JP2003033227A - 歯間ブラシ用ワイヤ及び歯間ブラシ - Google Patents

歯間ブラシ用ワイヤ及び歯間ブラシ

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廣志 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な抗菌性および耐食性を有し、かつ十分
な剛性を有し、さらに製造コストを低減できる歯間ブラ
シ用ワイヤ及び歯間ブラシを提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼または炭素鋼からなる金属
芯材2の周囲にNi層3を設け、さらにその周囲にCu
層4を設ける。その後、Ni層3とCu層4とを相互拡
散させ、キュプロニッケルからなる外層5を生成して、
歯間ブラシ用ワイヤ1と成す。外層のキュプロニッケル
のNi含有率を15〜30重量%にすれば、より確実に
耐食性を付与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯間に挿入して歯
垢や食べカスなどを除去するための歯間ブラシに関し、
特に抗菌性を有する歯間ブラシ用ワイヤに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】歯間ブラシは、通常の歯ブラシでは除去
できない歯間に生成する歯垢や食べカスを落とすための
道具である。その一般的な構造は、図2に示すごとくで
ある。すなわち、歯間ブラシ11は、1本のワイヤ12
を先端(図では左端)で折り返し、ワイヤ12の間に多
数の毛ブラシ13を挟み込んだ状態で、ワイヤ12を捻
って多数の毛ブラシ13を巻き込むように捩り合わせ、
毛ブラシ13をワイヤ12の隙間にしっかりと挟み込ん
でブラシ部を形成してある。そして、一般的に、ワイヤ
12にはステンレス鋼線が用いられ、毛ブラシ13の材
質としてはナイロン等の樹脂が用いられている。以上の
ような構造の歯間ブラシを使用する場合、歯間ブラシの
ブラシ部をワイヤごと歯と歯の間に挿入して前後に動か
すことにより、毛ブラシを歯間や歯茎にこすりつけて歯
垢や食べカスを除去するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のタイプの歯間ブ
ラシは、1回の使用で廃棄せず何回も使用することが多
い。この場合、使用後に水洗いや薬品洗浄をするが、毛
ブラシの根元やワイヤの捻回部などに粘着した歯垢や食
べカスを完全に除去することは困難である。そして、歯
垢や食べカスが残留した状態で歯間ブラシを放置する
と、ワイヤの周辺で雑菌(細菌やカビ)が増殖し、異臭
が漂うと共に不衛生となる問題がある。
【0004】この問題を解決するために、特開平11−
33042号公報には、抗菌性のワイヤを用いた歯間ブ
ラシが開示されている。具体的には、Ni含有率が6
6.5重量%のNi−Cu系合金からなるワイヤを使用
したもの(以下、従来例1という)、或いは少なくとも
Cu;1.5重量%、Cr;17重量%を含有するステ
ンレスからなるワイヤを使用したもの(以下、従来例2
という)が開示されている。
【0005】しかし、従来例1の歯間ブラシでは、Ni
−Cu合金自体が剛性に劣るため、歯間ブラシを歯間に
通過させたり歯茎に押し当てたりしたときに、簡単にワ
イヤが折れ曲がったり、座屈が生じたりする不具合が生
じやすい。従って、歯垢や食べカスを除去する力が小さ
く、また、座屈が生じた部分は歯と歯の間の挿通性が悪
化し、その結果として繰返し使用回数が減少する。ま
た、Ni含有率が高いため、材料コストが高くなるとい
う問題もあった。
【0006】また、従来例2の歯間ブラシにおいては、
ワイヤの材質であるステンレスが腐食環境下における耐
食性が不十分であり錆が発生したり、不動態膜の発生に
より抗菌効果が減退することとなる。錆や不動態膜の問
題を解決するためにワイヤを樹脂コートすることも考え
られるが、これでは上記の抗菌/滅菌作用がほとんど期
待できない。また、毛ブラシを巻き込んだ後にコーティ
ングしなければならず、作業が煩雑であると共にブラシ
製造工程が増えコストもかさむ。また、前工程でワイヤ
を伸線する際に、不動態膜を除去してから伸線用コーテ
ィングを施す必要があり、伸線コストがかさむ結果とな
っていた。
【0007】従って、本発明の課題は、十分な抗菌性お
よび耐食性を有すると共に、かつ十分な剛性を有し、さ
らに製造コストを低減できる歯間ブラシ用ワイヤ及び歯
間ブラシを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明の歯間ブラシ用ワイヤは、金属芯材の表面
に、Cu−Ni合金の一種であるキュプロニッケルから
