JP2003028171A - 転動装置 - Google Patents

転動装置

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JP2003028171A
JP2003028171A JP2001216785A JP2001216785A JP2003028171A JP 2003028171 A JP2003028171 A JP 2003028171A JP 2001216785 A JP2001216785 A JP 2001216785A JP 2001216785 A JP2001216785 A JP 2001216785A JP 2003028171 A JP2003028171 A JP 2003028171A
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Koji Ueda
光司 植田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化を図りつつ、高剛性で、耐磨耗性に優
れ、長寿命の非磁性材料からなる転動装置を提供する。 【解決手段】 外方部材と内方部材との間に転動体が配
設され、転動体が外方部材及び内方部材の該転動体との
各接触面に対して転動する転動装置において、外方部材
及び内方部材の少なくとも一方が、密度が3.0g/cm
3以下で、(耐力)/(密度)値が70mm以上のアルミ合金
からなり、かつ転動体との接触面がHv350以上の硬
質層であることを特徴とする転動装置。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は転動装置に関し、よ
り詳細には、電子線を使用した半導体製造装置や医療機
器等の非磁性が要求される装置または、食品機械等の耐
食性が要求され、高速で往復運動する特殊環境下で使用
される、転がり軸受やリニアガイド(直動案内装置)、
ボールねじ等の転動装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】精密機器、食品機械、半導体関連機器等
においては、従来から、転がり軸受やリニアガイド、ボ
ールねじ等の各種の転動装置が使用されている。これら
の転動装置は、その構成部品として外方部材と内方部材
とその間を転動する転動体を備えており、転動体は、外
方部材及び内方部材の転動体との各接触面に対して転動
するように構成されている。 【0003】より具体的に説明すると、ここでいう転動
装置の外方部材とは、転がり軸受にあっては外輪、リニ
アガイドにあってはスライダ又は案内レール、ボールね
じにあってはナットをそれぞれ指す。また、転動装置の
内方部材とは、転がり軸受にあっては内輪、リニアガイ
ドにあっては案内レール又はスライダ、ボールねじにあ
ってはねじ軸をそれぞれ指す。 【0004】また、外方部材の転動体との接触面とは、
転がり軸受にあっては外輪軌道面、リニアガイドにあっ
てはスライダ(又は案内レール)の軌道溝、ボールねじ
にあってはナットのねじ溝をそれぞれ指す。更に、内方
部材の転動体との接触面とは、転がり軸受にあっては内
輪軌道面、リニアガイドにあっては案内レール(又はス
ライダ)の軌道溝、ボールねじにあってはナットのねじ
溝をそれぞれ指す。 【0005】ところで、半導体製造装置のウエハのパタ
ーン検査装置や描画装置では、コンピュータの記憶密度
の増加に伴ってウエハのパターンの微細化が進んでお
り、これに伴い電子線が用いられるようになり、高真空
の装置になってきている。このため、ウエハの固定や搬
送ステージの位置決めに使用される転がり軸受、リニア
ガイド、ボールねじでは、磁場が電子線に及ぼす影響を
考慮して、これらを形成する材料が非磁性であることが
要求されている。しかし、非磁性のステンレス鋼を用い
ても、透磁率1.001以下をクリアすることは難し
く、僅かな磁場でも電子線が影響を受け、高密度化に支
障をきたしている。 【0006】このような問題に対して、例えば、特開2
000−154825号公報には非磁性の超硬合金を使
用した直動案内軸受が、また特開2000−13043
5号公報には非磁性の銅合金を加工硬化または時効硬化
した材料を使用することが開示されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記した非磁性化の要
求の一方で、例えば、半導体デバイス等の精密部品を取
