JP2003025300A - 微細空間にナノ粒子を導入する方法およびその方法を用いて作製された構造体 - Google Patents

微細空間にナノ粒子を導入する方法およびその方法を用いて作製された構造体

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JP2003025300A
JP2003025300A JP2001212394A JP2001212394A JP2003025300A JP 2003025300 A JP2003025300 A JP 2003025300A JP 2001212394 A JP2001212394 A JP 2001212394A JP 2001212394 A JP2001212394 A JP 2001212394A JP 2003025300 A JP2003025300 A JP 2003025300A
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nanoparticles
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space
dispersion
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Hiroyuki Hirai
博幸 平井
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナノ粒子を微細空間に安定的に且つ高密度に
導入可能な方法を提供する。 【解決手段】 幅10〜1000nm、深さ10〜10
00nmの微細空間を有する基板の表面に、透過型電子
顕微鏡(TEM)で観察した1次粒子間の最近接距離を
a(nm)および平均粒子サイズをd(nm)とした場
合に、aとdの積が0.5〜100であり、且つdが前
記基板の空間の幅の1/100〜1/2であるナノ粒子
の分散液を塗布する工程を有する微細空間にナノ粒子を
導入する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上の溝や微小
孔などの微小空間にナノ粒子を導入させる方法、および
該方法を利用して製造された構造体の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】サイズが1〜数百nmであるナノ粒子
は、量子サイズ効果などの特有な効果を発現する機能材
として近年脚光を浴びている。ナノ粒子が配列された構
造体は、記憶および/または記録媒体、光機能材料、量
子効果デバイス、エネルギー材料など非常に広範囲な分
野に適用可能である。各々の分野に応じた機能を発現さ
せるためには、粒子サイズをナノサイズ化する技術のみ
ならず、粒子の配列構造を制御する技術が重要である。
【0003】ナノ粒子を基板上に2次元的に配列させる
方法として、Picardは表面に粒子分散液を分配さ
せたロールを、基板に沿って移動させる2次元配列作製
デバイスを提案している(Langmuir, Vo
l.14, 3710−3715, 1998)。ま
た、宍戸らは水面上に単粒子膜を展開し、それを基板表
面に写し取ることでナノ粒子の2次元配列を試みている
(第32回化学工学会秋季大会、J307、199
9)。しかし、これらの方法は、適用できるナノ粒子の
種類が限定され、また作製に時間を要するので、商業ベ
ースに乗るような効率的な作製方法が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ナノ
粒子を微細空間に安定的に且つ高密度に導入可能な方法
を提供することにある。また、本発明の別の課題は、ナ
ノ粒子を基板上に任意のパターンで容易に配列させるこ
とができる方法を提供することにある。また、本発明の
別の課題は、容易に且つ安定的に作製可能な、高密度に
ナノ粒子が配列された構造体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。 [1] 幅10〜1000nm、深さ10〜1000n
mの微細空間を有する基板の表面に、透過型電子顕微鏡
(TEM)で観察した1次粒子間の最近接距離をa(n
m)および平均粒子サイズをd(nm)とした場合に、
aとdの積が0.5〜100であり、且つdが前記基板
の空間の幅の1/100〜1/2であるナノ粒子の分散
液を塗布する工程を有する微細空間にナノ粒子を導入す
る方法。 [2] 前記分散液が、単分散状態の前記ナノ粒子を
0.1〜10質量%含有する[1]に記載の微細空間に
