JP2003030851A - 情報の読み出し方法 - Google Patents

情報の読み出し方法

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JP2003030851A
JP2003030851A JP2001212378A JP2001212378A JP2003030851A JP 2003030851 A JP2003030851 A JP 2003030851A JP 2001212378 A JP2001212378 A JP 2001212378A JP 2001212378 A JP2001212378 A JP 2001212378A JP 2003030851 A JP2003030851 A JP 2003030851A
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Motoji Ono
元司 小野
Hiromi Sakurai
宏巳 桜井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光誘起複屈折性を有する光記録層を用いたホ
ログラムメモリにおいて、同一波長での書き込みと読み
出しができ、また非破壊読み出しも可能な光記録による
情報の読み出し方法を実現する。 【解決手段】レーザ発振器1からの出射光を位相板5を
用いて、出射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する
参照光6である読み出し光として、基板ガラス7上に形
成された光記録層8であるホログラムメモリに照射し撮
像素子10にて書き込み情報を認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光を照射するこ
とにより分子配向に変化が生じて偏光誘起複屈折性を示
す、光記録材料に書き込まれた情報の読み出し方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、フォトクロミック材料を用いた光
記録方法の研究が盛んに進められている。フォトクロミ
ック材料は、所定の波長の光を照射すると、光化学反応
によって材料を構成する分子の構造が変化し、分子の構
造変化に応じて吸光度、旋光性、反射率、屈折率などの
光学特性が変化する性質を有している。さらに、別の所
定波長の光を照射すると、変化した分子の構造が元に戻
る性質を有している。
【0003】したがって、光学特性の差を利用すること
により、情報の書き込みおよび読み出しを行うことがで
きる。また、分子の構造を元に戻すことにより、情報の
消去を行うことができ、書き換え可能な光記録材料とな
り得る。特に、光を照射することにより分子の配向状態
が変化し、複屈折性を示すフォトクロミック材料を光記
録材料に用いれば、記録部(光照射部)と未記録部(光
非照射部)との大きな屈折率差により、SN比の高い光
記録システムが実現できる。
【0004】分子の構造変化に応じて光学特性が変化す
る特性を示す材料の一例として、側鎖にアゾベンゼンを
有するアクリル系ポリマーが知られている。この材料の
場合、光照射前(初期状態)は、アゾベンゼン分子が一
方向に配向しておらず、複屈折性を示さない。アゾベン
ゼン分子の状態は、トランス体の方が熱的に安定である
ので、トランス体の状態が支配的である。ここに光が照
射されると光異性化反応が誘起され、光の電場によりア
ゾベンゼンが配向する。
【0005】具体的には、トランス体のアゾベンゼン分
子に平行な電場成分を持つ偏光が入射した場合に、アゾ
ベンゼンは光を吸収してシス体になる。このシス体の状
態は不安定なので、直ちにトランス体に戻るが、光が連
続的に照射されているときには再びシス体に変化し、ト
ランス−シス−トランスの異性化サイクルを何度も繰り
返す。このサイクルを繰り返すうちに、アゾベンゼンは
分子に垂直な電場成分には反応しないため、最終的に
は、入射直線偏光の偏光方向に対して垂直方向に分子が
配向した状態が安定となる(以下、偏光誘起複屈折性と
いう)。
【0006】一方向に配向したトランス体のアゾベンゼ
ン分子は、液晶性を有しているため、分子軸方向とこれ
に垂直な方向とでその屈折率が大きく異なり、結果とし
て大きな複屈折を示す。このため、光の照射部と非照射
部とで大きな屈折率差が得られる。なお、光異性化反応
を引き起こすアゾベンゼン(発色団)を安定化させるた
めに、側鎖にメソーゲンを導入するとよい。メソーゲン
は、発色団であるアゾベンゼンと結合し、アゾベンゼン
とともに動き、発色団と同様に配向してこれを安定化す
る。
【0007】さて、光ディスクの高密度化は年々進んで
いるが、一方で、光ディスクは面内に情報を記録するた
め、記録密度は光の回折限界によって制限され、高密度
化の物理的限界と言われる5Gbit/in(=0.
