JP2003027452A - 魚道水路の構造 - Google Patents

魚道水路の構造

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JP2003027452A JP2001220520A JP2001220520A JP2003027452A JP 2003027452 A JP2003027452 A JP 2003027452A JP 2001220520 A JP2001220520 A JP 2001220520A JP 2001220520 A JP2001220520 A JP 2001220520A JP 2003027452 A JP2003027452 A JP 2003027452A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急勾配もしくは狭幅もしくは上下流側の水位
変動が大きい条件下でも多様な魚類等が遡上可能で、か
つ異物の流入を抑制できる魚道水路を構築する。 【解決手段】 上下流側水域3、4間を結ぶ魚道水路2
は底部5と側壁6a、6bにより画成される。この魚道
水路2には、上下流側を隔てる隔壁1が両側壁6a、6
b間に間隔D1毎に複数設けられる。隔壁1には潜孔1
0が形成され、隣接する潜孔10の開口面は流れ方向に
完全に重ね合わさることがないように左右互い違いにず
らして配置される。このため、隔壁間隔D1を狭めても
流れが隣接する潜孔10の間をストレートに流下する状
態になりにくく潜孔10の流量と流速を一定以下に抑え
ることができるとともに潜孔10の開口面の流速を多様
にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚道水路の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】魚道水路は、水位差のある水域間を結
び、両水域間を魚類等水中生物が移動出来るように設計
される。このような魚道水路には、水路内流速を抑える
ため、その内部を隔壁で仕切ったものもあり、これらに
は、隔壁上端の全面もしくは一部から流れを越流させる
もの、隔壁の一部に縦溝(スロット)もしくは潜孔(オ
リフィス)を空け、そこから流れを疎通させるものがあ
る。これらの魚道では、各々の越流部、スロット、オリ
フィスを魚が通過できるように隣接する隔壁の段差や魚
道の水深が設定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、越流式
の魚道は、魚道の上流側水域の水深増大により越流速も
しくは越流量が大きく変化し、魚道内の流れの攪乱が著
しくなって、魚類等が遡上し難くなるという問題があ
る。また、越流式の魚道の隔壁には、隔壁間に溜まった
土砂を排除するための潜孔(オリフィス)が設けられる
ことが多いが、越流部から魚が遡上できる範囲で隔壁段
差を大きめに設計するため、越流速よりも流速が速くな
る潜孔(オリフィス)部分から魚が遡上するのは困難と
なる。
【0004】一方、スロット式や潜孔式の魚道では、ス
ロット流速もしくは潜孔流速を魚が遡上可能な所定流速
以下に抑えるため、隔壁段差(隔壁上下流の水位差)を
小さくしなければならず、このため魚道水路の勾配を急
に出来ない、すなわち魚道水路の傾斜度を大きくできな
いという問題がある。このため魚道上下流両水域の落差
に対する魚道延長が長大化して魚道が大規模化し、コス
トが高くなるという問題がある。
【0005】加えて、スロット式の魚道には、スロット
部に浮遊流下物が詰まることによるスロット流速の増大
という問題もある。これを防ぐべくスロット幅を広げる
と、それに応じて魚道幅の拡大もしくは隔壁間隔の拡大
が必要となり、魚道水路が大規模化してコスト高を招く
という問題がある。
【0006】さらに、以上のごとく魚道内に隔壁を配置
した構造では、洪水時のような魚道冠水時もしくは冠水
後に浮遊流下物が魚道内の隔壁間に沈積してしまい、そ
れにより魚道内の流れの悪化や魚道の閉塞を招くという
問題がある。これを防ぐためには魚道水路上部にグレー
チング(鉄格子)などの高価な防護施設を別途設ける必
要があった。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、魚道勾配が急であったり水路幅が狭いといっ
た地形的条件の制約下においても、魚道水路の上下流側
両水域の水位変動に関係なく、魚道水路の流速及び流量
の増大を抑制し、多様な魚類を遡上させやすくすること
ができるとともに、魚道水路への異物の流入を阻止しや
