JP2003026482A - 多気孔耐火物及びそれを用いたセラミックスの焼成方法 - Google Patents
多気孔耐火物及びそれを用いたセラミックスの焼成方法Info
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Abstract
多気孔耐火物であって、焼成物を短時間で且つ均一に焼
成する為に通気性が良く、耐熱衝撃性に優れ且つ焼成物
の重量に耐え得る強度を持つ多気孔耐火物を提供する。 【解決手段】 多気孔耐火物10は、耐火物を構成する
粒状の無機骨材12が、多数の連通気孔16を有する形
でガラス質結合剤14によって相互に結合されている為
に通気性に優れ、焼成時に棚板として用いることにより
焼成物を短時間で且つ均一に焼成することができ、ま
た、熱膨張率の小さい耐熱衝撃添加剤18が含まれてい
る為、耐熱衝撃性に優れ且つ焼成物の重量に耐えうる強
度を持つものである。
Description
以下の焼成が行われる焼成炉等で棚板として使用される
多気孔耐火物に関するものである。
ビトリファイド砥石等の焼成品は一般に、粘結剤によっ
て粒状材料が結合された成型品を焼成炉等において焼成
することにより得られる。このような成型品を焼成炉等
において焼成する際に、耐火物により構成された棚板が
下敷きに用いられる。この耐火物製の棚板は一般にセッ
ターとも呼ばれ、焼成炉等において焼成される成型品を
保護及び支持するものであり、耐衝撃性が高く且つ高温
にて使用可能なものが要求される。
製品を短い納期で納めることに対する需要が高まってき
ているが、従来の耐火物を用いた棚板ではこれ等の要求
に応える為の短時間焼成に用いるには様々な問題があっ
た。例えば、比較的大型の焼成製品を短時間に且つ均一
に焼成する為には、多数の連通気孔を有する棚板を用い
ることによって、成型品に含まれる粘結剤等の燃え抜け
を短時間で十分に行うようにする必要があるが、従来の
耐火物では通気性が十分でなく、短時間で焼成すると粘
結剤が変性した有機物(炭素)が焼成品に残留するとい
った問題があった。
るには、焼成された焼成物に歪みが生じないようにし
て、焼成物の形状修正を簡単にする為に、焼成に用いら
れることによる棚板の平坦度の変化が焼成前の平坦度と
比較して0.2mm以下の範囲内となることが求められ
る。また、短時間で比較的大型の焼成物を焼成するに
は、均一に早く焼成する必要がある為、焼成物の棚板と
接している部分を効率良く焼けるように、棚板の熱伝導
率が2.5W/m℃以上であること、及び、棚板が28
体積%以上の連通気孔を有するものであることが必要で
ある。しかし、十分な通気性を満たす目的で棚板を過剰
に多気孔とすると、様々な衝撃に対する耐衝撃性や、焼
成物の重量に耐え得るだけの強度を有しないものとなっ
てしまうので、実用的な多気孔耐火物による棚板は未だ
開発されていないのが実情である。
たものであり、その目的とするところは、焼成物を焼成
する際に棚板として使用される多気孔耐火物であって、
焼成物を短時間で且つ均一に焼成する為に通気性が良
く、耐熱衝撃性に優れ且つ焼成物の重量に耐え得る強度
を持つ多気孔耐火物を提供することである。
とするところは、焼成用棚板として使用される多気孔耐
火物であって、粒状の無機骨材がガラス質結合剤によっ
て相互に結合されて成形されており、且つ、熱膨張率の
小さい耐熱衝撃添加剤を含むことを特徴とするものであ
る。
の無機骨材が、多数の連通気孔を有する形でガラス質結
合剤によって相互に結合されている為に通気性に優れ、