り出して基板に装着する部品装着機では、生産効率向上
のために取り付け速度が更に高速化する傾向にある。例
えば、リニアガイドやボールねじでは、1サイクルが1
秒以下となるような高速条件で使用される場合もあり、
レールまたはねじ軸に負荷される加速度は数G〜十数G
程度にもなり、これら装置自体の軽量化が望まれてい
る。 【0008】しかし、上記超硬合金は密度が14.0〜
15.0g/cm3、また上記銅合金は密度が約8.5〜
9.0g/cm3と鋼よりも大きいために、前述の高速条
件で使用した場合、レールやねじ軸の自重、ヘッドの質
量によって生じる慣性力が大きくなり、位置決め精度が
低下したり、振動が多くなったり、異常摩耗が発生した
りすることがあった。 【0009】軽量化の観点からは、実公平4−5435
8号に、ねじ軸及びナットがアルミ合金で構成され、表
面に緻密な酸化膜を形成した上層にCrめっき、TiC
等の硬質皮膜処理を施した真空用ボールねじが開示され
ている。しかし、アルミ合金は、合金の種類が多様であ
り、合金系の種類や熱処理状態によって機械的特性が大
幅に変化するにもかかわらず、用いる合金の機械的特性
については何ら触れられていない。また、アルミ合金は
鉄鋼材料に比べて強度が劣るため、使用するアルミ合金
の強度レベルが不足した場合には十分な剛性や転動寿命
が得られない。 【0010】更に、TiCコーティング等の硬質皮膜を
施す場合は、母材との密着性を確保するため、通常スパ
ッタリングで表面の酸化物を除去する必要があるが、上
記実用新案公報に記載のボールねじでは、酸化皮膜上に
硬質皮膜処理を施しているため、硬質膜と母材界面との
強度が低下するので、繰り返し応力やヒートサイクルに
よって硬質皮膜が剥離する可能性もある。 【0011】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、軽量化を図りつつ、高剛性で、耐磨耗性に
優れ、長寿命の、非磁性材料からなる転動装置を提供す
ることを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、外方部材と内方部材との間に転動体が配
設され、転動体が外方部材及び内方部材の該転動体との
各接触面に対して転動する転動装置において、外方部材
及び内方部材の少なくとも一方が、密度が3.0g/cm
3以下で、(耐力)/(密度)値が70mm以上のアルミ合金
からなり、かつ転動体との接触面がHv350以上の硬
質層であることを特徴とする転動装置を提供する。 【0013】本発明の転動装置では、外方部材や内方部
材にアルミ合金を用いることで非磁性化を実現するとと
もに、その密度を3.0g/cm3以下に規定することに
より、特にリニアガイドやボールねじにおいて1サイク
ル1秒以下の高速で相対往復運動する場合でも、慣性力
による位置決め精度の低下、振動や異常摩耗の発生を抑
えることができる。また、アルミ合金の(耐力)/(密度)
値を70mm以上に規定することにより、高剛性、長疲労
寿命化を図ることができる。更に、従来の酸化皮膜のよ
うな密着性を低下させる介在層を無くし、転動体との接
触面表面にHv350以上の硬質皮膜を生成させること
により優れた耐摩耗性を長期にわたり維持することがで
きる。 【0014】尚、上記「耐力」とは、次のように定義さ
れる物性値である。即ち、材料を引張り変形させたとき
に、一般に図1に示されるような応力(σ)−ひずみ
(ε)曲線が得られる。引張りによる変形の初期には弾
性変形が起こり、応力−ひずみ曲線は直線を示すが、応
力が高くなると塑性変形が生じて応力−ひずみ曲線は曲
線を示すようになる。また、途中で除荷したときには、
図示されるような除荷曲線が得られ、その0.2%の永
久ひずみが残る応力を「耐力」と定義している。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。 【0016】本発明における転動装置とは、転がり軸受
やリニアガイド、ボールねじ等の外方部材と内方部材と
の間に転動体が配設され、転動体が、外方部材及び内方
部材の転動体との各接触面に対して転動する装置を含
む。また、外方部材とは、転がり軸受にあっては外輪、
リニアガイドにあってはスライダ又は案内レール、ボー
ルねじにあってはナットをそれぞれ指し、内方部材と
は、転がり軸受にあっては内輪、リニアガイドにあって
は案内レール又はスライダ、ボールねじにあってはねじ
