JP2003027409A - バインダー、それを用いる舗装方法、及びそれを用いて製造される舗装材 - Google Patents
バインダー、それを用いる舗装方法、及びそれを用いて製造される舗装材Info
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- JP2003027409A JP2003027409A JP2001216600A JP2001216600A JP2003027409A JP 2003027409 A JP2003027409 A JP 2003027409A JP 2001216600 A JP2001216600 A JP 2001216600A JP 2001216600 A JP2001216600 A JP 2001216600A JP 2003027409 A JP2003027409 A JP 2003027409A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 舗装の耐水性、耐候性、透水性等の特性が不
十分であること、希釈材を使用する必要があること、屋
外で長期間使用すると舗装が木目模様の景観を長期にわ
たって維持し得ないこと、歩行感が温度変化の影響を受
け易いことから選択される少なくとも一種の問題を実質
的に解消し又は緩和し得る、舗装用木質繊維材料と共に
使用するバインダーを提供する。 【解決手段】 舗装用木質繊維材料と共に用いられるバ
インダーであって、(A)エチレン性二重結合を有する
単量体を乳化重合して得られる水系ラジカル重合型樹
脂、及び(B)水系ウレタン樹脂の組み合わせから成
り、(A)樹脂と(B)樹脂の少なくとも一方が架橋構
造を有するバインダーである。(A)樹脂と(B)樹脂
の両方が、架橋構造を有するバインダーが好ましい。
十分であること、希釈材を使用する必要があること、屋
外で長期間使用すると舗装が木目模様の景観を長期にわ
たって維持し得ないこと、歩行感が温度変化の影響を受
け易いことから選択される少なくとも一種の問題を実質
的に解消し又は緩和し得る、舗装用木質繊維材料と共に
使用するバインダーを提供する。 【解決手段】 舗装用木質繊維材料と共に用いられるバ
インダーであって、(A)エチレン性二重結合を有する
単量体を乳化重合して得られる水系ラジカル重合型樹
脂、及び(B)水系ウレタン樹脂の組み合わせから成
り、(A)樹脂と(B)樹脂の少なくとも一方が架橋構
造を有するバインダーである。(A)樹脂と(B)樹脂
の両方が、架橋構造を有するバインダーが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(1)陸上競技場
のトラック、サッカーコート及びテニスコート等のスポ
ーツ施設、(2)公園及び史跡の遊歩道、並びに(3)
駐車場等の施設内の歩道等を舗装する際に用いられる、
舗装用木質繊維材料と共に使用されるバインダー、この
バインダーを用いる舗装方法、並びにこのバインダーを
用いて製造される舗装材に関する。
のトラック、サッカーコート及びテニスコート等のスポ
ーツ施設、(2)公園及び史跡の遊歩道、並びに(3)
駐車場等の施設内の歩道等を舗装する際に用いられる、
舗装用木質繊維材料と共に使用されるバインダー、この
バインダーを用いる舗装方法、並びにこのバインダーを
用いて製造される舗装材に関する。
【0002】
【従来の技術】ウッドチップ及びウッドファイバ等の木
質繊維材料は、弾力性と透水性に優れているので、陸上
競技場のトラック等のスポーツ施設、及び公園の遊歩道
等の舗装を行うために広く利用されている。この舗装用
木質繊維材料は、バインダーと共に使用され、スポーツ
施設や公園の路面に均一に敷きつめられて、舗装が形成
される。
質繊維材料は、弾力性と透水性に優れているので、陸上
競技場のトラック等のスポーツ施設、及び公園の遊歩道
等の舗装を行うために広く利用されている。この舗装用
木質繊維材料は、バインダーと共に使用され、スポーツ
施設や公園の路面に均一に敷きつめられて、舗装が形成
される。
【0003】舗装用木質繊維材料を用いて舗装する方法
として、例えば、木質繊維材料とバインダーとを予め混
合して得られる混合物を路面に敷きつめて舗装する方法
(以下「混合式舗装方法」ともいう)、並びに舗装用木
質繊維材料を先に路面に敷きつめ、その木質繊維材料上
にバインダーを散布することによって舗装する方法(以
下「散布式舗装方法」ともいう)を例示できる。これら
の方法によって、通常、陸上競技のトラックや公園の遊
歩道等の舗装が形成される。木質繊維材料を用いて得ら
れる舗装には、舗装の外観が木目模様を有するという特
徴が有る。
として、例えば、木質繊維材料とバインダーとを予め混
合して得られる混合物を路面に敷きつめて舗装する方法
(以下「混合式舗装方法」ともいう)、並びに舗装用木
質繊維材料を先に路面に敷きつめ、その木質繊維材料上
にバインダーを散布することによって舗装する方法(以
下「散布式舗装方法」ともいう)を例示できる。これら
の方法によって、通常、陸上競技のトラックや公園の遊
歩道等の舗装が形成される。木質繊維材料を用いて得ら
れる舗装には、舗装の外観が木目模様を有するという特
徴が有る。
【0004】混合式舗装方法を用いる場合、バインダー
として、末端に活性イソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーがしばしば用いられる。ウレタンプレポリ
マーを用いると、得られる舗装の耐水性、耐候性が低く
なり得るという問題が有る。舗装は長期間屋外に曝され
るので、耐水性、耐候性が低いと、変色し、劣化し得る
ので好ましくない。従って、得られる舗装の外観上の特
長である木目模様が、長期にわたり維持され得ないとい
う問題が有る。更に、使用されるウレタンプレポリマー
と木質繊維材料の混合は困難を伴ない、両者を混合する
際、両者の混合を促進するために希釈剤を添加して、ウ
レタンプレポリマーの粘度を低下させる必要があり得る
という問題が有る。希釈剤は、通常、有機溶剤であり、
その使用は健康面および環境面から好ましくない。
として、末端に活性イソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーがしばしば用いられる。ウレタンプレポリ
マーを用いると、得られる舗装の耐水性、耐候性が低く
なり得るという問題が有る。舗装は長期間屋外に曝され
るので、耐水性、耐候性が低いと、変色し、劣化し得る
ので好ましくない。従って、得られる舗装の外観上の特
長である木目模様が、長期にわたり維持され得ないとい
う問題が有る。更に、使用されるウレタンプレポリマー
と木質繊維材料の混合は困難を伴ない、両者を混合する
際、両者の混合を促進するために希釈剤を添加して、ウ
レタンプレポリマーの粘度を低下させる必要があり得る
という問題が有る。希釈剤は、通常、有機溶剤であり、
その使用は健康面および環境面から好ましくない。
【0005】散布式舗装方法を用いる場合、通常、バイ
ンダーとしてゴムラテックス、アクリルエマルジョン又
は石油樹脂が使用される。しかし、これらのバインダー
を木質繊維材料に散布して得られる舗装は、耐水性が不
十分であって、雨に濡れると白化を起こし易いという問
題が有り、また、舗装の透水性が不十分となり得、舗装
上に水溜りが生じ得るという問題が有る。更に、アクリ
ルエマルジョン又は石油樹脂をバインダーとして用いる
と、それらから得られる樹脂は、低温での柔軟性に乏し
いので、得られる舗装の歩行感が温度によって変化し得
るという問題が有る。従って、長期に渡って屋外に放置
された舗装は、歩行感が一定しないという問題が有る。
ンダーとしてゴムラテックス、アクリルエマルジョン又
は石油樹脂が使用される。しかし、これらのバインダー
を木質繊維材料に散布して得られる舗装は、耐水性が不
十分であって、雨に濡れると白化を起こし易いという問
題が有り、また、舗装の透水性が不十分となり得、舗装
上に水溜りが生じ得るという問題が有る。更に、アクリ
ルエマルジョン又は石油樹脂をバインダーとして用いる
と、それらから得られる樹脂は、低温での柔軟性に乏し
いので、得られる舗装の歩行感が温度によって変化し得
るという問題が有る。従って、長期に渡って屋外に放置
された舗装は、歩行感が一定しないという問題が有る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、従来から使用されて
いるバインダーと比較して、得られる舗装の耐水性、耐
候性、透水性等の特性が不十分であること、木質繊維材
料と混合するために希釈材を使用する必要があること、
得られる舗装を屋外で長期間使用すると舗装が木目模様
の景観を長期にわたって維持し得ないこと、舗装の歩行
感が温度変化の影響を受け易いことから選択される少な
くとも一種の問題を実質的に解消し又は緩和し得る、舗
装用木質繊維材料と共に使用するバインダー、それを用
いる舗装方法、それを用いて製造される舗装材を提供す
ることである。
を解決するためになされたもので、従来から使用されて
いるバインダーと比較して、得られる舗装の耐水性、耐
候性、透水性等の特性が不十分であること、木質繊維材
料と混合するために希釈材を使用する必要があること、
得られる舗装を屋外で長期間使用すると舗装が木目模様
の景観を長期にわたって維持し得ないこと、舗装の歩行
感が温度変化の影響を受け易いことから選択される少な
くとも一種の問題を実質的に解消し又は緩和し得る、舗
装用木質繊維材料と共に使用するバインダー、それを用
いる舗装方法、それを用いて製造される舗装材を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、新たなバインダーが提供され、それは、舗装用木
質繊維材料と共に用いられるバインダーであって、
(A)エチレン性二重結合を有する単量体を乳化重合し
て得られる水系ラジカル重合型樹脂、及び(B)水系ウ
レタン樹脂の組み合わせから成り、(A)水系ラジカル
重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂の少なくとも一方
が架橋構造を有することを特徴とするバインダーであ
る。このバインダーは、舗装用として好適に用いること
ができる。
れば、新たなバインダーが提供され、それは、舗装用木
質繊維材料と共に用いられるバインダーであって、
(A)エチレン性二重結合を有する単量体を乳化重合し
て得られる水系ラジカル重合型樹脂、及び(B)水系ウ
レタン樹脂の組み合わせから成り、(A)水系ラジカル
重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂の少なくとも一方
が架橋構造を有することを特徴とするバインダーであ
る。このバインダーは、舗装用として好適に用いること
ができる。
【0008】本発明に係るバインダーは、(A)エチレ
ン性二重結合を有する単量体を乳化重合して得られる水
系ラジカル重合型樹脂(以下、「(A)水系ラジカル重
合型樹脂」又は「(A)樹脂」ともいう)、及び
「(B)水系ウレタン樹脂」(以下、「(B)樹脂」と
もいう)の2成分を必須成分として組み合わせて成り、
(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹
脂の少なくとも一方が架橋構造を有する。
ン性二重結合を有する単量体を乳化重合して得られる水
系ラジカル重合型樹脂(以下、「(A)水系ラジカル重
合型樹脂」又は「(A)樹脂」ともいう)、及び
「(B)水系ウレタン樹脂」(以下、「(B)樹脂」と
もいう)の2成分を必須成分として組み合わせて成り、
(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹
脂の少なくとも一方が架橋構造を有する。
【0009】本発明に係るバインダーは、この2成分を
組み合わせて成り、少なくとも一方が架橋構造を有する
ことによって、従来から使用されているバインダーと比
較して得られる舗装の耐水性、耐候性、透水性等の特性
が不十分であること、木質繊維材料と混合するために希
釈材を使用する必要があること、得られる舗装を屋外で
長期間使用すると舗装が木目模様の景観を長期にわたっ
て維持し得ないこと、舗装の歩行感が温度変化の影響を
受け易いことから選択される少なくとも一種の問題を実
質的に解消し又は緩和し得る。本発明に係るバインダー
は、水系のバインダーなので環境面、安全面に優れる。
組み合わせて成り、少なくとも一方が架橋構造を有する
ことによって、従来から使用されているバインダーと比
較して得られる舗装の耐水性、耐候性、透水性等の特性
が不十分であること、木質繊維材料と混合するために希
釈材を使用する必要があること、得られる舗装を屋外で
長期間使用すると舗装が木目模様の景観を長期にわたっ
て維持し得ないこと、舗装の歩行感が温度変化の影響を
受け易いことから選択される少なくとも一種の問題を実
質的に解消し又は緩和し得る。本発明に係るバインダー
は、水系のバインダーなので環境面、安全面に優れる。
【0010】本発明に係るバインダーは、通常、例え
ば、水等の水性媒体に、上述の(A)水系ラジカル重合
型樹脂及び(B)水系ウレタン樹脂が分散もしくは溶解
している、水性媒体を含む流体(例えば、水溶液のよう
な溶液、水分散液のような分散液)の形態を有する。更
に、本発明に係るバインダーは、この流体の形態のバイ
ンダーから水等の水性媒体を除去して得られる、水性媒
体を実質的に含まない固体の形態、ワックス状の形態等
であってよいが、実際の使用の際には、水等の水性媒体
に溶解又は分散させることが必要である。
ば、水等の水性媒体に、上述の(A)水系ラジカル重合
型樹脂及び(B)水系ウレタン樹脂が分散もしくは溶解
している、水性媒体を含む流体(例えば、水溶液のよう
な溶液、水分散液のような分散液)の形態を有する。更
に、本発明に係るバインダーは、この流体の形態のバイ
ンダーから水等の水性媒体を除去して得られる、水性媒
体を実質的に含まない固体の形態、ワックス状の形態等
であってよいが、実際の使用の際には、水等の水性媒体
に溶解又は分散させることが必要である。
【0011】本発明の別の要旨において、上述のバイン
ダーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、この混合物
を敷きつめた後、加圧して表面を平滑にすることを特徴
とする舗装方法を提供する。バインダーと木質繊維材料
とを混合する際に、有機溶剤である希釈材を添加する必
要がないので、環境面で好ましい舗装方法である。更
に、本発明の別の1つの要旨において、舗装用木質繊維
材料を敷きつめ、この木質繊維材料上に、上述のバイン
ダーを散布した後、加圧して表面を平滑にすることを特
徴とする舗装方法を提供する。また、本発明の別の要旨
において、舗装用木質繊維材料を上述のバインダーを用
いて固着することを特徴とする舗装材を提供する。
ダーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、この混合物
を敷きつめた後、加圧して表面を平滑にすることを特徴
とする舗装方法を提供する。バインダーと木質繊維材料
とを混合する際に、有機溶剤である希釈材を添加する必
要がないので、環境面で好ましい舗装方法である。更
に、本発明の別の1つの要旨において、舗装用木質繊維
材料を敷きつめ、この木質繊維材料上に、上述のバイン
ダーを散布した後、加圧して表面を平滑にすることを特
徴とする舗装方法を提供する。また、本発明の別の要旨
において、舗装用木質繊維材料を上述のバインダーを用
いて固着することを特徴とする舗装材を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のバインダーにおいて、
「(A)エチレン性二重結合を有する単量体を乳化重合
して得られる水系ラジカル重合型樹脂」とは、エチレン
性二重結合を有する単量体を、いわゆる乳化重合によっ
て重合させることで得ることができる水系の樹脂であれ
ば、本発明が目的とするバインダーを得ることができる
限り、特に制限されるものではない。
「(A)エチレン性二重結合を有する単量体を乳化重合
して得られる水系ラジカル重合型樹脂」とは、エチレン
性二重結合を有する単量体を、いわゆる乳化重合によっ
て重合させることで得ることができる水系の樹脂であれ
ば、本発明が目的とするバインダーを得ることができる
限り、特に制限されるものではない。
【0013】本明細書において「エチレン性二重結合」
とは、付加重合可能な炭素原子間の二重結合をいい、そ
のようなエチレン性二重結合を有する官能基として、例
えば、ビニル基(CH2=CH−)、(メタ)アリル基
(CH2=CH−CH2−及びCH2=C(CH3)−
CH2−)、(メタ)アクリロイルオキシ基(CH2=
CH−COO−及びCH2=C(CH3)−COO
−)、及び−COO−CH=CH−COO−等を例示で
きる。「エチレン性二重結合を有する単量体」は、エチ
レン性二重結合を有する種々の官能基から選択される少
なくとも一種を有する。
とは、付加重合可能な炭素原子間の二重結合をいい、そ
のようなエチレン性二重結合を有する官能基として、例
えば、ビニル基(CH2=CH−)、(メタ)アリル基
(CH2=CH−CH2−及びCH2=C(CH3)−
CH2−)、(メタ)アクリロイルオキシ基(CH2=
CH−COO−及びCH2=C(CH3)−COO
−)、及び−COO−CH=CH−COO−等を例示で
きる。「エチレン性二重結合を有する単量体」は、エチ
レン性二重結合を有する種々の官能基から選択される少
なくとも一種を有する。
【0014】また、本発明において「水系」とは、樹脂
が水性媒体中に存在している状態を意味し、これは樹脂
が水性媒体に溶解している状態及び/又は溶解していな
い懸濁、分散等の状態を意味する。本発明において「水
性媒体」とは、水道水、蒸留水又はイオン交換水等の一
般的な水をいうが、水溶性又は水に分散可能な有機溶剤
であって、単量体等の本発明に関する樹脂の原料と反応
性の乏しい有機溶剤、例えば、アセトン、酢酸エチル等
を含んでもよく、さらに水溶性又は水に分散可能な単量
体、オリゴマー、プレポリマー等を含んでもよい。ま
た、後述するように水系の樹脂又は水溶性樹脂を製造す
る際に通常使用される、乳化剤、重合性乳化剤、重合反
応開始剤、鎖延長剤及び/もしくは各種添加剤等を含ん
でもよい。
が水性媒体中に存在している状態を意味し、これは樹脂
が水性媒体に溶解している状態及び/又は溶解していな
い懸濁、分散等の状態を意味する。本発明において「水
性媒体」とは、水道水、蒸留水又はイオン交換水等の一
般的な水をいうが、水溶性又は水に分散可能な有機溶剤
であって、単量体等の本発明に関する樹脂の原料と反応
性の乏しい有機溶剤、例えば、アセトン、酢酸エチル等
を含んでもよく、さらに水溶性又は水に分散可能な単量
体、オリゴマー、プレポリマー等を含んでもよい。ま
た、後述するように水系の樹脂又は水溶性樹脂を製造す
る際に通常使用される、乳化剤、重合性乳化剤、重合反
応開始剤、鎖延長剤及び/もしくは各種添加剤等を含ん
でもよい。
【0015】「エチレン性二重結合を有する単量体」と
は、通常、エチレン性二重結合を有する単量体とされる
化合物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸(以下、ア
クリル酸とメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル
酸」ともいう。)及びその誘導体(例えば、アルキルエ
ステル及びアクリルアミド等)、並びにアクリルニトリ
ル等から選択される少なくとも1種であって、本発明が
目的とするバインダーを得ることができる単量体であれ
ば、特に制限されるものではない。
は、通常、エチレン性二重結合を有する単量体とされる
化合物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸(以下、ア
クリル酸とメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル
酸」ともいう。)及びその誘導体(例えば、アルキルエ
ステル及びアクリルアミド等)、並びにアクリルニトリ
ル等から選択される少なくとも1種であって、本発明が
目的とするバインダーを得ることができる単量体であれ
ば、特に制限されるものではない。
【0016】そのような「エチレン性二重結合を有する
単量体」として、例えば、(a1)分枝を有してよい
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(以下「単量体
(a1)ともいう」)を例示できる。具体的には、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸デシル及び(メタ)アクリル酸ドデ
シル等を例示できる。特に、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル等が好ましい。単量体(a1)
は、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選択すること
ができ、単独で又は組み合わせて使用することができ
る。
単量体」として、例えば、(a1)分枝を有してよい
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(以下「単量体
(a1)ともいう」)を例示できる。具体的には、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸デシル及び(メタ)アクリル酸ドデ
シル等を例示できる。特に、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル等が好ましい。単量体(a1)
は、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選択すること
ができ、単独で又は組み合わせて使用することができ
る。
【0017】更に、「エチレン性二重結合を有する単量
体」として、例えば、(a1)及び後述する(a3)〜
(a5)以外の(a2)エチレン性二重結合を有する単
量体(以下「単量体(a2)ともいう」)を例示でき
る: (a2−1)(メタ)アクリル酸アミド、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル
酸アミド類; (a2−2)(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキ
シ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類; (a2−3)スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン等の芳香族ビニル単量体類; (a2−4)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプ
レン等のアルケン類; (a2−5)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサ
チック酸ビニル(VeoVa)等のビニル単量体類; (a2−6)塩化ビニル、塩化ビニレン、塩化ビニリデ
ン等の塩素化ビニル単量体類; (a2−7)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアノ基を有するビニル単量体類; (a2−8)アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、
イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、マレイン酸の半
エステル等のカルボキシル基とエチレン性二重結合を有
する単量体類; (a2−9)スチレンスルホン酸等のスルホ基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体類; (a2−10)(メタ)アクリル酸オキシエチルアミド
フォスフェート等のリン酸基とエチレン性二重結合を有
する単量体類; (a2−11)(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルク
ロリド塩等のアミノ基とエチレン性二重結合を有する単
量体類及びその塩類; (a2−12)ビニルピリジン等のピリジル基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体類及びその塩類。 これらは、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選択す
ることができ、単独で又は組み合わせて使用することが
できる。
体」として、例えば、(a1)及び後述する(a3)〜
(a5)以外の(a2)エチレン性二重結合を有する単
量体(以下「単量体(a2)ともいう」)を例示でき
る: (a2−1)(メタ)アクリル酸アミド、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル
酸アミド類; (a2−2)(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキ
シ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類; (a2−3)スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン等の芳香族ビニル単量体類; (a2−4)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプ
レン等のアルケン類; (a2−5)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサ
チック酸ビニル(VeoVa)等のビニル単量体類; (a2−6)塩化ビニル、塩化ビニレン、塩化ビニリデ
ン等の塩素化ビニル単量体類; (a2−7)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアノ基を有するビニル単量体類; (a2−8)アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、
イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、マレイン酸の半
エステル等のカルボキシル基とエチレン性二重結合を有
する単量体類; (a2−9)スチレンスルホン酸等のスルホ基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体類; (a2−10)(メタ)アクリル酸オキシエチルアミド
フォスフェート等のリン酸基とエチレン性二重結合を有
する単量体類; (a2−11)(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルク
ロリド塩等のアミノ基とエチレン性二重結合を有する単
量体類及びその塩類; (a2−12)ビニルピリジン等のピリジル基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体類及びその塩類。 これらは、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選択す
