JP2003023815A - 種籾の予措方法およびその作業マニュアル - Google Patents

種籾の予措方法およびその作業マニュアル

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JP2003023815A
JP2003023815A JP2001214438A JP2001214438A JP2003023815A JP 2003023815 A JP2003023815 A JP 2003023815A JP 2001214438 A JP2001214438 A JP 2001214438A JP 2001214438 A JP2001214438 A JP 2001214438A JP 2003023815 A JP2003023815 A JP 2003023815A
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disinfection
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Kenzo Kawashima
謙蔵 川島
Hideaki Arakawa
秀明 荒川
Kazuaki Murata
和昭 村田
Seizo Kawashima
誠蔵 川島
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Tiger Kawashima Co Ltd
Original Assignee
Tiger Kawashima Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種籾の予措工程を一貫して効率よく行うこと
ができる種籾の予措方法およびその作業マニュアルを提
供する。 【解決手段】 種籾の脱芒、枝梗除去工程および比重選
別による選種工程に先立って温湯消毒装置を始動し、種
籾の比重選別による選種工程が終了する時点において既
に温湯消毒装置を温湯消毒ができる状態とする。選種し
た種籾を風乾せず選種工程から直ちに温湯消毒工程に移
行する。種籾の温湯消毒工程後は、種籾を自然乾燥して
保存するか、温湯消毒工程に引き続いて浸種および催芽
工程に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種籾を脱芒機にか
けて芒、枝梗を除去し、芒、枝梗を除去した種籾を塩水
に浸して比重により充実した種籾を選別し、選別された
種籾を温水に浸して消毒し、消毒した種籾を冷水に浸し
て冷却する作業工程順で行う種籾の予措方法およびその
作業工程を表記した冊子、プレートまたは表示器などの
種籾の予措作業マニュアルに関するものである。
【0002】本発明において種籾を温水に浸して行う消
毒とは、種籾の表面に温水を浴びせて、種籾の表面に付
着しまたは籾殻と果皮との間に潜む病原菌(いもち病、
ばか苗病、苗立枯細菌病、ごま葉枯病、褐条病、もみ枯
細菌病などの病原菌が主な例である)を殺菌、滅菌また
は除菌(以下、消毒という)する手段をいうものとす
る。
【0003】
【従来の技術】水田に移植する稲苗は、個別または共同
の育苗施設において育苗されるが、育苗施設において播
種する種籾は、播種工程に先立って種籾の芒および枝梗
を除去する脱芒、脱芒した種籾から充実した種籾を選別
する選種、選種した種籾を殺菌、滅菌または除菌する消
毒、消毒した種籾を比較的低温の水に比較的長い時間浸
して発芽しやすいようにする浸種、浸種した種籾を発芽
を促す温度の温水に浸す催芽の工程を経て供給され、こ
れら播種前の工程を種籾の前処理工程あるいは予措工程
と称している。
【0004】従来、種籾の予措工程において、選種は塩
水に種籾を浸して浮上した不良籾を除く比重選別による
のが一般的であるが、比重選別した種籾は直ちに水洗し
て表面に付着した塩分を除去し、風乾(種籾を天日に広
げて乾燥する自然乾燥)したうえ次の消毒工程に移行す
ることが行われている(特開2000−316321号
公報または特開2000−342018号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、選種工程を
終えた種籾を次の消毒工程まで仮に1〜2時間程度の比
較的短い時間であっても濡れたままにしておくと、その
間に種籾の膨圧が生じ、各種の酵素が作用をはじめ、細
胞膜の伸長とホルモン類の活動が生じる状態、いわゆる
