JP2003033852A - スラグ流出検知方法および検知装置 - Google Patents

スラグ流出検知方法および検知装置

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JP2003033852A
JP2003033852A JP2001216663A JP2001216663A JP2003033852A JP 2003033852 A JP2003033852 A JP 2003033852A JP 2001216663 A JP2001216663 A JP 2001216663A JP 2001216663 A JP2001216663 A JP 2001216663A JP 2003033852 A JP2003033852 A JP 2003033852A
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sliding nozzle
molten metal
slag outflow
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JP2001216663A
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Kenichi Takada
健一 高田
Takao Fubuki
隆夫 雪吹
Takahiro Miyazaki
貴大 宮崎
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライディングノズルを有する連続鋳造設備
において、スライディングノズルの開閉動作による誤検
知を防止しながら、しかも検知遅れがなくスラグの流出
を検知できるスラグ流出検知方法および検知装置を提供
する。 【解決手段】 スライディングノズル1bを有する連続
鋳造設備におけるスラグ流出検知であって、取鍋1の溶
湯残量が所定値に達するとスラグ流出検知動作を開始
し、前記スライディングノズル1bの開閉動作がなされ
ないようにして、溶湯Wを取鍋1からタンディッシュ2
に導く供給ノズル4内に封入される不活性ガスの圧力を
検出し、その検出値が閾値を超えている場合、スラグS
が流出しているとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラグ流出検知方
法および検知装置に関する。さらに詳しくは、スライデ
ィングノズルを有する連続鋳造設備において、取鍋から
タンディッシュへのスラグの流出を検知するスラグ流出
検知方法および検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、量産金属製品の加工用素材の
製造においては、品質安定や歩留り向上の観点から、連
続鋳造が行われている。かかる連続鋳造に用いられる連
続鋳造設備の一例を図6に概略図で示す。この連続鋳造
設備10は、金属溶湯W´の貯留された取鍋1と、タン
ディッシュ2と、鋳型3と、溶湯W´を取鍋1からタン
ディッシュ2に導く第1供給ノズル4と、溶湯W´をタ
ンディッシュ2から鋳型3に導く第2供給ノズル5とを
備えてなるものとされる。
【0003】この取鍋1内の溶湯W´表面には、図6に
模式的に示すように、スラグS´が浮遊して層を成して
おり、このスラグS´がタンディッシュ2に流入すると
鋳造される製品の品質が低下するため、スラグS´が取
鍋1から流出する前に取鍋1底部の流出口1aに設けら
れたスライディングノズル1bを閉じ溶湯W´の流出を
停止させる必要がある。その場合、取鍋1内に溶湯W´
が多く残存している段階でその流出を停止させると、歩
留りの低下を招くこととなる。
【0004】そのため、鋳造製品の品質低下および歩留
り低下の両方を防止するためには、取鍋1からスラグS
´が流出し始める時期を正確に検知して溶湯W´の流出
を停止させる必要がある。
【0005】このスラグS´の流出を検知する方法とし
ては、古くは視覚や触覚といった人の感覚による方法が
行われてきたが、作業に熟練を要し、しかも検知に個人
差が現れるなどの問題があるため、従来より人の感覚に
よらず自動的にスラグS´の流出を検知するための方法
や装置が種々提案されている。
【0006】例えば、特開平6−145756号公報に
は、第1供給ノズル4に送信コイルと受信コイルとを対
向するように配設し、前記送信コイルに交流電流を供給
することにより前記受信コイルに誘起される電圧の変化
に基づいて検知する方法が提案されており、特開平10
−80762号公報には、マイクロ波レベル計により検