ることができ、単独で又は組み合わせて使用することが
できる。
【0018】単量体(a1)及び(a2)は、いずれ
も、(A)水系ラジカル重合型樹脂の主成分となり得る
単量体であって、(A)樹脂に好ましい特性を付与し得
るものである。
も、(A)水系ラジカル重合型樹脂の主成分となり得る
単量体であって、(A)樹脂に好ましい特性を付与し得
るものである。
【0019】また、「エチレン性二重結合を有する単量
体」として、例えば、「(a3)エチレン性二重結合を
有するシランカップリング剤(以下「単量体(a3)と
もいう」)及び/もしくは(a4)2個以上のエチレン
性二重結合を有する単量体(以下「単量体(a4)とも
いう」)」を例示できる。いずれも、(A)水系ラジカ
ル重合型樹脂の内部に架橋構造を形成する単量体であ
る。
体」として、例えば、「(a3)エチレン性二重結合を
有するシランカップリング剤(以下「単量体(a3)と
もいう」)及び/もしくは(a4)2個以上のエチレン
性二重結合を有する単量体(以下「単量体(a4)とも
いう」)」を例示できる。いずれも、(A)水系ラジカ
ル重合型樹脂の内部に架橋構造を形成する単量体であ
る。
【0020】「(a3)エチレン性二重結合を有するシ
ランカップリング剤」とは、例えばエチレン性二重結合
とアルコキシシリル基を有する化合物であって、そのエ
チレン性二重結合を介して(A)水系ラジカル重合型樹
脂の主鎖に組み込まれる化合物である。(A)水系ラジ
カル重合型樹脂の主鎖に組み込まれた2個以上の単量体
(a3)のケイ素同士の間にシロキサン結合が生ずるか
ら、単量体(a3)が組み込まれた水系ラジカル重合型
樹脂は、単量体(a3)に由来するシロキサン結合を介
して架橋構造を有することとなる。
ランカップリング剤」とは、例えばエチレン性二重結合
とアルコキシシリル基を有する化合物であって、そのエ
チレン性二重結合を介して(A)水系ラジカル重合型樹
脂の主鎖に組み込まれる化合物である。(A)水系ラジ
カル重合型樹脂の主鎖に組み込まれた2個以上の単量体
(a3)のケイ素同士の間にシロキサン結合が生ずるか
ら、単量体(a3)が組み込まれた水系ラジカル重合型
樹脂は、単量体(a3)に由来するシロキサン結合を介
して架橋構造を有することとなる。
【0021】単量体(a3)は、具体的には、式
(I):
(I):
【化1】
[R1は、エテニル基、1−メチルエテニル基、X1は、
−(CH2)n−又は−COO−(CH2)n−、(但し、
nは、0から3の整数)、Y1は、−OCH3、−OC2
H5又は−O(CH2)m−O(CH2)p−H、(但し、
m、pは、1から3の整数)、Z1は、−(CH2)q−
H、(但し、qは、0から3の整数)、aは、0から2
の整数である。]で示されるシランカップリング剤であ
る。
−(CH2)n−又は−COO−(CH2)n−、(但し、
nは、0から3の整数)、Y1は、−OCH3、−OC2
H5又は−O(CH2)m−O(CH2)p−H、(但し、
m、pは、1から3の整数)、Z1は、−(CH2)q−
H、(但し、qは、0から3の整数)、aは、0から2
の整数である。]で示されるシランカップリング剤であ
る。
【0022】単量体(a3)として、例えば、以下の化
合物を例示できる: (a3−1)3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリ
メトキシシラン等のω−(メタ)アクリロキシアルキル
トリアルコキシシラン類; (a3−2)3−(メタ)アクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルエチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロ
キシエチルメチルジメトキシシラン等のω−(メタ)ア
クリロキシアルキルアルキルジアルコキシシラン類; (a3−3)エテニルトリメトキシシラン、エテニルト
リエトキシシラン、エテニルジメトキシエトキシシラ
ン、エテニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、エテニ
ルトリ(エトキシメトキシ)シラン等のエテニルトリア
ルコキシシラン類;並びに (a3−4)エテニルメチルジメトキシシラン、エテニ
ルエチルジ(メトキシエトキシ)シラン、エテニルジメ
チルメトキシシラン、エテニルジエチル(メトキシエト
キシ)シラン等のエテニルアルキルアルコキシシラン
類。
合物を例示できる: (a3−1)3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリ
メトキシシラン等のω−(メタ)アクリロキシアルキル
トリアルコキシシラン類; (a3−2)3−(メタ)アクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルエチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロ
キシエチルメチルジメトキシシラン等のω−(メタ)ア
クリロキシアルキルアルキルジアルコキシシラン類; (a3−3)エテニルトリメトキシシラン、エテニルト
リエトキシシラン、エテニルジメトキシエトキシシラ
ン、エテニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、エテニ
ルトリ(エトキシメトキシ)シラン等のエテニルトリア
ルコキシシラン類;並びに (a3−4)エテニルメチルジメトキシシラン、エテニ
ルエチルジ(メトキシエトキシ)シラン、エテニルジメ
チルメトキシシラン、エテニルジエチル(メトキシエト
キシ)シラン等のエテニルアルキルアルコキシシラン
類。
【0023】単量体(a3)として、特に、(a3−
1)ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシ
シラン類及び(a3−2)ω−(メタ)アクリロキシア
ルキルアルキルジアルコキシシラン類が好ましい。単量
体(a3)は、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選
択することができ、単独で又は組み合わせて使用するこ
とができる。
1)ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシ
シラン類及び(a3−2)ω−(メタ)アクリロキシア
ルキルアルキルジアルコキシシラン類が好ましい。単量
体(a3)は、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選
択することができ、単独で又は組み合わせて使用するこ
とができる。
【0024】「(a4)2個以上のエチレン性二重結合
を有する単量体」とは、2個以上のエチレン性二重結合
を有するから、(A)水系ラジカル重合型樹脂を形成す
る乳化重合を行う際に、(A)水系ラジカル重合型樹脂
の2個以上の主鎖に組み込まれる。従って、単量体(a
4)が組み込まれた(A)水系ラジカル重合型樹脂は、
単量体(a4)を介する架橋構造を有することとなる。
を有する単量体」とは、2個以上のエチレン性二重結合
を有するから、(A)水系ラジカル重合型樹脂を形成す
る乳化重合を行う際に、(A)水系ラジカル重合型樹脂
の2個以上の主鎖に組み込まれる。従って、単量体(a
4)が組み込まれた(A)水系ラジカル重合型樹脂は、
単量体(a4)を介する架橋構造を有することとなる。
【0025】単量体(a4)として、例えば、以下の化
合物を例示できる: (a4−1)ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ブ
タジエン、イソプレン、ジシクロペンタジエン等のジエ
ン類;並びに (a4−2)ポリエチレングリコール(C2〜C30)の
(メタ)アクリル酸のジエステル、ポリプロピレングリ
コール(C2〜C30)の(メタ)アクリル酸のジエステ
ル等のジオールの(メタ)アクリル酸のジエステル類。
これらは、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選択す
ることができ、単独で又は組み合わせて使用することが
できる。
合物を例示できる: (a4−1)ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ブ
タジエン、イソプレン、ジシクロペンタジエン等のジエ
ン類;並びに (a4−2)ポリエチレングリコール(C2〜C30)の
(メタ)アクリル酸のジエステル、ポリプロピレングリ
コール(C2〜C30)の(メタ)アクリル酸のジエステ
ル等のジオールの(メタ)アクリル酸のジエステル類。
これらは、所望の(A)樹脂の性能に応じて適宜選択す
ることができ、単独で又は組み合わせて使用することが
できる。
【0026】更にまた、「エチレン性二重結合を有する
単量体」として、例えば、「(a5)水酸基を含有しエ
チレン性二重結合を有する単量体」を例示できる。
「(a5)水酸基を含有しエチレン性二重結合を有する
単量体」(以下「単量体(a5)」ともいう)とは、水
酸基を含有し、エチレン性二重結合を有することによっ
て、(A)水系ラジカル重合型樹脂に水酸基を提供する
こととなる単量体をいう。
単量体」として、例えば、「(a5)水酸基を含有しエ
チレン性二重結合を有する単量体」を例示できる。
「(a5)水酸基を含有しエチレン性二重結合を有する
単量体」(以下「単量体(a5)」ともいう)とは、水
酸基を含有し、エチレン性二重結合を有することによっ
て、(A)水系ラジカル重合型樹脂に水酸基を提供する
こととなる単量体をいう。
【0027】例えば、「(a5)水酸基を含有しエチレ
ン性二重結合を有する単量体」として、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル等の(メタ)アクリル酸ω−ヒドロキシアルキル
エステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール
モノエステル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリ
コールモノエステル等を例示することができる。特に、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及び(メ
タ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルが好ましい。単
量体(a5)は、(A)水系ラジカル重合型樹脂の性能
に応じて適宜選択することができ、単独で又は組み合わ
せて適宜使用することができる。
ン性二重結合を有する単量体」として、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル等の(メタ)アクリル酸ω−ヒドロキシアルキル
エステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール
モノエステル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリ
コールモノエステル等を例示することができる。特に、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及び(メ
タ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルが好ましい。単
量体(a5)は、(A)水系ラジカル重合型樹脂の性能
に応じて適宜選択することができ、単独で又は組み合わ
せて適宜使用することができる。
【0028】本発明に係る(A)水系ラジカル重合型樹
脂は、上述した「エチレン性二重結合を有する単量体」
を乳化重合して得ることができる。「乳化重合」とは、
通常、乳化重合と呼ばれる重合方法であって、(A)水
系ラジカル重合型樹脂を得ることができる方法であれ
ば、特に制限されるものではない。
脂は、上述した「エチレン性二重結合を有する単量体」
を乳化重合して得ることができる。「乳化重合」とは、
通常、乳化重合と呼ばれる重合方法であって、(A)水
系ラジカル重合型樹脂を得ることができる方法であれ
ば、特に制限されるものではない。
【0029】本発明に係る(A)水系ラジカル重合型樹
脂は、水性媒体中において、常法を使用し、触媒及び乳
化剤を適宜用いて、上述の単量体から選択される少なく
とも一種の単量体(2種以上の単量体の混合物を含む)
(以下、単に「単量体」ともいう)を乳化重合すること
で製造することができる。反応温度、反応時間、水性媒
体中の単量体の組成及び濃度、触媒及び乳化剤の種類及
び濃度並びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする
(A)水系ラジカル重合型樹脂の特性等によって適宜選
択され得る。
脂は、水性媒体中において、常法を使用し、触媒及び乳
化剤を適宜用いて、上述の単量体から選択される少なく
とも一種の単量体(2種以上の単量体の混合物を含む)
(以下、単に「単量体」ともいう)を乳化重合すること
で製造することができる。反応温度、反応時間、水性媒
体中の単量体の組成及び濃度、触媒及び乳化剤の種類及
び濃度並びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする
(A)水系ラジカル重合型樹脂の特性等によって適宜選
択され得る。
【0030】ここで本発明の(A)水系ラジカル重合型
樹脂の製造に使用する「触媒」とは、少量の添加によっ
て単量体の重合反応を起こさせることができる化合物で
あって、水性媒体及び有機化合物中で使用することがで
きるものが好ましい。例えば、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロペ
ルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,
2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス
(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2―ア
ゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等を例示す
ることができる。特に、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナ
トリウム、過硫酸カリウムが好ましい。
樹脂の製造に使用する「触媒」とは、少量の添加によっ
て単量体の重合反応を起こさせることができる化合物で
あって、水性媒体及び有機化合物中で使用することがで
きるものが好ましい。例えば、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロペ
ルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,
2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス
(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2―ア
ゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等を例示す
ることができる。特に、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナ
トリウム、過硫酸カリウムが好ましい。
【0031】また、(A)水系ラジカル重合型樹脂の製
造に使用する「乳化剤」とは、水性媒体と単量体とのエ
マルションを形成させるために使用する界面活性剤であ
って、好ましくは重合反応に悪影響を与えない界面活性
剤であって、スルホン酸基、スルホネート基もしくは硫
酸エステル基を有する化合物及びそれらの混合物よりか
らなる群から選ばれる混合物以外に、通常の界面活性剤
も使用することができる。例えば、(1)石鹸、アルキ
ルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等
のアニオン系界面活性剤類、(2)ポリオキシアルキル
アリールエーテル、オキシエチレンオキシプロピレンブ
ロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤類等を例示
することができる。なお、乳化剤として重合性乳化剤を
使用するのが好ましい。重合性乳化剤の使用は、舗装材
の耐水性、耐侯性等の向上に好ましい。
造に使用する「乳化剤」とは、水性媒体と単量体とのエ
マルションを形成させるために使用する界面活性剤であ
って、好ましくは重合反応に悪影響を与えない界面活性
剤であって、スルホン酸基、スルホネート基もしくは硫
酸エステル基を有する化合物及びそれらの混合物よりか
らなる群から選ばれる混合物以外に、通常の界面活性剤
も使用することができる。例えば、(1)石鹸、アルキ
ルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等
のアニオン系界面活性剤類、(2)ポリオキシアルキル
アリールエーテル、オキシエチレンオキシプロピレンブ
ロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤類等を例示
することができる。なお、乳化剤として重合性乳化剤を
使用するのが好ましい。重合性乳化剤の使用は、舗装材
の耐水性、耐侯性等の向上に好ましい。
【0032】ここで、(A)樹脂の製造に使用する「重
合性乳化剤」とは、エチレン性二重結合を有し、かつ水
性媒体と単量体のエマルションを形成することができる
乳化剤として機能し得る化合物であって、スルホン酸
基、スルホネート基、硫酸エステル基又はエチレンオキ
シ基を有するエチレン性不飽和単量体、及びそれらの混
合物よりからなる群から選ばれるエチレン性不飽和単量
体が好ましい。さらに、上述の重合性乳化剤のスルホン
酸基又はスルホネート基は塩の形態であってもよく、ス
ルホン酸基又はスルホネート基の対カチオンとして、ア
ンモニウムイオンもしくはアルカリ金属イオンが好まし
く、特に、アンモニウムイオン、カリウムイオン、ナト
リウムイオンが好ましい。
合性乳化剤」とは、エチレン性二重結合を有し、かつ水
性媒体と単量体のエマルションを形成することができる
乳化剤として機能し得る化合物であって、スルホン酸
基、スルホネート基、硫酸エステル基又はエチレンオキ
シ基を有するエチレン性不飽和単量体、及びそれらの混
合物よりからなる群から選ばれるエチレン性不飽和単量
体が好ましい。さらに、上述の重合性乳化剤のスルホン
酸基又はスルホネート基は塩の形態であってもよく、ス
ルホン酸基又はスルホネート基の対カチオンとして、ア
ンモニウムイオンもしくはアルカリ金属イオンが好まし
く、特に、アンモニウムイオン、カリウムイオン、ナト
リウムイオンが好ましい。
【0033】このような重合性乳化剤を含んで成るもの
として、例えば、三洋化成(株)エレミノールJS−2
(商品名)、三洋化成(株)エレミノールRS−30
(商品名)、第一工業製薬(株)アクアロンRN−20
(商品名)、第一工業製薬(株)アクアロンHS−10
(商品名)等を例示することができる。重合性乳化剤
は、上述の単量体から選択される少なくとも一種の単量
体100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましく
は0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量
部用いるのが好ましい。(A)水系ラジカル重合型樹脂
の製造は、重合性乳化剤を使用するのが好ましい。
として、例えば、三洋化成(株)エレミノールJS−2
(商品名)、三洋化成(株)エレミノールRS−30
(商品名)、第一工業製薬(株)アクアロンRN−20
(商品名)、第一工業製薬(株)アクアロンHS−10
(商品名)等を例示することができる。重合性乳化剤
は、上述の単量体から選択される少なくとも一種の単量
体100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましく
は0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量
部用いるのが好ましい。(A)水系ラジカル重合型樹脂
の製造は、重合性乳化剤を使用するのが好ましい。
【0034】本発明に係る(A)水系ラジカル重合型樹
脂は、水系アクリル樹脂であるのが好ましい。この場
合、(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、上述の
単量体(a1)から選択される少なくとも一種の単量体
を乳化重合することで製造できる。
脂は、水系アクリル樹脂であるのが好ましい。この場
合、(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、上述の
単量体(a1)から選択される少なくとも一種の単量体
を乳化重合することで製造できる。
【0035】(A)水系ラジカル重合型樹脂は、架橋構
造を有するのが好ましい。本発明において「架橋構造」
とは、樹脂の内部の主鎖と主鎖の間を化学結合によって
結合することで樹脂に網目状の構造を付与する化学構造
のことをいい、化学的に安定であれば特に制限されるも
のではない。架橋構造を有する(A)水系ラジカル重合
型樹脂は、例えば、上述の単量体(a3)及び(a4)
から選択される少なくとも一種の単量体を乳化重合する
ことで製造できる。具体的には、エチレン性二重結合を
有するシランカップリング剤、ジビニルモノマー、ジア
リルモノマー、ジメタクリルモノマー、及びジアクリル
モノマーから選択される少なくとも一種の単量体を乳化
重合することで製造できる。特に、エチレン性二重結合
を有するシランカップリング剤、ジビニルモノマー、ジ
メタクリルモノマー、及びジアクリルモノマーから選択
される少なくとも一種の単量体を乳化重合するのが好ま
しい。
造を有するのが好ましい。本発明において「架橋構造」
とは、樹脂の内部の主鎖と主鎖の間を化学結合によって
結合することで樹脂に網目状の構造を付与する化学構造
のことをいい、化学的に安定であれば特に制限されるも
のではない。架橋構造を有する(A)水系ラジカル重合
型樹脂は、例えば、上述の単量体(a3)及び(a4)
から選択される少なくとも一種の単量体を乳化重合する
ことで製造できる。具体的には、エチレン性二重結合を
有するシランカップリング剤、ジビニルモノマー、ジア
リルモノマー、ジメタクリルモノマー、及びジアクリル
モノマーから選択される少なくとも一種の単量体を乳化
重合することで製造できる。特に、エチレン性二重結合
を有するシランカップリング剤、ジビニルモノマー、ジ
メタクリルモノマー、及びジアクリルモノマーから選択
される少なくとも一種の単量体を乳化重合するのが好ま
しい。
【0036】(A)水系ラジカル重合型樹脂は、架橋構
造を有する水系アクリル樹脂であるのがより好ましい。
この場合、(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、
上述の単量体(a3)及び(a4)から選択される少な
くとも一種並びに上述の単量体(a1)を含んで成る単
量体を乳化重合することで製造できる。
造を有する水系アクリル樹脂であるのがより好ましい。
この場合、(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、
上述の単量体(a3)及び(a4)から選択される少な
くとも一種並びに上述の単量体(a1)を含んで成る単
量体を乳化重合することで製造できる。
【0037】更に、本願のバインダーを後述する二液型
のバインダーとして使用する場合、(A)水系ラジカル
重合型樹脂は、水酸基を含有するのが好ましい。この場
合、(A)樹脂は、例えば、上述の単量体(a5)を含
んで成る単量体を乳化重合することで製造できる。
(A)水系ラジカル重合型樹脂は、水酸基含有水系アク
リル樹脂であるのがより好ましい。この場合、(A)樹
脂は、例えば、上述の単量体(a1)並びに(a5)を
含んで成る単量体を乳化重合することで製造できる。
のバインダーとして使用する場合、(A)水系ラジカル
重合型樹脂は、水酸基を含有するのが好ましい。この場
合、(A)樹脂は、例えば、上述の単量体(a5)を含
んで成る単量体を乳化重合することで製造できる。
(A)水系ラジカル重合型樹脂は、水酸基含有水系アク
リル樹脂であるのがより好ましい。この場合、(A)樹
脂は、例えば、上述の単量体(a1)並びに(a5)を
含んで成る単量体を乳化重合することで製造できる。
【0038】更に、本願のバインダーを後述する二液型
のバインダーとして使用する場合、(A)水系ラジカル
重合型樹脂は、架橋構造を有し、水酸基を含有する水系
ラジカル重合型樹脂であるのがより好ましい。この場
合、(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、上述の
単量体(a3)及び(a4)から選択される少なくとも
一種、並びに単量体(a5)を含んで成る単量体を乳化
重合することで製造できる。また、(A)水系ラジカル
重合型樹脂は、架橋構造を有し、水酸基を含有する水系
アクリル樹脂であるのが特に好ましい。この場合、
(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、上述の単量
体(a3)及び(a4)から選択される少なくとも一
種、並びに単量体(a1)及び単量体(a5)を含んで
成る単量体を乳化重合することで製造できる。
のバインダーとして使用する場合、(A)水系ラジカル
重合型樹脂は、架橋構造を有し、水酸基を含有する水系
ラジカル重合型樹脂であるのがより好ましい。この場
合、(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、上述の
単量体(a3)及び(a4)から選択される少なくとも
一種、並びに単量体(a5)を含んで成る単量体を乳化
重合することで製造できる。また、(A)水系ラジカル
重合型樹脂は、架橋構造を有し、水酸基を含有する水系
アクリル樹脂であるのが特に好ましい。この場合、
(A)水系ラジカル重合型樹脂は、例えば、上述の単量
体(a3)及び(a4)から選択される少なくとも一
種、並びに単量体(a1)及び単量体(a5)を含んで
成る単量体を乳化重合することで製造できる。
【0039】(A)水系ラジカル重合型樹脂が、水酸基
を含有し架橋構造を有する水系アクリル樹脂である場
合、単量体(a3)及び(a4)から選択される少なく
とも一種、並びに単量体(a1)及び単量体(a5)を
含んで成る単量体を基準として、単量体(a5)は、
0.5〜40重量%含まれるのが好ましく、0.5〜3
0重量%含まれるのがより好ましく、1〜25重量%含
まれるのが特に好ましい。単量体(a1)は、10〜9
9.4重量%含まれるのが好ましく、30〜99.4重
量%含まれるのがより好ましく、40〜95重量%含ま
れるのが特に好ましい。単量体(a3)及び/もしくは
(a4)は、0.1〜10重量%含まれるのが好まし
く、0.1〜8重量%含まれるのがより好ましく、0.