軸をそれぞれ指す。更には、外方部材の転動体との接触
面とは、転がり軸受にあっては外輪軌道面、リニアガイ
ドにあってはスライダ(又は案内レール)の軌道溝、ボ
ールねじにあってはナットのねじ溝をそれぞれ指し、内
方部材の転動体との接触面とは、転がり軸受にあっては
内輪軌道面、リニアガイドにあっては案内レール(又は
スライダ)の軌道溝、ボールねじにあってはナットのね
じ溝をそれぞれ指す。 【0017】本発明の転動装置は、上記外方部材及び内
方部材の少なくとも一方、好ましくは両方を、密度が
3.0g/cm3以下で、(耐力)/(密度)値が70mm以上
のアルミ合金製とする。アルミ合金の密度を3.0g/
cm3以下に規定することで、セラミックス並に自重を低
減することができるので、高速で往復運動する場合の慣
性力を小さくすることができる。しかも、アルミ合金は
セラミックよりも靭性が高いので、衝撃荷重が付与され
ても割れの発生はない。但し、強度に関しては、アルミ
合金は鋼に比較して低いため、肉厚を増して増強するこ
とが好ましいが、密度が小さく軽量であるため肉厚を増
しても重量増加を抑えることができる。尚、密度の下限
については特に制限がない。 【0018】また、後述するように、強度、特に塑性変
形に対する抵抗を考慮すると、材料の機械的特性として
耐力が重要であり、(耐力)/(密度)値が70mm以上
のアルミ合金を使用することによって、十分な転動疲労
寿命が得られ、かつ転がり軸受では軌道輪、リニアガイ
ドではレール、ボールねじではねじ軸において軽量性を
保ちつつ、高剛性化を達成することができる。尚、(耐
力)/(密度)値の上限については特に制限はない。 【0019】更に、アルミ合金を用いることにより、下
記に示すような効果が同時に得られる。 (1)ヤング率が約69〜72GPaと鋼の200〜2
10GPaに比べて小さいので、同一の荷重が付与され
た場合に、転動体との接触部での面圧を下げる効果があ
り、転動寿命が向上する。 (2)アルミ合金は、完全非磁性で比透磁率1.001
以下であり、非磁性ステンレスよりも透磁率が小さいた
めに、スライダおよびレールの相対運動に伴う磁場変動
を生じない。 (3)鋼と比較して耐食性に優れるので、腐食性の溶液
が接触したり、腐食性のガス雰囲気のような腐食環境下
で使用した場合にも、鋼のように発錆による精度低下が
なくまた真空環境下において発塵性の悪化が生じない。 【0020】本発明に係るアルミ合金の種類としては、
非熱処理型の合金では、3000系(Al−Mn系)、
4000系(Al−Si系)、5000系(Al−Mg
系)、熱処理型の合金2000系(Al−Cu−Mg
系)、6000系(Al−Mg−Si系)、7000系
(Al−Zn−Mg系)が挙げられ、これらの中で上述
した(耐力)/(密度)値を満たすものを好適に使用でき
る。熱処理型合金は、溶体化処理と時効処理との組み合
わせによって、上記の密度並びに(耐力)/(密度)値を満
足するように調整したものを使用する。尚、この熱処理
型合金は、G.P.ゾーンや中間遷移相が析出し、析出硬化
により著しく強化されるので、高負荷で使用される場合
に特に好適に使用できる。 【0021】アルミ合金は塑性加工性が良好であるの
で、圧延、押し出し、引き抜きの塑性加工によって、転
動装置の種類に応じて、パイプ、丸棒、レール状に容易
に加工できる。また、非熱処理型合金を用いることによ
り、このような塑性加工によって、加工硬化し、剛性を
増大させることができ、加工硬化させたままでの使用が
可能である。熱処理型合金に関しては、加工硬化させた
後に時効処理を施すことにより硬化の度合いを増すこと
ができる。 【0022】アルミ合金は、素地の耐摩耗性が高くない
ので、その表面に硬質皮膜を形成させることにより、耐
摩耗性、摺動性が向上して、転動体との接触面の摩耗を
抑制することができる。後述するように、硬質皮膜の硬
さとしては、Hv350以上であれば、耐摩耗性を大幅
に向上させることができる。 【0023】硬質皮膜の種類としては、硬質アルマイト
処理膜、TiN、TiC、TiCN、TiAlN等のセ
ラミック膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜
が何れもHv350以上の硬質皮膜が得られ、潤滑が不
十分な場合においても良好な耐摩耗性を維持する。ま
た、低発塵性を示すことから、半導体製造装置等のクリ