775Gbit/cm)に近づいている。したがっ
て、さらなる高密度のためには、光記録材料の厚さ方向
を含めた3次元的記録が必要となる。そこで、3次元
(体積型)的記録に由来する高密度と2次元的情報の一
括読み出し方式に由来する高速性とを兼ね備えたホログ
ラムメモリが注目されている。
【0008】ホログラムメモリでは、光記録材料中の同
一記録個所に多重に、すなわち複数のデータページの書
き込みができ、かつ各ページごとにデータを一括して読
み出すことができる。アナログ画像の書き込み・読み出
しもできるが、アナログ画像を二値(明と暗)のデジタ
ルデータとしてデジタル画像化することによって、ノイ
ズに強いデジタルデータの書き込み・読み出しができ
る。上記の偏光誘起複屈折性を示す記録材料は、大きな
複屈折(屈折率差)、書き換え可能性を有するために、
ホログラムメモリへの応用が大いに期待されている。
【0009】次に、上記の偏光誘起複屈折性を有する光
記録材料をホログラムメモリに用いた場合の、書き込み
・読み出しの原理を簡単に述べる。まず、書き込みの場
合、LCDなどの空間光変調器を介して情報を含んだ信
号光(物体光)と情報を含んでいない参照光とを、光記
録材料中の同一個所に同時に照射する。このとき、信号
光と参照光とも同一方向に振動する直線偏光とする。
【0010】光記録材料中では、信号光と参照光とが干
渉を起こし、干渉縞が発生する。干渉縞の明部(光照射
部)では、光異性化が起こり入射光の偏光方向に対し垂
直の方向に分子が配向し、複屈折性が発生する。一方、
干渉縞の暗部(光非照射部)では、光異性化は起らず分
子は未配向のままであり、複屈折性を示さない。このよ
うに、偏光誘起複屈折性を有する光記録材料では、干渉
縞を複屈折の有無(屈折率格子)の形で記録している。
【0011】読み出しの場合、上記参照光と同じ波面、
波長、入射角度を有する読み出し光を光記録材料に照射
しなければならない。読み出し光を情報の記録部へ照射
すると記録されている屈折率格子により、読み出し光は
回折され、情報が読み出しされる。ここで、もし読み出
し光として、参照光と異なる波長の光を用いる場合、参
照光との波長差が大きいと、回折格子のブラッグ条件を
満足しなくなり、読み出し光は回折されずに情報の読み
出しは困難となる。また、参照光との波長差が大きくな
いときでも、回折は起こるがその回折された情報には収
差が含まれており、記録された情報を正確に再現するこ
とは困難である。このように、ホログラムメモリの場
合、書き込み光と読み出し光の波長を、実質的に同じに
する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えばフォト
クロミック材料を含む光記録材料をホログラムメモリー
に用いた場合、上述の理由により読み出し光の波長と書
き込み光の波長とを同じにするため、記録された屈折率
格子の未配向部(干渉縞の暗部)も読み出し光により光
化学反応を起こし、分子が配向の状態へと変化する。そ
の結果、屈折率格子の屈折率のコントラストを低下さ
せ、情報が破壊される(破壊読み出し)。
【0013】この問題の解決策として、読み出し光の強
度を非常に小さくして、読み出し時の情報の破壊を極力
抑える方法もあるが、読み出し光の強度が低くなると、
読み出し信号強度も低下し情報読み出しの誤り率が増加
する。また、一般にフォトクロミック材料には、光異性
化を引き起こす光強度の閾値が存在しないので、非常に
微弱な光でも情報の記録変化が起こるので、情報を破壊
せずに読み出すことは困難であった。すなわち、同じ個
所の記録情報の読み出し回数が増えるほど、非常に微弱
な光でもその記録情報が破壊されていく。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためになされたものであり、偏光を照射するこ
とにより分子配向に変化が生じて偏光誘起複屈折性を示