ナノ粒子を導入する方法。 [3] 前記分散液の表面張力が、2.0〜5.0×10
-2N/mである[1]または[2]に記載の微細空間に
ナノ粒子を導入する方法。 [4] 前記ナノ粒子は、金属および難溶性金属化合物
から選択される1種以上のナノ粒子である[1]〜
[3]のいずれかに記載の微細空間にナノ粒子を導入す
る方法。 [5] 前記分散液が前記ナノ粒子および分散媒のみか
らなる[1]〜[4]のいずれかに記載の微細空間にナ
ノ粒子を導入する方法。 [6] 前記空間が溝である[1]〜[5]のいずれか
に記載の微細空間にナノ粒子を導入する方法。 [7] 前記粒子の表面が親水性であり、且つ前記空間
を形成している前記基板の面が親水性である[1]〜
[6]のいずれかに記載の微細空間にナノ粒子を導入す
る方法。 [8] 前記基板がポリマーからなる[1]〜[7]の
いずれかに記載の微細空間にナノ粒子を導入する方法。 [9] 1以上の空間を有する基板と、該空間に導入さ
れたナノ粒子とを有する構造体であって、前記ナノ粒子
は請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって前
記空間に導入されたことを特徴とする構造体。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載
される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範
囲を示す。
【0007】本発明は、微細空間を有する基板の表面に
ナノ粒子の分散液を塗布する工程を有する微細空間にナ
ノ粒子を導入する方法に係わる。また、別の観点から
は、本発明は前記工程を含むナノ粒子の配列方法に係わ
る。本発明では、幅10〜1000nm、深さ10〜1
000nmの微細空間を有する基板を用いる。前記基板
の一例としては、幅10〜1000nm、且つ深さ10
〜1000nmの溝を有する基板が挙げられる。前記溝
は、基板に複数形成されていてもよい。また、前記溝
は、同心円状、スパイラル状、直線状など、いずれの形
状であってもよい。前記基板の他の例としては、開口部
の口径(開口部のエッジ長)が10〜1000nm、且
つ深さが10〜1000nmの微小孔を有する基板が挙
げられる。前記微小孔は基板に複数形成されていてもよ
い。また、微小孔の形状(開口部および深さ方向の形
状)および微小孔の配列についても特に制限はない。さ
らに、基板には幅および深さが異なる空間が複数種類混
在していてもよく、形状の異なる溝および/または微小
孔が複数混在していてもよい。
【0008】基板の材料としては、石英ガラス、無アル
カリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商
標)ガラス、サファイア等のガラス;Al23、Mg
O、BeO、ZrO 2、Y23、ThO2、CaO、GG
G(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)等の無機材
料;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等の
アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等
の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;ポリアリレート;
ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリイミ
ド;フッ素樹脂;フェノキシ樹脂;ポリオレフィン系樹
脂;ナイロン;スチレン系樹脂;ABS樹脂;金属等を
挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよ
い。これらの材料は、フィルムまたは剛性体の形態で基
板として用いることができる。基板の形状についても特
に制限されず、円盤状、カード状、シート状など目的に
応じて選ぶことができる。
【0009】基板表面には、平面性の改善、粒子との接
着力の向上、および粒子分散液の塗布層の変質防止等の
目的で、下塗層が設けられていてもよい。前記下塗層の
材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ア
クリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロー
ルアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合
体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロー
