JP2003026845A - 発泡性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

発泡性ポリエステル樹脂組成物

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JP2003026845A
JP2003026845A JP2001210694A JP2001210694A JP2003026845A JP 2003026845 A JP2003026845 A JP 2003026845A JP 2001210694 A JP2001210694 A JP 2001210694A JP 2001210694 A JP2001210694 A JP 2001210694A JP 2003026845 A JP2003026845 A JP 2003026845A
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JP
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polyester resin
parts
resin composition
meth
foaming agent
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JP2001210694A
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English (en)
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Takenobu Sunakawa
武宣 砂川
Mamoru Sumikura
護 角倉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の表面性や強度を改善した発泡性ポリ
エステル樹脂組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル樹脂100重量部に(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体0.5〜30重量部、
充填剤0.1〜30重量部および発泡剤をはいごうす
る。(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、該
重合体0.1gを100mlのクロロホルムに溶解した
溶液の30℃における比粘度が0.1〜1.7であるこ
とが好ましく、充填剤としては、タルク、マイカ、ウォ
ラストナイト、クレー、およびガラス繊維が好ましく、
また、発泡剤としては、熱分解型発泡剤が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性ポリエステ
ル樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、低温での加工
性に優れ、また強度、表面性に優れた高倍率の発泡成形
体を与える発泡性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、透明性、機械的特
性、ガスバリヤー性、耐熱性などの物理的性質および耐
溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性などの化学的性質に優れ
た成形体を与えるため、ボトル等の包装材料、シート、
フィルム、そのほか種々の分野で広く使用されている。
また近年、ポリエステル樹脂を軽量化し、断熱性を向上
し、成形品コストを低下させる手段として、発泡成形法
が注目されており、市場からはポリエステル樹脂の高倍
率の成形体に対する要望が強い。
【0003】前記ポリエステル樹脂の発泡成形において
は、一般に分岐剤を発泡剤と組み合わせて使用する方法
が知られている。
【0004】前記分岐剤としてカルボン酸二無水物など
を使用した場合、溶融状態でのポリエステル樹脂の分子
量増加や溶融粘度を向上させることにより高倍率の発泡
成形が可能になることが知られている。
【0005】たとえば、特許1921348号公報、特
許2126744号公報には、分岐剤としてピロメリッ
ト酸二無水物などの分子中に2個以上の酸無水物基を有
する化合物をポリエステル樹脂に加えることによって、
発泡成形体の発泡倍率を向上できることが記載されてい
る。
【0006】しかし、ピロメリット酸二無水物は融点が
280℃と非常に高温であり、270〜290℃の温度
で加熱成形しないと効果を発揮できない。実際210℃
以下というような低温領域ではほとんど効果が見られな
かった。
【0007】本発明は、これら分岐剤を使用せずに、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体を使用することで
150℃〜210℃の低温領域においても高倍率の発泡
成形を可能とするものであり、これらの技術とは異な
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発泡
成形において(メタ)アクリル酸エステル系重合体、発
泡剤を使用することでポリエステル樹脂の発泡倍率を大
幅に向上させることができ、かつ、発泡倍率の向上にと
もなって発生する、発泡成形体の強度、および表面性の
悪化を改善できる発泡性ポリエステル樹脂組成物を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行なった結果、ポリエステル樹脂に特定の(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体、充填剤、発泡剤を添加する
ことにより発泡倍率を大幅に向上させることができ、発
泡成形体の強度、表面性を改善できる組成物が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂1
00重量部(以下単に部と記す)、(メタ)アクリル酸
エステル系重合体0.5〜30部、充填剤0.1〜30
部および発泡剤を含有してなる発泡性ポリエステル樹脂
組成物(請求項1)、ポリエステル樹脂が非晶質ポリエ
ステル樹脂である請求項1記載の発泡性ポリエステル樹
脂組成物(請求項2)、(メタ)アクリル酸エステル系
重合体が該重合体0.1gを100mlのクロロホルム
に溶解した溶液の30℃における比粘度で0.1〜1.
