を相互に圧入することにより,両弁ステ
ム要素の高い同軸精度を維持しつゝ,次の溶接作業を容
易に行うことができ,弁組立体の精度向上に寄与し得
る。
【0009】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加
えて,前記弁座部材に,前記弁座と同軸上で間隔を置い
て並ぶ第1及び第2ガイド孔を形成する一方,これら第
1及び第2ガイド孔に摺動自在に嵌合する第1及び第2
摺動軸部を前記弁体及び第1弁ステム要素にそれぞれ形
成し,これら第1及び第2摺動軸部の外周に燃料の流通
部をそれぞれ設けたことを第3の特徴とする。
【0010】この第3の特徴によれば,第1及び第2摺
動軸を弁座部材の第1及び第2ガイド孔に沿って摺動さ
せることにより,弁組立体の開閉姿勢を適正に維持する
ことができ,それと相俟ってストッパプレートに対する
ストッパフランジの当接により適正な開弁ストロークを
得ることができる。しかも,第1摺動軸部を有する弁
体,第2摺動軸及びストッパフランジを有する第1弁ス
テム要素は,何れも高硬度材製であるので,それらの耐
摩耗性が高く,弁組立体の耐久性の向上に大いに寄与し
得る。
【0011】さらにまた本発明は,第1〜第3の特徴の
何れかに加えて,前記第1弁ステム要素及び可動コアの
対向部相互を圧入及びかしめにより結合したことを第4
の特徴とする。
【0012】この第4の特徴によれば,可動コアの磁気
特性を変動させることなく,第1弁ステム要素及び可動
コアの結合を強固に行うことができる。
【0013】尚,前記燃料の流通部は,後述する本発明
の実施例中の第1及び第2面取り部181 ,182 に対
応する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例に係る内燃機関用
電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の弁組立体周
辺部(図1の2部)の拡大図,図3は同弁組立体の分解
縦断面図,図4は図2の4部拡大図,図5は図2の5部
拡大図である。
【0016】先ず,図1及び図2において,内燃機関用
電磁式燃料噴射弁Iのケーシング1は,円筒状の弁ハウ
ジング2(磁性体)と,この弁ハウジング2の下端部に
液密に結合される有底円筒状の弁座部材3と,弁ハウジ
ング2の上端に環状のスペーサ4を挟んで液密に結合さ
れる円筒状の固定コア5とから構成される。
【0017】スペーサ4は,非磁性金属,例えばステン
レス鋼製であり,その両端面に弁ハウジング2及び固定
コア5が突き当てられて液密に全周溶接される。
【0018】弁座部材3及び弁ハウジング2の対向端部
には,第1嵌合筒部3a及び第2嵌合筒部2aがそれぞ
れ形成される。そして第1嵌合筒部3aが第2嵌合筒部
2a内にストッパプレート6と共に圧入され,ストッパ
プレート6は,弁ハウジング2と弁座部材3間で挟持さ
れる。その際,特に,弁座部材3及びストッパプレート
6は,耐摩耗性の必要からマルテンサイト系ステンレス
鋼(例えばJIS SUS440C)で構成される。そ
の後,第1嵌合筒部3aの外周面と第2嵌合筒部2aの
端面とに挟まれる隅部の全周にわたりレーザ溶接又はビ
ーム溶接を施すことにより,弁ハウジング2及び弁座部
材3が相互に液密に結合される。
【0019】弁座部材3は,その下端面に開口する弁孔
7と,この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と,こ
の弁座8の大径部に連なっていて弁座8と同軸の円筒状
の第1ガイド孔91 と,この第1ガイド孔91 から上方
に離れてそれと同軸に並ぶ円筒状の第2ガイド孔92
を備えている。
【0020】弁座部材3の下端面には,上記弁孔7と連
通する複数の燃料噴孔11を有する鋼板製のインジェク
タプレート10が液密に全周溶接される。
【0021】弁ハウジング2,弁座部材3及びスペーサ
4内には,固定コア5,弁座8及びストッパプレート6
と協働する弁組立体Vが収容される。
【0022】図2及び図3に示すように,この弁組立体
Vは,固定コア5の下端面に対向する可動コア12と,
弁座8に着座し得る鋼球製の弁体16と,これら可動コ
ア12及び弁体16間を一体的に連結する弁ステム15
とから構成される。またその弁ステム15は,可動コア
12に結合される第1弁ステム要素15aと,この第1
弁ステム要素15a及び弁体16間を連結する第1弁ス
テム要素15aとで構成される。その際,第1弁ステム
要素15a及び弁体16は,耐摩耗性の必要から高硬度
