JP2003024726A - ハニカム構造体、及びキャニング構造体 - Google Patents

ハニカム構造体、及びキャニング構造体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定部位毎に異なる複数の機能を兼備し、長
時間の使用によっても、排ガス等の流体を所望の経路以
外に漏洩することなくハニカム構造体の各特定部位に導
入して、高い排ガス浄化性能等を発揮することができる
ハニカム構造体、及びそれを用いたキャニング構造体を
提供する。 【解決手段】 複数の隔壁2により、軸方向に複数の貫
通孔3が形成されているハニカム構造体10である。貫
通孔3が貫通している少なくとも一の端面4に、凸構造
6又は凹構造(図示せず)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ハニカム構造体
に関する。より詳しくは、特定部位毎に異なる複数の機
能を兼備させたハニカム構造体であり、長時間の使用に
よっても、排ガス等の流体を所望の経路以外に漏洩する
ことなくハニカム構造体の各特定部位に導入して、効率
的に排ガス浄化等を行うことができ、特に、排ガス浄化
システム、熱交換器、固体電解質電池、音響波動冷却装
置等の熱音響機関等に好適なハニカム構造体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】 従来、排ガス浄化手段については、 ハニカム構造体の隔壁に触媒機能を有する金属を担持
した触媒体を用いて、排ガス中の炭化水素、一酸化炭
素、又は窒素酸化物等の成分を酸化還元反応により分解
する排ガス浄化手段、 ハニカム構造体の隔壁を多孔質材料により構成させ、
かつ隔壁により形成される貫通孔を貫通する両端面で所
定の貫通孔については一方の端面で目封じし、残余の貫
通孔については他方の端面で目封じした構造とすること
により、排ガス中の粒子状物質を、隔壁により捕集・除
去する排ガス浄化手段、 ハニカム構造体の隔壁に、ゼオライト、活性炭等から
なる吸着層を設けて、排ガス中の炭化水素成分等を吸着
・除去する排ガス浄化手段等、種々の試みがなされてい
る。
【0003】 また、近年、排ガス規制強化等に伴い、
より高い浄化性能が求められており、その要請に応じる
試みの1つとして、上述した異なる排ガス浄化手段を組
合わせた排ガス浄化システムが開発されている。
【0004】 例えば、特開平7−232084号公報
には、異なる隔壁厚さ、及びセル密度の円柱状のハニカ
ム構造体と、中空円筒状のハニカム構造体とを、低熱膨
張セラミックス接合材で接合したハニカム構造体が開示
されている。
【0005】 また、WO01/04466公報には、
触媒体とフィルターが一体化されているハニカム構造体
と、このハニカム構造体を内部に把持し、かつハニカム
構造体の触媒体の部分に当接した排ガス導入管を有する
メタルケースとを備える排ガス浄化装置が開示されてい
る。
【0006】 しかしながら、従来、ハニカム構造体を
適用する排ガス浄化技術等の分野では、貫通孔が貫通す
る両端面に凹凸構造を設けることは、弊害はあっても、
何らメリットはないと考えられていたこともあり、これ
らハニカム構造体では、貫通孔が貫通する両端面を平面
とし、凹凸構造を設けることはあまり考慮されていなか
った。
【0007】 ところが、本発明者の検討によると、こ
のようなハニカム構造体をケース内に把持した浄化装置
では、稼動初期段階では特に問題はないものの継続的に
長時間使用した場合には、必ずしも充分な浄化性能が得
られるものではなかった。
【0008】 即ち、従来のハニカム構造体を備える浄
化装置では、触媒体等として機能させる一部のハニカム
部に、排ガスを導入する導入管を当接して排ガスの経路
を確保するものの、導入管が当接されるハニカム構造体
の端面が平面であるため、長時間の使用により継続的に
大きな熱衝撃及び振動が負荷されると、導入管と端面と
の隙間から排ガスが所望の経路外に漏れて、充分な浄化
性能が得られない場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上述の課
題に鑑みてなされたものであり、特定部位毎に異なる複
数の機能を兼備するものであって、長時間の使用によっ
ても、排ガス等の流体を所望の経路以外に漏洩すること
なくハニカム構造体の各特定部位に導入することがで
き、高い排ガス浄化性能等を発揮することができるハニ
カム構造体、及びそれを用いたキャニング構造体を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上述の目
的を達成すべく鋭意検討したところ、ハニカム構造体の
貫通孔が貫通する両端面の少なくとも一の端面に凹構造
又は凸構造を設け、この凸構造又は凹構造に、排気管を
装着することにより、上述した従来の問題を解決できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】 即ち、本発明によれば、複数の隔壁によ
り、軸方向に複数の貫通孔が形成されているハニカム構
造体であって、貫通孔が貫通している少なくとも一の端
面に、凸構造又は凹構造が設けられていることを特徴と
するハニカム構造体が提供される。
【0012】 本発明においては、凸構造又は凹構造
は、貫通孔が貫通している少なくとも一の端面の外周部
又は中央部に設けられていることが好ましい。また、凸
構造を有する端面の段差は、2mm以上であり、かつ凸
構造の根元部における内接円の直径以下であることが好
ましく、凹構造を有する端面の段差は、2mm以上であ
り、かつ根元部における内接円の直径以下であることが
好ましい。
【0013】 本発明においては、凸構造又は凹構造の
形状について特に制限はなく、角柱形状、円柱形状、テ
ーパ形状等を挙げることができる。
【0014】 もっとも、テーパ形状を有する凸構造で
は、先端部に平面部分を有することが好ましく、テーパ
形状を有する凹構造では、底部に平面部分を有すること
が好ましい。
【0015】 また、本発明においては、テーパ形状を
有する凸構造又は凹構造を、貫通孔が貫通している一の
端面に設け、角柱形状、円柱形状等の径方向の断面が同
形状の凸構造又は凹構造を、貫通孔が貫通している他の
端面に設けてもよい。
【0016】 また、本発明においては、端面に設けら
れた凸構造の外周側面、又は端面に設けられた凹構造の
内周側面が、セラミックス材料で被覆されていることが
好ましい。
【0017】 また、本発明においては、ハニカム構造
体が、異なる特性の材料からなる複数のハニカム部によ
り構成されていることが好ましく、その際には、各ハニ
カム部で異なる材料特性が、気孔率、平均細孔径、又は
吸水率の少なくとも1種であることが好ましい。
【0018】 また、本発明においては、凸構造又は凹
構造に対応するハニカム部が、その他のハニカム部と
は、異なる特性の材料により構成されていることが好ま
しく、凸構造、又は凹構造を有する端面部分のハニカム
部と、その他のハニカム部とが、それぞれ直接接合して
一体化されていることがより好ましい。
【0019】 また、本発明においては、複数のハニカ
ム部が、セル密度、隔壁厚さ、又は貫通孔における径方
向の断面形状の少なくとも1種のセル構造で相違するも
のが好ましく、この際、異なるセル構造の複数のハニカ
ム部が、異なる特性の材料からなる複数のハニカム部
に、実質的に対応して設けられていることが好ましい。
【0020】 本発明においては、複数のハニカム部を
構成する材料として、コーディエライト、炭化珪素、窒
化珪素、アルミナ、ムライト、リチウムアルミニウムシ
リケート、アルミニウムチタネート、及びジルコニアか
らなる群より選ばれた少なくとも1種を挙げることがで
きる。
【0021】 また、本発明においては、複数のハニカ
ム部の一部を、隔壁に触媒能を有する金属を担持してな
るものとしてもよく、隔壁に炭化水素を吸着する吸着層
を設けたものとしてもよい。また、複数のハニカム部の
