JP2001089592A - 発泡性塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

発泡性塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2001089592A JP26906999A JP26906999A JP2001089592A JP 2001089592 A JP2001089592 A JP 2001089592A JP 26906999 A JP26906999 A JP 26906999A JP 26906999 A JP26906999 A JP 26906999A JP 2001089592 A JP2001089592 A JP 2001089592A
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vinyl chloride
methyl methacrylate
monomer
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English (en)
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Takenobu Sunakawa
武宣 砂川
Noriko Sakashita
典子 阪下
Mitsutake Sato
充毅 佐藤
Mamoru Sumikura
護 角倉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂の発泡倍率を大幅に向上さ
せることができる発泡性塩化ビニル系樹脂組成物を得
る。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100部と、加工性改
良剤としてメタクリル酸メチル50〜100%とメタク
リル酸メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアクリ
ル酸エステルの中から選ばれる単量体0〜50%からな
る単量体混合物(a)50〜99部を乳化重合して得ら
れる(共)重合体のラテックスの存在下で、メタクリル
酸メチル0〜50%とメタクリル酸メチルを除くメタク
リル酸エステルおよびアクリル酸エステルの中から選ば
れる少なくとも1種の単量体50〜100%からなる単
量体混合物(b)50〜1部を添加、重合して得られる
重合体混合物である(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体0.5〜30部、発泡剤として加熱することにより
水蒸気を発生する物質0.5〜30部と熱分解型発泡剤
0〜20部からなる組成物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡性塩化ビニル系
樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、加工性に優れ、
物理特性に優れた高倍率の発泡成形体を与える発泡性塩
化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、耐衝撃性や耐熱性
などの物理的性質および耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ
性などの化学的性質に優れた成形体を与えるため、建
材、そのほか種々の分野で広く使用されている。また近
年、塩化ビニル系樹脂を軽量化し、また成形品コストを
低下させる手段として、発泡成形法が注目されており、
市場からは塩化ビニル系樹脂の高倍率の成形体に対する
要望が強い。前記塩化ビニル系樹脂の発泡成形において
は、一般にメタクリル酸メチルを主成分とする加工性改
良剤を発泡剤と組み合わせて使用する方法が知られてい
る。
【0003】前記発泡剤として、脂肪族炭化水素、脂肪
族ハロゲン化炭化水素などの易揮発性有機溶剤系発泡剤
を使用した場合、高倍率の発泡が可能であることが知ら
れている。
【0004】たとえば、特公昭60−10540号公
報、特公昭58−40986号公報には、発泡剤として
ブタン、ジクロロフルオロメタンなどの沸点90℃以下
の有機溶剤を塩化ビニル系樹脂に含浸させる、あるいは
押出加工中に押出機に直接注入させることにより、発泡
成形体の発泡倍率は数十倍と高いものが得られることが
記載されている。
【0005】しかし、有機溶剤系発泡剤の使用は、加熱
することにより水蒸気を発生する物質と比較して、成形
を行なうに際して含浸、防爆などの設備が必要となるた
めコスト面において不利である。
【0006】一方、発泡剤として熱分解型有機発泡剤、
熱分解型無機発泡剤などの熱分解型発泡剤を使用した場
合、現状では成形品の表面を均一にし、かつ発泡セルを
均一微細に保たせようとすると3〜4倍程度以上に発泡
倍率を上げることは困難である。
【0007】たとえば、特公昭63−9540号公報に
は、メタクリル酸エステル系樹脂(重合度2千〜3万、
重量平均分子量20万〜300万のポリメタクリル酸メ
チル)、およびアゾジカルボンアミドなどの熱分解型有
機発泡剤と、重炭酸ナトリウムなどの熱分解型無機発泡
剤、さらに炭酸カルシウムなどの充填剤を平均重合度5
00〜800の塩化ビニル系樹脂に添加して得られる発
泡性塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。この発
泡性塩化ビニル系樹脂組成物を用いて成形した場合、均
一微細な発泡セルを有し、表面性、表面硬度が優れた発
泡成形体が得られることが記載されているが、発泡倍率
は3〜4倍程度である。
【0008】また、特開平6−9813号公報には、メ
タクリル酸エステル系樹脂、および熱分解型発泡剤とし
