JP2003026780A - ジルコノセンの分離回収を伴うポリアセン化合物の製造方法及びその中間体 - Google Patents

ジルコノセンの分離回収を伴うポリアセン化合物の製造方法及びその中間体

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JP2003026780A
JP2003026780A JP2001214241A JP2001214241A JP2003026780A JP 2003026780 A JP2003026780 A JP 2003026780A JP 2001214241 A JP2001214241 A JP 2001214241A JP 2001214241 A JP2001214241 A JP 2001214241A JP 2003026780 A JP2003026780 A JP 2003026780A
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Tamotsu Takahashi
高橋  保
Junichi Hori
順一 堀
Kazuma Oikawa
一摩 及川
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Japan Science and Technology Agency
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Kanto Chemical Co Inc
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】ポリアセン化合物の効率的かつ低コ
スト合成法を提供する。 【解決手段】ジルコノセンを用いたポリアセン化合物の
製造において、ポリアセン化合物とジルコノセンを含む
反応生成物から、ジルコノセンを分離回収することを特
徴とする、ポリアセン化合物の製造方法で、特に分離回
収が、ジルコノセンの溶解度とポリアセン化合物の溶解
度とに差異を生じる溶媒と反応生成物とを混合すること
を特徴とする、ポリアセン化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来技術】縮合多環化合物であるポリアセン化合物
は、ポリアセチレンやポリフェニレンなどと同様にπ-
共役系がある分子であり、これにヨウ素又は臭素等をド
ープすることにより導電性を有するようになる。ポリア
セン化合物はポリアセチレン等に比較して理論的にバン
ドギャップが小さく、最も優れた機能が期待される化合
物である。
【0002】ポリアセン化合物の合成法には、フェノー
ル樹脂を約500℃で熱分解する方法(特開平8-311173)、D
iels-Alder反応による合成等が報告されている。熱分解
等で得られるポリアセン化合物は、材料としての均一性
に劣るほか、ポリマー状で溶解性に乏しいため薄膜を形
成し難く、機能性材料としての基本的条件を満たすもの
ではなかった。また、Diels-Alder反応により合成した
ポリアセン化合物は、環の数が4環程度に限られるほ
か、側鎖に導入できる置換基も限定されるために溶解性
に乏しく、機能性材料としての適性に劣っていた。
【0003】このほか、ポリアセン化合物の合成法とし
て、ジルコノセンを用いた段階的環形成反応が開発され
ている(特開平9-301899、特開平11-263737、特開2000-2
6339、TAKAHASHI,Tamotsu et al., J. Am. Chem. Soc.,
122, 12876(2000))。この合成法は、ジルコノセンとブ
チルリチウムの反応によりジルコノセン等価体を調製
し、これとアルキン化合物を反応してジルコナシクロペ
ンタジエンを生成させ、これをトランスメタル化した後
にアルキンと反応して環を形成するものである。環形成
後必要に応じて芳香族化し、得られた多環化合物を官能
基変換の後、更に環を段階的に増築することができる
他、側鎖に種々の置換基の導入を行うことができる。従
って、この合成法で合成される置換基が側鎖に導入され
たポリアセン化合物は、従来品と比較して材料としての
均一性と溶解性に富み、優れた機能性材料となる可能性
を有している。
【0004】しかしこの方法でポリアセン化合物を合成
する場合、環を増築する際に反応試剤としてジルコノセ
ンを当量ずつ使用する必要がある。反応に用いたジルコ
ノセンは目的物であるポリアセン化合物との分離が難し
いため、従来は反応終了後にアルカリ水溶液で分解する
ことにより除去されていた。ジルコノセンを反応試剤と
して有機合成反応へ使用した例は数多く報告されている
が、ジルコノセンを分離回収した例はこれまで報告され
ていない。TAKAHASHI,Tamotsu et al., J. Am.Chem. So
c., 121, 11093(1999)では、ジルコナシクロペンタジエ
ンをNiBr2(dppe)(式中、dppeはジフェニルホスフィノ
エタンを表す)にてトランスメタル化し、ニッケラサイ
クルを合成しているが、この時にジルコノセンがNMR収
率94%で再生していることが観測されている。しかし、
これまでジルコノセンを分離回収した例は存在しなかっ
た。
【0005】ポリアセン化合物の合成に用いるジルコノ
センは、Cp2ZrCl2(式中、Cpはシクロペンタジエニル基
(C5H5)を表す、以下同様)が種々のジルコノセンの中
では最も単純な構造であるゆえ、ジルコノセンでは最も
安価であり、入手も容易なことからCp2ZrCl2が専ら用い
られていた。しかしCp2ZrCl2は、合成に使用する他の試
薬と比較すると最も高価な部類であり、ジルコノセンを
分離回収せずに廃棄していたことはポリアセン化合物を
合成する際のコストを上昇させる大きな要因となってい
た。ゆえに、高価であるジルコノセンを分離回収して再
利用することは、高価な材料であるポリアセン化合物を
汎用性のある安価な機能性材料として広く使用するため
にも強く望まれていた。
【0006】またジルコノセンは、環形成反応の際にブ
チルリチウムと反応させてジルコノセン等価体“Cp2Z
r”とするが、これまで用いられていたジルコノセン等
価体“Cp2Zr”は室温で不安定であり、その調製と反応
には-78℃程度の低温が必要である。そのため、環化反
応には-78℃程度まで冷却能力を有する低温反応装置が
必要であった。このように設備のコスト及び冷却に長時
間を要するため、工業的実施を考慮すると-78℃での反
応は回避する必要があった。従来報告されたジルコノセ
ンを使用した有機合成反応はその殆どが、-78℃で調製
された“Cp2Zr”を用いたものであった。置換基を有す
るジルコノセンの使用例は極めて少ない上、ジルコノセ
ン等価体の調製と取り扱いは-78℃で行われていた。
【0007】さらに、従来行われていた環増築反応の後
処理方法は、前述の如く反応溶液の加水分解により、ジ
ルコノセンを分解していた。この分解操作において、ジ
ルコノセン分解物に由来する不溶物が生じ、この不溶物
のためにエマルジョンと化し、有機層と水層の分離が悪
化することにより分液操作が困難となる問題点があった
(佐藤史衛、有機合成化学協会誌、p.424(1998)、占部
弘和、有機合成化学協会誌、p.438(2001))。特に工業
的スケールの反応ではこの問題がより顕著化し、その実
施は非常に困難であった。この分液操作が困難となる問
題に対して、ジルコノセン分解物を濾過等により除去す
る試みは、分解物が微細のゆえ濾過材が目詰まりを起こ
すため、適当でなかった。また、ジルコノセンを分解せ
ずにシリカゲルで吸着させる方法は、十分な効果を得る
ためには大量のシルカゲルを必要とし、ポリアセン化合
物の吸着も同時に起こるために適切な方法ではなかっ
た。従ってポリアセン化合物の工業的製造では、製造効
率の向上とコストダウンを図るために、反応生成物から
ジルコノセンを分解せずに分離回収する事が必要であ
り、さらに工業的実施における不都合の改善が求められ
ていた
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術における問題点を解消するとともに、ポリアセ
ン化合物の工業的製造を容易とする技術を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、ポリアセン化合物の効率的かつ低コスト合
成法を目的として鋭意検討を進めた結果、高価なジルコ
ノセンを分解する事なく反応生成物から分離回収し、さ
らにこれまで見られた問題を解消する方法を見い出し、
本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち本発明は、ジルコノセンを用いたポリ
アセン化合物の製造において、ポリアセン化合物とジル
コノセンとを含む反応生成物から、ジルコノセンを分離
回収することを特徴とする、ポリアセン化合物の製造方
法に関する。また本発明は、ジルコノセンの分離回収に
際し、ジルコノセンの溶解度とポリアセン化合物の溶解
度とに差異を生じる溶媒と反応生成物とを混合すること
を特徴とする、前記のポリアセン化合物の製造方法に関
する。さらに本発明は、ジルコノセンの溶媒に対する溶
解度とポリアセン化合物の該溶媒に対する溶解度との比
が5倍以上であるジルコノセンを用いることを特徴とす
る、前記のポリアセン化合物の製造方法に関する。また
本発明は、ジルコノセンの溶媒に対する溶解度とポリア
セン化合物の該溶媒に対する溶解度との比が20倍以上
であるジルコノセンを用いることを特徴とする、前記の
ポリアセン化合物の製造方法に関する。さらに本発明
は、ジルコノセンの分離回収が、予め反応生成物中の水
溶性成分を酸性下で除去した後に行なわれることを特徴
とする、前記のポリアセン化合物の製造方法に関する。
【0011】また本発明は、ポリアセン化合物が、一般
式(A)
【化6】 式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立し
て同一又は異なってもよく、置換基を有してもよい炭素
原子数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していて
もよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を
有していてもよい炭素原子数1〜20のチオアルコキシ
基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリ
ールチオ基、アミン基、水酸基、または水素原子であ
り、R4及びR5は、互いに架橋して炭素原子数4〜20の飽
和環又は不飽和環を形成してもよく、A1及びA2は、各々
互いに独立して同一又は異なってもよい水素原子、ハロ
ゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の炭
化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20のア
ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20の
アリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6
〜20のアルキルアリールオキシ基、置換基を有してもよ
い炭素原子数1〜20のアルコキシカルボニル基、置換基
を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシカル
ボニル基、シアノ基、カルバモイル基、ハロホルミル
基、ホルミル基、イソシアノ基、イソシアナト基、又は
チオシアナト基であり、A1及びA2は互いに架橋して環を
形成してもよく、nは0〜20の整数を表し、nが2以上のと
き、式中に複数個存在するR3同士は各々同じでも異なっ
ていてもよく、またR6同士は各々同じでも異なっていて
もよく、下記に示される結合
【化7】 は、単結合又は二重結合である、で表されるポリアセン
化合物である、前記のポリアセン化合物の製造方法に関
する。
【0012】さらに本発明は、ポリアセン化合物が、ベ
ンゼン1,2-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル又
はアリール置換体、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸アル
キルエステルのアルキル又はアリール置換体、2,3-ジヨ
ードナフタレンのアルキル又はアリール置換体、9,10-
ジヒドロアントラセン-2,3-ジカルボン酸アルキルエス
テルのアルキル又はアリール置換体、9,10-ジヒドロア
ントラセンのアルキル又はアリール置換体、アントラセ
ンのアルキル又はアリール置換体、2,3-ジヨードアント
ラセンのアルキル又はアリール置換体、5,12-ジヒドロ
ナフタセンのアルキル又はアリール置換体、5,7,8,9,1
0,12-ヘキサヒドロナフタセンのアルキル又はアリール
置換体、7,8,9,10-テトラヒドロナフタセンのアルキル
又はアリール置換体、5,12-ジヒドロナフタセン-2,3-ジ
カルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置
換体、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロナフタセン-2,3-ジ
カルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置
換体、5,14-ジヒドロペンタセンのアルキル又はアリー
ル置換体、5,7,12,14-テトラヒドロペンタセン-2,3-ジ
カルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置
換体、5,14-ジヒドロペンタセン-2,3-ジカルボン酸アル
キルエステルのアルキル又はアリール置換体、5,7,9,1
0,11,12,14,16-オクタヒドロヘキサセン-2,3-ジカルボ
ン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体、
5,7,14,16-テトラヒドロヘキサセンのアルキル又はアリ
ール置換体、5,7,9,14,16,18-ヘキサヒドロヘプタセン-
2,3-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリ
ール置換体、および5,9,14,18-テトラヒドロヘプタセン
のアルキル又はアリール置換体からなる群より選択され
る化合物である、前記のポリアセン化合物の製造方法に
関する。
【0013】また本発明は、ジルコノセンが、一般式
(B)
【化8】 式中、Xは、ハロゲン原子であり、各R7、R8、R9、R10
びR11は、各々互いに結合していてもよく、独立して同
一又は異なって、ハロゲン原子又はケイ素を含む置換基
を有してもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲ
ン原子又はケイ素を含む置換基を有してもよい炭素原子
数6〜20のアリール基、及び水素原子である、で表され
る化合物であることを特徴とする、前記のポリアセン化
合物の製造方法に関する。
【0014】さらに本発明は、一般式(C)
【化9】 式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立し
て同一又は異なってもよく、置換基を有してもよい炭素
原子数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していて
もよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を
有していてもよい炭素原子数1〜20のチオアルコキシ
基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリ
ールチオ基、アミン基、水酸基、または水素原子であ
り、R4及びR5は、互いに架橋して炭素原子数4〜20の飽
和環又は不飽和環を形成してもよく、nは0〜20の整数で
あり、nが2以上のとき、式中に複数個存在するR3同士は
各々同じでも異なっていてもよく、R6同士は各々同じで
も異なっていてもよく、各R7、R8、R9、R10及びR11は、
各々互いに結合していてもよく、独立して同一又は異な
って、ハロゲン原子又はケイ素を含む置換基を有しても
よい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子又は
ケイ素を含む置換基を有してもよい炭素原子数6〜20の
アリール基、及び水素原子であり(但し、R7、R8、R9
R10及びR11が、全て水素原子ではない)、また、下記に
示される結合
【化10】 は、単結合又は二重結合である、で表されるポリアセン
化合物中間体に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
多置換ポリアセン化合物の効率的な合成法として現在知
られている方法は、ジルコノセンを用いた段階的環形成
反応である(特開平9-301899、特開平11-263737、特開20
00-26339、TAKAHASHI,Tamotsu et al., J. Am. Chem. S
oc., 122, 12876(2000))。本反応の一例をスキームとし
て以下に示すが、環形成反応の際にジルコノセンから誘
導したジルコノセン等価体“Cp2Zr”を使用する。
【0016】
【化11】
【0017】上記式中、Cpはシクロペンタジエニル基
(C5H5)を表し、各Rはそれぞれ同じでも異なっていて
もよい任意の置換基または水素原子を表し、Meはメチル
基を表し、PPh3はトリフェニルホスフィンを表す。
【0018】式Iに示すように、ジルコノセン等価体“C
p2Zr”は、Cp2ZrCl2とブチルリチウムの反応により生成
し、これとアルキンの反応によってジルコナシクロペン
タジエンが生成する。式II-1〜式II-3に示すように、生
成したジルコナシクロペンタジエンは、CuCl、Ni(PPh3)
2Br2等との反応によりトランスメタル化を起こして中間
体が生成し、この時ジルコノセンが再生する。この中間
体とアルキンを反応させることにより、ポリアセン化合
物が得られる。この反応溶液中には、ポリアセン化合物
と再生したジルコノセンが含まれているが、従来の方法
ではこの反応溶液中に含まれるジルコノセンは分解の後
廃棄されていた。
【0019】これに対して本発明者らは、ポリアセン化
合物の合成に使用するジルコノセンとして、その溶媒に
対する溶解度が、生成するポリアセン化合物の該溶媒に
対する溶解度と大きく異なるジルコノセンを選択し、反
応後の反応生成物をジルコノセンの分離回収に先立ち酸
性下で銅塩、LiCl、無機塩などの水溶性成分を除去する
処理を行ない、ポリアセン化合物及びジルコノセンの溶
媒に対する溶解度の差異を利用することにより、ポリア
セン化合物とジルコノセンの分離を容易に行なうことが
でき、これまで不可能であったジルコノセンの分離回収
を可能とする方法を見出した。本発明の方法は、反応試
薬として高価なジルコノセンを分離回収して再利用でき
るというコスト面での利点のほか、従来認められた環形
成反応時における問題点を解決し、ポリアセン化合物の
工業的な合成を極めて簡便にするという利点を有する。
【0020】また、本発明の実施過程において生成する
中間体であるシクロペンタジエン環に置換基を有するジ
ルコナシクロペンタジエンは、ポリアセン化合物を効率
的に合成するために有用な化合物である。
【0021】本明細書でいうところの「ポリアセン化合
物」とは、ベンゼン環単独の又はベンゼン環が直線的に
オルト縮合した化合物であって、縮合した任意のベンゼ
ン環の1又は2以上が飽和環で置き換わっていてもよい
が、飽和環同士は隣接しない、前記化合物をいう。ま
た、前記ベンゼン環及び飽和環のいずれの環も置換基を
有することができ、端部の環においては、置換基同士が
環を形成していてもよい化合物もまた本明細書でいうポ
リアセン化合物に含まれる。
【0022】以上のように定義されるポリアセン化合物
は、典型的には一般式(A)として表わされる。
【化12】 式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立し
て同一又は異なってもよく、炭化水素基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、アリールチ
オ基、アミン基、水酸基、または水素原子であり、R4
及びR5は、互いに架橋して飽和環又は不飽和環を形成し
てもよく、A1及びA2は、各々互いに独立して同一又は異
なってもよく水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリールオキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、シアノ基、カルバモイル基、ハロホルミル基、
ホルミル基、イソシアノ基、イソシアナト基、又はチオ
シアナト基であり、A1及びA2は互いに架橋して環を形成
してもよく、nは0〜20の整数を表し、nが2以上のとき、
式中に複数個存在するR3同士は各々同じでも異なってい
てもよく、R6同士は各々同じでも異なっていてもよく、
また、下記に示される結合
【化13】 は、上記の定義に照らして、適宜単結合又は二重結合で
ある、で表される化合物である。式中、R1〜R6は、それ
ぞれ互いに独立して同一又は異なって、炭化水素基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、ア
リールチオ基、アミン基または水酸基であってよい。こ
れらのうち、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、チオアルコキシ基およびアリールチオ基は置換基
を有していてもよく、該置換基は、ハロゲン原子を含む
置換基であってもよい。
【0023】また、R1〜R6の炭素数については、それぞ
れ炭化水素基の場合、炭素原子数は1〜20が好ましく、
アルコキシ基の場合、炭素原子数は1〜20が好ましく、
アリールオキシ基の場合、炭素原子数は6〜20が好まし
く、チオアルコキシ基の場合、炭素原子数は1〜20が好
ましく、アリールチオ基の場合、炭素原子数は6〜20が
好ましい。さらに、R4およびR5が互いに架橋して飽和環
又は不飽和環を形成していてもよい。また、A1およびA2
が各々互いに独立して同一又は異なって、ハロゲン原
子、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルアリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル
基、ハロホルミル基、ホルミル基、イソシアノ基、イソ
シアナト基、またはチオシアナト基であってもよい。こ
れらのうち炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルアリールオキシ基、アルコキシカルボニル
基、およびアリールオキシカルボニル基は、置換基を有
していてもよく、該置換基は、ハロゲン原子を含む置換
基であってもよい。
【0024】さらに、A1およびA2に置換してもよい置換
基の炭素数については、それぞれ炭化水素基の場合、炭
素原子数は1〜20が好ましく、アルコキシ基の場合、炭
素原子数は1〜20が好ましく、アリールオキシ基の場
合、炭素原子数は6〜20が好ましく、チオアルコキシ基
の場合、炭素原子数は1〜20が好ましく、アリールチオ
基の場合、炭素原子数は6〜20が好ましく、アルコキシ
カルボニル基の場合、炭素原子数は1〜20が好ましく、
アリールオキシカルボニル基の場合、炭素原子数は6〜2
0が好ましい。また、A1およびA2が互いに架橋して環を
形成してもよい。一般式(A)において、nは0〜20の整
数であり、nが0の場合、単環の化合物が含まれるが、こ
の化合物も本明細書でいうポリアセン化合物に含まれ
る。さらに、下記一般式(C)で表される反応中間体で
あるジルコナシクロペンタジエンを経由して合成される
化合物であれば、どのようなポリアセン化合物であって