ス、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシ
ランカップリング剤などの表面改質剤が挙げられる。下
塗層は、前記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗
布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディッ
プコート、エクストルージョンコートなどの塗布法によ
り基板表面に塗布することにより形成することができ
る。下塗層の層厚は一般的には0.001〜20μmが
好ましく、0.005〜10μmがより好ましい。
【0010】基板(または下塗層)に溝または微小孔等
を形成するには、例えば、基板(または下塗層)の一部
を削除もしくは変形させて溝または微小孔を得る方法、
および基板上に該基板と同じ材料または異なる材料から
なる層を任意のパターン形状に積層させ、該層が積層さ
れていない部分を溝または微小孔として得る方法があ
る。例えば、前者の方法では、基板を射出成形あるいは
押出成形する際に、予め、所定の傾斜角度の側壁を有す
る凹凸形状に加工された樹脂成型用のスタンパ(金型)
を用いることによって、溝または微小孔等を有する基板
を作製することができる。このようなスタンパは、スタ
ンパの作製工程において、加工用のレーザビーム、電子
線ビームなどの照射条件(光学的な調整、照射パワー)
を調整することによって、目的の凹凸形状に加工して作
製することができる。
【0011】基板に形成された溝または微小孔の側壁の
傾斜角度は任意であるが、30°〜90°が好ましい。
また、基板が有する空間は、基板表面に配置された、下
に凸の溝または微小孔であっても、基板表面に配置され
た複数の上に凸の形状を有する部分によって形成された
空間であってもよい。
【0012】本発明では、前記空間が存在する基板表面
に、ナノ粒子の分散液を塗布する。前記ナノ粒子の分散
液として、下記条件を満たしているものを用いると、ナ
ノ粒子が溝または微小孔等に高密度に、且つ安定に充填
されるので好ましい。前記条件とは、粒子の分散液をT
EMで観察し、1次粒子間の最近接距離をa(nm)、
平均粒子サイズをd(nm)とした場合、aとdの積が
0.5〜100であり、且つdが前記基板の空間の幅の
1/100〜1/2を満たす条件をいう。特にaとdの
積が1〜50であり、且つdが前記基板の空間の幅の1
/100〜1/2であるのが好ましい。aとdの積が
0.5以下であると、分散液が不安定でナノ粒子が凝集
沈殿を起こしやすくなり、100以上のときはナノ粒子
の塗布密度が低くなる。また、ナノ粒子の平均粒子サイ
ズdが前記基板の空間の幅の1/100未満であると、
空間の中でナノ粒子の配列が不規則になりやすく、一方
1/2を超えると、ナノ粒子が空間から浮き易くなって
空間への粒子の導入に不都合が生じる。
【0013】なお、「TEMで観察した1次粒子間の最
近接距離」とは、市販のCuマイクログリッドの上にカ
ーボン蒸着膜を乗せ、さらにその上に希薄な分散液を滴
下し乾燥させたものを、TEM観察したときに、1次粒
子が重なり合わないで最も接近した箇所の粒子間の距離
を測定することにより求めることができる。この距離は
粒子表面に吸着した分散剤の厚みおよび粒子の荷電反発
などにより形成される。本発明では、1次粒子間の最近
接距離aは、後述する分散剤が粒子表面に吸着すること
により保持されていてもよい。また、「平均粒子サイズ
d」とは、数平均の粒子径(直径)をいう。
【0014】前記分散液中のナノ粒子の平均粒子サイズ
は、上記条件を満足し、且つ0.1〜500nmである
のが好ましく、1〜100nmであるのがより好まし
い。また、前記ナノ粒子の平均粒子サイズは、前記基板
の空間の深さに対して1/100〜1であるのが好まし
い。
【0015】前記ナノ粒子の分散液は、剪断速度200
/sにおける粘度が0.5〜20mPa・s、表面張力
2.0〜5.0×10-2N/m(=20〜50dyn/c
m)であることが好ましい。より好ましくは剪断速度2
00/sにおける粘度が1〜15mPa・s、表面張力
2.5〜4.5×10-2N/m(=25〜45dyn/
cm)である。剪断速度200/sにおける粘度が20
mPa・sを超えたり、表面張力が2.0×10-2N/
m未満であると、基板の溝や微小孔等以外の部分にもナ
ノ粒子が付着する傾向にあり、所望の粒子が所望の配列
になり難いので望ましくない。また、表面張力が5.0
×10-2N/mを超えると、塗布ムラを生じやすく、生
産効率が低下する傾向がある。分散液の粘度および表面