出された溶湯W´上面位置の変動に基づいて検知する方
法が提案されており、特開平10−272556号公報
には、第1供給ノズル4を透過するX線の透過量に基づ
いて検知する方法が提案されており、また特開平7−1
64124号公報には第1供給ノズル4に生じる振動の
振動加速度を検出しその減衰率に基づいて検知する方法
が提案されている。
【0007】しかしながら、特開平6−145756号
公報に提案されている方法においては、誘起電圧の変化
が小さいために検知精度が悪いという問題がある。
【0008】特開平10−80762号公報および特開
平10−272556号公報に提案されている方法にお
いては、設備が大型化して設備投資費用が高額になると
いう問題がある。その上、特開平10−272556号
公報に提案されている方法においては、X線により作業
員の健康が害されるおそれがあるという問題もある。
【0009】特開平7−164124号公報に提案され
ている方法においては、溶湯W´が第1供給ノズル4内
のタンディッシュ湯面に衝突して生じる衝撃流体振動の
振動加速度の減衰率に基づいてスラグ流出を検知してい
るが、この衝撃流体振動は極めて微弱であるため伝送途
中などで混入したノイズの影響で誤検知が生じるという
問題がある。
【0010】また、図6に示すような連続鋳造設備10
においては、空気(酸素)巻き込みによる溶湯W´の酸
化を防止するために、第1供給ノズル4内に不活性ガス
が断続的に封入されることが多いが、この封入不活性ガ
スの圧力がスラグ流出により変動することに着目した検
知方法も提案されている(例えば特公平6−88127
号公報参照)。
【0011】しかしながら、特公平6−88127号公
報の方法においては、連続鋳造設備10を継続的に使用
していると、取鍋1と第1供給ノズル4との接合部に隙
間が生じ封入不活性ガスが漏れたり、ノズル詰まりが発
生してしまうため、スラグの流出が検知できないという
問題がある。
【0012】さらに、タンディッシュ2の湯量を所定範
囲とするため、図7に示すように、上限値と下限値の範
囲内でスライディングノズル1bの制御がなされてい
る。このため、このスライディングノズル1bの開閉の
際に不活性ガスの圧力が急激に変動して誤検知が生ず
る。そこで、従来よりこのスライディングノズル1bの
開閉動作による誤検知を防止するため、スライディング
ノズル1bの開閉動作後の一定時間内は、検知をなさな
いこととされている。つまり、いわゆるマスク処理がな
されている。しかしながら、かかるマスク処理を行った
場合、このマスク処理の期間内にスラグの流出が開始さ
れたときには、スラグ流出の検知が遅れてしまうという
問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、スライディング
ノズルを有する連続鋳造設備において、スライディング
ノズルの開閉動作による誤検知を防止しながら、しかも
検知遅れがなくスラグの流出を検知できるスラグ流出検
知方法および検知装置を提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のスラグ流出検知
方法は、スライディングノズルを有する連続鋳造設備に
おけるスラグ流出検知方法であって、取鍋の溶湯残量が
所定値に達するとスラグ流出検知動作を開始し、前記ス
ライディングノズルの開閉動作がなされないようにし
て、溶湯を取鍋からタンディッシュに導く供給ノズル内
に封入される不活性ガスの圧力を検出し、その検出値が
閾値を超えている場合、スラグが流出しているとするこ
とを特徴とする。
【0015】本発明のスラグ流出検知方法においては、
スライディングノズルの開閉動作の周期を可能最大周期
として、圧力検出時に前記スライディングノズルの開閉
動作がなされないようにしたり、あるいはスライディン
グノズルの開度を一定として、圧力検出時に前記スライ
ディングノズルの開閉動作がなされないようにしたりさ
れる。
【0016】また、本発明のスラグ流出検知方法におい
ては、閾値は検出圧力が検出された時点から所定時間以
内の圧力検出値の標準偏差を所定倍したものとされる。
【0017】さらに、本発明のスラグ流出検知方法にお
いては、スラグ流出検知動作の開始直後に装置不良の有
無を判定するのが好ましい。その場合、スライディング
ノズルを開閉動作させた際の不活性ガスの圧力変動が所
定範囲内であれば、装置不良が発生したとされる。
【0018】一方、本発明のスラグ流出検知装置は、ス
ライディングノズルを有する連続鋳造設備におけるスラ
グ流出検知装置であって、溶湯を取鍋からタンディッシ
ュに導く供給ノズル内に封入される不活性ガスの圧力を