材,例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(JIS S
US440C)で構成され,それとは反対に,第2弁ス
テム要素15bは,低硬度材,例えばフェライト系ステ
ンレス鋼(JIS SUS410L)で構成される。
【0023】弁体16の外周面には,前記第1ガイド孔
1 に摺動自在に嵌合する第1摺動軸部171 と,この
第1摺動軸部171 の外周にあって燃料の流通を可能に
する複数の第1面取り部181 とが形成される。また第
1弁ステム要素15aは,大径の連結軸部40と,この
連結軸部40の下端に第1頸部41を介して連なるスト
ッパフランジ42と,このストッパフランジ42の下端
に第2頸部43を介して連なる第2摺動軸部172 と,
この第1摺動軸部171 の下端面に突設される小径の位
置決め軸部44とを同軸に配して構成される。そして連
結軸部40を可動コア12の下端面に形成された連結孔
45に圧入した後,可動コア12の下端周縁部12aを
第1頸部41に向かってかしめることにより,第1弁ス
テム要素15a及び可動コア12は一体に結合される。
【0024】ストッパフランジ42は,第1頸部41を
前記ストッパプレート6のU字状切欠き6aに挿入する
ことにより,ストッパフランジ42の下面に対置され
る。
【0025】第2摺動軸部172 は,前記弁座部材3の
第2ガイド孔92 に摺動自在に嵌合され,その外周面に
は,燃料の流通を可能にする複数の第2面取り部182
が形成される。
【0026】第2弁ステム要素15bには,その上端面
に開口する有底の位置決め孔46と,その下端面に開口
する円錐状の位置決め凹部47とが形成される。そして
位置決め孔46に第1弁ステム要素15aの第1位置決
め軸部44を圧入して仮止めした後,その圧入周縁部に
レーザ溶接又はビーム溶接を施すことにより,第1及び
第2弁ステム要素15a,15bは相互に一体に結合さ
れる。また位置決め凹部47には弁体16の球面の一部
を係合した後,係合周縁部にレーザ溶接又はビーム溶接
を施すことにより,第2弁ステム要素15b及び弁体1
6は相互に一体に結合される。
【0027】図4に示すように,レーザ溶接又はビーム
による第1及び第2弁ステム要素15a,15b間の溶
接に際しては,該ビームBの照射点Pを,第1及び第2
弁ステム要素15a,15bの境界線より低硬度材製の
第2弁ステム要素15b側にオフセットし,該ビームB
による溶け込みWが低硬度材製の第2弁ステム要素15
bから高硬度材製の第1弁ステム要素15a側に広がる
ようにすると良い。
【0028】また図5に示すように,レーザ溶接又はビ
ームによる第2弁ステム要素15b及び弁体16間の溶
接に際しても,該ビームBの照射点Pを,第2弁ステム
要素15b及び弁体16の境界線より低硬度材製の第2
弁ステム要素15b側にオフセットし,該ビームBによ
る溶け込みWが低硬度材製の第2弁ステム要素15bか
ら高硬度材製の弁体16側に広がるようにすると良い。
【0029】このようにすると,高硬度材製の第1弁ス
テム要素15a及び弁体16では,ビームBによる直接
の入熱を受けないため,溶け込みが比較的緩徐に行われ
ることになり,したがって再焼き入れ状態が抑えられ,
また多少とも発生する歪みは低硬度材製の第2弁ステム
要素15bが吸収してくれることで,溶接部の割れの発
生を防ぐことができる。
【0030】尚,第1及び第2摺動軸部171 ,172
及び第1及び第2面取り部181 ,182 の加工は,上
記各部の溶接作業の完了後に行う方が,弁組立体Vの高
精度確保の上に望ましい。
【0031】再び図1及び図2において,ストッパプレ
ート6及びストッパフランジ42間には,弁体16の閉
弁時,即ち弁座8への着座時,弁体16の開弁ストロー
クに対応する間隙gが設けられる。一方,固定コア5及
び可動コア12間には,弁体16の開弁時,即ち弁体1
6が弁座8から離座したときでも,両コア5,12の当
接を避けるに足る間隙が設けられる。
【0032】固定コア5は,弁ハウジング2内と連通す
る中空部21を有しており,その中空部21に,可動コ
ア12を弁体16の閉じ方向,即ち弁座8への着座方向
に付勢するコイル状の弁ばね22と,この弁ばね22の
上端を支承するパイプ状のリテーナ23とが収容され
る。
【0033】その際,可動コア12の上端面には,弁ば
ね22の下端部を受容する位置決め凹部24が形成され
る。また弁ばね22のセット荷重は,リテーナ23の中