も用いることができる。
【0025】本発明で用いられるジルコノセンは、一般
式(B)で表わされる化合物である。
【化14】 式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子などのハロゲン原子であり、好ましくは塩素原子、臭
素原子であり、とくに好ましくは塩素原子である。各
R7、R8、R9、R10及びR11は、各々互いに結合していても
よく、独立して同一又は異なって、炭化水素基、アリー
ル基、及び水素原子である。これらのうち、炭化水素基
およびアリール基は、ハロゲン原子又はケイ素を含む置
換基を有してもよく、好ましくは炭化水素基の炭素原子
数は1〜20、アリール基の炭素原子数は6〜20である。ま
た、各R7、R8、R9、R10及びR11は、同時に水素原子でな
いものが好ましい。本発明でいう分離回収されるジルコ
ノセンは、ポリアセン化合物の製造に用いられる上記式
(B)のジルコノセンと同じであっても同式中Xのみが異
なっていてもよい。
【0026】本発明のポリアセン化合物中間体(ジルコ
ナシクロペンタジエン)は、一般式(C)で表わされる
化合物である。
【化15】 式中、R1〜R6はそれぞれ互いに独立して同一又は異なっ
て、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チ
オアルコキシ基、アリールチオ基、アミン基または水酸
基で置換されている。これら置換基のうち、炭化水素
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ
基、およびアリールチオ基は置換基を有してもよい。ま
た、R1〜R6に置換してもよい置換基の炭素数について
は、それぞれ炭化水素基の炭素原子数は1〜20が好まし
く、アルコキシ基の炭素原子数は1〜20が好ましく、ア
リールオキシ基の炭素原子数は6〜20が好ましく、チオ
アルコキシ基の炭素原子数は1〜20が好ましく、アリー
ルチオ基の炭素原子数は6〜20が好ましい。さらに、R4
およびR5が互いに架橋して炭素原子数4〜20の飽和環又
は不飽和環を形成してもよい。一般式(C)において、n
は0〜20の整数である。また、各R7、R8、R9、R10及びR
11は、各々互いに結合していてもよく、独立して同一又
は異なって、炭化水素基、アリール基、及び水素原子で
ある。ここで炭化水素基は、ハロゲン原子又はケイ素を
含む置換基を有してもよく、炭素原子数が1〜20である
ことが好ましい。アリール基はハロゲン原子又はケイ素
を含む置換基を有してもよく、炭素原子数が6〜20であ
ることが好ましい。
【0027】以下に一般式(A)で表されるポリアセン
化合物の例として、下記式(1)〜(28)で表される化
合物を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。ここにおいて、R、R'、R''、及びR'''は、そ
れぞれ互いに独立して同一または異なっていてもよく、
炭素原子数1から6のアルキル基またはアリール基である
が、これに限定されない。
【0028】式(1)
【化16】 で示される、ベンゼン1,2-ジカルボン酸アルキルエステ
ルのアルキル又はアリール置換体であって、同一の置換
基を有するポリアセン化合物としては、ジメチル 3,4,
5,6-テトラメチルフタレート、ジメチル 3,4,5,6-テト
ラエチルフタレート、ジメチル 3,4,5,6-テトラプロピ
ルフタレート、ジメチル 3,4,5,6-テトラiso-プロピル
フタレート、ジメチル 3,4,5,6-テトラブチルフタレー
ト、ジメチル 3,4,5,6-テトラiso-ブチルフタレート、
ジメチル 3,4,5,6-テトラtert-ブチルフタレート、ジメ
チル 3,4,5,6-テトラペンチルフタレート、ジメチル 3,
4,5,6-テトラ iso-ペンチルフタレート、ジメチル 3,4,
5,6-テトラシクロペンチルフタレート、ジメチル 3,4,
5,6-テトラヘキシルフタレート、ジメチル 3,4,5,6-テ
トラシクロヘキシルフタレート、ジメチル 3,4,5,6-テ
トラフェニルフタレート、ジエチル 3,4,5,6-テトラメ
チルフタレート、ジエチル 3,4,5,6-テトラエチルフタ
レート、ジエチル 3,4,5,6-テトラプロピルフタレー
ト、等が挙げられる。
【0029】式(2)
【化17】 で示される、ベンゼン1,2-ジカルボン酸アルキルエステ
ルのアルキル又はアリール置換体であって、互いに異な
る置換基を有するポリアセン化合物としては、ジメチル
3,4-ジメチル-5,6-ジエチルフタレート、ジメチル 3,4
-ジメチル-5,6-ジプロピルフタレート、ジメチル 3,4-
ジメチル-5,6-ジiso-プロピルフタレート、ジメチル 3,
4-ジメチル-5,6-ジブチルフタレート、ジメチル 3,4-ジ
メチル-5,6-ジtert-ブチルフタレート、ジメチル 3,4-
ジメチル-5,6-ジペンチルフタレート、ジメチル 3,4-ジ
メチル-5,6-ジヘキシルフタレート、ジメチル 3,4-ジメ
チル-5,6-ジシクロヘキシルフタレート、ジメチル 3,4-
ジメチル-5,6-ジフェニルフタレート、
【0030】ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジプロピルフ
タレート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジiso-プロピル
フタレート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジブチルフタ
レート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジtert-ブチルフ
タレート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジペンチルフタ
レート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジヘキシルフタレ
ート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジシクロヘキシルフ
タレート、ジメチル 3,4-ジエチル-5,6-ジフェニルフタ
レート、ジメチル 3,4-ジプロピル-5,6-ジiso-プロピル
フタレート、ジメチル 3,4-ジプロピル-5,6-ジブチルフ
タレート、ジメチル 3,4-ジプロピル-5,6-ジtert-ブチ
ルフタレート、ジメチル 3,4-ジプロピル-5,6-ジペンチ
ルフタレート、ジメチル 3,4-ジプロピル-5,6-ジヘキシ
ルフタレート、ジメチル 3,4-ジプロピル-5,6-ジシクロ
ヘキシルフタレート、及びジメチル 3,4-ジプロピル-5,
6-ジフェニルフタレート等が挙げられる。
【0031】式(3)
【化18】 で示される、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸アルキルエ
ステルのアルキル又はアリール置換体であって、互いに
同一の置換基を有するポリアセン化合物としては、ジメ
チル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジメチルナフタレン-
2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒ
ドロ-1,4-ジエチルナフタレン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジプロピルナ
フタレン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-
テトラヒドロ-1,4-ジiso-プロピルナフタレン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-
ジブチルナフタレン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジiso-ブチルナフタレン
-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒ
ドロ-1,4-ジtert-ブチルナフタレン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジヘキシ
ルナフタレン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル5,6,
7,8-テトラヒドロ-1,4-ジシクロヘキシルナフタレン-2,
3-ジカルボキシレート、及びジメチル 5,6,7,8-テトラ
ヒドロ-1,4-ジフェニルナフタレン-2,3-ジカルボキシレ
ート等が挙げられる。
【0032】式(4)
【化19】 で示される、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸アルキルエ
ステルのアルキル又はアリール置換体であって、互いに
異なる置換基を有するポリアセン化合物としては、ジメ
チル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1-メチル-4-エチルナフタ
レン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テト
ラヒドロ-1-メチル-4-プロピルナフタレン-2,3-ジカル
ボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1-エチ
ル-4-ブチルナフタレン-2,3-ジカルボキシレート、ジメ
チル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1-プロピル-4-ブチルナフ
タレン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テ
トラヒドロ-1-プロピル-4-ペンチルナフタレン-2,3-ジ
カルボキシレート、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1-
プロピル-4-ペンチルナフタレン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1-プロピル-4-シ
クロヘキシルナフタレン-2,3-ジカルボキシレート、及
びジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1-プロピル-4-フェ
ニルナフタレン-2,3-ジカルボキシレート等が挙げられ
る。
【0033】式(5)
【化20】 で示される、2,3-ジヨードナフタレンのアルキル又はア
リール置換体であるポリアセン化合物としては、1,2,3,
4-テトラメチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テ
トラエチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラ
プロピル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラ is
o-プロピル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラ
ブチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラ iso-
ブチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラtert-
ブチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラペン
チル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラ iso-ペ
ンチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラシク
ロペンチル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラ
ヘキシル-6,7-ジヨードナフタレン、1,2,3,4-テトラシ
クロヘキシル-6,7-ジヨードナフタレン、及び1,2,3,4-
テトラフェニル-6,7-ジヨードナフタレン等が挙げられ
る。
【0034】式(6)
【化21】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセン-2,3-ジカルボ
ン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体で
あって、互いに同一の置換基を有するポリアセン化合物
としては、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキ
サメチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメ
チル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサエチルアント
ラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,10-ジヒ
ドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサプロピルアントラセン-2,3-ジ
カルボキシレート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,
7,8-ヘキサ iso-プロピルアントラセン-2,3-ジカルボキ
シレート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキ
サブチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメ
チル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサ iso-ブチルア
ントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,10-
ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサtert-ブチルアントラセン
-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,
4,5,6,7,8-ヘキサペンチルアントラセン-2,3-ジカルボ
キシレート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘ
キサ iso-ペンチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサシク
ロペンチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジ
メチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサヘキシルア
ントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,10-
ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサシクロヘキシルアントラ
セン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,10-ジヒド
ロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサフェニルアントラセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジエチル9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-
ヘキサメチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジエチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサエチルア
ントラセン-2,3-ジカルボキシレート、及びジエチル 9,
10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサプロピルアントラセン
-2,3-ジカルボキシレート等が挙げられる。
【0035】式(7)
【化22】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセン-2,3-ジカルボ
ン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体で
あって、互いに異なる置換基を有するポリアセン化合物
としては、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジエチル-5,6,
7,8-テトラメチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-5,6,7,8-
テトラメチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジブチル-5,6,7,8-テトラ
メチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジペンチル-5,6,7,8-テトラメチ
ルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,
10-ジヒドロ-1,4-ジヘキシル-5,6,7,8-テトラメチルア
ントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,10-
ジヒドロ-1,4-ジフェニル-5,6,7,8-テトラメチルアント
ラセン-2,3-ジカルボキシレート、
【0036】ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジメチル-5,
6,7,8-テトラエチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-5,6,7,
8-テトラエチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジブチル-5,6,7,8-テ
トラエチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジ
メチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジペンチル-5,6,7,8-テトラ
エチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジヘキシル-5,6,7,8-テトラエチ
ルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 9,
10-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-5,6,7,8-テトラエチルア
ントラセン-2,3-ジカルボキシレート、
【0037】ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジメチル-5,
6,7,8-テトラプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジエチル-5,6,7,
8-テトラプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジブチル-5,6,7,8-テ
トラプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジペンチル-5,6,7,8-テト
ラプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、ジ
メチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジヘキシル-5,6,7,8-テトラ
プロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート、及び
ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-5,6,7,8-テト
ラプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート等が
挙げられる。
【0038】式(8)
【化23】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセン-2,3-ジカルボ
ン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体で
あって、互いに異なる置換基を有するポリアセン化合物
としては、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6-テトラプ
ロピル-7,8-ジエチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6-テトラプロピ
ル-7,8-ジブチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6-テトラプロピル-
7,8-ジペンチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、及びジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6-テトラプロ
ピル-7,8-ジフェニルアントラセン-2,3-ジカルボキシレ
ート等が挙げられる。
【0039】式(9)
【化24】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセン-2,3-ジカルボ
ン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体で
あって、互いに異なる置換基を有するポリアセン化合物
としては、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジメチル-5,6-
ジメチル-7,8-ジエチルアントラセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジエチル-5,6-ジ
メチル-7,8-ジエチルアントラセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、及びジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-5,
6-ジメチル-7,8-ジエチルアントラセン-2,3-ジカルボキ
シレート等が挙げられる。
【0040】式(10)
【化25】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセンのアルキル又
はアリール置換体であるポリアセン化合物としては、9,
10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタメチルアントラセ
ン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタエチルアン
トラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタプロ
ピルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オ
クタ iso-プロピルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,
3,4,5,6,7,8-オクタブチルアントラセン、9,10-ジヒド
ロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタ iso-ブチルアントラセン、
