JP2003024742A - 排ガス処理装置 - Google Patents

排ガス処理装置

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JP2003024742A
JP2003024742A JP2001217690A JP2001217690A JP2003024742A JP 2003024742 A JP2003024742 A JP 2003024742A JP 2001217690 A JP2001217690 A JP 2001217690A JP 2001217690 A JP2001217690 A JP 2001217690A JP 2003024742 A JP2003024742 A JP 2003024742A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1搭方式の排ガス処理におけるアンモニア添
加量の低減と処理性能を向上させる排ガス処理装置を提
供する。 【解決手段】 搭頂から搭底に向って移動層を形成して
流下する炭素質吸着材が充填された移動層式反応搭10
に、直交流で硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む排ガスを
流すと共に、アンモニアを用いて脱硫及び脱硝処理を行
う排ガス処理装置において、反応搭10内に長さ方向を
水平にした複数の山型部材14を反応搭10内に鉛直方
向に配列して反応搭10内を排ガス流の前段部15と後
段部16に分割すると共に、前記山型部材14にアンモ
ニア供給手段を設けてなる排ガス処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫黄酸化物及び窒
素酸化物を含有する排ガスの脱硫、脱硝処理を行う排ガ
ス処理装置に関し、特に、排ガス中にアンモニアを添加
し、炭素質吸着材を充填した移動層式反応塔を用いて脱
硫、脱硝を行う排ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のボイラ排ガス、或は製鉄所の焼結
炉排ガス等、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガ
スの処理方法として、活性炭等の炭素質吸着材を用いて
脱硫及び脱硝処理を行う方法がある。
【0003】例えば、この炭素質吸着材を用いた脱硫及
び脱硝処理においては、上記排ガスにアンモニアを添加
して、炭素質吸着材を充填した移動層式反応搭に導入
し、移動層を流下する吸着材に対して排ガスを直交流で
通過させ、排ガスを吸着材に接触させる方法がある。
【0004】この方法により、炭素質吸着材の吸着機能
によって硫黄酸化物を吸着材に吸着させて除去すると共
に、炭素質吸着材の触媒機能によって窒素酸化物をアン
モニアと反応させ、窒素と水に分解させて除去すること
ができる。
【0005】硫黄酸化物の吸着が進むにつれて、炭素質
吸着材は次第に吸着機能、触媒機能が低下するので、反
応搭の下部からこの吸着機能、触媒機能が低下した吸着
材を排出し、再生搭へ送って高温で加熱再生処理を行
い、吸着材から硫黄酸化物を含む放出ガスを放出させ
る。
【0006】再生搭から放出させた放出ガス中の硫黄酸
化物は高濃度であるので、これを硫酸等の副産物の原料
とすることができる。
【0007】再生した炭素質吸着材は、冷却した後再生
搭から排出し、移動層式反応搭、再生搭等における機械
的摩耗、化学的損耗等により粉化した微粉を除去した
後、再び反応搭の上部に供給して循環使用する。
【0008】炭素質吸着材は、機械的摩耗及び化学的損
耗等により減量するので、新たな吸着材を補給する必要
がある。
【0009】排ガス中に添加するアンモニアの量は、理
論的には除去すべき窒素酸化物に等しいモル数である。
【0010】しかし、添加されたアンモニアは、窒素酸
化物との反応よりも優先して硫黄酸化物と反応し、硫安
や酸性硫安を生成するので、実際には硫黄酸化物との反
応で消費される量に見合う量のアンモニアも添加しなけ
ればならない。
【0011】従って、排ガス中の硫黄酸化物濃度によっ