す光記録材料に書き込まれた情報の読み出し方法であっ
て、情報の読み出し光の偏光方向を情報の書き込み光の
偏光方向と直交させることを特徴とする情報の読み出し
方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における、光記録
材料への情報の書き込み方法の一例を示す概念図であ
る。レーザ発振器1から放射されたレーザ光は、偏光ビ
ームスプリッタ2で二つの光に分けられる。このとき、
二つの光はともに同じ直線偏光状態(同一方向に振動す
る光)である。分けられた一方の光は、シャッター9を
透過し、ミラーで反射後、デジタル情報を表示している
LCDなどの空間光変調器3を透過し、レンズ12を透
過した情報を含んだ信号光(物体光)4となる。また、
他方の光は、波長板5を透過して、その偏光方向は変え
られないまま参照光6となる。上記信号光(物体光)4
と参照光6はともに、基板ガラス7上に、スピンコート
された光記録層8の光記録層側から光記録層8の同一個
所へ同時に照射される。
【0016】光記録層8は光記録材料であり、偏光誘起
複屈折性を有し、ホログラム記録が可能な材料であれ
ば、どのような材料でもよい。好ましい例として、側鎖
に光異性化を引き起こす基を有する高分子液晶またはそ
の他の高分子、または光異性化を引き起こす分子を分散
させた高分子を含む材料用いることができる。また、光
異性化を引き起こす基または分子としては、例えば、ア
ゾベンゼン骨格を含むものが好適に用いられる。
【0017】光記録層8上の光照射部位では、信号光4
と参照光6との干渉が起こり、干渉縞が発生する。干渉
縞の明部では、光異性化が起こり入射光の偏光方向に対
し垂直の方向へ分子が配向し、複屈折性が発現する。一
方、暗部では、光異性化が起こらず分子の配向方向はラ
ンダムで複屈折性は現れない。
【0018】図3に、光記録材料に書き込まれた干渉縞
中の分子配向の様子(複屈折性の有無)を示す模式図を
示す。13は、液晶分子およびフォトクロミック分子を
表す。干渉縞の光強度の分布において、光強度の強い山
の部分では複屈折性が生じ、光強度の弱い谷の部分では
複屈折性が生じない様子を表わしている。なお、複屈折
性が生じている領域の分子方向は、書き込み(記録)光
の偏光方向に垂直である。このように、複屈折性の発現
の有無、すなわち屈折率の違いによって回折格子の形で
情報の記録が行われる。
【0019】図2は、本発明の、光記録材料からの情報
の読み出し方法の一例を示す概念図である。情報の読み
出し時には、シャッター9を閉じ、参照光6のみを光記
録材料である光記録層8へ照射する。読み出し時の参照
光のことを読み出し光という。読み出し光の偏光方向は
偏光回転素子(波長板、ファラデー・ローテータなど)
5により、書き込み時の入射光の偏光方向と直交する方
向(図2では紙面に平行)に回転しておく。光記録層8
に記録された屈折率変化により、回折された光11は、
CCDなどの撮像素子10上に結像され、情報の読み出
しができる。
【0020】書き込み時の偏光方向と、読み出し時の偏
光方向を直交させることで、読み出された光信号の強度
は、長時間読み出ししてもその低下がなく、読み出し光
による情報の破壊が生じない。すなわち、本発明の読み
出し方法により、ホログラムデータの非破壊読み出しが
できる。なお、図2の符号で図1の符号と同じものは、
図1と同じ要素を示す。
【0021】具体的に、この非破壊読み出しの原理につ
いて、図4の干渉縞中の分子配向方向が変化する様子を
示す図を用いて説明する。図4(a)は、従来の情報の
読み出し法による、破壊読み出しの場合の模式図であ
る。従来法の場合、書き込み光と同じ偏光方向の直線偏
光で読み出しを行うので、記録された屈折率格子(図
2)の未配向部(複屈折性無)は、読み出し光により偏
光誘起複屈折性が発現する。