9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタtert-ブチルア
ントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタペ
ンチルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-
オクタヘキシルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4,
5,6,7,8-オクタシクロヘキシルアントラセン、及び9,10
-ジヒドロ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタフェニルアントラセ
ン等が挙げられる。
【0041】式(11)
【化26】 で示される、アントラセンのアルキル又はアリール置換
体であるポリアセン化合物としては、1,2,3,4,5,6,7,8-
オクタメチルアントラセン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタエ
チルアントラセン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタプロピルア
ントラセン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタ iso-プロピルア
ントラセン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタブチルアントラセ
ン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタ iso-ブチルアントラセ
ン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタtert-ブチルアントラセ
ン、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタペンチルアントラセン、1,
2,3,4,5,6,7,8-オクタヘキシルアントラセン、1,2,3,4,
5,6,7,8-オクタシクロヘキシルアントラセン、及び1,2,
3,4,5,6,7,8-オクタフェニルアントラセン等が挙げられ
る。
【0042】式(12)
【化27】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセンのアルキル又
はアリール置換体であって、互いに異なる置換基を有す
るポリアセン化合物としては、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-
テトラメチル-5,6,7,8-テトラエチルアントラセン、9,1
0-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラメチル-5,6,7,8-テトラプロ
ピルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラメチ
ル-5,6,7,8-テトラ iso-プロピルアントラセン、9,10-
ジヒドロ-1,2,3,4-テトラメチル-5,6,7,8-テトラブチル
アントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラメチル-
5,6,7,8-テトラペンチルアントラセン、9,10-ジヒドロ-
1,2,3,4-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヘキシルアント
ラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラメチル-5,6,7,8
-テトラフェニルアントラセン、
【0043】9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラエチル-5,
6,7,8-テトラプロピルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,
2,3,4-テトラエチル-5,6,7,8-テトラ iso-プロピルアン
トラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラエチル-5,6,
7,8-テトラブチルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,
4-テトラエチル-5,6,7,8-テトラペンチルアントラセ
ン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラエチル-5,6,7,8-テ
トラヘキシルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テ
トラエチル-5,6,7,8-テトラフェニルアントラセン、
【0044】9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-
5,6,7,8-テトラブチルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,
2,3,4-テトラプロピル-5,6,7,8-テトラペンチルアント
ラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-5,6,
7,8-テトラヘキシルアントラセン、及び9,10-ジヒドロ-
1,2,3,4-テトラプロピル-5,6,7,8-テトラフェニルアン
トラセン等が挙げられる。
【0045】式(13)
【化28】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセンのアルキル又
はアリール置換体であって、互いに異なる置換基を有す
るポリアセン化合物としては、9,10-ジヒドロ-1,2,5,6-
テトラメチル-3,4,7,8-テトラエチルアントラセン、9,1
0-ジヒドロ-1,2,5,6-テトラメチル-3,4,7,8-テトラプロ
ピルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,5,6-テトラメチ
ル-3,4,7,8-テトラ iso-プロピルアントラセン、9,10-
ジヒドロ-1,2,5,6-テトラメチル-3,4,7,8-テトラブチル
アントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,5,6-テトラメチル-
3,4,7,8-テトラペンチルアントラセン、9,10-ジヒドロ-
1,2,5,6-テトラメチル-3,4,7,8-テトラヘキシルアント
ラセン、及び9,10-ジヒドロ-1,2,5,6-テトラメチル-3,
4,7,8-テトラフェニルアントラセン等が挙げられる。
【0046】式(14)
【化29】 で示される、9,10-ジヒドロアントラセンのアルキル又
はアリール置換体であって、互いに異なる置換基を有す
るポリアセン化合物としては、9,10-ジヒドロ-1,2,7,8-
テトラメチル-3,4,5,6-テトラエチルアントラセン、9,1
0-ジヒドロ-1,2,7,8-テトラメチル-3,4,5,6-テトラプロ
ピルアントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,7,8-テトラメチ
ル-3,4,5,6-テトラ iso-プロピルアントラセン、9,10-
ジヒドロ-1,2,7,8-テトラメチル-3,4,5,6-テトラブチル
アントラセン、9,10-ジヒドロ-1,2,7,8-テトラメチル-
3,4,5,6-テトラペンチルアントラセン、9,10-ジヒドロ-
1,2,7,8-テトラメチル-3,4,5,6-テトラヘキシルアント
ラセン、及び9,10-ジヒドロ-1,2,7,8-テトラメチル-3,
4,5,6-テトラフェニルアントラセン等が挙げられる。
【0047】式(15)
【化30】 で表される、2,3-ジヨードアントラセンのアルキル又は
アリール置換体であって、互いに同一の置換基を有する
ポリアセン化合物としては、2,3-ジヨード-9,10-ジメチ
ルアントラセン、2,3-ジヨード-9,10-ジエチルアントラ
セン、2,3-ジヨード-9,10-ジプロピルアントラセン、2,
3-ジヨード-9,10-ジ iso-プロピルアントラセン、2,3-
ジヨード-9,10-ジブチルアントラセン、2,3-ジヨード-
9,10-ジ iso-ブチルアントラセン、2,3-ジヨード-9,10-
ジtert-ブチルアントラセン、2,3-ジヨード-9,10-ジペ
ンチルアントラセン、2,3-ジヨード-9,10-ジヘキシルア
ントラセン、2,3-ジヨード-9,10-ジシクロヘキシルアン
トラセン、及び2,3-ジヨード-9,10-ジフェニルアントラ
セン等が挙げられる。
【0048】式(16)
【化31】 で表される、5,12-ジヒドロナフタセンのアルキル又は
アリール置換体であって、互いに同一の置換基を有する
ポリアセン化合物としては、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,6,
11-ヘキサメチルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,
6,11-ヘキサエチルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,
4,6,11-ヘキサプロピルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,
2,3,4,6,11-ヘキサ iso-プロピルナフタセン、5,12-ジ
ヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサブチルナフタセン、5,12-
ジヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサ iso-ブチルナフタセ
ン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサtert-ブチルナ
フタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサペンチ
ルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサ is
o-ペンチルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,6,11-
ヘキサシクロペンチルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,
3,4,6,11-ヘキサヘキシルナフタセン、5,12-ジヒドロ-
1,2,3,4,6,11-ヘキサシクロヘキシルナフタセン、及び
5,12-ジヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサフェニルナフタセ
ン等が挙げられる。
【0049】式(17)
【化32】 で表される、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロナフタセンの
アルキル又はアリール置換体であって、互いに同一の置
換基を有するポリアセン化合物としては、5,7,8,9,10,1
2-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサメチルナフタセ
ン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサ
エチルナフタセン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,2,
3,4,6,11-ヘキサプロピルナフタセン、5,7,8,9,10,12-
ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサ iso-プロピルナフ
タセン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘ
キサブチルナフタセン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-
1,2,3,4,6,11-ヘキサ iso-ブチルナフタセン、5,7,8,9,
10,12-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサtert-ブチル
ナフタセン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,1
1-ヘキサペンチルナフタセン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒ
ドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサ iso-ペンチルナフタセン、
5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサシク
ロペンチルナフタセン、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-
1,2,3,4,6,11-ヘキサヘキシルナフタセン、5,7,8,9,10,
12-ヘキサヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサシクロヘキシル
ナフタセン、及び5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,2,3,
4,6,11-ヘキサフェニルナフタセン等が挙げられる。
【0050】式(18)
【化33】 で表される、5,12-ジヒドロナフタセンのアルキル又は
アリール置換体であって、互いに異なる置換基を有する
ポリアセン化合物としては、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テ
トラプロピル-6,11-ジiso-プロピルナフタセン、5,12-
ジヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-6,11-ジブチルナフ
タセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-6,11-
ジtert-ブチルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テ
トラプロピル-6,11-ジシクロヘキシルナフタセン、5,12
-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-6,11-ジフェニルナ
フタセン、
【0051】5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラブチル-6,1
1-ジプロピルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テト
ラブチル-6,11-ジiso-プロピルナフタセン、5,12-ジヒ
ドロ-1,2,3,4-テトラブチル-6,11-ジtert-ブチルナフタ
セン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラブチル-6,11-ジシ
クロヘキシルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テト
ラブチル-6,11-ジフェニルナフタセン、5,12-ジヒドロ-
1,2,3,4-テトラフェニル-6,11-ジプロピルナフタセン、
5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラフェニル-6,11-ジiso-プ
ロピルナフタセン、5,12-ジヒドロ-1,2,3,4-テトラフェ
ニル-6,11-ジtert-ブチルナフタセン、及び5,12-ジヒド
ロ-1,2,3,4-テトラフェニル-6,11-ジシクロヘキシルナ
フタセン等が挙げられる。
【0052】式(19)
【化34】 で表される、7,8,9,10-テトラヒドロナフタセンのアル
キル又はアリール置換体であって、互いに異なる置換基
を有するポリアセン化合物としては、7,8,9,10-テトラ
ヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-6,11- ジiso-プロピル
ナフタセン、7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラプ
ロピル-6,11-ジブチルナフタセン、7,8,9,10-テトラヒ
ドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-6,11-ジtert-ブチルナフ
タセン、7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピ
ル-6,11-ジシクロヘキシルナフタセン、7,8,9,10-テト
ラヒドロ-1,2,3,4-テトラプロピル-6,11-ジフェニルナ
フタセン、
【0053】7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラブ
チル-6,11-ジプロピルナフタセン、7,8,9,10-テトラヒ
ドロ-1,2,3,4-テトラブチル-6,11- ジiso-プロピルナフ
タセン、7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラブチル
-6,11-ジtert-ブチルナフタセン、7,8,9,10-テトラヒド
ロ-1,2,3,4-テトラブチル-6,11-ジシクロヘキシルナフ
タセン、7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラブチル
-6,11-ジフェニルナフタセン、7,8,9,10-テトラヒドロ-
1,2,3,4-テトラフェニル-6,11-ジプロピルナフタセン、
7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラフェニル-6,11-
ジiso-プロピルナフタセン、7,8,9,10-テトラヒドロ-1,
2,3,4-テトラフェニル-6,11-ジtert-ブチルナフタセ
ン、及び7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4-テトラフェニ
ル-6,11-ジシクロヘキシルナフタセン等が挙げられる。
【0054】式(20)
【化35】 で表される、5,12-ジヒドロナフタセン-2,3-ジカルボン
酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体であ
って、互いに同一の置換基を有するポリアセン化合物と
しては、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラメチ
ルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12
-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラエチルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テ
トラプロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジ
メチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラ iso-プロピル
ナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-
ジヒドロ-1,4,6,11-テトラブチルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テ
トラ iso-ブチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラtert-ブチル
ナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
【0055】ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラ
ペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラ iso-ペンチルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒ
ドロ-1,4,6,11-テトラシクロペンチルナフタセン-2,3-
ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,1
1-テトラヘキシルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラシクロヘ
キシルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル
5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラフェニルナフタセン-2,
3-ジカルボキシレート、ジエチル 5,12-ジヒドロ-1,4,
6,11-テトラメチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジエチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラエチルナ
フタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジエチル 5,12-ジ
ヒドロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジエチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テ
トラメチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジエ
チル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラエチルナフタセン
-2,3-ジカルボキシレート、及びジエチル 5,12-ジヒド
ロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフタセン-2,3-ジカルボ
キシレート等が挙げられる。
【0056】式(21)
【化36】 で表される、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロナフタセン-
2,3-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリ
ール置換体であって、互いに同一の置換基を有するポリ
アセン化合物としては、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキ
サヒドロ-1,4,6,11-テトラメチルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサエチ
ルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,
8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,8,9,1
0,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,11-テトラ iso-プロピルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,8,9,1
0,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,11-テトラブチルナフタセン-
2,3-ジカルボキシレート、ジメチル5,7,8,9,10,12-ヘキ
サヒドロ-1,4,6,11-テトラ iso-ブチルナフタセン-2,3-
ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサ
ヒドロ-1,4,6,11-テトラtert-ブチルナフタセン-2,3-ジ
カルボキシレート、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサヒ
ドロ-1,4,6,11-テトラペンチルナフタセン-2,3-ジカル
ボキシレート、ジメチル5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-
1,4,6,11-テトラ iso-ペンチルナフタセン-2,3-ジカル
ボキシレート、ジメチル5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-
1,4,6,11-テトラシクロペンチルナフタセン-2,3-ジカル
ボキシレート、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-
1,4,6,11-テトラヘキシルナフタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,
11-テトラシクロヘキシルナフタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,
11-テトラフェニルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、
【0057】ジエチル 5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,
4,6,11-テトラメチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジエチル5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,11-テ
トラエチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジエ
チル 5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,11-テトラプ
ロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジエチル
5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,11-テトラメチルナ
フタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジエチル 5,7,8,9,
10,12-ヘキサエチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、及びジエチ ル5,7,8,9,10,12-ヘキサヒドロ-1,4,6,
11-テトラプロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート
等が挙げられる。
【0058】式(22)
【化37】 で表される、5,12-ジヒドロナフタセン-2,3-ジカルボン
酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体であ
って、互いに異なる置換基を有するポリアセン化合物と
しては、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11
-ジiso-プロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11-ジブチ
ルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12
-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11-ジiso-ブチルナフタセ
ン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-
1,4-ジプロピル-6,11-ジtert-ブチルナフタセン-2,3-ジ
カルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジプ
ロピル-6,11-ジペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11
-ジiso-ペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11-ジシク
ロペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメ
チル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11-ジヘキシル
ナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-
ジヒドロ-1,4-ジプロピル-6,11-ジシクロヘキシルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒ
ドロ-1,4-ジプロピル-6,11-ジフェニルナフタセン-2,3-
ジカルボキシレート、
【0059】ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジブチル-6,
11-ジプロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジ
メチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジブチル-6,11-ジiso-プロ
ピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,
12-ジヒドロ-1,4-ジブチル-6,11-ジiso-ブチルナフタセ
ン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-
1,4-ジブチル-6,11-ジtert-ブチルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジブチ
ル-6,11-ジペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジブチル-6,11-ジiso
-ペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジブチル-6,11-ジシクロペンチ
ルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12
-ジヒドロ-1,4-ジブチル-6,11-ジヘキシルナフタセン-
2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4
-ジブチル-6,11-ジシクロヘキシルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジブチ
ル-6,11-ジフェニルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、
【0060】ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジtert-ブチ
ル-6,11-ジプロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレー
ト、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジtert-ブチル-6,11-
ジiso-プロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジtert-ブチル-6,11-ジブ
チルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,
12-ジヒドロ-1,4-ジtert-ブチル-6,11-ジペンチルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒ
ドロ-1,4-ジtert-ブチル-6,11-ジiso-ペンチルナフタセ
ン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-
1,4-ジtert-ブチル-6,11-ジシクロペンチルナフタセン-
2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4
-ジtert-ブチル-6,11-ジヘキシルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジtert-
ブチル-6,11-ジシクロヘキシルナフタセン-2,3-ジカル
ボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジtert-ブ
チル-6,11-ジフェニルナフタセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、
【0061】ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジシクロヘ
キシル-6,11-ジプロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジシクロヘキシ
ル-6,11-ジiso-プロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジエチル-6,11-
ジブチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジエチル-6,11-ジiso-ブチルナ
フタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジ
ヒドロ-1,4-ジシクロヘキシル-6,11-ジtert-ブチルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒ
ドロ-1,4-ジシクロヘキシル-6,11-ジペンチルナフタセ
ン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-
1,4-ジシクロヘキシル-6,11-ジiso-ペンチルナフタセン
-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,
4-ジシクロヘキシル-6,11-ジシクロペンチルナフタセン
-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,
4-ジシクロヘキシル-6,11-ジヘキシルナフタセン-2,3-
ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジ
シクロヘキシル-6,11-ジフェニルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、
【0062】ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-
6,11-ジプロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-6,11-ジiso-
プロピルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-6,11-ジブチルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒ
ドロ-1,4-ジフェニル-6,11 -ジiso-ブチルナフタセン-
2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4
-ジフェニル-6,11-ジtert-ブチルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェ
ニル-6,11-ジペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-6,11-
ジiso-ペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-6,11-ジシク
ロペンチルナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメ
チル 5,12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-6,11-ジヘキシル
ナフタセン-2,3-ジカルボキシレート、及びジメチル 5,
12-ジヒドロ-1,4-ジフェニル-6,11-ジシクロヘキシルナ
フタセン-2,3-ジカルボキシレート等が挙げられる。
【0063】式(23)
【化38】 で表される、5,14-ジヒドロペンタセンのアルキル又は
アリール置換体であって、同一の置換基を有するポリア
セン化合物としては、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,1
0,11,13-デカメチルペンタセン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,
4,6,8,9,10,11,13-デカエチルペンタセン、5,14-ジヒド
ロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカプロピルペンタセン、
5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカ iso-プロ
ピルペンタセン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,
13-デカブチルペンタセン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,
8,9,10,11,13-デカ iso-ブチルペンタセン、5,14-ジヒ
ドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカtert-ブチルペンタ
セン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカペ
ンチルペンタセン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,1
1,13-デカ iso-ペンチルペンタセン、5,14-ジヒドロ-1,
2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカシクロペンチルペンタセ
ン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカヘキ
シルペンタセン、5,14-ジヒドロ-1,2,3,4,6,8,9,10,11,
13-デカシクロヘキシルペンタセン、及び5,14-ジヒドロ
-1,2,3,4,6,8,9,10,11,13-デカフェニルペンタセン等が
挙げられる。
【0064】式(24)
【化39】 で表される、5,14-ジヒドロペンタセン-2,3-ジカルボン
酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体であ
って、互いに同一の置換基を有する化合物としては、ジ
メチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタメチ
ルペンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14
-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタエチルペンタセ
ン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14-ジヒドロ-
1,4,6,8,9,10,11,13-オクタプロピルペンタセン-2,3-ジ
カルボキシレート、ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,
9,10,11,13-オクタ iso-プロピルペンタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,1
0,11,13-オクタブチルペンタセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オ
クタiso-ブチルペンタセン-2,3-ジカルボキシレート、
ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタte
rt-ブチルペンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチ
ル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタペンチル
ペンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14-
ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタ iso-ペンチルペ
ンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14-ジ
ヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタシクロペンチルペン
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14-ジヒ
ドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタヘキシルペンタセン-
2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,
4,6,8,9,10,11,13-オクタシクロヘキシルペンタセン-2,
3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,
6,8,9,10,11,13-オクタフェニルペンタセン-2,3-ジカル
ボキシレート等が挙げられる。
【0065】式(25)
【化40】 上式で表される、5,7,12,14-テトラヒドロペンタセン-
2,3-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリ
ール置換体であって、互いに同一の置換基を有する化合
物としては、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,4,6,
8,9,10,11,13-オクタメチルペンタセン-2,3-ジカルボキ
シレート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,4,6,8,
9,10,11,13-オクタエチルペンタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,4,6,8,9,
10,11,13-オクタプロピルペンタセン-2,3-ジカルボキシ
レート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,4,6,8,9,
10,11,13-オクタ iso-プロピルペンタセン-2,3-ジカル
ボキシレート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,4,
6,8,9,10,11,13-オクタブチルペンタセン-2,3-ジカルボ
キシレート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,4,6,
8,9,10,11,13-オクタ iso-ブチルペンタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒドロ-1,
4,6,8,9,10,11,13-オクタtert-ブチルペンタセン-2,3-
ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒド
ロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタペンチルペンタセン-2,3
-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,12,14-テトラヒド
ロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタ iso-ペンチルペンタセ
ン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,12,14-テト
ラヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタシクロペンチルペ
ンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,12,1
4-テトラヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタヘキシルペ
ンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,12,1
4-テトラヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタシクロヘキ
シルペンタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,
7,12,14-テトラヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタフェ
ニルペンタセン-2,3-ジカルボキシレート等が挙げられ
る。
【0066】式(26)
【化41】 で表される、5,7,9,10,11,12,14,16-オクタヒドロヘキ
サセン-2,3-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル
又はアリール置換体であって、互いに同一の置換基を有
するポリアセン化合物としては、ジメチル 5,7,9,10,1
1,12,14,16-オクタヒドロ-1,4,6,8,13、15-ヘキサメチル
ヘキサセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,9,
10,11,12,14,16-オクタヒドロ-1,4,6,8,13、15-ヘキサエ
チルヘキサセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,
7,9,10,11,12,14,16-オクタヒドロ-1,4,6,8,13、15-ヘキ
サプロピルヘキサセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメ
チル 5,7,9,10,11,12,14,16-オクタヒドロ-1,4,6,8,13、
15-ヘキサiso-プロピルヘキサセン-2,3-ジカルボキシレ
ート、ジメチル 5,7,9,10,11,12,14,16-オクタヒドロ-
1,4,6,8,13、15-ヘキサブチルヘキサセン-2,3-ジカルボ
キシレート、ジメチル 5,7,9,10,11,12,14,16-オクタヒ
ドロ-1,4,6,8,13、15-ヘキサペンチルヘキサセン-2,3-ジ
カルボキシレート、ジメチル5,7,9,10,11,12,14,16-オ
クタヒドロ-1,4,6,8,13、15-ヘキサヘキシルヘキサセン-
2,3-ジカルボキシレート、及びジメチル 5,7,9,10,11,1
2,14,16-オクタヒドロ-1,4,6,8,13、15-ヘキサフェニル
ヘキサセン-2,3-ジカルボキシレート等が挙げられる。
【0067】式(27)
【化42】 で表される、5,7,14,16-テトラヒドロヘキサセンのアル
キル又はアリール置換体であって、互いに同一の置換基
