JP2003021881A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JP2003021881A
JP2003021881A JP2001207753A JP2001207753A JP2003021881A JP 2003021881 A JP2003021881 A JP 2003021881A JP 2001207753 A JP2001207753 A JP 2001207753A JP 2001207753 A JP2001207753 A JP 2001207753A JP 2003021881 A JP2003021881 A JP 2003021881A
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silver halide
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JP2001207753A
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English (en)
Inventor
Atsushi Aoki
淳 青木
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 擦り傷耐性に優れ、処理後のカールが小さ
く、感度が高く、超硬調なハロゲン化銀写真感光材料及
びその処理方法を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物、及
び無機粒子と疎水性ポリマーからなる複合ラテックスを
含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有するア
ルキル基を表し、L1、L2は連結基を表し、Xpは水
素、ヒドロキシル基、アニオン性基、カチオン性基、両
性基を表し、R1、R2は水素、低級アルキル基を表す。
m、nは重合モル比を表し、m+n=1.0である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料及びその処理方法に関し、詳しくはイメージセッ
ター用印刷製版用ハロゲン化銀写真感光材料及びその処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷製版分野においては、高精細
画像やFMスクリーニングと言った従来よりも小さい網
点で画像を形成する方式が普及し始めている。こうした
方式においては、小点の濃度が乗りやすい超硬調なタイ
プの感光材料が適している。印刷製版用ハロゲン化銀写
真感光材料において、超硬調の画像を形成しうる写真技
術としては、例えば米国特許第4,269,929号に
開示されているヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化
銀写真感光材料あるいは、特開平4−98239号に開
示されているような造核促進剤を含有するハロゲン化銀
写真感光材料が知られている。
【0003】一方、ハロゲン化銀写真感光材料は、その
取り扱いあるいは各種の搬送装置等で擦り傷を受けやす
く、印刷製版用ハロゲン化銀写真感光材料においても、
例えばスキャナー露光装置の搬送ローラーとの摩擦や感
光材料同士の接触によって擦り傷黒化が生じやすい。そ
してフィルムの擦り傷故障は、単にハロゲン化銀写真感
光材料を傷つけるだけでなく、仕上がり原稿の品質を著
しく劣化させることから、擦り傷耐性の向上が強く望ま
れている。
【0004】印刷製版用ハロゲン化銀写真感光材料のス
キャナー露光機では、ハロゲン化銀写真感光材料はロー
ル状でセットされて搬送されるのが一般的である。この
ときハロゲン化銀写真感光材料のカールが強過ぎると搬
送不良を起こす。また現像処理後のフィルムは、次工程
で取り扱いやすいようにカールが少ないことが望まし
く、ハロゲン化銀写真感光材料は露光処理前後でカール
をより小さく抑えることが重要である。
【0005】また、ハロゲン化銀写真感光材料を構成す
る親水性コロイド層は、温度、湿度の変化に対して伸縮
しやすい。これらの欠点を改良する目的でポリマーラテ
ックスを含有することが行われている。例えば、特開平
5−66512等には種々のモノマーからなるポリマー
ラテックスを含有することが開示されている。
【0006】しかしながら、ヒドラジン誘導体を用いて
超硬調な画像を得る場合、これらのラテックスを含有さ
せることにより階調が軟調になったり、網点品質が劣化
したりすることがあった。さらに、高活性なヒドラジン
誘導体やポリマーラテックスを用いて少ない補充量で処
理を行うと、処理安定性がさらに劣化するという問題が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、擦り
傷耐性に優れ、処理後のカールが小さく、感度が高く、
超硬調なハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的上記は、下
記手段により達成される。
【0009】1.前記一般式(1)で表される化合物、
及び無機粒子と疎水性ポリマーからなる複合ラテックス
を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0010】2.前記一般式(1)で表される化合物、
及び活性メチレン基を含有するエチレン性不飽和モノマ
ーからなる繰り返し単位を有するポリマーラテックスを
含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】3.前記一般式(1)で表される化合物及
び滑り剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。
【0012】4.ヒドラジン化合物を含有することを特
徴とする上記1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化
銀写真感光材料。
【0013】5.テトラゾリウム化合物を含有すること
を特徴とする上記1〜3のいずれか1項に記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0014】6.上記1〜5のいずれか1項に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料を、現像時間が10〜25秒で
自動現像機を用いて処理することを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法。
【0015】7.上記1〜5のいずれか1項に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料を、ランニング処理時の現像液
の補充量が大全1枚(610mm×508mm)当たり
35〜50mlで自動現像機を用いて処理することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】8.現像時間が10〜25秒であることを
特徴とする上記7に記載のハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0017】以下本発明を詳細に説明する。本発明者は
鋭意研究の結果、前記一般式(1)で表されるフッ素原
子を含有する化合物と、特定の複合ラテックス、特定の
ポリマーラテックスまたは滑り剤をハロゲン化銀写真感
光材料(以下、単に感光材料とも言う)に含有させるこ
とにより、擦り傷耐性に優れ、処理後のカールが小さ
く、感度が高く、超硬調な感光材料を得ることを見出し
た。さらに、ヒドラジン化合物またはテトラゾリウム化
合物を併用することにより、本発明の効果がより発現す
ることを見出した。
【0018】また、本発明の上記感光材料は、10〜2
5秒の現像時間または現像液の補充量が大全1枚当たり
35〜50mlで自動現像機を用いて処理したときに
も、擦り傷、カール、感度、硬調等の特性が良好である
ことを見出した。
【0019】(一般式(1)で表される化合物)次に、
本発明に用いられる前記一般式(1)で表される化合物
について詳細に説明する。
【0020】前記一般式(1)において、Rfは少なく
とも1つのフッ素原子を含有するアルキル基を表し、そ
の炭素数が3〜15であることが好ましく、さらに4〜
10であることが好ましく、特に4〜7であることが好
ましい。
【0021】L1、L2は連結基を表し、連結基としては
ヘテロ原子またはカルボニル基、アミド基、あるいはこ
れらと結合したアルキレン基、例えばオキシアルキレン
基を表す。ヘテロ原子としては窒素、酸素、イオウ原子
が好ましい。
【0022】Xpは水素、ヒドロキシル基、アニオン性
基、カチオン性基、両性基を表す。アニオン性基として
はカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基が好まし
く、カウンターカチオンとして、ナトリウムイオン、カ
リウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイ
オン等が好ましい。カチオン性基としては、4級アルキ
ルアンモニウム基が好ましく、カウンターアニオンとし
て、ハロゲン化物イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン等が好ましい。両性基としては、前記カチオン性基と
アニオン性基の結合したものが好ましい。
【0023】R1、R2は水素、低級アルキル基、例えば
メチル基、エチル基を表す。m、nは重合モル比を表
し、m+n=1.0であり、好ましくは0.3≦m≦
0.9、0.1≦n≦0.7である。
【0024】本発明においては、Rf基を含有する異な
る複数のモノマーが共重合しても良いし、Xp基を含有
する異なる複数のモノマーが共重合しても良い。すなわ
ち、例えば、Rf1、Rf2、Rf3、・・・、L11
12、L13、・・・、R11、R12、R13、・・・、Xp
1、Xp2、Xp3、・・・、L21、L22、L23、・・
・、R21、R22、R23、・・・、m=m1+m2+m3
+・・・、n=n1+n2+n3+・・・という複合型
構成であっても良い。アニオン性基、カチオン性基、ノ
ニオン性基、両性基が複数存在してもよい。
【0025】一般式(1)で表される化合物の重量平均
分子量としては、15万以下、好ましくは5000〜1
0万である。分子量がこれより大きいと、写真構成層塗
布液を増粘させたり、塗膜の湿潤強度を低下させたりす
るので好ましくない。
【0026】以下に、一般式(1)で表される化合物の
具体例として、アニオン型化合物、カチオン型化合物、
ノニオン型化合物、両性型化合物及び複合型化合物を例
示するが、本発明で使用することができる化合物はこれ
らに限定されるものではない。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】上記化合物の合成方法については、特開平