すい魚道水路の構造を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる魚道水路
の構造は、上下流側水域間を結ぶ水路内に複数の隔壁を
設け、これら隔壁に空けられた潜孔(オリフィス)によ
り流路を構成するとともに、これら潜孔のうち、隣接す
る潜孔の開口面が流れ方向に一部分だけ重なり合う、も
しくは全く重なり合わないように互いにずらして配置し
たものである。
【0009】隣接する潜孔の開口面が互いにずらして配
置されているので、隔壁間隔、すなわち潜孔間の間隔が
狭くとも、潜孔からの流れがその直下流側の潜孔へその
まま通り抜けず、潜孔からの流速や流量を一定以下に抑
えることができる。また、潜孔からの流れの一部がその
直下流の潜孔に衝突し滞留することから潜孔下流の隔壁
間(プール)の水深および水位を一定以上に維持でき
る。以上により小型の魚類等が遡上可能な低流速と大型
の魚類等が遡上可能な大きさの水深を確保できる。
【0010】潜孔からの流速や流量を抑えつつ魚道水路
内の隔壁間隔を狭められることから、魚道水路全長が既
定な場合には、小型の魚類等の遡上を図りつつ魚道水路
内の隔壁数を増すことができる。各隔壁の上下流には隔
壁に画成されている潜孔からの流速に応じた一定の水位
差が生じるので、隔壁数の増大により全隔壁により生じ
る水位差、すなわち魚道水路両端の水位差(落差)を大
きくすることができる。したがって、小型の魚類等の遡
上を図りつつ魚道水路両端の水位差(落差)を大きくす
ることが可能となる。同様に、魚道水路上下流水域各々
の水位変動が大きく、それに伴い魚道水路両端の水位差
(落差)が大きくなる場合にも小型の魚類等の遡上を図
ることが可能となる。小型の魚類等の遡上が可能な程度
に潜孔流速を抑えられるので、潜孔開口面を十分大きく
とれば大型の魚類等の遡上も可能となる。
【0011】一方、魚道水路両端の水位差(落差)が既
定な場合には、潜孔からの流速や流量を抑えつつ魚道水
路内の各隔壁の間隔を狭められることから、小型の魚類
等の遡上を図りつつ魚道水路の全長を短縮することが可
能となる。すなわち、小型の魚類等の遡上を図りつつ魚
道水路を急勾配化できる。小型の魚類等の遡上が可能な
程度に潜孔流速を抑えられるので、潜孔開口面を十分大
きくとれば大型の魚類等の遡上も可能となる。
【0012】また、魚道水路全長と魚道水路両端の水位
差(落差)が既定な場合には、魚道水路内の隔壁間隔を
狭められることから隔壁総数を増やし各隔壁上下流の水
位差を小さく抑えることができる。隔壁上下流の水位差
(潜孔上下流の水位差)を小さくできるので、潜孔流速
をさらに低減でき、遊泳力が極めて弱い魚類等の遡上も
図ることができる。潜孔流速を低く抑えられるので、潜
孔開口面を十分大きくとれば大型の魚類等の遡上も可能
となる。
【0013】請求項1に係る魚道水路の構造は、水路内
に潜孔が空けられた複数の隔壁を設けるとともに、これ
ら潜孔のうち、隣接する潜孔の開口面が流れ方向に一部
重なり合うように配置することにより潜孔からの流速の
抑制と魚類等水中生物の通路確保を同時に図るようにし
たものである。
【0014】請求項1に係る魚道水路の構造では、隣接
する潜孔開口面の一部分のみをずらし、一部は重ね合わ
せた形状なので、その分、魚道水路の幅を狭めることが
できる。また、潜孔の重なり合う部分、潜孔の重なり合
わない部分、潜孔の重なり合わない部分の潜孔周縁部付
近において流速に多様性が生じるので、魚道水路両端の
水位差(落差)が比較的大きい場合にも遊泳力が強い大
型の魚類等から遊泳力が弱い小型の魚類等まで多様な魚
類等を遡上させやすくなる。
【0015】例えば、隣接する潜孔のずらし度によって
は、遊泳力が強い大型の魚類等は、流速が速いものの魚
道水路下流端から上流端まで直線状に遡上可能な「隣接
する潜孔開口面の重なり合う部分」を通って遡上可能で
ある。隔壁間隔が狭く大型の魚類等がこの隔壁の間で休
息不可能な場合でも、潜孔流速が十分低く抑えられてい
れば、この直線状の経路を通って一気に遡上できる。一
方、潜孔開口面のうち、「隣接する潜孔開口面と重なり
合わない部分」では、流速が低下するので、中小型の魚
類等はそこを通って隔壁間の水域で方向転換しつつ遡上
できる。
【0016】請求項2に係る魚道水路の構造は、水路内
に潜孔が空けられた複数の隔壁を設けるとともに、これ
ら潜孔のうち、隣接する潜孔の開口面が流れ方向に互い
に重なり合わないように配置しつつ、隔壁間隔を広げる
ことにより潜孔からの流速の抑制と魚類等水中生物の通
路確保を同時に図るようにしたものである。
【0017】請求項2に係る魚道水路の構造では、隣接
する潜孔の開口面に重なり合う部分がないように潜孔を