を有するポリアセン化合物としては、5,7,14,16-テトラ
ヒドロ-1,2,3,4,6,8,13,15-オクタメチルヘキサセン、
5,7,14,16-テトラヒドロ-1,2,3,4,6,8,13,15-オクタエ
チルヘキサセン、5,7,14,16-テトラヒドロ-1,2,3,4,6,
8,13,15-オクタプロピルヘキサセン、及び5,7,14,16-テ
トラヒドロ-1,2,3,4,6,8,13,15-オクタフェニルヘキサ
セン等が挙げられる。
【0068】式(28)
【化43】 で表される、5,7,9,14,16,18-ヘキサヒドロヘプタセン-
2,3-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリ
ール置換体であって、互いに同一の置換基を有するポリ
アセン化合物としては、ジメチル 5,7,9,14,16,18-ヘキ
サヒドロ-1,4,6,8,10,11,12,13,15,17-デカメチルヘプ
タセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,7,9,14,1
6,18-ヘキサヒドロ-1,4,6,8,10,11,12,13,15,17-デカエ
チルヘプタセン-2,3-ジカルボキシレート、ジメチル 5,
7,9,14,16,18-ヘキサヒドロ-1,4,6,8,10,11,12,13,15,1
7-デカプロピルヘプタセン-2,3-ジカルボキシレート、
及びジメチル 5,7,9,14,16,18-ヘキサヒドロ-1,4,6,8,1
0,11,12,13,15,17-デカフェニル-2,3-ジカルボキシレー
ト等が挙げられる。
【0069】式(29)
【化44】 で表される、5,9,14,18-テトラヒドロヘプタセンのアル
キル又はアリール置換体であって、互いに同一の置換基
を有するポリアセン化合物としては、5,9,14,18-テトラ
ヒドロ-1,2,3,4,6,8,10,11,12,13,15,17-ドデカメチル
ヘプタセン、5,9,14,18-テトラヒドロ-1,2,3,4,6,8,10,
11,12,13,15,17-ドデカエチルヘプタセン、5,9,14,18-
テトラヒドロ-1,2,3,4,6,8,10,11,12,13,15,17-ドデカ
プロピルヘプタセン、及び5,9,14,18-テトラヒドロ-1,
2,3,4,6,8,10,11,12,13,15,17-ドデカフェニルヘプタセ
ン等が挙げられる。
【0070】反応試剤前駆体として用いるジルコノセン
の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(iso-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(iso-ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(tert-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ペンチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(シクロヘキシルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フェニルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0071】ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2-ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,
3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1,2-ジエチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1,3-ジプロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-ジis
o-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1,3-ジブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1,3-ジiso-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-ジ
tert-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(1,3-ジペンチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-ジヘキシルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-
ジシクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(1,3-ジフェニルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
【0072】ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1-メチル-3- iso-プロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-iso-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-3-ペンチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-シクロペンチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-3-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-シクロヘキシ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、
【0073】ビス(1-エチル-3-メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1-エチル-3-isoプロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-エチル-3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-iso-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-エチル-3-ペンチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-シクロペンチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-エチル-3-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-シクロヘキシル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-エチル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
【0074】ビス(1,2,4-トリメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,4-トリエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1,2,4-トリプロピルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1,2,4-トリブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,4-ト
リフェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1,2-ジメチル-4-エチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2-ジメチル-4
-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1,2-ジメチル-4-iso-プロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2-ジメ
チル-4-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(1,2-ジメチル-4-iso-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2-ジ
メチル-4-tert-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(1,2-ジメチル-4-ペンチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,
2-ジメチル-4-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1,2-ジメチル-4-シクロヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,2-ジメチル-4-フェニルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
【0075】ビス(1,4-ジメチル-2-エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,4-ジメ
チル-2-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(1,4-ジメチル-2-iso-プロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,
4-ジメチル-2-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(1,4-ジメチル-2-iso-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1,4-ジメチル-2-tert-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(1,4-ジメチル-2-ペン
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,4-ジメチル-2-ヘキシルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,4-ジメチル-2-
シクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(1,4-ジメチル-2-フェニルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0076】ビス(1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テ
トラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1,2,3,4-テトラプロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テトラ
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1,2,3,4-テトラフェニルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ペンタエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタプロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ペンタブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(ペンタフェニルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
【0077】ビス(1,2,3,4-テトラメチル-5-エチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1,2,3,4-テトラメチル-5-プロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テトラ
メチル-5-iso-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テトラメチル-5-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,2,3,4-テトラメチル-5-iso-ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-
テトラメチル-5-ペンチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テトラメチル-5-i
so-ペンチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(1,2,3,4-テトラメチル-5-シクロペンチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1,2,3,4-テトラメチル-5-ヘキシルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テト
ラメチル-5-シクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、及びビス(1,2,3,4-テトラメチ
ル-5-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0078】本発明のポリアセン化合物の合成法におい
て、環化反応に用いるジルコノセンの選択を適切に行う
ことが必要である。具体的には、第一に、溶媒に対する
溶解度が、目的物である生成するポリアセン化合物の該
溶媒に対する溶解度と大きく異なるジルコノセンを選択
すること(第一条件)であり、第二に、ジルコノセン及
びジルコノセン等価体として安定性に優れた化合物を選
択すること(第二条件)が必要である。
【0079】第一条件の溶解度に関しては、一般的に
は、ジルコノセンの溶媒に対する溶解度は、配位子であ
るシクロペンタジエン環に結合した置換基の数と種類に
よって大きく左右される。置換基としてアルキル基の場
合には、同じアルキル基であればモノアルキル体、ジア
ルキル体と置換基数の増加に伴ってジルコノセンの溶解
度は増加する傾向にある。また置換基の種類では、メチ
ル基(式中、Meと表す)、エチル基(式中、Etと表
す)、プロピル基と炭素原子数が増加するに従ってジル
コノセンの溶解度は増加する傾向にある。即ち、置換基
を有していないCp2ZrCl2が最も溶媒に難溶であり、(Me2
Cp)2ZrCl2、(Et2Cp)2ZrCl2となるに従って溶解度は増加
する。
【0080】ポリアセン化合物の溶媒に対する溶解度
は、一般的には、環の数、置換基の数、及びその種類に
よって定まる。即ち、1環化合物、2環化合物、3環化合
物と環の数が増加するに従って溶解度は低下し、置換基
としてアルキル基を多く有する化合物が高い溶解性を有
する傾向がある。さらにアルキル基の種類としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基と炭素原子数が増加する
に従ってポリアセン化合物の溶解度は増加する傾向にあ
る。目的とするポリアセン化合物が未知化合物である場
合には、その構造から溶解度を推測し、既知化合物であ
れば実際の溶解度を調査のうえ、前述した一般則を参考
にしたうえで、生成するポリアセン化合物の溶解度と大
きく異なるジルコノセンを選択する。反応後、反応溶液
を酸性に保ちながら処理することで、ポリアセン化合物
とジルコノセンの分離が極めて容易となり、高い回収率
でのジルコノセンの分離回収が達成される。
【0081】ポリアセン化合物が比較的溶媒に溶けやす
い化合物の場合、ジルコノセンとして溶解度の低い化合
物を選択することが好ましい。環形成反応後、得られた
ポリアセン化合物とジルコノセンの混合物に抽出溶媒を
加えて撹拌を行うと、より易溶なポリアセン化合物が溶
媒に溶解して抽出される。この溶液にはジルコノセンが
僅かに含まれることもあるが、後述する処理によってこ
れを除去することができ、その残存量が僅かであるため
その操作も容易である。さらに精製を行うことによって
ポリアセン化合物を単離することができる。ポリアセン
を抽出した残留物は粗ジルコノセンであり、精製を行う
ことによりジルコノセンを分離回収することができる。
以上の溶媒抽出によってポリアセン化合物とジルコノセ
ンの分離を容易に行うことができる。
【0082】ポリアセン化合物が比較的溶媒に溶けやす
い化合物の場合、前述の如くジルコノセンとして溶解度
の低い化合物を選択することが望ましい。一例を示せば
単環化合物であるジメチル 3,4,5,6-テトラプロピルフ
タレートの合成では、ジルコノセンとしてビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド等を用いることができる。
特にビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、及びビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。
【0083】ポリアセン化合物が比較的溶媒に溶け難い
化合物の場合、ジルコノセンとして溶解度の高い化合物
を選択することが好ましい。環形成反応後、得られた粗
生成物に抽出溶媒を加えて撹拌を行うと、より易溶なジ
ルコノセン化合物が溶媒に溶解して抽出され、さらに精
製を行うことによってジルコノセン化合物を単離するこ
とができる。ジルコノセンを抽出した残留物は粗ポリア
セン化合物であり、これにはジルコノセンが僅かに含ま
れることがあるが、後述する処理によってこれを除去す
ることができ、その残存量は僅かであるためその操作も
容易である。さらに精製を行うことにより、ポリアセン
化合物を単離することができる。以上の溶媒抽出によっ
てポリアセン化合物とジルコノセンの分離を容易に行う
ことができる。
【0084】ポリアセン化合物が比較的溶媒に溶け難い
化合物の場合、前述の如くジルコノセンとして溶解度の
高い化合物を選択することが望ましく、一例を示せば5
環化合物であるジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,
11,13-オクタプロピルペンタセン-2,3-ジカルボキシレ
ートの合成では、ジルコノセンとしてビス(プロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ペンチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ジブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジペンチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ジヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-ブチル-3-エチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-ブチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-ブチル-3-iso-プロピル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1,2,4-トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(1,2,3,4-テトラエチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3,4,
5-ペンタエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド等を用いることができる。
【0085】ジルコノセンの選択に際しては、合成の目
的化合物であるポリアセン化合物と分離回収するジルコ
ノセンの溶媒に対する溶解度の違いが大きく異なる事が
望ましい。実用的には、ポリアセン化合物の溶媒に対す
る溶解度をS、ジルコノセンの溶媒に対する溶解度を
とすると、好ましくは、S:Sが1:5〜5:
1の範囲でないこと、即ちSとSの比が5倍以上、
さらに好ましくは、S :Sが1:20〜20:1の
範囲でないこと、即ちSとSの比が20倍以上、さ
らに好ましくはS:Sが1:50〜50:1の範囲
でないこと、即ち、SとSの比が50倍以上であれ
ば、ジルコノセンを高い回収率で再生することが可能で
ある。
【0086】ジルコノセンを選択する際の第二条件であ
るジルコノセン及びジルコノセン等価体の安定性に関し
て以下記載する。環形成反応を円滑に進め、高い回収率
でジルコノセンを分離回収するためには、ジルコノセン
及びジルコノセン等価体が、水、空気、及び温度等に対
して安定であることが必要である。即ち、ジルコノセン
を安定性の面から選択する基準としては、水、空気に対
してジルコノセンジクロリドとして、より安定性があ
り、かつ、誘導化によって得るジルコノセン等価体が温
度安定性に優れた化合物が好ましい。これらの条件を満
たすためには、二つのシクロペンタジエン環が炭素、ケ
イ素、ゲルマニウム等で架橋されていない構造が安定性
の面から望ましい。一般的には非架橋ジルコノセンは架
橋ジルコノセンと比較して安定かつ安価であり、ポリア
セン化合物を低コストで製造するためにも非架橋ジルコ
ノセンの使用が好ましい。また一般的には、シクロペン
タジエン環に結合している置換基として水素原子がアル
キル基等の置換基に置き換えられている度合いが高いほ
ど安定性に優れている。
【0087】従来用いられていたCp2ZrCl2から誘導化し
たジルコノセン等価体“Cp2Zr”の場合、-78℃における
反応実施では、反応溶液が淡い褐色を呈し不溶分の析出
も生じないが、0℃前後の高温域での反応実施では、反
応溶液が焦茶色を呈するほか不溶分を生じ、ジルコノセ
ン等価体の分解が観察された。従って“Cp2Zr”は、温
度安定性に劣るため-78℃以下の低温が必要であり、反
応実施には低温反応装置が必要であった。しかし置換基
を導入したジルコノセンから誘導化したジルコノセン等
価体は、工業的実施が容易な温度である0℃程度で取り
扱うことができることを本発明者らは見出した。また、
置換基を有するジルコノセンは、空気、水に対してより
安定な性質を示し、ジルコノセンを分離回収する観点か
らも、置換基を有するジルコノセンの選択が好ましい。
一例を示せば、(Ind)2ZrCl2は空気、水に対して不安定
であるが、置換基を導入した(2-Me-Ind)2ZrCl2はより安
定な性質を有する(式中、Indはインデニル基を表
す)。
【0088】環化反応の際に用いられるジルコノセン等
価体の合成は、ジルコノセンを溶媒に溶解させて冷却
し、ブチルリチウムのヘキサン溶液をゆっくりと加え、
冷却しながら撹拌することによって行う。反応溶媒は脂
肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類を用いるこ
とができるが、好ましくはエーテル類であり、特に好ま
しくはTHF(テトラヒドロフラン)である。溶媒量は、
後で加えるブチルリチウムのヘキサン溶液を基準として
1倍〜20倍量を用いることができるが、好ましくは3倍〜
10倍量であり、さらに好ましくは5倍〜7倍量である。反
応に用いるブチルリチウムは、ジルコノセンに対して1.