1〜5重量%含まれるのが特に好ましい。尚、この単量
体は、単量体(a2)を含んでよく、単量体(a2)
は、0〜30重量%含まれるのが好ましく、0〜20重
量%含まれるのがより好ましく、1〜15重量%含まれ
るのが特に好ましい。
を含有し架橋構造を有する水系アクリル樹脂である場
合、単量体(a3)及び(a4)から選択される少なく
とも一種、並びに単量体(a1)及び単量体(a5)を
含んで成る単量体を基準として、単量体(a5)は、
0.5〜40重量%含まれるのが好ましく、0.5〜3
0重量%含まれるのがより好ましく、1〜25重量%含
まれるのが特に好ましい。単量体(a1)は、10〜9
9.4重量%含まれるのが好ましく、30〜99.4重
量%含まれるのがより好ましく、40〜95重量%含ま
れるのが特に好ましい。単量体(a3)及び/もしくは
(a4)は、0.1〜10重量%含まれるのが好まし
く、0.1〜8重量%含まれるのがより好ましく、0.
1〜5重量%含まれるのが特に好ましい。尚、この単量
体は、単量体(a2)を含んでよく、単量体(a2)
は、0〜30重量%含まれるのが好ましく、0〜20重
量%含まれるのがより好ましく、1〜15重量%含まれ
るのが特に好ましい。
【0040】上述の(A)水系ラジカル重合型樹脂のゲ
ル分率は、40〜100重量%であるのが好ましく、5
0〜100重量%であるのがより好ましく、70〜10
0重量%であるのが特に好ましい。本発明において「ゲ
ル分率」とは、水系の樹脂を50℃で48時間保持して
得られるフィルムを基準(100重量%)とし、そのフ
ィルムを大気圧下でアセトンを還流しつつ2時間抽出し
て得られる不溶分の重量%をいう。
ル分率は、40〜100重量%であるのが好ましく、5
0〜100重量%であるのがより好ましく、70〜10
0重量%であるのが特に好ましい。本発明において「ゲ
ル分率」とは、水系の樹脂を50℃で48時間保持して
得られるフィルムを基準(100重量%)とし、そのフ
ィルムを大気圧下でアセトンを還流しつつ2時間抽出し
て得られる不溶分の重量%をいう。
【0041】(A)水系ラジカル重合型樹脂のアセトン
に可溶な成分の数平均分子量は、10万以上であるのが
好ましく、10万〜200万であるのがより好ましく、
10万〜100万であるのが更により好ましく、10万
〜50万であるのが特に好ましい。本発明において、
「アセトンに可溶な成分」とは、ゲル分率の測定を行う
際に、水系の樹脂を50℃で48時間保持して得られた
フィルムをアセトンを還流しつつ2時間の抽出すること
によって抽出される成分をいう。また、その数平均分子
量は、上記抽出された成分を、ジメチルホルムアミドに
溶解して1%溶液とし、Waters社製GPCシステ
ムを用いて、ジメチルホルムアミドを移動層として、測
定した値をいう。
に可溶な成分の数平均分子量は、10万以上であるのが
好ましく、10万〜200万であるのがより好ましく、
10万〜100万であるのが更により好ましく、10万
〜50万であるのが特に好ましい。本発明において、
「アセトンに可溶な成分」とは、ゲル分率の測定を行う
際に、水系の樹脂を50℃で48時間保持して得られた
フィルムをアセトンを還流しつつ2時間の抽出すること
によって抽出される成分をいう。また、その数平均分子
量は、上記抽出された成分を、ジメチルホルムアミドに
溶解して1%溶液とし、Waters社製GPCシステ
ムを用いて、ジメチルホルムアミドを移動層として、測
定した値をいう。
【0042】(A)水系ラジカル重合型樹脂が水酸基を
含有する場合、(A)水系ラジカル重合型樹脂の水酸基
価は、2〜200mgKOH/gであるのが好ましく、
10〜200mgKOH/gであるのがより好ましく、
20〜200mgKOH/gであるのが特に好ましい。
尚、本発明において「水酸基価」とは、水系の樹脂を5
0℃で48時間保持して得られるフィルムの水酸基価の
ことをいう。
含有する場合、(A)水系ラジカル重合型樹脂の水酸基
価は、2〜200mgKOH/gであるのが好ましく、
10〜200mgKOH/gであるのがより好ましく、
20〜200mgKOH/gであるのが特に好ましい。
尚、本発明において「水酸基価」とは、水系の樹脂を5
0℃で48時間保持して得られるフィルムの水酸基価の
ことをいう。
【0043】更に、本発明に係る(A)水系ラジカル重
合型樹脂に、通常、水系アクリル樹脂の製造の際に一般
的に用いられる添加剤、例えば、可塑剤、酸化防止剤、
UV吸収剤、ラジカル捕捉剤、消泡剤、分散剤、顔料、
増粘剤及び/又は防腐剤等を適宜添加してもよい。これ
らは、(A)水系ラジカル重合型樹脂の性能に応じて適
宜選択することができ、単独で又は組み合わせて使用す
ることができる。
合型樹脂に、通常、水系アクリル樹脂の製造の際に一般
的に用いられる添加剤、例えば、可塑剤、酸化防止剤、
UV吸収剤、ラジカル捕捉剤、消泡剤、分散剤、顔料、
増粘剤及び/又は防腐剤等を適宜添加してもよい。これ
らは、(A)水系ラジカル重合型樹脂の性能に応じて適
宜選択することができ、単独で又は組み合わせて使用す
ることができる。
【0044】本発明に係る(A)水系ラジカル重合型樹
脂は、通常、例えば、水等の水性媒体に、上述の単量体
が分散もしくは溶解している、水性媒体を含む流体(例
えば、水溶液のような溶液、水分散液のような分散液)
の形態を有する。本発明に係るバインダーを製造するに
際し、この流体の形態の(A)水系ラジカル重合型樹脂
から水等の水性媒体を除去して得られる、水性媒体を実
質的に含まない固体の形態、ワックス状の形態等の樹脂
を用いてもよいが、バインダーを実際に使用する際に
は、バインダーを水等の水性媒体に溶解又は分散させる
ことが必要であるから、(A)水系ラジカル重合型樹脂
は、水性媒体を含む流体の形態で使用するのが好まし
い。
脂は、通常、例えば、水等の水性媒体に、上述の単量体
が分散もしくは溶解している、水性媒体を含む流体(例
えば、水溶液のような溶液、水分散液のような分散液)
の形態を有する。本発明に係るバインダーを製造するに
際し、この流体の形態の(A)水系ラジカル重合型樹脂
から水等の水性媒体を除去して得られる、水性媒体を実
質的に含まない固体の形態、ワックス状の形態等の樹脂
を用いてもよいが、バインダーを実際に使用する際に
は、バインダーを水等の水性媒体に溶解又は分散させる
ことが必要であるから、(A)水系ラジカル重合型樹脂
は、水性媒体を含む流体の形態で使用するのが好まし
い。
【0045】本発明のバインダーにおいて、「(B)水
系ウレタン樹脂」とは、いわゆる水系のウレタン樹脂で
あれば、本発明が目的とするバインダーを得ることがで
きる限り、特に制限されるものではない。
系ウレタン樹脂」とは、いわゆる水系のウレタン樹脂で
あれば、本発明が目的とするバインダーを得ることがで
きる限り、特に制限されるものではない。
【0046】(B)水系ウレタン樹脂は、通常、水系ウ
レタン樹脂が製造される方法を用いて製造することがで
きる。例えば、(B)水系ウレタン樹脂として、(b
1)2個の水酸基を有する化合物、及び(b2)2個の
イソシアネート基を有する化合物を反応して得られるウ
レタン樹脂を例示できる。
レタン樹脂が製造される方法を用いて製造することがで
きる。例えば、(B)水系ウレタン樹脂として、(b
1)2個の水酸基を有する化合物、及び(b2)2個の
イソシアネート基を有する化合物を反応して得られるウ
レタン樹脂を例示できる。
【0047】「(b1)2個の水酸基を有する化合物」
(以下「単量体(b1)」ともいう)とは、(B)水系
ウレタン樹脂の主鎖を構成する主成分であり、ポリウレ
タン工業において一般的に知られているジオール類であ
る。
(以下「単量体(b1)」ともいう)とは、(B)水系
ウレタン樹脂の主鎖を構成する主成分であり、ポリウレ
タン工業において一般的に知られているジオール類であ
る。
【0048】単量体(b1)として、以下のジオールを
例示できる: (b1−1)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマール酸、フタ
ル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の1種以上と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジール、
ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ス
ピログリコール等のジオール類の1種以上を重縮合させ
て得られるポリエステルジオール、ラクトン類の開環重
合により得られるポリエステルジオール等のポリエステ
ルジオール類; (b1−2)水、上述のポリエステルジオール類の製造
に使用するジオール、ビスフェノールA等の2個の水酸
基を有する芳香族化合物、一級又はニ級アミン類にエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン又はテ
トラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させ
て得られるジオール、ポリオキシエチレンジオール、ポ
リオキシプロピレンジオール、ポリオキシテトラメチレ
ンジオール、ビスフェノールAにプロピレンオキシド又
はエチレンオキシドのいずれか一方を開環付加重合させ
たジオール(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体のいずれでもよい。)等のポリエーテル
ジオール類; (b1−3)ポリカーボネートジオール類。
例示できる: (b1−1)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマール酸、フタ
ル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の1種以上と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジール、
ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ス
ピログリコール等のジオール類の1種以上を重縮合させ
て得られるポリエステルジオール、ラクトン類の開環重
合により得られるポリエステルジオール等のポリエステ
ルジオール類; (b1−2)水、上述のポリエステルジオール類の製造
に使用するジオール、ビスフェノールA等の2個の水酸
基を有する芳香族化合物、一級又はニ級アミン類にエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン又はテ
トラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させ
て得られるジオール、ポリオキシエチレンジオール、ポ
リオキシプロピレンジオール、ポリオキシテトラメチレ
ンジオール、ビスフェノールAにプロピレンオキシド又
はエチレンオキシドのいずれか一方を開環付加重合させ
たジオール(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体のいずれでもよい。)等のポリエーテル
ジオール類; (b1−3)ポリカーボネートジオール類。
【0049】単量体(b1)として、特に、(1)アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸の1種以
上とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コールの1種以上を重縮合させて得られるポリエステル
ジオール、(2)ラクトン類の開環重合により得られる
ポリエステルジオール、(3)ポリオキシプロピレンジ
オール、ポリオキシテトラメチレンジオール、ビスフェ
ノールAにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを
付加させたジオール等のポリエーテルジオール、並びに
(4)ポリカーボネートジオールが好ましい。単量体
(b1)は、所望の(B)水系ウレタン樹脂の性能に応
じて適宜選択することができ、単独で又は組み合わせて
使用することができる。
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸の1種以
上とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コールの1種以上を重縮合させて得られるポリエステル
ジオール、(2)ラクトン類の開環重合により得られる
ポリエステルジオール、(3)ポリオキシプロピレンジ
オール、ポリオキシテトラメチレンジオール、ビスフェ
ノールAにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを
付加させたジオール等のポリエーテルジオール、並びに
(4)ポリカーボネートジオールが好ましい。単量体
(b1)は、所望の(B)水系ウレタン樹脂の性能に応
じて適宜選択することができ、単独で又は組み合わせて
使用することができる。
【0050】「(b2)2個のイソシアネート基を有す
る化合物」(以下「単量体(b2)」ともいう)とは、
(B)の主鎖を構成する主成分であり、ポリウレタン工
業において一般的に知られているジイソシアネート類で
ある。
る化合物」(以下「単量体(b2)」ともいう)とは、
(B)の主鎖を構成する主成分であり、ポリウレタン工
業において一般的に知られているジイソシアネート類で
ある。
【0051】単量体(b2)として、以下の化合物を例
示できる: (b2−1)エチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート類; (b2−2)水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等
の脂環式ジイソシアネート類;並びに (b2−3)1,4−フェニレンジイソシアネート、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシネート、キシ
レンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類。
示できる: (b2−1)エチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート類; (b2−2)水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等
の脂環式ジイソシアネート類;並びに (b2−3)1,4−フェニレンジイソシアネート、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシネート、キシ
レンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類。
【0052】単量体(b2)として、特に、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ノルボルナンジイソシアネート等が好まし
い。単量体(b2)は、所望の(B)水系ウレタン樹脂
の性能に応じて適宜選択することができ、単独で又は組
み合わせて使用することができる。
キサメチレンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ノルボルナンジイソシアネート等が好まし
い。単量体(b2)は、所望の(B)水系ウレタン樹脂
の性能に応じて適宜選択することができ、単独で又は組
み合わせて使用することができる。
【0053】(B)水系ウレタン樹脂は、架橋構造を有
するのが好ましい。この場合、(B)水系ウレタン樹脂
は、例えば、(b3)活性水素を含有する官能基と加水
分解性のシリル基を有する化合物であって、活性水素を
含有する官能基の数J(Jは1以上の整数)と加水分解
性のシリル基が加水分解することによって生ずるケイ素
に結合するヒドロキシル基の数K(Kは1以上の整数)
の和(J+K)が3以上である化合物(以下「単量体
(b3)」ともいう)、(b4)3個以上の一級及び/
もしくは二級アミノ基を有する化合物(以下「単量体
(b4)」ともいう)、(b5)3個以上の水酸基を有
する化合物(以下「単量体(b5)」ともいう)、並び
に(b6)3個以上のイソシアネート基を有する化合物
(以下「単量体(b6)」ともいう)等から選択される
少なくとも1種を、上述の単量体(b1)及び(b2)
と併用して反応することで製造できる。
するのが好ましい。この場合、(B)水系ウレタン樹脂
は、例えば、(b3)活性水素を含有する官能基と加水
分解性のシリル基を有する化合物であって、活性水素を
含有する官能基の数J(Jは1以上の整数)と加水分解
性のシリル基が加水分解することによって生ずるケイ素
に結合するヒドロキシル基の数K(Kは1以上の整数)
の和(J+K)が3以上である化合物(以下「単量体
(b3)」ともいう)、(b4)3個以上の一級及び/
もしくは二級アミノ基を有する化合物(以下「単量体
(b4)」ともいう)、(b5)3個以上の水酸基を有
する化合物(以下「単量体(b5)」ともいう)、並び
に(b6)3個以上のイソシアネート基を有する化合物
(以下「単量体(b6)」ともいう)等から選択される
少なくとも1種を、上述の単量体(b1)及び(b2)
と併用して反応することで製造できる。
【0054】架橋構造を有する(B)水系ウレタン樹脂
は、特に、単量体(b3)、単量体(b4)並びに単量
体(b5)化合物から選択される少なくとも1種を併用
して反応することで製造するのが好ましい。
は、特に、単量体(b3)、単量体(b4)並びに単量
体(b5)化合物から選択される少なくとも1種を併用
して反応することで製造するのが好ましい。
【0055】架橋構造を有する(B)水系ウレタン樹脂
の製造に、単量体(b3)を用いると、「架橋構造」
は、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリ
ル基、及びジメトキシメチルシリル基等の加水分解性の
シリル基同士の縮合によって誘導され、2つの加水分解
性シリル基同士の反応によるシロキサン(Si−O−S
i)結合を有すると考えられる。単量体(b4)並びに
単量体(b5)を用いると、「架橋構造」は、アミノ基
及び水酸基と、架橋構造を有する水系ウレタン樹脂の製
造過程において存在するイソシアネート基との反応によ
って誘導される。更に、単量体(b6)を用いると、
「架橋構造」は、イソシアネート基と架橋構造を有する
水系ウレタン樹脂の製造過程において存在する水酸基と
の反応によって誘導される。シロキサン結合により形成
される架橋構造が、耐候性及び耐水性等の観点から特に
好ましい。架橋構造を有する水系ウレタン樹脂は、架橋
構造を与える化合物等を併用して通常の水系ウレタン樹
脂の製造方法を用いて製造することができる。
の製造に、単量体(b3)を用いると、「架橋構造」
は、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリ
ル基、及びジメトキシメチルシリル基等の加水分解性の
シリル基同士の縮合によって誘導され、2つの加水分解
性シリル基同士の反応によるシロキサン(Si−O−S
i)結合を有すると考えられる。単量体(b4)並びに
単量体(b5)を用いると、「架橋構造」は、アミノ基
及び水酸基と、架橋構造を有する水系ウレタン樹脂の製
造過程において存在するイソシアネート基との反応によ
って誘導される。更に、単量体(b6)を用いると、
「架橋構造」は、イソシアネート基と架橋構造を有する
水系ウレタン樹脂の製造過程において存在する水酸基と
の反応によって誘導される。シロキサン結合により形成
される架橋構造が、耐候性及び耐水性等の観点から特に
好ましい。架橋構造を有する水系ウレタン樹脂は、架橋
構造を与える化合物等を併用して通常の水系ウレタン樹
脂の製造方法を用いて製造することができる。
【0056】「(b3)活性水素を含有する官能基と加
水分解性のシリル基を有する化合物であって、活性水素
を含有する官能基の数J(Jは1以上の整数)と加水分
解性のシリル基が加水分解することによって生ずるケイ
素に結合するヒドロキシル基の数K(Kは1以上の整
数)の和(J+K)が3以上である化合物」とは、
(B)水系ウレタン樹脂の製造過程において存在するイ
ソシアネート基に単量体(b3)の活性水素を含有する
官能基が反応して、水系ウレタン樹脂に加水分解性のシ
リル基を導入できる化合物をいい、この導入された加水
分解性のシリル基同士の間にシロキサン結合が生じ、そ
の結果水性ウレタン樹脂がシロキサン結合を介する架橋
構造を有することとなる化合物をいう。
水分解性のシリル基を有する化合物であって、活性水素
を含有する官能基の数J(Jは1以上の整数)と加水分
解性のシリル基が加水分解することによって生ずるケイ
素に結合するヒドロキシル基の数K(Kは1以上の整
数)の和(J+K)が3以上である化合物」とは、
(B)水系ウレタン樹脂の製造過程において存在するイ
ソシアネート基に単量体(b3)の活性水素を含有する
官能基が反応して、水系ウレタン樹脂に加水分解性のシ
リル基を導入できる化合物をいい、この導入された加水
分解性のシリル基同士の間にシロキサン結合が生じ、そ
の結果水性ウレタン樹脂がシロキサン結合を介する架橋
構造を有することとなる化合物をいう。
【0057】ここで、「活性水素を含有する官能基」と
は、イソシアネート基と反応する水素を含有する官能
基、例えば、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2、
−NH−)、メルカプト基(−SH)、カルボキシル基
(−COOH)、アミド基(−NHCO−)、ウレア基
(−NHCONH−)、及びウレタン基(−NHCOO