芽が動いた状態となる。そして、このように芽が動いた
状態の種籾を温湯消毒すると、殊に熱に弱い酵素に熱の
影響が現れて種籾が発芽障害を起こすことがあるので、
従来は選種工程後種籾を芽が動かないように風乾するこ
とが行われている。しかしながら、風乾には通常3〜4
日を要するので、風乾をともなう従来のやり方では、種
籾の予措工程を一貫して効率よく行うことが困難であ
る。ちなみに、薬剤を使用しない種籾の温湯消毒方法
は、薬害が発生するおそれがなく、自然環境を害するこ
となく種籾の伝染性病害防除ができる点で大いに優れて
いるが、選種工程の後に風乾のため3〜4日もの日数を
要することは、種籾の温湯消毒を薬剤消毒に替えて採用
するうえでの難点とされていたのである。
【0006】そこで、本発明の目的は、種籾の温湯消毒
をともなう種籾の予措方法において、その工程を一貫し
て効率よく行うことができるようにするため、選種工程
後の種籾の風乾工程を無くして、選種工程から直ちに温
湯消毒工程に移行することができる斬新な種籾の予措方
法およびその方法を容易かつ確実に実施するための作業
マニュアルを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次の種籾の予措方法およびその作業マニュ
アルを提供する。すなわち、請求項1に係る種籾の予措
方法は、種籾の芒および枝梗の除去、選種、消毒、浸種
ならびに催芽の各工程からなる種籾の予措工程におい
て、種籾の芒および枝梗を除去する脱芒装置、選種のた
めの塩水による比重選別装置、消毒のための温湯消毒装
置を備えて、 (1)温湯消毒装置に水または温湯消毒の所定温度かそ
れより低い温度の温水を張り、その加熱を開始する。 (2)種籾を脱芒装置にかけて芒および枝梗を除去す
る。 (3)比重選別装置に水を張って所定比重の塩水とし、
芒および枝梗を除去した種籾を塩水に浸して比重選別す
る。 (4)比重選別により未熟籾などの不良種籾を除去した
良種籾を真水により水洗する。 (5)水洗した種籾を網袋に詰めてまたは直に浸湯容器
に入れ、温湯消毒装置の温水が温湯消毒の所定温度とな
っていることを確認のうえ、上記種籾を温水に所定時間
浸して種籾を温湯消毒する。 (6)温湯消毒後の種籾を直ちに冷水に浸して冷却す
る。 工程(1)〜(6)の順序により種籾の予措工程を進行
させることを特徴とするものである。
【0008】請求項2に係る種籾の予措方法は、請求項
1記載の種籾の予措方法において、工程(6)に続け
て、 (7−1)種籾を自然乾燥またはそれと同等の乾燥が可
能な乾燥手段により乾燥する。工程(7−1)に移行す
ることを特徴とするものである。
【0009】請求項3に係る種籾の予措方法は、請求項
1記載の種籾の予措方法において、工程(6)に続け
て、(7−2)温湯消毒装置の温水を浸種温度に変更保
持して種籾の浸種を行う。工程(7−2)に移行し、次
いで、 (8)浸種時間の経過後、温湯消毒装置の温水を催芽温
度に変更保持して種籾の催芽を行う。工程(8)に移行
することを特徴とするものである。
【0010】また、請求項4に係る種籾の予措作業マニ
ュアルは、種籾の芒および枝梗の除去、選種、消毒、浸
種ならびに催芽の各工程からなる種籾の予措工程におい
て、種籾の芒および枝梗を除去する脱芒装置、選種のた
めの塩水による比重選別装置、消毒のための温湯消毒装
置を文字、図形または文字と図形との混載により表示
し、請求項1記載の工程(1)〜(6)、工程(1)〜
(6)に加えて請求項2記載の工程(7−1)、または
工程(1)〜(6)、工程(7−1)に加えて請求項3
記載の工程(7−2)および(8)を表示してなること
を特徴とするものである。
【0011】請求項5に係る種籾の予措作業マニュアル
は、請求項4記載の表示内容をプレートに表記してなる
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項6に係る種籾の予措作業マニュアル
は、請求項4記載の表示内容を電子媒体により表示する
ことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る種籾の予措方
法の一実施の形態を示す工程説明図、図2は同上工程概
略図、図3および図4は図1に示す種籾の予措方法の実
施に用いる種籾の予措作業マニュアルの一例である。図
5は本発明の実施に用いる温湯消毒装置であってタンク
に2枚蓋を備えた例を示す斜視図、図6は同上蓋を開い