5〜2.5当量用いることが好ましい。反応温度はCp2ZrCl2
から誘導化したジルコノセン等価体の場合-78℃〜-30℃
で行われ、置換基を有するジルコノセンから誘導化した
ジルコノセン等価体の場合、より高温域である-30℃〜1
0℃の間で行うことができる。
【0089】アルキンとの反応は、ジルコノセン等価体
へアルキンを加えて撹拌することにより行われるが、そ
の際の反応温度は-80℃〜200℃の間で行うことができ、
好ましくは-5℃〜100℃である。アルキンが固体の場
合、少量の溶媒に溶解させてもよい。使用することので
きる溶媒は、ジルコノセン等価体の合成に用いたものと
同一の溶媒が好ましい。溶媒量はアルキンの重量に対し
て0.5倍〜1.5倍程度が望ましい。アルキンの当量は、モ
ノアルキンの場合はジルコノセンを基準として1.5〜3.0
当量、ジアルキンの場合は0.8〜1.5当量が好適である。
【0090】トランスメタル化反応に用いる化合物は、
CuCl、Ni(PPh3)2Cl2、Ni(PPh3)2Br2等を用いることがで
きる。ジルコノセンの分離回収を考慮すると、分離回収
を希望するジルコノセン中のハロゲン原子に着目し、こ
れに対応したハロゲン原子を有するトランスメタル化剤
を選択する必要がある。例えば、ジルコノセンジクロリ
ドの分離回収を望む場合には、用いるトランスメタル化
剤として塩素化物を用いる必要があり、またジルコノセ
ンジブロマイドの分離回収を望む場合には、用いるトラ
ンスメタル化剤として臭素化物を用いる必要がある。ま
た、次に反応させるアルキンが電子吸引性を有する場
合、トランスメタル化剤としてCuCl等の銅化合物を用い
ることが望ましい。反応温度は-15℃〜100℃であるが、
通常は室温で行うことができ、反応時間は10分〜90分で
ある。トランスメタル化剤はジルコノセンを基準として
通常1.5〜3.0当量用いることができ、好ましくは1.8〜
2.2当量である。
【0091】アルキンとの反応では、アルキンをトラン
スメタル化剤と同時に加えてもよい。反応に用いるアル
キンの量は、ジルコノセン等価体に対して0.8〜1.5当量
が好ましい。通常、反応温度は室温であるが、反応の進
行が遅い場合には150℃程度まで加熱してもよい。反応
時間は1時間から24時間である。トランスメタル化剤がN
i(PPh3)2Cl2、Ni(PPh3)2Br2の場合には、反応促進剤と
してジメチルプロピレンウレア、1,3-ジメチル-2-イミ
ダゾリジノン等の添加が好ましい。添加量は通常0.7当
量〜3当量を用いることができる。
【0092】また、テトラヨードベンゼン、ジヨードベ
ンゼン等のハロゲノアリール化合物との反応では、ジル
コナシクロペンタジエン化合物をトランスメタル化後
に、ハロゲノアリール化合物を加える。本反応では通
常、反応温度が10℃〜150℃の範囲で行われるが、反応
の進行が遅い場合にはさらに温度を高めてもよい。反応
促進剤としてジメチルプロピレンウレア、1,3-ジメチル
-2-イミダゾリジノン等を添加することが好ましい。添
加量は通常0.7当量〜3当量を用いることができる。反応
時間は通常1時間から24時間である。
【0093】反応の終了した溶液中には、トランスメタ
ル化剤として反応に使用した銅またはニッケルの化合物
の塩、使用したジルコノセン化合物及び生成したポリア
セン化合物が含まれている。本発明における反応液の後
処理は、反応液に酸水溶液及び必要な場合には有機溶媒
を加えた後に行う分液操作によって、トランスメタル化
剤として反応に使用した銅またはニッケルの塩などの水
溶性成分の除去を行い、ポリアセン化合物とジルコノセ
ンの混合物を得る第一段階と、ポリアセン化合物とジル
コノセンの分離を行う第二段階よりなる以下の方法によ
る。
【0094】(1)反応溶液中の水溶性成分の除去 反応に使用した銅またはニッケルの化合物などを水溶液
中に溶解するため、反応液に好ましくは5%〜20%の
希塩酸水溶液であるが、これに限定されない酸水溶液を
加えて10分間ほど攪拌する。この際、使用したジルコ
ノセン、又は生成したポリアセン化合物の溶解度が特に
低い場合には、化合物が析出してくることがあるので、
この析出物を有機溶媒に溶解させるため、反応溶液に溶
媒を加える。この際に使用する溶媒の条件として、生成
物、及びジルコノセンを共に溶解させるほか、水に対す
る溶解性が低く、かつジルコノセンを分解させないこと
が必要である。好適にはジエチルエーテル、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ジクロロメタン等を用いることがで
きる。分液して水層を捨てることにより、銅またはニッ
ケルの塩などの水溶性成分を除去する。酸水溶液で洗浄
した後、有機層中に残存した酸成分を飽和塩化ナトリウ
ムで洗浄することにより減少させるが、液性が酸性の状
態で洗浄を終了する。後処理工程を中性条件下にて行う
と、反応溶液中に含まれているジルコノセンがμ−オキ
ソ体に転化してしまう。また、従来行われていた実施形
態であるアルカリ条件下での処理では、反応溶液中に含
まれているジルコノセンが加水分解を起こし、不溶物や
ジルコノセン配位子に由来する有機物が生じる。
【0095】このように中性〜アルカリ性条件下での後
処理は、後処理工程を阻害し、ジルコノセンの分離回収
も不可能とするうえ、目的化合物であるポリアセン化合
物の精製操作も困難化させるため好ましくない。従っ
て、本発明のポリアセン化合物の合成法においては、環
形成反応後の後処理工程を酸性条件下にて行うことが必
要である。すなわち、本発明のポリアセン化合物の製造
方法は、環形成反応後の工程において、反応溶液の液性
を酸性条件下にて行うことを特徴とする。液性はpH=-2
〜6であることが必要であり、好ましくはpH=1〜3であ
る。洗浄後の溶液は、無水硫酸ナトリウム、または、硫
酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することに
よりポリアセン化合物とジルコノセンの混合物が得られ
る。
【0096】(2)ポリアセン化合物とジルコノセンの
分離 以上の操作で得られた反応生成物には目的物であるポリ
アセン化合物のほか、ジルコノセンが含まれている。溶
媒を加え、両者の溶媒に対する溶解度の差を利用するこ
とによりポリアセン化合物又はジルコノセンのどちらか
一方を優先的に抽出する。この際に使用する溶媒の条件
として、生成物とジルコノセンのどちらか一方を優先的
に溶出させる極性を有するほか、ジルコノセンを分解さ
せないことが必要であり、溶媒の使用量も適正量を用い
ることが必要である。溶媒の種類が適切であっても、ポ
リアセン化合物とジルコノセンの両方を溶解せしめる、
溶媒の大量使用は不適である。使用できる溶媒は、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチ
ル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン
等のハロゲン化溶媒を単独または混合して用いることが
できる。溶媒の種類及び量については、目的とするポリ
アセン化合物の溶解度を考慮して適宜選択する。
【0097】上記操作によって、反応で得られた化合物
が粗ポリアセン化合物と粗ジルコノセンの2つに分離さ
れる。分離した粗ジルコノセンは再結晶等の精製操作を
行うことにより、高純度のジルコノセンを分離回収でき
る。ジルコノセンの回収率は80%台に達する事がある。
ジルコノセンの精製には、通常用いられる種々の精製方
法を使用することができる。また粗ポリアセン化合物に
は、微量のジルコノセンが含まれる事があるが、粗ポリ
アセン化合物を溶媒に溶解させ、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ水溶液による洗浄を行うことでこれを容易に
除去することができる。このようにして粗ポリアセン化
合物を処理した後、再結晶、カラムクロマトグラフィー
等の精製操作を行うことにより、純度の高いポリアセン
化合物を得ることができる。粗ポリアセン化合物中にお
けるジルコノセン残存量は少ないため、アルカリ水溶液
洗浄操作の際に従来生起した、有機層と水層の分離が悪
化するという分液困難の問題点は回避される。
【0098】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。尚、本実施例においては、反応はアルゴ
ンガスまたは窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下にて行っ
た。また、反応に使用した溶媒は、モレキュラーシーブ
により乾燥したものを用いた。
【0099】実施例1 1,2,3,4,5,6,7,8-オクタプロピルアントラセンの中間体
である下記化合物(M1)の合成
【化45】 (式中、Prはプロピル基である) (ジルコノセンの選択)1,2,3,4,5,6,7,8-オクタプロピ
ルアントラセン(溶解度:25℃で3.03g(100gヘキサン
当たり))と比較して溶解度の低い、ビス(1,3-ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(溶
解度:25℃で0.09g(100gヘキサン当たり))を反応試
剤として選択した。溶解度の比率は34:1である。
【0100】(反応)100 ml四つ口フラスコへ、ビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを3.0 g(8.61 mmol)、THFを77 ml投入した。反
応容器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶液(1.5
6 mol/l)を11.0 ml(17.2 mmol)を5分間かけて滴下し
た。反応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌した。反
応液は淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかったことか
ら、ジルコノセン等価体の分解がほとんどなかったこと
が確認された。
【0101】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、4-オク
チンを2.1 ml(14.4 mmol)加えて2時間還流温度で加熱撹
拌し、ジルコナシクロペンタジエンを含む溶液を得た。
本化合物は、下記記載の1H NMR測定結果から、標記した
中間体化合物(M1)であることを確認した。1 H NMR(CDCl3, TMS)δ 0.890(t, J=7.07 Hz, 6H) 0.898
(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.20(m, 4H) 1.28(m, 4H) 1.95(m,
4H) 2.10(m, 4H) 2.03(s, 12H) 5.55(d, J=2.20 Hz, 4
H) 6.02(s, 2H) 上記操作によって得られた、中間体化合物を含む溶液の
全量を、実施例2に示した反応に使用した。
【0102】実施例2 1,2,3,4,5,6,7,8-オクタプロピルアントラセンの合成
【化46】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例1で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を1.49 g(15.1
mmol)、ジメチルプロピレンウレアを2.60 ml(21.5 mmo
l)、1,2,4,5-テトラヨードベンゼンを2.01 g(3.59 mmo
l)加えて9時間還流温度で加熱撹拌した。10 %希塩酸10
0 mlを加え、酢酸エチルを300 ml加えた。水層を除去し
た有機層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄
し、飽和塩化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して粗生成物を得
た。
【0103】粗生成物へ、ヘキサン200 mlを加えてよく
撹拌し、得られたスラリーを濾過した。濾過された粉末
はヘキサンで洗浄し、再結晶を行って白色鱗片状のビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを分離回収した(回収量2.22 g 回収率74
%)。濾液は炭酸ナトリウム水溶液にて洗液に着色がな
くなるまで洗浄した。この際、ジルコノセン分解物に由
来する不溶分の析出は僅かであり、分液は容易であっ
た。続いて有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮、再結晶し、目的
物である1,2,3,4,5,6,7,8-オクタプロピルアントラセン
を得た(収量1.00 g 収率54.1 %)。
【0104】実施例3 ジメチル 3,4,5,6-テトラプロピルフタレートの中間体
である下記化合物(M1)の合成
【化47】 (式中、Prはプロピル基である) (ジルコノセンの選択)ジメチル3,4,5,6-テトラプロピ
ルフタレート(溶解度:25℃でヘキサンと任意の割合で
混ざり合う)と比較して溶解度の低い、ビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(溶解度:25℃で0.09g(100gヘキサン当たり))を反
応試剤として選択した。溶解度の比率は非常に高く定ま
らない。
【0105】(反応)300 ml四つ口フラスコへ、ビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを10.0 g(28.7 mmol)、THFを221 ml投入した。
反応容器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶液
(1.56 mol/l)を36.8 ml(57.4 mmol)を15分間かけて滴下
した。反応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌した。
反応液は淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかったことか
ら、ジルコノセン等価体の分解がほとんどなかったこと
が確認された。
【0106】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、4-オク
チンを6.74 ml(45.9 mmol)加えて2時間還流温度で加熱
撹拌し、ジルコナシクロペンタジエンを含む溶液を得
た。本化合物は、1H NMR測定結果から、標記した中間体
化合物(M1)であることを確認した。上記操作によって
得られた、中間体化合物を含む溶液の全量を、実施例4
に示した反応に使用した。
【0107】実施例4 ジメチル 3,4,5,6-テトラプロピルフタレートの合成
【化48】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例3で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を5.11 g(51.7
mmol)、アセチレンジカルボン酸ジメチルを8.8 ml(71.7
mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。10 %希塩酸50 ml
を加え、酢酸エチルを100 ml加えた。水層を除いた有機
層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄し、飽和
塩化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄したのち、
無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して粗生成物を得た。
【0108】粗生成物へ、ヘキサン100 ml、酢酸エチル
20 mlを加えてよく撹拌し、得られたスラリーを濾過し
た。濾過された粉末はヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒
で洗浄し、再結晶を行って白色鱗片状のビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを
分離回収した(回収量6.42 g 回収率64.2 %)。濾液
は炭酸ナトリウム水溶液にて洗液に着色がなくなるまで
洗浄した。この際、ジルコノセン分解物に由来する不溶
分の析出は僅かであり、分液は容易であった。続いて有
機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、濃縮して、目的物であるジメチル 3,
4,5,6-テトラプロピルフタレートを得た(収量9.37 g
粗収率113 %)。
【0109】実施例5 ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジプロピルナフタ
レン-2,3-ジカルボキシレートの中間体である下記化合
物(M2)の合成
【化49】 (式中、Prはプロピル基である)
【0110】(ジルコノセンの選択)実施例1と同様に
して、目的物と比較して溶解度の低い、ビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを
反応試剤として選択した。
【0111】(反応)500 ml四つ口フラスコへ、ビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを20.3 g(58.4 mmol)、THFを292 ml投入した。
反応容器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶液
(1.56 mol/l)を58.4 ml(113.8 mmol)を55分間かけて滴
下した。反応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌し
た。反応液は淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかったこ
とから、ジルコノセン等価体の分解がほとんどなかった
ことが確認された。
【0112】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、テトラ
デカ-4,10ジインを10.0 g(52.5 mmol)加えて2時間還流
温度で加熱撹拌し、ジルコナシクロペンタジエンを含む
溶液を得た。本化合物は、下記記載の1H NMR測定結果か
ら、標記した中間体化合物(M2)であることを確認し
た。1 H NMR(CDCl3, TMS)δ 0.829(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.19
(m, 4H) 1.41(m, 4H) 1.92(s, 12H) 2.01(m, 8H) 5.55
(d, J=2.20 Hz, 4H) 5.99(s, 2H) 上記操作によって得られた、中間体化合物を含む溶液の
全量を、実施例6に示した反応に使用した。
【0113】実施例6 ジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジプロピルナフタ
レン-2,3-ジカルボキシレートの合成
【化50】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例5で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を10.4 g(105.1
mmol)、アセチレンジカルボン酸ジメチルを17.9ml(14
6.0 mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。10 %希塩酸10
0 mlを加え、酢酸エチルを600 ml加えた。水層を除去し
た有機層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄
し、飽和塩化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄し
たのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して粗生成物
を得た。
【0114】粗生成物へ、ヘキサン400 mlを加えてよく
撹拌し、得られたスラリーを濾過した。濾過された粉末
はヘキサンで洗浄し、再結晶を行って白色鱗片状のビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを分離回収した(回収量17.9 g 回収率88
%)。濾液は炭酸ナトリウム水溶液にて洗液に着色がな
くなるまで洗浄した。この際、ジルコノセン分解物に由
来する不溶分の析出は僅かであり、分液は容易であっ
た。続いて有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮、再結晶して目的
物であるジメチル 5,6,7,8-テトラヒドロ-1,4-ジプロピ
ルナフタレン-2,3-ジカルボキシレートを得た(収量14.