配置しているので、隔壁間隔が狭い場合、請求項1の形
状以上に潜孔流速を抑えやすい。反面、隣接する潜孔開
口面に重なり合う部分がないので、隔壁間隔が過度に狭
いと大型の魚類等の通過に支障をきたしやすい。請求項
2の形状では、この障害を減じるため、大型の魚類等が
隔壁間の水域で方向転換できる程度以上に隔壁間隔を広
げている。
【0018】請求項3に係る魚道水路の構造は、隣接す
る潜孔開口面が左右に交互に配置されるようにしたもの
である。
【0019】請求項3に係る魚道水路の構造では、隣接
する潜孔開口面を左右に交互に配置することにより、魚
道水路の幅を狭くすることができる。
【0020】請求項4に係る魚道水路の構造は、潜孔
は、隔壁の下端に矩形状に形成されるようにしたもので
ある。
【0021】請求項4に係る魚道水路の構造では、潜孔
を、隔壁の下端に矩形状に形成したことにより、例え
ば、円形や楕円形のような曲線状に形成される潜孔に比
べて矩形状の潜孔開口面の隅部や底部の流速を中心部に
比べ低下させることができるので、より小型の魚類等を
遡上させることができる。
【0022】請求項5に係る魚道水路の構造は、隔壁間
隔を狭めることにより水路内への異物の流入を抑制する
ようにしたものである。
【0023】請求項5に係る魚道水路の構造では、例え
ば、魚道水路冠水時もしくは冠水後の魚道水路内への浮
遊流下物の流入を抑制することができる。隔壁間隔が狭
いので隔壁上を異物が流下しやすいうえ、たとえ異物が
漂着しても複数の隔壁で支えるので、異物によるダメー
ジを受けにくくできる。なお、隔壁間隔の縮小に伴い単
位区間当たりの隔壁数は増大するが、複数の隔壁で載荷
異物を支えること、および小型の魚類等が遡上可能な程
度に潜孔からの流速を低減させた場合には各隔壁上下流
の水位差もそれに応じて小さくなることから、隔壁の強
度を下げることができ、隔壁の薄肉化もしくは低コスト
な隔壁材質の採用が図れる。さらに隔壁の薄肉化により
魚道水路内に隔壁をはめ込んで施工できるようになるな
ど、施工や維持管理も容易になる。したがって、隔壁数
増大に割にコスト増大を生じない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形
態に係る魚道水路を示す一部省略平面図、図2は図1の
II−II線に沿った縦断面図、図3の(A)は図1の
III−III線に沿った隔壁1を上流側から見た断面
図、図3の(B)はこの隔壁1に隣接する隔壁を上流か
ら見た断面図である。
【0025】本発明の一実施の形態に係る魚道水路2
は、図1及び図2に示すように、水位の高い水域3とこ
の水域3より水位が低い水域4とを結んで設けられる。
魚道水路2は、高位の水域3の水を低位の水域4に流す
ようになっている。以下、高位の水域3を上流側水域、
低位の水域4を下流側水域と呼ぶ。なお、現地条件によ
っては、各々の水域の水位変動により高水位の水域と低
水位の水域が入れ替わることもありうるが、ここでは、
ある一時点の水位の状態に基づき説明するものとする。
【0026】本実施の形態に係る魚道水路2は、図1か
ら図3に示すように、上流側水域3の底面3aと下流側
水域4の底面4aとを接続する底部5とこの底部5の両
側に形成される側壁6a、6bとを備えている。これら
側壁6a、6bと底部5とにより、上流側水域3と下流
側水域4との間を結ぶ水の通路7が形成されるようにな
っている。
【0027】底部5と各側壁6a、6bとにより画成さ
れる空間8内には、図1から図3に示すように、上流側
水域3側から下流側水域4側にかけて上流側と下流側と
を隔てる隔壁1(1a〜1n)が複数設けられる。上下
流側で隣接する隔壁1間には、プール9(9a〜9(n
−1))が形成される。隔壁1には潜孔(オリフィス)
10が形成され、この潜孔10は、上流から下流への流
れを許容し、潜孔10から通過させるべき魚類等が通過
可能な開口面を有するとともに、隣接する他の潜孔10
と流れ方向の開口面が一致しないように互いにずらして
配置される。また、上下流側水域3、4各々の最低水位
(魚道水路2から魚類等を遡上させる期間における最低
水位)に対して潜孔10が水没する高さ以下に各潜孔1
0の上端標高は低く設定される。各潜孔10の開口高さ
H10は、潜孔10から通過させるべき魚類等の各々に
ついてそれが通り抜ける部分においてはそれが通り抜け
られる開口高さ以上とし、これに応じて決まる各潜孔1
0の下端標高以下に底部5及び底面3a、4aの標高は
設定される。すなわち、底面3aについては隔壁1aの
潜孔10の下端標高と同じかそれより低い標高に、底面