10−501591号、同11−504360号、特開
2000−263714号を参考にすることができる。
【0033】本発明に用いられる一般式(1)で表され
る化合物は、保護層、中間層、フィルター層等の非感光
性コロイド層の内、支持体から最も遠い保護層に含有さ
れることが好ましい。添加量としては制限はないが、
0.001〜1g/m2が好ましく、更に好ましくは
0.002〜0.2g/m2である。
【0034】(複合ラテックス)本発明の感光材料は、
前記一般式(1)で表される化合物と共に、無機粒子と
疎水性ポリマーからなる複合ラテックスを含有すること
が好ましい。
【0035】複合ラテックスは、無機微粒子の存在下で
疎水性単量体を有する組成物を重合して得ることができ
る。例えば、特開平10−115882号記載の複合ラ
テックスL−1の製造例を参考にして得ることができ
る。
【0036】複合ラテックスに用いられる無機粒子とし
ては、金属酸化物、窒化物、硫化物等が挙げられるが、
好ましくは金属酸化物である。金属酸化物としてはN
a、K、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、
Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、T
u、Ag、Bi、B、Si、Mo、Ce、Cd、Mg、
Be、Pb等の金属の単一または複合の酸化物粒子が好
ましく、特に好ましくはY、Sn、Ti、Al、V、S
b、In、Mn、Ce、B、Siの単一または複合酸化
物粒子が乳剤との混和性の点から特に好ましい。
【0037】このような金属酸化物は、結晶性でも非晶
質でもよいが、特に非晶質の金属酸化物粒子が好まし
い。金属酸化物の平均粒径は0.5〜3000nmが好
ましく、3〜500nmが特に好ましい。また金属酸化
物は水及び/または水に可溶な溶媒に分散して用いるこ
とが好ましい。
【0038】金属酸化物の添加量は、疎水性ポリマーに
対して1〜2000質量%が好ましく、特に好ましくは
30〜1000質量%である。以下に好ましい金属酸化
物の例を示す。
【0039】 SO−1 SiO2 SO−2 TiO2 SO−3 ZnO SO−4 SnO2 SO−5 MgO SO−6 MnO2 SO−7 Fe23 SO−8 ZnSiO4 SO−9 Al23 SO−10 BeSiO4 SO−11 Al2SiO5 SO−12 ZrSiO4 SO−13 CaWO4 SO−14 CaSiO3 SO−15 InO2 SO−16 SnSbO2 SO−17 Sb25 SO−18 Nb25 SO−19 Y23 SO−20 CeO2 SO−21 Sb23 SO−22 Na2O。
【0040】複合ラテックスの疎水性ポリマーを形成す
る疎水性単量体としては、例えばアクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレ
フィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコ
ン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸
ジエステル類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニ
ルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル
類、不飽和ニトリル類、各種不飽和酸から選ばれる1種
または2種以上を組み合わせた疎水性単量体を挙げるこ
とができ、好ましくはアクリル酸エステル類及び/また
はメタクリル酸エステル類、及びスチレン類であり、エ
ステル基の炭素数が6以上であることが特に好ましい。
【0041】また、これらの疎水性単量体にグリシジル
基を有する疎水性単量体を少なくとも1.0〜20質量
%、好ましくは20〜100質量%用いることが好まし
い。
【0042】複合ラテックスを形成する疎水性ポリマー
には、疎水性単量体の他に親水性単量体を共重合させる
ことが好ましく、親水性単量体としては、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体、ヒ
ドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体、ア
ルキレンオキサイド含有単量体、アクリルアミド類、メ
タクリルアミド類、スルホン酸基含有単量体、アミノ基
含有単量体等が好ましく用いられるが、水酸基含有単量
体、カルボキシル基含有単量体、アミド基含有単量体、
スルホン基含有単量体が特に好ましい。親水性単量体
は、多量に添加すると水に溶解してしまうため、0.1
〜30質量%程度、特に好ましくは1.0〜20質量%
で用いる。
【0043】複合ラテックスは上記疎水性単量体及び/
または親水性単量体の種類を選択して、例えばカルボキ
シル基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、N−メチ
ロール基等の架橋基を有するものにすることができる。
【0044】また複合ラテックスは少なくとも2個の共
重合可能なエチレン性不飽和単量体を含有することがで
き、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、N,N−メチレンビスアクリル
アミド等のビニル基を2個有するもの、トリビニルシク
ロヘキサン、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリメタクリレート等のビニル基を3
個有する物、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等のビ
ニル基を4個有する物が挙げられるが、これらに限定は
されない。
【0045】複合ラテックスの平均粒径は、0.01〜
0.8μmが好ましく、0.005〜3.0μmのもの
であれば何れも好ましく使用することができる。
【0046】複合ラテックスは、例えば乳化重合法、溶
液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、放射線重合法等で
重合することができる。
【0047】溶液重合では、溶媒中で適当な濃度の単量
体の混合物(通常、溶剤に対して40質量%以下、好ま
しくは10〜25質量%の混合物)を開始剤の存在下で
約10〜200℃、好ましくは30〜120℃の温度で
約0.5〜48時間、好ましくは2〜20時間重合を行
う。
【0048】開始剤としては重合溶媒に可溶なものなら
ばよく、例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)、過酸化ジ第3ブチル等の有機溶
媒系開始剤、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カ
リウム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)−ハイドロクロライド等の水溶性開始剤、またこれ
らとFe2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み
合わせたレドックス系重合開始剤等を挙げることができ
る。
【0049】溶媒としては単量体の混合物を溶解するも
のであればよく、例えば水、メタノール、エタノール、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキ
サン、もしくはこれらの2種以上の混合溶媒等を挙げる
ことができる。重合終了後、生成したコポリマーを溶か
さない媒質中に反応混合物を注ぎ込み、生成物を沈降さ
せ、ついで乾燥することにより未反応混合物を分離除去
することができる。
【0050】乳化重合法では水を分散媒とし、水に対し
て10〜50質量%のモノマーとモノマーに対して0.
05〜5質量%の重合開始剤、0.1〜20質量%の分
散剤を用い、約30〜100℃、好ましくは60〜90
℃で3〜8時間攪拌下重合させる。モノマーの濃度、開
始剤量、反応温度、時間等は幅広くかつ容易に変更でき
る。
【0051】開始剤としては水溶性過酸化物(例えば過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ化
合物(例えば2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロ
パン)−ハイドロクロライド等)またはこれらとFe2+
塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレ
ドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0052】分散剤としては水溶性高分子が用いられる
が、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れも用いるこ
とができる。
【0053】本発明に用いる複合ラテックスを重合する
際には金属アルコキシド化合物を用いることが好まし
い。金属アルコキシド化合物には、カップリング剤と呼
ばれるものもあり、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウ
ムカップリング剤等種々のタイプのものが市販されてい
るが、好ましくはシランカップリング剤、チタンカップ
リング剤である。
【0054】複合ラテックスは、そのまま、もしくは水
に溶解または分散させて感光材料に含有することができ
る。分散方法としては超音波、ボールミル、アトライタ
ー、パールミル、3本ロールミル、高速グラインド装置
等を好ましく用いることができる。
【0055】複合ラテックスの使用量は、感光材料のバ
インダーに対し5〜90質量%添加するのが好ましく、
特に好ましくは10〜70質量%である。
【0056】以下に複合ラテックスの具体例を示すが、
これらに限定されない。
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】(ポリマーラテックス)本発明の感光材料
は、前記一般式(1)で表される化合物と共に、活性メ
チレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーからなる
繰り返し単位を有するポリマーラテックスを含有するこ
とが好ましい。本発明に用いられるこれらのポリマーラ
テックスは、下記一般式(2)で表されるポリマーであ
る。
【0061】 一般式(2) −(D)x−(A)y−(B)z− 式中、Dは、活性メチレン基を含有するエチレン性不飽
和モノマーより誘導される繰り返し単位を表し、Aは、
D以外でかつ、その単独重合体のガラス転移温度が35
℃以下であるようなエチレン性不飽和モノマーより誘導
される繰り返し単位を表し、Bは、D、A以外のエチレ
ン性不飽和モノマーより誘導される繰り返し単位を表
す。x、y、zは各成分の質量百分率を表し、xは0.