2 g 収率83 %)。
【0115】実施例7 ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサプロピル
アントラセン-2,3-ジカルボキシレートの中間体である
下記化合物(M3)の合成
【化51】 (式中、Prはプロピル基である)
【0116】(ジルコノセンの選択)ジメチル9,10-ジ
ヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサプロピルアントラセン-2,3-
ジカルボキシレート(溶解度:25℃で1.19g(100gヘキ
サン当たり))と比較して溶解度の低い、ビス(1,3-ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(溶解度:25℃で0.09g(100gヘキサン当たり))を反
応試剤として選択した。溶解度の比率は13:1である。
【0117】(反応)50 mlシュレンクへ、ビス(1,3-
ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドを4.36 g(12.5 mmol)、THFを80 ml投入した。反応容
器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶液(1.56 mo
l/l)を16.0 ml(25.0 mmol)を2分間かけて滴下した。反
応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌した。反応液は
淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかったことから、ジル
コノセン等価体の分解がほとんどなかったことが確認さ
れた。
【0118】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、4.06 g
(9.98 mmol)の1,2-ビス(2-ヘキシニル)-3,4,5,6-テト
ラプロピルベンゼンを3.2 mlのTHFへ溶解させた溶液を
加えて2時間還流温度で加熱撹拌し、ジルコナシクロペ
ンタジエンを含む溶液を得た。本化合物は、下記記載の
1H NMR測定結果から、標記した中間体化合物(M3)であ
ることを確認した。1 H NMR(CDCl3, TMS)δ 0.998(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.026
(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.056(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.25〜
1.55(m, 12H) 1.83(s, 12H) 2.33(m, 4H) 2.5〜2.6(m,
8H) 3.27(s, 4H) 5.54(d, J=2.20 Hz, 4H) 5.97(t, J=
2.20 Hz, 2H) 上記操作によって得られた、中間体化合物を含む溶液の
全量を、実施例8に示した反応に使用した。
【0119】実施例8 ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサプロピル
アントラセン-2,3-ジカルボキシレートの合成
【化52】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例7で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を2.23 g(22.5
mmol)、アセチレンジカルボン酸ジメチルを3.84ml(31.2
mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。10 %希塩酸50 ml
を加え、酢酸エチルを100 ml加えた。水層を除去した有
機層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄し、飽
和塩化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄したの
ち、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して粗生成物を得
た。
【0120】粗生成物へ、ヘキサン40 ml、酢酸エチル2
0 mlを加えてよく撹拌し、得られたスラリーを濾過し
た。濾過された粉末はヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒
で洗浄し、再結晶を行って白色鱗片状のビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを
分離回収した(回収量2.85 g 回収率65.4 %)。濾液
は炭酸ナトリウム水溶液にて洗液に着色がなくなるまで
洗浄した。この際、ジルコノセン分解物に由来する不溶
分の析出は僅かであり、分液は容易であった。続いて有
機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、濃縮、再結晶して、目的物であるジメ
チル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘキサプロピルアン
トラセン-2,3-ジカルボキシレートを得た(収量3.01 g
収率55 %)。
【0121】実施例9 ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレートの中間体である下記化
合物(M4)の合成
【化53】 (式中、Prはプロピル基である)
【0122】(ジルコノセンの選択)ジメチル5,12-ジ
ヒドロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレート(溶解度:25℃で0.12g(100gヘキサン
当たり))と比較して溶解度の高い、ビス(ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(溶解度:
25℃で1.01g(100gヘキサン当たり))を反応試剤とし
て選択した。溶解度の比率は1:8.4である。
【0123】(反応)300 mlシュレンクへ、ビス(ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを1
1.02 g(27.23 mmol)、THFを158 ml投入した。反応容器
を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶液(1.56 mol/
l)を34.0 ml(53.1 mmol)を20分間かけて滴下した。反応
溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌した。反応液は淡
い褐色を呈し、不溶分も生じなかったことから、ジルコ
ノセン等価体の分解がほとんどなかったことが確認され
た。
【0124】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、9.13 g
(24.5 mmol)の2,3-ビス(2-ヘキシニル)-1,4-ジプロピ
ルナフタレンを40 mlのTHFへ溶解させた溶液を加えて2
時間還流温度で加熱撹拌し、ジルコナシクロペンタジエ
ンを含む溶液を得た。本化合物は、下記記載の1H NMR測
定結果から、標記した中間体化合物(M4)であることを
確認した。
【0125】1H NMR(CDCl3, TMS)δ 0.58(t, J=7.32 H
z, 6H) 0.83(m, 4H) 1.02(t, J=7.32Hz, 6H) 1.12(t, J
=7.32 Hz, 6H) 1.2〜1.4(m, 8H) 1.62(m, 4H) 1.93(t,
J=7.56Hz 4H) 2.39(m, 4H) 3.09(m, 4H) 3.53(s, 4H)
5.71(t, J=2.44 Hz, 4H) 6.01(t, J=2.44 Hz, 4H) 7.36
(t, J=3.17Hz, 1H) 7.39(t, J=3.17Hz, 1H) 8.00(t, J=
3.17Hz, 1H) 8.03(t, J=3.17Hz, 1H) 上記操作によって得られた、中間体化合物を含む溶液の
全量を、実施例10に示した反応に使用した。
【0126】実施例10 ジメチル 5,12-ジヒドロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフ
タセン-2,3-ジカルボキシレートの合成
【化54】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例9で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を4.85 g(49.01
mmol)、アセチレンジカルボン酸ジメチルを8.37ml(68.
1 mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。10 %希塩酸100
mlを加え、酢酸エチルを150 ml加えた。水層を除去した
有機層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄し、
飽和塩化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄したの
ち、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して粗生成物を得
た。
【0127】粗生成物へ、ヘキサン330 ml、酢酸エチル
33 mlを加えてよく撹拌し、得られたスラリーを濾過し
た。濾過された粉末はヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒
で洗浄し、酢酸エチルに溶解して炭酸ナトリウム水溶液
にて洗液に着色がなくなるまで洗浄した。この際、ジル
コノセン分解物に由来する不溶分の析出は僅かであり、
分液は容易であった。続いて有機層を飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮
し、再結晶を行って淡黄色粉末であるジメチル 5,12-ジ
ヒドロ-1,4,6,11-テトラプロピルナフタセン-2,3-ジカ
ルボキシレートを得た(収量10.69 g 収率84.4 %)。
濾液は再結晶を行い、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドを分離回収した(回
収量2.0 g回収率18 %)。
【0128】実施例11 ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタプ
ロピルペンタセン-2,3-ジカルボキシレートの中間体で
ある下記化合物(M5)の合成
【化55】 (式中、Prはプロピル基である)
【0129】(ジルコノセンの選択)ジメチル5,14-ジ
ヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタプロピルペンタセン
-2,3-ジカルボキシレート(溶解度:25℃で0.07g(100g
ヘキサン当たり))と比較して溶解度の高い、ビス(1-
ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド(溶解度:25℃で16.3g(100gヘキサン当た
り))を反応試剤として選択した。溶解度の比率は1:2
30である。
【0130】(反応)500 ml四つ口フラスコへ、ビス
(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドを11.70 g(27.05 mmol)、THFを208 ml投
入した。反応容器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサ
ン溶液(1.56 mol/l)を34.7 ml(54.1 mmol)を10分間かけ
て滴下した。反応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌
した。反応液は淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかった
ことから、ジルコノセン等価体の分解がほとんどなかっ
たことが確認された。
【0131】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、12.79
g(21.64 mmol)の2,3-ビス(2-ヘキシニル)-1,4,6,7,8,
9-ヘキサプロピルアントラセンを100 mlのTHFへ溶解さ
せた溶液を加えて2時間還流温度で加熱撹拌し、ジルコ
ナシクロペンタジエンを含む溶液を得た。本化合物は、
下記記載の1H NMR測定結果から、標記した中間体化合物
(M5)であることを確認した。
【0132】1H NMR(CDCl3, TMS)δ 0.71(t, J=7.32 H
z, 3H) 0.73(t, J=7.32 Hz, 3H) 1.04(t, J=7.32 Hz, 6
H) 1.12(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.18(t, J=7.32 Hz, 6H)
1.21(t, J=7.32 Hz, 6H) 1.3〜1.5(m, 8H) 1.62(m, 4H)
1.80(m, 12H) 1.82(s, 3H) 1.83(s, 3H) 2.1(m, 4H)
2.37(m, 4H) 2.77(m, 4H) 3.15(m, 4H) 3.22(m, 4H) 3.