ーン環境が要求される用途で好適に使用することができ
る。硬質アルマイト処理膜は、陽極酸化処理によって得
られる硬質かつ緻密なアルミ酸化物であり、アルミ合金
との密着性に優れ、皮膜の剥離を生じることがない。ま
た、これら硬質皮膜とアルミ合金との密着性を確保する
ために、硬質皮膜の形成前に、イオンボンバードによっ
てアルミ合金表面の不動態皮膜を除去しておくことが好
ましい。 【0024】この他、三菱電機(株)の商品名EDCOA
T(放電表面処理装置)によるTiC皮膜が挙げられ
る。このTiC皮膜は、拡散浸透相が形成されるのでP
VD、CVDコーティングで形成されるTiC皮膜より
も更に密着性に優れ、高面圧に耐えることができる。 【0025】転動体については、特に制限されるものは
ないが、耐食性、非磁性、軽量化・耐摩耗・耐焼付性に
優れるセラミックスが好適に使用できる。セラミックス
材としては、窒化珪素(Si34)、アルミナ(Al2
3)、炭化けい素(SiC)、ジルコニア(ZrO2
等が挙げられる。 【0026】また、保持器も同様に耐食性、非磁性、軽
量化・耐摩耗・耐焼付性に優れる合成樹脂材料とするの
が望ましい。合成樹脂材料としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレン(以下、PTFEと略称する)、エチ
レンテトラフルオロエチレン(ETFE)等のふっ素系
樹脂やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサル
フォン(PES)、ナイロン(PA)等のエンジニアリ
ングプラスチック等が挙げられる。これらの樹脂にはガ
ラス繊維等の強化材が配合されていてもよい。 【0027】 【実施例】本発明の効果を確認するために、以下の実験
を行った。但し、本発明はこれにより何ら制限されるも
のではない。 【0028】<軸受寿命試験>表1に示した各アルミ合
金を使用して、φ60×6mmの試験片を作製し、その密
度、耐力を測定した。尚、調質については、JIS H
0001に指定されている処理を施し、表1に併示し
た。 【0029】そして、森式スラスト転がり寿命試験機を
用い、油中に保持して寿命試験を行った。寿命判定は、
加速度ピックアップにより検出した振動レベルが初期値
の5倍程度に達した時点を軸受寿命とした。尚、試験条
件は、以下の通りである。 ・荷重 :196N ・回転数:200rpm ・潤滑 :油浴VG68 ・保持器:フッ素樹脂 ・転動体材質:窒化珪素 【0030】結果を、比較例No.15の寿命を1とし
た相対値(寿命比)で表1に併示した。また、 (耐力)
/(密度)値と転がり寿命比との関係を図2に示す。 【0031】 【表1】【0032】本発明の実施例であるNo.1〜13は、
密度3.0g/cm3以下で、(耐力)/(密度)値が70mm
以上のアルミ合金を使用した場合であり、軽量性が維持
されると同時に強度が高いため、何れも優れた転動疲労
特性を示している。これに対して、比較例No.14〜
18は、(耐力)/(密度)値が70mm以下であることか
ら、母材の強度が不足していおり、十分な寿命が得られ
ない。また、図2に示すように、(耐力)/(密度)値が7
0mm以上の場合に優れた転動疲労寿命を示している。従
って、本発明の(耐力)/(密度)値は70mm以上とする。 【0033】<発塵試験>発塵試験は、直線案内軸受を
用い、図3に示す試験装置を用いて行った。表2にアル
ミ合金の材質および調質状態を示した。案内軸及びスラ
イダは、表2に示すアルミ合金製とし、更に同表に示す
皮膜を成膜した。尚、表面硬度はマイクロビッカース試
験機を用い、測定荷重9.8Nで測定した。 【0034】図3において、試験直線案内軸受100
は、モータ110により、磁性流体シール付き回転導入
機111、シャフト112および金属製帯113を介し
て、往復運動される。往復運動に伴い、試験直線案内軸
受100から発生した塵埃は、レーザー光散乱式のパー
ティクルカウンタ114に送られ、発塵粒子の個数が計
測される。また、この発塵試験装置は、クラス100レ
ベルのクリーンベンチ内に設置されている。この発塵試
験装置を用いて、各直線案内軸受から外部に飛散する粒
子数を計測した。尚、試験条件は、次の通りである。 ・雰囲気 :大気、常温 ・試験直線案内軸受:型番LU09(案内軸幅;9mm、
案内軸長さ;70mm、スライダ幅;20mm、スライダ長