焼成時に棚板として用いることにより焼成物を短時間で
且つ均一に焼成することができ、また、熱膨張率の小さ
い耐熱衝撃添加剤が含まれている為、耐熱衝撃性に優れ
且つ焼成物の重量に耐え得る強度を持つ多気孔耐火物を
提供することができる。
ミナ及び/又は炭化ケイ素から成り、前記耐熱衝撃添加
剤は、ペタライト、コージライト、カオリナイト、炭酸
リチウム、タルクの少なくとも一つから成るものであ
る。このようにすれば、アルミナ及び/又は炭化ケイ素
からなる無機骨材粒が、多数の連通気孔を有する形でガ
ラス質結合剤によって結合されている為に通気性に優
れ、焼成時に棚板として用いることにより焼成物を短時
間で且つ均一に焼成することができ、また、耐熱衝撃添
加剤としてペタライト、コージライト、カオリナイト、
炭酸リチウム、タルクの少なくとも一つが含まれている
為、耐熱衝撃性に優れ且つ焼成物の自重に耐え得る強度
を持つ多気孔耐火物を得ることができる。
に、溶融シリカ及び/又はムライトを含むものである。
溶融シリカ、ムライト等の材料は耐火性に優れ、また、
熱膨張及び熱収縮に対する緩衝剤としてはたらく為、こ
のようにすれば耐久性に優れた多気孔耐火物を得ること
ができる。
ルミナ及び/又は炭化ケイ素からなる40〜55体積%
の前記無機骨材が、9〜13体積%の前記ガラス質結合
剤によって相互に結合されて成形されており、且つ、ペ
タライト、コージライト、カオリナイト、炭酸リチウ
ム、タルクの少なくとも一つからなる前記耐熱衝撃添加
剤を25体積%以下の割合で含むものである。このよう
にすれば、多数の連通気孔を有し、好適な組成により構
成される多気孔耐火物を得ることができる。
8体積%以上の連通気孔を有するものであり、通気度が
50Nl(ノルマルリットル)/min以上、熱伝導率
が2.5W/m℃以上のものである。このような通気性
及び熱伝導性に優れた多気孔耐火物による棚板を用いれ
ば、焼成物を短時間で且つ均一に焼成することができ
る。
000℃の24時間焼成に棚板として用いられることに
よる平坦度の変化が加熱前の平坦度と比較して0.2m
m以下の範囲内となるものである。このような多気孔耐
火物による棚板を用いれば、焼成される焼成物に歪みが
生じず、焼成後の形状修正が簡単となる為、精度の高い
焼成物を短時間で製造することができる。
るセラミックス例えばビトリファイド砥石の焼成におい
て、前記多気孔耐火物を棚板として用いれば、前記成型
品とその棚板とが密着した状態で熱処理を施す場合であ
っても棚板である多気孔耐火物が通気性に優れている為
に成型品に含まれる粘結剤等の燃え抜けを短時間で十分
に行うことができ、棚板と密着した状態で熱処理を施す
ことが可能である為に焼成物に歪みが生じず、精度の高
いセラミックス例えばビトリファイド砥石を短時間で製
造することができるという利点がある。
ら詳細に説明する。
火物10の構成を拡大して示す模式図である。図1にお
いて、多気孔耐火物10は、例えば、粒度の番数が#6
0〜80(平均粒径300〜400μmφ)であるアル
ミナ及び/又は炭化ケイ素から成る無機骨材12が、焼
成時に溶融したガラス質結合剤14によって相互に結合
されることにより、多数の連通気孔16を備えて構成さ
れている。また、無機骨材12の粒子相互間には、例え
ば、粒度の番数が#1500(平均粒径10μmφ)程
度であるペタライト、コージライト、カオリナイト、炭
酸リチウム、タルクの少なくとも一つからなる耐熱衝撃
添加剤18が含まれている。この耐熱衝撃添加剤18