空部21への圧入深さによって調整される。
【0034】固定コア5の上端には,パイプ状のリテー
ナ23を介して固定コア5の中空部21に連通する燃料
入口25を持つ入口筒26が一体に連設され,その燃料
入口25に燃料フィルタ35が装着される。
【0035】スペーサ4及び固定コア5の外周にはコイ
ル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,
スペーサ4及び固定コア5に外周面に嵌合するボビン2
9と,これに巻装されるコイル30とからなっており,
このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31
の一端部が弁ハウジング2の外周面に溶接により結合さ
れる。
【0036】コイルハウジング31,コイル組立体28
及び固定コア5は合成樹脂製の被覆体32内に埋封さ
れ,この被覆体32の中間部には,前記コイル30に連
なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に
連設される。
【0037】この被覆体32から下方に露出した弁ハウ
ジング2の外周には,被覆体32の下端に当接する合成
樹脂製のシール位置決め環36が嵌合される。また弁座
部材3の前端部には合成樹脂製のキャップ35が弾力的
に嵌着され,このキャップ35とシール位置決め環36
との間において弁座部材3の外周面に密接するOリング
37が装着される。このOリング37は,この電磁式燃
料噴射弁Iを図示しないエンジンの吸気マニホールドの
燃料噴射弁取り付け孔に装着したとき,その取り付け孔
の内周面に密接するようになっている。
【0038】次に,この実施例の作用について説明す
る。
【0039】図2に示すようにコイル30を消磁した状
態では,弁ばね22の付勢力で可動コア12及び弁体1
6が前方に押圧され,弁体16を弁座8に着座させてい
る。したがって,燃料フィルタ35及び入口筒26を通
してケーシング1内に供給された高圧燃料がケーシング
1内に待機する。
【0040】コイル30を通電により励磁すると,それ
により生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング3
1,弁ハウジング2及び可動コア12を順次走り,その
磁力により可動コア12が弁体16と共に固定コア5に
吸引され,弁座8が開放されるので,ケーシング1内の
高圧燃料が弁ステム15の第2面取り部182 及び弁体
16の第1面取り部181 を経て弁孔7を通過し,燃料
噴孔11からエンジンの吸気弁に向かって噴射される。
このとき,弁組立体Vのストッパフランジ42が弁ハウ
ジング2に固着したストッパプレート6に当接すること
により,弁体16の開弁ストロークが規定される。
【0041】コイル30を再び消磁状態に戻すと,弁組
立体Vは弁ばね22の付勢力をもって図2の状態に復帰
し,弁体16を弁座8に着座させて,燃料の噴射を停止
する。
【0042】この間,弁組立体Vは,第1及び第2摺動
軸部171 ,172 を弁座部材3の第1及び第2ガイド
孔91 ,92 に沿って摺動させることにより,開閉姿勢
を適正に維持するので,弁座8の開閉を的確に行い,開
弁時間に応じて燃料噴射量を正確に制御することができ
る。
【0043】しかも,弁座8,第1及び第2ガイド孔9
1 ,92 を有する弁座部材3,第1摺動軸部171 を有
する弁体16,第2摺動軸部172 及びストッパフラン
ジ42を有する第1弁ステム要素15a,並びにストッ
パプレート6は,全て高硬度材製であるので,それらの
耐摩耗性が高く,弁組立体Vの適正な開閉姿勢及び開弁
ストロークを長期に亙り維持することができる。
【0044】さらに,高硬度材製の第1弁ステム要素1
5a及び弁体16間に低硬度材製の第2弁ステム要素1
5bを介在させ,それらを前述のようなレーザ溶接又は
ビームによる溶接により結合したので,高硬度材製の第
1弁ステム要素15a及び弁体16の再焼き入れ状態を
回避すると共に,各溶接部に発生する歪みを低硬度材製
の第2弁ステム要素15bに吸収させることで,各溶接
部での割れの発生を防ぐことができる。
【0045】また第1及び第2弁ステム要素15a,1
5bの溶接に際しては,予めそれぞれの位置決め軸部4
4及び位置決め孔46を相互に圧入して仮止めするの
で,両弁ステム要素15a,15bの高い同軸精度を維
持しつゝ,その溶接作業を容易に行うことができる。結
果,溶接強度が高く且つ高精度の弁組立体Vを提供し得
る。