さ;27mm) ・予圧 :98N ・平均速度:10mm/sec ・ストローク:10mm 【0035】表面硬さ及び発塵量を表2に併示するが、
発塵量については比較例No.39の発塵量を1とした
相対値(発塵量比)で示してある。また、硬質皮膜表面
硬さと発塵量比との関係を図4に示す。 【0036】 【表2】【0037】比較例No.39、40は、硬質皮膜が成
膜されていないため、表面硬さが低く、耐摩耗性に劣
り、摩耗粉が多量に発生して発塵性に劣る。また、比較
例No.18〜20は、アルマイト処理をした場合であ
るが、皮膜の硬さが本発明範囲のHv350より小さい
ため耐摩耗性に劣り、発塵量が多い。 【0038】これに対して、本発明に係る硬さの皮膜処
理を施した直線案内軸受は、比較例の直線案内軸受と比
較して、発塵量が極めて少ない事がわかる。また、図4
に示すように、硬質皮膜表面硬さがHv350以上であ
れば、耐摩耗性が大幅に向上し、発塵量を大幅に低減す
ることができる。更に、実施例No.32〜35は、硬
質皮膜をセラミック膜、DLC膜、EDCOATによる
TiC膜とした場合であるが、何れも実施例No.19
〜31の硬質アルマイト皮膜より更に硬質で、かつ摺動
性に優れることから、発塵性は更に向上している。ま
た、これら硬質皮膜に関しては、酸化皮膜層を除去後に
成膜を行っているため、密着性が高く、試験後の転動面
に剥離は認められなかった。 【0039】 【発明の効果】本発明によれば、転がり軸受やリニアガ
イド、ボールねじに代表される転動装置の内方部材や外
方部材に、密度3.0g/cm3以下で、(耐力)/(密度)
値が70mm以上であるアルミ合金を使用することによ
り、軽量性を保ちつつ、高剛性、長寿命化をはかると同
時に、酸化皮膜のような密着性を低下させる介在層をな
くして、転動体との接触面にHv350以上の硬質皮膜
が成膜されていることにより、耐摩耗性を向上させるこ
とができ、腐食性雰囲気や非磁性環境下等で好適に使用
できる特殊環境用の軽量転動部材を提供することができ
る。特にリニアガイドやボールねじにおいては、高速で
相対往復運動する場合でも、自重による慣性力を低減し
て、位置決め精度の低下、振動や異常摩耗の発生を抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】耐力を説明するための図である。 【図2】実施例で得られた、(耐力)/(密度)値と転
がり寿命比との関係を示すグラフである。 【図3】実施例において発塵試験に用いた試験装置を示
す概略図である。 【図4】実施例で得られた、硬質皮膜の表面硬さと発塵
量比との関係を示すグラフである。 【符号の説明】 100 試験直動案内軸受 110 モータ 111 磁性流体シール付き回転導入機 112 シャフト 113 金属製帯 114 パーティクルカウンタ
フロントページの続き Fターム(参考) 3J062 AA27 AA28 AB22 AC07 BA12 BA16 BA17 CD02 CD12 CD45 CD47 CD54 3J101 AA01 BA10 BA50 BA70 DA01 DA05 EA14 EA31 EA33 EA42 EA43 EA44 EA80 FA31 FA51 GA55 3J104 AA01 AA61 CA06 CA20 DA12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 外方部材と内方部材との間に転動体が配
    設され、転動体が外方部材及び内方部材の該転動体との
    各接触面に対して転動する転動装置において、外方部材
    及び内方部材の少なくとも一方が、密度が3.0g/cm
    3以下で、(耐力)/(密度)値が70mm以上のアルミ合金
    からなり、かつ転動体との接触面がHv350以上の硬
    質層であることを特徴とする転動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006106817A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-12 Thk Co., Ltd. 電動アクチュエータ
JP2009002475A (ja) * 2007-06-24 2009-01-08 Yushin Precision Equipment Co Ltd 直動案内機構

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