検出する圧力検出手段と、タンディッシュの溶湯量を検
出する溶湯量検出手段と、鋳造金属の引抜き速度を検出
する引抜き速度検出手段と、制御判定部とを備え、前記
制御判定部が制御部と判定部とを有し、前記制御部は、
溶湯量検出手段と引抜き速度検出手段との検出値に基づ
いて前記スライディングノズルを制御し、前記判定部
は、溶湯残量判定手段とスラグ流出判定手段とを有し、
取鍋の溶湯残量が所定値に達するスラグ流出検知動作を
開始するようにされてなることを特徴とする。
【0019】本発明のスラグ流出検知装置においては、
判定部は、さらに装置不良判定手段を有し、スラグ流出
検知動作の開始直後に装置不良の有無の判定をなすよう
にされてなるのが好ましい。
【0020】
【作用】本発明は前記のごとく構成されているので、ス
ライディングノズルを有する連続鋳造設備において、ス
ライディングノズルの開閉動作による誤検知を防止しな
がら、スラグの流出をタイムリーに検知できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0022】本発明の一実施形態にかかるスラグ流出検
知方法が適用されるスラグ流出検知装置(以下、単に検
知装置という)の概略図を図1に示す。なお、本実施形
態においては、連続鋳造装置として従来の技術の項で説
明した連続鋳造設備10を使用した場合を例に採り説明
する。
【0023】この検知装置Aは、図1に示すように、封
入不活性ガスの圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手
段)20と、タンディッシュ2内の溶湯重量を検出する
重量計(溶湯量検出手段)30と、鋳型3からの鋳造金
属Kの引抜き速度を検出する速度計(引抜き速度検出手
段)40と、スライディングノズル1bの開度を制御す
るとともに各種の判定をなす制御判定部50と、判定結
果を出力する出力手段60と、警報装置70とを主要構
成要素としてなる。
【0024】圧力センサ20は、封入不活性ガスの圧力
に対応した強度の電気信号を制御判定部50に出力する
ものとされ、第1供給ノズル4内に不活性ガスを供給す
るガス供給配管6の所定位置に設置されている。
【0025】重量計30は、タンディッシュ2底部に設
置されてタンディッシュ内の溶湯重量に対応した強度の
電気信号を制御判定部50に出力するもの、例えばロー
ドセルとされる。
【0026】速度計40は、鋳型3で鋳造された鋳造金
属Kの引抜きに従って回転するように鋳造金属Kに当接
させられた、タッチローラ41の回転速度に対応した間
隔でパルス信号を制御判定部50に出力するもの、例え
ばロータリエンコーダとされる。
【0027】制御判定部50は、スライディングノズル
1bの開閉動作を制御する制御部51と、後述する各種
の判定をなす判定部52とからなる。
【0028】制御部51は、連続鋳造開始から取鍋1内
の溶湯残量が所定量に達しスラグ流出の検知動作が開始
されるまでの間に、重量計30および速度計40の各出
力信号に基づいてスライディングノズル1bの開度を適
宜に調節し、溶湯Wの取鍋1からタンディッシュ2への
流出量を制御するものである。制御部51によるスライ
ディングノズル1bの制御は、具体的には、重量計30
から得られるタンディッシュ2の実際の湯量のタンディ
ッシュ2の最適な湯量(目標値)からのずれを解消し、
かつ速度計40の出力に基づいて算出されるタンディッ
シュ2からの流出湯量を補う湯量となるようなスライデ
ィングノズル1bの開度とすることによりなされる。
【0029】以下、図2を参照しながら、制御部51に
よるスライディングノズル1bの開度調節の一例につい
て説明する。
【0030】まず、制御部51は、スライディングノズ
ル1bを開側に移動させてその開度をK1とし、タンデ
ィッシュ重量が第1上限(+X1)(従来の上限値)に
達すると、閉側に移動させてその開度をH1とする。こ
こで、開度K1は、溶湯Wの取鍋1からの流出量がタン
ディッシュ2からの流出量を上回るようにされ、また開
度H1は、取鍋1からの流出量がタンディッシュ2から
の流出量を下回るようにされる。
【0031】ついで、タンディッシュ重量が第1下限
(−X1)(従来の下限値)に達すると、スライディン
グノズル1bを開側に移動させその開度をK1よりも所
定量、例えば80%小さい開度K2とし、タンディッシ
ュ重量が第1上限(+X1)よりも所定量、例えば60
%小さい第2上限(+X2)に達すると、閉側に移動さ
せてその開度をH1よりも所定量、例えば20%大きい
開度H2とする。
【0032】同様に、タンディッシュ重量が第2下限