て10ミクロン以下の重炭酸塩を塩化ビニル系樹脂に添
加して得られる発泡用塩化ビニル系樹脂組成物が記載さ
れている。この発泡用塩化ビニル系樹脂組成物を用いて
成形した場合、均一微細な発泡セルを有し、熱安定性と
耐候性のよい発泡成形体が得られることが記載されてい
るが、発泡倍率についてまでは詳述されていない。
【0009】さらに、特開平9−151269号公報に
は、重量平均分子量450万〜700万のポリメチルメ
タクリレート系樹脂、および熱分解型発泡剤を塩化ビニ
ル系樹脂に配合して得られる発泡用塩化ビニル系樹脂組
成物が記載されている。この発泡用塩化ビニル系樹脂組
成物を用いて成形した場合、均一な発泡セルを有し、樹
脂分解が発生しない射出発泡成形体が得られることが記
載されている。しかし、得られる発泡倍率は2〜3倍程
度である。
【0010】また、特開平7−278336号公報に
は、熱可塑性エラストマーに水を添加して発泡させるこ
とにより高倍率の発泡体が得られることが記載されてい
る。熱可塑性エラストマーとして塩化ビニルにNBRの
ようなゴム成分が共重合された樹脂を使用しており、通
常の塩化ビニル樹脂は使用されていない。
【0011】また、特開平9−194620号公報に
は、熱可塑性樹脂に水を含有する物質を添加して得られ
る熱可塑性樹脂組成物にマイクロ波を照射することによ
り発泡成形体が得られることが記載されているが、得ら
れる発泡倍率は2〜5倍程度である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発泡
成形において有機溶剤系発泡剤を使用せず、加熱するこ
とにより水蒸気を発生する物質を使用する、または加熱
することにより水蒸気を発生する物質と熱分解型発泡剤
を併用することで、発泡倍率を大幅に向上させることが
できる発泡性塩化ビニル系樹脂組成物を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行なった結果、塩化ビニル系樹脂に特定の(メタ)ア
クリル酸エステル系共重合体、および加熱することによ
り水蒸気を発生する物質、または加熱することにより水
蒸気を発生する物質とともに熱分解型発泡剤を添加する
ことにより、従来知られた組成物に比べて発泡倍率を大
幅に向上させることができる組成物が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は、(A)塩化ビニル系樹
脂100重量部(以下、部という)、(B)加工性改良
剤として、メタクリル酸メチル50〜100重量%(以
下、%という)とメタクリル酸メチルを除くメタクリル
酸エステルおよびアクリル酸エステルの中から選ばれる
単量体0〜50%とこれらと共重合可能なビニル系単量
体0〜20%とからなる単量体混合物(a)50〜10
0部を乳化重合して得られる(共)重合体のラテックス
の存在下で、メタクリル酸メチル0〜50%とメタクリ
ル酸メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアクリル
酸エステルの中から選ばれる少なくとも1種の単量体5
0〜100%とこれらと共重合可能なビニル系単量体0
〜20%とからなる単量体混合物(b)0〜50部を合
計量が100部となるように添加、重合して得られる重
合体混合物である(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体0.5〜30部および発泡剤として加熱することによ
り水蒸気を発生する物質0.5〜30部と熱分解型発泡
剤0〜20部を含有してなる発泡性塩化ビニル系樹脂組
成物(請求項1)、および加工性改良剤(B)が、メタ
クリル酸メチル50〜100%とメタクリル酸メチルを
除くメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの
中から選ばれる単量体0〜50%とこれらと共重合可能
なビニル系単量体0〜20%とからなる単量体混合物
(a)50〜100部を乳化重合して得られ、かつ該重
合体0.1gを100mlのクロロホルムに溶解した溶
液の30℃における比粘度が0.7以上である(共)重
合体のラテックスの存在下で、メタクリル酸メチル0〜
50%とメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステ
ルおよびアクリル酸エステルの中から選ばれる少なくと
も1種の単量体50〜100%とこれらと共重合可能な
ビニル系単量体0〜20%とからなる単量体混合物
(b)0〜50部を合計量が100部となるように添
加、重合して得られる重合体混合物で、該重合体混合物
0.1gを100mlのクロロホルムに溶解した溶液の
30℃における比粘度が0.5以上であることを特徴と
する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体である請求
項1記載の発泡性塩化ビニル系樹脂組成物(請求項2)
に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、メタクリル酸メ
チルを優位量含む単量体混合物(a)を乳化重合して得
られる(共)重合体を1段目の成分とし、つづいてメタ
クリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアク
リル酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量
体を優位量含む単量体混合物(b)を添加・重合して得
られる(共)重合体(以下、2段目重合体ともいう)か
らなり、とくにメタクリル酸メチルを優位量含む(共)
重合体(以下、1段目重合体ともいう)0.1gを10
0mlのクロロホルムに溶解した溶液の30℃における
比粘度が0.7以上であり、また2段重合体混合物0.