て、排ガスの処理方法は異なったものとなる。
【0012】排ガス中の硫黄酸化物濃度が低い場合(例
えば100ppm以下)には、硫黄酸化物によるアンモ
ニアの消費量が少ないので、1搭の移動層式反応搭を用
いて同時に脱硫処理と脱硝処理とを行う1搭方式とする
ことが好ましい。
【0013】1搭方式は建設費用が安く、経済的であ
る。
【0014】排ガス中の硫黄酸化物濃度が高い場合(例
えば300ppm以上)には、1搭方式では多量のアン
モニアを消費すると共に、炭素質吸着材の触媒機能の低
下も著しくなるので、移動層式反応搭を2搭設置する2
搭方式が必要となる。
【0015】2搭方式では、第1の反応搭で主に脱硫処
理を行って排ガス中の硫黄酸化物濃度を低下させ(例え
ば100ppm以下)、この硫黄酸化物濃度が低下した
排ガスにアンモニアを添加して第2の反応搭で主に脱硝
処理を行う。
【0016】2搭方式は建設費用が高くなる。
【0017】この費用の高騰を少しでも解消するため
に、第1の反応搭と第2の反応搭とを一体化してコンパ
クトな装置とすることが、特公昭61−34852号公
報、特公昭63−58606号公報に提案されている。
【0018】また、第1の反応搭から排出される排ガス
を上下二つのガス流に分岐し、窒素酸化物濃度が高い下
部ガス流のみを第2の反応搭で処理する方法が、特開昭
55−106526号公報に提案されている。
【0019】しかし、2搭方式とする限り、建設費を大
幅に削減することはできない。
【0020】排ガス中の硫黄酸化物濃度が上記の中間的
な範囲にある場合(例えば100〜300ppm以下)
には、改善された1搭方式による排ガス処理方法が提案
されている。
【0021】この改善された1搭方式による排ガス処理
方法の代表的な例として、排ガス流を複数の排ガス流に
分割し、反応搭の上部にはアンモニアを添加する排ガス
流を供給し、反応搭の下部にはアンモニアを添加しない
排ガス流を供給する方法等がある(特公平1−5408
9号公報、WO98/15340号公報)。
【0022】しかし、これらの1搭方式による排ガス処
理方法は、多少の改良効果が認められるものの、大幅に
アンモニアの使用量を低減できるものではなく、大規模
な装置においては、なおアンモニアの使用量が多いこと
が問題となる。
【0023】更に、1搭方式である限り高い脱硝性能を
得ることは難しく、高い脱硝性能が要求される場合に
は、建設費の高い2搭方式を採用せざるを得ない。
【0024】これらの問題は、炭素質吸着材を用いる排
ガス処理方法の根本的な問題であり、解決すべき課題で
あった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、1搭方式
の排ガス処理におけるアンモニア添加量の低減と処理性
能の向上を目的として研究を重ねる中で、移動層内への
アンモニア添加を試みた。
【0026】アンモニアの添加は、排ガスを反応搭へ供
給するダクト中で行うのが一般的であり、反応搭内の移
動層中を通過している排ガスに直接アンモニアを添加す
ることは、従来は一般的ではなかった。
【0027】移動層内でのアンモニア添加について研究
を重ねた結果、以下の〜の事実が判明し、本発明を
完成するに至った。
【0028】 移動層内でアンモニアを添加した場合
の脱硝性能は、ダクト内でアンモニアを添加した場合と
比較して大きな差がないことが判明した。即ち、添加し
たアンモニアは排ガス中への拡散が速く、実用上の問題
はない。これは、移動層を形成する吸着材自身に、ガス
を混合してアンモニアの拡散を促進する働きがあるもの
と考えられる。
【0029】 また、実際の装置において、移動層内
にアンモニアを注入する手段を設けることも特に問題の
ないことを確認した。即ち、移動層内における排ガスの
通過断面積は、ダクト内における排ガスの通過断面積に
比べて非常に大きくなるので、注入装置としては非常に
大きくなるが、簡単な構造で十分な機能が得られること
を確認した。
【0030】 更に、移動層内に設置したアンモニア
の注入部を境として、移動層を前段部と後段部とに区画
し、前段部と後段部との吸着材移動速度を別個に設定す
