JP2003024713A - 汚泥沈澱槽における高濃縮汚泥流動化装置及び高濃縮汚泥排出方法 - Google Patents

汚泥沈澱槽における高濃縮汚泥流動化装置及び高濃縮汚泥排出方法

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JP2003024713A
JP2003024713A JP2001219664A JP2001219664A JP2003024713A JP 2003024713 A JP2003024713 A JP 2003024713A JP 2001219664 A JP2001219664 A JP 2001219664A JP 2001219664 A JP2001219664 A JP 2001219664A JP 2003024713 A JP2003024713 A JP 2003024713A
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air
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air discharge
tank
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Masaru Miyamoto
勝 宮本
Toshihiro Wada
敏博 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥処理施設において汚泥沈澱槽内で濃縮さ
せた汚泥を排出するのに、従来では汚泥を高濃縮状態
(例えば汚泥濃度が5〜6%)で取り出すことができ
ず、しかも均一濃度の汚泥を取り出ことができなかっ
た。 【解決手段】 汚泥沈澱槽1の底部付近に横向き姿勢で
設置された空気噴出穴24つきの空気吐出管23と、空
気吐出管23に接続された空気導入管22と、空気導入
管22を通して空気吐出管23内に圧縮空気を供給する
空気ポンプ21とを有する空気供給装置2を備え、空気
ポンプ21からの圧縮空気を空気吐出管23の各空気噴
出穴24から槽底部付近11に噴出させることで汚泥沈
澱槽1内の高濃縮汚泥を撹拌して流動させ得るようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、上水や下水、あ
るいは産業廃水等の水処理に使用される汚泥沈澱槽にお
いて、槽底部に沈殿する汚泥を高濃縮状態で排水ポンプ
により吸引排出し得るようにするための高濃縮汚泥流動
化装置及び高濃縮汚泥排出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上水道施設では、原水から汚泥を除去し
た清浄な水を水道水として利用するが、汚泥成分が混入
している汚泥水は汚泥沈澱槽内に収容して、そこで汚泥
成分を沈降(濃縮)させる。そして、槽底部付近で濃縮
している濃縮汚泥は、汚泥沈澱槽から排水ポンプで汲み
出して脱水・乾燥させた後、その乾燥汚泥を廃棄処理
(例えば埋立て土として処理)するようにしている。
【0003】従来では、汚泥水を汚泥沈澱槽内で濃縮さ
せるのに、例えば図14に示すように行っていた。即
ち、図14には上水道施設での汚泥処理方法を示してい
るが、この汚泥処理施設では、清水から分離させた第1
次汚泥水W1(極めて低濃度)を第1次汚泥沈澱槽1A
内に収容して、汚泥成分を所定時間自然沈降させる。次
に、その第1次汚泥沈澱槽1Aの底部付近11Aにある
濃度がやや高くなった第2次汚泥水W2を排水ポンプ7
Aで吸引して第2次汚泥沈澱槽1B内に移し入れ、そこ
で同様に汚泥成分を所定時間自然沈降させる。続いて、
その第2次汚泥沈澱槽1Bの底部付近11Bにある濃度
がかなり高くなった第3次汚泥水W3を排水ポンプ7B
で最終の汚泥沈澱槽1に移し入れて、そこで汚泥成分を
自然沈降させる。
【0004】ところで、最終汚泥沈澱槽1内でも、汚泥
成分を自然沈降させて槽底部付近11に高濃度の汚泥を
生成させ、その高濃縮汚泥を排水ポンプ7で吸引して排
出するが、最終汚泥沈澱槽1内には、第2次汚泥沈澱槽
1Bの底部付近11Bからのかなり高濃度(例えば汚泥
濃度が1%程度)の第3次汚泥水W3が供給されている
ので、そのまま汚泥成分を自然沈降させると、汚泥成分
が槽底部付近11に比較的短日数で堆積し、該汚泥成分
が排水ポンプ7で吸い出せない程度まで凝縮してしま
う。尚、このように汚泥成分が排水ポンプ7で吸い出せ
ないほど凝縮してしまうと、その凝縮汚泥を排水ポンプ
で吸い出せるまで流動化させるのに面倒な作業が必要に
なる。例えば、給水パイプを槽底部付近11まで差し込
んで該槽底部付近に高圧水を注入し、該高圧水で汚泥の
凝縮状態を破壊するとともに、槽底部付近の汚泥濃度を
希釈させる作業が行われる。尚、流動化のために注水す
ると、折角、槽底部付近11で濃縮させた高濃縮汚泥の
濃度が供給水で薄められてしまう。
【0005】図14及び図15に示す従来の汚泥処理施
設では、汚泥成分が槽底部付近11で過度に凝縮するの
を防止するために、槽底部付近11を撹拌装置8で常時
ゆっくり撹拌するようにしている。この撹拌装置8は、
軸棒82の下端部に取付けた撹拌翼83,83をモータ
(減速機つき)81によって回転させるようにしたもの
を使用し、該撹拌翼83,83を槽底部付近11で連続
して非常にゆっくり回転させるようにしている。尚、こ
の撹拌翼83,83の回転は、槽底部付近11で汚泥成
分が凝縮するのを防止する程度の極めて低スピード(例
えば毎分1回転程度のスピード)で行われ、汚泥沈澱槽
1内の汚泥水が上下に撹拌させるのを極力防止するよう
にしている。
【0006】そして、この従来の汚泥処理施設では、槽