−)等をいい、特に、水酸基、アミノ基、メルカプト基
が好ましい。
は、イソシアネート基と反応する水素を含有する官能
基、例えば、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2、
−NH−)、メルカプト基(−SH)、カルボキシル基
(−COOH)、アミド基(−NHCO−)、ウレア基
(−NHCONH−)、及びウレタン基(−NHCOO
−)等をいい、特に、水酸基、アミノ基、メルカプト基
が好ましい。
【0058】ここで、「加水分解性のシリル基」とは、
加水分解することによってケイ素に結合するヒドロキシ
ル基(Si−OH)を与えるケイ素含有の官能基、例え
ば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジ
メトキシメチルシリル基、ジメトキシメチルシリル基、
ジエトキシシリル基、モノエトキシシリル基、及びモノ
メトキシシリル基等のアルコキシシリル基をいい、特
に、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジ
メトキシシリル基、及びジエトキシシリル基が好まし
い。
加水分解することによってケイ素に結合するヒドロキシ
ル基(Si−OH)を与えるケイ素含有の官能基、例え
ば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジ
メトキシメチルシリル基、ジメトキシメチルシリル基、
ジエトキシシリル基、モノエトキシシリル基、及びモノ
メトキシシリル基等のアルコキシシリル基をいい、特
に、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジ
メトキシシリル基、及びジエトキシシリル基が好まし
い。
【0059】単量体(b3)として具体的に、好ましく
は、式(II):
は、式(II):
【化2】
[R2は、−SH、−NH2、−NHC2H4NH2、−N
HCONH2、X2は、−(CH2)r−、(但し、rは、
0から3の整数)、Y2は、−OCH3もしくは−OC2
H5又は−O(CH2)s−O(CH2)t−H、(但し、
s、tは、1から3の整数)、Z2は、−(CH2)u−
H(但し、uは、0から3の整数)、bは、0から2の
整数である。]で示される化合物を例示できる。
HCONH2、X2は、−(CH2)r−、(但し、rは、
0から3の整数)、Y2は、−OCH3もしくは−OC2
H5又は−O(CH2)s−O(CH2)t−H、(但し、
s、tは、1から3の整数)、Z2は、−(CH2)u−
H(但し、uは、0から3の整数)、bは、0から2の
整数である。]で示される化合物を例示できる。
【0060】ここで、式(II)において、R2は活性
水素を含有する官能基を有し、Si−(Y2)3-bは加
水分解性のシリル基を示す。但し、式(II)の化合物
が、水系ウレタン樹脂に架橋構造を導入するためには、
活性水素を含有する官能基の数J(Jは1以上の整数)
と加水分解性のシリル基が加水分解することによって生
ずるケイ素に結合するヒドロキシル基の数K(Kは1以
上の整数)の和(J+K)が3以上であることが必要で
ある。尚、R 2が有する活性水素を含有する官能基の数
Jは、具体的には、−SHについては1、−NH2につ
いては1、−NHC2H4NH2については2、−NHC
ONH2については2である。また、加水分解性のシリ
ル基が加水分解することによって生ずるケイ素に結合す
るヒドロキシル基の数Kは、bが0のときは3、bが1
のときは2、bが2のときは1である。
水素を含有する官能基を有し、Si−(Y2)3-bは加
水分解性のシリル基を示す。但し、式(II)の化合物
が、水系ウレタン樹脂に架橋構造を導入するためには、
活性水素を含有する官能基の数J(Jは1以上の整数)
と加水分解性のシリル基が加水分解することによって生
ずるケイ素に結合するヒドロキシル基の数K(Kは1以
上の整数)の和(J+K)が3以上であることが必要で
ある。尚、R 2が有する活性水素を含有する官能基の数
Jは、具体的には、−SHについては1、−NH2につ
いては1、−NHC2H4NH2については2、−NHC
ONH2については2である。また、加水分解性のシリ
ル基が加水分解することによって生ずるケイ素に結合す
るヒドロキシル基の数Kは、bが0のときは3、bが1
のときは2、bが2のときは1である。
【0061】このような活性水素を含有する官能基と加
水分解性のシリル基を有する化合物として、例えば、以
下の化合物を例示できる: (b3−1)3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、、3−メ
ルカプトプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン等のω−メルカプトアルキルトリアルコキシシラン類
及びω−メルカプトアルキルアルキルアルコキシシラン
類; (b3−2)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リス(2−メトキシエトキシ)シラン等のω−アミノア
ルキルトリアルコキシシラン類及びω−アミノアルキル
アルキルアルコキシシラン類; (b3−3)N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のN−(2
−アミノエチル)−ω−アミノアルキルトリアルコキシ
シラン類及びN−(2−アミノエチル)−ω−アミノア
ルキルアルキルアルコキシシラン類; (b3−4)3−ユレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、3−ユレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ユ
レイドプロピルメチルジメトキシシラン、3−ユレイド
プロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等の3
−ユレイドアルキルトリアルコキシシラン類及び3−ユ
レイドアルキルアルキルアルコキシシラン類。特に、
(b3−2)及び(b3−3)のアミノ基含有アルコキ
シシラン類が好ましい。単量体(a3)は、所望の
(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選択するこ
とができ、単独で又は組み合わせて使用することができ
る。
水分解性のシリル基を有する化合物として、例えば、以
下の化合物を例示できる: (b3−1)3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、、3−メ
ルカプトプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン等のω−メルカプトアルキルトリアルコキシシラン類
及びω−メルカプトアルキルアルキルアルコキシシラン
類; (b3−2)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リス(2−メトキシエトキシ)シラン等のω−アミノア
ルキルトリアルコキシシラン類及びω−アミノアルキル
アルキルアルコキシシラン類; (b3−3)N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のN−(2
−アミノエチル)−ω−アミノアルキルトリアルコキシ
シラン類及びN−(2−アミノエチル)−ω−アミノア
ルキルアルキルアルコキシシラン類; (b3−4)3−ユレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、3−ユレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ユ
レイドプロピルメチルジメトキシシラン、3−ユレイド
プロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等の3
−ユレイドアルキルトリアルコキシシラン類及び3−ユ
レイドアルキルアルキルアルコキシシラン類。特に、
(b3−2)及び(b3−3)のアミノ基含有アルコキ
シシラン類が好ましい。単量体(a3)は、所望の
(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選択するこ
とができ、単独で又は組み合わせて使用することができ
る。
【0062】「(b4)3個以上の一級及び/もしくは
二級のアミノ基を有する化合物」とは、3個以上の一級
及び/もしくは二級のアミノ基を有し、(B)の製造過
程において存在するイソシアネート基に反応する化合物
である。単量体(b4)とは、その結果(B)水系ウレ
タン樹脂に単量体(b4)を介する架橋構造を提供する
こととなる化合物をいう。単量体(b4)として、ビス
(3−アミノプロピル)アミン及びN,N’−ビス(3
−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン等を例
示することができ、特に、ビス(3−アミノプロピル)
アミンが好ましい。単量体(b4)は、所望の(B)水
系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選択することがで
き、単独で又は組み合わせて使用することができる。
二級のアミノ基を有する化合物」とは、3個以上の一級
及び/もしくは二級のアミノ基を有し、(B)の製造過
程において存在するイソシアネート基に反応する化合物
である。単量体(b4)とは、その結果(B)水系ウレ
タン樹脂に単量体(b4)を介する架橋構造を提供する
こととなる化合物をいう。単量体(b4)として、ビス
(3−アミノプロピル)アミン及びN,N’−ビス(3
−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン等を例
示することができ、特に、ビス(3−アミノプロピル)
アミンが好ましい。単量体(b4)は、所望の(B)水
系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選択することがで
き、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0063】また「(b5)3個以上の一級及び/もし
くは二級の水酸基を有する化合物」とは、3個以上の一
級及び/もしくは二級の水酸基を有し、(B)水系ウレ
タン樹脂の製造過程において存在するイソシアネート基
に反応する化合物である。単量体(b5)とは、その結
果(B)水系ウレタン樹脂に単量体(b5)を介する架
橋構造を提供することとなる化合物である。単量体(b
5)として、トリメチロールプロパン、グリセリン等を
例示することができる。
くは二級の水酸基を有する化合物」とは、3個以上の一
級及び/もしくは二級の水酸基を有し、(B)水系ウレ
タン樹脂の製造過程において存在するイソシアネート基
に反応する化合物である。単量体(b5)とは、その結
果(B)水系ウレタン樹脂に単量体(b5)を介する架
橋構造を提供することとなる化合物である。単量体(b
5)として、トリメチロールプロパン、グリセリン等を
例示することができる。
【0064】「(b6)3個以上のイソシアネート基を
有する化合物」とは、3個以上のイソシアネート基を有
し、(B)水系ウレタン樹脂の製造過程において存在す
る水酸基に単量体(b6)が反応する化合物である。単
量体(b6)とは、その結果目的とする(B)水系ウレ
タン樹脂に単量体(b6)を介する架橋構造を提供する
こととなる化合物である。単量体(b6)として、ヘキ
サメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イ
ソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ポリ
メリックMDI(メチレンジイソシアネート)等を例示
できる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソ
シアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシ
アヌレート体が好ましい。単量体(b6)は、所望の
(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選択するこ
とができ、単独で又は組み合わせて使用することができ
る。
有する化合物」とは、3個以上のイソシアネート基を有
し、(B)水系ウレタン樹脂の製造過程において存在す
る水酸基に単量体(b6)が反応する化合物である。単
量体(b6)とは、その結果目的とする(B)水系ウレ
タン樹脂に単量体(b6)を介する架橋構造を提供する
こととなる化合物である。単量体(b6)として、ヘキ
サメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イ
ソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ポリ
メリックMDI(メチレンジイソシアネート)等を例示
できる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソ
シアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシ
アヌレート体が好ましい。単量体(b6)は、所望の
(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選択するこ
とができ、単独で又は組み合わせて使用することができ
る。
【0065】本願のバインダーを後述する二液型のバイ
ンダーとして使用する場合、(B)水系ウレタン樹脂
は、水酸基を含有するのが好ましい。水酸基含有(B)
水系ウレタン樹脂は、例えば、「(b7)水酸基を含有
する一級及び/もしくは二級アミノ化合物」(以下「単
量体(b7)」ともいう)を、上述の単量体(b1)及
び(b2)と併用して反応することで製造できる。 (b7)「水酸基を含有する一級及び/もしくは二級ア
ミノ化合物」とは、少なくとも1個以上の水酸基と少な
くとも1個以上の一級及び/もしくは二級のアミノ基を
有する化合物であって、一級及び/もしくは二級のアミ
ノ基が、(B)水系ウレタン樹脂の製造過程において存
在するイソシアネート基と反応し、その結果目的とする
(B)水系ウレタン樹脂の水酸基を提供することとなる
化合物である。
ンダーとして使用する場合、(B)水系ウレタン樹脂
は、水酸基を含有するのが好ましい。水酸基含有(B)
水系ウレタン樹脂は、例えば、「(b7)水酸基を含有
する一級及び/もしくは二級アミノ化合物」(以下「単
量体(b7)」ともいう)を、上述の単量体(b1)及
び(b2)と併用して反応することで製造できる。 (b7)「水酸基を含有する一級及び/もしくは二級ア
ミノ化合物」とは、少なくとも1個以上の水酸基と少な
くとも1個以上の一級及び/もしくは二級のアミノ基を
有する化合物であって、一級及び/もしくは二級のアミ
ノ基が、(B)水系ウレタン樹脂の製造過程において存
在するイソシアネート基と反応し、その結果目的とする
(B)水系ウレタン樹脂の水酸基を提供することとなる
化合物である。
【0066】単量体(b7)として、例えば、ジエタノ
ールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、
ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、2−メチ
ルアミノエタノール、2−(2−アミノ)エトキシエタ
ノール、ヘキサノールアミン、及びペンタノールアミン
を例示できる。特に、エタノールアミン、プロパノール
アミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミン、及び
ジプロパノールアミン等が好ましい。単量体(b7)
は、所望の(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜
選択することができ、単独で又は組み合わせて使用でき
る。
ールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、
ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、2−メチ
ルアミノエタノール、2−(2−アミノ)エトキシエタ
ノール、ヘキサノールアミン、及びペンタノールアミン
を例示できる。特に、エタノールアミン、プロパノール
アミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミン、及び
ジプロパノールアミン等が好ましい。単量体(b7)
は、所望の(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜
選択することができ、単独で又は組み合わせて使用でき
る。
【0067】本願のバインダーを後述する二液型のバイ
ンダーとして使用する場合、(B)水系ウレタン樹脂
は、架橋構造を有し水酸基を含有するのがより好まし
い。架橋構造を有し水酸基を含有する(B)水系ウレタ
ン樹脂は、例えば、単量体(b3)〜(b6)から選択
される少なくとも一種及び単量体(b7)を、単量体
(b1)及び(b2)と併用して反応することで製造で
きる。
ンダーとして使用する場合、(B)水系ウレタン樹脂
は、架橋構造を有し水酸基を含有するのがより好まし
い。架橋構造を有し水酸基を含有する(B)水系ウレタ
ン樹脂は、例えば、単量体(b3)〜(b6)から選択
される少なくとも一種及び単量体(b7)を、単量体
(b1)及び(b2)と併用して反応することで製造で
きる。
【0068】この場合、(B)水系ウレタン樹脂の製造
に使用する単量体の総和、即ち、((b1)+(b2)+
(b3)〜(b6)+(b7))を100重量%とする
と、(b1)は、20〜89重量%使用されるのが好ま
しく、30〜75重量%使用されるのがより好ましく、
40〜70重量%使用されるのが特に好ましい。(b
2)は、10〜50重量%使用されるのが好ましく、1
5〜45重量%使用されるのがより好ましく、20〜4
0重量%使用されるのが特に好ましい。(b7)は、
0.5〜10重量%使用されるのが好ましく、0.5〜
8重量%使用されるのがより好ましく、1〜5重量%使
用されるのが特に好ましい。(b3)〜(b6)から選
択される少なくとも1種は、0.5〜20重量%使用さ
れるのが好ましく、0.5〜15重量%使用されるのが
より好ましく、0.5〜10重量%使用されるのが特に
好ましい。
に使用する単量体の総和、即ち、((b1)+(b2)+
(b3)〜(b6)+(b7))を100重量%とする
と、(b1)は、20〜89重量%使用されるのが好ま
しく、30〜75重量%使用されるのがより好ましく、
40〜70重量%使用されるのが特に好ましい。(b
2)は、10〜50重量%使用されるのが好ましく、1
5〜45重量%使用されるのがより好ましく、20〜4
0重量%使用されるのが特に好ましい。(b7)は、
0.5〜10重量%使用されるのが好ましく、0.5〜
8重量%使用されるのがより好ましく、1〜5重量%使
用されるのが特に好ましい。(b3)〜(b6)から選
択される少なくとも1種は、0.5〜20重量%使用さ
れるのが好ましく、0.5〜15重量%使用されるのが
より好ましく、0.5〜10重量%使用されるのが特に
好ましい。
【0069】本発明に係る(B)水系ウレタン樹脂は、
ポリウレタンを製造する際に通常使用される溶剤を使用
して、常法を用い、適宜触媒を用いて、上述の単量体を
重合した後、溶剤を水性媒体に置換することによって製
造することができる。このような製造方法として、例え
ば、技術情報協会編、最新ポリウレタンの合成:配合と
機能化・用途展開、4.25.2項、(株)技術情報協
会出版(1989年発行)に記載の方法を例示すること
ができる。なお、本引用により、その記載内容は、本明
細書の内容をなす。(B)水系ウレタン樹脂の製造に関
する反応温度、反応時間、反応媒体中の単量体混合物の
組成及び濃度、単量体の反応順序、触媒の種類及び濃度
並びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする(B)
水系ウレタン樹脂の特性等によって適宜選択され得るも
のである。
ポリウレタンを製造する際に通常使用される溶剤を使用
して、常法を用い、適宜触媒を用いて、上述の単量体を
重合した後、溶剤を水性媒体に置換することによって製
造することができる。このような製造方法として、例え
ば、技術情報協会編、最新ポリウレタンの合成:配合と
機能化・用途展開、4.25.2項、(株)技術情報協
会出版(1989年発行)に記載の方法を例示すること
ができる。なお、本引用により、その記載内容は、本明
細書の内容をなす。(B)水系ウレタン樹脂の製造に関
する反応温度、反応時間、反応媒体中の単量体混合物の
組成及び濃度、単量体の反応順序、触媒の種類及び濃度
並びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする(B)
水系ウレタン樹脂の特性等によって適宜選択され得るも
のである。
【0070】(B)水系ウレタン樹脂が、架橋構造を有
する場合、単量体(b1)及び(b2)を反応させてウ
レタン樹脂の骨格を形成するウレタンプレポリマーを製
造後、単量体(b3)〜(b6)から選択される少なく
とも1種を反応させる架橋構造の形成反応を行うのが好
ましい。(B)水系ウレタン樹脂が、水酸基を含有する
場合、単量体(b1)及び(b2)を反応させてウレタ
ン樹脂の骨格を形成するウレタンプレポリマーを製造