ることが好ましいことを確認した。即ち、前段では、移
動速度を速くして脱硫率を高くすることが好ましく、後
段では、移動速度を遅くして吸着材の循環量を少なくす
ることが好ましい。
【0031】 更にまた、長時間の連続運転を続けた
場合には、アンモニア注入部の近傍において吸着材がブ
ロッキングを起こすトラブルが発生することがあった。
即ち、吸着材が大きな塊に成長すると共に注入装置の近
傍から動かなくなり、脱硝性能が低下し、排ガスの圧力
損失が高くなり、ついには運転不能となる。
【0032】本発明者は、更に研究を進めた結果、ブロ
ッキングの発生を防止するためには、排ガス中の硫黄酸
化物濃度が低い位置を選択してアンモニアを添加するこ
とが、最も現実的であることを確認した。
【0033】よって、本発明の目的とするところは、上
記課題を解決し、1搭方式の排ガス処理におけるアンモ
ニア添加量の低減と処理性能を向上させる排ガス処理方
法、及び装置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下に記載するものである。
【0035】〔1〕 搭頂から搭底に向って移動層を形
成して流下する炭素質吸着材が充填された移動層式反応
搭に、直交流で硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む排ガス
を流すと共に、アンモニアを用いて脱硫及び脱硝処理を
行う排ガス処理装置において、反応搭内に長さ方向を水
平にした複数の山型部材を反応搭内に鉛直方向に配列し
て反応搭内を排ガス流の前段部と後段部に分割すると共
に、前記山型部材にアンモニア供給手段を設けてなる排
ガス処理装置。
【0036】〔2〕 前段部の吸着材移動速度と後段部
の吸着材移動速度とを異なる速度にする手段を備えてな
る〔1〕に記載の排ガス処理装置。
【0037】〔3〕 山型部材のアンモニア添加手段に
加えて、更に反応搭へ排ガスを導入するダクト内にアン
モニア添加手段を備えてなる〔1〕に記載の排ガス処理
装置。
【0038】以下、本発明を詳細に説明する。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス処理装置、及びそ
の周辺装置の一例を図1に示す。
【0040】10は移動層式反応搭であり、入口ルーバ
ー11と出口ルーバー12を備えている。
【0041】通常各ルーバーは、平板状の部材を斜めに
した状態で一定間隔に配列して構成され、この配列構成
によって各ルーバーの一方の側(反応搭10の内側)に
炭素質吸着材を保持することができる。従って、両ルー
バー11、12の間に炭素質吸着材を充填することがで
きる。
【0042】各ルーバー11、12において、上下に隣
り合う部材間は排ガスの流路となり、入口ルーバー11
により排ガス導入部が形成され、出口ルーバー12によ
り排ガス排出部が形成される。
【0043】従って、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む
排ガスは、ライン30から入口ルーバー11を介して移
動層内に導入され、移動層内で処理された排ガスは、出
口ルーバー12を介してライン40に排出される。
【0044】反応搭10に充填された炭素質吸着材は、
反応搭10の下部から連続的に、又は断続的に抜出さ
れ、ライン60を介して再生搭40へ送られて加熱再生
される。
【0045】再生された吸着材は、ライン70により移
動層式反応搭10の上部に戻される。
【0046】このようにして吸着材を循環させることに
より、反応搭10内に充填された吸着材は上から下に向
って流下する移動層を形成する。
【0047】排ガス導入部において、吸着材がブロッキ
ングを起こしやすい場合等には、必要により入口ルーバ
ー11の内側に近接してサブルーバーを設けることもあ
る。
【0048】このサブルーバーは、反応搭内に長さ方向
を水平にした複数の山型部材を反応搭内に鉛直方向に配
列したものが好ましい。また、このサブルーバーの山型
部材は、排ガス上流側を斜面板、排ガス下流側を鉛直板
で構成したものが好ましい。