一部が、濾過能を有する隔壁により構成され、この濾過
能を有する隔壁により形成される貫通孔を、貫通孔が貫
通する両端面で、所定の貫通孔については一方の端面で
目封じし、残余の貫通孔については他方の端面で目封じ
してなるものとして、含塵流体中に含まれる粒子状物質
を捕集・除去するフィルターとして用いられるものとし
てもよい。
【0022】 他方、本発明によれば、複数の隔壁によ
り、軸方向に、複数の貫通孔が形成されているハニカム
構造体と、このハニカム構造体を内部に把持し、かつハ
ニカム構造体の一部を構成するハニカム部に対応して配
設される排気管を有するケースとを備えるキャニング構
造体であって、ハニカム構造体が、貫通孔が貫通してい
る少なくとも一の端面に、凸構造又は凹構造を有し、排
気管の端部が、この凸構造又は凹構造に装着されている
ことを特徴とするキャニング構造体が提供される。
【0023】 本発明のキャニング構造体においては、
凸構造又は凹構造は、貫通孔が貫通している少なくとも
一の端面の外周部又は中央部に設けられていることが好
ましい。
【0024】 また、凸構造を有する端面の段差は、2
mm以上であり、かつ凸構造の根元部における内接円の
直径以下であることが好ましく、凹構造を有する端面の
段差は、2mm以上であり、かつ根元部における内接円
の直径以下であることが好ましい。
【0025】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、排気管が、凸構造又は凹構造に、把持材を介し
て、装着されていることが好ましい。
【0026】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、凸構造又は凹構造の形状について特に制限はな
く、例えば、角柱形状、円柱形状、又はテーパ形状とす
ることができる。もっとも、テーパ形状を有する凸構造
では、先端部に平面部分を有することが好ましく、テー
パ形状を有する凹構造では、底部に平面部分を有するこ
とが好ましい。
【0027】 また、テーパ形状を有する凸構造又は凹
構造の場合には、排気管の端部が、これらの構造の斜面
に略対応した広がり形状又は狭まり形状を有することが
好ましい。
【0028】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、テーパ形状を有する凸構造又は凹構造を、貫通孔
が貫通している一の端面に設け、角柱形状、円柱形状等
の径方向の断面が同形状の凸構造又は凹構造を、貫通孔
が貫通している他の端面に設けてもよい。
【0029】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、ハニカム構造体の端面に設けられた凸構造の外周
側面、又は凹構造の内周側面が、セラミックス材料で被
覆されていることが好ましい。
【0030】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、ハニカム構造体が、異なる特性の材料からなる複
数のハニカム部により構成されていることが好ましく、
その際には、各ハニカム部で異なる材料特性が、気孔
率、平均細孔径、又は吸水率の少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0031】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、凸構造又は凹構造に対応するハニカム部が、その
他のハニカム部とは、異なる特性の材料により構成され
ていることが好ましく、凸構造、又は凹構造を有する端
面部分のハニカム部と、その他のハニカム部とが、それ
ぞれ直接接合して一体化されていることがより好まし
い。
【0032】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、各ハニカム部が、セル密度、隔壁厚さ、又は貫通
孔における径方向の断面形状の少なくとも1種における
セル構造で相違するものが好ましく、この際、異なるセ
ル構造の複数のハニカム部は、異なる特性の材料からな
る複数のハニカム部に、実質的に対応して設けられてい
ることが好ましい。
【0033】 本発明のキャニング構造体においては、
複数のハニカム部を構成する材料として、コーディエラ
イト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、リチ
ウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチタネー
ト、及びジルコニアからなる群より選ばれた少なくとも
1種を挙げることができる。
【0034】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、複数のハニカム部の一部を、隔壁に触媒能を有す
る金属を担持してなるものとしてもよく、隔壁に炭化水
素吸着能を有する吸着層を設けたものとしてもよい。ま
た、複数のハニカム部の一部が、濾過能を有する隔壁に
より貫通孔が形成され、所定の貫通孔については、貫通
孔が貫通する一の端面で目封じし、残余の貫通孔につい
ては、他方の端面で目封じしてなるものとして、含塵流
体中に含まれる粒子状物質を捕集・除去するフィルター
として用いられるものとしてもよい。
【0035】 また、本発明のキャニング構造体におい
ては、ケースが、一のハニカム部から流出した流体の流
路を変更して、他のハニカム部に導入する流路変更部材
を、有することが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ具体的に説明する。図1、図3又は図
5は、それぞれ凸構造を有する本発明のハニカム構造体
を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1の上面図で
ある。また、図4又は図6は、それぞれ凹構造を有する
本発明のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。
【0037】 図1〜図6に示すように、本発明のハニ
カム構造体10は、複数の隔壁2により、軸方向に、複
数の貫通孔3が形成されているハニカム構造体10であ
り、貫通孔3が貫通している少なくとも一の端面4に、
凸構造6、又は凹構造8を設けたものである。
【0038】 このような構造とすることより、後述す
る排気管を凸構造6又は凹構造8に装着したキャニング
構造体とすることができるため、長時間の使用によって
も、排ガス等の流体を所望の経路以外に漏洩することな
くハニカム構造体10の特定のハニカム部11、12を
経由させることができ、高い浄化性能等を発揮すること
ができる。以下、具体的に説明する。
【0039】 本発明における凸構造6又は凹構造8
は、貫通孔3が貫通している少なくとも一の端面4に設
けられるものであり、必要に応じ両端面4、5に設けて
もよい。
【0040】 また、本発明においては、凸構造6又は
凹構造8を設ける位置について特に制限はないが、流路
の接続上の観点から、中央部に凸構造6を設けるか、中
央部に凹構造8を設けることが好ましい。
【0041】 図1又は図4に示すように、本発明にお
ける凸構造6又は凹構造8は、ハニカム構造体10の径
方向における断面形状が、同一形状となる形状(例え
ば、円柱形状、角柱形状)を有するものでもよく、図
3、図5又は図6に示すように、凸構造6の外周側面
7、又は凹構造8の内周側面9が傾斜しているテーパ形
状を有するものでもよい。
【0042】 また、図3に示すように、テーパ形状を
有する凸構造6を設ける場合には、ハンドリング時にお
ける凸構造6の先端部16の損傷を防止することができ
る点で、凸構造6の先端部16に平面部分22を設ける
ことが好ましく、図6に示すように、テーパ形状を有す
る凹構造8を設ける場合には、ハニカム構造体10の有
効体積の観点から、底部17に平面部分22を設けるこ