は、多気孔耐火物10内において、その表層がガラス質
結合剤14に溶融しガラス質結合剤14との境界が曖昧
になった状態で、或いは、ガラス質結合剤14に完全に
溶融した状態で含まれていると考えられるが、図1で
は、多気孔耐火物10内において、耐熱衝撃添加剤18
の表層がガラス質結合剤14に溶融し、耐熱衝撃添加剤
18とガラス質結合剤14との境界が曖昧になった状態
で含まれていることを前提として構成を示している。
の材料を溶融させた後に所定形状に成型させたものが一
般に用いられている。これ等は耐熱性及び耐衝撃性には
優れるが、連通気孔をほとんど有しない構造である為、
比較的大型の焼成製品を短時間に且つ均一に焼成する際
に、成型品に含まれる粘結剤等の燃え抜けが十分に行わ
れず、粘結剤が変性した有機物(炭素)が焼成品に残留
するといった問題があった。しかし、上記のように構成
された本実施例の多気孔耐火物10は、アルミナ及び/
又は炭化ケイ素からなる無機骨材12が、多数の連通気
孔16を有する形でガラス質結合剤14によって結合さ
れ通気性に優れている為、焼成用棚板として用いる際に
成型品に含まれる粘結剤等の燃え抜けを短時間で十分に
行うことができ、焼成物を短時間で且つ均一に焼成する
ことができる。
を、十分な通気性を持たせる目的で過剰に多気孔とする
と、様々な衝撃に対する耐衝撃性や、焼成物の自重に耐
え得るだけの強度を有しないものとなってしまい実用的
な焼成用棚板と成り得なかった。しかし、上記のように
構成された本実施例の多気孔耐火物10には耐熱衝撃添
加剤18としてペタライト、コージライト、カオリナイ
ト、炭化リチウムの少なくとも一つが含まれており、こ
れ等の材料は熱膨張率が例えばペタライトで0.5×1
0-6/℃、コージライトで2.0×10-6/℃と比較的
小さい為、これ等の耐熱衝撃添加剤18を含有させるこ
とによって多気孔耐火物10に高い耐熱衝撃性及び焼成
物の重量に耐え得る強度が付与される。
図2のP1〜P3に示す工程により作成される。先ず、
耐火物調整工程P1において、40〜55体積%の無機
骨材12と、9〜13体積%のガラス質結合剤14と、
無機骨材12よりも十分に小さい粒径を有する25体積
%以下の耐熱衝撃添加剤18と、粘結剤とが所定の混合
容器内に投入され、高速攪拌機にて撹拌されることによ
り分散且つ混合される。ここで、耐火物の材料として更
に溶融シリカ及び/又はムライトが投入されてもよい。
溶融シリカ、ムライト等の材料は耐火性に優れ、また、
熱膨張及び熱収縮に対する緩衝剤としてはたらく為、こ
れ等を添加すれば更に耐久性に優れた多気孔耐火物10
を得ることができる。また、前記ガラス質結合剤14に
は、多気孔耐火物10に耐熱性及び耐熱衝撃性を付与す
る為に、その熱膨張率が3〜8×10-6/℃であるもの
が好適に用いられる。耐火物調整工程P1で得られた耐
火物原料は、続く耐火物成型工程P2において、所定の
成形型内に入れられプレス成型される。その後、成型品
が上記成形型から脱型され、耐火物焼成工程P3におい
て上記成型品が約1250℃で120時間程度焼成され
ることにより、粒状の無機骨材12が、耐熱衝撃添加剤
18を含み、多数の連通気孔16を有する形でガラス質
結合剤14によって結合された多気孔耐火物10が得ら
れる。このようにして得られた多気孔耐火物10は、2
8体積%以上の連通気孔16を有し、2.5W/m℃以
上の熱伝導率と、50Nl/min以上の通気度を備
え、1000℃の24時間焼成に棚板として用いられる
ことよる平坦度の変化が、加熱前の平坦度に比べて0.