(−X2)に達すると、スライディングノズル1bの開
度をK2よりも所定量小さい開度K3とし、タンディッシ
ュ重量が第2上限(+X2)よりも所定量小さい第3上
限(+X3)に達すると、スライディングノズル1bの
開度をH2よりも所定量大きい開度H3とする。
【0033】しかして、この操作を所定回繰り返して、
スライディングノズル1bの開閉動作の周期を実現可能
な最大周期とする。つまり、スライディングノズル1b
の開閉動作の周期を可能最大周期とする。なお、この可
能最大周期は、運転実績に基づき適宜修正されてもよ
い。
【0034】このようにすることにより、スライディン
グノズル1bの開閉動作の幅を小さくできるとともに、
開閉動作の周期を長くすることができる。例えば、開閉
動作の周期を従来の開閉動作の周期のほぼ5〜6倍とす
ることができる。その結果、スライディングノズル1b
の開閉動作時におけるガス圧力の変動を小さくできると
ともに、マスク処理時にスラグの流出が発生する状態を
実質的に回避することができる。すなわち、マスク処理
による検知遅れを実質的に解消できる。
【0035】判定部52は、圧力センサ20の出力信号
に基づいて連続鋳造装置10に装置不良が存在するか否
かを判定する装置不良判定手段52aと、速度計40の
出力信号に基づいて取鍋1内の溶湯残量が所定量に達し
たか否かを判定する溶湯残量判定手段52bと、圧力セ
ンサ20の出力信号に基づいてスラグが流出しているか
否か判定するスラグ流出判定手段52cとからなる。
【0036】装置不良判定手段52aは、スライディン
グノズル1bを開閉させ溶湯Wの流出量を変動させた際
に圧力センサ20により検出された封入不活性ガスの圧
力の変動に基づいて、連続鋳造装置10にスライディン
グノズル1bのノズル詰まりやガス漏れなどの装置不良
が存在するか否かを判定するものである。
【0037】具体的には、装置不良が存在しない場合に
は、図3(a)に示すように、スライディングノズル1
bの開閉に対応して圧力センサ20の検出値も変動する
が、装置不良が存在する場合には、図3(b)に示すよ
うに、スライディングノズル1bを開閉させても圧力セ
ンサ20の検出値がほとんど変動しない。そこで、装置
不良判定手段52aは、スライディングノズル1bを開
閉させた際の圧力センサ20の検出値の変動があらかじ
め設定された評価範囲J内に収まれば装置不良が存在す
ると判定し、評価範囲J内に収まらなければ装置不良が
存在しないと判定する。ここで、評価範囲Jは制御部5
1によるスライディングノズル1bの閉指示後における
不活性の圧力変動幅の標準偏差の1〜3倍の範囲におい
て、操業実績に基づいて適宜設定される。
【0038】溶湯残量判定手段52bは、速度計40の
出力信号に基づいて鋳造金属Kの全引抜き量を求め、そ
の全引抜き量から取鍋1内の溶湯残量を算出し、その溶
湯残量がスラグ流出の検知を開始する溶湯量に達してい
るか否かを判定するものである。
【0039】スラグ流出判定手段52cは、圧力センサ
20の検出値に対して所定の処理を施してスラグが流出
しているか否か判定するものである。
【0040】具体的には、封入不活性ガスの圧力は取鍋
1から流出する流体の密度に依存するため、溶湯Wと密
度の異なるスラグSが流出し始めると、図4(a)に示
すように、不活性ガスの圧力は急激に変化する。そこ
で、図4(b)に示すように、検出されたガス圧力に所
定の処理を施してその変動を抽出し、所定の閾値を超え
る変動が発生した時点をスラグ流出開始点として検知し
ている。
【0041】より具体的には、検出された不活性ガスの
圧力に対してフィルタ処理を施して高周波成分の除去す
るとともに、差分および区間積分によりその変動を抽出
し、所定の閾値を超える変動が発生した時点をスラグ流
出開始点と判定するものである。ここで、前記閾値は、
スラグ流出判定のために検出されたガス圧力が検出され
た時点から所定時間以内、例えば120秒間以内に検出
された圧力値の標準偏差を所定倍、例えば3〜4倍、よ
り好ましくは3.2倍したものとされる。ここで、前記
時間以内とするのは、スラグが流出し始めた時のガス圧
力の変化はスライディングノズル1bを閉じた時のガス
圧力の変化と類似しているので、スライディングノズル
1bの開閉操作からガス圧が変化して安定するまでの遅
れ時間の5〜6倍としたことによる。なお、スライディ
ングノズル操作によるガス圧力の変化は、前記標準偏差
の算出から除外されている。また、標準偏差の3〜4
倍、より好ましくは3.2倍とするのは、統計学上、標
準偏差の3倍を超えるのはあきらかな異常を示し、スラ