とが好ましい。また、図3、図5、又は図6に示すよう
に、テーパ形状を有する凸構造6又は凹構造8では、凸
構造6又は凹構造8の斜面23の傾斜が緩やかである
と、排出管を特定のハニカム部11に当接して設けた
際、流体のシールが困難となるため、凸構造6又は凹構
造8のの斜面23により挟まれる角Aの角度を150度
以下することが好ましく、120度以下とすることがよ
り好ましい。
【0043】 また、図5に示すように、凸構造6の先
端部16に平面部分を設けずに、三角錐形状の凸構造6
とする場合は、凸構造6の強度上、斜面により挟まれる
先端部16の角Aの角度が60度以上となる形状とする
ことが好ましい。
【0044】 本発明においては、貫通孔が貫通する両
端面に凸構造又は凹構造を設ける場合には、ハニカム構
造体の軸方向と垂直の方向における断面形状が、同一形
状となる凸構造又は凹構造を両端面で設けてもよく、テ
ーパ形状を有する凸構造又は凹構造を、貫通孔が貫通し
ている一の端面で設け、ハニカム構造体の径方向におけ
る断面形状が、同一形状となる凸構造又は凹構造を、貫
通孔が貫通している他の端面で設けてもよい。また、本
発明における凸構造又は凹構造が、径方向で同一形状と
ならないその他の形状としてもよいことはいうまでもな
い。
【0045】 本発明においては、図1に示すように、
段差を形成する凸構造6を有するハニカム構造体10で
は、端面4の段差Bは、2mm以上であることが好まし
く、5mm以上であることがより好ましい。段差Bがこ
の範囲であれば、後述する排気管を、容易に装着するこ
とができ、かつ振動下でも確実に装着状態を維持するこ
とができる。一方、端面4の段差Bは、凸構造6に充分
な強度を付与するためには、凸構造6の根元部16にお
ける内接円の直径以下であることが好ましい。
【0046】 また、本発明においては、図4に示すよ
うに、段差を形成する凹構造8を有するハニカム構造体
10では、端面4の段差Bは、図1に示す凸構造6を有
するハニカム構造体10と同様の観点から2mm以上と
することが好ましく、5mm以上であることがより好ま
しい。一方、ハニカム構造体の有効体積の観点からは、
凹構造8の根元部17における内接円の直径以下である
ことが好ましい。
【0047】 本発明における凸構造6又は凹構造8を
形成する方法としては、例えば、円柱形状若しくは角柱
形状の第一のハニカム部と、中空円筒形状の第二のハニ
カム部とを、軸方向の長さを異ならせて作製し、次い
で、両ハニカム部を接合材等で接合する方法、又は円柱
形状若しくは角柱形状のハニカム構造体を作製し、次い
で、成形後又は焼成後に、貫通孔が貫通する端面を、切
削して、凸構造若しくは凹構造を形成する方法等を挙げ
ることができる。
【0048】 本発明においては、特定のハニカム部に
導入した排ガス等の流体が、所望の経路外に漏れ出てく
ることを防止するために、図1、図4等に示すような貫
通孔3が貫通する端面4に設けられた凸構造6の外周側
面7、又は凹構造8の内周側面9が、被覆材で覆われて
いることが好ましい。
【0049】 この際、被覆材としては、耐熱性や耐剥
離性に優れる特性のものが好ましく、例えば、被覆しよ
うとするハニカム部を構成する材料と、セラミックファ
イバーと、コロイド状酸化物(コロイダルシリカ、コロ
イダルアルミナ等)とを主成分とするものが好ましい。
【0050】 本発明においては、ハニカム構造体10
を構成する材料について特に制限はないが、図2に示す
ように、各ハニカム部11、12毎に異なる性能を付与
するハニカム構造体10とする場合には、各ハニカム部
11、12で求められる性能を充分に発揮させるため
に、異なる特性の材料からなる複数のハニカム部11、
12により構成させることが好ましい。この際、各ハニ
カム部11、12は、必ずしも貫通孔3が貫通する端面
に設けられた凸構造6又は凹構造8に対応して設ける必
要はないが、図1又は図4に示すような径方向の断面が
同一形状の凸構造6又は凹構造8を設けた場合には、各
ハニカム部11、12の性能に応じて、適切な流体経路
を構築させる点で、凸構造6又は凹構造8に対応して、
各ハニカム部11、12を設けることが好ましい。
【0051】 一方、図3、図5又は図6に示すような
テーパ形状の凸構造6又は凹構造8を設けた場合には、
各ハニカム部11、12の性能に応じて適切な流体経路
を構築させる点、及び排気管を当接した際のシール性を
向上させる点で、テーパ形状の斜面23のいずれかの位
置(斜面23であれば、具体的な位置は、設計等により
任意に決定すればよい)を境界に、各ハニカム部11、
12を設けることが好ましい。
【0052】 図1〜図6に示すようなハニカム部1
1、12を構成する材料の特性としては、例えば、気孔
率、平均細孔径、吸水率、又は比熱等を挙げることがで
き、本発明では、これらの特性の少なくとも1種を、各
ハニカム部11、12で求められる濾過、吸着、触媒担
持、熱交換等の性能に応じて、異なるものとすることが
好ましい。
【0053】 例えば、触媒体又は吸着体として用いら
れるハニカム部12では、気孔率を20〜40%、平均
細孔径を1〜80μm、吸水率を1〜40%とすること
が好ましく、気孔率を25〜35%、平均細孔径を1〜
60μm、吸水率を4〜35%とすることがより好まし
い。
【0054】 また、例えば、フィルターとして用いら
れるハニカム部11では、気孔率を40〜80%、平均
細孔径を5〜45μmとすることが好ましく、気孔率を
40〜70%、平均細孔径を10〜40μmとすること
がより好ましい。
【0055】 また、如何なる性能を付与するハニカム
部11、12であっても、ハニカム構造体10の軽量
化、及び強度を考慮すると、それぞれ、気孔率を5〜8
0%、平均細孔径を0.5〜100μm、吸水率を1〜
95%とすることが好ましく、それぞれ、気孔率を25
〜70%、平均細孔径を1〜60μm、吸水率を4〜9
2%とすることがより好ましい。
【0056】 なお、本発明おいては、各ハニカム部1
1、12を構成する材料の種類について特に制限はな
く、例えば、コーディエライト、金属シリコン、炭化珪
素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、リチウムアルミニ
ウムシリケート、アルミニウムチタネート、又はジルコ
ニアからなる群より選ばれた少なくとも1種により構成
させることができる。また、本発明においては、各ハニ
カム部11、12を、異なる種類の材料により構成させ
ることにより、各ハニカム部11、12の材料の特性を
異ならしめてもよく、同一種類の材料により各ハニカム
部を構成させながら、各ハニカム部11、12の材料の
特性を異ならしめてもよい。後者の場合としては、例え
ば、同一種類の材料で構成させながら、気孔率、細孔径
等を異ならしめたものを挙げることができ、例えば、原
料中に結晶成長助剤、造孔材等を添加することにより、
このようなハニカム構造体とすることができる。
【0057】 図2に示すように、本発明のハニカム構
造体10においては、上述した異なる特性の材料からな
る複数のハニカム部11、12により構成させることの
他、求められる各ハニカム部の性能に応じて、例えば、
セル密度、隔壁厚さ、又は貫通孔における径方向の断面
形状等のセル構造における少なくとも1種が異なる複数
のハニカム部13、14により構成させることも好まし
い。
【0058】 例えば、触媒体又は吸着体として用いら
れるハニカム部12では、それぞれ、セル密度を0.4
65〜3.101セル/mm2(300〜2000セル
/平方インチ)、隔壁厚さを25〜300μm、貫通孔
における径方向の断面形状を三角形、四角形、六角形、
又は円形とすることが好ましく、それぞれセル密度を
0.930〜3.101セル/mm2(600〜200
0セル/平方インチ)、隔壁厚さを25〜100μmと
することがより好ましい。
【0059】 また、例えば、フィルターとして用いら
れるハニカム部11では、それぞれ、セル密度を、0.