5〜40、yは60〜99.5、zは0〜50の値とす
る。ここで、x+y+z=100である。
【0062】さらに詳細に説明すると、Dで表される活
性メチレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーは、
下記一般式(3)で表される。
【0063】 一般式(3) CH2=C(R1)L−X 式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(例
えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル)ま
たはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)を表
し、好ましくは水素原子、メチル基、塩素原子を表す。
Lは単結合もしくは2価の連結基を表し、具体的には下
記一般式(4)で表される。
【0064】 一般式(4) −(L1m(L2n− L1は−CON(R2)−(R2は水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基または炭素数1〜6の置換アルキル基を
表す)、−COO−、−NHCO−、−OCO−、
【0065】
【化10】
【0066】(R3、R4はそれぞれ独立に、水素原子、
ヒドロキシル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置
換のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基もしく
はアリールオキシ基を表す)を表し、L2はL1とXを結
ぶ連結基を表し、mは0または1を表し、nは0または
1を表す。L2で表される連結基は具体的には、下記の
一般式(5)で表される。
【0067】 一般式(5) −[X1−(J1−X2p−(J2−X3q−(J3rs − J1、J2、J3は同じでも異なっていてもよく、−CO
−、−SO2−、−CON(R5)−(R5は水素原
子)、アルキル基(炭素数1〜6)、置換アルキル基
(炭素数1〜6)、−SO2N(R5)−(R5は上記と
同義)、−N(R5)−R 6−(R5は上記と同義、R6
炭素数1〜4のアルキレン基)、−N(R5)−R 6−N
(R7)−(R5、R6は上記と同義、R7は水素原子、ア
ルキル基(炭素数1〜6)、置換アルキル基(炭素数1
〜6)を表す。)、−O−、−S−、−N(R5)−C
O−N(R7)−(R5、R7は上記と同義)、−N
(R5)−SO2−N(R7)−(R5、R7は上記と同
義)、−COO−、−OCO−、−N(R5)CO2
(R5は上記と同義)、−N(R5)CO−(R5は上記
と同義)等を挙げることができる。
【0068】p、q、r、sは0または1を表す。
1、X2、X3は互いに同じでも異なっていてもよく、
炭素数1〜10の無置換もしくは置換のアルキレン基、
アラルキレン基またはフェニレン基を表し、アルキレン
基は直鎖でも分岐でもよい。アルキレン基としては、例
えばメチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、ジ
メチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチ
レン、ヘキサメチレン、デシルメチレン、アラルキレン
基としては、例えばベンジリデン、フェニレン基として
は、例えばp−フェニレン、m−フェニレン、メチルフ
ェニレン等がある。
【0069】Xは活性メチレン基を含む1価の基を表
し、好ましい具体例としては、R8−CO−CH2−CO
O−(R8は炭素数1〜12の置換または無置換のアル
キル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−
ブチル、t−ブチル、n−ノニル、2−メトキシエチ
ル、4−フェノキシブチル、ベンジル、2−メタンスル
ホンアミドエチル等)、置換または無置換のアリール基
(例えば、フェニル、p−メチルフェニル、p−メトキ
シフェニル、o−クロロフェニル等)、アルコキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、n
−ブトキシ等)、シクロアルキルオキシ基(例えばシク
ロヘキシルオキシ)、アリロキシ(例えば、フェノキ
シ、p−メチルフェノキシ、o−クロロフェノキシ、p
−シアノフェノキシ等)、アミノ基、置換アミノ基(例
えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、
ブチルアミノ等))、NC−CH2−COO−、R8−C
O−CH2−CO−(R8は上記に同じ)、R8−CO−
CH2−CONR5−(R5、R8は前記に同じ)等を挙げ
ることができる。
【0070】以下に、本発明に用いられる一般式(2)
で表されるポリマーにおいて、Dで表される活性メチレ
ン基を有するエチレン性不飽和モノマーを例示するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】 M−1 2−アセトアセトキシエチルメタクリレート M−2 2−アセトアセトキシエチルアクリレート M−3 2−アセトアセトキシプロピルメタクリレート M−4 2−アセトアセトキシプロピルアクリレート M−5 2−アセトアセトアミドエチルメタクリレート M−6 2−アセトアセトアミドエチルアクリレート M−7 2−シアノアセトキシエチルメタクリレート M−8 2−シアノアセトキシエチルアクリレート M−9 N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリル
アミド M−10 2−プロピオニルアセトキシエチルアクリレ
ート M−11 N−(2−プロピオニルアセトキシエチル)
メタクリルアミド M−12 N−4−(アセトアセトキシベンジル)フェ
ニルアクリルアミド M−13 エチルアクリロイルアセテート M−14 アクリロイルメチルアセテート M−15 N−メタクリロイルオキシメチルアセトアセ
トアミド M−16 エチルメタクリロイルアセトアセテート M−17 N−アリルシアノアセトアミド M−18 メチルアクリロイルアセトアセテート M−19 N−(2−メタクリロイルオキシメチル)シ
アノアセトアミド M−20 p−(2−アセトアセチル)エチルスチレン M−21 4−アセトアセチル−1−メタクリロイルピ
ペラジン M−22 エチル−α−アセトアセトキシメタクリレー
ト M−23 N−ブチル−N−アクリロイルオキシエチル
アセトアセトアミド M−24 p−(2−アセトアセトキシ)エチルスチレ
ン Aで表される繰り返し単位を与えるエチレン性不飽和モ
ノマーは、その単独重合体のガラス転移温度が35℃以
下となるようなモノマーであり、具体的にはアルキルア
クリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアク
リレート、ベンジルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、n−ドデシルアクリレート等)、アルキ
ルメタクリレート(例えば、n−ブチルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、n−ドデシルメタクリレート等)、ジ
エン類(例えば、ブタジエン、イソプレン等)、ビニル
エステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等)等を挙げることができる。
【0072】さらに好ましいモノマーとしては、単独重
合体のガラス転移温度が10℃以下のモノマーであり、
このようなモノマーとしては炭素数2以上のアルキル側
鎖を有するアルキルアクリレート(例えば、エチルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート等)、炭素数6以上のアルキル側鎖を有
するアルキルメタクリレート(例えば、n−ヘキシルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート
等)、ジエン類(例えば、ブタジエン、イソプレン)を
特に好ましい例として挙げることができる。
【0073】上記のポリマーのガラス転移温度の値につ
いては、J.Brandrup,E.H.Immerg
ut共編「Polymer Handbook」第3版
(John Wiley & Sons.1989年)
VI/209〜VI/277頁に記載されている。
【0074】Bで表される繰り返し単位は、A以外の繰
り返し単位、すなわちその単独重合体のガラス転移温度
が35℃を超えるようなモノマーより誘導される繰り返
し単位を表す。
【0075】具体的には、アクリル酸エステル類(例え
ば、t−ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、
2−ナフチルアクリレート等)、メタクリル酸エステル
類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレー
ト、4−クロロベンジルメタクリレート等)、ビニルエ
ステル類(例えば、安息香酸ビニル、ピバロイルオキシ
エチレン等)、アクリルアミド類(例えば、アクリルア
ミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、
プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、te
rt−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリル
アミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルア
クリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチ
ルアミノエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミ
ド、β−シアノエチルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド等)、メタクリルアミド類(例えば、メタク
リルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリ
ルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリ
ルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロ
ヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミ
ド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチ
ルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリル
アミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリ
ルアミド、ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチ
ルメタクリルアミド等)、スチレン類(例えば、スチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロ
ロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチ
レン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチ
レン、ビニル安息香酸メチルエステル等)、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルオキサゾリドン、塩化ビニリデン、フェ
ニルビニルケトン等を挙げることができる。
【0076】また、本発明に用いられる一般式(2)で
表されるポリマーにおいては、特公昭60−15935
号、同45−3832号、同53−28086号、米国
特許第3,700,456号等に記載されているような
アニオン性官能基(例えば、カルボキシル基、スルホン
酸基)を有するモノマーを、ラテックスの安定性を向上
させる等の目的で共重合してもよい。
【0077】このようなモノマーとしては、以下の化合
物を挙げることができる。アクリル酸;メタクリル酸;
イタコン酸;マレイン酸;イタコン酸モノアルキル、例
えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル
等;マレイン酸モノアルキル、例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル等;シトラコン酸;スチ
レンスルホン酸;ビニルベンジルスルホン酸;ビニルス
ルホン酸;アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、例
えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロ
イルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロ
ピルスルホン酸等;メタクリロイルオキシアルキルスル
ホン酸、例えば、メタクリロイルオキシメチルスルホン
酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリ
ロイルオキシプロピルスルホン酸等;アクリルアミドア
ルキルスルホン酸、例えば、2−アクリルアミド−2−
メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルブタンスルホン酸等;メタクリルアミドアルキルス
ルホン酸、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチル
エタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチ
ルブタンスルホン酸等;これらの酸はアルカリ金属(例
えば、Na、K等)またはアンモニウムイオンの塩であ
ってもよい。
【0078】x、y、zは重合体中の各モノマー成分の
質量百分率を表し、xは0.5〜40、好ましくは0.