4aについては隔壁1nの潜孔10の下端標高と同じか
それより低い標高にそれぞれ設定される。
【0028】この魚道水路2の各隔壁1における上下流
の水位差は、潜孔10における流速分布が潜孔10から
通過させるべき魚類等が全て通過可能な程度に低くなる
ように決められる。魚道水路2で遡上させるべき魚類等
の遊泳力が弱い場合は、潜孔10での流速が小さくなる
ように各隔壁1における上下流水位差を小さくする。こ
のようにして決められた各隔壁1における上下流水位差
以下の水位差が、各隔壁1において保たれるように、上
下流側水域3、4の最大水位差Z2(魚道水路2から魚
類等を遡上させる期間における最大水位差)に応じて隔
壁1の総数が決められる。この総数以上に隔壁1を設け
れば、上下流側水域3、4間の水位差が最大水位差Z2
以下である限り、上下流側水域3、4の水位変動に依ら
ず潜孔10からの流速を潜孔10から通過させるべき魚
類等が通過可能な程度以下に保つことが可能となる。こ
れにより各プール9内の流速も潜孔10から通過させる
べき魚類等が通過可能な程度以下にできる。
【0029】しかしながら、隔壁間隔D1を狭めた場合
には、上流の潜孔10からの流れが下流の潜孔10へと
ストレートに通り抜けてしまい、それに伴いそれら潜孔
10の間のプール9の水位が低下する。プール9の水位
低下は、上流側の潜孔10が画成されている隔壁1の上
下流の水位差の増大をきたし、それにより上流側の潜孔
10における流速と流量の増大を生じることになる。こ
れにより潜孔10における流速が過大となり、もしくは
プール9における水深が過小となり潜孔10から遡上さ
せるべき魚類等の遡上が困難になる。
【0030】本発明では、このような問題を解決するた
め、隔壁間隔D1の短縮に応じて、隣接する潜孔10の
開口面が流れ方向に完全に重ね合わさることがないよう
に互いにずらして配置している。すなわち、隣接する潜
孔10の開口面のうち、流れ方向に重ね合わさる部分が
一部しかないように、もしくは全くないように各潜孔1
0を配置している。このずらし度により定まる上下流側
潜孔10の「重ね合わさる開口面10a」が、潜孔10
から遡上させるべき魚類等のうち大型のものが通過可能
な程度未満の断面積となり、かつ隔壁間隔D1もこれら
大型の魚類等が隔壁1間の水域で方向転換して隣接する
潜孔10を通過できる程度未満の間隔になる場合には、
例えば、これら大型の魚類等が隣接する潜孔10間を通
過可能な程度以上に「重ね合わさる開口面10a」の断
面積を大きくすべく一定以上の大きさのずらし度を維持
したまま潜孔10の断面積を広げる、もしくは隔壁間隔
D1を広げる等の形状調節を行う。以上の形状調節によ
り隔壁間隔D1の短縮に対して潜孔10からの流速や流
量を一定以下に抑えつつ、小型から大型までの多様な魚
類等が遡上可能な流れを確保できる。なお、上記のよう
に潜孔10から遡上させるべき魚類等が潜孔10から通
過できる流れの状態が潜孔10において確保される限り
において、潜孔10のずらし度・配置・寸法・形状、隔
壁1の寸法・形状、隔壁間隔D1は全ての潜孔10、隔
壁1、隔壁1間で同一である必要はない。同様に、潜孔
10のずらし度・配置・寸法・形状や隔壁1の寸法・形
状、隔壁間隔D1は図1から図3に示すものと同一であ
る必要はない。また、同様に、隔壁1上に潜孔10以外
の放流部や他の潜孔10があってもかまわず、底面3
a、底面4a、底部5の標高が潜孔10の下端標高より
低くてもかまわない。
【0031】本魚道水路2において各隔壁1は、潜孔1
0から遡上させるべき魚類等が潜孔10から通過できる
流れの状態が潜孔10において確保される限りにおい
て、図1および図2のように上流側水域3と下流側水域
4を結んだ直線に直交した向きに配置される必要はな
く、また、それらの向きは同一である必要はない。同様
に隔壁1は必ずしも垂直に設置される必要はなく、ま
た、それらの傾きは同一である必要はない。
【0032】本魚道水路2において側壁6a、6bは、
潜孔10から遡上させるべき魚類等が潜孔10から通過
できる流れの状態が潜孔10において確保される限りに
おいて、図1のように直線状に形成する必要はなく、湾
曲もしくは屈曲した平面形やジグザグの平面形であって
も構わない。同様に、側壁6a、6bの傾斜は底部5も
しくは底面3a、4aに対し必ずしも直立させる必要は
なく、魚道水路2内部で同一の傾斜にする必要もない。
【0033】本魚道水路2において魚道水路2の底部
5、上流側水域3の底面3a、下流側水域4の底面4a
の各々の傾斜、標高、縦断形状、および相互の標高の上
下関係は、潜孔10から遡上させるべき魚類等が潜孔1