た状態を示す斜視図、図7は本発明の実施に用いる温湯
消毒装置であってタンクに折り畳み連続蓋を備えた例を
示す斜視図、図8は同上蓋を開いた状態を示す斜視図、
図9は本発明の実施に用いる温湯消毒装置であってタン
クに巻き蓋を備えた例を示す斜視図、図10は同上蓋を
開いた状態を示す斜視図である。
【0014】本発明に係る種籾の予措方法は、図1に示
す工程順で実施する。以下、その作業工程について時間
の経過にしたがって説明する。
【0015】1に示すように、本発明に係る種籾の予措
方法の実施には、温湯消毒装置、脱芒装置および比重選
別装置を用いる。脱芒装置は、種籾から芒(のげ)、枝
梗(しこう)を除去するものであり、比重選別装置は、
芒、枝梗を除去した種籾を塩水に浸して比重により充実
した種籾を選別する装置であり、また温湯消毒装置は、
選別された種籾を温水に浸して種籾の表面に温水を浴び
せ、種籾の表面に付着しまたは籾殻と果皮との間に潜む
病原菌について消毒をするものであり、かつ消毒済みの
種籾を水温が比較的低い水に比較的長い時間浸して発芽
しやすい状態にする浸種工程、および浸種した種籾を発
芽を促す温度の温水に浸す催芽工程も行うことができる
ものである。
【0016】種籾の予措作業は、図1に示す工程順にし
たがって進行する。すなわち、最初に温湯消毒装置の温
水タンクに水または所定の温湯消毒温度かそれより低い
温度の温水を所定の水位まで張り、付属する温水機のス
イッチをONして、温水タンクに張った温水を循環させ
ながら所定の温湯消毒温度に保持する機能を持続させ
る。所定の温湯消毒温度は60℃であるから、温水タン
クの水温をその温度にセットする。
【0017】次いで、脱芒機を起動して種籾の芒、枝梗
を除去作業を開始するが、それと前後して比重選別装置
に水を張り食塩を添加して所定比重の塩水とする。その
比重は水稲うるち米の種籾で1.13程度で、水10リ
ットル当たり食塩を2Kg添加すればよい。
【0018】脱芒機で芒、枝梗を除去した種籾は、図2
に示すように、比重選別装置に張った塩水中に投入し、
軽く撹拌すると、充実した種籾は沈み、未熟な種籾は浮
上するので、浮いた種籾を排除して沈んでいる充実した
種籾だけを取り出し、なるべく早く水洗して種籾の表面
に付着した塩分を除去する。
【0019】このように比重選別した種籾の水洗が済む
時点では、温湯消毒装置の温水が既に温湯消毒の所定温
度(60℃)に保たれているが、比重選別して水洗した
種籾を、網袋に詰めてまたは直に浸湯容器に入れ、念の
ため温湯消毒装置の温水が温湯消毒の所定温度の60℃
となっていることを確認のうえ、タイマーを所定の温湯
消毒時間の10分にセットして上記種籾を温水に所定時
間浸して温湯消毒する。そして、タイマーにセットした
10分間が経過すると報知のためのブザーが鳴るので
(ランプの点灯などの適宜の報知手段でよい)、温水に
浸した種籾をすぐ取り出し、温湯消毒後の種籾は直ちに
冷水に浸して冷却する。温湯消毒温度および温湯消毒時
間は種籾の品種や主に消毒の対象とする病原菌の種類等
によって、温湯消毒温度は50.0〜65.0℃の範囲
内の特定の温度とし、温湯消毒時間は、5分〜20分の
範囲の特定の時間に設定するが、多くの場合は、温湯消
毒温度は60℃、温湯消毒時間は10分が適当である。
なお、種籾の消毒後その浸種および催芽作業を引き続い
て行わない場合は、消毒済みの種籾を風乾して一旦保管
する。
【0020】一方、種籾の温湯消毒に引き続いて種籾の
浸種および催芽も行う場合は、温湯消毒した種籾は風乾
せず、温湯消毒装置の温水タンクから温湯消毒に使用し
た湯を排出し、温水タンク内に網袋に入れた種籾を詰め
込み、新たに冷水を所定の水位まで張り、温水タンクの
水温を所定の浸種温度の13℃にセットする。そして、
温湯消毒装置の水が13℃となっていることを確かめた
うえ、消毒済みの種籾を網袋に詰めて漬け込み、約1週
間浸種する。このように浸種の水温は13℃が標準であ
るが、地域によっては常温水の温度が標準の水温より高
い場合があるので、13℃を超える地域では浸種時間を
1〜2日間短縮することができる。また水温が10℃程
度までならば比較的良好な浸種が可能である。なお、浸
種の時間は約1週間と比較的長時間であるうえ、それほ
ど厳格に管理することを要しないので、温湯消毒装置に
おいて浸種時間のタイマーセットは行わないでよい。
【0021】次いで、浸種時間(日数)が経過したなら
ば、温湯消毒装置において水温を所定の催芽温度にセッ