5〜30、特に好ましくは1〜20であり、yは60〜
99.5、好ましくは70〜99.5、特に好ましくは
75〜99であり、zは0〜50、好ましくは0〜3
5、特に好ましくは0〜25である。
【0079】また、上記のアニオン性官能基を有する単
量体は、その単独重合体のガラス転移温度の大小に依ら
ず、ラテックスの安定性付与等の必要に応じて用いるこ
とが可能であり、用いた場合の好ましい量は、ポリマー
の全質量に対し0.5〜20質量%、特に好ましくは1
〜10質量%である。
【0080】本発明に用いられる一般式(2)で表され
るポリマーラテックスの好ましい化合物について以下に
例示する。括弧内は共重合体における各成分の質量百分
率を表す。
【0081】L−1 エチルアクリレート/M−1/ア
クリル酸共重合体(85/10/5) L−2 n−ブチルアクリレート/M−1/2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ共重合
体(85/10/5) L−3 n−ブチルアクリレート/M−1/メタクリル
酸共重合体(85/5/10) L−4 2−エチルヘキシルアクリレート/M−2/2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソー
ダ共重合体(75/20/5) L−5〜9 n−ブチルアクリレート/M−1/アクリ
ル酸共重合体(x/y/z) L−5 x/y/z=95/2/3 L−6 x/y/z=92/5/3 L−7 x/y/z=89/8/3 L−8 x/y/z=81/16/3 L−9 x/y/z=72/25/3 L−10 n−ブチルアクリレート/スチレン/M−1
/メタクリル酸共重合体(65/20/5/10) L−11 メチルアクリレート/M−4/メタクリル酸
共重合体(80/15/5) L−12 n−ブチルアクリレート/M−5/アクリル
酸共重合体(85/10/5) L−13 n−ブチルアクリレート/M−7/メタクリ
ル酸共重合体(85/10/5) L−14 2−エチルヘキシルアクリレート/M−9共
重合体(75/25) L−15 n−ブチルアクリレート/M−13/スチレ
ンスルホン酸ソーダ共重合体(85/10/5) L−16 n−ブチルアクリレート/スチレン/スチレ
ンスルフィン酸カリウム共重合体(75/20/5) L−17 n−ヘキシルアクリレート/メトキシエチル
アクリレート/M−2共重合体(70/20/10) L−18 2−エチルヘキシルアクリレート/M−15
/メタクリル酸共重合体(90/5/5) L−19 n−ブチルアクリレート/M−1/M−17
/アクリル酸共重合体(75/5/15/5) L−20 オクチルメタクリレート/M−20/スチレ
ンスルホン酸ソーダ共重合体(80/15/5) 本発明に用いられるポリマーラテックスは、一般によく
知られている乳化重合法によって調製され、その粒子径
の好ましい範囲は0.01〜1.0μmである。乳化重
合は、好ましくは少なくとも一種の乳化剤を用いて、水
あるいは、水と水に混和しうる有機溶媒(例えばメタノ
ール、エタノール、アセトン等)の混合溶媒中でモノマ
ーを乳化させラジカル重合開始剤を用いて一般に30〜
100℃、好ましくは40〜90℃の温度で行なわれ
る。水を混和しうる有機溶媒の量は水に対して体積比で
0〜100%、好ましくは0〜50%である。
【0082】重合反応は、通常重合すべき単量体に対し
0.05〜5質量%のラジカル重合開始剤と必要に応じ
て0.1〜10質量%の乳化剤を用いて行なわれる。重
合開始剤としては、アジビス化合物、パーオキサイド、
ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒等、例えば過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブチル
パーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプ
ロピルパーカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等
がある。
【0083】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
両性、ノニオン性の界面活性剤の他、水溶性ポリマー等
がある。例えばラウリン酸ソーダ、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、1−オクトキシカルボニルメチル−1−オクトキ
シカルボニルメタンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、セチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、N−2−エチルヘキシルピ
リジニウムクロライド、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリル
エステル、ポリビニルアルコール、特公昭53−619
0号に記載の乳化剤、水溶性ポリマー等がある。
【0084】乳化重合においては、その目的に応じて、
重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間等を幅広く、か
つ、容易に変更できることはいうまでもない。また、乳
化重合反応はモノマー、界面活性剤、媒体を予め容器に
全量入れておき、開始剤を投入して行ってもよいし、必
要に応じて各成分の一部あるいは全量を滴下しながら重
合を行ってもよい。
【0085】本発明に用いられる一般式(2)で表され
るポリマーにおける、Dで表される活性メチレン基を有
するモノマーやポリマーラテックスの種類やその合成法
については、上記の他、米国特許第3,459,790
号、同3,619,195号、同3,929,482
号、同3,700,456号、西独特許第2,442,
165号、欧州特許第13,147号、特開昭50−7
3625号、同50−146331号等の記載を参考に
行うことができる。
【0086】次に、本発明に用いられるポリマーラテッ
クスはコア/シェル構造を有するポリマーラテックスで
もよい。本発明に用いられるラテックスを構成するコア
は、具体的は種々の重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ーの1種もしくは2種以上の繰返し単位からなるポリマ
ーである。
【0087】このようなモノマーとしては、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル
類、オレフィン類、ジエン類、アクリルアミド類、メタ
クリルアミド類、ビニルエーテル類、他種々のエチレン
性不飽和モノマーを用いることができ、また、2個以上
のエチレン性不飽和基を有するモノマーも好ましく用い
ることができる。
【0088】さらに具体的な例を挙げると、アクリル酸
エステル類及びメタクリル酸エステル類としては、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチル
アクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、tert−
オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレー
ト、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチル
アクリレート、シアノエチルアクリレート、2−アセト
キシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリ
レート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアク
リレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリ
レート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、2,2
−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルア
クリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−i
so−プロポキシアクリレート、2−ブトキシエチルア
クリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアク
リレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリ
レート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレ
ート(付加モル数n=9)、1−ブチルアミノフェノキ
シエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタ
クリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコ
ールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノ
メタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、
3−メトキシブチルメタクリレート、2−アセトキシエ
チルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレー
ト、2−iso−プロポキシエチルメタクリレート、2
−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシ
エトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ブトキシ
エトキシ)エチルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト等を挙げることができる。
【0089】ビニルエステル類の例としては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフ
ェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル
等を挙げることができる。共役ジエンモノマーとして
は、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プ
ロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、
1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル
−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブ
タジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1−ブロ
ム−1,3−ブタジエン、1−クロルブタジエン、2−
フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロル−
1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロル−1,3
−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエンを挙
げることができる。
【0090】また、上記のモノマー以外にアクリルアミ
ド類、例えば、アクリルアミド、エチルアクリルアミ
ド、tert−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシル
アクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシ
メチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシル
ビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等、そ
の他として、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、
イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、メチ
ルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチ
ルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、アクリロニト
リル、メタアクリロニトリル、メチレンマロンニトリ
ル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ビニルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スチレンスルホン酸、等を挙げることができる。
【0091】また本発明に用いられるラテックスのコア
には、少なくとも2個の共重合可能なエチレン性不飽和
基を有するモノマーを用いることもできる。このような
モノマーの例としては、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、トリビニルシクロヘキサン、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールメタクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、等が挙げられる。
【0092】以上、列挙したモノマーは1種のみを用い
てもよいし2種以上のモノマーを共重合してもよい。ま
た重合の行いやすさ、コア/シェル構造形成のしやすさ
の点から、上記のモノマー群のうち、好ましく用いられ
るのはアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル
類、ビニルエステル類、共役ジエン類、スチレン類、2
個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーである。
以上述べたコアポリマーのうち、特に好ましい態様とし
ては、コアポリマーが乳化重合により製造され、かつ水
性媒体中に微粒子分散物(ラテックス)の形で存在して
いることである。
【0093】このような分散物においては、コアポリマ
ーは微粒子の形で存在している。このポリマーの粒子径
は、ゼラチンと混合したフィルムの膜物理性や、それ自
体の水分散安定性、被膜形成性に影響を及ぼし、大き過
ぎると好ましくない。以上の点より、コアポリマーの数
平均粒子径は1.0μm以下、好ましくは0.7μm以
下、特に好ましくは0.5μm以下である。そして下限
は0.00001μm以上が好ましい。
【0094】本発明に用いられるコア/シェルラテック
スのシェル部について以下に説明する。シェル部は少な
くとも1種の下記一般式(6)で表される活性メチレン
基を有するエチレン性不飽和モノマーより誘導される繰
返し単位を有するポリマーである。
【0095】 一般式(6) CH2=C(R1)L−X 式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基また
はハロゲン原子を表し、Lは単結合または二価の連結基
を表す。XはR2COCH2COO−、NC−CH2CO
O−、R2COCH2CO−、NC−CH2CO−(R2
炭素数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素
数6〜20の置換または無置換のアリール基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置
換アミノ基を表す)、R9−CO−CH2CON(R6
−(R6は水素原子、炭素数1〜6の置換または無置換
のアルキル基を表し、R9は炭素数1〜12の置換また
は無置換の1級または2級アルキル基、炭素数1〜12
のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミ
ノ基を表す)から選ばれる活性メチレン基を表し、Xに
対してLはアルキレンアラルキレンもしくはアリーレン
の形で結合する。
【0096】さらに詳細に説明すると、R1は水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ブチル)またはハロゲン原子
(例えば、塩素原子、臭素原子)を表し、好ましくは水
素原子、メチル基、塩素原子を表す。Lは単結合もしく
は2価の連結基を表し、具体的には下記一般式(7)で
表される。
【0097】 一般式(7) −(L1m(L2n− L1は−CON(R3)−(R3は水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、または炭素数1〜6の置換アルキル基
を表す)、−COO−、−NHCO−、−OCO−、
【0098】
【化11】
【0099】(R4、R5はそれぞれ独立に、水素原子、
ヒドロキシル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置
換の、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基もし
くはアリールオキシ基を表す)、を表し、L2はL1とX
を結ぶ連結基を表し、mは0または1を表し、nは0ま
たは1を表す。また、n=0のときはm=0である。L
2で表される連結基は具体的には、下記一般式(8)で
表される。
【0100】一般式(8) −[X1−(J1−X2p−(J2−X3q−(J3
4rs− J1、J2、J3は同じでも異なっていてもよく、−CO
−、−SO2−、−CON(R6)−(R6は水素原子、
アルキル基(炭素数1〜6)、置換アルキル基(炭素数
1〜6))、−SO2N(R6)−(R6は上記と同
義)、−N(R6)−R 7−(R6は上記と同義、R7は炭
素数1〜4のアルキレン基)、−N(R6)−R 7−N
(R8)−(R6、R7は上記と同義、R8は水素原子、ア
ルキル基(炭素数1〜6)、置換アルキル基(炭素数1
〜6。置換基の例としてはハロゲン原子、アルコキシ基
(メトキシ、エトキシ等)等)を表す。)、−O−、−
S−、−N(R6)−CO−N(R8)−(R6、R8は上
記と同義)、−N(R6)−SO2−N(R8)−(R6
8は上記と同義)、−COO−、−OCO−、−N
(R6)CO2−(R6は上記と同義)、−N(R6)CO
−(R6は上記と同義)等を挙げることができる。
【0101】p、q、r、sは0または1を表す。
1、X2、X3、X4は互いに同じでも異なっていてもよ
く、炭素数1〜10の無置換もしくは置換のアルキレン
基、炭素数7〜20のアラルキレン基、または炭素数6
〜20のフェニレン基を表し、アルキレン基は直鎖でも
分岐でもよい。アルキレン基としては例えばメチレン、
メチルメチレン、ジメチルメチレン、メトキシメチレ
ン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペン
タメチレン、ヘキサメチレン、デシルメチレン、アラル
キレン基としては例えばベンジリデン、フェニレン基と
しては例えばp−フェニレン、m−フェニレン、メチル
フェニレン、クロルフェニレン、メトキシフェニレン等
がある。
【0102】Xは活性メチレン基を含む1価の基であ
り、具体的にはR2COCH2COO−、NCCH2CO
O−、R2COCH2CO−、NC−CH2CO−、R9
CO−CH2CON(R6)−を挙げることができる。こ
こでR6は前記に同じであり、R2は、炭素数1〜12の
置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ノニ
ル、2−メトキシエチル、4−フェノキシブチル、ベン
ジル、2−メタンスルホンアミドエチル等)、炭素数6
〜20の置換または無置換のアリール基(例えばフェニ
ル、p−メチルフェニル、p−メトキシフェニル、o−
クロロフェニル等)、炭素数1〜12のアルコキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、n
−ブトキシ等)、シクロアルキルオキシ基(例えばシク
ロヘキシルオキシ)、アリロキシ(例えばフェノキシ、
p−メチルフェノキシ、o−クロロフェノキシ、p−シ
アノフェノキシ等)、アミノ基、炭素数1〜12の置換
アミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチ
ルアミノ、ブチルアミノ等)を表す。上記で述べた内、
特に好ましいのは炭素数1〜12個の置換または無置換
の1級もしくは2級アルキル基である。
【0103】R9は炭素数1〜12の置換または無置換
の1級または2級のアルキル基、炭素数1〜12のアル
コキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基を
表し、その具体例は、上記R2の記載と同じである。ま
た、R9として特に好ましいのは、炭素数1〜12個の
置換または無置換の1級もしくは2級アルキル基であ
る。
【0104】以上述べたXで表される活性メチレン基の
うち、本発明において特に好ましい効果を示すのは、R
2COCH2COO−、NCCH2COO−、R2COCH
2CO−、NC−CH2CO−である。
【0105】以下に本発明に用いられるラテックスにお
けるシェルを構成する繰返し単位を与える活性メチレン
基を有するモノマーを具体的に例示するが、本発明はこ
れらに限定されない。
【0106】 M−1 2−アセトアセトキシエチルメタクリレート M−2 2−アセトアセトキシエチルアクリレート M−3 2−アセトアセトキシプロピルメタクリレート M−4 2−アセトアセトキシプロピルアクリレート M−5 2−アセトアセトアミドエチルメタクリレート M−6 2−アセトアセトアミドエチルアクリレート M−7 2−シアノアセトキシエチルメタクリレート M−8 2−シアノアセトキシエチルアクリレート M−9 N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリル
アミド M−10 2−プロピオニルアセトキシエチルアクリレ
ート M−20 p−(2−アセトアセチル)エチルスチレン M−21 4−アセトアセチル−1−メタクリロイルピ
ペラジン M−22 エチル−α−アセトアセトキシメタクリレー
ト M−23 N−ブチル−N−アクリロイルオキシエチル
アセトアセトアミド M−24 p−(2−アセトアセトキシ)エチルスチレ
ン シェル部を構成するポリマー中には、上記の活性メチレ
ン基を含むエチレン性不飽和モノマー以外のエチレン性
不飽和モノマーが共重合されていてもよい。このような
モノマーとしては、アクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニ
ルエーテル類、その他前記のコア粒子を構成するモノマ
ーを具体例として挙げることができ、このうちアクリル
酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステ
ル類、スチレン類が特に好ましい。
【0107】本発明に用いられるコア/シェルポリマー
ラテックスにおいて、シェルポリマーにおける活性メチ
レン基を有するモノマーユニットの割合は、性能上の必
要により任意に変えることができ、0.1〜100質量
%の範囲で用いることができる。但し、活性メチレン基
を有するモノマーユニットの共重合量を増やすと前記の
効果は増大するが、ある量以上ではその効果が飽和して