【0022】すでに配向している既配向部(複屈折性
有)では、分子は読み出し光の偏光方向と直交して配向
しているので、読み出し光に対する感受性はなく光異性
化は起こらず、その配向方向は変化しない。したがっ
て、この屈折率格子は上記読み出し光を照射することに
より未配向部の分子配向が進み、屈折率格子の屈折率の
コントラストが低下し、最終的には分子は全て同じ方向
を向き、未配向部も既配向部も同一の複屈折性を持つこ
とになり屈折率格子が消滅する。その結果、記録情報が
破壊されることになる。すなわち、破壊読み出しであ
る。
【0023】一方、本発明による情報の読み出し方法の
場合、書き込み光の偏光方向と直交する方向の直線偏光
を読み出し光として用いる。図4(b)に示すように、
記録された屈折率格子の未配向部と既配向部ともに、読
み出し光に対して感受性があるので、分子の配向方向は
変化する。すなわち、未配向部および既配向部ともに、
読み出し光の偏光方向に対して直交するように配向す
る。ただし、未配向部の配向速度と、既配向部の配向速
度の違いにより読み出される光強度の経時変化の様子が
変わる。一般に、既配向部の配向速度は、その配向方向
を90°変えなければならないので、未配向部の配向速
度と同等か、それよりも遅くなる。
【0024】以下に、それぞれの場合について読み出さ
れる光強度の経時変化の様子を詳細に述べる。
【0025】(1)既配向部の配向速度が未配向部の配
向速度より小さい場合 既配向部では、分子の配向速度が遅く読み出し光の偏光
方向に平行な配向状態が長い間維持される。一方、未配
向部では、読み出し光による分子の配向が進み、読み出
し光の偏光方向に垂直な方向へ配向する。このとき、記
録された屈折率格子の屈折率のコントラストは、読み出
し光の偏光方向についてみると初期値よりも大きくな
り、記録データの増強が行われる。
【0026】具体的には、光記録材料中の分子の長軸方
向の屈折率をn、短軸方向の屈折率をn、またで配
向がランダム時の屈折率をnとする。このとき、一般に
>n>nの関係が成立する。したがって、書き込
み直後の屈折率格子の屈折率コントラストは、Δn(初
期)=n−nである。ここに、読み出し光を照射する
と、既配向部の屈折率は、読み出し光の偏光方向に対し
てnのままで、未配向部の屈折率は、nからnへ変
化する。このときの屈折率格子の屈折率コントラスト
は、Δn(読み出し)=n−nであり、Δn(初
期)よりも大きくなることが分かる。これにより、記録
データの非破壊読み出しを行い、さらに読み出しの信号
光の増強ができる。
【0027】(2)既配向部の配向速度が未配向部の配
向速度に等しい場合 未配向部と既配向部の分子の配向速度が等しいため、書
き込まれた屈折率格子の屈折率コントラストは、初期値
から変化せず記録データは、非破壊に読み出される。具
体的には、読み出し光を照射したとき、既配向部の屈折
率は、読み出し光の偏光方向に対してnからn−α
tへ変化する。一方、未配向部の屈折率は、nから、n
−αtへ変化する。ここで、αは屈折率の変化速度でt
は時間である。このときの屈折率格子の屈折率コントラ
ストは、Δn(読み出し)={(n−αt)−(n−
αt)}であり、Δn(初期)と等しいことが分かる。
これにより、記録データの非破壊読み出しができる。
【0028】(1)、(2)いずれの場合においても、
書き込み光の偏光方向に対して垂直な偏光方向を有する
読み出し光を照射することにより、読み出し時の屈折率
格子の屈折率コントラストは、初期のそれと同等かそれ
以上の値となり、情報の破壊は発生しないことが分か
る。すなわち、非破壊読み出しができる。
【0029】上記においては、光記録材料に記録された
情報ががホログラム情報である場合について述べたが、
CD、DVDなどで用いられているビット記録情報にも
本発明の読み出し方法が適用できる。例えば、複屈折性