7である請求項1又は2記載の発泡性ポリエステル樹脂
組成物(請求項3)、充填剤がタルク、炭酸カルシウ
ム、マイカ、ウォラストナイト、クレーまたはガラス繊
維である請求項1、2又は3記載の発泡性ポリエステル
樹脂組成物(請求項4)、発泡剤が熱分解型発泡剤であ
ってその量がポリエステル樹脂100重量部に対し0.
1〜25重量部である請求項1、2、3又は4記載の発
泡性ポリエステル樹脂組成物(請求項5)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、特定のメタクリ
ル酸エステルおよび(または)アクリル酸エステルを優
位量含む単量体または単量体混合物を乳化重合して得ら
れる(共)重合体をポリエステル樹脂用の発泡性を向上
させることを目的として用いることにある。前記(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体、発泡剤、充填剤を用
いることにより、ポリエステル樹脂が本来有する優れた
物理的、化学的特性を損なうことなく、発泡成形時の発
泡倍率を向上させることができるという効果を発現させ
ることができる。
【0012】本発明で使用されるポリエステル樹脂は熱
可塑性ポリエステル樹脂であって、芳香族のジカルボン
酸と二価のアルコール、すなわちジオールとを混合し、
それらの間でエステル化反応させ、さらに重縮合させて
得られる樹脂である。ジカルボン酸としてはテレフタル
酸またはそのアルキルエステルを主成分とするジカルボ
ン酸が用いられ、ジオールとしてはアルキレングリコー
ルを主成分とするジオールが用いられる。
【0013】本発明で使用されるポリエステル樹脂とし
ては、とくに限定はなく、従来から使用されているポリ
エステル樹脂やリサイクルしたポリエステル樹脂であれ
ば使用することができるが、加工しやすい点から非晶質
のポリエステル樹脂が好ましい。この非晶質ポリエステ
ル樹脂としては、結晶性が実質認められないか、または
低いものである。たとえば、50モル%以上がエチレン
グリコールであるジオールと、50モル%以上がテレフ
タル酸またはそのアルキルエステルであるジカルボン酸
類を縮重合して得られるホモポリマー、コポリマーまた
はこれらの混合物があげられ、コポリマーとしては、た
とえば、全カルボン酸類の50モル%以下の範囲で他の
ジカルボン酸、たとえば、イソフタル酸あるいはハロゲ
ン化テレフタル酸を共重合したものや、全ジオールの5
0モル%以下の範囲でポリ(アルキレングリコール)、
具体的にはジエチレングリコールを共重合したもの、ま
たはアルキル基の炭素数3〜12のアルキレングリコー
ル、たとえば、1,4−シクロヘキサンジメタノールな
どを共重合したものがあげられる。
【0014】本発明で使用される(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体は、前記ポリエステル樹脂の発泡性を改
善する目的で用いられる成分である。
【0015】前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
は、メタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エ
ステルを優位量含む単量体および単量体混合物[以下、
単量体混合物(M)ともいう]を乳化重合させて得られ
る(共)重合体であり、該(共)重合体0.1gを10
0mlのクロロホルムに溶解した溶液の30℃における
比粘度は0.1〜1.7、好ましくは0.5〜1.5、
より好ましくは0.7〜1.3、さらに好ましくは0.