しまう場合もあり、好ましくは0.1〜60質量%、特
に好ましくは1〜40質量%である。
【0108】本発明に用いられるコア/シェルポリマー
ラテックスにおけるコア部ポリマーとシェル部ポリマー
の量比は任意に変えることができるが、コア/シェル質
量比で10/90〜95/5、好ましくは20/80〜
95/5、特に好ましくは30/70〜90/10であ
る。このことはコアが少な過ぎると活性メチレンモノマ
ーのシェル部への集中効果が目減りし、シェルが少な過
ぎると、明確なコア/シェル構造形成が難しくなること
を意味する。またコア/シェルポリマーラテックスの粒
子径は、前記コアポリマー粒子と同様1.0μm以下が
好ましい。共役ジエンモノマーを一定量以上用いるとコ
ア粒子は極めて低極性となるため、前記シェル部に用い
るモノマーの大部分と有効なコア/シェル構造の形成が
可能となる。このような性能のコアを形成させるための
目安は共役ジエンモノマーが質量比で25%以上含まれ
ることであり、好ましい例としては、スチレン−ブタジ
エン共重合体(一般にSBRと呼ばれ、溶液重合SBR
と乳化重合SBRがある。溶液重合SBRとしては、ラ
ンダム重合体の他に前記のブロック共重合体(例えば、
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体)がある)、ブタ
ジエン単独重合体(例えばシス−1,4−ブタジエン、
トランス−1,2−ブタジエン、あるいは、これらとト
ランス−1,4−ブタジエン構造の混在したゴム)、イ
ソプレン単独重合体(立体構造の例は、ブタジエン重合
体に同じ)、スチレン−イソプレン共重合体(ランダム
共重合体、ブロック共重合体)、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(ジエン単量体としては、1,4−ヘ
キサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボ
ルネン等を挙げることができる)、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、イソブチ
レン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリル酸エ
ステル共重合体(アクリル酸エステルとしては、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル等)及びブタジエン−ア
クリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体(アクリ
ル酸エステルとしては前記に同じ)を挙げることができ
る。また、コアとシェルを構成するポリマーの極性差が
大きいものを選択することによっても有効なコア/シェ
ル構造形成が可能であり、例えばポリ(n−ドデシルメ
タクリレート)コア/ポリ(メチルアクリレート−コ−
2−アセトアセトキシエチルメタクリレート)シェル
や、ポリ(エチルアクリレート)コア/ポリ(スチレン
−コ−2−アセトアセトキシエチルアクリレート)シェ
ル等が挙げられる。但しこれらは、本発明に用いられる
コア/シェルポリマーラテックスにおける効果の大小の
点で選択できることを示すものであって、たとえ、極性
の近いポリマー同志の組合せにおいても、非コア/シェ
ル型のポリマーラテックスに対しては、本発明に用いら
れるコア/シェルラテックスの方がより優れた皮膜強度
特性を示す。
【0109】また、極性の近いモノマーをコア及びシェ
ルに用いた場合でも、コアを前記の架橋モノマー(分子
内に2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー)
を用いて3次元架橋化することにより、極めて効果的な
コア/シェルポリマーラテックスとすることができる。
以上により、本発明においては、用いるモノマーの種類
によらず有用なコア/シェルポリマーラテックス構造の
形成が可能である。
【0110】本発明に用いられるコア/シェルラテック
スは、皮膜強度特性とは別にゼラチンフィルムに添加し
た時の脆弱改良効果の点でコア部またはシェル部、ある
いはコア部、シェル部の両方のガラス転移温度(Tg)
が50℃以下であるのが適当であり、剪断安定性向上の
点で好ましくはコア部のTgがシェル部のTgより低
く、更に好ましくはコア部のTgが0℃未満(下限は−
110℃)、シェル部のTgが0℃以上(上限は150
℃)が好ましい。
【0111】ポリマーのTgは、例えば「J.Bran
drup ,E.H.Immergut共著.Poly
merHondbook,2nd Edition,II
I−139〜192(1975)」に詳細に記載されて
おり、また、共重合体の場合には下式により求めること
ができる。
【0112】
【数1】
【0113】式中、Tgnはモノマーnの単独重合体の
Tg、anはポリマー中のモノマーnの質量比を表し、
1+a2+・・・+an=1である。
【0114】本発明に用いられるコア/シェルポリマー
ラテックスにおいて、コアポリマー、またはシェルポリ
マー、あるいは両者ともに、架橋されていてもよい。こ
の場合、得られるポリマーの分子量は無限大である。未
架橋の場合に於けるポリマーの分子量は、モノマーの種
類や合成条件により異なるが、5000〜200万の範
囲内であり、また、目的によって、連鎖移動剤等により
分子量を調節することも可能である。
【0115】以下に本発明に用いられるコア/シェルラ
テックスの好ましい化合物例を示すが本発明がこれらに
限定されるものではない。下記の各ラテックス化合物の
構造は、コアポリマー構造、シェルポリマーの構造及び
コア/シェルの比率の順に記載し、各ポリマーにおける
共重合組成比及びコア/シェル比についてはいずれも質
量百分率で表した。
【0116】P−1〜12 コア:スチレン/ブタジエ
ン共重合体(37/63) P−1 シェル=スチレン/M−1(98/2) コア/シェル=50/50 P−2 シェル=スチレン/M−1(96/4) コア/シェル=50/50 P−3 シェル=スチレン/M−1(92/8) コア/シェル=50/50 P−4 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=50/50 P−5 シェル=スチレン/M−1(68/32) コア/シェル=50/50 P−6 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=67/33 P−7 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=85/15 P−8 シェル=n−ブチルアクリレート/M−1(9
6/4) コア/シェル=50/50 P−9 シェル=n−ブチルアクリレート/M−1(9
2/8) コア/シェル=50/50 P−10 シェル=n−ブチルアクリレート/M−1
(84/16) コア/シェル=50/50 P−11 シェル=メチルアクリレート/M−7(84
/16) コア/シェル=50/50 P−12 シェル=スチレン/メチルアクリレート/M
−3(21/63/16) コア/シェル=50/50 P−13〜14 コア:スチレン/ブタジエン共重合体
(22/78) P−13 シェル=スチレン/M−2(84/16) コア/シェル=50/50 P−14 シェル=n−ブチルアクリレート/M−8
(84/16) コア/シェル=50/50 P−15〜20 コア:ポリブタジエン単独重合体(1
00) P−15 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=50/50 P−16 シェル=エチルアクリレート/M−7/メタ
クリル酸(65/15/20) コア/シェル=75/25 P−17 シェル=n−ブチルアクリレート/M−1
(84/16) コア/シェル=50/50 P−18 シェル=n−ブチルアクリレート/M−2
(84/16) コア/シェル=50/50 P−19 シェル=2−エチルヘキシルアクリレート/
M−24(84/16) コア/シェル=50/50 P−20 シェル=n−ブチルアクリレート/M−18
(84/16) コア/シェル=50/50 P−21〜23 コア:ポリイソプレン単独重合体(1
00) P−21 シェル=スチレン/アクリロニトリル/M−
1(63/21/16) コア/シェル=90
/10 P−22 シェル=メチルメタクリレート/エチルアク
リレート/M−2/2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸ソーダ(15/65/15/5) コア/シェル=75/25 P−23 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=20/80 P−24〜26 コア:スチレン/ブタジエン共重合体
(49/51) P−24 シェル=スチレン/ブチルアクリレート/M
−1(26/60/15) コア/シェル=50/50 P−25 シェル=M−1(100) コア/シェル=90/10 P−26 シェル=ラウリルメタクリレート/ブチルア
クリレート/M−7(30/55/15) コア/シェル=40/60 P−27 コア:アクリロニトリル/スチレン/ブタジ
エン共重合体(25/25/50) シェル:ブチルアクリレート/M−1(92/8) コア/シェル=50/50 P−28 コア:アクリル酸エチル/ブタジエン共重合
体(50/50) シェル:スチレン/ジビニルベンゼン/M−1(79/
5/16) コア/シェル=50/50 P−29〜33 コア:ポリ(n−ドデシルメタクリレ
ート)単独重合体 P−29 シェル=スチレン/M−1(92/8) コア/シェル=50/50 P−30 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=50/50 P−31 シェル=エチルアクリレート/M−1(96
/4) コア/シェル=50/50 P−32 シェル=エチルアクリレート/M−1(92
/8) コア/シェル=50/50 P−33 シェル=スチレン/メチルアクリレート/M
−3(21/63/16) コア/シェル=50/50 P−34 コア:ポリ(n−ブチルアクリレート)単独
重合体 シェル:スチレン/M−2(84/16)コア/シェル
=50/50 P−35〜36 コア:ポリ(エチレングリコールジメ
タクリレート/n−ブチルアクリレート)共重合体(1
0/90) P−35 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=50/50 P−36 シェル=メチルアクリレート/M−7/メタ
クリル酸(65/15/20) コア/シェル=75/25 P−37〜40 コア:ポリ(エチレングリコールジメ
タクリレート/n−ブチルアクリレート)共重合体(2
0/80) P−37 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=50/50 P−38 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=75/25 P−39 シェル=メチルアクリレート/M−8/2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(80/15/5) コア/シェル=75/25 P−40 シェル=n−ブチルアクリレート/M−1
(84/16) コア/シェル=50/50 P−41〜43 コア:ポリ酢酸ビニル単独重合体(1
00) P−41 シェル=スチレン/M−1(84/16) コア/シェル=50/50 P−42 シェル=スチレン/ジビニルベンゼン/M−
24(79/5/16) コア/シェル=50/50 P−43 シェル=n−ドデシルメタクリレート/ブチ