後、単量体(b7)を反応させる水酸基導入反応を行う
のが好ましい。
する場合、単量体(b1)及び(b2)を反応させてウ
レタン樹脂の骨格を形成するウレタンプレポリマーを製
造後、単量体(b3)〜(b6)から選択される少なく
とも1種を反応させる架橋構造の形成反応を行うのが好
ましい。(B)水系ウレタン樹脂が、水酸基を含有する
場合、単量体(b1)及び(b2)を反応させてウレタ
ン樹脂の骨格を形成するウレタンプレポリマーを製造
後、単量体(b7)を反応させる水酸基導入反応を行う
のが好ましい。
【0071】(B)水系ウレタン樹脂が、架橋構造を有
し水酸基を含有する場合、単量体(b1)及び(b2)
を反応させてウレタン樹脂の骨格を形成するウレタンプ
レポリマーを製造後、単量体(b3)〜(b6)から選
択される少なくとも1種を反応させる架橋構造の形成反
応と、単量体(b7)を反応させる水酸基導入反応を行
うのが好ましい。なお、単量体(b3)〜(b6)から
選択される少なくとも1種を反応させる架橋構造の形成
反応と単量体(b7)を反応させる水酸基導入反応は、
いずれを先に行っても、あるいは同時に行ってもよい。
し水酸基を含有する場合、単量体(b1)及び(b2)
を反応させてウレタン樹脂の骨格を形成するウレタンプ
レポリマーを製造後、単量体(b3)〜(b6)から選
択される少なくとも1種を反応させる架橋構造の形成反
応と、単量体(b7)を反応させる水酸基導入反応を行
うのが好ましい。なお、単量体(b3)〜(b6)から
選択される少なくとも1種を反応させる架橋構造の形成
反応と単量体(b7)を反応させる水酸基導入反応は、
いずれを先に行っても、あるいは同時に行ってもよい。
【0072】(B)水系ウレタン樹脂の製造に使用する
「触媒」は、ウレタン樹脂の製造に使用することができ
るものであれば特に限定されないが、ポリウレタン工業
において周知の重合触媒を使用することができ、例え
ば、[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABC
O)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリ
ン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等の三級アミ
ン類、ジブチルチン(錫)ジラウレート等の有機金属類
等を例示することができる。
「触媒」は、ウレタン樹脂の製造に使用することができ
るものであれば特に限定されないが、ポリウレタン工業
において周知の重合触媒を使用することができ、例え
ば、[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABC
O)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリ
ン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等の三級アミ
ン類、ジブチルチン(錫)ジラウレート等の有機金属類
等を例示することができる。
【0073】さらに、(B)水系ウレタン樹脂の安定性
(水性媒体中の樹脂の分散安定性及び/もしくは相分離
防止)を向上するために、水系ウレタン樹脂の製造に通
常用いられる方法を用いることができる。即ち、ウレタ
ン樹脂の骨格に親水性の官能基を導入することによって
ウレタン樹脂そのものに親水性を付与してウレタン樹脂
自身の水性媒体中での分散安定性を向上し相分離を防止
する方法(自己乳化)又は水性ウレタン樹脂の製造に際
し使用される乳化剤(界面活性剤)を(B)水系ウレタ
ン樹脂に添加する方法(強制乳化)を用いることができ
る。これらの方法は、単独で又は組み合わせて用いるこ
とができる。
(水性媒体中の樹脂の分散安定性及び/もしくは相分離
防止)を向上するために、水系ウレタン樹脂の製造に通
常用いられる方法を用いることができる。即ち、ウレタ
ン樹脂の骨格に親水性の官能基を導入することによって
ウレタン樹脂そのものに親水性を付与してウレタン樹脂
自身の水性媒体中での分散安定性を向上し相分離を防止
する方法(自己乳化)又は水性ウレタン樹脂の製造に際
し使用される乳化剤(界面活性剤)を(B)水系ウレタ
ン樹脂に添加する方法(強制乳化)を用いることができ
る。これらの方法は、単独で又は組み合わせて用いるこ
とができる。
【0074】自己乳化による方法は、得られる皮膜の密
着性及び耐水性の向上等の観点からも好ましい。「(b
8)ウレタン樹脂の骨格に親水性の官能基を導入する単
量体」とは、自己乳化による(B)水系ウレタン樹脂の
安定性の向上を目的として、1個以上の活性水素を含む
官能基と、親水性の官能基を有する化合物をいう。
着性及び耐水性の向上等の観点からも好ましい。「(b
8)ウレタン樹脂の骨格に親水性の官能基を導入する単
量体」とは、自己乳化による(B)水系ウレタン樹脂の
安定性の向上を目的として、1個以上の活性水素を含む
官能基と、親水性の官能基を有する化合物をいう。
【0075】単量体(b8)として、例えば、以下の単
量体を例示できる: (b8−1)N−メチルジエタノールアミン、N−ブチ
ルジエタノールアミン等のカチオン性の親水基を付与す
る単量体; (b8−2)ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール
ブタン酸等のジヒドロキシルカルボン酸類、1−カルボ
キシ−1,5−ジアミノペンタン等のジアミノカルボン
酸類、ジヒドロキシスルホン酸類、及びジアミノスルホ
ン酸類等のアニオン性の親水基を付与する単量体、;並
びに (b8−3)ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合
体等のノニオン性の親水基を付与する単量体。
量体を例示できる: (b8−1)N−メチルジエタノールアミン、N−ブチ
ルジエタノールアミン等のカチオン性の親水基を付与す
る単量体; (b8−2)ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール
ブタン酸等のジヒドロキシルカルボン酸類、1−カルボ
キシ−1,5−ジアミノペンタン等のジアミノカルボン
酸類、ジヒドロキシスルホン酸類、及びジアミノスルホ
ン酸類等のアニオン性の親水基を付与する単量体、;並
びに (b8−3)ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合
体等のノニオン性の親水基を付与する単量体。
【0076】単量体(b8)として、特に、ジメチロー
ルプロピオン酸及びジメチロールブタン酸等のアニオン
性の親水基を付与する単量体が好ましい。単量体(b
8)は、(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選
択することができ、単独で又は組み合わせて上述の単量
体(b1)〜(b7)と共に反応させて、ウレタン骨格
に親水性の官能基を導入した(B)水系ウレタン樹脂を
得ることができる。
ルプロピオン酸及びジメチロールブタン酸等のアニオン
性の親水基を付与する単量体が好ましい。単量体(b
8)は、(B)水系ウレタン樹脂の性能に応じて適宜選
択することができ、単独で又は組み合わせて上述の単量
体(b1)〜(b7)と共に反応させて、ウレタン骨格
に親水性の官能基を導入した(B)水系ウレタン樹脂を
得ることができる。
【0077】単量体(b8)は、上述の(B)水系ウレ
タン樹脂の製造に使用する単量体(b1)〜(b7)の
全体を100重量部として、1〜20重量部使用するの
が好ましく、2〜15重量部使用するのがより好まし
く、2〜10重量部使用するのが特に好ましい。
タン樹脂の製造に使用する単量体(b1)〜(b7)の
全体を100重量部として、1〜20重量部使用するの
が好ましく、2〜15重量部使用するのがより好まし
く、2〜10重量部使用するのが特に好ましい。
【0078】(B)水系ウレタン樹脂が、架橋構造を有
する場合、単量体(b1)、(b2)及び(b8)を反
応させて親水性の官能基含有ウレタンプレポリマーを製
造後、このウレタンプレポリマーに単量体(b3)〜
(b6)から選択される少なくとも1種を用いる架橋構
造の形成反応を行うのが好ましい。(B)水系ウレタン
樹脂が、水酸基を含有する場合、単量体(b1)、(b
2)及び(b8)を反応させて親水性の官能基含有ウレ
タンプレポリマーを製造後、このウレタンプレポリマー
に単量体(b7)を用いる水酸基導入反応を行うのが好
ましい。
する場合、単量体(b1)、(b2)及び(b8)を反
応させて親水性の官能基含有ウレタンプレポリマーを製
造後、このウレタンプレポリマーに単量体(b3)〜
(b6)から選択される少なくとも1種を用いる架橋構
造の形成反応を行うのが好ましい。(B)水系ウレタン
樹脂が、水酸基を含有する場合、単量体(b1)、(b
2)及び(b8)を反応させて親水性の官能基含有ウレ
タンプレポリマーを製造後、このウレタンプレポリマー
に単量体(b7)を用いる水酸基導入反応を行うのが好
ましい。
【0079】(B)水系ウレタン樹脂が、架橋構造を有
し水酸基を含有する場合、単量体(b1)、(b2)及
び(b8)を反応させて親水性の官能基含有ウレタンプ
レポリマーを製造後、このウレタンプレポリマーに単量
体(b3)〜(b6)から選択される少なくとも1種を
用いる架橋構造の形成反応と単量体(b7)を用いる水
酸基導入反応を行うのが好ましい。単量体(b7)を用
いる水酸基導入反応と単量体(b3)〜(b6)から選
択される少なくとも1種を用いる架橋構造形成反応は、
いずれを先に行っても、あるいは同時に行ってもよい。
なお、効率よく(B)水系ウレタン樹脂に架橋構造と水
酸基を導入するためには、単量体(b1)及び(b2)
を反応させた後、次に単量体(b8)を反応させ、その
後単量体(b3)〜(b6)から選択される少なくとも
1種を反応させて得られるウレタンプレポリマーを水中
に分散後、最後に単量体(b7)を反応させるのが好ま
しい。
し水酸基を含有する場合、単量体(b1)、(b2)及
び(b8)を反応させて親水性の官能基含有ウレタンプ
レポリマーを製造後、このウレタンプレポリマーに単量
体(b3)〜(b6)から選択される少なくとも1種を
用いる架橋構造の形成反応と単量体(b7)を用いる水
酸基導入反応を行うのが好ましい。単量体(b7)を用
いる水酸基導入反応と単量体(b3)〜(b6)から選
択される少なくとも1種を用いる架橋構造形成反応は、
いずれを先に行っても、あるいは同時に行ってもよい。
なお、効率よく(B)水系ウレタン樹脂に架橋構造と水
酸基を導入するためには、単量体(b1)及び(b2)
を反応させた後、次に単量体(b8)を反応させ、その
後単量体(b3)〜(b6)から選択される少なくとも
1種を反応させて得られるウレタンプレポリマーを水中
に分散後、最後に単量体(b7)を反応させるのが好ま
しい。
【0080】また、(B)水系ウレタン樹脂の製造に際
の強制乳化に使用する「乳化剤」とは、重合反応及び得
られるバインダーの特性に悪影響を与えない乳化剤が好
ましい。スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル
基、ポリオキシエチレン基等を有する化合物及びそれら
の混合物よりからなる群から選ばれる混合物以外に、通
常の界面活性剤も使用することができる。例えば、石
鹸、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤類、ポリオキシアル
キルアリールエーテル、オキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤類等を
例示することができる。
の強制乳化に使用する「乳化剤」とは、重合反応及び得
られるバインダーの特性に悪影響を与えない乳化剤が好
ましい。スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル
基、ポリオキシエチレン基等を有する化合物及びそれら
の混合物よりからなる群から選ばれる混合物以外に、通
常の界面活性剤も使用することができる。例えば、石
鹸、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤類、ポリオキシアル
キルアリールエーテル、オキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤類等を
例示することができる。
【0081】本発明に係る(B)水系ウレタン樹脂の製
造の際、通常のウレタン樹脂の製造の際に一般的に用い
られる鎖延長剤(以下「単量体(b9)」ともいう)を
使用できる。単量体(b9)として、例えば、以下の化
合物を例示できる: (b9−1)エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール等のジオール類;並びに (b9−2)エチレンジアミン、プロピレンジアミン、
ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジ
ン、イソホロンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等のジアミン類。鎖延長剤は、(B)水系ウ
レタン樹脂の性能に応じて適宜選択することができ、単
独で又は組み合わせて使用することができる。
造の際、通常のウレタン樹脂の製造の際に一般的に用い
られる鎖延長剤(以下「単量体(b9)」ともいう)を
使用できる。単量体(b9)として、例えば、以下の化
合物を例示できる: (b9−1)エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール等のジオール類;並びに (b9−2)エチレンジアミン、プロピレンジアミン、
ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジ
ン、イソホロンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等のジアミン類。鎖延長剤は、(B)水系ウ
レタン樹脂の性能に応じて適宜選択することができ、単
独で又は組み合わせて使用することができる。
【0082】(B)水系ウレタン樹脂のゲル分率は、4
0〜100重量%であるのが好ましく、50〜100重
量%であるのがより好ましく、70〜100重量%であ
るのが特に好ましい。(B)水系ウレタン樹脂のアセト
ンに可溶な成分の数平均分子量は、10万以上であるの
が好ましく、10万〜200万であるのがより好まし
く、10万〜100万であるのが更により好ましく、1
0万〜50万であるのが特に好ましい。
0〜100重量%であるのが好ましく、50〜100重
量%であるのがより好ましく、70〜100重量%であ
るのが特に好ましい。(B)水系ウレタン樹脂のアセト
ンに可溶な成分の数平均分子量は、10万以上であるの
が好ましく、10万〜200万であるのがより好まし
く、10万〜100万であるのが更により好ましく、1
0万〜50万であるのが特に好ましい。
【0083】(B)水系ウレタン樹脂が水酸基を含有す
る場合、(B)水系ウレタン樹脂の水酸基価は、2〜2
00mgKOH/gであるのが好ましく、10〜200
mgKOH/gであるのがより好ましく、20〜200
mgKOH/gであるのが特に好ましい。
る場合、(B)水系ウレタン樹脂の水酸基価は、2〜2
00mgKOH/gであるのが好ましく、10〜200
mgKOH/gであるのがより好ましく、20〜200
mgKOH/gであるのが特に好ましい。
【0084】さらに、本発明に係る(B)水系ウレタン
樹脂に、通常の水系ウレタン樹脂の製造の際に一般的に
用いられる添加剤、例えば、酸化防止剤、UV吸収剤、
ラジカル捕捉剤、消泡剤、及び/もしくは防腐剤等を適
宜添加してもよい。これらは、(B)水系ウレタン樹脂
の性能に応じて適宜選択することができ、単独で又は組
み合わせて使用することができる。
樹脂に、通常の水系ウレタン樹脂の製造の際に一般的に
用いられる添加剤、例えば、酸化防止剤、UV吸収剤、
ラジカル捕捉剤、消泡剤、及び/もしくは防腐剤等を適
宜添加してもよい。これらは、(B)水系ウレタン樹脂
の性能に応じて適宜選択することができ、単独で又は組
み合わせて使用することができる。
【0085】本発明に係る(B)水系ウレタン樹脂は、
通常、例えば、水等の水性媒体に、上述の単量体(混合
物)が分散もしくは溶解している、水性媒体を含む流体
(例えば、水溶液のような溶液、水分散液のような分散
液)の形態を有する。本発明に係るバインダーを製造す
るに際し、この流体の形態の(B)水系ウレタン樹脂か
ら水等の水性媒体を除去して得られる、水性媒体を実質
的に含まない固体の形態、ワックス状の形態等の樹脂を
用いてもよいが、バインダーを実際に使用する際には、
バインダーを水等の水性媒体に溶解又は分散させること
が必要であるから、(B)水系ウレタン樹脂は、水性媒
体を含む流体の形態で使用するのが好ましい。
通常、例えば、水等の水性媒体に、上述の単量体(混合
物)が分散もしくは溶解している、水性媒体を含む流体
(例えば、水溶液のような溶液、水分散液のような分散
液)の形態を有する。本発明に係るバインダーを製造す
るに際し、この流体の形態の(B)水系ウレタン樹脂か
ら水等の水性媒体を除去して得られる、水性媒体を実質
的に含まない固体の形態、ワックス状の形態等の樹脂を
用いてもよいが、バインダーを実際に使用する際には、
バインダーを水等の水性媒体に溶解又は分散させること
が必要であるから、(B)水系ウレタン樹脂は、水性媒
体を含む流体の形態で使用するのが好ましい。
【0086】本発明に係るバインダーは、上述した
(A)水系ラジカル重合型樹脂及び(B)水系ウレタン
樹脂を組み合わせることによって目的とするバインダー
を得ることができる。本発明において「組み合わせ」と
は、本発明に係るバインダーを構成する成分が、混合さ
れた状態で保管されて使用されてもよいし、使用直前に
混合されて使用されてもよいことを意味する。即ち、一
液型のバインダーも二液型(更には三液型)のバインダ
ーをも含むことを意味し、バインダーを構成する液数に
よって、本発明に係るバインダーが特に制限されるもの
ではないことを意味する。
(A)水系ラジカル重合型樹脂及び(B)水系ウレタン
樹脂を組み合わせることによって目的とするバインダー
を得ることができる。本発明において「組み合わせ」と
は、本発明に係るバインダーを構成する成分が、混合さ
れた状態で保管されて使用されてもよいし、使用直前に
混合されて使用されてもよいことを意味する。即ち、一
液型のバインダーも二液型(更には三液型)のバインダ
ーをも含むことを意味し、バインダーを構成する液数に
よって、本発明に係るバインダーが特に制限されるもの
ではないことを意味する。
【0087】本発明に係るバインダーは、(A)水系ラ
ジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂の少なくと
も一方が架橋構造を有するものであり、更に、(A)水
系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂の両方
が、架橋構造を有するのが好ましい。尚、本発明に係る
バインダーは、(A)樹脂と(B)樹脂のあらゆる組み
合わせを含むものとする。
ジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂の少なくと
も一方が架橋構造を有するものであり、更に、(A)水
系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂の両方
が、架橋構造を有するのが好ましい。尚、本発明に係る
バインダーは、(A)樹脂と(B)樹脂のあらゆる組み
合わせを含むものとする。
【0088】本発明に係るバインダーが、一液型のバイ
ンダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、(a2−3)芳香族ビニル単
量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレン性二重結
合を有する単量体、並びに(a3−1)ω−(メタ)ア
クリロキシアルキルトリアルコキシシランを含んで成る
単量体を乳化重合して得られる(A)水系ラジカル重合
型樹脂と、(b1−1)ポリエステルジオール、(b2
−2)脂環式ジイソシアネート、(b3−2)ω−アミ
ノアルキルトリアルコキシシラン、(b8−2)アニオ
ン性の親水基を付与する単量体、並びに(b9−2)ジ
アミンを反応させて得られる(B)水系ウレタン樹脂の
組み合わせが好ましい。更に、(b1−1)ポリエステ
ルジオールを、(b1−2)ポリエーテルジオールもし
くは(b1−3)ポリカーボネートジオールに変更した
ものも好ましい。
ンダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、(a2−3)芳香族ビニル単
量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレン性二重結
合を有する単量体、並びに(a3−1)ω−(メタ)ア
クリロキシアルキルトリアルコキシシランを含んで成る
単量体を乳化重合して得られる(A)水系ラジカル重合
型樹脂と、(b1−1)ポリエステルジオール、(b2
−2)脂環式ジイソシアネート、(b3−2)ω−アミ
ノアルキルトリアルコキシシラン、(b8−2)アニオ
ン性の親水基を付与する単量体、並びに(b9−2)ジ
アミンを反応させて得られる(B)水系ウレタン樹脂の
組み合わせが好ましい。更に、(b1−1)ポリエステ
ルジオールを、(b1−2)ポリエーテルジオールもし
くは(b1−3)ポリカーボネートジオールに変更した