155〜0.620セル/mm2(100〜400セル
/平方インチ)、隔壁厚さを100〜500μm、貫通
孔における径方向の断面形状を三角形、四角形、又は六
角形とすることが好ましく、それぞれ、セル密度を、
0.236〜0.465セル/mm2(150〜300
セル/平方インチ)、隔壁厚さを200〜300μm、
貫通孔における径方向の断面形状を四角形とすることが
より好ましい。
【0060】 また、如何なる性能を付与するハニカム
部11、12であっても、ハニカム構造体10の軽量
化、及び強度を考慮すると、それぞれ、セル密度を0.
155〜3.101セル/mm2(100〜2000セ
ル/平方インチ)、隔壁厚さを25〜500μmとする
ことが好ましく、それぞれ、セル密度を0.236〜
3.101セル/mm2(150〜2000セル/平方
インチ)、隔壁厚さを25〜300μmとすることがよ
り好ましい。また、貫通孔の径方向の断面形状として
は、例えば、三角形、四角形、六角形、楕円形、又は円
形等を挙げることができる。
【0061】 図2に示すように、本発明においては、
各ハニカム部11、12で求められる高い性能を発揮さ
せるためには、異なるセル構造を有する複数のハニカム
部13、14を、前述した異なる特性の材料からなる複
数のハニカム部11、12に、実質的に対応させて設け
ることが好ましい。
【0062】 具体的には、異なるセル構造を設けた各
ハニカム部13、14の境界と、異なる特性の材料から
なる各ハニカム部11、12の境界の差が、10セル以
内であることが好ましく、7セル以内であることがより
好ましく、5セル以内であることが更に好ましく、3セ
ル以内であることが特に好ましい。
【0063】 本発明において上述したセル構造とする
場合には、例えば、押出し成形機の口金として、求めら
れるセル構造に応じて、セルブロックピッチ、スリット
幅、又はセルブロックの押出し方向に対する垂直方向の
断面形状の少なくとも1種が異なるものを用いて、押出
し成形する方法を挙げることができる。
【0064】 本発明のハニカム構造体においては、上
述した複数のハニカム部を、接合材を介して一体化した
ものでもよいが、図1〜6に示すように、それぞれ直接
接合して一体化したものが好ましい。
【0065】 これにより、例えば、各ハニカム部1
1、12を同質の主結晶からなるものとすれば、接合部
に集中する応力を低減して耐衝撃性、耐熱衝撃性等を向
上させることができる。また、別々に製造したものを、
寸法を合わせて接合するという必要がなく、製造工程を
簡素化することができ、更に、接合材を配設しない分、
ハニカム構造体の有効面積を増大させることができる。
【0066】 複数のハニカム部11〜14を、直接接
合して一体化する方法としては、セラミックス材料を主
成分とする原料として、焼成後の特性が異なる複数の材
料からなるものを用い、この複数の材料を、それぞれ異
なる混練機構により、媒質と混練して複数の坏土を得、
この複数の坏土を、それぞれ口金の異なる位置に導入し
た後、複数の坏土を同時に押出して、ハニカム構造体を
一体的に成形する方法を挙げることができる。
【0067】 また、異なる特性の材料からなる複数の
坏土を、それぞれ口金の異なる位置に導入した後、同時
に押出しする方法としては、特性が異なる材料からなる
複数の坏土を、予め、一体として複数の材料からなる複
合坏土を作製し、この複合坏土を押出しする方法を挙げ
ることができる。この際、この複合坏土は、例えば一の
材料からなる一の坏土の周囲に、一の坏土とは異なる特
性の材料からなる他の坏土を、配設して一体とすること
により得ることができる。
【0068】 図1〜6に示すような本発明におけるハ
ニカム構造体10では、求められる性能に応じて、上述
した各ハニカム部11、12に種々の付加物を設けるこ
とが好ましい。
【0069】 例えば、触媒担体としての性能を付与す
る場合であれば、その性能を付与するハニカム部11、
12の隔壁2に、触媒能を有する金属を担持することが
好ましく、この際、触媒能を有する金属しては、例え
ば、Pt、Pd、Rh等を挙げることができる。
【0070】 同様に、炭化水素等の吸着体としての性
能を付与する場合には、その性能を付与するハニカム部
11、12の隔壁2に、炭化水素等を吸着する吸着層を
設けることが好ましい。この際、吸着層しては、例え
ば、ゼオライト、活性炭等からなる層を挙げることがで
き、中でも、耐熱性の点でゼオライトを主成分とする層
が好ましい。また、ゼオライトとしては、天然品、合成
品何れのものでも用いることができるが、Si/Alモ
ル比が、40以上のものが好ましく、例えば、ZSM−
5、USY、β−ゼオライト、シリカライト、メタロシ
リケート等を好適に挙げることができる。なお、これら
ゼオライトは、種々の分子サイズの炭化水素等を吸着す
るためには、二種以上組合わせて用いることが好まし
い。
【0071】 更に、図1に示すように、フィルターと
しての性能を付与する場合には、その性能を付与するハ
ニカム部11の隔壁2を、前述した好適な特性を有する
材料からなり、高い濾過能を発揮し得るものとし、この
隔壁2により形成される貫通孔3を、貫通孔3が貫通す
る両端面4、5で、所定の貫通孔3aについては一方の
端面4で目封じし、残余の貫通孔(図示せず)について
は他方の端面5で目封じして構成させることが好まし
い。これにより、含塵流体中に含まれる粒子状物質を捕
集・除去するフィルターとして用いることができる。
【0072】 なお、本発明における各ハニカム部1
1、12は、これらの性能に限らず、その用途に応じて
種々の性能を付与すればよいことはいうまでもない。
【0073】 また、本発明のハニカム構造体10にお
いては、構造体自体の形状については特に制限はなく、
例えば、径方向の断面形状が三角形、長方形、正方形、
菱形、台形、楕円、円形、トラックサークル形状、半楕
円形、又は半円形等のものを挙げることができる。
【0074】 次に、本発明のキャニング構造体につい
て説明する。図7は、凸構造を有するハニカム構造体
を、ケースに把持した本発明のキャニング構造体を模式
的に示す半断面図であり、図8は、凹構造を有するハニ
カム構造体をケースに把持した本発明のキャニング構造
体を模式的に示す半断面図であり、図9は、テーパ形状
の凸構造を有するハニカム構造体を、ケースに把持した
本発明のキャニング構造体を模式的に示す半断面図であ
る。また、図10は、回転翼部材を設けた本発明のキャ
ニング構造体を模式的に示す一部半断面図である。
【0075】 図7〜9に示すように、本発明のキャニ
ング構造体41は、複数の隔壁により、軸方向に、複数
の貫通孔が形成されているハニカム構造体10と、この
ハニカム構造体10を内部に把持し、かつハニカム構造
体10の一部を構成するハニカム部11に対応して配設
される排気管34を有するケース30とを備えるキャニ
ング構造体41であって、ハニカム構造体10が、貫通
孔3が貫通している少なくとも一の端面4に、凸構造6
又は凹構造8を有し、排気管34の端部35が、この凸
構造6又は凹構造8に装着されているものである。
【0076】 このような構造とすることより、排ガス
等の流体を、長時間の使用によっても、所望の経路以外
に漏洩することなく、ハニカム構造体10の特定のハニ
カム部11、12に導入することができ、高い浄化性能
等を発揮することができる。以下、具体的に説明する。
【0077】 本発明のキャニング構造体41を構成す
るケース30は、ハニカム構造体10を内部に把持し、
かつハニカム構造体10の一部を構成するハニカム部1
1に対応して配設される排気管34を有するものであ
り、この排気管34の外壁とケース30本体の内壁とで
形成される流体導入路37を介して、流体が、特定の一
のハニカム部12に導入され、後述する流路変更部材3