ルアクリレート/M−7(30/55/15) コア/シェル=40/60 P−44〜46 コア:ポリ(ジビニルベンゼン/2−
エチルヘキシルアクリレート)共重合体(10/90) P−44 シェル=メチルアクリレート/M−1(84
/16) コア/シェル=50/50 P−45 シェル=メチルアクリレート/スチレン/M
−1(74/10/16) コア/シェル=50/50 P−46 シェル=M−1(100) コア/シェル=90/10 P−47〜49 コア:ポリ(ジビニルベンゼン/スチ
レン/2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体(1
0/23/67) P−47 シェル=メチルアクリレート/M−1(84
/16) コア/シェル=50/50 P−48 シェル=メチルアクリレート/スチレン/M
−1(74/10/16) コア/シェル=50/50 P−49 シェル=エチルアクリレート/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート/M−5(65/15/20) コア/シェル=85/15 P−50 コア:ポリ(エチレングリコールジメタクリ
レート/パルミチン酸ビニル/n−ブチルアクリレー
ト)共重合体(20/20/60) シェル:エチレングリコールジメタクリレート/スチレ
ン/n−ブチルメタクリレート/M−1(5/40/4
0/15) コア/シェル=50/50 P−51 コア:ポリ(トリビニルシクロヘキサン/n
−ブチルアクリレート/スチレン)共重合体(10/5
5/35) シェル:メチルアクリレート/M−1/2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(88/7
/5) コア/シェル=70/30 P−52〜53 コア:ポリ(ジビニルベンゼン/スチ
レン/メチルメタクリレート)共重合体(10/45/
45) P−52 シェル=n−ブチルアクリレート/M−1
(84/16) コア/シェル=50/50 P−53 シェル=n−ドデシルアクリレート/エチル
アクリレート/M−21(60/30/10) コア/シェル=50/50 P−54〜55 コア:ポリ(p−ビニルトルエン/n
−ドデシルメタクリレート)共重合体(70/30) P−54 シェル=メチルアクリレート/n−ブチルメ
タクリレート/M−2/アクリル酸(30/55/10
/5) コア/シェル=50/50 P−55 シェル=n−ブチルアクリレート/M−19
(84/16) コア/シェル=70/30 本発明に用いられるコア/シェルポリマーラテックス
は、コアラテックスポリマーを乳化重合して得られる水
分散物に対し、シェルを形成するモノマーを一括投入ま
たは滴下しながらさらに乳化重合することにより、容易
に得ることができる。乳化重合法は好ましくは少くとも
一種の乳化剤を用いて水、あるいは水と水に混和しうる
有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン
等)の混合溶媒中でモノマーを乳化させラジカル重合開
始剤を用いて一般に30〜100℃、好ましくは40〜
90℃の温度で行なわれる。水に混和しうる有機溶媒の
量は水に対して体積比で0〜100%、好ましくは0〜
50%である。
【0117】重合反応は、通常重合すべき単量体に対し
0.05〜5質量%のラジカル重合開始剤と必要に応じ
て0.1〜10質量%の乳化剤を用いて行なわれる。重
合開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイド、
ハイドロパーオキサイド、レドックス溶媒等、例えば過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブチル
パーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプ
ロピルカーボネート、2,4−ジクロロベンジルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、過硫
酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの組合せ等がある。
【0118】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
両性、ノニオン性の界面活性剤の他、水溶性ポリマー等
がある。例えばラウリン酸ソーダ、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、1−オクトキシカルボニルメチル−1−オクトキ
シカルボニルメタンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、セチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチ
レンアンモニウムクロライド、N−2−エチルヘキシル
ピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリ
ルエステル、ドデシル−ジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム、2−テトラデセン−1−スルホン酸ナト
リウム、3−ヒドロキシテトラデカン−1−スルホン酸
ナトリウム、ゼラチン、PVA、その他特公昭53−6
190号に記載の乳化剤、水溶性ポリマー等があり、こ
のうちアニオン性もしくはノニオン性の界面活性剤、水
溶性ポリマーが特に好ましい。
【0119】乳化重合に於けるモノマーの添加は、重合
に伴う発熱の回避や、より明確なコア/シェル構造の形
成の観点から滴下しながら添加する方が好ましい。ま
た、上記の開始剤、乳化剤の存在下に乳化重合により、
コアラテックス粒子を形成した後、シェルモノマーを重
合する際には乳化剤をさらに添加してもよいし、添加せ
ずに重合を行ってもよい。乳化剤の追添は生成ポリマー
ラテックスの安定性の観点から必要となる場合も多い
が、逆に過剰の乳化剤が存在すると目的以外のシェルポ
リマーのみからなる粒子が副生してしまうことがある。
従ってコアポリマー形成後に追添する乳化剤の量はコア
粒子に対し、0.001〜2質量%程度に抑えるか、も
しくは全く添加しない方が好ましい。
【0120】有効なコア/シェル構造を有するラテック
スを形成するためには、シェル形成モノマー添加時にお
けるコア粒子の重合はできるだけ完結していることが好
ましく、重合率は90%以上、好ましくは95%以上、
特に好ましくは実質的に100%である。
【0121】前記のポリマーラテックス/ゼラチン複合
膜における膜強度改良や塗料、接着剤ラテックスにおけ
る種々特性改良で、活性メチレン単位は、反応性基とし
て機能する。従って、ラテックス表面に存在する活性メ
チレン単位の量が性能上重要な要素である。本発明に用
いられるコア/シェルラテックスは基本的に活性メチレ
ン単位を必要な部位であるラテックス表面に集中化させ
ることができる点で有用である。また、コア部に他の必
要とされる機能、例えばラテックス全体のTgをコント
ロールすることにより、被膜形成能や、得られるフィル
ムやゼラチン等との複合膜の物理性(例えば脆性)をシ
ェル部とは独立に盛り込むことができる点でも極めて有
用である。
【0122】本発明に用いられるこれらのコア/シェル
ラテックス粒子は、上記の乳化重合法によって水分散物
の形で得ることができるが、コア/シェル構造を維持し
たままで、微粒子粉体とすることもできる。このような
粉体化の方法としては、凍結乾燥法や強酸または塩を用
いた凝集、濾過法、あるいはラテックス液の凍結−解凍
のくり返しによる凝集、濾過法等の公知の手法を用いる
ことができる。
【0123】本発明に用いられる活性メチレン基を含有
するエチレン性不飽和モノマーから成る繰り返し単位を
有するポリマーラテックスの添加量は任意であるが、好
ましくは、親水性コロイド層中のゼラチンの質量当り5
〜400%、好ましくは10〜200%である。
【0124】本発明に用いられるこれらのポリマーラテ
ックスは、ハロゲン化銀乳剤層あるいは他の親水性コロ
イド層のどの層に添加してもよいが、ハロゲン化銀乳剤
層あるいはそれに隣接する親水性コロイド層に添加する
ことが好ましい。
【0125】(滑り剤)本発明に用いられる滑り剤とし
ては、例えば米国特許第3,042,522号、同3,
080,317号、同4,004,927号、同4,0
47,958号、同3,489,576号、英国特許第
955,061号、同1,143,118号、特開昭6
0−140341号等に記載のシリコン系滑り剤、米国
特許第2,454,043号、同2,732,305
号、同2,976,148号、同3,206,311
号、独国特許1,284,295号、同1,284,2
94号等に記載の高級脂肪酸系、アルコール系、酸アミ
ド系滑り剤、英国特許第1,263,722号、米国特
許第3,933,516号等に記載の金属石鹸、米国特
許第2,588,765号、同3,121,060号、
英国特許第1,198,387号等に記載のエステル
系、エーテル系滑り剤、米国特許第3,502,437
号、同3,042,222号記載のタウリン系滑り剤等
がある。
【0126】以下に滑り剤の具体例を示すが、本発明は
これらに限定されない。
【0127】
【化12】
【0128】
【化13】
【0129】
【化14】
【0130】
【化15】
【0131】本発明において滑り剤の用い方に特に制限
はないが、好ましくは感光材料最表面層の親水性コロイ
ド層中に添加される。添加量は感光材料片面1m2当た
り0.1〜1000mgでよく、好ましくは1〜500
mgである。添加方法は任意でよく、塗布前の塗布液中
に添加するのが好ましい。
【0132】(ヒドラジン、テトラゾリウム化合物)本
発明の感光材料には、硬調化剤としてヒドラジン化合物
若しくはテトラゾリウム化合物を含有することが好まし
い。ヒドラジン誘導体としては、下記一般式(H)で表
される化合物が好ましい。
【0133】
【化16】
【0134】式中、Aはアリール基、または硫黄原子ま
たは酸素原子を少なくとも1個を含む複素環を表し、G
は−(CO)n−基、スルホニル基、スルホキシ基、−
P(=O)R52−基、またはイミノメチレン基を表し、
nは1または2の整数を表し、A1、A2はともに水素原
子あるいは一方が水素原子で他方が置換もしくは無置換
のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換の
アシル基を表し、Rは水素原子、各々置換もしくは無置
換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキ
シ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アミノ基、カルバモイル基、またはオキシ
カルボニル基を表す。R52は各々置換もしくは無置換の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す。
【0135】一般式(H)で表される化合物のうち、特
に好ましいものは下記一般式(Ha)で表される化合物
である。
【0136】
【化17】
【0137】式中、R1は脂肪族基(例えばオクチル
基、デシル基)、芳香族基(例えばフェニル基、2−ヒ
ドロキシフェニル基、クロロフェニル基)または複素環
基(例えばピリジル基、チエニル基、フリル基)を表
し、これらの基はさらに適当な置換基で置換されたもの
が好ましく用いられる。更に、R1には、耐拡散基また
はハロゲン化銀吸着促進基を少なくとも一つ含むことが
好ましい。
【0138】耐拡散基としてはカプラー等の不動性写真
用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラス
ト基としては炭素数8以上の写真性に対して比較的不活