張力は、分散液に用いる分散剤の量を少なくする(また
は用いない)ことで、前記範囲に調整することができ
る。
【0016】前記ナノ粒子の材料については特に制限は
ないが、特に金属または難溶性金属化合物の粒子を用い
るのが好ましい。具体的には、Au、Ag、Cu、P
t、Al、Ni、Fe、Coなどの金属;Al23、Z
nO、InO、In23、SiO2、TiO2、Sn
2、Fe23、Fe34、CeO2、Y23、MgO、
Mn 23、MoO3、Yb23、ZrO2,Er23、B
23、CuO、CoO、Dy23、SrO、Gd23
などの金属酸化物;ZnS、Fe23、CdS、Ag 2
Sなどの金属硫化物;ITO、Al23/MgO、Zn
O/Y23、ZnO/SiO2、ZnS/CdSeなど
の複合金属酸化物およびコア/シェル型金属化合物;な
どが挙げられる。
【0017】上記金属のナノ粒子は、原料の金属固体を
ルツボに入れ、該ルツボを高周波誘導加熱方式により加
熱し、金属蒸気を発生させて、HeまたはArなどのガ
ス分子と衝突させることにより、急冷させて微粒子化す
るガス中蒸発法;金属塩溶液にNaBH4等の無機還元
剤またはアミン系やジオール系化合物等の有機還元剤を
作用させる、または酸化還元電位がより卑な金属塩を作
用させることにより金属コロイド粒子を得る溶液還元
法;などにより製造することができる。上記難溶性金属
化合物のナノ粒子は、気相中に高温で蒸発させた金属の
蒸気を供給し、酸素または空気などの反応性ガス分子と
衝突させることにより急冷させて粒子を形成する気相
法;金属イオンを溶解した水溶液のpHもしくはアニオ
ンの濃度を制御して、金属水酸化物または金属化合物と
して取り出した後、乾燥または焼成を行って粒子を形成
する溶液法;その他ゾルゲル法、逆ミセル法、ホットソ
ープ法などの液相法;などにより作製することができ
る。上記金属硫化物ナノ粒子は、該当する金属酸化物コ
ロイド分散液にH2Sガスを通じて作製することができ
る。
【0018】本発明において、ナノ粒子は分散液中でコ
ロイド粒子となっていてもよい。また、前記分散液は、
親水性であっても疎水性であってもよい。溝および微小
孔等の内面(空間を形成している基板の面)が親水性の
場合は、親水性分散液を用いるのが好ましく、溝および
微小孔等の内面(空間を形成している基板の面)が疎水
性の場合は、疎水性分散液を用いるのが好ましい。ナノ
粒子として、前述の金属酸化物または金属硫化物の粒子
を用いる場合には、親水性分散液の調製がより容易であ
り、従って、溝および微小孔等の内面(空間を形成して
いる基板の面)が親水性である基板を用いるのが好まし
い。例えば、親水化は、UV−オゾン処理や酸素プラズ
マ処理などにより容易に行うことができる。その際、溝
および微小孔等の内面(空間を形成している基板の面)
を親水化するのが好ましいが、前記分散液を塗布する基
板の表面全体を親水化してもよい。特に、前記分散液の
粘度および表面張力が上述の好ましい範囲であると、基
板表面の全体が親水化されている場合も、粒子が溝およ
び微小孔内部に効率的に浸入するので好ましい。
【0019】前述の方法で合成したナノ粒子を、適当な
溶媒に分散させてそのまま分散液として用いることがで
きる。また、吸着性化合物(分散剤)を添加して、ナノ
粒子表面を前記吸着性化合物により表面修飾した状態
で、溶媒中に分散することにより安定な分散液が得られ
る。前記吸着性化合物としては、−SH、−CN、−N
2、−SO2OH、−SOOH、−OPO(OH)2
−COOH含有化合物などが有効であり、中でも、−S
Hまたは−COOHを有する化合物が好ましい。親水性
分散液を調製する場合は、親水性基(例えば、−SO3
Mや−COOM〔Mは水素原子、アルカリ金属原子、ア
ンモニウム分子等を表わす〕)を有する吸着性化合物を
使用するのが好ましい。また、アニオン性界面活性剤
(例えば、エアロゾルOTやドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム等)、親水性高分子(例えば、ヒドロキシ
エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール等)も吸着性化合
物として使用することができる。なお、ナノ粒子の表面
が吸着性化合物や親水性高分子などで表面修飾されてい
ることは、FE−TEMなどの高分解能TEMで粒子間
に一定の間隔があることから、および化学分析により確
認できる。
【0020】本発明において、ナノ粒子と分散媒のみを
含有する分散液を用いるのが好ましい。分散液が分散剤
等、他の有機材料を含んでいないと、分散液を塗布した