グ混入およびスライディングノズル開閉はあきらかな異
常であるからである。
【0042】しかして、制御判定部50は、例えば出力
手段60を備えたコンピュータに制御部51および判定
部52の前記各手段52a〜52cの機能に対応したプ
ログラム、すなわち制御プログラム、装置不良判定プロ
グラム、溶湯残量判定プログラムおよびスラグ流出判定
プログラムを格納することにより実現される。
【0043】出力手段60は、例えばプリンタ、CRT
ディスプレイなどとされ、また警報装置70は、制御部
51からの指令により警報を発するものとされる。
【0044】次に、かかる構成とされている検知装置A
によるスラグ流出検知について、図5に示すフローチャ
ートを参照しながら説明する。なお、図5中、S1〜S
10はステップ番号を示す。
【0045】(1)連続鋳造を開始する。(ステップ:
1)
【0046】(2)タンディッシュ2内の溶湯重量およ
び引き抜き速度を制御部51に入力する。すなわち、溶
湯重量および引き抜き速度を制御部51に取り込む。
(ステップ:2)
【0047】(3)制御部51は、入力された溶湯重量
および引き抜き速度に基づいて、スライディングノズル
1bの開度を調節して、スライディングノズル1bの開
閉周期を可能最大周期とする。(ステップ:3)
【0048】(4)溶湯残量判定手段52bは、取り込
んだ引抜き速度から取鍋1内の溶湯残量を算出する。
(ステップ:4)
【0049】(5)溶湯残量判定手段52bは、算出し
た取鍋1内の溶湯残量が所定量に達したか否かを判定す
る。(ステップ:5)
【0050】(6)(5)の判定において、所定量に達
していないと判定した場合、(4)に戻りそれ以降の作
業を繰り返す。
【0051】(7)(5)の判定において、所定量に達
していると判定した場合、次のステップ(ステップ:
6)に移行する。
【0052】(8)スラグ流出検知動作を開始する。
(ステップ:6)
【0053】(9)装置不良判定手段52aは、圧力セ
ンサ20から不活性ガスの圧力を取り込んで装置不良が
発生しているか否かを判定する。(ステップ:7)
【0054】(10)(9)の判定において装置不良が
発生していると判定した場合、警報を発する。(ステッ
プ:8)
【0055】(11)スラグ流出判定手段52cは、圧
力センサ20から不活性ガスの圧力を取り込んでスラグ
流出が発生しているか否かを判定する。(ステップ:
9)
【0056】(12)(11)の判定においてスラグ流
出が発生していないと判定した場合、(11)に戻る。
【0057】(13)(11)の判定においてスラグ流
出が発生していると判定した場合、鋳造を停止する。
(ステップ:10)
【0058】このように、本実施形態では、スライディ
ングノズル1bの開閉動作の幅を小さくするとともに、
スライディングノズル1bの開閉動作の周期を可能最大
周期としているので、スライディングノズル1bの開閉
動作時におけるガス圧力の変動を小さくできるととも
に、マスク処理時にスラグの流出が発生する状態を実質
的に回避することができ、マスク処理による検知遅れを
実質的に解消できる。
【0059】また、スラグ流出検知動作に先立って、連
続鋳造装置10に装置不良が発生しているか否かを確認
しているため、装置不良によりスラグ流出を検知できな
いという事態も回避できる。
【0060】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
てきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるも
のではなく種々改変が可能である。例えば本実施形態に
おいては、スライディングノズルの開閉動作の周期を可
能最大周期としてスラグ流出の検知を行っているが、取
鍋の溶湯が所定量を下回った場合、スライディングノズ
ルの開度を一定とするようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
スライディングノズルを有する連続鋳造設備においてス
ライディングノズルの開閉動作による誤検知を防止しな
がら、しかも検知遅れがなくスラグの流出を検知できる
という優れた効果が得られる。
【0062】また、本発明の好ましい形態によれば、ス
ラグ流出検知動作の開始直後に装置不良の有無を確認し
ているので、装置不良によりスラグ検知がなされないと
いう事態を回避できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるスラグ流出検知方
法が適用されるスラグ流出検知装置の概略図である。