0から通過できる流れの状態が潜孔10において確保さ
れる限りにおいて、図2のようである必要はない。
【0034】上記のように本魚道水路2においては、隔
壁間隔D1を狭くできることにより、上下流側水域3、
4の最大水位差Z2に対して魚道水路2の全長L2を短
縮することができ、魚道水路2の傾斜を急勾配にでき
る。一方、魚道水路2の全長L2をある程度確保できる
地形条件のところでは、隔壁間隔D1を狭くできること
により魚道水路2内部の隔壁数を増やすことができる。
隔壁1の上下流には最大で「潜孔10から通過させるべ
き魚類等が通過可能な程度の水位差」を生じさせること
ができるので、隔壁数が増えれば、その分、上下流側水
域3、4間の最大水位差(落差)Z2を大きくできる。
これにより上下流側水域3、4の水位変動が大きく、そ
れに伴い上下流側水域3、4間の最大水位差Z2が大き
くなる場合にも多様な魚類等の遡上が図れる。さらに、
隔壁間隔D1を狭くできることにより、異物が各隔壁1
の隙間から魚道水路2内部に入ることを抑制できる。
【0035】次に、上記実施の形態に係る魚道水路2の
作用について図1から図3の魚道水路2の事例図に基づ
き説明する。
【0036】図1から図3において上流側水域3の水位
が上昇し上流側水域3と第一のプール9aの間の水位差
が高まると、それに伴う圧力差の増大により最も上流側
の隔壁1aに形成された潜孔10からの流出水は増大す
る。この流水は、その一部が隣接する下流側の隔壁1b
の潜孔10の上流側潜孔開口面と重なる開口面10aか
らストレートに下流のプール9bに流出するものの、隣
接する潜孔10の開口面を流れ方向に一部分以下しか重
ね合わさらないように互いにずらして配置しているた
め、他の一部は下流側の隔壁1bに当たって時間のずれ
を伴って下流のプール9bに流出する。この場合、隔壁
間隔D1が狭ければ上流側の潜孔10からの流入水脈が
プール9a内部で拡散せず、流入水の多くが下流側の潜
孔10にストレートに抜けやすくなる。上流側の潜孔1
0からの流入水の多くが下流側の潜孔10からストレー
トに抜ける場合には、プール9aの水位が大きく低下し
て潜孔10を通過する流れの流速が下流に向けて加速し
やすくなる。しかし、隔壁間隔D1に応じて、隣接する
潜孔10の開口面のずらし度を高めた場合には、上流側
の潜孔10からの流入水のうち、隔壁1bに当たり、時
間ずれを伴って下流のプール9bへと流出していくもの
の割合が大きくなる。
【0037】上記のような場合、上下流側の潜孔10に
おける放流の時間ずれのため、第一のプール9aでは上
流側の潜孔10からの流入水量よりも下流側の潜孔10
からの流出水量が著しく小さくなってプール9aの水位
は上昇していく。この水位の上昇によりプール9aの水
位と上流側水域3の水位差は小さく保たれ、プール9a
の上流側の潜孔10での流速やそこからの流入水量も一
定以下に抑制される。一方、プール9aの水位上昇によ
りプール9aと下流側のプール9bとの水位差は増し、
それに伴う圧力差の増大によりプール9aの下流側の潜
孔10からの流出水量は増えていく。最終的にはプール
9aの上流側の潜孔10からの流入水量と下流側の潜孔
10から流出水量は均衡し、プール9aの水位は安定す
るようになる。同様の現象が順次、下流側のプール9に
伝播していくことにより、各プール9a〜9(n−1)
の水位は上流側水域3の水位上昇に応じた分だけ上昇し
て安定することになり、隣接する各プール9間(各隔壁
1間)の水位差も一定以下に安定する。すなわち、隔壁
間隔D1を狭めても潜孔ずらし度を一定以上に保つこと
により各プール9での水位低下を抑制でき、各プール9
間の水位差の増大とそれに伴う各潜孔10での流速と流
量の増大を一定以下に抑えることができる。これに伴い
プール9内の流速の増大も一定以下に抑えることができ
る。
【0038】このような状況は上流側水域3の水位が低
下した場合も同様であり、この場合には、各プール9の
上流側の潜孔10からの流入水量が下流側の潜孔10か
らの流出水量よりも小さくなり、各プール9内の水位は
漸次低下することになる。各プール9の水位は、その上
下流の潜孔10からの流量がほぼ均衡するところで安定
する。一方、下流側水域4の水位変動に対しては、下流
側のプール9から水位が漸次変動し安定していくことに
なるが、それ以外の基本的な作用は、上流側水域3の水
位変動に対する場合と同様である。なお、水中での圧力
の伝播は速く、それに伴い各プール9の水位も上下流側
水域の水位変動に速やかに追従するので、変動の途中で
各プール9間の水位差が変動前の水位差と変動後の安定
した水位差の間の水位差の値を超えて大きくなること、
