JP2003026791A - 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2003026791A
JP2003026791A JP2001210762A JP2001210762A JP2003026791A JP 2003026791 A JP2003026791 A JP 2003026791A JP 2001210762 A JP2001210762 A JP 2001210762A JP 2001210762 A JP2001210762 A JP 2001210762A JP 2003026791 A JP2003026791 A JP 2003026791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
aromatic polycarbonate
producing
phosgene
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001210762A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Shiomi
一昭 塩見
Kazuhiro Ando
和弘 安藤
Toshiaki Asao
俊明 朝生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2001210762A priority Critical patent/JP2003026791A/ja
Priority to US10/481,054 priority patent/US7157544B2/en
Priority to PCT/JP2002/006927 priority patent/WO2003006527A1/ja
Priority to EP02743864A priority patent/EP1426396B1/en
Priority to DE60214739T priority patent/DE60214739T2/de
Publication of JP2003026791A publication Critical patent/JP2003026791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面重合法による芳香族ポリカーボネート樹
脂の製造方法において、冷却のために使用される冷凍機
の設備投資と電気エネルギーを低減し、生産性の向上し
た芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 界面重合法によるポリカーボネート樹脂
の製造において、溶融して4時間後の溶融ハーゼン色数
が50以下である2,2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ンを原料として、使用される有機溶剤の蒸発潜熱を利用
して冷却する芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面重合法による
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法に関し、更に詳
しくは、ビスフェノール化合物とホスゲンとの反応時の
膨大な反応熱を除去するために有機溶剤の蒸発潜熱を利
用して反応液を冷却する芳香族ポリカーボネート樹脂の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】界面重合法によるポリカーボネート樹脂
の製造方法は、ビスフェノール化合物、アルカリ水溶
液、およびメチレンクロライドの混合物をかき混ぜなが
ら、これにホスゲンをガス状で吹き込むと、最初にクロ
ロホーメート末端基を有する低分子量のポリカーボネー
トが溶剤中に生成するが、ビスフェノール化合物のアル
カリ塩とホスゲンとの反応は速く、しかも発熱反応であ
るため、反応温度をコントロールするのに、多量の冷却
水が必要であった。更に、ホスゲンの分解及び得られた
芳香族ポリカーボネート樹脂の色相の点で、反応温度を
20℃前後の低温に保持することが必要とされていた。
【0003】ビスフェノール化合物のカ性アルカリ水溶
液とポリカーボネート・オリゴマー用有機溶媒を管型反
応器に導入し、混相流を形成せしめ、これにホスゲンを
並流反応させて、その際発生する反応熱を一時該有機溶
剤の気化熱により除去するポリカーボネート・オリゴマ
ーの連続製造法が特公昭46−21460号公報に開示
されている。しかしながら、この方法では、反応熱の除
去を行うことはできるが、ホスゲン化反応が有機溶剤の
沸点近くの高温で進行することならびに有機溶媒を凝縮
させるために比較的長い反応器を必要とすることなどに
よりホスゲンの分解が起こり、必ずしも高品質のオリゴ