ものも好ましい。
【0089】本発明に係るバインダーが、一液型のバイ
ンダーの場合、メチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、スチレン、メタクリル酸、並びに3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含んで
成る単量体を乳化重合して得られる(A)水系ラジカル
重合型樹脂と、ブタンジオールアジペート、イソホロン
ジイソシアネート、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、ジメチロールプロピオン酸、並びにピペラジンを
反応させて得られる(B)水系ウレタン樹脂の組み合わ
せが特に好ましい。また、ブタンジオールアジペート
を、ヘキサンジオールアジペート、ポリテトラメチレン
ジオールもしくはポリカーボネートジオールに変更した
ものも好ましい。
ンダーの場合、メチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、スチレン、メタクリル酸、並びに3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含んで
成る単量体を乳化重合して得られる(A)水系ラジカル
重合型樹脂と、ブタンジオールアジペート、イソホロン
ジイソシアネート、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、ジメチロールプロピオン酸、並びにピペラジンを
反応させて得られる(B)水系ウレタン樹脂の組み合わ
せが特に好ましい。また、ブタンジオールアジペート
を、ヘキサンジオールアジペート、ポリテトラメチレン
ジオールもしくはポリカーボネートジオールに変更した
ものも好ましい。
【0090】また、本発明に係るバインダーが、一液型
のバインダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類、(a2−3)芳香
族ビニル単量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体、並びに(a3−2)ω−
(メタ)アクリロキシアルキルアルキルジアルコキシシ
ランを含んで成る単量体を乳化重合して得られる(A)
水系ラジカル重合型樹脂と、(b1−1)ポリエステル
ジオール、(b2−2)脂環式ジイソシアネート、(b
3−2)ω−アミノアルキルトリアルコキシシラン、
(b8−2)アニオン性の親水基を付与する単量体、並
びに(b9−2)ジアミンを反応させて得られる(B)
水系ウレタン樹脂の組み合わせが好ましい。更に、(b
1−1)ポリエステルジオールを、(b1−2)ポリエ
ーテルジオールもしくは(b1−3)ポリカーボネート
ジオールに変更したものも好ましい。
のバインダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類、(a2−3)芳香
族ビニル単量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体、並びに(a3−2)ω−
(メタ)アクリロキシアルキルアルキルジアルコキシシ
ランを含んで成る単量体を乳化重合して得られる(A)
水系ラジカル重合型樹脂と、(b1−1)ポリエステル
ジオール、(b2−2)脂環式ジイソシアネート、(b
3−2)ω−アミノアルキルトリアルコキシシラン、
(b8−2)アニオン性の親水基を付与する単量体、並
びに(b9−2)ジアミンを反応させて得られる(B)
水系ウレタン樹脂の組み合わせが好ましい。更に、(b
1−1)ポリエステルジオールを、(b1−2)ポリエ
ーテルジオールもしくは(b1−3)ポリカーボネート
ジオールに変更したものも好ましい。
【0091】本発明に係るバインダーが、二液型のバイ
ンダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、(a2−3)芳香族ビニル
単量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレン性二重
結合を有する単量体、(a3−1)ω−(メタ)アクリ
ロキシアルキルトリアルコキシシランを含んで成る単量
体、並びに(a5)水酸基を含有しエチレン性二重結合
を有する単量体を乳化重合して得られる(A)水系ラジ
カル重合型樹脂と、(b1−1)ポリエステルジオー
ル、(b2−2)脂環式ジイソシアネート、(b3−
2)ω−アミノアルキルトリアルコキシシラン、(b
7)水酸基を含有する一級及び/もしくは二級アミノ化
合物、(b8−2)アニオン性の親水基を付与する単量
体、並びに(b9−2)ジアミンを反応させて得られる
(B)水系ウレタン樹脂の組み合わせが好ましい。更
に、(b1−1)ポリエステルジオールを、(b1−
2)ポリエーテルジオールもしくは(b1−3)ポリカ
ーボネートジオールに変更したものも好ましい。
ンダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、(a2−3)芳香族ビニル
単量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレン性二重
結合を有する単量体、(a3−1)ω−(メタ)アクリ
ロキシアルキルトリアルコキシシランを含んで成る単量
体、並びに(a5)水酸基を含有しエチレン性二重結合
を有する単量体を乳化重合して得られる(A)水系ラジ
カル重合型樹脂と、(b1−1)ポリエステルジオー
ル、(b2−2)脂環式ジイソシアネート、(b3−
2)ω−アミノアルキルトリアルコキシシラン、(b
7)水酸基を含有する一級及び/もしくは二級アミノ化
合物、(b8−2)アニオン性の親水基を付与する単量
体、並びに(b9−2)ジアミンを反応させて得られる
(B)水系ウレタン樹脂の組み合わせが好ましい。更
に、(b1−1)ポリエステルジオールを、(b1−
2)ポリエーテルジオールもしくは(b1−3)ポリカ
ーボネートジオールに変更したものも好ましい。
【0092】本発明に係るバインダーが、二液型のバイ
ンダーの場合、メチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、スチレン、メタクリル酸、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、並びにヒドロ
キシエチルメタクリレートを含んで成る単量体を乳化重
合して得られる(A)水系ラジカル重合型樹脂と、ブタ
ンジオールアジペート、イソホロンジイソシアネート、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジエタノール
アミン、ジメチロールプロピオン酸、並びにピペラジン
を反応させて得られる(B)水系ウレタン樹脂の組み合
わせが特に好ましい。また、ブタンジオールアジペート
を、ヘキサンジオールアジペート、ポリテトラメチレン
ジオールもしくはポリカーボネートジオールに変更した
ものも好ましい。
ンダーの場合、メチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、スチレン、メタクリル酸、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、並びにヒドロ
キシエチルメタクリレートを含んで成る単量体を乳化重
合して得られる(A)水系ラジカル重合型樹脂と、ブタ
ンジオールアジペート、イソホロンジイソシアネート、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジエタノール
アミン、ジメチロールプロピオン酸、並びにピペラジン
を反応させて得られる(B)水系ウレタン樹脂の組み合
わせが特に好ましい。また、ブタンジオールアジペート
を、ヘキサンジオールアジペート、ポリテトラメチレン
ジオールもしくはポリカーボネートジオールに変更した
ものも好ましい。
【0093】また、本発明に係るバインダーが、二液型
のバインダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類、(a2−3)芳香
族ビニル単量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体、(a3−2)ω−(メ
タ)アクリロキシアルキルアルキルジアルコキシシラン
を含んで成る単量体、並びに(a5)水酸基を含有しエ
チレン性二重結合を有する単量体を乳化重合して得られ
る(A)水系ラジカル重合型樹脂と、(b1−1)ポリ
エステルジオール、(b2−2)脂環式ジイソシアネー
ト、(b3−2)ω−アミノアルキルトリアルコキシシ
ラン、(b7)水酸基を含有する一級及び/もしくは二
級アミノ化合物、(b8−2)アニオン性の親水基を付
与する単量体、並びに(b9−2)ジアミンを反応させ
て得られる(B)水系ウレタン樹脂の組み合わせが好ま
しい。更に、(b1−1)ポリエステルジオールを、
(b1−2)ポリエーテルジオールもしくは(b1−
3)ポリカーボネートジオールに変更したものも好まし
い。
のバインダーの場合、(a1)分枝を有してよい(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類、(a2−3)芳香
族ビニル単量体、(a2−8)カルボキシル基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体、(a3−2)ω−(メ
タ)アクリロキシアルキルアルキルジアルコキシシラン
を含んで成る単量体、並びに(a5)水酸基を含有しエ
チレン性二重結合を有する単量体を乳化重合して得られ
る(A)水系ラジカル重合型樹脂と、(b1−1)ポリ
エステルジオール、(b2−2)脂環式ジイソシアネー
ト、(b3−2)ω−アミノアルキルトリアルコキシシ
ラン、(b7)水酸基を含有する一級及び/もしくは二
級アミノ化合物、(b8−2)アニオン性の親水基を付
与する単量体、並びに(b9−2)ジアミンを反応させ
て得られる(B)水系ウレタン樹脂の組み合わせが好ま
しい。更に、(b1−1)ポリエステルジオールを、
(b1−2)ポリエーテルジオールもしくは(b1−
3)ポリカーボネートジオールに変更したものも好まし
い。
【0094】本発明に係るバインダーの(A)水系ラジ
カル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂との重量比
(A)/(B)は、55/45〜99/1であるのが好
ましく、60/40〜90/10であるのがより好まし
く、60/40〜80/20であるのが特に好ましい。
(A)/(B)が、55/45未満の場合、得られる舗
装材は、耐候性が低くなり得るので、舗装材を長期間屋
外に放置すると、舗装材の外観が変色することが有り得
る。(A)/(B)が、99/1を超える場合、舗装材
の耐水性が低くなり得るので、舗装材が雨に濡れると白
化し得、舗装材の温度依存性も高くなり得、弾性が損わ
れることも有り得る。尚、ここで重量とは、水系の樹脂
を105℃で3時間乾燥して得られる重量をいい、実質
的に水性媒体を除く部分の重量を意味する。
カル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂との重量比
(A)/(B)は、55/45〜99/1であるのが好
ましく、60/40〜90/10であるのがより好まし
く、60/40〜80/20であるのが特に好ましい。
(A)/(B)が、55/45未満の場合、得られる舗
装材は、耐候性が低くなり得るので、舗装材を長期間屋
外に放置すると、舗装材の外観が変色することが有り得
る。(A)/(B)が、99/1を超える場合、舗装材
の耐水性が低くなり得るので、舗装材が雨に濡れると白
化し得、舗装材の温度依存性も高くなり得、弾性が損わ
れることも有り得る。尚、ここで重量とは、水系の樹脂
を105℃で3時間乾燥して得られる重量をいい、実質
的に水性媒体を除く部分の重量を意味する。
【0095】本発明に係るバインダーの(A)水系ラジ
カル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂は、共にゲル
分率が40〜100重量%であり、アセトンに可溶な成
分の数平均分子量が10万以上であるのが好ましい。
カル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂は、共にゲル
分率が40〜100重量%であり、アセトンに可溶な成
分の数平均分子量が10万以上であるのが好ましい。
【0096】本発明に係るバインダーは、(A)水系ラ
ジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂を混合して
保管後使用する、いわゆる一液型のバインダーとして使
用することができる。また、使用直前に、(A)水系ラ
ジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂を混合して
使用する、いわゆる二液型のバインダーとして使用する
ことができる。
ジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂を混合して
保管後使用する、いわゆる一液型のバインダーとして使
用することができる。また、使用直前に、(A)水系ラ
ジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹脂を混合して
使用する、いわゆる二液型のバインダーとして使用する
ことができる。
【0097】(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)水
系ウレタン樹脂を混合する手段として、通常使用される
攪拌手段、振盪手段等を用いることができる。均一に混
合することができる混合手段であれば特に限定されるこ
とはない。例えば、攪拌棒を用いて機械的に攪拌する攪
拌手段、インペラーを備えた攪拌機を用いる攪拌手段、
マグネチックスターラーを用いる攪拌手段、機械的振盪
機を用いる振盪手段等を用いることができる。
系ウレタン樹脂を混合する手段として、通常使用される
攪拌手段、振盪手段等を用いることができる。均一に混
合することができる混合手段であれば特に限定されるこ
とはない。例えば、攪拌棒を用いて機械的に攪拌する攪
拌手段、インペラーを備えた攪拌機を用いる攪拌手段、
マグネチックスターラーを用いる攪拌手段、機械的振盪
機を用いる振盪手段等を用いることができる。
【0098】本発明に係るバインダーは、更に、上述し
た(A)水系ラジカル重合型樹脂及び(B)水系ウレタ
ン樹脂に加え、「(C)水に分散可能なポリイソシアネ
ート組成物」を組み合わせて成ってもよい。「(C)水
に分散可能なポリイソシアネート組成物」(以下
「(C)ポリイソシアネート組成物」ともいう)を組み
合わせる場合、(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)
水系ウレタン樹脂の少なくとも一方は、水酸基を含有す
るのが好ましく、(A)水系ラジカル重合型樹脂及び
(B)水系ウレタン樹脂の両者が、水酸基を含有するの
が特に好ましい。
た(A)水系ラジカル重合型樹脂及び(B)水系ウレタ
ン樹脂に加え、「(C)水に分散可能なポリイソシアネ
ート組成物」を組み合わせて成ってもよい。「(C)水
に分散可能なポリイソシアネート組成物」(以下
「(C)ポリイソシアネート組成物」ともいう)を組み
合わせる場合、(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)
水系ウレタン樹脂の少なくとも一方は、水酸基を含有す
るのが好ましく、(A)水系ラジカル重合型樹脂及び
(B)水系ウレタン樹脂の両者が、水酸基を含有するの
が特に好ましい。
【0099】「(C)水に分散可能なポリイソシアネー
ト組成物」とは、本質的に水に分散可能であり、一般的
に市販されているポリイソシアネート(通常は種々のイ
ソシアネートの混合物)であって、通常、1分子当たり
の平均イソシアネート基数が2より大きく、一般に粘稠
な流体であるポリイソシアネートをいう。本発明におい
ては、(C)ポリイソシアネート組成物のイソシアネー
ト基の含有率は、(C)ポリイソシアネート組成物を1
00重量%として、5〜25重量%が好ましい。
ト組成物」とは、本質的に水に分散可能であり、一般的
に市販されているポリイソシアネート(通常は種々のイ
ソシアネートの混合物)であって、通常、1分子当たり
の平均イソシアネート基数が2より大きく、一般に粘稠
な流体であるポリイソシアネートをいう。本発明におい
ては、(C)ポリイソシアネート組成物のイソシアネー
ト基の含有率は、(C)ポリイソシアネート組成物を1
00重量%として、5〜25重量%が好ましい。
【0100】(C)ポリイソシアネート組成物として、
例えば、ポリエチレンオキシド鎖によって水溶性を付与
された水に分散可能なポリイソシアネートを例示するこ
とができる。具体的には、日本ポリウレタン工業(株)
製のアクアネート100(商品名)、アクアネート11
0(商品名)、アクアネート200(商品名)及びアク
アネート210(商品名)、住友バイエルウレタン
(株)製のバイビジュールTPLS−2032(商品
名)及びSBU−イソシアネート−L801(商品
名)、武田薬品工業(株)製のタケネートWD−720
(商品名)、タケネートWD−725(商品名)及びス
タフィロイドWD−220(商品名)、並びに大日精化
工業(株)製のレザミンD−56(商品名)を例示する
ことができる。(C)ポリイソシアネート組成物は、単
独で又は組み合わせて使用することができる。
例えば、ポリエチレンオキシド鎖によって水溶性を付与
された水に分散可能なポリイソシアネートを例示するこ
とができる。具体的には、日本ポリウレタン工業(株)
製のアクアネート100(商品名)、アクアネート11
0(商品名)、アクアネート200(商品名)及びアク
アネート210(商品名)、住友バイエルウレタン
(株)製のバイビジュールTPLS−2032(商品
名)及びSBU−イソシアネート−L801(商品
名)、武田薬品工業(株)製のタケネートWD−720
(商品名)、タケネートWD−725(商品名)及びス
タフィロイドWD−220(商品名)、並びに大日精化
工業(株)製のレザミンD−56(商品名)を例示する
ことができる。(C)ポリイソシアネート組成物は、単
独で又は組み合わせて使用することができる。
【0101】本発明に係るバインダーが、(A)水系ラ
ジカル重合型樹脂、(B)水系ウレタン樹脂及び(C)
ポリイソシアネート組成物を組み合わせて成る場合、
(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹
脂の総和(A)+(B)と(C)ポリイソシアネート組
成物との重量比、即ち((A)+(B))/(C)は、
100/1〜100/30であるのが好ましく、100
/1〜100/25であるのがより好ましく、100/
3〜100/25であるのが特に好ましい。尚、ここで
重量とは、水系の樹脂を105℃で3時間乾燥して得ら
れる重量をいい、実質的に水性媒体を除く部分の重量を
意味する。
ジカル重合型樹脂、(B)水系ウレタン樹脂及び(C)
ポリイソシアネート組成物を組み合わせて成る場合、
(A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹
脂の総和(A)+(B)と(C)ポリイソシアネート組
成物との重量比、即ち((A)+(B))/(C)は、
100/1〜100/30であるのが好ましく、100
/1〜100/25であるのがより好ましく、100/
3〜100/25であるのが特に好ましい。尚、ここで
重量とは、水系の樹脂を105℃で3時間乾燥して得ら
れる重量をいい、実質的に水性媒体を除く部分の重量を
意味する。
【0102】本発明に係るバインダーが、更に、(C)
ポリイソシアネート組成物を組み合わせて成る場合、
(A)、(B)及び(C)の各々を使用前に混合する三
液型のバインダーとすることができる。予め(A)と
(B)を混合した後、使用前に(C)を混合して用い
る、二液型のバインダーとするのが好ましい。予め
(A)、(B)及び(C)を同時に混合する一液型のバ
インダーとすることもできるが、可使時間に注意するこ
とが必要である。(A)、(B)及び(C)を混合する
手段として、上述の攪拌手段、振盪手段等を用いること
ができる。
ポリイソシアネート組成物を組み合わせて成る場合、
(A)、(B)及び(C)の各々を使用前に混合する三
液型のバインダーとすることができる。予め(A)と
(B)を混合した後、使用前に(C)を混合して用い
る、二液型のバインダーとするのが好ましい。予め
(A)、(B)及び(C)を同時に混合する一液型のバ
インダーとすることもできるが、可使時間に注意するこ
とが必要である。(A)、(B)及び(C)を混合する
手段として、上述の攪拌手段、振盪手段等を用いること
ができる。
【0103】このようにして得られる本発明に係るバイ
ンダーは、上述したように、通常、例えば、水等の水性
媒体に、上述の(A)水系ラジカル重合型樹脂及び
(B)水系ウレタン樹脂が分散もしくは溶解している、
水性媒体を含む流体(例えば、水溶液のような溶液、水
分散液のような分散液)の形態を有する。バインダーの
濃度は、30〜70重量%が好ましく、35〜65重量
%がより好ましく、40〜60重量%が特に好ましい。
ここで、バインダーの濃度とは、バインダーを105℃
で3時間乾燥して得られる重量(実質的に水性媒体を除
く部分の重量)の、バインダーを乾燥する前の重量に対
する百分率を意味する。
ンダーは、上述したように、通常、例えば、水等の水性