2mm以下である性能を有している。
孔耐火物10は、セラミックス例えばビトリファイド砥
石を焼成する際に棚板として使用される。図3は、ビト
リファイド砥石60の製造工程を示す工程図である。ビ
トリファイド砥石60の製造では、先ず砥石原料調整工
程P10において所定割合の砥粒及びガラス質結合剤が
所定の混合容器内に投入された後、高速攪拌機により撹
拌されることにより分散且つ混合される。砥石原料調整
工程P10において調整された砥石原料はその後、砥石
原料成型工程P12において成形型内に入れられプレス
成形された後、脱型され成型品とされる。こうして得ら
れた成型品は、続く砥石原料焼成工程P14において、
本実施例の多気孔耐火物10を棚板として用いてガラス
質結合剤を溶融させる温度すなわち耐火物焼成工程P3
よりも低い例えば900℃から1000℃程度の温度で
焼成を施されることにより、ビトリファイド砥石60が
得られる。このように本実施例の多気孔耐火物10を棚
板として用いることにより、成型品と棚板とが密着した
状態で熱処理を施す場合であっても棚板である多気孔耐
火物10が通気性に優れている為に成型品に含まれる粘
結剤等の燃え抜けを短時間で十分に行うことができ、棚
板と密着した状態で熱処理を施すことが可能である為に
焼成物に歪みが生じず、精度の高いビトリファイド砥石
60を短時間で製造することができる。
者等が行った実験例すなわち本実施例の多気孔耐火物1
0を用いた棚板である実験試料20と、比較の為に従来
の技術により作成された比較試料30、40、及び50
とを用いて行ったビトリファイド砥石60の焼成実験に
ついて説明する。
径300〜400μmφ)であるアルミナから成る無機
骨材12と、軟化点が約1050℃であるガラス質結合
剤14と、粒度の番数が#1500(平均粒径10μm
φ)程度であるペタライトを主成分とする耐熱衝撃添加
剤18と、粘結剤であるデキストリンとを用いて図2に
示す耐火物調整工程P1から耐火物焼成工程P3までの
工程により実験試料20を作成した。図4(i)はその
ようにして作成された多気孔耐火物10から成る実験試
料20の形状を表す図である。実験試料20は直径42
0mmφ、厚さ15mmの円盤状に形成され、厚さ方向
から見た円の中央に直径29mmφの貫通穴が設けられ
ている。また、以下に示す比較試料30、40、及び5
0の形状も実験試料20と同じ形状とされている。この
ように作成された実験試料20の組成を測定すると、ア
ルミナから成る無機骨材12が40.0体積%、ガラス
質結合剤14が10.0体積%、連通気孔16が32.
4体積%、ペタライトを主成分とする耐熱衝撃添加剤1
8が17.3体積%であった。
分として作成された連通気孔16をほとんど有しない比
較試料30と、同じく従来の技術によりアルミナ及びジ
ルコニアを用いて作成された多数の連通気孔16を有す
る比較試料40を用意した。比較試料30の組成を測定
するとSiCが90体積%であり、また、比較試料40
の組成を測定するとアルミナが42体積%、ジルコニア
が3体積%、連通気孔が55体積%であった。
上記実験試料20と同様の材料を用い同様の工程によっ
て比較試料50を作成した。すなわち、粒度の番数が#
60〜80(平均粒径300〜400μmφ)であるア
ルミナから成る無機骨材12と、軟化点が約1050℃
であるガラス質結合剤14と、粘結剤であるデキストリ
ンとを用いて図2に示す耐火物調整工程P1から耐火物
焼成工程P3までの工程により比較試料50を作成し
た。このようにして作成された比較試料50の組成を測
定すると、アルミナから成る無機骨材12が49体積
%、ガラス質結合剤14が10体積%、連通気孔16が
31体積%であった。
トリファイド砥石60を焼成する際に使用する棚板とし
て用いて、図3に示す砥石原料調整工程P10から砥石