58(s, 4H) 5.54(d J=2.20 Hz, 4H) 5.99(t, J=2.20 Hz,
2H) 8.67(s, 2H) 上記操作によって得られた、中間体化合物を含む溶液の
全量を、実施例12に示した反応に使用した。
【0133】実施例12 ジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オクタプ
ロピルペンタセン-2,3-ジカルボキシレートの合成
【化56】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例11で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を4.82 g(48.7
mmol)、アセチレンジカルボン酸ジメチルを8.31ml(67.6
mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。10 %希塩酸100 m
lを加え、酢酸エチルを500 ml加えた。水層を除去した
有機層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄し、
飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、濃縮して粗生成物を得た。
【0134】粗生成物へ、ヘキサン200 mlを加えてよく
撹拌し、得られたスラリーを濾過した。濾過された粉末
はヘキサンで洗浄し、酢酸エチルに溶解して炭酸ナトリ
ウム水溶液にて洗液に着色がなくなるまで洗浄した。こ
の際、ジルコノセン分解物に由来する不溶分の析出は僅
かであり、分液は容易であった。続いて有機層を飽和塩
化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮し、再結晶を行って淡黄色粉末
であるジメチル 5,14-ジヒドロ-1,4,6,8,9,10,11,13-オ
クタプロピルペンタセン-2,3-ジカルボキシレートを得
た(収量7.02 g収率44.3 %)。濾液は再結晶を行い、
ビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドを分離回収した(回収量7.72 g 回
収率63%)。
【0135】実施例13 7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサプロピル
ナフタセンの中間体である下記化合物(M6)の合成
【化57】 (式中、Prはプロピル基である)
【0136】(ジルコノセンの選択)7,8,9,10-テトラ
ヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサプロピルナフタセン(溶解
度:25℃で0.08g(100gヘキサン当たり))と比較して
溶解度の高い、ビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド(溶解度:25℃で1
6.3g(100gヘキサン当たり))を反応試剤として選択し
た。溶解度の比率は1:200である。
【0137】(反応)100 ml四つ口フラスコへ、ビス
(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドを2.0 g(4.62 mmol)、THFを50 ml投入し
た。反応容器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶
液(1.56 mol/L)を5.9 ml(9.25 mmol)を3分間かけて滴下
した。反応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌した。
反応液は淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかったことか
ら、ジルコノセン等価体の分解がほとんどなかったこと
が確認された。
【0138】ジルコノセン等価体を含む溶液へ、0.79 g
(4.16 mmol)のテトラデカ-4,10-ジインを加えて2時間還
流温度で加熱撹拌し、ジルコナシクロペンタジエンを含
む溶液を得た。本化合物は、下記記載の1H NMR測定結果
から、標記した中間体化合物(M6)であることを確認し
た。
【0139】1H NMR(CDCl3, TMS)δ 0.81〜0.85(m, 12
H) 1.13〜1.15(m, 4H) 1.18〜1.30(m, 4H) 1.36〜1.45
(m, 8H) 1.92(s, 6H) 1.94〜1.99(m, 8H) 2.14〜2.20
(m, 4H)5.43〜5.48(m, 4H) 5.99(s, 2H) 上記操作によって得られた、中間体化合物を含む溶液の
全量を、実施例14に示した反応に使用した。
【0140】実施例14 7,8,9,10-テトラヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサプロピル
ナフタセンの合成
【化58】 (式中、Prはプロピル基である) 実施例13で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を0.82 g(8.32
mmol)、ジメチルプロピレンウレアを1.40 ml(11.6 mmo
l)、6,7-ジヨード-1,2,3,4-テトラプロピルナフタレン
を2.28 g(4.16 mmol)を加えて9時間還流温度で加熱撹拌
した。10 %希塩酸20 mlを加え、酢酸エチルを100 ml加
えた。水層を除去した有機層を洗液が無色となるまで10
%希塩酸で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液でpH=3
になるまで洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥、
濃縮して粗生成物を得た。
【0141】粗生成物へ、ヘキサン8 mlを加えてよく撹
拌し、得られたスラリーを濾過した。濾過された粉末は
ヘキサンで洗浄し、酢酸エチルに溶解して炭酸ナトリウ
ム水溶液にて洗液に着色がなくなるまで洗浄した。この
際、ジルコノセン分解物に由来する不溶分の析出は僅か
であり、分液は容易であった。続いて有機層を飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、濃縮し、再結晶を行って淡黄色粉末である7,8,9,10
-テトラヒドロ-1,2,3,4,6,11-ヘキサプロピルナフタセ
ンを得た(収量1.07 g 収率53.0 %)。濾液は再結晶
を行い、ビス(1-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドを分離回収した(回収量0.
40 g 回収率20 %)。
【0142】実施例15 1,2,3,4-テトラプロピル-6,7-ジヨードナフタレンの中
間体である下記化合物(M1)の合成
【化59】 (式中、Prはプロピル基である) (ジルコノセンの選択)1,2,3,4-テトラプロピル-6,7-
ジヨードナフタレン(溶解度:25℃でヘキサンと任意の
割合で混ざり合う)と比較して溶解度の低い、ビス(1,
3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド(溶解度:25℃で0.09g(100gヘキサン当たり))
を反応試剤として選択した。溶解度の比率は非常に高く
定まらない。
【0143】(反応)500 ml四つ口フラスコへ、ビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを12.0 g(34.4 mmol)、THFを264 ml投入した。
反応容器を氷水で冷却しながら、BuLiのヘキサン溶液
(1.56 mol/l)を43.8 ml(68.8 mmol)を10分間かけて滴下
した。反応溶液を氷水で冷却しながら1時間撹拌した。
反応液は淡い褐色を呈し、不溶分も生じなかったことか
ら、ジルコノセン等価体の分解がほとんどなかったこと
が確認された。ジルコノセン等価体を含む溶液へ、4-オ
クチンを10.1 ml(68.8 mmol)加えて2時間還流温度で加
熱撹拌し、ジルコナシクロペンタジエンを含む溶液を得
た。本化合物は、1H NMR測定結果から、標記した中間体
化合物(M1)であることを確認した。上記操作によって得
られた、中間体化合物を含む溶液の全量を、実施例16に
示した反応に使用した。
【0144】実施例16 1,2,3,4-テトラプロピル-6,7-ジヨードナフタレンの合
【化60】 実施例15で合成した中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を6.80 g(68.8
mmol)、ジメチルプロピレンウレアを10.4 ml(86.0 mmo
l)、1,2,4,5-テトラヨードベンゼン18.0 g(30.9 mmol)
を加えて、5時間加熱環流撹拌した。10 %希塩酸100 ml
を加え、酢酸エチルを200 ml加えた。水層を除いた有機
層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄し、飽和
塩化ナトリウム水溶液でpH=3になるまで洗浄したのち、
無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して粗生成物を得た。
粗生成物へ、ヘキサン100 mlを加えてよく撹拌し、得ら
れたスラリーを濾過した。濾過された粉末はヘキサンで
洗浄し、再結晶を行って白色鱗片状のビス(1,3-ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを分
離回収した(回収量10.6 g 回収率88.5 %)。濾液は
炭酸ナトリウム水溶液にて洗液に着色がなくなるまで洗
浄した。この際、ジルコノセン分解物に由来する不溶分
の析出は僅かであり、分液は容易であった。続いて有機
層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濃縮して得られた化合物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)にて精
製し、目的物である1,2,3,4-テトラプロピル-6,7-ジヨ
ードナフタレンを得た(収量8.2 g 収率48 %)。
【0145】比較例1 従来法による、ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-
ヘキサプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート
の合成 (下記中間体の合成)
【化61】 (式中、Prはプロピル基である) 100 mlシュレンクへ、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドを1.63 g(5.58 mmol)、THFを35 m
l投入した。反応容器を-78℃に冷却し、BuLiのヘキサン
溶液(1.59 mol/l)を7.0 ml(11.2 mmol)を2分間かけて滴
下した。反応溶液を-78℃で1時間撹拌した。1.89 g(4.6
5 mmol)の1,2-ビス(2-ヘキシニル)-3,4,5,6-テトラプ
ロピルベンゼンを21 mlのTHFへ溶解させた溶液を加えて
1時間室温で撹拌し、標記した中間体化合物を含む溶液
を得た。上記操作によって得られた、中間体化合物を含
む溶液の全量を、次に示した反応に使用した。
【0146】(ジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-
ヘキサプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレート
の合成)前述した、中間体が含まれる溶液全量を用い
た。溶液を氷水にて冷却し、塩化第一銅を0.92 g(9.30
mmol)、アセチレンジカルボン酸ジメチルを1.71 ml(14.
0mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。10 %希塩酸50 ml
を加え、酢酸エチルを30ml加えた。水層を除去した有機
層を洗液が無色となるまで10 %希塩酸で洗浄し、炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄した。炭酸水素ナトリウム
水溶液による洗浄操作では、ジルコノセンの分解によっ
て生じた不溶分が析出し、分液操作が困難化した。酢酸
エチルを200 ml追加して不溶分濃度を低めることにより
分液操作を行い、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した
のち、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮、再結晶して、
目的物であるジメチル 9,10-ジヒドロ-1,4,5,6,7,8-ヘ
キサプロピルアントラセン-2,3-ジカルボキシレートを
得た(収量1.19 g 収率47 %)。ジルコノセンは全量
分解したため、分離回収出来なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 順一 埼玉県草加市稲荷1−7−1 関東化学株 式会社中央研究所内 (72)発明者 及川 一摩 埼玉県草加市稲荷1−7−1 関東化学株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J032 CA32 CB01 CB03 CD02 CG01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコノセンを用いたポリアセン化合物
    の製造において、ポリアセン化合物とジルコノセンとを
    含む反応生成物から、ジルコノセンを分離回収すること
    を特徴とする、ポリアセン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジルコノセンの分離回収に際し、ジルコ
    ノセンの溶解度とポリアセン化合物の溶解度とに差異を
    生じる溶媒と反応生成物とを混合することを特徴とす
    る、請求項1に記載のポリアセン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 ジルコノセンの溶媒に対する溶解度とポ
    リアセン化合物の該溶媒に対する溶解度との比が5倍以
    上であるジルコノセンを用いることを特徴とする、請求
    項2に記載のポリアセン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジルコノセンの溶媒に対する溶解度とポ
    リアセン化合物の該溶媒に対する溶解度との比が20倍
    以上であるジルコノセンを用いることを特徴とする、請
    求項3に記載のポリアセン化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 ジルコノセンの分離回収が、予め反応生
    成物中の水溶性成分を酸性下で除去した後に行なわれる
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポ
    リアセン化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアセン化合物が、一般式(A) 【化1】 式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立し
    て同一又は異なってもよく、置換基を有してもよい炭素
    原子数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい
    炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していて
    もよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を
    有していてもよい炭素原子数1〜20のチオアルコキシ
    基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリ
    ールチオ基、アミン基、水酸基、または水素原子であ
    り、R4及びR5は、互いに架橋して炭素原子数4〜20の飽
    和環又は不飽和環を形成してもよく、A1及びA2は、各々
    互いに独立して同一又は異なってもよい水素原子、ハロ
    ゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の炭
    化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20のア
    ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20の
    アリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6
    〜20のアルキルアリールオキシ基、置換基を有してもよ
    い炭素原子数1〜20のアルコキシカルボニル基、置換基
    を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシカル
    ボニル基、シアノ基、カルバモイル基、ハロホルミル
    基、ホルミル基、イソシアノ基、イソシアナト基、又は
    チオシアナト基であり、A1及びA2は互いに架橋して環を
    形成してもよく、nは0〜20の整数を表し、nが2以上のと
    き、式中に複数個存在するR3同士は各々同じでも異なっ
    ていてもよく、またR6同士は各々同じでも異なっていて
    もよく、下記に示される結合 【化2】 は、単結合又は二重結合である、で表されるポリアセン
    化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリア
    セン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリアセン化合物が、ベンゼン1,2-ジカ
    ルボン酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換
    体、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸アルキルエステルの
    アルキル又はアリール置換体、2,3-ジヨードナフタレン
    のアルキル又はアリール置換体、9,10-ジヒドロアント
    ラセン-2,3-ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル
    又はアリール置換体、9,10-ジヒドロアントラセンのア
    ルキル又はアリール置換体、アントラセンのアルキル又
    はアリール置換体、2,3-ジヨードアントラセンのアルキ
    ル又はアリール置換体、5,12-ジヒドロナフタセンのア
    ルキル又はアリール置換体、5,7,8,9,10,12-ヘキサヒド
    ロナフタセンのアルキル又はアリール置換体、7,8,9,10
    -テトラヒドロナフタセンのアルキル又はアリール置換
    体、5,12-ジヒドロナフタセン-2,3-ジカルボン酸アルキ
    ルエステルのアルキル又はアリール置換体、5,7,8,9,1
    0,12-ヘキサヒドロナフタセン-2,3-ジカルボン酸アルキ
    ルエステルのアルキル又はアリール置換体、5,14-ジヒ
    ドロペンタセンのアルキル又はアリール置換体、5,7,1
    4,16-テトラヒドロペンタセン-2,3-ジカルボン酸アルキ
    ルエステルのアルキル又はアリール置換体、5,14-ジヒ
    ドロペンタセン-2,3-ジカルボン酸アルキルエステルの
    アルキル又はアリール置換体、5,7,9,10,11,12,14,16-
    オクタヒドロヘキサセン-2,3-ジカルボン酸アルキルエ
    ステルのアルキル又はアリール置換体、5,7,14,16-テト
    ラヒドロヘキサセンのアルキル又はアリール置換体、5,
    7,9,14,16,18-ヘキサヒドロヘプタセン-2,3-ジカルボン
    酸アルキルエステルのアルキル又はアリール置換体、お
    よび5,9,14,18-テトラヒドロヘプタセンのアルキル又は
    アリール置換体からなる群より選択される化合物であ
    る、請求項6に記載のポリアセン化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 ジルコノセンが、一般式(B) 【化3】 式中、Xは、ハロゲン原子であり、各R7、R8、R9、R10
    びR11は、各々互いに結合していてもよく、独立して同
    一又は異なってもよく、ハロゲン原子又はケイ素を含む
    置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、
    ハロゲン原子又はケイ素を含む置換基を有してもよい炭
    素原子数6〜20のアリール基、及び水素原子である、で
    表される化合物であることを特徴とする、請求項1〜7
    のいずれかに記載のポリアセン化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(C) 【化4】 式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立し
    て同一又は異なってもよく、置換基を有してもよい炭素
    原子数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい
    炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していて
    もよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を
    有していてもよい炭素原子数1〜20のチオアルコキシ
    基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリ
    ールチオ基、アミン基、水酸基、または水素原子であ
    り、R4及びR5は、互いに架橋して炭素原子数4〜20の飽
    和環又は不飽和環を形成してもよく、nは0〜20の整数で
    あり、nが2以上のとき、式中に複数個存在するR3同士は
    各々同じでも異なっていてもよく、R6同士は各々同じで
    も異なっていてもよく、各R7、R8、R9、R10及びR11は、
    各々互いに結合していてもよく、独立して同一又は異な
    って、ハロゲン原子又はケイ素を含む置換基を有しても
    よい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子又は
    ケイ素を含む置換基を有してもよい炭素原子数6〜20の
    アリール基、及び水素原子であり(但し、R7、R8、R9
    R10及びR11が、全て水素原子ではない)、また、下記に
    示される結合 【化5】 は、単結合又は二重結合である、で表されるポリアセン
    化合物中間体。
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