を有する記録ビット部を位相差、屈折率差、偏光方向差
などで読み出すビット記録読み出し方式に本発明を用い
れば、上述したホログラムの屈折率格子と同様の原理に
より、記録ビット部の破壊無しでデータを読み出せる。
【0030】また、書き込み時と読み出し時との光記録
材料温度を制御することにより、より非破壊性の大きな
読み出し、すなわちより破壊されにくい読み出しができ
る。なぜなら、一般に上記したような液晶性を示す光記
録材料は、透明点T以下であれば、温度が高ければ高
いほどその粘度が低下し分子の配向速度は速くなり、よ
り高い屈折率コントラストが得られる。また、ガラス転
移点T以下の温度では、粘度が急激に高くなりその分
子の配向速度は極めて遅くなる。
【0031】したがって、ガラス転移点以上でかつ透明
点以下の温度Tで書き込まれた情報を、T以下の温
度で読み出すことが好ましい。すなわち、書き込み時に
はT 以下であるが、Tにより近い温度で書き込みし
速やかに高い屈折率コントラストを得て、読み出し時に
はT以下の温度で読み出すことで、その分子の配向変
化を起きにくくすることで、より非破壊性の大きな読み
出しができる。
【0032】また、情報の読み出しに使用する光の強度
が、情報の書き込みに使用する光の強度に実質的に等し
いことが好ましい。上述のように、本発明の読み出し方
法においては、読み出し光の強度を大きくしても非破壊
読み出しが起こらず、強度が大きい方が読み出された光
信号の強度は、大きくなる。読み出し光の強度を書き込
み光の強度と実質的に等しくすることにより、書き込み
の場合と同じ装置が使用できるので好ましい。
【0033】
【実施例】光記録材料として、図5に示す構造式で表さ
れるアゾベンゼン含有高分子液晶をガラス基板上にスピ
ンコートし成膜したものを用いた。図5に示すように、
フォトクロミック分子としてアゾベンゼン、液晶分子と
してトラン型液晶を用いた。トラン型液晶は、他の液晶
材料と比較して複屈折(液晶分子のnとnとの差)
が大きく、粘度も低いという特徴があるためホログラム
回折効率向上、書き込み速度向上などが期待され本実施
例で用いたが、他の液晶材料も使用できる。
【0034】フォトクロミック分子および液晶分子とも
に、スペーサ長6のアルキルスペーサを介して主鎖につ
ながっている。この光記録材料のガラス転移点Tは約
50℃、透明点Tは約100℃であり、膜厚は約1μ
mであった。まず、光記録材料の初期化のためこの材料
をホットプレート上で120℃(T 以上)まで加熱
し、その後室温まで徐冷した。これにより光記録材料の
フォトクロミックおよび液晶分子の配向はランダム状態
(複屈折性なし)に初期化された。
【0035】次に、光記録材料を図1に示す書き込み系
を用いて情報の書き込みを行った。書き込みに用いたレ
ーザ発振器1は、波長488nmのAr−レーザ装置
で、照射パワーは参照光、物体光ともに250mW/c
、書き込み時間は300秒であった。また本実施例
では、温調機能付き材料ホルダーを用いて光記録材料の
温度を70℃(T以上、かつT以下)にして書き込
みを行った。実際の書き込み系では、レーザ光を回折限
界近くまで絞るため、温調機能付き材料ホルダーなどを
用いなくても容易に材料温度を上げることができる。ま
た光記録材料に照射されるレーザ光の偏光状態は、参照
光6、信号光(物体光)4ともにS偏光(紙面に垂直な
偏波光)であった。
【0036】このように書き込みを行った光記録材料か
らなるホログラムを、図2に示す光学系を用いて情報の
読み出しを行った。読み出し時の材料温度を23℃(T
以下)にして、読み出し光のパワー(4mW/cm
と250mW/cm)および偏光方向(S偏光とP偏
光)の違いによるホログラム回折効率の変化を図6のグ
ラフに示した。(a)は250mW/cmでP偏光、
(b)は4mW/cm でP偏光、(c)は250mW
/cmでS偏光、(d)は4mW/cmでS偏光で