底部付近11で撹拌翼83,83を非常にゆっくりと回
転させながら、汚泥沈澱槽1内で汚泥水中の汚泥成分を
所定日数だけ自然沈降させて、槽底部付近11に高濃縮
汚泥を生成させた後、その高濃縮汚泥を排水ポンプ7で
吸引・排出する。尚、汚泥沈澱槽1から取り出した濃縮
汚泥は後で脱水・乾燥させるが、該濃縮汚泥を高濃縮で
取り出すほど処理効率がよくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図14及び
図15に示す従来の汚泥処理施設では、次のような問題
があった。
【0008】まず、汚泥沈澱槽1内で汚泥成分を自然沈
降させている間も、撹拌翼83,83で槽底部付近11
を常時撹拌しているので、汚泥沈澱槽1内での汚泥成分
の分離(沈降)に長時間が必要となって、1回当たりの
処理時間が長くなる。尚、撹拌翼83,83の回転を停
止したままで汚泥成分を沈降させると、該汚泥成分が槽
底部付近で過度に凝縮してしまい、後で撹拌翼83,8
3を回転できなくなったり、排水ポンプ7で吸引できな
くなったりするというトラブルが発生する。
【0009】又、槽底部付近11が撹拌翼83,83で
常時撹拌されていると、上澄水と汚泥層とがきれいに分
離されにくくなり(上層水の中に多量の汚泥成分が混入
したままとなる)、上澄水だけを先に排出することがで
きない。そして、この状態で槽底部付近11から排水ポ
ンプ7で吸引するが、このとき汚泥沈澱槽1内の汚泥層
中にいわゆる“みずみち”(図15の符号Y)ができ
て、槽底部付近11の外周寄りにある高濃縮汚泥よりも
上層部にある低濃度の汚泥水が先に吸引されてしまう。
従って、折角、長時間をかけて汚泥を沈降濃縮させて
も、汚泥を高濃縮状態のままで取り出すことができな
い。
【0010】さらに、このように、排水ポンプ7で吸引
するときに、汚泥沈澱槽1内の汚泥層中に“みずみち”
ができると、汚泥水吸引時期によって汚泥濃度が異なり
(一単位の排出汚泥水量中の汚泥成分量にバラツキが生
じる)、後の脱水工程や乾燥工程での作業がしにくくな
るとともに、最終処理された一単位の汚泥量にバラツキ
が生じる。
【0011】本願発明は、上記の問題点に鑑み、汚泥沈
澱槽での汚泥濃縮時間を短縮でき、且つ槽底部付近で汚
泥が過度に凝縮してもその凝縮汚泥を簡単に流動化させ
得るようにした高濃縮汚泥流動化装置を提供することを
第1の目的とするとともに、汚泥を均一な高濃度のまま
で吸引・排出し得るようにした高濃縮汚泥排出方法を提
供することを第2の目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。尚、
本願発明は、例えば上水道施設において、汚泥水を収容
して汚泥成分を自然沈降させるようにした汚泥沈澱槽に
適用される高濃縮汚泥流動化装置及び高濃縮汚泥排出方
法を対象にしている。本願請求項1の発明 本願請求項1の発明は、汚泥沈澱槽の底部付近に沈殿・
凝縮している高濃縮汚泥を、排水ポンプで吸引・排出す
るために流動化させるための高濃縮汚泥流動化装置を対
象にしている。そして、この請求項1の高濃縮汚泥流動
化装置には、汚泥沈澱槽の底部付近に横向き姿勢で設置
された空気吐出管と、該空気吐出管に接続された空気導
入管と、該空気導入管を通して空気吐出管内に圧縮空気
を供給する空気ポンプとを有する空気供給装置を使用し
ている。尚、この高濃縮汚泥流動化装置(空気供給装
置)は、汚泥沈澱槽に対して常設されるものである。
【0013】空気供給装置の空気吐出管は、この請求項
1では、定置式でも可動式でもよいが、汚泥沈澱槽の底
部付近において横向きに設置されている。尚、可動式の
空気吐出管では、槽底面から離間させる必要があるが、
定置式の空気吐出管では、槽底面に接触させておいても
よい。
【0014】空気吐出管は、汚泥沈澱槽の底面積に応じ
て、又は可動式か定置式かに応じて所定本数だけ使用さ
れる。又、この空気吐出管には、その管長さ方向に所定
間隔をもって複数の空気噴出穴を形成している。この空
気噴出穴の大きさ、個数、間隔、形成箇所等は、空気吐
出管の長さや設置形式(定置式か可動式か)によって適
宜に設定できる。
【0015】そして、この請求項1の高濃縮汚泥流動化
装置では、空気供給装置の空気ポンプを作動させると、
該空気ポンプからの圧縮空気が空気導入管を通して空気
吐出管の各空気噴出穴から槽底部付近に噴出させること
ができ、その噴出空気で槽底部付近に溜まっている高濃
縮汚泥を撹拌して流動させ得るようになっている。
【0016】この請求項1の高濃縮汚泥流動化装置は、
次のようにして使用される。まず、汚泥沈澱槽内では、
汚泥水中の汚泥成分を自然沈降させて槽底部付近に沈殿
させるが、その沈殿工程では空気ポンプは非作動で空気
吐出管は槽底部付近に静止させている。従って、汚泥成
分沈殿工程では、空気吐出管による撹拌機能は生じな
い。そして、所定日数だけ汚泥成分を沈降させると、汚
泥沈澱槽内には下部に汚泥層と上部に上澄水層とがかな
り明確に分離するが、その時点で汚泥沈澱槽の上方から
上澄水のみを排水ポンプで汲み出す。尚、残りの汚泥層
は、その下部層ほど汚泥が高濃度に濃縮されており、槽
底部付近では汚泥濃度が濃くなり過ぎて(凝縮していて
流動しにくい)排水ポンプで残りの汚泥層を吸引するこ
とができない状態となっている。
【0017】次に、空気ポンプを作動させて、該空気吐
出管の各空気噴出穴から槽底部付近に圧縮空気を噴出さ
せる。すると、その噴出空気で槽底部付近にある高濃縮
汚泥の凝縮状態を破壊する一方、その噴出空気が気泡と
なって高濃度の汚泥層中を上昇し、汚泥層全体を撹拌す
るようになる。尚、空気ポンプの作動当初は、空気吐出
管が位置する付近を中心に撹拌されるが、その撹拌作用