マーを得ることができないとか、反応熱の除去を効果的
にするために、低沸点の有機溶媒を用いることも考えら
れるが、揮発性が高く実際には使用が困難であった。
【0004】そこで、特開昭58−108225号公報
には、ジオキシ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを
有機溶剤の存在下に反応させてポリカーボネートオリゴ
マーを製造する方法において、該反応を2〜20℃の温
度範囲に維持された管型反応器中で行うポリカーボネー
トオリゴマーの連続製造方法が提案されている。しか
し、この方法でも、やはり多量の冷却水が必要であっ
た。
【0005】一方、反応に際して生ずる反応熱を除去す
る方法として、初期反応生成物を一定温度に維持された
多量の反応生成物と接触させる方法が、特公昭54−4
0280号公報に提案されている。しかし、この方法で
はホスゲン化反応の初期段階のコントロールが困難であ
ると共に、ホスゲンやクロロ蟻酸エステルの分解を避け
ることが難しかった。
【0006】また、アルカリ性水溶液を0℃以下に保冷
し、この冷水溶液にホスゲンを反応させて反応熱の吸収
を効果的に行う方法が、特開昭55−52321号公報
に提案されている。しかしながらこの方法では反応温度
を低く抑えることができるが、このような低温度では有
機溶剤として最もよく用いられるメチレンクロライドが
水溶液と接触すると水和物が形成されて反応系がシャー
ベット状になり、種々の不都合が生じ、実用的には不適
当なものであった。
【0007】かかる反応熱の除去方法として、冷却した
高分子量の反応混合物を再供給する高分子線状ポリカー
ボネートの連続製造法が特開昭47−14297号公報
に提案されているが、この方法はホスゲンを他の不活性
ガスで希釈して仕込むために、反応生成物を気液分離せ
ねばならず、またアミンが存在し、かつ系が乳化状態と
なり易いので、ホスゲンやクロロ蟻酸エステルの分解が
むしろ大きくなる問題があった。
【0008】ポリカーボネート樹脂のホスゲン化反応で
生成する反応熱の除去は、界面反応器においては、反応
熱の除去にジャケットや内部コイルに冷媒を流す方式や
反応液を外部循環して熱交換器を用いて冷却する方法が
採用されている。そのため、反応液をジャケットや内部
コイル及び熱交換器で冷却した場合は、除熱に冷凍機が
必要になり、電気エネルギーの負荷が非常に多大であっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
における上述したような問題点を解決し、ポリカーボネ
ート樹脂の製造における冷却のために使用されている冷
凍機の設備投資と電気エネルギーを低減し、生産性が向
上した芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供す
る事である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反応熱を
除去するために有機溶媒の蒸発潜熱を利用する方法をに
ついて、種々検討した結果、原料として溶融ハーゼン色
数が50以下である2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
プロパン(以下、ビスフェノールAと略記する。)を使
用することによって、30〜50℃で反応を行ったも、
得られる芳香族ポリカーボネート樹脂が、従来の反応温
度で製造したものと同等の色調のものが得られることを
見い出し、本願発明を完成した。
【0011】
【発明の実施の形態】即ち、本願発明は、界面重合法に
よるポリカーボネート樹脂の製造において、溶融して4
時間後の溶融ハーゼン色数が50以下の2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパンを原料として、使用される
有機溶剤の蒸発潜熱を利用して冷却する芳香族ポリカー
ボネート樹脂の製造方法である。
【0012】また、槽型反応器の気相部及び有機溶剤の
凝縮器は、ホスゲンガスと接触する可能性が高いので、
耐腐食性に優れた材質を使用することが、得られる芳香
族ポリカーボネート樹脂の色相の点で好ましい。
【0013】耐腐食性に優れた材質としては、Niを1
1重量%以上及びCrを16重量%以上含有するステン
レス鋼、Niを50重量%以上含有するニッケル合金、
チタン合金、テフロン(登録商標)、ガラス及びセラミ
ックを挙げることが出来る。具体的には、SUS31
7、SUS317L、SUS309S、SUS310
S、モネル合金、インコネル合金、ハステロイ合金、ク
ロメット合金、チタニウム、チタニウム合金、ジルコニ
ウム、ジルコニウム合金、テフロン(登録商標)、ガラ
ス、及びセラミックから選ばれた少なくとも1種を挙げ
ることができる。
【0014】本発明の原料であるビスフェノールAは、