1gを100mlのクロロホルムに溶解した溶液の30
℃における比粘度が0.5以上である2段重合体混合物
を塩化ビニル系樹脂用の加工性改良剤として用いること
にある。前記2段重合体混合物を塩化ビニル系樹脂用加
工性改良剤として用い、発泡剤として加熱することによ
り水蒸気を発生する物質または加熱することにより水蒸
気を発生する物質と熱分解型発泡剤を用いることによ
り、塩化ビニル系樹脂が本来有する優れた物理的、化学
的特性を損うことなく、発泡成形時の発泡倍率を向上さ
せることができるという効果を、少量の添加によって顕
著に発現させることができる。
【0016】本発明で使用される塩化ビニル系樹脂
(A)としては、とくに限定はなく、従来から使用され
ている塩化ビニル系樹脂であれば使用することができる
が、塩化ビニル単位80〜100重量%(以下、%とい
う)および塩化ビニルと共重合可能なそのほかの単量体
単位0〜20%からなる(共)重合体であるのが好まし
い。
【0017】前記塩化ビニルと共重合可能なそのほかの
単量体としては、たとえば酢酸ビニル、プロピレン、ス
チレン、アクリル酸エステル(たとえば、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸オクチルなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するア
クリル酸アルキルエステルなど)などがあげられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用い
てもよい。
【0018】前記塩化ビニル系樹脂の平均重合度として
は、特別な限定はないが、通常、400〜800程度の
ものが用いられる。
【0019】このような塩化ビニル系樹脂としては、た
とえばポリ塩化ビニル、塩化ビニル単量体単位80%以
上および酢酸ビニル、プロピレン、スチレン、アクリル
酸エステルからの単位20%以下からなる共重合体、後
塩素化ポリ塩化ビニルなどがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。本発明で使用される加工性改良剤(B)は、単量体
混合物(a)を乳化重合して得られた1段目重合体のラ
テックスの存在下で単量体混合物(b)を添加し、重合
して得られる2段重合体混合物からなり、前記塩化ビニ
ル系樹脂の優れた透明性などの性質を低下させることな
しに、発泡性を向上させる目的で用いられる成分であ
る。単量体混合物(a)は、メタクリル酸メチル50〜
100%、好ましくは60〜90%、さらに好ましくは
70〜85%と、メタクリル酸メチルを除くメタクリル
酸エステルおよびアクリル酸エステルの中から選ばれた
単量体0〜50%、好ましくは10〜40%、さらに好
ましくは15〜30%と、これらと共重合可能なビニル
系単量体0〜20%、好ましくは0〜10%、さらに好
ましくは0〜5%とからなる混合物である。単量体混合
物(a)中のメタクリル酸メチルの割合が50%未満の
場合には、透明性が低下する。また、前記メタクリル酸
メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エ
ステルの中から選ばれた単量体が50%をこえると透明
性が低下する。さらにこれらと共重合可能なビニル系単
量体が20%をこえると透明性が低下する。単量体混合
物(a)中のメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エ
ステルの具体例としては、たとえばメタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシルなどのアルキル基の炭素
数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルなどがあげ
られる。また、アクリル酸エステルの具体例としては、
たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシルなどのアルキル基の炭素数が1〜8のアク
リル酸アルキルエステルなどがあげられる。これらのメ
タクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルおよびア
クリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。単量体混合物(a)中の、
これらと共重合可能なビニル系単量体の具体例として
は、たとえばスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香
族ビニルやアクリロニトリルなどの不飽和ニトリルなど
があげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。単量体混合物(a)を
乳化重合して得られた(共)重合体(1段目重合体)
0.1gを100mlのクロロホルムに溶解させ、30
℃で測定した比粘度はとくに限定されるものではない
が、好ましくは0.7〜1.9、より好ましくは0.8
〜1.8、さらに好ましくは0.8〜1.7、とくに好
ましくは0.9〜1.6である。前記比粘度が1.9を
こえると発泡性、加工性が低下する傾向がある。単量体
混合物(b)は、メタクリル酸メチル0〜50%、好ま
しくは20〜49%、さらに好ましくは30〜45%
と、メタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルお
よびアクリル酸エステルの中から選ばれた少なくとも1