が時間の経過とともに広範囲に広がっていき、所定時間
継続して空気ポンプを作動させると、汚泥沈澱槽内の汚
泥濃度が均一化されるとともに、高濃縮状態(例えば汚
泥濃度が5〜6%程度)で流動化するようになる。この
ように、高濃縮汚泥であっても流動化すると、排水ポン
プで十分に吸引することができ、高濃縮状態で且つ均一
濃度の汚泥を容易に排出できる。本願請求項2の発明 本願請求項2の発明は、平面視円形に形成した汚泥沈澱
槽に適用する高濃縮汚泥流動化装置を対象にしている。
そして、この請求項2の発明は、上記請求項1の高濃縮
汚泥流動化装置において、空気供給装置の空気吐出管を
汚泥沈澱槽の中心から該汚泥沈澱槽の内周面付近まで延
出させる一方、該空気吐出管を汚泥沈澱槽の中心位置を
中心にして水平旋回自在に設置するとともに、空気吐出
管の各空気噴出穴から噴出する空気噴出量に空気吐出管
の左右で差をもたせることで、該空気吐出管に旋回推進
力が付与されるように構成している。
【0018】この請求項2では、空気吐出管は、汚泥沈
澱槽の中心位置から少なくとも1本あればよいが、対向
位置に1本づつ(合計2本)設けたり、あるいは角度9
0°間隔で合計4本設けることもできる。又、空気吐出
管の水平旋回は、空気導入管ごと行わせてもよく、ある
いは空気導入管の下端部において空気吐出管のみで行わ
せてもよい。
【0019】空気吐出管の旋回推進力は、空気吐出管の
左右で空気噴出量に差をもたせることで達成するように
しているが、その空気噴出量の差は、例えば空気吐出管
の左右で空気噴出穴の数を異ならせたり、空気噴出穴の
口径に差をもたせたりすることで達成できる。空気吐出
管の左右での空気噴出量の差は、100%〜60%:0
%〜40%程度の範囲で設定でき、その中でも80%〜
70%:20%〜30%程度の範囲が好適である。尚、
空気吐出管を回転させようとする側にも空気を噴出させ
ると、その回転方向側の噴出空気で空気吐出管の回転方
向側に位置する凝縮汚泥を順次ほぐす作用が発生し(回
転方向への抵抗が小さくなる)、該空気吐出管を無理な
く旋回させることができる。
【0020】この請求項2の高濃縮汚泥流動化装置で
は、請求項1の場合と同様に、空気ポンプの非作動状態
で汚泥成分を自然沈降させ、上澄水のみを吸引排出した
後に、空気ポンプを作動させる。すると、該空気ポンプ
からの圧縮空気が空気吐出管の各空気噴出穴から噴出さ
れるが、そのとき空気吐出管の左右で空気噴出量に差が
あるために、該空気吐出管に対して空気噴出量「小」側
に旋回推進力が働き、非常にゆっくりではあるが空気吐
出管が自動的に水平旋回するようになる。このように、
空気吐出管を水平旋回させるようにすると、少ない本数
の空気吐出管で汚泥沈澱槽内の全域を撹拌できる。又、
この請求項2の場合は、空気吐出管の旋回推進力は、空
気噴出量の差のみで発生するので、特別な旋回用動力が
不要であり、且つ空気吐出管に無理な力が働かないの
で、旋回時の抵抗で空気吐出管が破損することがない。本願請求項3の発明 本願請求項3の発明は、請求項2と同様に、槽底部付近
で空気吐出管を水平旋回自在に設置したものにおいて、
空気吐出管を動力装置で水平旋回させるようにしてい
る。尚、この請求項3の場合は、空気吐出管の空気噴出
穴は、旋回方向に向く面に形成するとよい。
【0021】この請求項3の高濃縮汚泥流動化装置で
は、空気吐出管を水平旋回させる動力装置として、モー
タと空気吐出管との間に、空気吐出管の旋回方向に対し
て所定負荷がかかると滑り作用(例えばクラッチを滑ら
す)が発生するものを使用するとよい。即ち、濃縮汚泥
層の抵抗力が大きい状態(汚泥凝縮状態)で、空気吐出
管を強制的に旋回させようとすると、該空気吐出管に無
理な作用が働いて破損するおそれがあるので、濃縮汚泥
層の抵抗力が空気吐出管の耐久力より小さくなっている
状態でのみ、該空気吐出管を回転させ得るようにする。
尚、空気吐出管は、動力装置によって所定低トルクで常
時回転方向に付勢されているが、回転方向側に空気吐出
管の空気噴出穴から空気が噴出されるので、該噴出空気
で順次凝縮汚泥をほぐすことができ、空気吐出管が無理
なく回転するようにする。
【0022】この請求項3の高濃縮汚泥流動化装置で
は、空気吐出管旋回用の動力装置が必要であるが、該空
気吐出管を確実に水平旋回させることができる。本願請求項4の発明 本願請求項4の発明は、平面視長方形に形成した汚泥沈
澱槽に適用する高濃縮汚泥流動化装置を対象にしてい
る。そして、この請求項4の発明は、上記請求項1の高
濃縮汚泥流動化装置において、空気供給装置の空気吐出
管を移動装置により、槽底部の全域に水平移動させ得る
ようにしている。
【0023】汚泥沈澱槽の面積が広い場合には、1つの
汚泥沈澱槽に対して空気供給装置及びその移動装置を複
数基並設して、それぞれを直線方向に往復移動させるよ
うにしてもよく、あるいは1基の空気供給装置及び移動
装置のみで水平方向の前後・左右に移動させるようにし
てもよい。
【0024】この請求項4の高濃縮汚泥流動化装置で
は、平面視長方形の汚泥沈澱槽であっても、移動装置に
より空気吐出管を槽底部の全域に移動させることがで
き、撹拌残し部分を無くすことができる。本願請求項5の発明 本願請求項5の発明は、上記請求項4と同様に、平面視
長方形に形成した汚泥沈澱槽に適用する高濃縮汚泥流動
化装置を対象にしている。そして、この請求項5の発明
は、上記請求項1の高濃縮汚泥流動化装置において、空
気供給装置に多数本の空気吐出管を使用し、該各空気吐
出管を槽底部の全域に所定小間隔をもって定置式に設置
している。
【0025】この請求項5の場合は、多数本の空気吐出
管を槽底部の全域に設置しているので、請求項4のよう