8〜1.3、とくに好ましくは0.9〜1.3である。
比粘度が0.1未満の場合、充分な発泡性が得られなく
なる。また、1.7をこえると発泡性が低下する傾向が
ある。比粘度は、後述する単量体と重合開始剤の比率ま
たはメルカプタンの量などによって調節できる。
【0016】前記単量体混合物(M)は、メタクリル酸
メチルならびにメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸
エステルおよびアクリル酸エステルから選ばれる単量体
の混合物であり、これらと共重合可能なビニル系単量体
を含んでいてもよい。
【0017】前記メタクリル酸メチルを除くメタクリル
酸エステルとしては、たとえばメタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸2−エチルヘキシルなどがあげられる。また、アクリ
ル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどがあげられ
る。これらのメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エ
ステルおよびアクリル酸エステルは、単独で用いてもよ
く2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ビ
ニル系単量体としては、たとえばスチレン、α−メチル
スチレンなどの芳香族ビニル、アクリロニトリルなどの
不飽和ニトリルなどがあげられる。これらは、単独で用
いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】前記単量体混合物(M)中の各成分の割合
は、好ましくはメタクリル酸メチル50〜100重量%
(以下単に%と記す)、より好ましくは50〜90%、
さらに好ましくは60〜85%、メタクリル酸メチルを
除くメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの
中から選ばれる単量体、好ましくは0〜50%、より好
ましくは0〜40%、さらに好ましくは0〜30%、お
よび前記ビニル系単量体、好ましくは0〜20%、より
好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%であ
る。
【0019】前記単量体混合物(M)中のメタクリル酸
メチルの割合が50%未満の場合、加工性、発泡性が低
下する傾向がある。また、前記メタクリル酸メチルを除
くメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルから
選ばれる単量体の割合が50%をこえると、加工性、発
泡性が低下する傾向が生じる。さらに、前記ビニル系単
量体の割合が20%をこえると、ゲル化性、発泡性が低
下する傾向が生じる。
【0020】前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
は、たとえば前記単量体混合物(M)を適当な分散媒
体、乳化剤、重合開始剤および連鎖移動剤を用いて乳化
重合させて得られる。この際、乳化重合は2段重合ある
いはそれ以上で行なわれてもよく、また1段重合で行わ
れてもよい。
【0021】前記乳化重合で使用される分散媒体は通
常、水である。乳化剤としては、公知のものが使用され
る。たとえば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル
塩、スルホコハク酸ジエステル塩などのアニオン系界面
活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活
性剤などがあげられる。
【0022】重合開始剤としては、水溶性や油溶性の重
合開始剤などが使用される。たとえば、通常の過硫酸塩
などの無機重合開始剤、または有機過酸化物、アゾ化合
物などを単独で用いてもよいが、これら開始剤化合物と
亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第一金属塩、ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシレートなどを組み合わせて、レド
ックス系で用いてもよい。好ましい過硫酸塩としては、
たとえば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどがあげられ、また、好ましい有機過酸化
物としては、たとえばt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイルなどがあげられる。
【0023】連鎖移動剤としてはとくに限定はないが、
たとえばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン、t−デシルメルカプタン、n−デシルメルカ
プタンなどが使用され得る。
【0024】前記重合反応時の温度や時間などにもとく
に限定はなく、使用目的に応じて所望の比粘度、粒子径
になるように適宜調整すればよい。
【0025】2段重合で重合を行なう場合は、2段目以
降の単量体の添加にあたって、1段目の重合が完結して
いることを確認して添加することにより、1段目のモノ
マーと混合することなく、各段の重合を行なうことがで
きる。
【0026】このようにして得られる重合体ラテックス
中の粒子は、通常、平均粒子径が100〜3000Å程
度であり、通常の電解質の添加による塩析、凝析や熱風