種の単量体50〜100%、好ましくは51〜80%、
さらに好ましくは55〜70%と、これらと共重合可能
なビニル系単量体0〜20%、好ましくは0〜10%、
さらに好ましくは0〜5%とからなる混合物である。単
量体混合物(b)を、1段目重合体ラテックスの存在下
で重合させて1段目重合体の外層に混合物(b)からの
(共)重合体を設けることにより、前記加工性改良剤が
塩化ビニル系樹脂に添加されたとき、ゲル化を促進し、
未ゲル化物の発生を防ぐことができる。この結果、塩化
ビニル系樹脂に効率よく粘性や弾性を付与することがで
きる。単量体混合物(b)中のメタクリル酸メチルの割
合が50%をこえると、良好なゲル化性が失われたり、
未ゲル化物が発生しやすくなる。また、前記メタクリル
酸メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアクリル酸
エステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量体の割
合が50%未満の場合も同様である。さらに、これらと
共重合可能なビニル系単量体は必要であれば20%をこ
えない範囲で用いることができるが、できるだけ少量で
あることが好ましい。単量体混合物(b)中のメタクリ
ル酸メチルを除くメタクリル酸エステルの具体例として
は、たとえばメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘ
キシルなどのアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル
酸アルキルエステルなどがあげられる。また、アクリル
酸エステルの具体例としては、たとえばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアル
キル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル
などがあげられる。これらのメタクリル酸メチルを除く
メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルは、単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの中ではアクリル酸ブチルがガラス転移温度
の低い重合体が得られる点から好ましい。単量体混合物
(b)中のこれらと共重合可能なビニル系単量体の具体
例としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン
などの芳香族ビニルやアクリロニトリルなどの不飽和ニ
トリルなどがあげられる。これらは、単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の加
工性改良剤を製造するのに使用する単量体混合物(a)
と単量体混合物(b)との割合は、合計量が100部に
なるように単量体混合物(a)50〜100部、好まし
くは60〜95部、さらに好ましくは65〜90部、単
量体混合物(b)0〜50部、好ましくは5〜40部、
さらに好ましくは10〜35部である。
【0020】単量体混合物(a)、したがって1段目重
合体が約50部未満では塩化ビニル系樹脂のゲル化性が
充分改良されなくなる。また、単量体混合物(b)、し
たがって単量体混合物(b)からできる(共)重合体の
量が約50部をこえると、塩化ビニル系樹脂組成物にし
た場合のゲル化性、透明性が損なわれる。単量体混合物
(b)からの(共)重合体は1段目重合体の外層に存在
することでゲル化性、加工性を特異的に改善し、結果と
して本発明の加工性改良剤の添加効果を飛躍的に高効率
化させることができる。本発明の加工性改良剤(B)
は、たとえば以下の方法で製造することができる。ま
ず、単量体混合物(a)を適当な媒体、乳化剤、重合開
始剤および連鎖移動剤などの存在下で乳化重合させ、単
量体混合物(a)から1段目重合体ラテックスを得る。
ついで、1段目重合体ラテックスに単量体混合物(b)
を順次添加して重合を行う。このように各々の混合物を
逐次重合させることにより、1段目重合体が内層とな
り、単量体混合物(b)からの(共)重合体が外層とな
る2段重合体混合物が製造される。前記乳化重合で使用
される分散媒体は、通常、水である。
【0021】前記乳化剤としては、公知のものが使用さ
れる。たとえば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル
塩、スルホコハク酸ジエステル塩などのアニオン系界面
活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活
性剤などがあげられる。
【0022】前記重合開始剤としては、水溶性や油溶性
の重合開始剤などが使用される。たとえば、通常の過硫
酸塩などの無機重合開始剤、または有機過酸化物、アゾ
化合物などを単独で用いてもよいが、これら開始剤化合
物と亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第一金属塩、ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレートなどを組み合わせて、
レドックス系で用いてもよい。好ましい過硫酸塩として
は、たとえば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムなどがあげられ、また、好ましい有機過