な移動装置は不要となる。本願請求項6の発明 本願請求項6の発明は、上記請求項1〜5のいずれか1
項の高濃縮汚泥流動化装置を使用して、汚泥沈澱槽内で
濃縮させた汚泥を高濃縮状態で排出し得るようにした高
濃縮汚泥排出方法を対象にしている。
【0026】そして、この請求項6の高濃縮汚泥排出方
法は、汚泥沈澱槽内の汚泥成分を自然沈降させて槽底部
に高濃縮させる工程(汚泥成分沈降工程)と、次に槽内
の上澄水を排出する工程(上澄水排出工程)と、槽底部
付近に空気を噴出させて該噴出空気により槽内の残余高
濃縮汚泥を撹拌して流動させる工程(高濃縮汚泥流動化
工程)と、その流動化させた高濃縮汚泥を排水ポンプで
槽外に吸引排出する工程(高濃縮汚泥排出工程)、とを
順次行うものである。
【0027】汚泥成分沈降工程は、高濃縮汚泥流動化装
置(空気ポンプ)の停止状態(無撹拌状態)で汚泥成分
を自然沈降させる。従って、汚泥沈澱槽内の汚泥水は、
比較的短日数で下方の汚泥層と上方の上澄水層とに明確
に層分けされる。尚、このとき、空気供給装置の空気吐
出管(空気噴出穴つき)は槽底部付近において沈降した
汚泥層中に埋まってしまう。
【0028】上澄水排出工程では、汚泥沈澱槽の上方か
ら汲上げパイプを差し込んで、排水ポンプにより上澄水
のみを汲み出す。尚、上澄水には汚泥成分がほとんど混
入していないので、該上澄水をそのまま河川に放流して
も差し支えがない。そして、上澄水を排出した後には、
汚泥沈澱槽内に高濃縮汚泥だけが残るが、この高濃縮汚
泥の下層部分は排水ポンプで吸引できないほどに凝縮し
ている。
【0029】高濃縮汚泥流動化工程では、上記請求項1
〜5のように空気供給装置の空気ポンプからの圧縮空気
を空気吐出管の空気噴出穴から槽底部付近に噴出させ
て、残りの汚泥層を撹拌し、凝縮汚泥をほぐして流動化
させるとともに、汚泥濃度を均一にする。尚、このとき
の汚泥濃度は5〜6%で全体に平均化している。
【0030】高濃縮汚泥排出工程では、流動化させた高
濃縮汚泥を排水ポンプで吸引するが、高濃縮汚泥(例え
ば汚泥濃度が5〜6%)であっても流動化させると排水
ポンプで無理なく吸引・排出することができる。
【0031】
【発明の効果】本願請求項1の発明の効果 本願請求項1の発明の高濃縮汚泥流動化装置では、空気
供給装置の空気ポンプを作動させると、該空気ポンプか
らの圧縮空気が空気導入管を通して空気吐出管の各空気
噴出穴から槽底部付近に噴出し、その噴出空気で槽底部
付近に溜まっている高濃縮汚泥を撹拌して流動させ得る
ようになっている。
【0032】従って、この請求項1の高濃縮汚泥流動化
装置を使用すると、汚泥沈澱槽内を無撹拌状態で汚泥成
分を自然沈降させ、上澄水を排出した後に空気ポンプを
作動させる、という処理工程を選択でき、汚泥成分の分
離(沈降)時間を短縮できるとともに、高濃度で且つ均
一濃度の汚泥を排出できるという効果がある。又、この
高濃縮汚泥流動化装置は、空気ポンプと空気導入管と空
気吐出管という簡単な構成であるので、装置全体を比較
的安価に仕上げることができるという効果もある。本願請求項2の発明の効果 本願請求項2の発明は、請求項1の高濃縮汚泥流動化装
置において、平面視円形の汚泥沈澱槽に使用し、空気供
給装置の空気吐出管を汚泥沈澱槽の中心位置を中心にし
て水平旋回自在に設置するとともに、空気吐出管の各空
気噴出穴から噴出する空気噴出量に空気吐出管の左右で
差をもたせることで、該空気吐出管に旋回推進力が付与
されるように構成している。
【0033】従って、この請求項2の高濃縮汚泥流動化
装置では、請求項1の効果に加えて、空気供給装置の空
気吐出管を水平旋回させることにより、少ない本数の空
気吐出管で汚泥沈澱槽内の全域を撹拌でき、且つ空気吐
出管を空気噴出穴からの空気噴出量の差のみで旋回でき
るので、特別な旋回用動力が不要であるという効果があ
る。又、空気吐出管の旋回時に無理な力が働かないの
で、該空気吐出管が破損することがないという効果もあ
る。本願請求項3のの発明の効果 本願請求項3の発明の高濃縮汚泥流動化装置は、請求項
2と同様に、槽底部付近で空気供給装置の空気吐出管を
水平旋回自在に設置したものにおいて、空気吐出管を動
力装置で水平旋回させるようにしている。
【0034】従って、この請求項3の高濃縮汚泥流動化
装置では、請求項1の効果に加えて、空気吐出管を水平
旋回させることにより、請求項2と同様に少ない本数の
空気吐出管で汚泥沈澱槽内の全域を撹拌できるととも
に、動力装置により空気吐出管を確実に水平旋回させる
ことができるという効果がある。本願請求項4の発明の効果 本願請求項4の発明は、請求項1の高濃縮汚泥流動化装
置において、平面視長方形の汚泥沈澱槽に使用し、空気
供給装置の空気吐出管を移動装置により、槽底部の全域
に水平移動させ得るようにしている。
【0035】従って、この請求項4の高濃縮汚泥流動化
装置では、請求項1の効果に加えて、平面視長方形の汚
泥沈澱槽であっても、上記請求項2又は3のように空気
吐出管で汚泥沈澱槽内の全域を撹拌することができると
いう効果がある。本願請求項5の発明の効果 本願請求項5の発明は、請求項1の高濃縮汚泥流動化装
置において、平面視長方形の汚泥沈澱槽に使用し、多数
本の空気吐出管を槽底部の全域に所定小間隔をもって定
置式に設置している。
【0036】従って、この請求項5の高濃縮汚泥流動化
装置では、請求項1の効果に加えて、定置式の空気吐出
管で槽底部の全域を撹拌することができるとともに、請
求項4のような移動装置が不要となるという効果があ
る。本願請求項6の発明の効果 本願請求項6の発明の高濃縮汚泥排出方法は、上記請求
項1〜5のいずれか1項の高濃縮汚泥流動化装置を使用
し、汚泥沈澱槽内の汚泥成分を自然沈降させて槽底部に