後、該有機材料を除去したい場合にも、焼結工程等を経
ることなく、乾燥して溶媒を除去するだけで、ナノ粒子
のみが基板の溝等に導入された構造体が得られる。
【0021】前記分散液において、前記ナノ粒子は単分
散状態であるのが好ましい。また、前記分散液における
前記ナノ粒子の濃度は、0.1〜10質量%であるのが
好ましい。
【0022】本発明において、前記分散液中には、前記
吸着性化合物の他にも帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸
収剤、可塑剤、高分子バインダー等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。
【0023】また、前記分散液の分散媒としては、水、
酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2ージク
ロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメ
チルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、イソオクタンなどの炭化水素;テトラ
ヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエー
テル;エタノール、nープロパノール、イソプロパノー
ル、nーブタノール、ジアセトンアルコールなどのアル
コール;2,2,3,3ーテトラフロロプロパノールな
どのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエ
ーテル類などを挙げることができる。上記溶媒は使用す
るナノ粒子の分散性を考慮して単独または二種以上を組
み合わせて用いることができる。ナノ粒子を分散媒に分
散させて調製した分散液をそのまま塗布液として用いる
こともできるが、一旦、分散液を調製した後、溶媒によ
り希釈したものを塗布液として用いることもできる。希
釈溶媒としては、上記分散液の分散媒と同様の溶媒が例
示される。
【0024】本発明において、前記分散液はスピンコー
ト、ディップコート、エクストルージョンコートまたは
バーコートなどの種々の方法により、基板表面に塗布で
きる。塗布法で成膜することによって、簡易および迅速
に製造することができる。
【0025】また、ガラス等の耐熱性基板を用いた場合
は、基板表面に前記分散液を塗布した後、高温(好まし
くは400〜800℃)で焼成することにより、分散媒
や表面修飾剤や各種添加剤などの有機化合物を除去する
こともできる。さらに、塗布後または焼成後に、基板を
別の気相や液相の反応系と接触させることにより、基板
上に配列されたナノ粒子を改質することもできる。
【0026】本発明の方法は、種々の分野に適用可能な
機能性構造体を作製するのに利用できる。例えば、溝ま
たは微小孔等の空間を有する基板と、該空間に導入され
たナノ粒子とを有する機能性構造体を作製する場合に、
本発明の方法を利用して該空間にナノ粒子を導入する
と、効率的かつ高密度にナノ粒子を所望のパターンに配
列することができる。本発明の方法を利用することによ
り、高密度に機能を発現する構造体を、容易に且つ安定
的に作製可能となる。かかる機能性構造体は、記憶およ
び/または記録媒体、光機能材料、量子効果デバイス、
エネルギー材料など広範囲な分野に適用可能である。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体
例に制限されるものではない。
【0028】[実施例1] (円盤状基板の作製)所定のトラックピッチ及び所定の
溝形状(プレグルーブ)を形成可能に加工されたスタン
パを内蔵する射出成型機を用いて、ポリカーボネート製
(樹脂商品名:パンライトAD5503、帝人(株))
の円盤状樹脂基板(直径120mm、厚さ0.6mm)
を作製した。得られたポリカーボネート樹脂基板(PC
基板)のトラックピッチは、0.6μm、溝の深さは6
0nm、溝の幅は300nm、であった。また、溝の側
壁の傾斜角度は60°であった。尚、これらの形状の寸
法及び角度は、AFMを用いて測定した。
【0029】(難溶性金属化合物コロイドの調製)水5
00mLの中に平均粒子サイズ10nmのSiO2分散
物(日産化学工業製:商品名スノーテックスS;30質
量%)を5mL、酢酸亜鉛2水和物を9g、およびチオ
アセトアミドを3g添加し、攪拌溶解した。この分散溶
液を超音波分散機(20kHz、600W)に入れ、室
温で2時間分散した。分散後、液温は85℃に上昇して
いた。室温まで冷却後、限外ろ過を繰り返すことにより