トし、かつタイマーを所定の催芽時間にセットして催芽
工程に移行する。ここに所定の催芽温度は32℃、所定
の催芽時間は12時間であるが、催芽温度と時間は種籾
の品種などにより必ずしも一定ではないので、上記催芽
時間が経過したとき、またはそれより前でも適宜サンプ
ル種籾を観察して1mm程度の白い芽が出ている状態
(いわゆるハトムネ状態)となっているかを確認したう
え催芽工程を完了するのが好ましい。なお、その状態に
なっていないときは催芽工程を若干延長して行うことに
なる。
【0022】催芽工程が完了したときは、温湯消毒装置
の温水タンクから催芽に使用した湯を排水して冷水に入
れ替える。そして、種籾が完全に冷えるまで冷水を約1
〜2時間循環させて種籾の芽止めをする。芽止めをした
種籾はそのまま播種することができるが、種籾を一旦保
存する場合は、よく水を切って陰干し(自然乾燥)すれ
ば、1ヶ月程度の保存が可能である。なお、このように
保存した種籾は、一晩水に浸けてから播種すると、播種
後の発芽と生育が均等かつ良好である。
【0023】図3および図4は、温湯消毒装置の制御盤
およびその操作方法を例示する。図3および図4におい
て温湯消毒装置は、「湯芽工房」と表記している。な
お、「湯芽工房」は本出願人の登録商標である。また、
温湯消毒を「温湯殺菌」と表記し、温水タンクを「容
器」と表記している。
【0024】図2において、1は制御盤である。制御盤
1には現在水温表示部2、設定水温表示部3、タイマー
表示部4を備えており、水温/タイマー設定部5、設定
切替部6を備えている。
【0025】温湯消毒装置の始動にあたっては、水また
は湯を張って電源スイッチを入れ、設定切替部6におけ
る「60℃/13℃切替スイッチ」の60℃ボタンを押
すと、設定水温表示部3が点滅表示するので、その点滅
中に水温/タイマー設定部5の各位のボタンを押して設
定水温を温湯殺菌温度である60℃に設定する。この温
度設定後5秒が経過すると現在水温表示部2の点滅表示
が終了し、設定値が確定する。なお、設定水温表示部3
に60℃が既に表示されていれば水温/タイマー設定部
5の操作を要しない。
【0026】そして、上記の操作で温湯殺菌温度の設定
をすると、温水機により容器内の水循環されながら設定
温度の60℃まで上昇し、その温度が保持される。そこ
で、設定切替部6の「タイマースイッチ」を押し、水温
/タイマー設定部5の各位のボタンを押して温湯消毒時
間を10分と設定し、比重選別をした種籾を温湯消毒す
る。
【0027】種籾の温湯消毒後、引き続いて種籾の浸種
工程および催芽工程に移行する場合は、容器内に網袋に
入れた種籾を詰め込み、図4に示すように、温湯消毒装
置の容器内の湯を排出して新たに水を張って(水を更新
後)、容器内に種籾を浸けて水を循環させながら浸種を
行う。そして、催芽工程に移行するにあたっては、電源
スイッチを入れ、設定切替部6における「60℃/13
℃切替スイッチ」の13℃ボタンを押し、設定水温表示
部3が点滅表示中に、水温/タイマー設定部5の各位の
ボタンを押して設定水温を催芽温度である32℃に設定
する。この温度設定後5秒が経過すると現在水温表示部
2の点滅表示が終了し、設定値が確定する。
【0028】このように催芽温度を設定すると、温湯消
毒装置の容器内の水温が32℃に上昇し、その温度が保
持されるので、設定切替部6の「タイマースイッチ」を
押し、水温/タイマー設定部5の各位のボタンを押して
催芽時間を12時間に設定して種籾の催芽工程を行う。
【0029】本発明に係る種籾の予措方法においては、
温湯消毒装置に水または温湯消毒の所定温度かそれより
低い温度の温水を張り、その加熱を開始して温湯消毒装
置に所定の温湯消毒温度の温水を準備してから脱芒、枝
梗の除去以降の工程を進行させるので、温湯消毒装置
は、例えば種籾についての一連の作業当日の前日の夜間
に温湯消毒装置を始動させ、夜間から早朝を通じて、温
湯消毒装置に張った水の加熱をすることができ、加熱源
として電力を使用する場合には、電力供給者が提供する
価格の低い深夜電力の利用が可能となる。そして、この
ように温湯消毒装置に張った水を夜間から早朝を通して
加熱をする時間は十分長くとることができるので、温湯
消毒装置におけるヒータの電力容量をその分小さくする
ことが可能となり、一般農家などで特別の電力供給設備
が不要となって、汎用性の高い温湯消毒装置を容易に提
供することができるようになる。また、電力容量の大き