高濃縮させ、次に槽内の上澄水を排出した後、槽底部付
近に空気を噴出させて該噴出空気により槽内の残余高濃
縮汚泥を撹拌して流動させ、その流動化させた高濃縮汚
泥を排水ポンプで槽外に吸引排出するようにしている。
【0037】請求項6の高濃縮汚泥排出方法では、汚泥
沈澱槽内を無撹拌状態で汚泥成分を自然沈降させるの
で、汚泥成分と上澄水との分離を短日数で達成でき、さ
らに上澄水を排出した残りの汚泥層を噴出空気で撹拌し
て流動化させるので、残りの高濃縮汚泥を排水ポンプで
容易に吸引できる。従って、短日数で且つ効率よく汚泥
処理が行えるとともに、汚泥沈澱槽内全体を撹拌した状
態で濃縮汚泥を吸引するので、均一濃度の汚泥を取り出
すことができるという効果がある。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図13を参照して本
願の実施形態を説明すると、図1〜図4には第1実施形
態の高濃縮汚泥流動化装置が示され、図5及び図6には
第1実施形態で使用されている空気吐出管の変形例が示
され、図7には第2実施形態の高濃縮汚泥流動化装置が
示され、図8〜図10には第3実施形態の高濃縮汚泥流
動化装置が示され、図11〜図13には第4実施形態の
高濃縮汚泥流動化装置が示されている。
【0039】図1〜図4に示す第1実施形態では、高濃
縮汚泥流動化装置を上水道施設の汚泥処理に使用してい
る。上水道施設での汚泥処理は、一般に次のようにして
行われる。即ち、図1に示すように、清水から分離させ
た第1次汚泥水W1(極めて低濃度)を第1次汚泥沈澱
槽1A内に収容して汚泥成分を所定時間自然沈降させ、
次にその第1次汚泥沈澱槽1Aの底部付近11Aの濃度
がやや高くなった第2次汚泥水W2を排水ポンプ7Aで
吸引して第2次汚泥沈澱槽1B内に移し入れてそこで同
様に汚泥成分を所定時間自然沈降させ、続いてその第2
次汚泥沈澱槽1Bの底部付近11Bの濃度がかなり高く
なった第3次汚泥水W3を排水ポンプ7Bで最終の汚泥
沈澱槽1に移し入れてそこで汚泥成分を自然沈降させ
て、順次汚泥を濃縮させ、その高濃縮汚泥を排水ポンプ
7で槽外に吸引して脱水・乾燥させた後、廃棄するよう
にしている。
【0040】ところで、図1の最終汚泥沈澱槽1におい
て、非撹拌状態で汚泥成分を自然沈降させると、比較的
短日数で槽底部付近11に汚泥成分が高濃縮状態で沈殿
するが、そのままでは高濃縮汚泥が排水ポンプ7で吸引
できなくなるまで凝縮してしまう。
【0041】そこで、本願では、上記のように槽底部付
近11で凝縮した後の高濃縮汚泥を排水ポンプ7で吸引
できるように流動化させるための高濃縮汚泥流動化装置
(空気供給装置2)を採用している。
【0042】図1〜図4に示す第1実施形態では、汚泥
沈澱槽1として平面視円形のものを使用している。そし
て、この汚泥沈澱槽1には、多数の空気噴出穴24,2
4・・を形成した空気吐出管23と、該空気吐出管23
に接続された空気導入管22と、該空気導入管22を通
して空気吐出管23内に圧縮空気を供給する空気ポンプ
21とで構成される空気供給装置2を設置している。
【0043】この空気供給装置2の空気導入管22は、
汚泥沈澱槽1の中心位置において鉛直姿勢で設置されて
いる。空気導入管22の上部は、汚泥沈澱槽1の上部開
口高さ付近において軸受け装置20で回転自在に支持さ
れている。尚、この軸受け装置20は、汚泥沈澱槽1の
上部開口縁に架け渡された支持台10に取付けられてい
る。
【0044】空気導入管22の上端部には、空気ポンプ
21側の空気管が気密状態で接続されている。
【0045】空気吐出管23は、この第1実施形態で
は、空気導入管22の下端部において横向き姿勢で角度
180°間隔をもって2本取付けられている。この各空
気吐出管23,23は、汚泥沈澱槽1の底面に近接して
おり、且つ先端を汚泥沈澱槽1の内周面付近まで延出さ
せている。尚、空気吐出管23,23としては、撓みに
くい硬質材料製(例えば塩化ビニール製)のものが使用
される。
【0046】各空気吐出管23,23には、管長さ方向
に所定間隔をもって多数の空気噴出穴24,24・・が
形成されているが、この第1実施形態では、空気吐出管
23の左右で空気噴出量にかなりの差(例えば80%〜
70%:20%〜30%程度)ができるようにしてい
る。即ち、この第1実施形態では、図2及び図3に示す
ように、空気吐出管23の基端側から見て、その左側面
の空気噴出穴24の数が右側面の空気噴出穴24の数よ
り大幅に多くなるように設定している。図示例では、空
気吐出管23の左側面に22個の空気噴出穴24を形成
し、空気吐出管23の右側面に6個の空気噴出穴24を
形成している。尚、他の実施形態では、空気吐出管23
の左右で空気噴出量の差をもたせるのに、空気噴出穴2
4の径を変えてもよい。
【0047】又、この第1実施形態では、空気吐出管2
3の下面側にも6個の空気噴出穴24が間隔をもって形
成されており、さらに空気吐出管23の先端面にも1つ
の空気噴出穴24が形成されている。尚、空気吐出管2
3に形成される空気噴出穴24の大きさ・形成箇所・個
数等は、汚泥沈澱槽1の容積によって適宜に設計変更で
きる。
【0048】又、この第1実施形態では、空気吐出管2
3の外面を通気性のある特殊濾布25で被覆しており、
汚泥水の中の汚泥成分が空気噴出穴24を通って空気吐
出管23内に侵入するのを防止するようにしている。
【0049】空気ポンプ21は、空気吐出能力の大きい
ものほど、汚泥の撹拌能力が大きくなるが、空気吐出管
23の本数・内径・長さ等によって適当なポンプ能力の
ものを採用する。
【0050】第1実施形態の高濃縮汚泥流動化装置は、
次のようにして使用される。まず、汚泥沈澱槽1内に汚