溶解している塩を除去、濃縮精製することにより、分散
液Aを得た。この分散液Aについて、TEM観察、元素
分析およびX線回折を行ったところ、分散液A中の粒子
は、10nmのSiO2をコアにした平均粒子サイズが
60nmのSiO2/ZnSのコア/シェル型粒子であ
ることがわかった。
【0030】前記分散液Aの調製時に、分散剤としてポ
リビニルピロリドン(K15;平均分子量約1万)を1
質量%添加した以外は全く同様の操作で分散液Bを調製
した。
【0031】(塗布液の調製)上記分散液Aを水/1−
エトキシプロパノール(容積比80/20)の混合溶媒
で希釈し、1.5質量%の濃度で前記コア/シェル粒子
を含有する塗布液Aを調製した。上記分散液Bを用いた
以外は全く同様の操作で塗布液Bを調製した。これらの
塗布液を前述の方法によりTEM観察し、aとdの積を
求めたところ、塗布液Aは36、塗布液Bは160であ
った。また、これらの塗布液の剪断速度200/sにお
ける粘度はいずれも10mPa・s以下で、表面張力4
1〜38dyn/cmであった。なお、粘度は回転式粘
度計VT500型(HAAKE社製)で、表面張力は自
動表面張力計CBVP−A3型(協和界面科学(株)社
製)によって測定した。
【0032】(PC基板への塗布)前述のPC基板をU
V−オゾン処理して親水化した後、該親水化面に塗布液
Aおよび塗布液Bをそれぞれ1000rpmでスピンコ
ートした。乾燥後、SEMで表面を観察したところ、塗
布液Aはグルーブ(溝)部のみ粒子が塗布されていたの
に対し、塗布液Bは基板表面全体に塗布されていた。こ
のことより、本発明の物性条件を満足する分散液を用い
ると、基板の溝部のみに特異的に粒子が塗布されること
がわかった。
【0033】[実施例2]実施例1において、PC基板
の代えて同様の仕様のガラス基板に塗布したところ、同
じく塗布液Aを用いた場合はグルーブ(溝)部のみ粒子
が塗布されていたのに対し、塗布液Bは基板全面に塗布
されていた。
【0034】[実施例3] (銀コロイドの調製)硝酸銀5.6gを水100mLに
溶解し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硫酸第一鉄7
水和物14g、クエン酸1水和物28gを水100mL
に溶解し、硫酸第一鉄水溶液を調製した。両水溶液を等
流量で瞬間混合することにより、銀コロイド分散液を得
た。脱塩処理のために電気伝導度が50μS/cm以下
になるまで水を加えて限外ろ過を行った。こうして得ら
れた銀コロイド分散液をTEM観察したところ、粒子の
平均粒子サイズは8nm、分散係数8%であった。
【0035】(塗布液の調製)得られた銀コロイド分散
液を、2−エトキシエタノールを20容量%含有する水
溶液で希釈して、銀粒子の濃度が2質量%の塗布液Aを
調製した。さらにこの中に、分散剤としてデキストリン
を1質量%含有する塗布液Bを調製した。これらの塗布
液AおよびBのaとdの積は、塗布液Aが16、塗布液
Bが120であり、剪断速度200/sにおける粘度は
いずれも10mPa・s以下で、表面張力36〜38d
yn/cm(液温25℃)であった。
【0036】(ガラス基板への塗布)実施例2で用いた
ガラス基板をUV−オゾン処理して親水化した後、塗布
液AおよびBをそれぞれ、アルゴン雰囲気下、1000
rpmでスピンコートした。乾燥後、SEMで表面を観
察したところ、塗布液Aを用いた場合は、グルーブ
(溝)部のみに粒子が塗布されていたのに対し、塗布液
Bを用いた場合は、ランド部にも薄く塗布されているこ
とがわかった。
【0037】これらの結果から、本発明の条件を満足す
る組み合わせで分散液と基板とを用いると、溝部のみに
特異的に粒子が塗布されることがわかった。
【0038】(塗布物の焼成処理)上記ガラス基板に銀
コロイド分散液が塗布された各サンプルを、アルゴン雰
囲気下で500℃2時間焼成した。塗布液Aのサンプル
は溝部のみ高い導電性を示したが、塗布液Bは導電性を
示さなかった。両塗布液を同様の条件で焼成してTEM
観察したところ、塗布液Aを用いたものでは、粒子が互
いに接触していたのに対し、塗布液Bを用いたもので
は、粒子がほぼ独立して存在していることがわかった。
【0039】[参考例]溝の深さを8nmに代えたガラ
ス基板に、実施例3の銀コロイド分散液を塗布したとこ
ろ、塗布液AおよびBのそれぞれを用いた場合、共に、
基板の全面に粒子が塗布された。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ナノ粒子を微細空間に
安定的に且つ高密度に導入可能な方法を提供することが