【0049】なお、図1においてライン80は、吸着材
の再生によって発生する高濃度硫黄酸化物の排出ライン
を示す。
【0050】本発明は、入口ルーバー11と出口ルーバ
ー12との間に、長さ方向を水平にした複数の山型部材
13を反応搭10内に鉛直方向に配列して反応搭10内
を排ガス流の前段部15と後段部16に分割すると共
に、山型部材14にアンモニア供給手段を設けている。
【0051】山型部材14の長さは、排ガス流の流れ方
向に対して直角方向の反応搭10内両側壁間の長さの8
0〜100%が好ましい。
【0052】前記山型部材14は、反応搭10内に鉛直
方向に配列され、これら山型部材14にはアンモニア配
管等のアンモニア供給手段が連結されている。前記山型
部材14の集合体は全体としてアンモニア分配器13を
構成する。
【0053】アンモニア分配器13としては、例えば断
面が逆V字形の山型部材14(図2−a)を一定間隔に
配列して構成したものを用いることができる。
【0054】各山型部材14の2つの斜面は、それぞれ
上記のルーバー11、12と同様に機能するので、アン
モニア分配器の両方の側に炭素質吸着材を保持すること
ができる。
【0055】また、上下に隣り合う山型部材14間は排
ガスの流路となり、移動層内を通過する排ガスの通過を
妨げない。
【0056】しかも、吸着材が充填された状態におい
て、山型部材14の内側上部には空間が確保される。
【0057】従って、この空間にアンモニアを添加する
と、上記流路を通過する排ガスと混合され、アンモニア
含有ガスとなる。このアンモニア含有ガスがアンモニア
分配器13から流れ出ることにより、アンモニアは移動
層内に供給される。このようにして、排ガス中へのアン
モニアの添加は行われる。
【0058】アンモニア分配器13を構成する山型部材
14は、2つの斜面が夫々ルーバーの働きをするので、
移動層を区画することができる。即ち、移動層は、入口
ルーバー11からアンモニア分配器13までの前段部1
5と、アンモニア分配器13から出口ルーバー12まで
の後段部16に区画され、一方の側に充填された吸着材
は実質的に他方の側に移動しない。
【0059】従って、吸着材の移動速度を、前段部15
と後段部16とで異なる移動速度とすることが可能であ
り、性能的にも経済的にも最適な運転条件を設定するこ
とができる。
【0060】本発明のアンモニア分配器13を構成する
山型部材14は、上記の形状に限定されるものではな
い。
【0061】例えば、移動層が幅広く形成され各山型部
材14の2つの斜面の幅が長くなる場合には、2つの斜
面を底部付近において水平板で連結し、この水平板に多
孔板を用いてアンモニア含有ガスの流路を確保すること
が好ましい(図2−b)。
【0062】また、1つの斜面を鉛直方向にして斜面板
と鉛直板とで構成し、この鉛直板を多孔板としたもの
(図2−c)、或は、斜面板と鉛直板とを水平板で連結
し、鉛直板と水平板とを多孔板とし、鉛直・多孔板で隣
り合う上下の山型部材を一体化したもの(図2−d)で
も良い。
【0063】長時間の連続運転を続けた場合には、アン
モニア分配器13の近傍において吸着材がブロッキング
を起こすトラブルが発生することがある。即ち、吸着材
が大きな塊に成長すると共にアンモニア分配器13の近
傍から動かなくなり、脱硝性能が低下し、排ガスの圧力
損失が高くなり、ついには運転不能となる。
【0064】ブロッキングの原因は、硫黄酸化物とアン
モニアとの反応により生成する硫安等が原因であり、排
ガスの温度や排ガスの水分も関係するが、アンモニア分
配器13の近傍を通過する排ガスの硫黄酸化物濃度を低
くすることが最も重要である。
【0065】図1に示すようにアンモニア分配器13を
配置したとき、この断面を通過する排ガス中の硫黄酸化
物濃度は、移動層の上部で低く下部で高い分布となる。
【0066】これは、吸着材が移動層の上部から下部に
向って移動するにつれて、吸着した硫黄酸化物の保持量
が多くなり、吸着性能が低下するためである。
【0067】移動層における硫黄酸化物濃度分布の一例
を図3に示す。
【0068】図3において、縦軸は移動層の高さを示
し、横軸は硫黄酸化物濃度を示す。