原料成型工程P12までの工程によって得られた相互に
同じ材質のビトリファイド砥石60の成型品に、焼成温
度900℃の24時間焼成を施す焼成実験を行った。更
に、実験試料20及び比較試料50には、同様の焼成条
件で繰り返し焼成実験を行った。以下にその実験の結果
を示す。
0、及び比較試料40の通気度を測定した結果と、それ
等を焼成用棚板として用いて前記ビトリファイド砥石6
0を焼成した後、焼成後のビトリファイド砥石60の品
質を判定した結果を示す。測定の結果、連通気孔16を
有する実験試料20及び比較試料40では、連通気孔1
6を有しない比較試料30に比べて通気度が高いことが
わかり、また、それ等を焼成用棚板として用いた場合、
連通気孔16を有し通気性に優れた実験試料20及び比
較試料40では問題なかったが、連通気孔16を有しな
い通気性に劣る比較試料30では、焼成品に粘結剤が変
性したものと思われる有機物(炭素)が残留してしまっ
た。
試料30、及び比較試料40の曲げ強度を測定した結果
と、それ等を焼成用棚板として用いて前記ビトリファイ
ド砥石60を焼成した後、焼成後のビトリファイド砥石
60の平坦度を判定した結果を示す。測定の結果、耐熱
衝撃添加剤18を含む実験試料20及び連通気孔16を
有しない比較試料30では、連通気孔16を有し耐熱衝
撃添加剤18を含まない比較試料30に比べて曲げ強度
が高いことがわかり、また、それ等を焼成用棚板として
用いた場合、曲げ強度に優れた実験試料20及び比較試
料30では焼成後のビトリファイド砥石60の平坦度の
変化は焼成前の平坦度と比較して0.2mm以下の範囲
内となり問題なかったが、曲げ強度に劣る比較試料40
では、焼成後のビトリファイド砥石60が反り返ってし
まい、その平坦度の変化は焼成前の平坦度と比較して
0.2mm以下の範囲内とはならなかった。
較試料30の熱伝導率を測定した結果と、それ等の焼成
用棚板としての使用可能性を示す。測定の結果、連通気
孔16を有する実験試料20の熱伝導率は、連通気孔1
6を有しない比較試料30の熱伝導率に劣ることがわか
ったが、実験結果1、2からもわかるように実験試料2
0を焼成用棚板として用いた場合、例えば24時間とい
った短時間の焼成であるにもかかわらず十分な品質を備
え平坦度にも優れた焼成品を得ることができる為、焼成
用棚板としての使用に足るだけの熱伝導率は十分に有し
ていることがわかる。一方、比較試料30を焼成用棚板
として用いた場合、例えば48時間以上といった長時間
をかけて焼成を施せば十分な品質を備え平坦度にも優れ
た焼成品を得ることができるが、実験結果1に示すよう
に短時間の焼成では問題がある。
較試料50を棚板として用いて前記ビトリファイド砥石
60に、焼成温度900℃の24時間焼成を施す焼成実
験を繰り返し行った結果を示す。耐熱衝撃添加剤18を
含む実験試料20は繰り返しの使用により問題は発生し
なかったが、比較試料50では2、3回の連続使用によ
って比較試料50を用いた棚板それ自体に割れが発生し
た。この結果、実験試料20は連続使用に足る耐久性を
有していることがわかる。
20は通気性、耐熱衝撃性に優れ、焼成品の重量に足る
だけの強度、及び焼成用棚板として必要十分な熱伝導率
を有する為、焼成用棚板として用いた場合、短時間で精
度の高い焼成品を提供することができ、また焼成用棚板
として連続使用に足る耐久性も有していることがわか
る。
は、耐火物を構成する粒状の無機骨材12が、多数の連
通気孔16を有する形でガラス質結合剤14によって相
互に結合されている為に通気性に優れ、焼成時に棚板と
して用いることにより焼成物を短時間で且つ均一に焼成
することができ、また、熱膨張率の小さい耐熱衝撃添加
剤18が含まれている為、耐熱衝撃性に優れ且つ焼成物
の重量に耐えうる強度を持つものである。
ルミナ及び/又は炭化ケイ素からなる無機骨材12が、