でき、ナノ粒子を基板上に任意のパターンで容易に配列
させることができる。また、本発明によれば、容易に且
つ安定的に作製可能な、高密度にナノ粒子が配列された
構造体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 DA32 DB01 DB11 DB13 DB31 DC21 DC24 DC27 EA02 EB01 EC31 4G075 AA24 AA30 BB02 BB08 BB10 BC10 BD16 BD26 FA20 FB12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅10〜1000nm、深さ10〜10
    00nmの微細空間を有する基板の表面に、透過型電子
    顕微鏡(TEM)で観察した1次粒子間の最近接距離を
    a(nm)および平均粒子サイズをd(nm)とした場
    合に、aとdの積が0.5〜100であり、且つdが前
    記基板の空間の幅の1/100〜1/2であるナノ粒子
    の分散液を塗布する工程を有する微細空間にナノ粒子を
    導入する方法。
  2. 【請求項2】 前記分散液が、単分散状態の前記ナノ粒
    子を0.1〜10質量%含有する請求項1に記載の微細
    空間にナノ粒子を導入する方法。
  3. 【請求項3】 前記分散液の表面張力が、2.0〜5.0
    ×10-2N/mである請求項1または2に記載の微細空
    間にナノ粒子を導入する方法。
  4. 【請求項4】 前記ナノ粒子は、金属および難溶性金属
    化合物から選択される1種以上のナノ粒子である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の微細空間にナノ粒子を導
    入する方法。
  5. 【請求項5】 前記分散液が、前記ナノ粒子および分散
    媒のみからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の微
    細空間にナノ粒子を導入する方法。
  6. 【請求項6】 前記空間が溝である請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の微細空間にナノ粒子を導入する方法。
  7. 【請求項7】 前記ナノ粒子の表面が親水性であり、且
    つ前記空間を形成している前記基板の面が親水性である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細空間にナノ粒
    子を導入する方法。
  8. 【請求項8】 前記基板がポリマーからなる請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の微細空間にナノ粒子を導入す
    る方法。
  9. 【請求項9】 1以上の空間を有する基板と、該空間に
    導入されたナノ粒子とを有する構造体であって、前記ナ
    ノ粒子は請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によ
    って前記空間に導入されたことを特徴とする構造体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205584A (ja) * 2003-11-27 2005-08-04 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd ナノ材料の製造方法ならびにこれに用いられる金属酸化物ナノ材料形成用組成物、鋳型および金属酸化物ナノ構造体
JP2007247011A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Okayama Prefecture 微細流路の親水化処理方法
JP2008174811A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Univ Of Tokyo 金属導電層形成方法、導電性ばね形成方法及び導電性ばね
JP2008290227A (ja) * 2007-03-26 2008-12-04 Ricoh Co Ltd 微小構造体
JP2011056626A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Fuji Electric Systems Co Ltd 微粒子配列構造体及びその製造方法

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