それに伴い潜孔10からの流速が変動前の流速から変動
後の安定した流速を超えて大きくなることはない。
【0039】以上のように魚道水路2内の各潜孔10で
の流速と流量は、隣接する潜孔10の開口面を一定以上
ずらすことにより、上下流側水域3、4の水位変動に依
らず一定以下の値に安定させることができる。各潜孔1
0の安定後の流速や流量の値は、水位変動後の上下流側
水域3、4の水位差(落差)が大きいほど大きくなる。
したがって、この魚道水路2から魚類等を遡上させる期
間における上下流側水域3、4の水位変動により生じる
上下流側水域3、4の最大水位差(最大落差)に対し
て、潜孔10から遡上させるべき魚類等が全て通過でき
るように各潜孔10の流速を一定以下に抑えるべく、隣
接する潜孔10のずらし度を適切にとれば、潜孔10か
らの魚類等の通過には支障を生じないこととなる。
【0040】すなわち、隣接する潜孔10のずらし度が
適切であれば、「隣接する潜孔10の開口面の流下方向
に重なる部分10a(流速が比較的速い部分)」と「隣
接する潜孔10の開口面の流下方向に重ならない部分1
0b(流速が比較的遅い部分)」及び「隣接する潜孔1
0開口面の流下方向に重ならない部分10bのうち潜孔
10の周縁部で流速が特に遅くなる部分」で多様な流速
が生じ、大型の遊泳力が強い魚類等から小型の遊泳力が
比較的弱い魚類等まで多様な魚類等の遡上が可能にな
る。
【0041】
【実施例】本発明の実施例を図4から図7に示す。
【0042】図4では魚道水路2の底部5の勾配が1/
2.5と従前の魚道の最大相当となっている。また、隔
壁1(魚道水路2)の幅W1は1mであり従前の魚道の
最小相当である。さらに各隔壁間隔(水平距離)D1は
0.25mと狭く、流木など浮遊流下物が沈積しにくい
ものとなっている。
【0043】一方、通路7の幅は1m、高さは1.6m
以上であり、隔壁1が通路7内に14枚設けられてい
る。各隔壁1は、高さ1.6mで開口高さH10=0.
25m、開口幅W10=0.475mの潜孔10が空け
られている。隣接する潜孔10の流下方向に重なる開口
面10aは幅0.15m、高さ0.25mである。開口
面10aの中心は魚道水路2の中心線上にあり、隣接す
る潜孔10は左右互い違いに交互に配置されている。
【0044】本実施例における魚道水路2の流れの状況
を図8から図12に示す。
【0045】図8は、図4から図7の魚道水路2の水深
を変動させた場合の各隔壁1(もしくは各潜孔10)の
上下流の水位差の変動を示す。図8より水深が一定以上
確保されていれば急勾配で隔壁間隔D1が狭い形状にも
関わらず、各隔壁1(もしくは各潜孔10)の上下流水
位差は略安定化することがわかる。すなわち、隣接する
潜孔10の間を流れがストレートに抜け、それら潜孔1
0の間のプール9の水位(もしくは水深)が大きく低下
して、隔壁1(もしくは潜孔10)の上下流水位差が著
しく増大するという状況は見られない。
【0046】次に、図9により図4から図7の魚道水路
2の水深を変動させた場合の潜孔10の流量の変化を示
す。図9より水深が一定以上確保されていれば急勾配で
隔壁間隔が狭い形状にも関わらず、潜孔10の流量は一
定以下に略安定化できることが分かる。この潜孔流量は
従前の魚道流量の最小に相当するものである。一方、潜
孔10の断面積は固定なことから潜孔10からの流速
(断面平均流速)も一定以下に抑えられることがわか
る。
【0047】次に、図10により図4から図7の魚道水
路2の水深を変動させた場合の各プール9の水深の変化
を示す。図10より水深がある程度以上確保されていれ
ば急勾配で隔壁間隔D1が狭い形状にも関わらず、各プ
ール9の水深は一定以上で概ね安定することがわかる。
各プール9の水深(もしくは水位)は上下流水域3、4
の水深(もしくは水位)の変動に追従して増減し一定以
上に保たれる。
【0048】次に、図11により図4から図7の魚道水
路2における各潜孔(オリフィス)10の中心流速(図
6のC1の流速)と隣接する各潜孔(オリフィス)10
の重合開口面10aの中心流速(図6のC2の流速)を
示す。本実施例は、隔壁間隔D1が狭く急勾配な形状で
あるにも関わらず、図11からは各潜孔(オリフィス)
10の中心流速と隣接する各潜孔(オリフィス)10の
重合開口面10aの中心流速が双方とも一定以下で安定
することがわかる。これらについては特段、下流に向け
て加速する状況は見られない。
【0049】次に、図12により図4から図7の魚道水
路2における潜孔(オリフィス)10の周縁付近の流速
分布を示す。図11、図12のデータから各魚種が遡上
可能な経路は図13のようになる。すなわち、体長0.