溶融して4時間後の溶融ハーゼン色数が50以下のもの
が好ましく、更に好ましくは30以下のものである。
【0015】更に、使用される有機溶剤としては、メチ
レンクロライドが沸点、蒸発潜熱および得られる芳香族
ポリカーボネート樹脂がよく溶ける点で好ましい。メチ
レンクロライドは、回収して再使用されるが、メチレン
クロライド中の四塩化炭素の量は、50ppm以下、好
ましくは20ppm以下である。該有機溶剤は、ビスフ
ェノール1モルに対して0.1〜1リットル使用され
る。
【0016】ホスゲンは、ビスフェノールA100モル
に対して、通常100〜120モル、好ましくは105
〜115モルの範囲で使用される。本発明に使用される
ホスゲンは、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の色
調の点から、ホスゲン中の四塩化炭素の量が、100p
pm以下が好ましく、更に好ましくは50ppm以下で
ある。ホスゲン中の四塩化炭素は、溶剤であるメチレン
クロライド中に蓄積するので好ましくない。また、ホス
ゲンの吹き込み時間は、通常10〜120分、好ましく
は15〜60分である。しかし、ながら本願発明は、反
応熱を使用する有機溶媒の蒸発潜熱を利用するため、使
用する該有機溶媒の凝縮器の能力に応じてホスゲンの吹
き込み速度を調節する必要がある。使用する有機溶剤を
考慮すると、反応温度は、30〜50℃が好ましい。
【0017】上記、ビスフェノールAとホスゲンとの反
応は、通常塩基が用いられる。塩基として、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合
物、水酸化カルシウムを始めとするアルカリ土類金属化
合物類等が使用される。ビスフェノールAと上記のよう
な塩基との当量比は、1:1.1〜1.6が好ましい。
このような塩基のうち、アルカリ水溶液を用いる場合
は、通常6〜10(重量/容量)%で使用される。ここ
で使用される水は蒸留水、軟水、イオン交換水、また
は、ポリカーボネートを製造する際に回収される水等で
ある。また、反応に際してはビスフェノールの酸化着色
を防ぐために亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト
あるいはナトリウムボロハイドライド等を適宜使用する
ことができる。
【0018】分子量調節剤としては、例えば、フェノー
ル、p−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリブロ
モフェノール、長鎖アルキルフェノール等の一価フェノ
ール類の他に、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カ
ルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、アル
キルエーテルフェノールなどが例示される。またはこれ
ら二種類以上の化合物を併用することも可能である。分
子量調節剤の添加量は、仕込みのビスフェノールA1モ
ルに対して、0.01〜0.1モルである。分子量調節
剤は溶融状態で供給しても良いし、反応に使用する溶剤
に溶解して供給することもできる。
【0019】本発明によれば、反応時蒸発した溶剤を液
化する凝縮器(熱交換器)の伝面と冷却するブラインの
温度は熱エネルギーを十分吸収しうるだけの熱容量を有
するものが適当であり、ブラインの温度は−30℃〜溶
剤の沸点より20℃以下であり、ブラインの温度が高く
なると熱交換器の伝面も大きくなり大型の熱交換器の設
置が必要となり好ましくない。
【0020】本発明においては、分子量調節剤と塩基を
同時に添加することが好ましい。また、分子量調節剤を
添加した後、20〜120分間撹拌をしながら重合触媒
を用いて重合を完結させる。本発明で使用する界面重合
法の重合触媒としては、トリエチルアミンのような三級
アミン、四級アンモニウム塩、三級ホスフィン、四級ホ
スホニウム塩、含窒素複素環化合物類およびその塩、イ
ミノエーテルおよびその塩、あるいはアミド基を有する
化合物などが使用される。その中で、トリエチルアミン
のような三級アミンが好ましい。重合触媒の添加量は、
仕込みビスフェノールA1モルに対して、0.1〜10
ミリモルである。
【0021】塩基は、最初に使用する全量を仕込んでも
良いが、最初に使用する塩基の70〜95%を仕込み、
重合触媒の添加時に2〜27%添加し、更に分子量調節
剤の添加時に3〜28%添加するのが好ましい。
【0022】本発明で得られる芳香族ポリカーボネート
樹脂は、粘度平均分子量(Mv)で、10,000〜5
0,000であり、好ましくは13,000〜40,0
00である。
【0023】本発明のポリカーボネート樹脂を回分法で
する場合、従来の撹拌装置、ホスゲン供給管、およびベ