酸化物としては、たとえばt−ブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾ
イル、過酸化ラウロイルなどがあげられる。
【0023】前記連鎖移動剤としてはとくに限定はない
が、たとえばt−ドデシルメルカプタン、t−デシルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−デシルメ
ルカプタンなどが使用され得る。比粘度はモノマーと開
始剤の比率あるいはメルカプタンなどが使用され得る。
【0024】前記乳化重合反応時の温度や時間などにも
とくに限定はなく、使用目的に応じて所望の比粘度、粒
子径になるように適宜調整すればよい。
【0025】単量体混合物(b)の添加にあたっては、
前段の重合が完結していることを確認して添加すること
により、前段の単量体混合物(a)と混合することな
く、各段の重合を行うことができる。
【0026】このようにして得られる2段重合体混合物
ラテックスは平均粒子径100〜3000Å、好ましく
は100〜2000Åであり、通常の電解質の添加によ
る塩析、凝析や熱風中に噴霧、乾燥させることにより、
ラテックスから取り出される。必要に応じて、通常の方
法により洗浄、脱水、乾燥などが行われる。
【0027】得られた2段重合体混合物は、0.1gを
100mlのクロロホルムに溶解させ、30℃で測定し
た比粘度が、とくに限定されるものではないが、好まし
くは0.5〜1.7、より好ましくは0.6〜1.6、
さらに好ましくは0.7〜1.5である。前記比粘度が
1.7をこえると発泡性、加工性が低下する傾向があ
る。
【0028】また、得られた2段重合体混合物は、通
常、平均粒子径が30〜300μmの白色粉末状のもの
が、加工性改良剤として塩化ビニル系樹脂に添加され
る。
【0029】本発明の加工性改良剤は、通常の方法にし
たがって塩化ビニル系樹脂に混合することにより、本発
明の発泡性塩化ビニル系樹脂組成物が製造される。
【0030】前記加工性改良剤の添加量は、前記塩化ビ
ニル系樹脂100部に対して、0.5〜30部、好まし
くは5〜25部、さらに好ましくは8〜25部である。
加工性改良剤の添加量が0.5部未満の場合、加工性改
良剤を添加する効果が充分得られなくなり、30部をこ
えると塩化ビニル系樹脂の優れた機械的特性が損なわれ
る。
【0031】本発明で発泡剤(C)として使用される加
熱することにより水蒸気を発生する物質としては、結晶
水を持つ無機物質、加熱分解することにより水蒸気を生
成する無機物質、吸水性樹脂などが挙げられる。
【0032】前記結晶水を持つ無機物質としては、ゼオ
ライト、硫酸亜鉛、アルミナホワイト、硫酸アルミニウ
ム、ケイ酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、亜
硫酸ソーダ、硝酸カルシウム、石膏、カリウムミョウバ
ン、タングステン酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第
一鉄、黄血ソーダ、四ホウ酸ナトリウム、塩化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マ
ンガン、次亜リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、オキシ塩化ジルコニウム、ハイドロタルサイト等が
ある。
【0033】前記加熱分解することにより水蒸気を生成
する無機物質としては、ホウ酸、水酸化アルミニウム、
水酸化スズなどが挙げられる。
【0034】前記吸水性樹脂としては、ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリヒドロキシエ
チルメタクリレート等がある。
【0035】これら加熱することにより水蒸気を発生す
る物質は単独または2種以上を混合して使用され得る。
なかでも、ホウ酸、ゼオライト、水酸化スズ等が発泡効
率、コストの面から好ましい。前記加熱することにより
水蒸気を発生する物質の添加量は、その目的に応じ、と
くに限定されるものではないが、通常、前記塩化ビニル
系樹脂100部に対して、0.5〜30部、好ましくは
1〜25部、さらに好ましくは1〜20部である。加熱
することにより水蒸気を発生する物質の添加量が0.5
部未満の場合、充分な発泡倍率の成形体が得られず、3
0部をこえると均一な発泡成形体が得られにくい。ま
た、前記加工性改良剤の添加量にあわせて前記加熱する
ことにより水蒸気を発生する物質の添加量を変量しても
よく、たとえば、前記塩化ビニル系樹脂100部に対し
て、加工性改良剤10部の場合には加熱することにより
水蒸気を発生する物質1〜15部、また、加工性改良剤
20部の場合には加熱することにより水蒸気を発生する
物質2〜20部添加するのが好ましい。また本発明で発
泡剤(C)として使用される熱分解型発泡剤としては、
熱分解型無機発泡剤および熱分解型有機発泡剤がある。
前記熱分解型無機発泡剤の例としては、たとえば重炭酸
ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭
酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。ま
た、前記熱分解型有機発泡剤としては、たとえばN,N
‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−
ジメチル− N,N’ジニトロソテレフタルアミドなど
のニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジドなどのス
ルホニルヒドラジド化合物などがあげられる。これらは
単独または2種以上を混合して使用され得る。なかで
も、重炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミドが発泡効
率、コストの面から好ましい。前記熱分解型発泡剤の添
加量は、その目的に応じ、とくに限定されるものではな
いが、通常、前記塩化ビニル系樹脂100部に対して、
0〜20部、好ましくは0〜15部、さらに好ましくは
0〜12部である。熱分解型発泡剤の添加量が20部を
こえると、均一な発泡成形体が得られにくい。本発明の
発泡性塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて安定
剤、滑剤、耐衝撃強化剤、可塑剤、着色剤、充填剤など
のほかの添加剤を単独または2種以上を組み合わせて添
加してもよい。本発明の発泡性塩化ビニル系樹脂組成物
の製造方法にはとくに限定はない。たとえば前記塩化ビ
ニル系樹脂、加工性改良剤、加熱することにより水蒸気
を発生する物質、熱分解型発泡剤およびほかの添加剤な
どを混合後、適した温度で単軸、2軸押出機などのよう
な溶融混練機により溶融混練する方法などにより製造す
ることができる。本発明の発泡性塩化ビニル系樹脂組成
物の成形加工法はとくに限定されるものではなく、一般
に用いられている成形法、たとえば押出成形法などが適
用できる。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づき本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0037】なお、実施例および比較例で用いた評価方
法を以下にまとめて示す。 (1段目重合体および2段重合体混合物(加工性改良
剤)の比粘度の測定)重合体試料0.1gを100ml
のクロロホルムに溶解させ、30℃の水浴中で一定温度
に保ったユーベロード型粘度計を用いて測定した。 (発泡倍率の測定)得られたパウダーコンパウンド(塩
化ビニル系樹脂組成物非発泡成形体)の比重を測定した
のち、東洋精機(株)製ラボプラストミル付属の小型単
軸押出機で成形し、得られた丸棒状発泡成形体(塩化ビ
ニル系樹脂組成物の発泡成形体)の比重を測定し、その
測定値をもとに次式により発泡倍率を算出した。
【0038】発泡倍率=(塩化ビニル系樹脂組成物非発
泡成形体の比重) / (塩化ビニル系樹脂組成物の発
泡成形体の比重) なお、押出機仕様および成形条件を以下に示す。
【0039】押出機仕様 スクリュー:L/D=20、圧縮比=2.7、回転数=
30rpm ダイス:直径=5mm、ランド=20mm 成形条件 成型温度:C1=170℃、C2=175℃、C3=1
80℃、ダイス=185℃ (重合転化率の測定)次式により重合転化率を算出し
た。
【0040】重合転化率(%)={重合生成量/単量体
仕込み量}×100 (ラテックス平均粒子径の測定)得られたラテックスに
ついて、日立製作所(株)製のU−2000スペクトロ
フォトメーターを使用して546nmの波長の光散乱を
用いて平均粒子径を測定した。 (セル形態の評価)得られた成形体のセル形態について
は、外観性を目視観察し、以下の基準で評価した。
【0041】○:セル構造が均一であり、外観がすぐれ
ているもの。
【0042】 △:破壊されたセルが散在しているもの。 ×:大部分のセルが潰れてしまっており、外観がわるい
もの。
【0043】実施例1 攪拌機付き8リットル反応器に乳化剤としてあらかじめ
水に溶解したジオクチルスルホコハク酸ソーダ0.7部
を入れ、さらに以後加える副原料に含まれる水量もあわ
せて水の全量を200部となるように水を加えた。前記
反応器内の気相部および液相部にチッ素を流通させるこ
とにより空間部および水中の酸素を除去したのち、攪拌
しながら内容物を70℃に昇温した。つぎに前記反応器
にメタクリル酸メチル(以下、MMAという)60部、
アクリル酸ブチル(以下、BAという)20部よりなる
1段目単量体混合物を一括追加し、ついで開始剤として
過硫酸カリウム0.005部を添加したのち、1時間攪
拌を続け、重合を実質的に完結させた。そののち、MM
A6部およびBA14部からなる2段目単量体混合物を
1時間あたり約30部の速度で滴下した。滴下終了後、
内容物を90分間、70℃に保ち、そののち冷却して、
ラテックスを得、平均粒子径を測定した。結果を表1に
示す。また、このときの重合転化率は99.5%であっ
た。得られたラテックスを塩化カルシウム水溶液で塩析
凝固させ、90℃まで昇温熱処理したのちに、遠心脱水
機を用いて濾過し、得られた2段重合体混合物の脱水ケ
ーキを2段重合体混合物の重量と同量程度の水で水洗
し、平行流乾燥機により50℃、15時間の条件で乾燥
させて白色粉末状の2段重合体試料(1)を得た。得ら
れた重合体試料(1)の比粘度を測定した。結果を表1
に示す。
【0044】つぎに、ポリ塩化ビニル(鐘淵化学工業
(株)製、カネビニールS−1007、平均重合度68
0)100部に前記重合体試料(1)10.0部、炭酸
カルシウム6.0部、酸化チタン2.0部、オクチルス
ズメルカプト系安定剤(日東化成社製、TVS#883
1)2.0部、ステアリン酸カルシウム0.6部、ヒド
ロキシステアリン酸(ヘンケル社製、LOXIOL G
−21)0.1部、脂肪酸アルコール二塩基性エステル
0.9(ヘンケル社製、LOXIOL G−60)0.