【0046】さらにまた第1弁ステム要素15a及び可
動コア12は,それぞれの対向面に形成した位置決め軸
部44及び位置決め孔46の圧入と,可動コア12の下
端周縁部のかしめとにより相互に結合されるので,可動
コア12の磁気特性を変動させることなく,両者の結合
を強固なものとすることができる。
【0047】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。例えば,位置決め軸部44は第2弁ステム要
素15bに,位置決め孔46は第1ステム要素15aに
それぞれ設けることもできる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,弁孔及びこの弁孔の内端に連なる円錐状の弁座を有
する弁座部材と,この弁座部材の他端部に一端部を結合
する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端部に結合
される固定コアと,この固定コアに対向するように前記
弁ハウジングに軸方向移動可能に収容される可動コア,
前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する鋼球製の弁体,
並びにこれら可動コア及び弁体間を一体に連結する弁ス
テムからなる弁組立体とを備え,前記弁ステムには,弁
ハウジングに固設されるストッパプレートに当接して前
記弁体の開弁限界を規定するストッパフランジを形成し
た電磁式燃料噴射弁電磁式燃料噴射弁において,前記弁
ステムを,高硬度材製であって前記ストッパフランジを
一体に有すると共に前記可動コアに一端を結合する第1
弁ステム要素と,低硬度材製であって前記第1弁ステム
要素の他端に一端をレーザビーム又は電子ビームによる
溶接で結合する第2弁ステム要素とで構成し,その第2
弁ステム要素の他端に前記弁体をレーザビーム又は電子
ビームによる溶接で結合して前記弁組立体を構成したの
で,弁組立体における弁体及び,ストッパフランジを有
する第1弁ステム要素を高硬度材製とすることで,それ
らの耐摩耗性を高めることができる。しかも,高硬度材
製の第1弁ステム要素及び弁体間に低硬度材製の第2弁
ステム要素を介在させ,それらをレーザ溶接又はビーム
による溶接で結合したので,その溶接に際しては低硬度
材製の第2弁ステム要素側から入熱することにより,高
硬度材製の第1弁ステム要素及び弁体の再焼き入れ状態
を回避すると共に,各溶接部に多少とも発生する歪みを
低硬度材製の第2弁ステム要素に吸収させ,各溶接部で
の割れの発生を防ぐことができる。その結果,耐久性の
高い弁組立体を能率よく製造することができる。
【0049】また本発明の第2の特徴によれば,第1の
特徴に加えて,前記第1弁ステム要素及び第2弁ステム
要素の一方及び他方に,その両者を同軸上で仮止めすべ
く互いに圧入嵌合される位置決め軸部及び位置決め孔を
形成したので,第1及び第2弁ステム要素の溶接に先立
って,それぞれの位置決め軸部及び位置決め孔を相互に
圧入することにより,両弁ステム要素の高い同軸精度を
維持しつゝ,次の溶接作業を容易に行うことができ,弁
組立体の精度向上に寄与し得る。
【0050】さらに本発明の第3の特徴によれば,第1
又は第2の特徴に加えて,前記弁座部材に,前記弁座と
同軸上で間隔を置いて並ぶ第1及び第2ガイド孔を形成
する一方,これら第1及び第2ガイド孔に摺動自在に嵌
合する第1及び第2摺動軸部を前記弁体及び第1弁ステ
ム要素にそれぞれ形成し,これら第1及び第2摺動軸部
の外周に燃料の流通部をそれぞれ設けたので,第1及び
第2摺動軸を弁座部材の第1及び第2ガイド孔に沿って
摺動させることにより,弁組立体の開閉姿勢を適正に維
持することができ,それと相俟ってストッパプレートに
対するストッパフランジの当接により適正な開弁ストロ
ークを得ることができる。しかも,第1摺動軸部を有す
る弁体,第2摺動軸及びストッパフランジを有する第1
弁ステム要素は,何れも高硬度材製であるので,それら
の耐摩耗性が高く,弁組立体の耐久性向上に大いに寄与
し得る。
【0051】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
第1〜第3の特徴の何れかに加えて,前記第1弁ステム
要素及び可動コアの対向部相互を圧入及びかしめにより
結合したので,可動コアの磁気特性を変動させることな
く,第1弁ステム要素及び固定コアの結合を強固に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る内燃機関用電磁式燃料