ントに、有機溶剤用の凝縮器(熱交換器)を付属した反
応釜が使用される。撹拌装置としては、特に限定はな
く、パドル型タービン翼、マックスブレンド型、フルゾ
ーン型、往復反転型等使用できるが、反転式攪拌機が好
ましい。
【0024】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0025】〔ビスフェノールAの滞留溶融色相の測
定〕175℃に保たれたアルミブロックバスに、試験管
に10gのビスフェノールAを入れた試験管をセット
し、溶融して4時間後の溶融ハーゼン色相をAPHA標
準液と比色して数値を求めた。
【0026】〔粘度平均分子量と分子量分布の測定〕粘
度平均分子量(Mv)はWaters社製GPC装置
(カラム:Waters社製ウルトラスタイラジェル1
5 +104 +103 +500Å)を用いて、標準ポリ
マーとしてポリスチレンを用いて測定を行った後、ユニ
バーサルキャリブレーション法により溶出時間とポリカ
ーボネートの分子量との関係を求め、検量線とした。ポ
リカボネートの溶出曲線を検量線の場合と同一の条件で
測定し、溶出時間(分子量)とその溶出時間のピーク面
積(分子数に比例)とから各平均分子量(粘度平均分子
量)を求めた。分子量分布は上記分析で得られる重量平
均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)を計算して求
めた。
【0027】〔低分子量体の含有量の測定〕低分子量体
の含有量はWaters社製LC装置(カラム:Sho
dex社製K803×2本を用いて測定を行った。試料
ポリカーボネートの溶出曲線(ピーク面積)に対して、
3量体より小さい分子量体を上記手法によって得られた
試料ポリカーボネートの溶出曲線(ピーク面積)に対し
て低分子量体(3量体以下)のピーク面積の割合から含
有量を求めた。
【0028】〔樹脂末端のCL基量の測定〕樹脂末端ク
ロロホルメート基量は4−(4’−ニトロベンジル)ピ
リジンを用いた比色法にて分光光度計を用いて、樹脂末
端のCL基量を測定した。
【0029】〔樹脂末端のOH基量の測定〕樹脂末端フ
ェノール性水酸基量は四塩化チタンと反応して生成する
赤褐色呈色を分光光度計を用いて比色定量し、樹脂末端
のOH基量を測定した。
【0030】〔成形品のYIの測定〕色相は押出機でペ
レット化した後、日本製鋼所製の型締力50トンの成形
機で成形して厚さ3mmの成形品を成形し、色差計でY
Iを測定した。
【0031】〔ホスゲン分解率の測定〕ホスゲン分解率
は重合が完了した水相中の炭酸ナトリウム量と食塩量を
分析して、ホスゲン分解率を求めた。
【0032】実施例1 攪拌機、ホスゲンガス吹き込み管およびベントに有機溶
剤用の凝縮器(ハステロイC製の熱交換器)を備えたジ
ャケット付き3,000Lグラスライニング製反応釜
に、8.8%(W/V) の水酸化ナトリウム1,020リッ
トル、溶融して4時間後の溶融ハーゼン色数45の2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン210k
gとハイドロサルファイト600gを加え撹拌した。こ
れにメチレンクロライドを300リットル加え、撹拌し
ながら、ホスゲン99kgを30分かけて吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み後に撹拌しながら、p−t−ブチルフ
ェノールを8.1kg、メチレンクロライド30リット
ル、及び8.8%苛性ソーダ150リットルを加え、引
き続き6分間撹拌した。その後メチレンクロライド27
0リットルと1.29モルのトリエチルアミンを加え、
約1時間撹拌して重合させた。この反応において熱交換
器で使用した冷媒は15℃の水であり、ジャケットには
冷媒を通さなかった。
【0033】重合液は水相と有機相に分離し、有機相を
リン酸で中和、洗液の電気電導度がが1μm/Sになる
まで純水で水洗を繰り返した後、精密濾過フィルターに
て有機相を濾過した。精製樹脂液は温水中に添加し、デ
ィスインテグレーターで湿式粉砕した後、固形化品を回
収し、140℃乾燥機で6時間乾燥した。
【0034】この重合体をGPC分析装置を用いて粘度
平均分子量(Mv)、分子量分布(Mw/Mn)を求め
た。LC分析によって、低分子量体含有率を求めた。ま
た、比色法による樹脂末端Cl基量および樹脂末端OH
基量を求めた。上記、実験で得られた粉末を押出機に
て、樹脂温度270℃でペレット化した。得られたペレ
ットは成形機にて樹脂温度310℃、金型温度110℃
で厚さ3mmの成形プレートを5ショット射出成形した
後、色差計でYIを測定した。得られた結果を表1に示
した。
【0035】実施例2 攪拌機、ガス吹き込み管およびベントに有機溶剤用の凝
縮器(ハステロイC製の熱交換器)を備えたジャケット