なる外層を設けたことを特徴とする。本発明において
は、金属芯材によって歯間ブラシ用ワイヤとして好適な
剛性を確保でき、また、外層にキュプロニッケルの層を
設けたことによって抗菌性及び耐食性が付与されるもの
である。すなわち、キュプロニッケルの成分のうち、C
uにより抗菌性および滅菌性が発揮され、Niにより耐
食性が発揮される。抗菌性等についてより詳しくいえ
ば、キュプロニッケルは安定な不動態膜を形成せず、永
続してCuを溶出でき、抗菌作用が安定して持続する。
また、前工程であるワイヤ伸線工程において、外層のキ
ュプロニッケル層が金属芯材を覆っているため、金属芯
材に特に伸線用の前処理を施す必要がない。加えて、外
層のキュプロニッケル層が展延性に富むので、伸線加工
用のコーティングを別途施す必要がない。
【0009】本発明において、金属芯材の材質がステン
レス鋼であれば、上記の作用がより顕著に奏される。す
なわち、ステンレスは外気に触れると早期に不動態膜
(酸化皮膜)を形成するが、本発明によれば不動態膜を
形成するおそれが皆無となる。従来例2のようにステン
レスワイヤを採用した場合では、不動態膜の除去処理、
伸線用コーティング処理、伸線後のコーティング材の除
去処理が必要であるのに対し、本発明ではこれらの処理
をする必要がない。また、従来のように、ワイヤに毛ブ
ラシを巻き込んでから、ワイヤに抗菌性あるいは耐食性
を付与するための処理を施す必要がない。すなわち、長
尺のワイヤの状態でキュプロニッケル層を設けることが
できるため、作業の煩雑さを格段に軽減でき、製造コス
トを抑制することができる。
【0010】また、外層のキュプロニッケル層につい
て、Ni含有率が15.0〜30.0%の範囲に設定す
るのが好ましい。Ni含有率が15.0%に満たない場
合は耐食性が不十分であり、逆に30.0%を越えても
耐食性に顕著な向上が無く、高価なNiの使用料が増え
るため製造コストが高くなる。
【0011】上記の抗菌作用および耐食作用の両方を十
分に発揮するためには、外層の厚みは0.5μm以上が
必要であるが、2μmを越えても抗菌作用および耐食作
用の顕著な向上は見られず、逆に外層の厚みが大きくな
ってワイヤの剛性が不十分となるおそれがある。
【0012】また、捻ったワイヤ間に多数本の毛ブラシ
を捻り止めして形成したブラシ部を有する歯間ブラシに
おいて、該ワイヤとして本発明の歯間ブラシ用ワイヤを
使用した歯間ブラシは、抗菌性,耐食性,剛性におい
て、上記詳述したと同様の作用を奏する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図によ
り説明する。図1は本発明の歯間ブラシ用ワイヤの拡大
断面図であり、(a)は製造途中におけるCu層とNi
層を設けた図、(b)は相互拡散させてキュプロニッケ
ルの外層となした図である。ステンレス鋼や炭素鋼から
なる金属芯材2の周囲にNi層3を設け、さらにその周
囲にCu層4を設ける。その後Ni層3とCu層4とを
相互拡散させ、キュプロニッケル(Cu−Ni)からな
る外層5を生成して、本発明に係る歯間ブラシ用ワイヤ
1を製造する。
【0014】なお、金属芯材に用いる金属は、適度の剛
性および伸びを有するものであればよい。具体的には、
ステンレス鋼や炭素鋼が好適であるが、これらに限定さ
れるものではなく、各種金属および合金を採用してもよ
い。
【0015】外層の形成方法は、メッキによる方法やク
ラッド法等の方法を選択的に利用すればよい。例えば、
メッキによる方法では、細径化したワイヤにNiメッキ
およびCuメッキを施し、500〜950℃に加熱する
ことにより、NiとCuとを相互拡散させキュプロニッ
ケルの組成とする。その後、必要に応じてさらに伸線加
工を施して所望のワイヤ径に仕上げる。また、クラッド
法による方法では、金属芯材となる大径の丸棒をNiパ
イプに挿入後、さらにCuパイプに挿入し、これを熱間
圧延−冷間伸線により細径化する。細径化にあたり必要
に応じて脱スケールのための酸洗処理、ボンデ処理やボ
ラックス処理等の伸線前処理、伸線加工のための焼鈍処
理等の熱処理を行なう。そして、適当な線径のときに上
述のように相互拡散を行ない、その後、必要に応じてさ
らに伸線加工を施して所望のワイヤ径に仕上げる。ま
た、上記クラッド法による方法においては、キュプロニ
ッケルの組成を有したパイプに金属芯材を挿入し、以下
細径化以降の処理を施してもよい。
【0016】なお、キュプロニッケル層の形成におい
て、金属芯材の周囲に先にNiを被覆し、その上にCu
を被覆して相互拡散させてもよい。
【0017】
【実施例】上述のメッキによる外層形成方法を選択し
て、ステンレス(SUS304)を金属芯材として、そ
の周りにキュプロニッケルからなる厚み2μmの外層を
有する、ワイヤ径0.2mmの歯間ブラシ用ワイヤを製