5m以上の大型魚は流速2m/s以下で休息せずに遡上
可能だが図11より潜孔(オリフィス)10の重合開口
面10aの中心(C2)の流速は2m/s以下なので、
潜孔(オリフィス)10の重合開口面10aを通って途
中で休まずに図13の経路Aから遡上可能である。ま
た、体長0.25〜0.5mの中型魚には流速2m/s
では遡上困難なものがいるが、流速1m/sでは途中で
休息しつつ遡上可能であり、これに対し図11から潜孔
(オリフィス)10の中心(C1)の流速は概ね1m/
s以下なので、潜孔(オリフィス)10の中心点(C
1)より周縁の図13の領域SIで休息しつつ経路Bか
ら遡上可能である。一方、体長0.25m以下の小型魚
は長さ0.25mのプール9の内部で方向転回可能な反
面、遡上可能流速は体長の10倍程度なので、小さいも
のは潜孔(オリフィス)10の周縁付近の低流速域を通
過せざるを得ない。しかし、潜孔(オリフィス)10の
周縁付近には図12のように低流速域が確保されている
のでプール9の内部で休息しつつ潜孔(オリフィス)1
0の周縁付近を通って経路Cから遡上可能である。
【0050】なお、本実施例よりも隣接する各潜孔(オ
リフィス)10の重合開口面10aの幅を狭めた場合、
もしくは無くした場合には、図13の経路Aの幅が狭ま
るのでそこを通過できない大型魚は遡上が困難になる。
この場合にはこれらの魚が領域SIもしくはプール9の
内部で転回出来る程度以上に隔壁間隔D1を広げる必要
がある。
【0051】以上の図8から図13より、本実施例のよ
うに隔壁間隔D1が狭く、急勾配かつ小規模(狭幅)、
小流量な魚道水路2でも、上下流側水域3、4の水深が
一定以上であれば多様な魚種が遡上可能な流れの状態を
つくりだすことができることがわかる。
【0052】すなわち、本実施例の魚道水路2から、急
勾配かつ狭幅かつ上下流側水域3、4の水位(もしくは
水深)変動が大きい悪条件化でも、既存の魚道の最小規
模に相当する0.1m/s程度の小流量で、多様な魚
種の遡上が可能な流れを確保できることがわかる。急勾
配(短延長)で狭幅に構築できること、簡易な構造であ
ることから施工費も低減できる。
【0053】一方、本実施例の魚道水路2では、隔壁1
を0.25m間隔と近接させて配置しているので、隔壁
1自体を魚道冠水時もしくは冠水後の流木など浮遊流下
物流入を抑制する防護装置として機能させられる。この
際、隔壁間隔D1が狭く上部に載った浮遊流下物を多数
の隔壁1で支えられること、隔壁1の総数の多さから各
隔壁1の上下流の水位差を約0.1mと小さく抑えられ
ること(図8参照)から、各隔壁1の強度を下げられ、
隔壁1の厚さの低減もしくは隔壁1への低強度の部材の
選定も可能となる。また、隔壁1の薄肉化により隔壁1
を側壁6a、6bにはめ込み施工することも可能となる
など(図7参照)、施工性の向上も図れる。これらによ
り隔壁1の総数が増す割に全隔壁のコストを抑制でき
る。隔壁1により浮遊流下物の魚道水路2内部への沈積
やそれによる閉塞を抑えられるので、魚道の維持管理の
省力化と適正な魚道内流れの持続的安定化も図れる。さ
らに各潜孔10が魚道水路2の底部付近に配置されてい
るので、魚類等の通過経路が底部5から底面3a、4a
近傍となり、水鳥などによる魚類等の捕食も抑えられる
とともに魚道内に流入した土砂の排除も成されやすくな
る。また、本実施例の魚道水路2の構造は、通常の水路
として用いた場合には、急勾配かつ狭幅かつ水路上下流
側の水位(もしくは水深)変動が大きい条件下で、水路
放流量及び水路流速を一定以下に抑える放流施設として
も機能する。
【0054】
【発明の効果】本発明の第1の発明に係る魚道水路の構
造では、水路内に潜孔が空けられた複数の隔壁を設ける
とともに、これら潜孔のうち、隣接する潜孔の開口面が
流れ方向に一部重なり合うように配置することにより潜
孔からの流速の抑制と魚類等水中生物の通路確保を同時
に図るようにしているので、魚道水路が急勾配もしくは
高落差もしくは魚道水路の敷地が狭わい、もしくは魚道
水路上下流側水域の水位変動が大きい条件下でも、潜孔
からの流速と流量を一定以下に抑制し、多様な魚類等を
遡上させやすくすることができる。
【0055】また、本発明の第2の発明に係る魚道水路
の構造では、水路内に潜孔が空けられた複数の隔壁を設
けるとともに、これら潜孔のうち、隣接する潜孔の開口
面が流れ方向に互いに重なり合わないように配置しつ
つ、隔壁間隔を広げることにより潜孔からの流速の抑制
と魚類等水中生物の通路確保を同時に図るようにしてい
るので、魚道水路が急勾配もしくは高落差もしくは魚道
水路の敷地が狭わい、もしくは魚道水路上下流側水域の
水位変動が大きい条件下でも、潜孔からの流速と流量を
一定以下に抑制し、多様な魚類等を遡上させやすくする
ことができる。特に、潜孔からの流速の抑制をはかりや
すくなる。
【0056】さらに、本発明の第3の発明に係る魚道水
路の構造では、隔壁間隔を狭めることにより水路内への
異物の流入を抑制するようにしたので、異物等の魚道水
路内への流入やそれらによる閉塞も抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る魚道水路の構造の