付き3,000Lグラスライニング製反応釜、8.8%
(W/V) の水酸化ナトリウム1,020リットル、溶融し
て4 時間後の溶融ハーゼン色数30の2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン210kgとハイドロ
サルファイト600gを加え撹拌した。これにメチレン
クロライドを300リットル加え、撹拌しながら、ホス
ゲン99kgを30分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き
込み後に撹拌しながら、p−t−ブチルフェノールを
8.1kg、メチレンクロライド30リットル、及び
8.8%苛性ソーダ150リットルを加え、引き続き6
分間撹拌した。その後メチレンクロライド270リット
ルと1.29モルのトリエチルアミンを加え、約1時間
撹拌して重合させた。この反応において熱交換機で使用
した冷媒は15℃の水であり、ジャケットには冷媒を通
していない。その後の処理および分析や評価方法は実施
例1と同様に実施し、得られた結果を表1に示した。
【0036】実施例3 攪拌機、ガス吹き込み管およびベントに有機溶剤用の凝
縮器(チタン合金製の熱交換器)を備えたジャケット付
き3,000Lグラスライニング製反応釜、8.8%(W
/V) の水酸化ナトリウム1,020リットル、溶融して
4 時間後の溶融ハーゼン色数25の2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン210kgとハイドロサ
ルファイト600gを加え撹拌した。これにメチレンク
ロライド300リットル加え、撹拌しながら、ホスゲン
99kgを20分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み
後に撹拌しながら、110℃で溶融したp−t−ブチル
フェノールを8.1kg、メチレンクロライド30リッ
トル、及び8.8%苛性ソーダ150リットルを加え、
引き続き6分間撹拌した。その後メチレンクロライド2
70リットルと1.29モルのトリエチルアミンを加
え、約1時間撹拌して重合させた。この反応において熱
交換機で使用した冷媒は15℃の水であり、ジャケット
には冷媒を通していない。その後の処理および分析や評
価方法は実施例1と同様に実施し、得られた結果を表1
に示した。
【0037】比較例1 実施例1において、溶融して4 時間後の溶融ハーゼン色
数45の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンの代わりに、溶融して4 時間後の溶融ハーゼン色数
70の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンを用いた以外は、実施例1と同様に実験を行った。結
果を表1に示した。
【0038】比較例2 攪拌機、ガス吹き込み管を備えたジャケット付き3,0
00Lグラスライニング製反応釜に、8.8%(W/V) の
水酸化ナトリウム1,020リットル、溶融して4 時間
後の溶融ハーゼン色数70の2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン210kgとハイドロサルファ
イト600gを加え撹拌した。これにメチレンクロライ
ド300リットル加え、撹拌しながら、溶液温度を20
℃に保ちつつ、ホスゲン99kgを30分かけて吹き込
んだ。ホスゲン吹き込み後に撹拌しながら、p−t−ブ
チルフェノールを8.1kg、メチレンクロライド30
リットル、及び8.8%苛性ソーダ150リットル、反
応混合液の温度を20〜24℃にて引き続き6分間撹拌
した。その後メチレンクロライド270リットルと1.
29モルのトリエチルアミンを加え、約1時間撹拌して
重合させた。この反応においてジャケットに通した冷媒
の温度は−25℃である。その後の処理および分析や評
価方法は実施例1と同様に実施し、得られた結果を表1
に示した。
【0039】比較例3 攪拌機、ガス吹き込み管を備えたジャケット付き3,0
00Lグラスライニング製反応釜に、8.8%(W/V) の
水酸化ナトリウム1,020リットル、溶融して4 時間
後の溶融ハーゼン色数30の2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン210kgとハイドロサルファ
イト600gを加え撹拌した。これにメチレンクロライ
ド300リットル加え、撹拌しながら、溶液温度を20
℃に保ちつつ、ホスゲン99kgを30分かけて吹き込
んだ。ホスゲン吹き込み後に撹拌しながら、p−t−ブ
チルフェノールを8.1kg、メチレンクロライド30
リットル、及び8.8%苛性ソーダ150リットル、反
応混合液の温度を20〜24℃にて引き続き6分間撹拌
した。その後メチレンクロライド270リットルと1.