9部、およびポリエチレンワックス(アライドケミカル
社製、ACPE−617A)0.6部をヘンシェルミキ
サーにて混合し、内温110℃まで昇温し、冷却したの
ち、さらにホウ酸4.0部を配合してパウダーコンパウ
ンドを作製し、東洋精機(株)製ラボプラストミル付属
の小型単軸押出機で成形し、得られた丸棒状発泡成形体
についてセル形態を評価し、発泡倍率を測定した。結果
を表1に示す。
【0045】実施例2〜7および比較例1〜3 表1に示した成分を表1に示した組成にしたがって、実
施例1と同様にして重合体試料(2)〜(10)をそれ
ぞれ得、各特性値を測定した。また、得られた重合体試
料(2)〜(10)を用いて、それぞれ実施例1と同様
にしてポリ塩化ビニルと配合し、丸棒状発泡成形体を
得、前記評価を行ない、それぞれ実施例2〜7および比
較例1〜3とした。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】 表1の結果より、重合体試料(1)〜(7)を用いる
と、良好な発泡性を有した組成物が得られるが、メタク
リル酸メチル以外のメタクリル酸エステルやアクリル酸
エステルやこれらと共重合可能なビニル系単量体の割合
を本発明の範囲をこえて高くした単量体混合物(a)相
当物を用いた重合体試料(8)〜(10)を用いた場合
には、充分な発泡性が得られない。
【0047】実施例8〜12および比較例4〜6 表2に示した組成にしたがって、実施例1と同様にして
重合体試料(11)〜(18)を得た。
【0048】得られた重合体試料を用いて、前記と同様
の評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】 表2の結果より、重合体試料(11)〜(15)のよう
に単量体混合物(b)の組成が本発明の範囲内である場
合には、良好な発泡性を有する組成物が得られることが
わかる。一方、組成が本発明の範囲外である単量体混合
物(b)相当物を用いた重合体試料(16)〜(18)
を用いた場合には、発泡性が低下することがわかる。
【0050】実施例13〜16および比較例7、8 表3に示した組成にしたがって、実施例1と同様にして
重合体試料(19)〜(24)を得た。
【0051】得られた重合体試料について、前記と同様
の評価を行った。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】 表3の結果より、重合体試料(19)〜(22)のよう
に、単量体混合物(a)の量が本発明の範囲内である場
合には、良好な発泡性を有する組成物が得られることが
わかる。一方、単量体混合物(a)の量が本発明の範囲
より少量である重合体試料(23)、(24)を用いた
場合には、発泡性が充分でないことがわかる。
【0053】実施例17〜20 表4に示した組成にしたがって実施例と同様にして試料
(25)〜(28)を得た。
【0054】
【表4】 得られた重合体試料について、前記評価を行った。結果
を表4に示す。 実施例21〜24および比較例9、10 実施例20で用いた重合体試料(28)の塩化ビニル樹
脂への配合部数をかえた場合の発泡性の違いについて評
価するために、実施例20で用いた重合体試料(28)
のポリ塩化ビニル100部に対する配合部数を10.0
部のかわりに表2に記載の配合部数にし、発泡剤として
ホウ酸の配合部数を4.0部のかわりに表5に記載の配
合部数にし、そのほかは実施例20と同様にして成形体
を得、発泡性を評価した。結果を表5に示す。ただし、
比較例10の場合には、組成物の不均一性が増して、発
泡性を評価するのに適した成形体を得ることができなか
った。
【0055】
【表5】 表5の結果より、本発明の範囲で重合体試料(28)を
配合した組成物は、良好な発泡性を示しているが、比較
例9のように本発明の範囲をこえて配合部数を減らした
場合には、充分な発泡性が得られないことがわかる。
【0056】実施例25〜28および比較例11〜14 発泡剤の種類および配合部数をかえた場合の発泡性の違
いについて評価するために、実施例20で用いた重合体
試料(28)のポリ塩化ビニル100部に対する配合部
数を10.0部とし、発泡剤の種類および配合部数を表
6に記載のとおりにかえたほかは実施例20と同様にし
て成形体を得、発泡性の評価を行った。結果を表6に示
す。
【0057】なお、表中SBCは重炭酸ナトリウム、A
DCAはアゾジカーボンアミドを示す。
【0058】
【表6】 表6の結果より、本発明の範囲内で加熱することにより
水蒸気を発生する物質を配合した組成物は、良好な発泡
性を有しているが、比較例11、12のように本発明の
範囲をこえて配合部数を減らす、または増やして使用し
た場合には充分な発泡性が得られないことがわかる。ま
た、比較例13、14のように発泡剤として熱分解型有
機発泡剤を単独で使用した場合にも充分な発泡性が得ら
れないことがわかる。
【0059】実施例29〜33および比較例15 発泡剤として加熱することにより水蒸気を発生する物質
とともに配合される熱分解型発泡剤の種類および配合部
数をかえた場合の発泡性の違いについて評価するため
に、実施例20で用いた重合体試料(28)のポリ塩化
ビニル100部に対する配合部数を10.0部とし、発
泡剤の種類および配合部数を表7に記載のとおりにかえ
たほかは実施例20と同様にして成形体を得、発泡性の
評価を行った。結果を表7に示す。
【0060】
【表7】 表7の結果より、本発明の範囲内で熱分解型発泡剤を配
合した組成物は、良好な発泡性を有しているが、比較例
15のように本発明の範囲をこえて配合部数を増やして