多数の連通気孔16を有する形でガラス質結合剤14に
よって結合されている為に通気性に優れ、焼成時に棚板
として用いることにより焼成物を短時間で且つ均一に焼
成することができ、また、耐熱衝撃添加剤18としてペ
タライト、コージライト、カオリナイト、炭酸リチウ
ム、タルクの少なくとも一つが含まれている為、耐熱衝
撃性に優れ且つ焼成物の重量に耐え得る強度を持つもの
である。
に、溶融シリカ及び/又はムライトを含むものであり、
溶融シリカ、ムライト等の材料は耐火性に優れ、また、
熱膨張及び熱収縮に対する緩衝剤としてはたらく為、耐
久性に優れているという利点がある。
ルミナ及び/又は炭化ケイ素からなる40〜55体積%
の前記無機骨材12が、9〜13体積%の前記ガラス質
結合剤14によって相互に結合されて成形されており、
且つ、ペタライト、コージライト、カオリナイト、炭酸
リチウム、タルクの少なくとも一つからなる前記耐熱衝
撃添加剤18を25体積%以下の割合で含むものである
為、多数の連通気孔16を有し、好適な組成により構成
されるものである。
8体積%以上の連通気孔16を有するものであり、通気
度が50Nl/min以上、熱伝導率が2.5W/m℃
以上のものである為、通気性及び熱伝導性に優れ、焼成
用棚板として用いることにより、焼成物を短時間で且つ
均一に焼成することができるという利点がある。
000℃の24時間焼成に棚板として用いられることに
よる平坦度の変化が加熱前の平坦度と比較して0.2m
m以下の範囲内となるものである為、このような多気孔
耐火物10による棚板を用いれば、焼成される焼成物に
歪みが生じず、焼成後の形状修正が簡単となる為、精度
の高い焼成物を短時間で製造することができるという利
点がある。
いて、本実施例の多気孔耐火物10を棚板として用いれ
ば、成型品と棚板とが密着した状態で熱処理を施す場合
であっても棚板である多気孔耐火物10が通気性に優れ
ている為に成型品に含まれる粘結剤等の燃え抜けを短時
間で十分に行うことができ、棚板と密着した状態で熱処
理を施すことが可能である為に焼成物に歪みが生じず、
精度の高いビトリファイド砥石60を短時間で製造する
ことができるという利点がある。
詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではなく、別の態様でも実施され得る。
として、粒度の番数が#60〜80(平均粒径300〜
400μmφ)であるアルミナ及び/又は炭化ケイ素が
用いられていたが、これは例えばシリカ、マグネシア、
ジルコニア、窒化ケイ素等の材料或いはそれ等を組み合
わせて用いるものであってもよく、また、焼成用棚板と
して好適に機能し得る多気孔耐火物を提供できるもので
あれば粒度の番数は#60〜80でなくともよい。
18として粒度の番数が#1500(平均粒径10μm
φ)程度であるペタライト、コージライト、カオリナイ
ト、炭酸リチウム、タルクの少なくとも一つが含まれて
いたが、多気孔耐火物10に十分な耐熱衝撃性と焼成物
の重量に耐え得る強度を付与することができる耐熱衝撃
添加剤であれば他の材料であってもよく、また、粒度の
番数は#1500程度でなくともよい。
は、アルミナ及び/又は炭化ケイ素からなる40〜55
体積%の前記無機骨材12が、9〜13体積%の前記ガ
ラス質結合剤14によって相互に結合されて成形されて
おり、且つ、ペタライト、コージライト、カオリナイ
ト、炭酸リチウム、タルクの少なくとも一つからなる前
記耐熱衝撃添加剤18を25体積%以下の割合で含むも
のであったが、焼成用棚板として好適に機能し得る多気
孔耐火物10を提供できるものであればそれぞれの材料
の比率は実施例と異なるものであってもよい。
0による棚板はビトリファイド砥石60の焼成に用いら
れていたが、本発明の多気孔耐火物による棚板は、例え