媒体に、上述の(A)水系ラジカル重合型樹脂及び
(B)水系ウレタン樹脂が分散もしくは溶解している、
水性媒体を含む流体(例えば、水溶液のような溶液、水
分散液のような分散液)の形態を有する。バインダーの
濃度は、30〜70重量%が好ましく、35〜65重量
%がより好ましく、40〜60重量%が特に好ましい。
ここで、バインダーの濃度とは、バインダーを105℃
で3時間乾燥して得られる重量(実質的に水性媒体を除
く部分の重量)の、バインダーを乾燥する前の重量に対
する百分率を意味する。
【0104】本発明に係るバインダーは、舗装用木質繊
維材料と共に用いられる。「舗装用木質繊維材料」と
は、(1)陸上競技場のトラック、サッカーコート、及
びテニスコート等のスポーツ施設、(2)公園、及び史
跡の遊歩道、並びに(3)駐車場等の施設内の歩道を舗
装する際に用いられる、木質繊維材料であって、通常、
舗装用木質繊維材料とされるものであれば、木目模様を
有する舗装を得られるものであれば特に制限されるもの
ではない。
維材料と共に用いられる。「舗装用木質繊維材料」と
は、(1)陸上競技場のトラック、サッカーコート、及
びテニスコート等のスポーツ施設、(2)公園、及び史
跡の遊歩道、並びに(3)駐車場等の施設内の歩道を舗
装する際に用いられる、木質繊維材料であって、通常、
舗装用木質繊維材料とされるものであれば、木目模様を
有する舗装を得られるものであれば特に制限されるもの
ではない。
【0105】このような舗装用木質繊維材料として、例
えば、樹皮、木屑、バンブーパウダー(竹の粉)、籾殻、
及びコルク粉末等のウッドチップやウッドファイバを例
示できる。ウッドチップやウッドファイバの寸法は、長
さが約0.5〜1.0cm、幅約0.1〜3.0cm、
厚さ約0.2〜0.5cm程度であるのが好ましい。
尚、木質繊維材料は、舗装用とされているものでなくと
も、本発明に係るバインダーを用いて凝結できるもので
あれば、本発明に係るバインダーを用いることができる
ことはいうまでもない。
えば、樹皮、木屑、バンブーパウダー(竹の粉)、籾殻、
及びコルク粉末等のウッドチップやウッドファイバを例
示できる。ウッドチップやウッドファイバの寸法は、長
さが約0.5〜1.0cm、幅約0.1〜3.0cm、
厚さ約0.2〜0.5cm程度であるのが好ましい。
尚、木質繊維材料は、舗装用とされているものでなくと
も、本発明に係るバインダーを用いて凝結できるもので
あれば、本発明に係るバインダーを用いることができる
ことはいうまでもない。
【0106】本発明は、舗装用木質繊維材料(以下「木
質繊維材料」ともいう)と共に、上述したバインダーを
使用する舗装方法を提供する。そのような舗装方法とし
て、下記の2種類の舗装方法を例示できる。
質繊維材料」ともいう)と共に、上述したバインダーを
使用する舗装方法を提供する。そのような舗装方法とし
て、下記の2種類の舗装方法を例示できる。
【0107】第1の舗装方法は、本発明に係るバインダ
ーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、この混合物を
敷きつめた後、加圧して表面を平滑にして舗装する方法
(混合式舗装方法)である。具体的には、舗装用木質繊
維材料を水洗して汚れを除去し、十分に乾燥した後、木
質繊維材料を粉砕してチップ化する。そして、この粉砕
したチップと、バインダーを混合する。混合物は、チッ
プを90〜50重量%、濃度が40〜60重量%のバイ
ンダーを10〜50重量%含むのが好ましい。混合は、
ミキサー内で約3分間攪拌して行い、混合物を得る。
ーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、この混合物を
敷きつめた後、加圧して表面を平滑にして舗装する方法
(混合式舗装方法)である。具体的には、舗装用木質繊
維材料を水洗して汚れを除去し、十分に乾燥した後、木
質繊維材料を粉砕してチップ化する。そして、この粉砕
したチップと、バインダーを混合する。混合物は、チッ
プを90〜50重量%、濃度が40〜60重量%のバイ
ンダーを10〜50重量%含むのが好ましい。混合は、
ミキサー内で約3分間攪拌して行い、混合物を得る。
【0108】一方、あらかじめ路盤(アスファルト、砕
石、砂利等)上にプライマーを散布しておく。プライマ
ーの散布量は、プライマーの濃度が40〜60重量%の
場合、0.5〜2.0L/m2であるのが好ましい。こ
のプライマー上に、上述のチップとバインダーとの混合
物を敷設する。混合物の厚さは、3〜7cmが好まし
い。混合物を圧力を加えて均等になるように静かに路盤
上にならすのが好ましい。加圧する方法としては、通
常、舗装に使用されている方法であって、目的とする舗
装を得られるものであれば、特に制限されるものではな
いが、例えば、ローラ等を用いて転圧する方法、振動に
よる方法等の加圧する方法を例示できる。プライマーが
硬化することによって、路盤表面が強化され混合物は路
盤上に保持される。
石、砂利等)上にプライマーを散布しておく。プライマ
ーの散布量は、プライマーの濃度が40〜60重量%の
場合、0.5〜2.0L/m2であるのが好ましい。こ
のプライマー上に、上述のチップとバインダーとの混合
物を敷設する。混合物の厚さは、3〜7cmが好まし
い。混合物を圧力を加えて均等になるように静かに路盤
上にならすのが好ましい。加圧する方法としては、通
常、舗装に使用されている方法であって、目的とする舗
装を得られるものであれば、特に制限されるものではな
いが、例えば、ローラ等を用いて転圧する方法、振動に
よる方法等の加圧する方法を例示できる。プライマーが
硬化することによって、路盤表面が強化され混合物は路
盤上に保持される。
【0109】尚、本明細書において「プライマー」と
は、路盤を強化し、路盤と舗装材との接着力を強化させ
るものをいい、通常、舗装用木質繊維材料に使用されて
いるプライマーであり、目的とする舗装ができるもので
あれば、特に制限されるものではない。プライマーとし
て、例えば、アクリル系エマルション、各種ラテック
ス、乳化アスファルト、水性エポキシウレタンエマルシ
ョン、湿気硬化型ウレタンプレポリマー等を例示でき
る。
は、路盤を強化し、路盤と舗装材との接着力を強化させ
るものをいい、通常、舗装用木質繊維材料に使用されて
いるプライマーであり、目的とする舗装ができるもので
あれば、特に制限されるものではない。プライマーとし
て、例えば、アクリル系エマルション、各種ラテック
ス、乳化アスファルト、水性エポキシウレタンエマルシ
ョン、湿気硬化型ウレタンプレポリマー等を例示でき
る。
【0110】第2の舗装方法は、舗装用木質繊維材料を
敷きつめた後、木質繊維材料上に上述のバインダーを散
布した後、加圧して表面を平滑にする舗装する方法(散
布式舗装方法)である。具体的には、第1の舗装方法に
記載した方法と同様の方法を用いて、木質繊維材料をチ
ップ化する。一方、あらかじめ路盤(アスファルト、砕
石、砂利等)上にプライマーを散布する。プライマーの
散布量は、プライマーの濃度が40〜60重量%の場
合、0.5〜2.0L/m2であるのが好ましい。この
プライマー上に上述のチップを敷設する。チップの厚さ
は、3〜7cmが好ましい。チップに圧力を加えてチッ
プが路盤上に均等に分布させるのが好ましい。尚、チッ
プの厚さが4cm以上の場合、二回に分けて同工程を繰
り返して、所望の厚さにするのが好ましい。分布させる
方法は、チップを分布させることができる方法であれば
特に制限されるものではないが、例えば、チップを定規
等を用いて分布させる方法、レーキで敷き均して分布さ
せる方法、アスファムフィニッシャーにて分布させる方
法等を例示できる。
敷きつめた後、木質繊維材料上に上述のバインダーを散
布した後、加圧して表面を平滑にする舗装する方法(散
布式舗装方法)である。具体的には、第1の舗装方法に
記載した方法と同様の方法を用いて、木質繊維材料をチ
ップ化する。一方、あらかじめ路盤(アスファルト、砕
石、砂利等)上にプライマーを散布する。プライマーの
散布量は、プライマーの濃度が40〜60重量%の場
合、0.5〜2.0L/m2であるのが好ましい。この
プライマー上に上述のチップを敷設する。チップの厚さ
は、3〜7cmが好ましい。チップに圧力を加えてチッ
プが路盤上に均等に分布させるのが好ましい。尚、チッ
プの厚さが4cm以上の場合、二回に分けて同工程を繰
り返して、所望の厚さにするのが好ましい。分布させる
方法は、チップを分布させることができる方法であれば
特に制限されるものではないが、例えば、チップを定規
等を用いて分布させる方法、レーキで敷き均して分布さ
せる方法、アスファムフィニッシャーにて分布させる方
法等を例示できる。
【0111】その後、本発明に係るバインダーをチップ
の上に散布する。バインダーの散布量は、バインダーの
濃度が40〜60重量%の場合、1〜2L/m2である
のが好ましい。散布する方法は、均一にバインダーを散
布できる方法であれば、特に制限されるものではない。
バインダーを散布した木質繊維材料上を圧力を加えて均
等になるように静かに路盤上にならすのが好ましい。加
圧する方法としては、通常、舗装に使用されている方法
であって、目的とする舗装を得られるものであれば、特
に制限されるものではないが、例えば、マダカムロー
ラ、タンデムローラ等を用いて転圧する方法、コテを用
いて押さえる方法、ハンディーローラを用いる方法等の
加圧する方法を例示できる。更に、樹脂がローラ等に付
着する場合、板やフィルム等の上から押さえることで加
圧することもできる。
の上に散布する。バインダーの散布量は、バインダーの
濃度が40〜60重量%の場合、1〜2L/m2である
のが好ましい。散布する方法は、均一にバインダーを散
布できる方法であれば、特に制限されるものではない。
バインダーを散布した木質繊維材料上を圧力を加えて均
等になるように静かに路盤上にならすのが好ましい。加
圧する方法としては、通常、舗装に使用されている方法
であって、目的とする舗装を得られるものであれば、特
に制限されるものではないが、例えば、マダカムロー
ラ、タンデムローラ等を用いて転圧する方法、コテを用
いて押さえる方法、ハンディーローラを用いる方法等の
加圧する方法を例示できる。更に、樹脂がローラ等に付
着する場合、板やフィルム等の上から押さえることで加
圧することもできる。
【0112】本発明は、舗装用木質繊維材料を本発明に
係るバインダーで固着することで製造される舗装材を提
供する。「固着」とは、舗装用木質繊維材料が、本発明
に係るバインダーによって接着されて固められているこ
とを意味する。舗装材の形態は、舗装材として使用する
ことができれば特に制限されるものではないが、例え
ば、シート状、ブロック状、ロール状等の、舗装に適し
た形態が好ましい。
係るバインダーで固着することで製造される舗装材を提
供する。「固着」とは、舗装用木質繊維材料が、本発明
に係るバインダーによって接着されて固められているこ
とを意味する。舗装材の形態は、舗装材として使用する
ことができれば特に制限されるものではないが、例え
ば、シート状、ブロック状、ロール状等の、舗装に適し
た形態が好ましい。
【0113】舗装材を製造する方法として、下記の二種
類の方法を例示できる。第1の製造方法は、本発明に係
るバインダーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、こ
の混合物を敷きつめて製造する方法(混合式製造方法)
である。具体的には、第1の舗装方法に記載した方法と
同様の方法を用いて、木質繊維材料をチップ化する。そ
して、この粉砕したチップと、バインダーを混合する。
混合物は、チップを90〜50重量%、濃度が40〜6
0重量%のバインダーを10〜50重量%含むのが好ま
しい。混合は、ミキサー内で約3分間攪拌して行い、混
合物を得る。適当な平面上に、上述のチップとバインダ
ーとの混合物を敷設する。混合物の厚さは、3〜7cm
が好ましい。混合物を圧力を加えて均等になるように静
かに平面上にならすのが好ましい。加圧する方法として
は、通常、舗装材の製造に使用されている方法であっ
て、目的とする舗装材を得られるものであれば、特に制
限されるものではないが、例えば、ローラ等を用いて転
圧する方法、振動による方法等の加圧する方法を例示で
きる。得られる舗装材は、適当な大きさに形態を整え
て、舗装材として使用することができる。
類の方法を例示できる。第1の製造方法は、本発明に係
るバインダーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、こ
の混合物を敷きつめて製造する方法(混合式製造方法)
である。具体的には、第1の舗装方法に記載した方法と
同様の方法を用いて、木質繊維材料をチップ化する。そ
して、この粉砕したチップと、バインダーを混合する。
混合物は、チップを90〜50重量%、濃度が40〜6
0重量%のバインダーを10〜50重量%含むのが好ま
しい。混合は、ミキサー内で約3分間攪拌して行い、混
合物を得る。適当な平面上に、上述のチップとバインダ
ーとの混合物を敷設する。混合物の厚さは、3〜7cm
が好ましい。混合物を圧力を加えて均等になるように静
かに平面上にならすのが好ましい。加圧する方法として
は、通常、舗装材の製造に使用されている方法であっ
て、目的とする舗装材を得られるものであれば、特に制
限されるものではないが、例えば、ローラ等を用いて転
圧する方法、振動による方法等の加圧する方法を例示で
きる。得られる舗装材は、適当な大きさに形態を整え
て、舗装材として使用することができる。
【0114】第2の製造方法は、舗装用木質繊維材料を
敷きつめた後、木質繊維材料上に上述のバインダーを散
布する製造方法(散布式製造方法)である。具体的に
は、第1の舗装方法に記載した方法と同様の方法を用い
て、木質繊維材料をチップ化する。適当な平面上に上述
のチップを敷設する。チップの厚さは、3〜7cmが好
ましい。チップに圧力を加えてチップを均等に分布させ
るのが好ましい。尚、チップの厚さが4cm以上の場
合、二回に分けて同工程を繰り返して、所望の厚さにす
るのが好ましい。分布させる方法は、チップを分布させ
ることができる方法であれば特に制限されるものではな
いが、例えば、チップを定規等を用いて分布させる方
法、レーキで敷き均して分布させる方法、アスファムフ
ィニッシャーにて分布させる方法等を例示できる。
敷きつめた後、木質繊維材料上に上述のバインダーを散
布する製造方法(散布式製造方法)である。具体的に
は、第1の舗装方法に記載した方法と同様の方法を用い
て、木質繊維材料をチップ化する。適当な平面上に上述
のチップを敷設する。チップの厚さは、3〜7cmが好
ましい。チップに圧力を加えてチップを均等に分布させ
るのが好ましい。尚、チップの厚さが4cm以上の場
合、二回に分けて同工程を繰り返して、所望の厚さにす
るのが好ましい。分布させる方法は、チップを分布させ
ることができる方法であれば特に制限されるものではな
いが、例えば、チップを定規等を用いて分布させる方
法、レーキで敷き均して分布させる方法、アスファムフ
ィニッシャーにて分布させる方法等を例示できる。
【0115】その後、本発明に係るバインダーをチップ
の上に散布する。バインダーの散布量は、バインダーの
濃度が40〜60重量%の場合、1〜2L/m2である
のが好ましい。散布する方法は、均一にバインダーを散
布できる方法であれば、特に制限されるものではない。
バインダーを散布した木質繊維材料上を圧力を加えて均
等になるように静かに平面上にならすのが好ましい。加
圧する方法としては、通常、舗装材の製造に使用されて
いる方法であって、目的とする舗装材を得られるもので
あれば、特に制限されるものではないが、例えば、マダ
カムローラ、タンデムローラ等を用いて転圧する方法、
コテを用いて押さえる方法、ハンディーローラを用いる
方法等の加圧する方法を例示できる。更に、樹脂がロー
ラ等に付着する場合、板やフィルム等の上から押さえる
ことで加圧することもできる。得られる舗装材は、適当
な大きさに形態を整えて、舗装材として使用することが
できる。
の上に散布する。バインダーの散布量は、バインダーの
濃度が40〜60重量%の場合、1〜2L/m2である
のが好ましい。散布する方法は、均一にバインダーを散
布できる方法であれば、特に制限されるものではない。
バインダーを散布した木質繊維材料上を圧力を加えて均
等になるように静かに平面上にならすのが好ましい。加
圧する方法としては、通常、舗装材の製造に使用されて
いる方法であって、目的とする舗装材を得られるもので
あれば、特に制限されるものではないが、例えば、マダ
カムローラ、タンデムローラ等を用いて転圧する方法、
コテを用いて押さえる方法、ハンディーローラを用いる
方法等の加圧する方法を例示できる。更に、樹脂がロー
ラ等に付着する場合、板やフィルム等の上から押さえる
ことで加圧することもできる。得られる舗装材は、適当
な大きさに形態を整えて、舗装材として使用することが
できる。
【0116】舗装材は、舗装用木質材料が上述の本発明
に係るバインダーによって固着されて製造されるので、
得られる舗装材の耐水性、耐候性、透水性等の特性が不
十分であること、得られる舗装材を屋外で長期間使用す
ると舗装材が木目模様の景観を長期にわたって維持し得
ないこと、舗装材の歩行感が温度変化の影響を受け易い
ことから選択される少なくとも一種の問題を実質的に解
消し又は緩和し得る。
に係るバインダーによって固着されて製造されるので、
得られる舗装材の耐水性、耐候性、透水性等の特性が不
十分であること、得られる舗装材を屋外で長期間使用す
ると舗装材が木目模様の景観を長期にわたって維持し得
ないこと、舗装材の歩行感が温度変化の影響を受け易い
ことから選択される少なくとも一種の問題を実質的に解
消し又は緩和し得る。
【0117】本発明に係る舗装材は、例えば、史跡、ハ
イキングコース、サイクリングロード、ジョッギングロ
ード、フィールドアスレチックコース、植え込み、遊歩
道、散策山道及び各種建物の構内等の歩道、陸上競技場
のトラックやサッカーコート及びテニスコート等のスポ
ーツ施設、競走馬及び競走馬練習場のトラック等のよう
に、人間が歩行、走行もしくは競技する場所、競走馬が
歩行もしくは走行する場所等に施工され得る。舗装材
は、植え込み及び道路の分離帯等にも利用され得る。
イキングコース、サイクリングロード、ジョッギングロ
ード、フィールドアスレチックコース、植え込み、遊歩
道、散策山道及び各種建物の構内等の歩道、陸上競技場
のトラックやサッカーコート及びテニスコート等のスポ
ーツ施設、競走馬及び競走馬練習場のトラック等のよう
に、人間が歩行、走行もしくは競技する場所、競走馬が
歩行もしくは走行する場所等に施工され得る。舗装材
は、植え込み及び道路の分離帯等にも利用され得る。
【0118】以下、本発明を実施例及び比較例により具
体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の
一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定
されるものではない。
体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の
一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定
されるものではない。
【0119】
【実施例】(1)水系アクリル樹脂の製造
架橋構造を有し、水酸基を含有しない水系アクリル樹脂
(ac1)の製造 攪拌装置、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素導
入管を備えた反応容器の系内を窒素ガスで置換した後、
下記の乳化剤水溶液(1)を反応器にし込んだ。次に、
下記の単量体混合物(2)を下記の乳化剤水溶液(3)
に攪拌しながら加えて得た単量体乳化液(4)の約5体
積%を反応器内に加えた後、下記過硫酸カリウム水溶液
(5)を反応器にし込み、80℃に加熱して20分間攪
拌して、初期反応を行った。その後、上述の単量体乳化
液(4)の残り約95体積%を3時間かけて、80℃に
て反応器内に滴下した。滴下終了後、更に2時間80℃
に保ち、重合反応を終了させた。その後、0.3gの2
5%アンモニア水を加えて中和し、6gのテキサノール
(チッソ社製のCS12(商品名))を加えて可塑化し
て、目的とする架橋構造を有し、水酸基を含有しない水
系アクリル樹脂(ac1)を得た。この水系アクリル樹
脂の濃度は、40重量%であった。濃度は、水系アクリ
ル樹脂を105℃で3時間加熱して得られる重量の、乾
燥前の重量に対する百分率で表した。
(ac1)の製造 攪拌装置、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素導
入管を備えた反応容器の系内を窒素ガスで置換した後、
下記の乳化剤水溶液(1)を反応器にし込んだ。次に、
下記の単量体混合物(2)を下記の乳化剤水溶液(3)
に攪拌しながら加えて得た単量体乳化液(4)の約5体
積%を反応器内に加えた後、下記過硫酸カリウム水溶液
(5)を反応器にし込み、80℃に加熱して20分間攪
拌して、初期反応を行った。その後、上述の単量体乳化
液(4)の残り約95体積%を3時間かけて、80℃に
て反応器内に滴下した。滴下終了後、更に2時間80℃
に保ち、重合反応を終了させた。その後、0.3gの2
5%アンモニア水を加えて中和し、6gのテキサノール
(チッソ社製のCS12(商品名))を加えて可塑化し
て、目的とする架橋構造を有し、水酸基を含有しない水
系アクリル樹脂(ac1)を得た。この水系アクリル樹
脂の濃度は、40重量%であった。濃度は、水系アクリ
ル樹脂を105℃で3時間加熱して得られる重量の、乾