噴射弁の縦断面図。
【図2】図1の弁組立体周辺部(図1の2部)の拡大
図。
【図3】同弁組立体の分解縦断面図。
【図4】図2の4部拡大図。
【図5】図2の5部拡大図。
【符号の説明】
I・・・・・電磁式燃料噴射弁 V・・・・・弁組立体 2・・・・・弁ハウジング 3・・・・・弁座部材 5・・・・・固定コア 6・・・・・ストッパプレート 7・・・・・弁孔 8・・・・・弁座 91 ・・・・第1ガイド孔 92 ・・・・第2ガイド孔 12・・・・可動コア 15・・・・弁ステム 15a・・・第1弁ステム要素 15b・・・第2弁ステム要素 16・・・・弁体 171 ・・・燃料の流通部(第1面取り部) 172 ・・・燃料の流通部(第2面取り部) 42・・・・ストッパフランジ 44・・・・位置決め軸部 46・・・・位置決め孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 51/08 F02M 51/08 B Fターム(参考) 3G066 AB02 AD07 BA46 BA54 BA56 CC06U CC15 CC56 CD14 CE22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁孔(7)及びこの弁孔(7)の内端に
    連なる円錐状の弁座(8)を有する弁座部材(3)と,
    この弁座部材(3)の他端部に一端部を結合する弁ハウ
    ジング(2)と,この弁ハウジング(2)の他端部に結
    合される固定コア(5)と,この固定コア(5)に対向
    するように前記弁ハウジング(2)に軸方向移動可能に
    収容される可動コア(12),前記弁座(8)と協働し
    て前記弁孔(7)を開閉する鋼球製の弁体(16),並
    びにこれら可動コア(12)及び弁体(16)間を一体
    に連結する弁ステム(15)からなる弁組立体(V)と
    を備え,前記弁ステム(15)には,弁ハウジング
    (2)に固設されるストッパプレート(6)に当接して
    前記弁体(16)の開弁限界を規定するストッパフラン
    ジ(42)を形成した電磁式燃料噴射弁において,前記
    弁ステム(15)を,高硬度材製であって前記ストッパ
    フランジ(42)を一体に有すると共に前記可動コア
    (12)に一端を結合する第1弁ステム要素(15a)
    と,低硬度材製であって前記第1弁ステム要素(15
    a)の他端に一端をレーザビーム(B)又は電子ビーム
    による溶接で結合する第2弁ステム要素(15b)とで
    構成し,その第2弁ステム要素(15b)の他端に前記
    弁体(16)をレーザビーム(B)又は電子ビームによ
    る溶接で結合して前記弁組立体(V)を構成したことを
    特徴とする電磁式燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁におい
    て,前記第1弁ステム要素(15a)及び第2弁ステム
    要素(15b)の一方及び他方に,その両者(15a,
    15b)を同軸上で仮止めすべく互いに圧入嵌合される
    位置決め軸部(44)及び位置決め孔(46)を形成し
    たことを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁式燃料噴射弁
    において,前記弁座部材(3)に,前記弁座(8)と同
    軸上で間隔を置いて並ぶ第1及び第2ガイド孔(91
    2 )を形成する一方,これら第1及び第2ガイド孔
    (9 1 ,92 )に摺動自在に嵌合する第1及び第2摺動
    軸部(171 ,172 )を前記弁体(16)及び第1弁
    ステム要素(15a)にそれぞれ形成し,これら第1及
    び第2摺動軸部(171 ,172 )の外周に燃料の流通
    部(181 ,182 )をそれぞれ設けたことを特徴とす
    る電磁式燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の電磁式燃
    料噴射弁において,前記第1弁ステム要素(15a)及
    び可動コア(12)の対向部相互を圧入及びかしめによ
    り結合したことを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
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