中に噴霧、乾燥させることにより、ラテックスから取り
出される。また、必要に応じて、通常の方法により洗
浄、脱水、乾燥などが行なわれる。
【0027】以上の操作で得られる(メタ)アクリル酸
エステル系重合体は、通常、平均粒子径が30〜300
μmの白色粉末状のものが(メタ)アクリル酸エステル
系重合体としてポリエステル樹脂あるいは発泡ポリエス
テル樹脂に配合する上で好ましい。
【0028】前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
の添加量は、前記ポリエステル樹脂100部に対して、
0.5〜30部、好ましくは3〜25部、さらに好まし
くは5〜20部である。(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の添加量が0.5重量部未満の場合、(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体を添加する効果が充分得られ
なくなり、30部をこえると、ポリエステル樹脂の優れ
た機械的特性が損なわれる。
【0029】本発明で使用される発泡剤としては、とく
に限定されるものではなく、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリ
ウム等の不活性ガス、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン等の飽和炭化水素、テトラフルオロメタン、フロ
ン等のハロゲン化炭化水素、などの物理発泡剤や、重炭
酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の熱分解型無機発
泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、N,N’−ジメチル− N,N’ジニトロソテレフ
タルアミドなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカル
ボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、トルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホ
ニルヒドラジド化合物等の熱分解型有機発泡剤、などの
熱分解型発泡剤が用いられるが、発泡効率の点や防爆構
造を付与した発泡成形設備を使用しなくてもよい点から
熱分解型発泡剤が好ましい。
【0030】熱分解型無機発泡剤としては、たとえば重
炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどがあげられ
る。これらは単独または2種以上を混合して使用され得
る。なかでも、重炭酸ナトリウムが発泡効率、コストの
面から好ましい。
【0031】熱分解型有機発泡剤としては、たとえば
N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,
N’−ジメチル− N,N’ジニトロソテレフタルアミ
ドなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボキシレ
ートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、トルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒ
ドラジド化合物などがあげられる。これらは単独または
2種以上を混合して使用され得る。なかでも、アゾジカ
ルボンアミドが発泡効率、コストの面から好ましい。
【0032】前記発泡剤の添加量は、その目的に応じ、
とくに限定されるものではないが、通常、前記ポリエス
テル樹脂100部に対して好ましくは0.1〜25部、
さらに好ましくは0.3〜18部である。発泡剤の添加
量が0.1部未満の場合、充分な発泡倍率の成形体が得
られにくく、25部をこえると、均一なセルの発泡成形
体が得られにくい。
【0033】また、前記(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の添加量にあわせて前記発泡剤の添加量を変量し
てもよく、たとえば、前記ポリエステル樹脂100部に
対して、(メタ)アクリル酸エステル系重合体5部の場
合には、発泡剤0.1部〜5部、(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体10部の場合には、発泡剤0.5部〜1
0部、(メタ)アクリル酸エステル系重合体20部の場
合には、発泡剤1部〜25部添加することが好ましい。
【0034】本発明の発泡性ポリエステル樹脂組成物に
は、発泡成形体のセルを均一にする、および成形体の強
度を向上させるために、さらに充填剤を添加するのがよ
い。
【0035】本発明で使用される充填剤としては、たと
えば、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナ
イト、クレー、ガラス繊維などがあげられる。これらは
単独または2種以上を混合して使用され得る。なかで
も、タルク、マイカ、ウォラストナイト、クレーが強度
向上の面から好ましい。
【0036】前記充填剤の添加量は、前記ポリエステル
樹脂100部に対して0.1〜30部、好ましくは0.
5〜20部、さらに好ましくは3〜15部である。充填
剤の添加量が0.1部未満の場合、均一なセルの発泡成
形体が得られず、充分な強度が得られにくい。30部を