【0069】但し、硫黄酸化物濃度は移動層の最上点か
らその高さまでの平均値である。
【0070】例えば、最下点における35ppmは、ア
ンモニア分配器の断面全体を通過する排ガスの平均値で
あり、中間点における10ppmは、アンモニア分配器
の断面の最上点から中間点までを通過する排ガスの平均
値である。
【0071】このグラフは、固定層を用いた小規模のテ
スト装置で簡単に得られ、本発明の排ガス処理装置にお
いて操作条件を設定するのに有効である。
【0072】図3の濃度分布を示す排ガスについて、硫
黄酸化物濃度(平均値)が35ppm以下でブロッキン
グを起こさない場合は、最上点から最下点に至るアンモ
ニア分配器の全断面に、アンモニア含有ガスを均一に添
加することができる。
【0073】図3の濃度分布を示す排ガスについて、硫
黄酸化物濃度(平均値)が35ppm以下でブロッキン
グを起こす場合は、アンモニア分配器の全断面ではな
く、最上点から適当な範囲に限定して、アンモニア含有
ガスを添加することができる。例えば、ブロッキングを
起こさない硫黄酸化物濃度(平均値)の限界が20pp
mである場合は、最上点から約70%までの移動層高さ
の範囲に限定してアンモニアを添加する。
【0074】アンモニアの添加を移動層高さの範囲で限
定して行う場合は、この限定された移動層高さの範囲内
に、アンモニア分配器13の山型部材14を配置すれば
良い。
【0075】この場合においても、限定された移動層高
さの範囲内に配置した山型部材14に続けて、限定され
た移動層高さの範囲外の移動層下部には、山型部材14
の代わりに多孔板等を配置することにより、移動層の前
段部15と後段部16とを区画することが好ましい(但
し、限定された移動層高さの範囲外の移動層下部におけ
る多孔板等の部分には、アンモニアは添加しない。)。
【0076】なお、ブロッキングを起こさない条件は主
として排ガスの硫黄酸化物濃度によって決まるが、排ガ
スの温度や水分等、他の条件によってもブロッキングを
起こさない条件は異なるので、予めテストを行って確認
する必要がある。
【0077】本発明は、移動層を前段部15と後段部1
6に区画することにより、より一層大きな効果を得るこ
とができる。
【0078】先ず、前段部15の炭素質吸着材の移動速
度を変えることにより、前段部15における脱硫率を変
えることができる。即ち、図3において、硫黄酸化物濃
度20ppmに対応する最上点からの移動層高さ70%
という値は、前段部15における吸着材の滞留時間を7
0%に短縮すると、アンモニア分配器の全断面を通過す
る排ガスの硫黄酸化物濃度(平均値)が35ppmから
20ppmに変化することを意味する。
【0079】即ち、前述のアンモニア含有ガスの添加に
おける移動層高さの範囲を限定する方法とは別に、移動
層前段部15を流下する吸着材の移動速度を速くするこ
とによっても、ブロッキングの発生を防止することがで
きる。
【0080】また、実装置の運転において、機能的な要
素と経済的な要素を勘案して、最適な移動速度を設定す
ることができる。
【0081】一方、後段部16では排ガスの硫黄酸化物
濃度が低いので、吸着材の移動速度を遅くしても吸着材
の脱硫性能低下は非常に緩やかである。そのため、吸着
材の移動速度が脱硝性能に与える影響も少ない。
【0082】従って、後段部16の吸着材の移動速度
は、前段部15に比べて遅い速度とすることができる。
【0083】吸着材の移動速度は経済的に大きく影響す
るので、前段部15と後段部16の移動速度を別個に設
定することにより、効率的な運転を行うことができる。
【0084】前段部15と後段部16の吸着材の移動速
度の好ましい設定値は、排ガスの硫黄酸化物濃度、温
度、及び水分等によって大きく影響されるが、排ガス
の、硫黄酸化物濃度30〜1000ppm、温度50〜
200℃、及び水分1〜90容量%の条件では、前段部
16の吸着材の移動速度を1としたとき後段部16の吸
着材の移動速度を0.1〜0.9とすることが好まし
く、0.3〜0.8とすることが更に好ましい。
【0085】前段部の吸着材移動速度と後段部の吸着材