泥水(図1の第3次汚泥水W3)をほぼ満杯状態まで収
容し、その汚泥水中の汚泥成分を自然沈降させて槽底部
付近11に沈殿させる、尚、この汚泥成分沈殿工程では
空気ポンプ21は非作動にしておく。この状態では、空
気吐出管23,23は槽底部付近11に静止しており、
空気吐出管23,23による撹拌機能は発生しない。従
って、汚泥水中の汚泥成分の沈降速度は速くなり、比較
的短日数で、図1(右側汚泥沈澱槽1)に示すように下
部側の汚泥層(高濃度汚泥層X1,低濃度汚泥層X2)と
上部側の上澄水Waとにかなり明確に分離される。
【0051】ところで、槽底部付近11に沈殿した汚泥
層は、下部側ほど高濃度になって、槽底部付近11では
排水ポンプ7で吸引できない程の高濃度汚泥層X1とな
る(例えば汚泥濃度が10%以上になる)が、上部側は
下部側に比較して低濃度汚泥層X2(例えば汚泥濃度が
1〜2%)のままである。
【0052】そして、汚泥沈澱槽1内の汚泥水が汚泥層
1,X2と上澄水Waとに分離された後、図1に示すよ
うに汚泥沈澱槽1の上方から汲み上げホース14を差し
込んで汲み上げポンプ15により上澄水Waのみを汲み
出す。尚、汚泥層の上層部分は比較的低濃度汚泥層X2
であるが、低濃度汚泥層X2であってもそのまま河川に
排出することはできないので、上澄水Waを完全に汲み
出すことができない。従って、残りの汚泥水の全体濃度
は5〜6%になる。
【0053】次に、空気供給装置2の空気ポンプ21を
作動させて、該空気ポンプ21からの圧縮空気を空気導
入管22を通して空気吐出管23,23内に吹き込み、
各空気噴出穴24,24・・から槽底部付近11の汚泥
層中に空気を噴出させる(図3の矢印A)。尚、空気ポ
ンプ21の作動前は、空気導入管22(及び空気吐出管
23,23)内にも汚泥沈澱槽1内の水位と同高さまで
水が流入しているが、空気ポンプ21を作動させると、
該各管22,23,23内に流入していた水が各空気噴
出穴24,24・・から押し出され、空気吐出管23,
23の各空気噴出穴24の付近にある高濃縮汚泥を押出
水で希釈させるようになる。そして、続いて各空気噴出
穴24,24・・から空気が噴出されると、その噴出空
気A,A・・で各空気噴出穴24の近くにある高濃縮汚
泥が押され、さらに図4に示すように噴出空気A,A・
・が気泡Bとなって汚泥層中を上昇する。従って、空気
吐出管23,23付近にある高濃縮汚泥の凝縮状態を破
壊できる一方、その上昇気泡Bにより、空気吐出管2
3,23付近及び該空気吐出管23,23の上方部分の
汚泥層を撹拌するようになる。
【0054】又、空気吐出管23,23の左右では、空
気噴出穴24,24・・の数を異ならせて空気噴出量に
差をもたせているので、空気吐出管23,23に対して
旋回推進力が発生し、槽底部付近11の高濃縮汚泥が凝
縮状態でも、該空気吐出管23,23が非常にゆっくり
ではあるが徐々に旋回(図示例では右回転R)するよう
になる。尚、この第1実施形態では、空気吐出管23の
回転方向側にも空気噴出穴24(空気噴出量が少ない)
を形成しているので、回転方向側の高濃縮汚泥の凝縮状
態をほぐす作用があり(抵抗が小さくなる)、該空気吐
出管23,23の旋回が容易になる。又、空気吐出管2
3,23の旋回推進力は、左右の空気噴出量の差のみで
発生するので、特別な旋回用動力が不要であり、且つ空
気吐出管23,23に無理な力が働かないので、旋回時
の抵抗で空気吐出管23,23が破損することがない。
尚、この実施形態では、空気吐出管23,23の下面に
も空気噴出穴24を設けているので、空気吐出管23,
23より下方で凝縮している高濃縮汚泥もほぐすことが
できる。
【0055】このように、空気吐出管23,23が空気
を噴出しながら旋回すると、気泡Bによる撹拌位置が順
次移動していき、この第1実施形態では空気吐出管2
3,23が1/2回転すると、とりあえず汚泥沈澱槽1
内の全域を撹拌できる。尚、空気ポンプ21の作動は、
汚泥沈澱槽1内の汚泥層(高濃度汚泥層X1,低濃度汚
泥層X2)が上下に十分に撹拌されるまで(全体の汚泥
濃度がほぼ均一になるまで)継続して行われる。
【0056】そして、汚泥沈澱槽1内の高濃縮汚泥が十
分に撹拌された状態では、汚泥の凝縮状態が解消される
とともに、汚泥濃度が高濃度状態(例えば汚泥濃度が5
〜6%程度)であっても流動化するようになる。このよ
うに、高濃縮汚泥であっても流動化すると、排水ポンプ
7で十分に吸引することができ、該排水ポンプ7により
高濃縮状態で且つ均一濃度の汚泥を吸引排出する。尚、
汚泥沈澱槽1内から排出された高濃縮汚泥は、脱水・乾
燥させて廃棄処理される。
【0057】図5及び図6には、空気吐出管23の変形
例を示している。尚、図5及び図6において、(A)は
空気吐出管23の側面図、(B)はその縦断面図であ
る。図5及び図6の空気吐出管23は、例えばゴム等の
弾性材料製のパイプ23A内にその全長に亘って補強用
の鉄筋カゴ23Bを収容して構成している。又、この空
気吐出管23に形成される空気噴出穴24は、図5に示
すように弾性パイプ23Aに単に切り目を入れただけの
もので、通常は弾性パイプ23Aの弾性力で閉じてい
る。そして、この空気吐出管23では、空気ポンプから
の圧縮空気がパイプ23A内に供給されると、その空気
圧で図6に示すように空気噴出穴24が広げられて、そ
こから空気が噴出されるようになっている。尚、空気ポ
ンプが停止する(空気吐出管23内が圧力低下する)
と、空気噴出穴24が自動的に閉じるようになる。この
ように、パイプ23A内の空気圧の変化(空気ポンプの
作動・停止)によって、空気噴出穴24を自動で開閉し
得るようにすると、該空気噴出穴24から汚泥成分が空
気吐出管23内に侵入しなくなり、該空気吐出管23の