8等により、更に、特定の他のハニカム部11に導入さ
れた後、特定の他のハニカム部11に当接する排気管3
4を介して、浄化、熱交換等を終えた流体が排出され
る。
【0078】 図9に示すように、本発明における排気
管34は、凸構造6又は凹構造(図示せず)に、直接、
排気管の端部を装着させてもよく、この際には、流体の
漏洩をより完全に防止するために、排気管34の端部3
5を、その弾性力を利用して付勢させて、凸構造6の外
周側面7又は凹構造の内周側面に圧接させることが好ま
しい。
【0079】 また、図7及び図8に示すように、排気
管34の端部35を、凸構造6又は凹構造8に、把持材
36を介して、装着させることも、流体の漏洩をより完
全に防止することができる点、及び排気管34とハニカ
ム構造体10の擦れによるハニカム構造体の損傷を防止
することができる点で好ましい。この際、把持材36と
しては、例えば、アルミナ、ムライト等からなるセラミ
ックスマット、又はステンレス等からなる金属メッシュ
等を挙げることができる。
【0080】 また、図9に示すように、ハニカム構造
体10に設けられた凸構造6又は凹構造(図示せず)
が、テーパ形状を有する場合には、排気管34の端部3
5を、テーパ形状を有する凸構造6又は凹構造の傾斜面
に略対応する広がり形状又は狭まり形状とすることが好
ましい。
【0081】 これにより、傾斜面と、排気管端部との
接触面積が大きくなり、低コストで作製可能な簡単な構
造で、流体のシール性を向上させることができる。
【0082】 図7〜10に示すように、本発明のキャ
ニング構造41においては、ケース30が、一のハニカ
ム部12から流出した流体の流路を変更して、他のハニ
カム部11に導入する流路変更部材38を有することが
好ましい。
【0083】 この際、流路変更部材38としては、図
7〜9に示すように、流体の流れに対して障壁となる板
状部材38A、又は図10に示すように、流体の流れを
利用して回転することにより旋回流を与える回転翼部材
38B等を挙げることができる。
【0084】 前者の流路変更部材38Aでは、簡単な
構造で、流体の流路を変更することができ、後者の流路
変更部材38Bでは、排ガス等の流体中に尿素等の還元
剤等を添加する場合に、得られる旋回流を利用して排ガ
ス等の流体と添加物とを混和することができるととも
に、流速分布の異なる流体の流速を均一化することもで
きる。なお、前者の流路変更部材38Aとしては、図7
〜9に示すように、ケース30内壁を曲面等の所望の形
状として流路変更部材38Aとしての機能を兼備させた
ものでもよく、別途、ケース内に流路変更部材を設けた
もの(図示せず)でもよい。
【0085】 また、本発明のキャニング構造体41に
おいては、その用途によって、最初に、排ガスを一のハ
ニカム部11へ導入し、その後、他のハニカム部12へ
導入させる構成としてもよいことはいうまでもない。
【0086】 なお、本発明のキャニング構造体を構成
するハニカム構造体については、本発明のハニカム構造
体で述べたものと同様であり、ここではその説明を省略
する。
【0087】
【実施例】 以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもので
はない。なお、各実施例及び比較例で得られたハニカム
構造体の評価は、以下の方法等により行った。
【0088】(評価方法) 1.平均細孔径 マイクロメリティック社製の水銀圧入式ポロシメーター
で測定した。 2.気孔率 ハニカム構造体の構成材料の真比重と、全細孔容積から
計算で求めた。また、細孔容積は、マイクロメリティッ
ク社製の水銀圧入式ポロシメーターで測定した。 3.吸水率 JIS R2205に記載の方法により測定した。 4.加熱振動試験 以下に、示す条件下で、各実施例及び比較例のキャニン
グ構造体を加熱振動した後、排気管の装着状態を目視で
確認した。 (1)キャニング構造体入口ガス温度:900℃×5分
−100℃×5分を1サイクルとして繰り返し変化させ
た。 (2)振動:200Hz、30Gで、貫通孔の貫通方向
と垂直方向に振動させた。 (3)試験時間:20時間行った。
【0089】(実施例及び比較例) 実施例1 まず、セラミックス原料として、それぞれ焼成後の特性
が異なるコーディエライト化材料からなる第一のセラミ
ックス原料と、第二のセラミックス原料とをそれぞれ調
製した。
【0090】 次いで、各セラミックス原料を、媒質と
して用いた水とともに、それぞれ異なる真空土練機に投
入して、各セラミックス原料と水との混練、成形を行
い、直径150mmの円柱形状を有する第一のセラミッ
クス原料からなる坏土と、幅475mm、厚さ40mm
の平板状を有する第二のセラミックス原料からなる坏土
を得た。
【0091】 次いで、円柱形状を有する第一のセラミ
ックス原料からなる坏土の周囲に、平板状を有する第二
のセラミックス原料からなる坏土を巻き付けて一体化し
た複合坏土を作製した。
【0092】 次いで、得られた円柱状の複合坏土を、
直径120mmの中央部と、その外周部でセル構造が異
なる口金を配設したラム式押出成形機に投入して押出し
成形を行い、ハニカム構造体と同心の直径120mmの
中央部に第一のセラミックス原料からなる第一のハニカ
ム部を、中央部に隣接する外周部に第二のセラミックス
原料からなる第二のハニカム部を設けた成形体を作製し
た。
【0093】 次いで、加工後の成形体を熱風及びマイ
クロ波により乾燥し、次いで中央部に設けられた第一の
ハニカム部の貫通孔を、貫通する両端面で互い違いに目
封じした後、焼成した。
【0094】 次いで、得られた焼成体の一の端面を、
切削して、端面の中央部に、第一のハニカム部に対応さ
せて、ハニカム構造体と同心の外径120mm、高さ5
0mmの円柱状の凸構造を設け、この凸構造の外周側面
をセメント材で被覆した。
【0095】 次いで、外周部に設けられた第二のハニ
カム部の隔壁にPtを主成分とする触媒を担持して、一
の端面に凸構造を有する長さ203mm、直径190m
mのハニカム構造体を得た。
【0096】 得られたハニカム構造体の特性を調査し
たところ、中央部に設けた第一のハニカム部では、平均
細孔径30μm、吸水率91%、気孔率70%、隔壁厚
さ0.25mm、セル密度0.465セル/mm2(3
00セル/平方インチ)、貫通孔の径方向の断面形状が
四角形であり、外周部に設けた第二のハニカム部では、
平均細孔径5μm、吸水率17%、気孔率30%、隔壁
厚さ0.1mm、セル密度0.93セル/mm2(60
0セル/平方インチ)、貫通孔の径方向の断面形状が四
角形であった。
【0097】 また、図7に示すように、このハニカム
構造体10の凸構造6に、ムライト繊維からなる非熱膨
張性セラミックスマット36を介して、メタルケースに
内設されている排気管(2400ccのディーゼルエン
ジン用)を装着してキャニング構造体41を作製した。
【0098】 このキャニング構造体41を排ガス浄化
装置として使用したところ、排ガスが、所望の流路から
漏洩することなく、外周部に設けた第二のハニカム部
(NOをNO2に変換する触媒体として機能する)1
2、及び中央部に設けた第一のハニカム部(排ガス中の
粒子状物質を捕集・除去するフィルターとして機能す
る)11を順に通過し、優れた排ガス浄化性能が認めら
れた。また、このキャニング構造体41について加熱振
動試験を行ったところ、排気管34のずれ、ハニカム構
造体10の損傷等は全く認められなかった。なお、図7
中の矢印は、排ガスの進行方向を示す。
【0099】実施例2 まず、セラミックス原料として、それぞれ焼成後の特性
が異なる炭化珪素材料からなる第一のセラミックス原料
と第二のセラミックス原料とをそれぞれ調製した。
【0100】 次いで、各セラミックス原料を、媒質と
して用いた水とともに、それぞれ異なる真空土練機に投