一部省略平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った縦断面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、図1のIII−I
II線に沿った隔壁及びそれに隣接する隔壁を上流側か
ら見た断面図である。
【図4】本発明の一実施例の縦断図である。
【図5】図4の区間Bを上から見た平面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ図5のVI−VI線
の隔壁及びそれに隣接する隔壁を上流側から見た正面図
である。
【図7】図4の斜視図である。
【図8】魚道の水深変動に対する魚道水路内の各隔壁の
上下流水位差の変動状況を示した図である。
【図9】魚道の水深変動に対する潜孔流量の変動状況を
示した図である。
【図10】魚道の水深変動に対する各プール(各隔壁
間)の水深変動を示した図である。
【図11】魚道水路内の各潜孔(オリフィス)の中心流
速と隣接する各潜孔(オリフィス)の重合断面の中心流
速を示した図である。
【図12】潜孔周縁付近の流速分布の一例を示した図で
ある。
【図13】各魚種が遡上可能な経路を示した図である。
【符号の説明】
1(1a〜1n) 隔壁 2 魚道水路 3 上流側水域 3a (上流側水域の)底面 4 下流側水域 4a (下流側水域の)底面 5 底部 6a、6b 側壁 7 通路 8 (底部と側壁により画成される)空間 9(9a〜9(n−1)) プール 10 潜孔(オリフィス) 10a 上下流側潜孔開口面の重ね合わさる部分 10b 上下流側潜孔開口面の重ね合わさらない部分 11 側壁の上端部 12 隔壁をはめ込む溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 達雄 茨城県つくば市観音台二丁目1番地6 独 立行政法人農業工学研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水路内に潜孔が空けられた複数の隔壁を
    設けるとともに、これら潜孔のうち、隣接する潜孔の開
    口面が流れ方向に一部重なり合うように配置することに
    より潜孔からの流速の抑制と魚類等水中生物の通路確保
    を同時に図ることを特徴とする魚道水路の構造。
  2. 【請求項2】 水路内に潜孔が空けられた複数の隔壁を
    設けるとともに、これら潜孔のうち、隣接する潜孔の開
    口面が流れ方向に互いに重なり合わないように配置しつ
    つ、隔壁間隔を広げることにより潜孔からの流速の抑制
    と魚類等水中生物の通路確保を同時に図ることを特徴と
    する魚道水路の構造。
  3. 【請求項3】 隣接する潜孔が左右交互に配置されるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の魚道水路の構
    造。
  4. 【請求項4】 潜孔は、隔壁上に矩形状に形成されるこ
    とを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1に記載
    の魚道水路の構造。
  5. 【請求項5】 隔壁間隔を狭めることにより水路内への
    異物の流入を抑制することを特徴とする魚道水路の構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008525677A (ja) * 2004-12-27 2008-07-17 ナム カン 魚道ブロック
CN113128039A (zh) * 2021-04-09 2021-07-16 中国电建集团西北勘测设计研究院有限公司 竖缝式鱼道台阶型水面线计算方法、装置及存储介质
CN115720878A (zh) * 2022-11-17 2023-03-03 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 一种大型网箱养殖鱼类分批分级起捕装置以及使用方法

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JP2008525677A (ja) * 2004-12-27 2008-07-17 ナム カン 魚道ブロック
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CN115720878A (zh) * 2022-11-17 2023-03-03 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 一种大型网箱养殖鱼类分批分级起捕装置以及使用方法
CN115720878B (zh) * 2022-11-17 2023-09-08 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 一种大型网箱养殖鱼类分批分级起捕装置以及使用方法

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