29モルのトリエチルアミンを加え、約1時間撹拌して
重合させた。この反応においてジャケットに通した冷媒
の温度は−25℃である。その後の処理および分析や評
価方法は実施例1と同様に実施し、得られた結果を表1
に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂の製造方
法は、原料として特定の溶融安定性を有するビスフェノ
ールAを用い、及びある特定の反応器材質を用いること
によって、反応熱の除去方法として、溶剤の潜熱を利用
することを可能にしたものであって、製造コストとラン
ニングコスト及び生産性が大幅に改善され、ホスゲンの
加水分解やポリカーボネート色相に影響を与えることな
く、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造する方法を提供
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D076 AA12 BC01 BC30 JA06 4G075 AA32 AA53 BB02 BB10 CA02 CA03 DA18 EC06 FB02 FC09 4J029 AA09 AB04 AC01 BB13A HA01 HC01 JA091 JF031 JF041 KE09 KE11 LA04 LB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面重合法によるポリカーボネート樹脂
    の製造において、溶融して4時間後の溶融ハーゼン色数
    が50以下の2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
    ンを原料として、使用される有機溶剤の蒸発潜熱を利用
    して冷却することを特徴とする芳香族ポリカーボネート
    樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 使用される有機溶媒がメチレンクロライ
    ドである請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 攪拌機付きの槽型反応器を用いて、2,2-
    ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、有機溶媒、酸
    結合剤及び水を仕込んだ後、ホスゲンを吹き込む請求項
    1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 ホスゲン中の四塩化炭素の量が、100
    ppm以下である請求項3記載の芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 槽型反応器の気相部及び有機溶剤の凝縮
    器が、耐腐食性に優れた材質を使用する請求項1に記載
    の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 耐腐食性に優れた材質が、Niを11重
    量%以上及びCrを16重量%以上含有するステンレス
    鋼、Niを50重量%以上含有するニッケル合金、チタ
    ニウム合金、ジルコニウム合金、テフロン(登録商
    標)、ガラス及びセラミックから選ばれた少なくとも1
    種である請求項5に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂
    の製造方法。
JP2001210762A 2001-07-11 2001-07-11 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 Pending JP2003026791A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001210762A JP2003026791A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法
US10/481,054 US7157544B2 (en) 2001-07-11 2002-07-09 Process for producing polycarbonate oligomer and process for producing polycarbonate resin using the same
PCT/JP2002/006927 WO2003006527A1 (fr) 2001-07-11 2002-07-09 Procede d'elaboration d'oligomere de polycarbonate, et procede d'elaboration de resine au polycarbonate a partir de cet oligomere
EP02743864A EP1426396B1 (en) 2001-07-11 2002-07-09 Process for producing polycarbonate oligomer and process for producing polycarbonate resin from the same
DE60214739T DE60214739T2 (de) 2001-07-11 2002-07-09 Verfahren zur herstellung von polyacarbonatoligomer und verfahren zur herstellung von polycarbonatharz daraus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001210762A JP2003026791A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003026791A true JP2003026791A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19046180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001210762A Pending JP2003026791A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003026791A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008545642A (ja) * 2005-05-20 2008-12-18 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 耐腐食性装置内でのクロロヒドリンの調製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008545642A (ja) * 2005-05-20 2008-12-18 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 耐腐食性装置内でのクロロヒドリンの調製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201004999A (en) Polycarbonates with rearrangement structures, cyclic and linear oligomers and improved flow properties
US6593445B2 (en) Low color poly(biphenyl ether sulfone) and improved process for the preparation thereof
JP5618991B2 (ja) 分子量調整のためのアルキルフェノールおよび改良された特性を有するコポリカーボネート
US7217780B2 (en) Polyether ketone and method of producing the same
TWI308574B (en) A process for producing polycarbonates
US6455667B1 (en) Method for manufacturing polycarbonate
EP3049457A1 (en) Polymeric material
JPH08198816A (ja) 炭酸ジフェニルの精製方法
JP2003026791A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法
JP2724217B2 (ja) ポリカーボネートオリゴマーの製造方法
JP2003306544A (ja) 芳香族ポリカーボネートオリゴマーの製造方法及びそれを用いたポリカーボネート樹脂の製造方法
US7157544B2 (en) Process for producing polycarbonate oligomer and process for producing polycarbonate resin using the same
CN108430970B (zh) 双酚化合物及芳香族聚碳酸酯
EP1903024B1 (en) Improved process for the production of poly (ether ketone) - PEK- and its monomer
WO2007123162A1 (ja) ポリカーボネート樹脂
KR100707332B1 (ko) 폴리카르보네이트의 제조 방법
JPH07138360A (ja) 結晶性ポリエーテルの製造方法
WO1998046662A1 (en) Synthesis of polycarbonates using co¿2?
JPS6146486B2 (ja)
JPS58108225A (ja) ポリカ−ボネ−トオリゴマ−の連続製造方法
JP2569239B2 (ja) 光学用ポリカーボネートの製造法
JPS5974123A (ja) ポリアリ−レンエ−テルの製造法
JP2002069171A (ja) 末端修飾ポリカーボネート樹脂及びその製造法
JP2001139677A (ja) 芳香族ポリカーボネートの製造方法
JPS59164326A (ja) 芳香族ポリエ−テルケトン系共重合体