ば、各種溶融金属容器、セラミック製品、コンデンサ、
セラミックセンサ、電子材料部品等の焼成にも幅広く用
いられ得るものである。とりわけ、各種コンデンサ、セ
ラミックセンサ、電子材料部品等を焼成する場合、従来
技術の連通気孔を有しない棚板を用いた焼成では、棚板
と焼成物が接着してしまう等の問題が生じる場合があっ
たが、本発明の多気孔耐火物による棚板を用いればその
ような問題が生じることなく焼成を施すことができると
いう利点がある。
0による棚板の製造工程P1〜P3により得られた多気
孔耐火物10を棚板として用いて、砥石原料焼成工程P
14において成型品の焼成が行われているが、これはP
1〜P3及びP14の一連の工程が同一工場内で行われ
ることを意味するものではなく、ある工場において製造
された多気孔耐火物10が、他の工場において焼成用棚
板として用いられることも当然にあり得る。
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
拡大して示す模式図である。
程を示す工程図である。
ファイド砥石の製造工程を示す工程図である。
棚板と、その棚板をビトリファイド砥石の焼成に用いる
ようすを表す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 焼成用棚板として使用される多気孔耐火
物であって、 粒状の無機骨材がガラス質結合剤によって相互に結合さ
れて成形されており、且つ、熱膨張率の小さい耐熱衝撃
添加剤を含むことを特徴とする多気孔耐火物。 - 【請求項2】 前記無機骨材は、アルミナ及び/又は炭
化ケイ素から成り、前記耐熱衝撃添加剤は、ペタライ
ト、コージライト、カオリナイト、炭酸リチウム、タル
クの少なくとも一つから成るものである請求項1の多気
孔耐火物。 - 【請求項3】 前記多気孔耐火物は、更に、溶融シリカ
及び/又はムライトを含むものである請求項1または2
の多気孔耐火物。 - 【請求項4】 前記多気孔耐火物は、アルミナ及び/又
は炭化ケイ素からなる40〜55体積%の前記無機骨材
が、9〜13体積%の前記ガラス質結合剤によって相互
に結合されて成形されており、且つ、ペタライト、コー
ジライト、カオリナイト、炭酸リチウム、タルクの少な
くとも一つからなる前記耐熱衝撃添加剤を25体積%以
下の割合で含むものである請求項2または3の多気孔耐
火物。 - 【請求項5】 前記多気孔耐火物は、28体積%以上の
連通気孔を有するものである請求項1から4の何れかの
多気孔耐火物。 - 【請求項6】 前記多気孔耐火物の熱伝導率は2.5W
/m℃以上である請求項1から5の何れかの多気孔耐火
物。 - 【請求項7】 前記多気孔耐火物の通気度は50l/m
in以上である請求項1から6の何れかの多気孔耐火
物。 - 【請求項8】 前記多気孔耐火物は、1000℃の24
時間焼成に棚板として用いられることによる平坦度の変
化が加熱前の平坦度と比較して0.2mm以下の範囲内
となるものである請求項1から7の何れかの多気孔耐火
物。 - 【請求項9】 成型品に熱処理を施して焼成品とするセ
ラミックスの焼成方法であって、 請求項1から8の何れかの多気孔耐火物を棚板として用
いて、前記成型品に該棚板と密着した状態で熱処理を施
すことを特徴とするセラミックスの焼成方法。 - 【請求項10】 前記セラミックスはビトリファイド砥
石である請求項9のセラミックスの焼成方法。
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JP2009120446A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Shinei Sangyo Kk | 断熱材 |
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