いヒータを備えた場合もそれを2段階以上に切替可能に
すれば、温水をゆっくり沸かす時間帯では電力容量を小
さくしても、温湯消毒作業開始直前で電力容量を大きく
して時間待ちすることなく作業を開始できるし、さらに
温湯作業中は電力容量を小さくして温度保持に必要なだ
けとすれば、余裕時間の有効活用と作業過程における所
要の消費電力容量の適合を図って全体の消費電力を抑え
て省エネルギーを達成することができる。
【0030】このように、温湯消毒装置の水の加熱に深
夜電力を使用する場合は、その始動のための電源スイッ
チを入れる時間帯が深夜になるので、作業の都合上予め
温水タンクに水を張っておき、タイマーの時刻設定によ
り電源スイッチを自動的にONするようにしてもよい。
【0031】図3および図4に示すマニュアルは、冊子
またはプレートであったり、あるいは電子表示器などで
あるが、それらを併存してもよいことは勿論である。な
お、マニュアルがプレートに表示されたものでは、その
プレートを温湯消毒装置の外壁面に掛けたり、作業場所
に掲載するなどの利便性がある。
【0032】また、本発明に係る種籾の予措方法におい
ては、その一連の作業において温湯消毒装置の始動を最
初に行うので、温湯消毒装置の温水タンクは保温性を考
慮する必要があり、それには温水タンク自体が保温性の
高いものであることは勿論のこと、温水タンクの貯留部
を外気から遮断しておくことが高い熱効率を保持するう
えで肝要である。そして、温水タンクの貯留部を外気か
ら遮断するには、保温カバーをかけることも簡易な方法
であるが、温水タンクに蓋を設けたものとすることが好
適である。
【0033】すなわち、図5および図6に示すものは、
温水タンク7に左右両側にそれぞれ開く2枚蓋8,8を
備えており、図7および図8に示すものは、温水タンク
7に左右両側にそれぞれ開く折り畳み連続蓋9,9を備
えており、また図9および図10に示すものは、温水タ
ンク2に左右両側にそれぞれ開く巻き蓋10,10を備
えている。そして、これら2枚蓋8,8、折り畳み連続
蓋9,9または巻き蓋10,10は、何れもその基端側
がヒンジ構造によりタンク7の上縁に連結されていて、
温水タンク7から離脱させずに折り畳みまたは巻き上げ
開放できるようになっている。図9および図10におい
て、11,11は巻き蓋載せ部であって、巻き上げた巻
き蓋10,10の収納部を成している。
【0034】なお、図5ないし図10に示す態様におい
ては、吊り構造の種籾容器を備えたものを例示している
が、何れのものも蓋を閉じた状態において種籾容器の吊
りアームが閉じた蓋の間から外に出せるようになってい
るので、温湯消毒中においても蓋を閉じて温水タンク7
の温水貯留部を外気から遮断することができ、温水の温
度低下を防止して効率よく、またムラなく温湯消毒をす
ることができる。
【0035】図5ないし図10において、12は温水
機、13は制御盤を示して1る。この制御盤13は図3
および図4に示す制御盤1に相当するものである。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る種籾の予措方法によれば、
種籾の脱芒、枝梗除去工程および比重選別による選種工
程に先立って温湯消毒装置を始動し、種籾の比重選別工
程が終了する時点において既に温湯消毒装置を温湯消毒
ができる状態とすることにより、従来3〜4日も費やす
ことを余儀なくされていた選種工程後の種籾の風乾工程
を経ることなく選種工程から直ちに温湯消毒工程に移行
できて、種籾の予措工程を一貫して効率よく行うことが
できる効果が得られる。
【0037】また、本発明に係る種籾の予措作業マニュ
アルによれば、上記種籾の予措方法を容易かつ確実に実
施することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る種籾の予措方法の一実施の形態を
示す工程説明図である。
【図2】同上工程概略図である。
【図3】図1に示す種籾の予措方法の実施に用いる種籾
の予措作業マニュアルの一例であって、温湯消毒工程に
関する部分を示している。
【図4】同上種籾の予措作業マニュアルの一例であっ
て、浸種工程および催芽工程に関する部分を示してい
る。
【図5】本発明の実施に用いる温湯消毒装置であってタ
ンクに2枚蓋を備えた例を示す斜視図である。
【図6】同上蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施に用いる温湯消毒装置であってタ