移動速度とを異なる速度にする手段としては、特に限定
されるものではないが、例えば、搭底における前段部、
後段部それぞれの吸着材排出部にダンパーを設け、これ
らのダンパーを開度を調節すことによる吸着材移動速度
調節手段などを用いることができる。
【0086】なお、ブロッキングを起こさない条件は主
として排ガスの硫黄酸化物濃度によって決まるが、排ガ
スの温度や水分等、他の条件によってもブロッキングを
起こさない条件は異なるので、予めテストを行って確認
する必要がある。
【0087】移動層内に添加するアンモニアは、希釈し
て添加することが好ましい。ダクト内に添加する場合と
異なり、排ガスの通過断面積が非常に大きくなるため
に、希釈しないと排ガス全体に均一に分配するのが困難
である。
【0088】希釈ガスは、排ガスと共に大気へ放出され
るので、空気を使用することが好ましい。
【0089】また、アンモニアの爆発限界を考慮して3
0倍以上に希釈することが好ましい。
【0090】添加するアンモニア含有ガスの温度は、排
ガス温度以上とすることが好ましく、排ガス温度が15
0℃以下の場合は、150℃以上とすることが好まし
い。ブロッキングの発生に対して、安全サイドとするた
めである。
【0091】アンモニアの添加量は、移動層後段部16
で除去する窒素酸化物の量及び硫黄酸化物の量を勘案し
て選定する。
【0092】窒素酸化物に対しては等モル量が必要であ
り、硫黄酸化物に対しては1.0〜2.0倍のモル量が
必要である。
【0093】本発明は、移動層内においてアンモニアを
添加することを特徴とするが、同時に移動層式反応搭1
0へ導入するライン30に設けた排ガスダクト内にアン
モニアを添加することも有効である。
【0094】ダクト内に添加されたアンモニアは、移動
層前段部15において、窒素酸化物との反応よりも優先
して硫黄酸化物と反応するので、直ちに脱硫性能及び脱
硝性能に影響は与えない。
【0095】しかし、再生搭20において硫安等のアン
モニウム塩を含む吸着材が加熱再生されると、吸着材に
脱硝性能を有する窒素官能基が結合する。
【0096】従って、再生された吸着材を移動層式反応
搭10で循環使用することにより、移動層前段部15で
は窒素官能基の作用による脱硝性能が発現し、移動層後
段部16における脱硝負荷を低減することができる。
【0097】また、再生搭20において二酸化硫黄を放
出させる再生反応は、硫酸又は硫酸塩の還元反応である
ため、吸着材の炭素又はアンモニアが還元剤として作用
する。
【0098】吸着材が還元剤として作用した場合は、消
費された炭素によって吸着材内部に細孔が形成され、触
媒機能を向上させる作用がある。
【0099】しかし、炭素が消費されることにより、吸
着材の強度は低下する傾向がある。従って、アンモニウ
ム塩による還元反応を併用して、炭素の消費を抑制する
ことが好ましい。
【0100】上記の効果を得るために、ダクト内へのア
ンモニアの添加量は、排ガス中の硫黄酸化物のモル量に
対して0.1倍以上が好ましく、0.3倍以上がより好
ましい。
【0101】また、再生搭20で放出する二酸化硫黄に
混入するアンモニアを防ぐために、アンモニアの添加量
は、排ガス中の硫黄酸化物のモル量に対して0.7倍以
下とすることが好ましい。
【0102】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
するが、本発明は実施例により限定されるものではな
い。
【0103】実施例1 以下の組成の排ガスを、以下の処理条件で、図1に示す
排ガス処理装置をテストした結果、脱硫率99%以上、
脱硝率55%以上の性能が得られた。 (1)排ガス量 : 1000Nm3/h (2)排ガス温度 : 110℃ (3)SOX濃度 : 200ppm(dry base) (4)NOX濃度 : 200ppm(dry base) (5)酸素濃度 : 15容量%(dry base) (6)水分 : 10容量%(wet base) (7)吸着材、粒径 : 活性コークス、9mmφ (8)反応搭型式 : 移動層式、アンモニア分配器付 (9)NH3添加量 : 140ppm相当 NH3添加範囲 : 70% (10)前段部SV値 : 800h-1 前段部滞留時間 : 150h (11)後段部SV値 : 600h-1 後段部滞留時間 : 250h (12)再生搭加熱温度 : 500℃ (13)再生搭加熱時間 : 3h 実施例2 実施例1の条件で、更に反応搭入口ダクト(ライン3