【図2】同装置の制御部によるスライディングノズルの
開度調節を説明するための図である。
【図3】スライディングノズルを開閉させた際の封入不
活性ガス圧の検出波形であって、同(a)は装置不良が
存在しない場合を示し、同(b)は装置不良が存在する
場合を示す。
【図4】封入不活性ガスの圧力に基づいたスラグ流出検
知原理を説明するための図であって、同(a)はガス圧
の検出波形などを示すグラフ図であり、同(b)は検出
されたガス圧の変動を抽出した圧力変動抽出波形などを
示すグラフ図である。
【図5】同装置によるスラグ流出検知手順を示すフロー
チャートである。
【図6】従来の連続鋳造装置の概略図である。
【図7】従来の連続鋳造装置におけるスライディングノ
ズルの開閉パターンを模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
1 取鍋 1b スライディングノズル 2 タンディッシュ 3 鋳型 4 第1供給ノズル 5 第2供給ノズル 10 連続鋳造設備 20 圧力センサ(圧力検出手段) 30 重量計(溶湯量検出手段) 40 速度計(引抜き速度検出手段) 50 制御判定部 51 制御部 52 判定部 52a 装置不良判定手段 52b 溶湯残量判定手段 52c スラグ流出判定手段 60 出力手段 70 警報装置 A 検知装置
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 貴大 愛知県東海市元浜町39番地 大同特殊鋼株 式会社知多工場内 Fターム(参考) 4E004 MB19 PA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライディングノズルを有する連続鋳造
    設備におけるスラグ流出検知方法であって、 取鍋の溶湯残量が所定値に達するとスラグ流出検知動作
    を開始し、 前記スライディングノズルの開閉動作がなされないよう
    にして、溶湯を取鍋からタンディッシュに導く供給ノズ
    ル内に封入される不活性ガスの圧力を検出し、その検出
    値が閾値を超えている場合、スラグが流出しているとす
    ることを特徴とするスラグ流出検知方法。
  2. 【請求項2】 スライディングノズルの開閉動作の周期
    を可能最大周期として、圧力検出時に前記スライディン
    グノズルの開閉動作がなされないようにすることを特徴
    とする請求項1記載のスラグ流出検知方法。
  3. 【請求項3】 スライディングノズルの開度を一定とし
    て、圧力検出時に前記スライディングノズルの開閉動作
    がなされないようにすることを特徴とする請求項1記載
    のスラグ流出検知方法。
  4. 【請求項4】 閾値は、検出圧力が検出された時点から
    所定時間以内の圧力検出値の標準偏差を所定倍したもの
    であることを特徴とする請求項1記載のスラグ流出検知
    方法。
  5. 【請求項5】 スラグ流出検知動作の開始直後に装置不
    良の有無を判定することを特徴とする請求項1記載のス
    ラグ流出検知方法。
  6. 【請求項6】 スライディングノズルを開閉動作させた
    際の不活性ガスの圧力変動が所定範囲内であれば、装置
    不良が発生したとすることを特徴とする請求項5記載の
    スラグ流出検知方法。
  7. 【請求項7】 スライディングノズルを有する連続鋳造
    設備におけるスラグ流出検知装置であって、 溶湯を取鍋からタンディッシュに導く供給ノズル内に封
    入される不活性ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
    タンディッシュの溶湯量を検出する溶湯量検出手段と、
    鋳造金属の引抜き速度を検出する引抜き速度検出手段
    と、制御判定部とを備え、 前記制御判定部が制御部と判定部とを有し、 前記制御部は、溶湯量検出手段と引抜き速度検出手段と
    の検出値に基づいて前記スライディングノズルを制御
    し、 前記判定部は、溶湯残量判定手段とスラグ流出判定手段
    とを有し、取鍋の溶湯残量が所定値に達するスラグ流出
    検知動作を開始するようにされてなることを特徴とする
    スラグ流出検知装置。
  8. 【請求項8】 判定部は、さらに装置不良判定手段を有
    し、スラグ流出検知動作の開始直後に装置不良の有無の
    判定をなすことを特徴とする請求項7記載のスラグ流出
    検知装置。
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