造した。外層に占めるNiの重量比は17%であった。
このワイヤを用い、樹脂からなる毛ブラシを使用して、
本発明の実施例に係る歯間ブラシを製造した。そして、
使用直後、24時間後、48時間後の大腸菌と黄色ブド
ウ球菌の数を調査した。また、比較例としてステンレス
(SUS304)のワイヤを用い、他は実施例と同等の
構成の歯間ブラシを製造し、同様の調査をした。その結
果を表1に示す。なお、歯間ブラシの調査箇所はワイヤ
の捻りの交接部などの雑菌が繁殖しやすい箇所に限定し
た。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、本発明における
雑菌の増殖はなく、逆に滅菌作用を奏することで雑菌の
数が激減した。これに対して、比較例では経時的に雑菌
が増殖していることがわかる。
【0020】次に、本発明において、外層のNi含有率
の変化に伴う耐食性を調べた。試験片は、Ni含有率が
5%,12%,17%,25%のものを用意し、外層の
厚みはすべて2μmとした。そして、これら試験片を飽
和食塩水中に6時間浸漬し腐食試験を行なった。その結
果、Ni含有率が17%および25%の試験片は腐食さ
れなかったが、12%および5%のものは、表面に錆が
発生した。
【0021】
【本発明の効果】本発明の歯間ブラシ用ワイヤは、抗菌
性および滅菌性を有すると共に、顕著な耐食性を有す
る。従って、長期にわたる使用においても雑菌が繁殖す
ることなく清潔に使用でき、また、錆などの腐食を可及
的に防止できる。また、歯間ブラシの使用時に座屈が発
生しにくく、歯間ブラシの反復使用回数を可及的に増や
すことができる。さらに、前工程のワイヤ伸線加工にお
いて、金属芯材の皮膜除去やコーティング等の表面処理
が必要なくなるため、製造コストを格段に抑制できる。
【0022】また、外層のキュプロニッケルのNi含有
率を15〜30%の範囲に設定することで、より確実に
耐食性を付与できると共に、製造コストも安価にでき
る。さらに、外層の厚みを0.5〜2.0μmにするこ
とで、耐食性を確実に付与できると共にワイヤの剛性の
低下を抑制でき、歯間ブラシ使用時の座屈や折れを可及
的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の歯間ブラシ用線の拡大断面図であ
り、(a)は製造途中におけるNi層とCu層を設けた
図、(b)は相互拡散させてキュプロニッケルの外層と
なした図である。
【図2】 歯間ブラシのブラシ部分の概略側面図であ
る。
【符号の説明】
1 歯間ブラシ用ワイヤ 2 金属芯材 3 Ni層 4 Cu層 5 外層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属芯材の表面に、キュプロニッケルか
    らなる外層を設けたことを特徴とする歯間ブラシ用ワイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 金属芯材の材質がステンレス鋼である請
    求項1に記載の歯間ブラシ用ワイヤ。
  3. 【請求項3】 外層のNi含有率が15.0〜30.0
    重量%である請求項1又は2に記載の歯間ブラシ用ワイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 外層の厚みが0.5〜2.0μmである
    請求項1,2または3に記載の歯間ブラシ用ワイヤ。
  5. 【請求項5】 捻ったワイヤ間に多数本の毛ブラシを捻
    り止めして形成したブラシ部を有する歯間ブラシにおい
    て、該ワイヤとして請求項1,2,3または4に記載の
    歯間ブラシ用ワイヤを使用した歯間ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102005026268A1 (de) * 2005-06-08 2006-12-14 Synpart Ag Zahnzwischenraumreiniger
CN103619212A (zh) * 2011-07-06 2014-03-05 米津刷具制品株式会社 碳纤维束的制造方法

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DE102005026268B4 (de) 2005-06-08 2022-03-03 Synpart Ag Zahnzwischenraumreiniger sowie Verfahren zu dessen Herstellung
CN103619212A (zh) * 2011-07-06 2014-03-05 米津刷具制品株式会社 碳纤维束的制造方法

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