0)にアンモニアを添加した。ライン30に添加したア
ンモニア量は60ppm相当量であった。
【0104】この結果、脱硫率99%以上、脱硝率60
%以上の性能が得られた。
【0105】
【発明の効果】本発明の排ガス処理装置は、搭頂から搭
底に向って移動層を形成して流下する炭素質吸着材が充
填された移動層式反応搭に、直交流で硫黄酸化物及び窒
素酸化物を含む排ガスを流すと共に、アンモニアを用い
て脱硫及び脱硝処理を行う排ガス処理装置において、反
応搭内に長さ方向を水平にした複数の山型部材を反応搭
内に鉛直方向に配列して反応搭内を排ガス流の前段部と
後段部に分割すると共に、前記山型部材にアンモニア供
給手段を設けてなる排ガス処理装置としたので、1搭方
式の排ガス処理におけるアンモニア添加量の低減と、処
理性能の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理装置、及びその周辺装置の
一例を示す概略図である。
【図2】本発明のアンモニア分配器を構成する山型部材
の例を示す概略断面図であり、(a)は、山型部材の断面
形状が逆V字形のもの、(b)は、山型部材の2つの斜面
を底部付近において水平板で連結し、この水平板に多孔
板を用いたもの、(c)は、山型部材の1つの斜面を鉛直
方向にして斜面板と鉛直板とで構成し、この鉛直板を多
孔板としたもの、(d)は、山型部材の斜面板と鉛直板と
を水平板で連結し、鉛直板と水平板とを多孔板とし、鉛
直・多孔板で隣り合う上下の山型部材を一体化したもの
の例を示す。
【図3】移動層における硫黄酸化物濃度分布の一例を示
すグラフである。
【符号の説明】
10 移動層式反応搭 11 入口ルーバー 12 出口ルーバー 13 アンモニア分配器 14 山型部材 15 移動層前段部 16 移動層後段部 20 再生塔 30、40、60、70、80 ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23J 15/00 F23J 15/00 B Fターム(参考) 3K070 DA02 DA03 DA14 DA22 DA23 DA24 4D002 AA02 AA12 AC01 AC02 BA04 BA06 CA08 DA07 DA41 EA03 EA08 4D048 AA06 AB02 AB03 AC04 BA05Y BB01 CA07 CB01 CC41 CC61 EA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搭頂から搭底に向って移動層を形成して
    流下する炭素質吸着材が充填された移動層式反応搭に、
    直交流で硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む排ガスを流す
    と共に、アンモニアを用いて脱硫及び脱硝処理を行う排
    ガス処理装置において、反応搭内に長さ方向を水平にし
    た複数の山型部材を反応搭内に鉛直方向に配列して反応
    搭内を排ガス流の前段部と後段部に分割すると共に、前
    記山型部材にアンモニア供給手段を設けてなる排ガス処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前段部の吸着材移動速度と後段部の吸着
    材移動速度とを異なる速度にする手段を備えてなる請求
    項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 山型部材のアンモニア添加手段に加え
    て、更に反応搭へ排ガスを導入するダクト内にアンモニ
    ア添加手段を備えてなる請求項1に記載の排ガス処理装
    置。
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