ある。
【0037】読み出し光としてS偏光を用いた場合は従
来の読み出し方法に対応し、P偏光を用いた場合は本発
明の読み出し方法に対応している。グラフからも分かる
ように、S偏光を用いた場合は、読み出し光パワーが4
mW/cmと250mW/cmともに、回折効率が
時間とともに減少している。すなわち、従来の方法に対
応する場合、破壊読み出しであることが分かる。
【0038】一方、P偏光を用いた場合は、読み出し光
パワーが4mW/cmと250mW/cmともに、
回折効率が増加している。すなわち、非破壊読み出しで
あることが分かる。この回折効率の増加から、本実施例
で用いた記録材料は、(1)で示したように、既配向部
の配向速度が未配向部の配向速度よりも遅い材料である
ことが分かる。また、書き込み光パワーと読み出し光パ
ワーが同じ250mW/cmのとき回折効率が大きか
った。
【0039】
【発明の効果】本発明による、光記録による情報の読み
出し方法を用いれば、偏光誘起複屈折性を有する記録材
料を用いたホログラムメモリにおいて、同一波長での書
き込みと読み出しができ、また非破壊読み出しも可能な
光記録による情報の読み出しが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、光記録材料への情報の書き込
み方法の一例を示す概念図。
【図2】本発明の、光記録材料からの情報の読み出し方
法の一例を示す概念図。
【図3】光記録材料に書き込まれた干渉縞中の分子配向
の様子(複屈折性の有無)を示す模式図。
【図4】読み出し時の偏光方向に応じて干渉縞中の分子
配向が変化する様子を示す図で、(a)従来の破壊読み
出しの場合を示す模式図、(b)本発明の非破壊読み出
しの場合を示す模式図。
【図5】実施例で用いた光記録材料の構造式を示す図。
【図6】光記録による情報の読み出し時における回折効
率の時間依存性を示すグラフであり、読み出し光のパワ
ーおよび偏光方向をパラメータとし、(a)250mW
/cmでP偏光、(b)4mW/cmでP偏光、
(c)250mW/cmでS偏光、(d)4mW/c
でS偏光。
【符号の説明】
1:レーザ発振器 2:ビームスプリッタ 4:信号光 6:参照光 8:光記録層 10:撮像素子 11:回折された光 13:液晶およびフォトクロミック分子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光を照射することにより分子配向に変化
    が生じて偏光誘起複屈折性を示す光記録材料に書き込ま
    れた情報の読み出し方法であって、情報の読み出し光の
    偏光方向を情報の書き込み光の偏光方向と直交させるこ
    とを特徴とする情報の読み出し方法。
  2. 【請求項2】光記録材料が液晶性記録材料であり、液晶
    性記録材料の有する、ガラス転移点以上でかつ透明点以
    下の温度Tで書き込まれた情報を、T以下の温度で
    読み出す請求項1記載の情報の読み出し方法。
  3. 【請求項3】情報の読み出しに使用する光の強度が、情
    報の書き込みに使用する光の強度に実質的に等しい請求
    項1または2記載の情報の読み出し方法。
  4. 【請求項4】光記録材料に書き込まれた情報がホログラ
    ム情報である請求項1、2または3記載の情報の読み出
    し方法。
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WO2004104696A1 (ja) * 2003-05-26 2004-12-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 情報記録媒体およびその記録再生方法、並びに情報記録再生装置
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