燥前の重量に対する百分率で表した。
【0120】乳化剤水溶液(1)
エレミノールJS2
(三洋化成製(商品名)) 1 g
蒸留水 112 g
単量体混合物(2)
スチレン 20 g
メチルメタクリレート 40 g
2−エチルヘキシルアクリレート 36.5g
メタクリル酸 2 g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(A174、日本ユニカー社製) 1.5g
乳化剤水溶液(3)
エレミノールJS2
(三洋化成製(商品名)) 2 g
蒸留水 23 g
過硫酸カリウム水溶液(5)
過硫酸カリウム 0.3g
蒸留水 15 g
【0121】架橋構造を有し、水酸基を含有する水系ア
クリル樹脂(ac2)の製造 上述の水系アクリル樹脂(ac1)の製造において、単
量体混合物(2)を、下記の単量体混合物(2)に代え
た以外は、同様の方法を用いて架橋構造を有し、水酸基
を含有する水系アクリル樹脂(ac2)を製造した。濃
度は40重量%であった。 単量体混合物(2) スチレン 20 g メチルメタクリレート 40 g 2−エチルヘキシルアクリレート 32 g メタクリル酸 2 g 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (A174、日本ユニカー社製) 1.5g ヒドロキシエチルメタクリレート 4.5g
クリル樹脂(ac2)の製造 上述の水系アクリル樹脂(ac1)の製造において、単
量体混合物(2)を、下記の単量体混合物(2)に代え
た以外は、同様の方法を用いて架橋構造を有し、水酸基
を含有する水系アクリル樹脂(ac2)を製造した。濃
度は40重量%であった。 単量体混合物(2) スチレン 20 g メチルメタクリレート 40 g 2−エチルヘキシルアクリレート 32 g メタクリル酸 2 g 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (A174、日本ユニカー社製) 1.5g ヒドロキシエチルメタクリレート 4.5g
【0122】架橋構造を有さず、水酸基を含有する水系
アクリル樹脂(ac3)の製造 上述の水系アクリル樹脂(ac1)の製造において、単
量体混合物(2)を、下記の単量体混合物(2)に代え
た以外は、同様の方法を用いて架橋構造を有さず、水酸
基を含有する水系アクリル樹脂(ac3)を製造した。
濃度は40重量%であった。 単量体混合物(2) スチレン 20 g メチルメタクリレート 40 g 2−エチルヘキシルアクリレート 33.5g メタクリル酸 2 g ヒドロキシエチルメタクリレート 4.5g
アクリル樹脂(ac3)の製造 上述の水系アクリル樹脂(ac1)の製造において、単
量体混合物(2)を、下記の単量体混合物(2)に代え
た以外は、同様の方法を用いて架橋構造を有さず、水酸
基を含有する水系アクリル樹脂(ac3)を製造した。
濃度は40重量%であった。 単量体混合物(2) スチレン 20 g メチルメタクリレート 40 g 2−エチルヘキシルアクリレート 33.5g メタクリル酸 2 g ヒドロキシエチルメタクリレート 4.5g
【0123】架橋構造を有さず、水酸基を含有しない水
系アクリル樹脂(ac4)の製造 上述の水系アクリル樹脂(ac1)の製造において、単
量体混合物(2)を、下記の単量体混合物(2)に代え
た以外は、同様の方法を用いて架橋構造を有さず、水酸
基を含有しない水系アクリル樹脂(ac4)を製造し
た。濃度は40重量%であった。 単量体混合物(2) スチレン 20 g メチルメタクリレート 40 g 2−エチルヘキシルアクリレート 38 g メタクリル酸 2 g
系アクリル樹脂(ac4)の製造 上述の水系アクリル樹脂(ac1)の製造において、単
量体混合物(2)を、下記の単量体混合物(2)に代え
た以外は、同様の方法を用いて架橋構造を有さず、水酸
基を含有しない水系アクリル樹脂(ac4)を製造し
た。濃度は40重量%であった。 単量体混合物(2) スチレン 20 g メチルメタクリレート 40 g 2−エチルヘキシルアクリレート 38 g メタクリル酸 2 g
【0124】(2)水系ウレタン樹脂の製造
架橋構造を有し、水酸基を含有しない水系ウレタン樹脂
(ur1)の製造 攪拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却管を備えた
四口フラスコに、80gのイソホロンジイソシアネート
(IPDI)、180gのブタンジオールアジペート
(BDA、数平均分子量2000)、20gのジメチロ
ールプロピオン酸(DMPA、日本化成社製)を入れ、
溶剤として50gの酢酸エチル、0.3gのジブチルチ
ンラウレートを加えた後、混合物をオイルバスを用いて
加熱して、80℃にて6時間攪拌した。反応混合物を6
0℃に降温し、14gのγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン(A1100、日本ユニカー社製)を加えて、
30分間攪拌した後、反応混合物を50℃に降温し、9
gのトリエチルアミンを加えて、イソシアネート基(−
NCO)が残存したウレタンプレポリマーを含む反応混
合物を得た。この反応混合物に300gの蒸留水に加
え、高速で攪拌して乳化した。乳化を確認した後、14
gのピペラジン六水和物を131gの蒸留水に溶解した
水溶液を上述の反応混合物に加えて、30℃にて鎖延長
反応を行った。その後、反応系内を減圧しつつ40℃に
昇温して酢酸エチルを回収して、架橋構造を有し、水酸
基を含有しない水系ウレタン樹脂を得た。この水系ウレ
タン樹脂の濃度は、40重量%である。濃度は、水系ウ
レタン樹脂を105℃で3時間加熱して得られる重量
の、乾燥前の重量に対する百分率で表した。
(ur1)の製造 攪拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却管を備えた
四口フラスコに、80gのイソホロンジイソシアネート
(IPDI)、180gのブタンジオールアジペート
(BDA、数平均分子量2000)、20gのジメチロ
ールプロピオン酸(DMPA、日本化成社製)を入れ、
溶剤として50gの酢酸エチル、0.3gのジブチルチ
ンラウレートを加えた後、混合物をオイルバスを用いて
加熱して、80℃にて6時間攪拌した。反応混合物を6
0℃に降温し、14gのγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン(A1100、日本ユニカー社製)を加えて、
30分間攪拌した後、反応混合物を50℃に降温し、9
gのトリエチルアミンを加えて、イソシアネート基(−
NCO)が残存したウレタンプレポリマーを含む反応混
合物を得た。この反応混合物に300gの蒸留水に加
え、高速で攪拌して乳化した。乳化を確認した後、14
gのピペラジン六水和物を131gの蒸留水に溶解した
水溶液を上述の反応混合物に加えて、30℃にて鎖延長
反応を行った。その後、反応系内を減圧しつつ40℃に
昇温して酢酸エチルを回収して、架橋構造を有し、水酸
基を含有しない水系ウレタン樹脂を得た。この水系ウレ
タン樹脂の濃度は、40重量%である。濃度は、水系ウ
レタン樹脂を105℃で3時間加熱して得られる重量
の、乾燥前の重量に対する百分率で表した。
【0125】架橋構造を有し、水酸基を含有する水系ウ
レタン樹脂(ur2)の製造 上述した水系ウレタン樹脂(ur1)の製造において、
反応混合物を乳化するの際に加えた300gの蒸留水
を、3.8gのジエタノールアミンを300gの蒸留水
に溶解した水溶液に代えたこと以外は、同様の方法を用
いて架橋構造を有し、水酸基を含有する水系ウレタン樹
脂(ur2)を製造した。濃度は、40重量%であっ
た。
レタン樹脂(ur2)の製造 上述した水系ウレタン樹脂(ur1)の製造において、
反応混合物を乳化するの際に加えた300gの蒸留水
を、3.8gのジエタノールアミンを300gの蒸留水
に溶解した水溶液に代えたこと以外は、同様の方法を用
いて架橋構造を有し、水酸基を含有する水系ウレタン樹
脂(ur2)を製造した。濃度は、40重量%であっ
た。
【0126】架橋構造を有さず、水酸基を含有する水系
ウレタン樹脂(ur3)の製造 上述した水系ウレタン樹脂(ur1)の製造において、
反応混合物を60℃に降温して、14gのγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランを加え、30分間の攪拌をす
ることなく、反応混合物を直接50℃に降温したこと、
並びに反応混合物を乳化するの際に加えた300gの蒸
留水を、3.8gのジエタノールアミンを300gの蒸
留水に溶解した水溶液に代えたこと以外は、同様の方法
を用いて架橋構造を有さず、水酸基を含有する水系ウレ
タン樹脂(ur3)を製造した。濃度は、40重量%で
あった。
ウレタン樹脂(ur3)の製造 上述した水系ウレタン樹脂(ur1)の製造において、
反応混合物を60℃に降温して、14gのγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランを加え、30分間の攪拌をす
ることなく、反応混合物を直接50℃に降温したこと、
並びに反応混合物を乳化するの際に加えた300gの蒸
留水を、3.8gのジエタノールアミンを300gの蒸
留水に溶解した水溶液に代えたこと以外は、同様の方法
を用いて架橋構造を有さず、水酸基を含有する水系ウレ
タン樹脂(ur3)を製造した。濃度は、40重量%で
あった。
【0127】架橋構造を有さず、水酸基を含有しない水
系ウレタン樹脂(ur4)の製造 上述した水系ウレタン樹脂(ur1)の製造において、
反応混合物を60℃に降温して、14gのγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランを加え、30分間の攪拌をす
ることなく、反応混合物を直接50℃に降温したこと以
外は、同様の方法を用いて架橋構造を有さず、水酸基を
含有しない水系ウレタン樹脂(ur4)を製造した。濃
度は、40重量%であった。
系ウレタン樹脂(ur4)の製造 上述した水系ウレタン樹脂(ur1)の製造において、
反応混合物を60℃に降温して、14gのγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランを加え、30分間の攪拌をす
ることなく、反応混合物を直接50℃に降温したこと以
外は、同様の方法を用いて架橋構造を有さず、水酸基を
含有しない水系ウレタン樹脂(ur4)を製造した。濃
度は、40重量%であった。
【0128】(3)水系アクリル樹脂と水系ウレタン樹
脂の組み合わせからなるバインダーの製造 表1に記載した成分ac1〜ac4、ur1〜ur4及
びc1を表1に記載した重量部で、室温にて混合して実
施例1〜5及び比較例1〜4のバインダーを得た。ここ
で、成分ac1〜ac4及びur1〜ur4は、上述の
水系アクリル樹脂及び水系ウレタン樹脂に各々対応し、
成分c1は、水分散性イソシアネート(日本ポリウレタ
ン社製のアクアネートAQ200(商品名))である。
実施例1、3、4及び比較例1、2、4は一液型のバイ
ンダーに対応し、実施例2,5及び比較例3は二液型の
バインダーに対応する。成分a1〜a4及びb1〜b4
の重量部は、水性媒体をも含む重量部である。
脂の組み合わせからなるバインダーの製造 表1に記載した成分ac1〜ac4、ur1〜ur4及
びc1を表1に記載した重量部で、室温にて混合して実
施例1〜5及び比較例1〜4のバインダーを得た。ここ
で、成分ac1〜ac4及びur1〜ur4は、上述の
水系アクリル樹脂及び水系ウレタン樹脂に各々対応し、
成分c1は、水分散性イソシアネート(日本ポリウレタ
ン社製のアクアネートAQ200(商品名))である。
実施例1、3、4及び比較例1、2、4は一液型のバイ
ンダーに対応し、実施例2,5及び比較例3は二液型の
バインダーに対応する。成分a1〜a4及びb1〜b4
の重量部は、水性媒体をも含む重量部である。
【0129】(4)実施例1〜5及び比較例1〜4のバ
インダーの評価 (i)バインダーから形成される塗膜の耐水性 実施例1〜5及び比較例1〜4のバインダーの各々を、
ガラス板に10milのアプリケーターを用いて塗工し
た後、1日間50℃にて乾燥した。得られた塗膜を20
℃の水に七日間浸漬した後、白化しているか否かを目視
にて確認した。白化していないものを○、白化している
ものを×とした。結果は表1に示した。
インダーの評価 (i)バインダーから形成される塗膜の耐水性 実施例1〜5及び比較例1〜4のバインダーの各々を、
ガラス板に10milのアプリケーターを用いて塗工し
た後、1日間50℃にて乾燥した。得られた塗膜を20
℃の水に七日間浸漬した後、白化しているか否かを目視
にて確認した。白化していないものを○、白化している
ものを×とした。結果は表1に示した。
【0130】(ii)バインダーから形成される塗膜の
耐候性 実施例1〜5及び比較例1〜4のバインダーの各々を、
ステンレス鋼板に10milのアプリケーターを用いて
塗工した後、1日間50℃にて乾燥した。得られた塗膜
を、ウェザーメーター(スガ試験機社製のサンシャイン
スーパーウェザーメーターWEL−SUN−HC−B型
(商品名))内において、63℃で、60分間に12分
間シャワーを与える条件にて、1000時間保持した。
1000時間保持する前後の塗膜の光沢を、光沢計を用
いて測定し、保持前の光沢に対する保持後の光沢の百分
率(光沢保持率)にて、耐候性を評価した。結果は表1
に示した。光沢保持率が大きいものほど、耐候性は高
い。
耐候性 実施例1〜5及び比較例1〜4のバインダーの各々を、
ステンレス鋼板に10milのアプリケーターを用いて
塗工した後、1日間50℃にて乾燥した。得られた塗膜
を、ウェザーメーター(スガ試験機社製のサンシャイン
スーパーウェザーメーターWEL−SUN−HC−B型
(商品名))内において、63℃で、60分間に12分
間シャワーを与える条件にて、1000時間保持した。
1000時間保持する前後の塗膜の光沢を、光沢計を用
いて測定し、保持前の光沢に対する保持後の光沢の百分
率(光沢保持率)にて、耐候性を評価した。結果は表1
に示した。光沢保持率が大きいものほど、耐候性は高
い。
【0131】(iii)バインダーとウッドチップから
形成される舗装材の耐衝撃性 1Lのウッドチップ(丸和林業(株)製)に、実施例1〜5
及び比較例1〜4のバインダーの各々を、400g混合
し、それぞれを4cmの厚さとなるように敷設した。1
週間室温にて乾燥した。1kgの鉄球を1mの高さから
落下させた後、得られた舗装材の状態を、目視にて観察
した。舗装材に異常(割れ等の破壊)を認めなかったも
のを○、舗装材に割れ等の破壊を認めたものを×とし
た。結果は表1に示した。
形成される舗装材の耐衝撃性 1Lのウッドチップ(丸和林業(株)製)に、実施例1〜5
及び比較例1〜4のバインダーの各々を、400g混合
し、それぞれを4cmの厚さとなるように敷設した。1
週間室温にて乾燥した。1kgの鉄球を1mの高さから
落下させた後、得られた舗装材の状態を、目視にて観察
した。舗装材に異常(割れ等の破壊)を認めなかったも
のを○、舗装材に割れ等の破壊を認めたものを×とし
た。結果は表1に示した。
【0132】
【表1】
a)成分の量は水性媒体をも含む重量部である。
b)光沢保持率で示す。単位は%である。
【0133】
【発明の効果】本発明に係る舗装用木質繊維材料と共に
使用するバインダーは、水系バインダーであるから、有
機溶剤である希釈剤を必要としないので、地球環境に優
れている。また、本発明に係るバインダーを用いて製造
される舗装材は、耐水性、耐候性、透水性等の特性が不
充分であること、雨天時や水中浸漬にあっても白化する
こと、屋外で長期間使用すると舗装が木目模様の景観を
長期にわたって維持し得ないこと、舗装の歩行感が温度
変化の影響を受け易いことから選択される少なくとも一
種の問題を実質的に解消し又は緩和し得る。尚、舗装材
の透水性の向上は、水溜りの発生を防止し得、雨水を地
中に還元することを可能とし得る。
使用するバインダーは、水系バインダーであるから、有
機溶剤である希釈剤を必要としないので、地球環境に優
れている。また、本発明に係るバインダーを用いて製造
される舗装材は、耐水性、耐候性、透水性等の特性が不
充分であること、雨天時や水中浸漬にあっても白化する
こと、屋外で長期間使用すると舗装が木目模様の景観を
長期にわたって維持し得ないこと、舗装の歩行感が温度
変化の影響を受け易いことから選択される少なくとも一
種の問題を実質的に解消し又は緩和し得る。尚、舗装材
の透水性の向上は、水溜りの発生を防止し得、雨水を地
中に還元することを可能とし得る。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C09D 157/00 C09D 157/00
175/04 175/04
(72)発明者 櫻井 哲生
大阪府箕面市船場西1丁目6番5号 日本
エヌエスシー株式会社内
Fターム(参考) 2D051 AB03 AB04 AE04 AG13 AG15
AG17 AG18 AG20 AH02 EA01
EA06 EB05 EB06
4J002 AH00W BB02X BB11X BC02X
BD05X BF02X BG00X BG01X
BG02X BG04X BG05X BG07X
BG08X BG09X BG13X BL00X
BL01X CK023 CK033 CK043
GJ01 GL00
4J038 BA252 CB021 CB091 CB121
CC021 CC071 CD021 CD081
CF021 CF091 CG141 CG151
CG161 CG171 CH031 CH041
CH171 CH201 CJ181 CK041
DB221 DG112 DG122 DG132
DG262 GA03 GA06 GA09
GA13 GA15 MA08 MA10 MA12
MA14 NA01 NA03 NA04 NA27
PA07 PA15 PA18 PB05 PC04
PC11
Claims (9)
- 【請求項1】 舗装用木質繊維材料と共に用いられるバ
インダーであって、 (A)エチレン性二重結合を有する単量体を乳化重合し
て得られる水系ラジカル重合型樹脂、及び (B)水系ウレタン樹脂の組み合わせから成り、 (A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)水系ウレタン樹
脂の少なくとも一方が架橋構造を有することを特徴とす
るバインダー。 - 【請求項2】 (A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)
水系ウレタン樹脂の両方が、架橋構造を有することを特
徴とする請求項1記載のバインダー。 - 【請求項3】 (A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)
水系ウレタン樹脂との重量比((A)/(B))が、5
5/45〜99/1であることを特徴とする請求項1又
は2に記載のバインダー。 - 【請求項4】 (A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)
水系ウレタン樹脂は、共にゲル分率が40〜100重量
%であり、アセトンに可溶な成分の数平均分子量が10
万以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載のバインダー。 - 【請求項5】 (A)水系ラジカル重合型樹脂と(B)
水系ウレタン樹脂の少なくとも一方は水酸基を含有し、
更に、(C)水に分散可能なポリイソシアネート組成物
を組み合わせて成ることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載のバインダー。 - 【請求項6】 水酸基を含有する樹脂の水酸基価は、2
〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項
5記載のバインダー。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のバイン
ダーと舗装用木質繊維材料とを予め混合し、この混合物
を敷きつめた後、加圧して表面を平滑にすることを特徴
とする舗装方法。 - 【請求項8】 舗装用木質繊維材料を敷きつめ、この木
質繊維材料上に、請求項1〜6のいずれかに記載のバイ
ンダーを散布した後、加圧して表面を平滑にすることを
特徴とする舗装方法。 - 【請求項9】 舗装用木質繊維材料が請求項1〜6のい
ずれかに記載のバインダーによって固着されることを特
徴とする舗装材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001216600A JP2003027409A (ja) | 2001-07-17 | 2001-07-17 | バインダー、それを用いる舗装方法、及びそれを用いて製造される舗装材 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003027409A true JP2003027409A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19051061
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114989599A (zh) * | 2022-07-14 | 2022-09-02 | 江苏长诺运动场地新材料有限公司 | 一种现浇混合型聚氨酯跑道面层及其制备工艺 |
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