こえると、溶融時の粘度が高くなり、成形中の負荷が高
くなる傾向がある。
【0037】本発明の発泡性ポリエステル樹脂組成物に
は、必要に応じて押出成形におけるモーター負荷を低減
するための相溶化剤、ペレットとパウダーが分級するの
を防ぐための展着剤、滑剤、耐衝撃強化剤、可塑剤、お
よび着色剤などのほかの添加剤を単独または2種以上を
組合せて添加してもよい。
【0038】本発明の発泡性ポリエステル樹脂組成物の
製造方法にはとくに限定はない。たとえば前記ポリエス
テル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、熱分
解型発泡剤、充填剤、およびそのほかの添加剤などを混
合後、樹脂組成物に適した温度で単軸、二軸押出機など
のような溶融混練機により溶融混練する方法などにより
製造することができる。
【0039】本発明の発泡性ポリエステル樹脂組成物の
成形加工法はとくに限定されるものではなく、一般に用
いられている成形法、たとえば押出成形法などが適用で
きる。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づき本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0041】なお、実施例および比較例で用いた評価方
法を以下にまとめて示す。
【0042】(メタ)アクリル酸エステル系重合体の比
粘度の測定 重合体試料0.1gを100mlのクロロホルムに溶解
させ、30℃の水浴中で一定温度に保ったユーベロード
型粘度計を用いて測定した。
【0043】発泡倍率の測定得られたパウダーコンパウ
ンド(ポリエステル樹脂組成物非発泡成形体)の比重を
測定したのち、シンシナティーミラクロン社製CMT−
45で成形し、得られた平板状成形体(ポリエステル樹
脂組成物の発泡成形体)の比重を測定し、その測定値を
もとに次式により発泡倍率を算出した。
【0044】発泡倍率=(ポリエステル樹脂組成物非発
泡成形体の比重)/(ポリエステル樹脂組成物の発泡成
形体の比重) なお、成形条件を以下に示す。 成形条件 成形温度:C1=150℃、C2=155℃、C3=1
60℃、アダプター=170℃、ダイス=175℃ スクリュー回転数:10rpm 吐出量:15kg/hr ダイス:10mm×180mm。
【0045】重合転化率の測定 次式により重合転化率を算出した。 重合転化率(%)={重合生成量/単量体仕込み量}×
100。
【0046】ラテックス平均粒子径の測定 得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体のラテッ
クスについて、日立製作所製のU−2000スペクトロ
フォトメーターを使用して546nmの波長の光散乱を
用いて平均粒子径を測定した。
【0047】表面性の評価 得られた成形体の表面性については、外観性を目視観察
し、以下の基準で評価した。 A:表面の凹凸がほとんど見られず、外観がすぐれてい
るもの。 B:表面の凹凸が見られるが、あまり目立たないもの。 C:表面の凹凸が多く見られ、外観がややわるいもの。 D:表面の凹凸がはなはだしく、外観がわるいもの。
【0048】圧縮強度の測定 JIS K7220に基づいて、23℃における20%
圧縮時の圧縮強度を測定した。
【0049】曲げ強度の測定 JIS K7221に基づいて、23℃における曲げ強
度を測定した。
【0050】熱変形温度の測定 JIS K7207に基づいて、曲げ応力が18.5k
gf/cm2の条件で熱変形温度(以下、HDTとい
う)を測定した。
【0051】実施例1 攪拌機付き8リットル反応器に乳化剤としてあらかじめ
水に溶解したジオクチルスルホコハク酸ソーダ0.7部
を入れ、さらに以後加える副原料に含まれる水量もあわ
せて水の全量を200部となるように水を加えた。前記
反応器内の気相部および液相部にチッ素を流通させるこ
とにより空間部および水中の酸素を除去したのち、攪拌
しながら内容物を70℃に昇温した。つぎに前記反応器
にメタクリル酸メチル(以下、MMAという)68部、
アクリル酸ブチル(以下、BAという)12部よりなる
1段目単量体混合物を一括追加し、ついで開始剤として
過硫酸カリウム0.01部を添加したのち、1時間攪拌
を続け、重合を実質的に完結させた。そののち、MMA
6部およびBA14部からなる2段目単量体混合物を1
時間あたり30部程度の速度で滴下した。滴下終了後、
内容物を90分間、70℃に保ち、そののち冷却して、
重合体ラテックスを得、平均粒子径を測定した。結果を
表1に示す。また、このときの重合転化率は99.5%
であった。得られた重合体ラテックスを塩化カルシウム
水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理したのち
に、遠心脱水機を用いて濾過し、得られた樹脂の脱水ケ
ーキを樹脂の重量と同量程度の水で水洗し、平行流乾燥
機により50℃、15時間の条件で乾燥させて白色粉末
状の重合体試料(1)を得た。また、得られた重合体試
料(1)の比粘度を測定した。結果を表1に示す。
【0052】つぎに、ポリエステル樹脂(イーストマン
ケミカル社製、EASTER6763)100部に前記
重合体試料(1)10部、タルク1.0部、重炭酸ナト
リウム5.4部、アゾジカーボンアミド0.6部、相溶
化剤(住友化学社製、ボンドファーストBF−7B)
1.0部、および展着剤(越谷化成工業社製、ポリブデ
ン)0.1部を配合し、ヘンシェルミキサーにて混合し