使用した場合には充分な発泡性が得られないことがわか
る。
【0061】
【発明の効果】本発明の発泡性塩化ビニル系樹脂組成物
は、塩化ビニル系樹脂と特定の(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体と加熱することにより水蒸気を発生する
物質とを使用し、該(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体はメタクリル酸メチル50〜100重量%とメタク
リル酸メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアクリ
ル酸エステルの中から選ばれる単量体0〜50重量%と
これらと共重合可能なビニル系単量体0〜20重量%と
からなる単量体混合物(A)50〜100重量部を乳化
重合して得られる(共)重合体のラテックスの存在下
で、メタクリル酸メチル0〜50重量%とメタクリル酸
メチルを除くメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エ
ステルの中から選ばれる少なくとも1種の単量体50〜
100重量%とこれらと共重合可能なビニル系単量体0
〜20重量%とからなる単量体混合物(B)0〜50重
量部を合計量が100重量部となるように添加、重合し
て得られる重合体混合物であることを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体という特定の範囲内
にあるものを特定量使用したものであるため、5〜10
倍以上という高倍率の発泡成形体が得られ、かつ、セル
形態が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA23 AA35 AA36 AG20 BA03 BA04 BA08 BA13 BA14 BA16 BA17 BA18 BA29 CA22 CC04X CC22X CC32Y DA02 4J002 BD041 BD051 BD071 BD081 BD091 BE024 BG014 BG042 BG043 BG052 BG053 BG062 BG063 BG074 DD066 DD076 DE076 DE096 DE146 DE226 DE256 DE276 DF006 DF036 DG046 DG056 DH036 DJ006 DJ036 DK006 EQ016 EQ026 ES006 FD010 FD020 FD030 FD090 FD170 FD324 FD326 GL00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部
    と、(B)加工性改良剤として、メタクリル酸メチル5
    0〜100重量%とメタクリル酸メチルを除くメタクリ
    ル酸エステルおよびアクリル酸エステルの中から選ばれ
    る単量体0〜50重量%とこれらと共重合可能なビニル
    系単量体0〜20重量%とからなる単量体混合物(a)
    50〜100重量部を乳化重合して得られる(共)重合
    体のラテックスの存在下で、メタクリル酸メチル0〜5
    0重量%とメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エス
    テルおよびアクリル酸エステルの中から選ばれる少なく
    とも1種の単量体50〜100重量%とこれらと共重合
    可能なビニル系単量体0〜20重量%とからなる単量体
    混合物(b)0〜50重量部を合計量が100重量部と
    なるように添加、重合して得られる重合体混合物である
    (メタ)アクリル酸エステル系共重合体0.5〜30重
    量部と、(C)発泡剤として加熱することにより水蒸気
    を発生する物質0.5〜30重量部と熱分解型発泡剤0
    〜20重量部からなる発泡性塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 加工性改良剤(B)が、メタクリル酸メ
    チル50〜100重量%とメタクリル酸メチルを除くメ
    タクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの中から
    選ばれる単量体0〜50重量%とこれらと共重合可能な
    ビニル系単量体0〜20重量%とからなる単量体混合物
    (a)50〜100重量部を乳化重合して得られ、かつ
    該重合体0.1gを100mlのクロロホルムに溶解し
    た溶液の30℃における比粘度が0.7以上である
    (共)重合体のラテックスの存在下で、メタクリル酸メ
    チル0〜50重量%とメタクリル酸メチルを除くメタク
    リル酸エステルおよびアクリル酸エステルの中から選ば
    れる少なくとも1種の単量体50〜100重量%とこれ
    らと共重合可能なビニル系単量体0〜20重量%とから
    なる単量体混合物(b)0〜50重量部を合計量が10
    0重量部となるように添加、重合して得られる重合体混
    合物で、該重合体混合物0.1gを100mlのクロロ
    ホルムに溶解した溶液の30℃における比粘度が0.5
    以上であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステ
    ル系共重合体である請求項1記載の発泡性塩化ビニル系
    樹脂組成物。
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