内部や空気噴出穴24が汚泥で詰まることがない。
【0058】尚、図1〜図4の第1実施形態では、空気
吐出管23の外面に特殊濾布25を被覆し、図5及び図
6の実施形態では、空気噴出穴24部分をパイプ23A
の弾性力で自動的に閉じるようにすることで、それぞれ
空気吐出管23内への汚泥成分の侵入を防止するように
しているが、空気吐出管23の下面側にも空気噴出穴2
4を形成しておけば、空気吐出管23への汚泥成分侵入
防止機能がなくてもよい。即ち、空気吐出管23内に汚
泥成分(汚泥水)が侵入しても、空気ポンプ作動時には
高圧空気により空気吐出管23内の水が各空気噴出穴2
4から排出されるので、そのとき汚泥成分も空気噴出穴
24(特に下面側空気噴出穴)から同時に流出するよう
になる。
【0059】図7に示す第2実施形態の高濃縮汚泥流動
化装置は、図2(第1実施形態)の変形例を示してい
る。この第2実施形態の高濃縮汚泥流動化装置では、図
2のものと同様に、槽底部付近11で空気吐出管23,
23を水平旋回自在に設置したものにおいて、空気導入
管22及び空気吐出管23,23を動力装置3で水平旋
回させるようにしている。動力装置3は、モータ(減速
機つき)31の動力でギヤ32,33を介して空気導入
管22を極めてゆっくりと矢印方向(右回転方向)に旋
回させるようになっている。各空気吐出管23,23の
空気噴出穴24,24・・は、図示例では空気吐出管2
3の回転方向側の側面に22個と、空気吐出管23の下
面側に6個と、空気吐出管23の先端部に1個をそれぞ
れ形成している。尚、図7において、右側の空気吐出管
23にも回転方向側の側面に22個の空気噴出穴が形成
されているが、該空気吐出管23部分を縦断面としてい
るので該側面部分の空気噴出穴は表示されない。
【0060】又、この第2実施形態では、動力装置3と
して、空気導入管22(空気吐出管23)に対する回転
抵抗力が所定値以上であると、該空気導入管22を無理
に回転させないような機構(例えばクラッチ部分で滑ら
す構造)を採用するとよい。このようにすると、槽底部
付近11の濃縮汚泥層の抵抗力が大きい状態(例えば汚
泥凝縮状態)では、該空気吐出管23,23を無理に回
転させることがなくなり、空気吐出管23,23が破損
することがない。尚、濃縮汚泥層の撹拌時には、空気吐
出管23,23の空気噴出穴24,24・・から回転方
向側に向けて空気が噴出されるので、該噴出空気で凝縮
汚泥をほぐしながら各空気吐出管23,23が徐々に回
転するようになる。
【0061】この図7に示す第2実施形態の高濃縮汚泥
流動化装置では、空気吐出管23,23を回転させる動
力装置3が必要であるが、該空気吐出管23,23を確
実に水平旋回させることができる。
【0062】図8〜図10には第3実施形態の高濃縮汚
泥流動化装置を示している。この第3実施形態の高濃縮
汚泥流動化装置は、平面視長方形の汚泥沈澱槽1に適用
されるものであり、空気吐出管23を移動装置4によっ
て槽底部の全域に水平移動させ得るようにしている。
【0063】この第3実施形態では、汚泥沈澱槽1とし
て面積の広いものを採用しており、又、空気供給装置2
(空気ポンプ21、空気導入管22、空気吐出管23)
は1基だけ使用している。尚、空気吐出管23は、移動
時の抵抗を少なくするために、比較的短いもの(例えば
全長が2〜3m程度のもの)を採用している。
【0064】移動装置4は、高濃縮汚泥流動化装置を搭
載した台車40を汚泥沈澱槽1の長さ方向(図8、図9
の左右方向)に移動させる長さ方向移動装置41と、該
台車40を汚泥沈澱槽1の幅方向(図10の左右方向)
に移動させる幅方向移動装置51とを有している。
【0065】長さ方向移動装置41は、汚泥沈澱槽1の
長さ方向に向けて設置した2本のレール42,42上に
架台43を載せ、該架台43をモータ44で往復移動さ
せ得るようになっている。幅方向移動装置51は、架台
43上に汚泥沈澱槽1の幅方向に向けて設置した2本の
レール52,52上に台車40を載せ、該台車40をモ
ータ54で往復移動させ得るようになっている。
【0066】そして、この第3実施形態では、空気供給
装置2を作動させながら、台車40を図8に鎖線図示
(符号40′)する1つの隅部から矢印Cで示すように
ジグザグ状に移動させて、空気吐出管23を汚泥沈澱槽
1の槽底部付近11の全域に移動させ得るようになって
いる。
【0067】この第3実施形態では、空気吐出管23の
長さが短いものであっても、移動装置4により該空気吐
出管23を槽底部の全域に移動させることができ、撹拌
残し部分を無くすことができる。
【0068】図11〜図13には第4実施形態の高濃縮
汚泥流動化装置を示しているが、この第4実施形態の高
濃縮汚泥流動化装置も、平面視長方形の汚泥沈澱槽1に
適用されるものである。そして、この第4実施形態の高
濃縮汚泥流動化装置(空気供給装置2)は、多数本の空
気吐出管23,23・・を槽底部付近1の全域に所定小
間隔(例えば50〜100cm間隔)をもって定置式に設
置している。尚、図11〜図13の実施形態では、空気
供給装置2(空気ポンプ21、空気導入管22、空気吐
出管23)を汚泥沈澱槽1の幅方向に2基設置してい
る。
【0069】この第4実施形態の定置式高濃縮汚泥流動
化装置では、隣接する2本の空気吐出管23,23の中
間位置には、空気噴出穴24からの噴出空気が直接届か
ないことがあるが、空気吐出管23近傍から高濃縮汚泥
のほぐし作用が徐々に伝播していき、時間をかけること
により汚泥沈澱槽1内の全域に亘って撹拌する(汚泥濃
度を均一にするとともに流動化させる)ことができる。
【0070】尚、図7〜図13の各実施形態において、
第1実施形態(図1〜図4)と同符号を付しているもの