たペレットコンパウンドをシンシナティーミラクロン社
製CMT−45で成形し、得られた発泡成形体について
表面性を評価し、発泡倍率を測定した。結果を表1に示
す。
【0053】実施例2〜6 表1に示した成分を表1に示した組成にしたがって、実
施例1と同様にして重合体試料(2)〜(6)をそれぞ
れ得、各特性値を測定した。また、得られた重合体試料
(2)〜(6)各10部を用いて、ポリエステル樹脂1
00部と配合し実施例1と同様にして、発泡成形体を
得、前記評価を行ない、それぞれ実施例2〜6とした。
結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 表1の結果より、(メタ)アクリル酸エステル系重合体
試料(1)〜(6)を用いると良好な発泡性を有する組
成物が得られることがわかる。
【0055】実施例7、8および比較例1〜4 実施例4で用いた重合体試料(4)のポリエステル樹脂
への配合部数をかえた場合の発泡性の違いについて評価
するために、実施例4で用いた重合体試料(4)のポリ
エステル樹脂100部に対する配合部数を10部のかわ
りに表2に記載の配合部数15部あるいは25部にし、
その他は実施例4と同様にして成形体を得、発泡性、表
面性の評価を行なった。結果を重合体資料10部の実施
例4と比較して表2に示す。ただし、比較例2の場合に
は、組成物の不均一性が増して、発泡性を評価するのに
適した成形体を得ることができなかった。
【0056】
【表2】 表2の結果より、本発明の範囲で重合体試料(4)を配
合した組成物は、良好な発泡性を示しているが、比較例
1のように本発明の範囲をこえて配合部数を減らした場
合、および比較例3、4のようにピロメリット酸二無水
物を使用した場合には、充分な発泡性が得られないこと
がわかる。実施例9〜14および参考例1、2発泡剤の
種類および配合部数を表3に記載のとおりにかえたほか
は実施例4と同様にして成形体を得、発泡性、表面性の
評価を行なった。結果を表3に示す。
【0057】なお、表中SBCは重炭酸ナトリウム、A
DCAはアゾジカーボンアミドを示す。
【0058】
【表3】 表3の結果より、本発明の組成物は良好な発泡性を有し
ていることがわかる。
【0059】実施例15〜20および比較例5、6 充填剤の種類および配合部数を表4に記載のとおりにか
えたほかは実施例4と同様にして成形体を得、発泡性、
表面性、圧縮強度、曲げ強度、およびHDTの評価を行
なった。結果を表4に示す。
【0060】なお、表中の充填剤は、以下に示すような
市販品を使用した。 タルク:富士タルク社製、LMS−200 マイカ:山口雲母社製、A−21 モンモリロナイト:サザンクレー社製、CLOISIT
E−25A
【0061】
【表4】 表4の結果より、本発明の範囲内で各種充填剤を配合し
た組成物は、良好な発泡性、表面性、圧縮強度、曲げ強
度、HDTを有しているが、比較例7のように本発明の
範囲をこえて配合部数を減らして使用した場合には、均
一な発泡セルが得られなかったために成形体の表面性が
非常に悪く、前記評価を行なうのに適した成形体を得る
ことができなかった。また、比較例8のように本発明の
範囲をこえて配合部数を増やして使用した場合には、発
泡セルの破壊がはなはだしく、前記評価するのに適した
成形体を得ることができなかった。
【0062】
【発明の効果】本発明の発泡性ポリエステル樹脂組成物
は、ポリエステル樹脂と(メタ)アクリル酸エステル系
重合体と充填剤と発泡剤を使用し、(メタ)アクリル酸
エステル系重合体としては該重合体0.1gを100m
lのクロロホルムに溶解した溶液の30℃における比粘
度で0.1〜1.7という特定の範囲内にあるものを特
定量使用したものであるため、3〜15倍程度という高
倍率の発泡成形体が得られ、かつ、発泡倍率の向上によ
って発生する表面性、および成形体の強度が悪化するの
を改善できる。したがって、既存の押出成形機の使用に
よる製造コストの低減が可能であり、かつ用途範囲が拡
大される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂100重量部、(メ
    タ)アクリル酸エステル系重合体0.5〜30重量部、
    充填剤0.1〜30重量部および発泡剤を含有してなる
    発泡性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂が非晶質ポリエステル
    樹脂である請求項1記載の発泡性ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸エステル系重合体が
    該重合体0.1gを100mlのクロロホルムに溶解し
    た溶液の30℃における比粘度で0.1〜1.7である
    請求項1又は2記載の発泡性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 充填剤がタルク、炭酸カルシウム、マイ
    カ、ウォラストナイト、クレーまたはガラス繊維である
    請求項1、2又は3記載の発泡性ポリエステル樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 発泡剤が熱分解型発泡剤であってその量
    がポリエステル樹脂100重量部に対し0.1〜25重
    量部である請求項1、2、3又は4記載の発泡性ポリエ
    ステル樹脂組成物。
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