入して、各セラミックス原料と水との混練、成形を行
い、直径90mmの円柱形状を有する第一のセラミック
ス原料からなる坏土と、幅283mm、厚さ27mmの
平板状を有する第二のセラミックス原料からなる坏土を
得た。
【0101】 次いで、円柱形状を有する第一のセラミ
ックス原料からなる坏土の周囲に、平板状を有する第二
のセラミックス原料からなる坏土を巻き付けて一体化し
た複合坏土を作製した。
【0102】 次いで、得られた円柱状の複合坏土を、
直径90mmの中央部と、その外周部でセル構造が異な
る口金を配設したラム式押出成形機に投入して押出し成
形を行い、ハニカム構造体と同心の直径90mmの中央
部に第一のセラミックス原料からなる第一のハニカム部
を、中央部に隣接する外周部に第二のセラミックス原料
からなる第二のハニカム部を設けた成形体を作製した。
【0103】 次いで、加工後の成形体を熱風及びマイ
クロ波により乾燥し、次いで中央部に設けられた第一の
ハニカム部の貫通孔を、貫通する両端面で互い違いに目
封じした後、焼成した。
【0104】 次いで、得られた成形体の一の端面を、
切削して、端面の中央部に、第一のハニカム部に対応さ
せて、ハニカム構造体と同心の外径90mm、深さ40
mmの円柱状の凹構造を設け、この凹構造の内周側面を
セメント材で被覆した。
【0105】 次いで、外周部に設けられた第二のハニ
カム部の隔壁にPtを主成分とする触媒を担持して、一
の端面に凹構造を有する長さ152mm、直径144m
mのハニカム構造体を得た。
【0106】 得られたハニカム構造体の特性を調査し
たところ、第一のセラミックス原料からなる第一のハニ
カム部では、平均細孔径10μm、気孔率45%、吸水
率27%、隔壁厚さ0.3mm、セル密度0.310セ
ル/mm2(200セル/平方インチ)、貫通孔の径方
向の断面形状四角形であり、第二のセラミックス原料か
らなる第二のハニカム部では、平均細孔径4μm、気孔
率20%、吸水率9%、隔壁厚さ0.15mm、セル密
度0.620セル/mm2(400セル/平方イン
チ)、貫通孔の径方向の断面形状は六角形であった。
【0107】 また、図8に示すように、このハニカム
構造体10の凹構造8に、ムライト繊維からなる非熱膨
張性セラミックスマット36を介して、メタルケース3
0に内設されている排気管(3000ccのディーゼル
エンジン用)を装着してキャニング構造体41を作製し
た。
【0108】 このキャニング構造体41を排ガス浄化
装置として使用したところ、排ガスが、所望の流路から
漏洩することなく、外周部に設けた第二のハニカム部
(NOをNO2に変換する触媒体として機能する)1
1、及び中央部に設けた第一のハニカム部(排ガス中の
粒子状物質を捕集・除去するフィルターとして機能す
る)12を順に通過し、優れた排ガス浄化性能が認めら
れた。また、このキャニング構造体41について加熱振
動試験を行ったところ、排気管34のずれ、ハニカム構
造体10の損傷等は全く認められなかった。なお、図8
中の矢印は、排ガスの進行方向を示す。
【0109】実施例3 実施例1において、押出し成形により得られた成形体の
一の端面を、切削して、傾斜が40度の斜面(斜面によ
り挟まれる先端部の角度が100度)を有し、かつ先端
部に直径80mmの平面部分を有するハニカム構造体と
同心のテーパ形状を有する凸構造を設けたこと、及びこ
の凸構造の外周側面をセメント材で被覆しなかったこと
以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を得た。
【0110】 また、図9に示すように、このハニカム
構造体10に設けた凸構造6の斜面23に、端部35が
この斜面23の傾斜に対応して屈曲した広がり形状を有
する内径120mmの排気管(3000ccのディーゼ
ルエンジン用)34を、ハニカム構造体10の中央部に
設けた第一のハニカム部(直径120mmで、第一のセ
ラミックス材料からなる)11に当接させて、キャニン
グ構造体41を作製した。
【0111】 このキャニング構造体41を使用したと
ころ、排ガスが、所望の流路から漏洩することなく、外
周部に設けた第二のハニカム部(NOをNO2に変換す
る触媒体として機能する)11、及び中央部に設けた第
一のハニカム部(排ガス中の粒子状物質を捕集・除去す
るフィルターとして機能する)12を順に通過し、優れ
た排ガス浄化性能が認められた。また、このキャニング
構造体41について加熱振動試験を行ったところ、排気
管のずれ、ハニカム構造体10の損傷等は全く認められ
なかった。なお、図9中の矢印は、排ガスの進行方向を
示す。
【0112】比較例1 貫通孔が貫通する両端面の何れにも凸構造又は凹構造を
設けなかったこと以外は実施例1と同様にしてハニカム
構造体、及び排ガス浄化装置を得た。得られた排ガス浄
化装置を使用したところ、使用初期では、特に問題は生
じなかったものの、加熱振動試験を行ったところ、排ガ
スの一部が、排ガス導入路から排ガス排出路側へ漏洩す
ることが認められた。また、加熱振動試験後に排気管の
ずれ等を確認したところ、3mmのずれが認められた。
【0113】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、特定部位毎に異なる複数の機能を兼備させた場合
に、長時間の使用によっても、排ガス等の流体を所望の
経路以外に漏洩することなく、所望の部位に導入して、
高い排ガス浄化、熱交換等の性能を発揮することがで
き、特に、排ガス浄化システム、熱交換器、固体電解質
電池、音響波動冷却装置等の熱音響機関等に好適なハニ
カム構造体、及びそれを用いたキャニング構造体を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のハニカム構造体における一の実施形
態を模式的に示す斜視図である。
【図2】 図1の上面図である。
【図3】 本発明のハニカム構造体における他の実施形
態を模式的に示す斜視図である。
【図4】 本発明のハニカム構造体における更に他の実
施形態を模式的に示す斜視図である。
【図5】 本発明のハニカム構造体における更に他の実
施形態を模式的に示す斜視図である。
【図6】 本発明のハニカム構造体における更に他の実
施形態を模式的に示す斜視図である。
【図7】 本発明のキャニング構造体における一の実施
形態を模式的に示す半断面図である。
【図8】 本発明のキャニング構造体における他の実施
形態を模式的に示す半断面図である。
【図9】 本発明のキャニング構造体における更に他の
実施形態を模式的に示す半断面図である。
【図10】 本発明のキャニング構造体における更に他
の実施形態を模式的に示す一部半断面図である。
【符号の説明】
2…隔壁、3(3a)…貫通孔、4、5…端面、6…凸
構造、7…外周側面、8…凹構造、9…内周側面、10
…ハニカム構造体、11〜14…ハニカム部、16…先
端部、17…底部、22…平面部分、23…斜面、30
…ケース(メタルケース)、34…排気管、35…端
部、36…把持材(非熱膨張性セラミックスマット)、
37…流体導入路、38…流路変更部材、38A…板状
部材、38B…回転翼部材、39…尿素添加用管路、4
1…キャニング構造体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月15日(2002.7.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項30
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 また、本発明においては、凸構造又は凹
構造に対応するハニカム部が、その他のハニカム部と
は、異なる特性の材料により構成されていることが好ま
しく、凸構造、又は凹構造に対応するハニカム部と、そ