は、該第1実施形態のものと同じ機能をもつものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1実施形態の高濃縮汚泥流動化装置を使
用した汚泥処理施設の概略図である。
【図2】図1の高濃縮汚泥流動化装置の縦断面図であ
る。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】第1実施形態の高濃縮汚泥流動化装置の作用説
明図である。
【図5】本願のたの実施形態で使用される空気吐出管の
変形例である。
【図6】図5の状態変化図である。
【図7】本願第2実施形態の高濃縮汚泥流動化装置の縦
断面図である。
【図8】本願第3実施形態の高濃縮汚泥流動化装置を使
用した汚泥沈澱槽の平面図である。
【図9】図8のIX−IX断面図である。
【図10】図8のX−X断面図である。
【図11】本願第4実施形態の高濃縮汚泥流動化装置を
使用した汚泥沈澱槽の平面図である。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII断面図である。
【図14】従来の汚泥処理施設の概略図である。
【図15】図14の最終汚泥沈澱槽内での作用説明図で
ある。
【符号の説明】
1は汚泥沈澱槽、2は空気供給装置、3は動力装置、4
は移動装置、11は槽底部付近、21は空気ポンプ、2
2は空気導入管、23は空気吐出管、24は空気噴出穴
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥水を収容して汚泥成分を自然沈降さ
    せるようにした汚泥沈澱槽(1)において、汚泥沈澱槽
    (1)の底部付近に横向き姿勢で設置された管であって
    その管長さ方向に間隔をもって複数の空気噴出穴(2
    4,24・・)を形成した所定長さの空気吐出管(2
    3)と、該空気吐出管(23)に接続された空気導入管
    (22)と、該空気導入管(22)を通して空気吐出管
    (23)内に圧縮空気を供給する空気ポンプ(21)と
    を有する空気供給装置(2)を備え、前記空気ポンプ
    (21)からの圧縮空気を空気吐出管(23)の各空気
    噴出穴(24,24・・)から槽底部付近(11)に噴
    出させることで汚泥沈澱槽(1)内の高濃縮汚泥を撹拌
    して流動させ得るようにしたことを特徴とする汚泥沈澱
    槽における高濃縮汚泥流動化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、汚泥沈澱槽(1)は
    平面視円形とし、空気供給装置(2)の空気吐出管(2
    3)は汚泥沈澱槽(1)の中心から該汚泥沈澱槽(1)
    の内周面付近まで延出させる一方、該空気吐出管(2
    3)を汚泥沈澱槽(1)の中心位置を中心にして水平旋
    回自在に設置するとともに、各空気噴出穴(24,24
    ・・)から噴出する空気噴出量に空気吐出管(23)の
    左右で差をもたせることで、該空気吐出管(23)に旋
    回推進力が付与されるようにしたことを特徴とする汚泥
    沈澱槽における高濃縮汚泥流動化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、汚泥沈澱槽(1)は
    平面視円形とし、空気供給装置(2)の空気吐出管(2
    3)は汚泥沈澱槽(1)の中心から汚泥沈澱槽(1)の
    内周面付近まで延出させる一方、該空気吐出管(23)
    を汚泥沈澱槽(1)の中心位置を中心にして水平旋回自
    在に設置するとともに、空気吐出管(23)を動力装置
    (3)で水平旋回させるようにしたことを特徴とする汚
    泥沈澱槽における高濃縮汚泥流動化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、汚泥沈澱槽(1)は
    平面視長方形とし、空気供給装置(2)の空気吐出管
    (23)を移動装置(4)により、槽底部の全域に水平
    移動させ得るようにしたことを特徴とする汚泥沈澱槽に
    おける高濃縮汚泥流動化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、空気供給装置(2)
    に多数本の空気吐出管(23,23・・)を使用し、該
    各空気吐出管(23,23・・)を槽底部の全域に所定
    小間隔をもって定置式に設置したことを特徴とする汚泥
    沈澱槽における高濃縮汚泥流動化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項の高濃縮汚
    泥流動化装置を使用し、汚泥沈澱槽(1)内の汚泥成分
    を自然沈降させて槽底部に高濃縮させ、次に槽内の上澄
    水(Wa)を排出した後、槽底部付近に空気を噴出させ
    て該噴出空気により槽内の残余高濃縮汚泥を撹拌して流
    動させ、その流動化させた高濃縮汚泥を排水ポンプ
    (7)で槽外に吸引排出するようにしたことを特徴とす
    る汚泥沈澱槽における高濃縮汚泥排出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014083501A (ja) * 2012-10-24 2014-05-12 Swing Corp 沈砂輸送装置および沈砂輸送方法
CN104225980A (zh) * 2014-09-18 2014-12-24 高城 油田沉降罐罐底排泥装置

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