ンクに折り畳み連続蓋を備えた例を示す斜視図である。
【図8】同上蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施に用いる温湯消毒装置であってタ
ンクに巻き蓋を備えた例を示す斜視図である。
【図10】同上蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 制御盤 2 現在水温表示部 3 設定水温表示部 4 タイマー表示部 5 水温/タイマー設定部 6 設定切替部 7 温水タンク 8,8 2枚蓋 9,9 折り畳み連続蓋 10,10 巻き蓋 11,11 巻き蓋載せ部 12 温水機 13 制御盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 誠蔵 栃木県下都賀郡藤岡町大字藤岡4290番地 株式会社タイガーカワシマ内 Fターム(参考) 2B051 AA01 AB01 BA02 BA11 BA14 BB03 BB04 BB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種籾の芒および枝梗の除去、選種、消
    毒、浸種ならびに催芽の各工程からなる種籾の予措工程
    において、種籾の芒および枝梗を除去する脱芒装置、選
    種のための塩水による比重選別装置、消毒のための温湯
    消毒装置を備えて、次の工程(1)〜(6)の順序によ
    り種籾の予措工程を進行させることを特徴とする種籾の
    予措方法。 (1)温湯消毒装置に水または温湯消毒の所定温度かそ
    れより低い温度の温水を張り、その加熱を開始する。 (2)種籾を脱芒装置にかけて芒および枝梗を除去す
    る。 (3)比重選別装置に水を張って所定比重の塩水とし、
    芒および枝梗を除去した種籾を塩水に浸して比重選別す
    る。 (4)比重選別により未熟籾などの不良種籾を除去した
    良種籾を真水により水洗する。 (5)水洗した種籾を網袋に詰めてまたは直に浸湯容器
    に入れ、温湯消毒装置の温水が温湯消毒の所定温度とな
    っていることを確認のうえ、上記種籾を温水に所定時間
    浸して種籾を温湯消毒する。 (6)温湯消毒後の種籾を直ちに冷水に浸して冷却す
    る。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の種籾の予措方法におい
    て、工程(6)に続けて次の工程(7−1)に移行する
    ことを特徴とする種籾の予措方法。 (7−1)種籾を自然乾燥またはそれと同等の乾燥が可
    能な乾燥手段により乾燥する。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の種籾の予措方法におい
    て、工程(6)に続けて次の工程(7−2)に移行し、
    次いで工程(8)に移行することを特徴とする種籾の予
    措方法。 (7−2)温湯消毒装置の温水を浸種温度に変更保持し
    て種籾の浸種を行う。 (8)浸種時間の経過後、温湯消毒装置の温水を催芽温
    度に変更保持して種籾の催芽を行う。
  4. 【請求項4】 種籾の芒および枝梗の除去、選種、消
    毒、浸種ならびに催芽の各工程からなる種籾の予措工程
    において、種籾の芒および枝梗を除去する脱芒装置、選
    種のための塩水による比重選別装置、消毒のための温湯
    消毒装置を文字、図形または文字と図形との混載により
    表示し、請求項1記載の工程(1)〜(6)、工程
    (1)〜(6)に加えて請求項2記載の工程(7−
    1)、または工程(1)〜(6)、工程(7−1)に加
    えて請求項3記載の工程(7−2)および(8)を表示
    してなることを特徴とする種籾の予措作業マニュアル。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の表示内容をプレートに表
    記してなることを特徴とする種籾の予措作業マニュア
    ル。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の表示内容を電子媒体によ
    り表示することを特徴とする種籾の予措作業マニュア
    ル。
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