の他のハニカム部とが、それぞれ直接接合して一体化さ
れていることがより好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 また、図3に示すように、テーパ形状を
有する凸構造6を設ける場合には、ハンドリング時にお
ける凸構造6の先端部16の損傷を防止することができ
る点で、凸構造6の先端部16に平面部分22を設ける
ことが好ましく、図6に示すように、テーパ形状を有す
る凹構造8を設ける場合には、ハニカム構造体10の有
効体積の観点から、底部17に平面部分22を設けるこ
とが好ましい。また、図3、図5、又は図6に示すよう
に、テーパ形状を有する凸構造6又は凹構造8では、凸
構造6又は凹構造8の斜面23の傾斜が緩やかである
と、排出管を特定のハニカム部11に当接して設けた
際、流体のシールが困難となるため、凸構造6又は凹構
造8の斜面23により挟まれる角Aの角度を150度以
することが好ましく、120度以下とすることがよ
り好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】 また、本発明のハニカム構造体10にお
いては、構造体自体の形状については特に制限はなく、
例えば、径方向の断面形状が三角形、長方形、正方形、
菱形、台形、楕円、円形、レーストラック形状、半楕円
形、又は半円形等のものを挙げることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】 このキャニング構造体41を排ガス浄化
装置として使用したところ、排ガスが、所望の流路から
漏洩することなく、外周部に設けた第二のハニカム部
(NOをNO2に変換する触媒体として機能する)
、及び中央部に設けた第一のハニカム部(排ガス中の
粒子状物質を捕集・除去するフィルターとして機能す
る)11を順に通過し、優れた排ガス浄化性能が認めら
れた。また、このキャニング構造体41について加熱振
動試験を行ったところ、排気管34のずれ、ハニカム構
造体10の損傷等は全く認められなかった。なお、図8
中の矢印は、排ガスの進行方向を示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正内容】
【0111】 このキャニング構造体41を使用したと
ころ、排ガスが、所望の流路から漏洩することなく、外
周部に設けた第二のハニカム部(NOをNO2に変換す
る触媒体として機能する)12、及び中央部に設けた第
一のハニカム部(排ガス中の粒子状物質を捕集・除去す
るフィルターとして機能する)11を順に通過し、優れ
た排ガス浄化性能が認められた。また、このキャニング
構造体41について加熱振動試験を行ったところ、排気
管のずれ、ハニカム構造体10の損傷等は全く認められ
なかった。なお、図9中の矢印は、排ガスの進行方向を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/02 F01N 3/20 N 4G069 3/20 3/28 P 3/28 311R 311 311S B01D 53/36 103B Fターム(参考) 3G090 AA02 AA06 CB22 3G091 AB01 AB10 AB13 BA07 BA09 BA21 CA11 GA06 GA12 GA16 GA19 GB13X GB15X GB17X HA11 HA14 HA18 HA25 4D012 CA12 CB02 CG01 CG02 4D019 AA01 BA05 BB06 CA01 CB06 4D048 AA06 AA14 AB01 BA03X BA06X BA10X BA30X BA42X BA45X BB02 BB08 CC25 CD05 4G069 AA01 AA03 AA08 BA13B BB15B BC75B BD05B CA03 CA07 CA13 DA06 EA03Y EA19 EC17Y FB67 FB74

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の隔壁により、軸方向に複数の貫通
    孔が形成されているハニカム構造体であって、 該貫通孔が貫通している少なくとも一の端面に、凸構造
    又は凹構造を備えることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 【請求項2】 該凸構造又は該凹構造が、該貫通孔が貫
    通している少なくとも一の端面の外周部又は中央部に設
    けられている請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 【請求項3】 該凸構造の段差が、2mm以上であり、
    かつ該凸構造の根元部における内接円の直径以下である
    請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 【請求項4】 該凹構造の段差が、2mm以上であり、
    かつ該凹構造の根元部における内接円の直径以下である
    請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  5. 【請求項5】 該凸構造又は該凹構造が、テーパ形状を
    有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構
    造体。
  6. 【請求項6】 該テーパ形状を有する凸構造が、先端部
    に平面部分を有する請求項5に記載のハニカム構造体。
  7. 【請求項7】 該テーパ形状を有する凹構造が、底部に
    平面部分を有する請求項5に記載のハニカム構造体。
  8. 【請求項8】 該テーパ形状を有する該凸構造又は該凹
    構造が、該貫通孔が貫通している一の端面に設けられ、
    径方向の断面が同形状の該凸構造又は該凹構造が、該貫
    通孔が貫通している他の端面に設けられている請求項4
    〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  9. 【請求項9】 該端面に設けられた凸構造の外周側面、
    又は該端面に設けられた凹構造の内周側面が、セラミッ
    クス材料で被覆されている請求項1〜8のいずれか一項
    に記載のハニカム構造体。
  10. 【請求項10】 ハニカム構造体が、異なる特性の材料
    からなる複数のハニカム部により構成されている請求項
    1〜9のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  11. 【請求項11】 各ハニカム部で異なる材料特性が、気
    孔率、平均細孔径、又は吸水率の少なくとも一種である
    請求項10に記載のハニカム構造体。
  12. 【請求項12】 ハニカム構造体が、異なるセル構造の
    複数のハニカム部により構成されている請求項1〜11
    のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  13. 【請求項13】 各ハニカム部で異なるセル構造が、セ
    ル密度、隔壁厚さ、又は該貫通孔における径方向の断面
    形状の少なくとも1種である請求項12に記載のハニカ
    ム構造体。
  14. 【請求項14】 該異なるセル構造の複数のハニカム部
    が、該異なる特性の材料からなる複数のハニカム部に、
    実質的に対応して設けられている請求項12又は13に
    記載のハニカム構造体。
  15. 【請求項15】 該複数のハニカム部が、それぞれ直接
    接合して一体化されている請求項10〜14のいずれか
    一項に記載のハニカム構造体。
  16. 【請求項16】 該ハニカム部を構成する材料が、コー
    ディエライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライ
    ト、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチ
    タネート、及びジルコニアからなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項10〜15のいずれか一項に記
    載のハニカム構造体。
  17. 【請求項17】 該複数のハニカム部の一部が、該隔壁
    に触媒能を有する金属を担持してなる請求項10〜16
    のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  18. 【請求項18】 該複数のハニカム部の一部が、該隔壁
    に炭化水素を吸着する吸着層を有する請求項10〜17
    のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  19. 【請求項19】 該複数のハニカム部の一部が、濾過能
    を有する隔壁により構成され、該濾過能を有する隔壁に
    より形成される貫通孔を、該貫通孔が貫通する両端面
    で、所定の貫通孔については一方の端面で目封じし、残
    余の貫通孔については他方の端面で目封じしてなる請求
    項10〜18のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  20. 【請求項20】 含塵流体中に含まれる粒子状物質を捕
    集・除去するフィルターとして用いられる請求項19に
    記載のハニカム構造体。
  21. 【請求項21】 複数の隔壁により、軸方向に、複数の
    貫通孔が形成されているハニカム構造体と、該ハニカム
    構造体を内部に把持し、かつ該ハニカム構造体の一部を
    構成するハニカム部に対応して配設される排気管を有す
    るケースとを備えるキャニング構造体であって、 該ハニカム構造体が、該貫通孔が貫通している少なくと
    も一の端面に、凸構造又は凹構造を有し、該排気管の端
    部が、該凸構造又は該凹構造に装着されていることを特
    徴とするキャニング構造体。
  22. 【請求項22】 該排気管の端部が、該凸構造又は該凹
    構造に、把持材を介して、装着されている請求項21に
    記載のキャニング構造体。
  23. 【請求項23】 該凸構造又は該凹構造が、該貫通孔が
    貫通している少なくとも一の端面の、外周部又は中央部
    に設けられている請求項21又は22に記載のキャニン
    グ構造体。
  24. 【請求項24】 該凸構造の段差が、2mm以上であ
    り、かつ該凸構造の根元部における内接円の直径以下で
    ある請求項21〜23のいずれか一項に記載のキャニン
    グ構造体。
  25. 【請求項25】 該凹構造の段差が、2mm以上であ
    り、かつ該凹構造の根元部における内接円の直径以下で
    ある請求項21〜23のいずれか一項に記載のキャニン
    グ構造体。
  26. 【請求項26】 該凸構造又は該凹構造が、テーパ形状
    を有する請求項21〜25のいずれか一項に記載のキャ
    ニング構造体。
  27. 【請求項27】 該テーパ形状を有する凸構造が、先端
    部に平面部分を有する請求項26に記載のキャニング構
    造体。
  28. 【請求項28】 該テーパ形状を有する凹構造が、底部
    に平面部分を有する請求項26に記載のキャニング構造
    体。
  29. 【請求項29】 該テーパ形状を有する該凸構造又は該
    凹構造が、該貫通孔が貫通している一の端面に設けら
    れ、径方向の断面が同形状の該凸構造又は該凹構造が、
    該貫通孔が貫通している他の端面に設けられている請求
    項26〜28のいずれか一項に記載のキャニング構造
    体。
  30. 【請求項30】 該排気管の端部が、該テーパ形状を有
    する該凸構造又は該凹構造の斜面に略対応した広がり形
    状又は狭まり形状を有する請求項21〜29のいずれか
    一項に記載のキャニング構造体。
  31. 【請求項31】 該ハニカム構造体の該端面に設けられ
    た該凸構造の外周側面、又は該凹構造の内周側面が、セ
    ラミックス材料で被覆されている請求項21〜30のい
    ずれか一項に記載のキャニング構造体。
  32. 【請求項32】 該ハニカム構造体が、異なる特性の材
    料からなる複数のハニカム部により構成されている請求
    項21〜31のいずれか一項に記載のキャニング構造
    体。
  33. 【請求項33】 該複数のハニカム部で異なる材料の特
    性が、気孔率、平均細孔径、又は吸水率の少なくとも1
    種である請求項32に記載のキャニング構造体。
  34. 【請求項34】 該ハニカム構造体が、異なるセル構造
    の複数のハニカム部により構成されている請求項21〜
    33のいずれか一項に記載のキャニング構造体。
  35. 【請求項35】 該複数のハニカム部で異なるセル構造
    が、セル密度、隔壁厚さ、又は該貫通孔における径方向
    の断面形状の少なくとも1種である請求項34に記載の
    キャニング構造体。
  36. 【請求項36】 該異なるセル構造の複数のハニカム部
    が、該異なる特性の材料からなる複数のハニカム部に、
    実質的に対応して設けられている請求項34又は35に
    記載のキャニング構造体。
  37. 【請求項37】 該複数のハニカム部が、それぞれ直接
    接合して一体化されている請求項32〜36のいずれか
    一項に記載のキャニング構造体。
  38. 【請求項38】 該ハニカム部を構成する材料が、コー
    ディエライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライ
    ト、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチ
    タネート、及びジルコニアからなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項32〜37のいずれか一項に記
    載のキャニング構造体。
  39. 【請求項39】 該複数のハニカム部の一部が、該隔壁
    に触媒能を有する金属を担持してなる請求項32〜38
    のいずれか一項に記載のキャニング構造体。
  40. 【請求項40】 該複数のハニカム部の一部が、該隔壁
    に炭化水素を吸着する吸着層を有する請求項32〜39
    のいずれか一項に記載のキャニング構造体。
  41. 【請求項41】 該複数のハニカム部の一部が、濾過能
    を有する隔壁により構成され、該濾過能を有する隔壁に
    より形成される貫通孔を、該貫通孔が貫通する両端面
    で、所定の貫通孔については一方の端面で目封じし、残
    余の貫通孔については他方の端面で目封じしてなる請求
    項32〜40のいずれか一項に記載のキャニング構造
    体。
  42. 【請求項42】 該複数のハニカム部の一部が、含塵流
    体中に含まれる粒子状物質を捕集・除去するフィルター
    として用いられる請求項41に記載のキャニング構造
    体。
  43. 【請求項43】 該ケースが、更に、一のハニカム部か
    ら流出した流体の流路を変更して、他のハニカム部に導
    入する流路変更部材を有する請求項32〜42のいずれ
    か一項に記載のキャニング構造体。
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