性である例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキ
ルフェノキシ基等が挙げられる。
【0139】ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿
素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト
複素環基、或いは特開昭64−90439号に記載の吸
着基等が挙げられる。
【0140】一般式(Ha)において、Xは、フェニル
基に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、m
が2以上の場合Xは同じであっても異なってもよい。A
3、A4は一般式(H)におけるA1及びA2と同義であ
り、ともに水素原子であることが好ましい。一般式(H
a)において、Gはカルボニル基、スルホニル基、スル
ホキシ基、ホスホリル基またはイミノメチレン基を表す
が、Gはカルボニル基が好ましい。
【0141】一般式(Ha)において、R2としては水
素原子、各々置換もしくは無置換のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリル基、複素環基、アルコキ
シ基、水酸基、アミノ基、カルバモイル基、オキシカル
ボニル基を表す。好ましいR 2としては、Gで置換され
た炭素原子が少なくとも1つの電子吸引基で置換された
置換アルキル基及び−COOR3基及び−CON(R4
(R5)基が挙げられる(R3はアルキニル基または飽和
複素環基を表し、R4は水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表
し、R5はアルケニル基、アルキニル基、飽和複素環
基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を表す)。さらに
好ましくは2つの電子吸引基で、特に好ましくは3つの
電子吸引基で置換された置換アルキル基を表す。R2
Gで置換された炭素原子を置換する電子吸引基は好まし
くはσp値が0.2以上、σm値が0.3以上のもので
例えばハロゲン、シアノ、ニトロ、ニトロソポリハロア
ルキル、ポリハロアリール、アルキルもしくはアリール
カルボニル基、ホルミル基、アルキルもしくはアリール
オキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カ
ルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル
基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキル
もしくはアリールスルホニルオキシ基、スルファモイル
基、ホスフィノ基、ホスフィンオキシド基、ホスホン酸
エステル基、ホスホン酸アミド基、アリールアゾ基、ア
ミジノ基、アンモニオ基、スルホニオ基、電子欠乏性複
素環基を表す。
【0142】一般式(Ha)のR2は特に好ましくはフ
ッ素置換アルキル基、モノフルオロメチル基、ジフルオ
ロメチル基、トリフルオロメチル基を表す。
【0143】次に一般式(H)で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0144】
【化18】
【0145】
【化19】
【0146】
【化20】
【0147】
【化21】
【0148】
【化22】
【0149】
【化23】
【0150】
【化24】
【0151】上記以外に好ましいヒドラジン誘導体の具
体例としては、米国特許5,229,248号第4〜6
0カラムに記載されている(1)〜(252)が挙げら
れる。
【0152】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
公知の方法により合成することができ、例えば米国特許
5,229,248号第59〜80カラムに記載された
ような方法により合成することができる。
【0153】添加量は、硬調化させる量(硬調化量)で
あればよく、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、
化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量は異なる
が、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1
モルの範囲であり、10-5〜10-2モルの範囲が好まし
い。
【0154】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
ハロゲン化銀乳剤層側の少なくとも1層に添加され、好
ましくはハロゲン化銀乳剤層及び/またはその隣接層、
さらに好ましくはハロゲン化銀乳剤層に添加されること
である。
【0155】本発明に用いられるテトラゾリウム化合物
としては、下記の一般式(T)で表されるものを用いる
ことが好ましい。
【0156】
【化25】
【0157】上記一般式(T)で示されるトリフェニル
のフェニル基の置換基R51、R52、R53は水素原子もし
くは電子吸引性度を示すハメットのシグマ値(σP)が
負のものが好ましい。
【0158】フェニル置換におけるハメットのシグマ値
は多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケ
ミストリー(Journal of Medical
Chemistry)第20巻、304頁、1977
年、記載のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文
等に見ることができ、特に好ましい負のシグマ値を有す
る基としては、例えばメチル基(σP=−0.17以下
いずれもσP値)、エチル基(−0.15)、シクロプ
ロピル基(−0.21)、n−プロピル基(−0.1
3)、iso−プロピル基(−0.15)、シクロブチ
ル基(−0.15)、n−ブチル基(−0.16)、i
so−ブチル基(−0.20)、n−ペンチル基(−
0.15)、シクロヘキシル基(−0.22)、アミノ
基(−0.66)、アセチルアミノ基(−0.15)、
ヒドロキシル基(−0.37)、メトキシ基(−0.2
7)、エトキシ基(−0.24)、プロポキシ基(−
0.25)、ブトキシ基(−0.32)、ペントキシ基
(−0.34)等が挙げられ、これらはいずれも本発明
に用いられる一般式(T)の化合物の置換基として有用
である。
【0159】nは1あるいは2を表し、XT n-で示され
るアニオンとしては例えば塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、
過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等
の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−
トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫
酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系
アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート
アニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、
セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等のポリエ
ーテルアルコール硫酸エステルアニオン、ステアリン酸
アニオン等の高級脂肪族アニオン、ポリアクリル酸アニ
オン等のポリマーに酸根のついたもの等を挙げることが
できる。
【0160】以下、一般式(T)で表される化合物の具
体例を下記に挙げるが、テトラゾリウム化合物はこれに
限定されるものではない。
【0161】
【化26】
【0162】上記テトラゾリウム化合物は、例えばケミ
カル・レビュー(ChemicalReviews)第
55巻、第335〜483頁に記載の方法に従って容易
に合成することができる。
【0163】テトラゾリウム化合物の添加に際しては、
前記のヒドラジン化合物と同一の条件でよく、一般的に
はハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モルの範囲
であり、10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0164】(処理方法)印刷製版用の感光材料は、イ
メージセッターと呼ばれるレーザー出力装置と連結され
た自動現像機で処理される。一方、イメージセッターの
生産効率を生かすため、自動現像機の感光材料の搬送速
度の向上や全処理時間の短縮が望まれている。本発明の
感光材料は、現像時間が10〜25秒で自動現像機を用
いて迅速処理したときにも、擦り傷、カール、感度、硬
調等の特性が良好である。また、現像時間が10〜20
秒、さらに10〜15秒の迅速処理においても上記特性
が良好である。現像時間が10秒未満では、画像濃度の
低下が著しく感光材料に付着する汚れが増大するので好
ましくない。現像時間が25秒を越えると、生産効率の
低下を招いてしまう。
【0165】一方、環境問題への関心の高まりから、現
像、定着、水洗等の写真処理廃液の低減が強く要求され
てきている。また、コストの面からも写真処理廃液の低
減が強く要求されてきている。本発明の感光材料の処理
方法は、感光材料の処理面積に比例した一定の現像液及
び定着液を補充しながら処理するが、本発明の感光材料
は、現像液の補充量が大全1枚当たり35〜50mlで
自動現像機を用いて迅速処理したときにも、擦り傷、カ
ール、感度、硬調等の特性が良好である。現像液の補充
量が大全1枚当たり35ml未満では、感光材料を処理
するにつれて、感度や画像濃度の低下が起こり好ましく
ない。現像液の補充量が大全1枚当たり50mlを越え
ると、大量の廃液が出てしまうので、環境面からも好ま
しくない。定着液の補充量は、大全1枚当たり50〜8
0mlであることが好ましい。
【0166】ここで言う補充量とは、補充される液の量
を示し、具体的には、定着液、現像液の母液と同じ液を
補充する場合のそれぞれの液の量であり、濃縮定着液、
濃縮現像液を水で希釈した液で補充される場合のそれぞ
れの濃縮液と水の合計量であり、固体処理剤の場合は固
体処理剤を水で溶解したときの容積である。現像補充液
及び定着補充液は、それぞれ自動現像機のタンク内の現
像母液及び定着母液と同じ液であっても異なった液であ
ってもよい。
【0167】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例によって具体的
に説明するが、本発明はこれによって限定されるもので
はない。
【0168】実施例1 (ハロゲン化銀乳剤Aの調製)硝酸銀水溶液B及びNa
Cl、KBrからなる水溶性ハライド液CをpH3.
0、40℃、流量一定でA液中に同時混合法で30分間
添加し0.20μmのAgCl70モル%、AgBr3
0モル%の立方晶を得た。この際銀電位(EAg)は混
合開始時には160mVで混合終了時には100mVに
なっていた。この後限外濾過により、不要な塩類を取り
除き、その後、銀1モル当たり15gのゼラチンを添加
しpHを5.7とし55℃で30分間分散した。分散後
クロラミンTを銀1モル当たり4×10-4モル添加し
た。出来上がった乳剤の銀電位は190mV(40℃)
であった。 A:オセインゼラチン 25g 硝酸(5%) 6.5ml イオン交換水 700ml Na〔RhCl5(H2O)〕 0.02mg B:硝酸銀 170g 硝酸(5%) 4.5ml イオン交換水 200ml C:NaCl 47.5g KBr 51.3g オセインゼラチン 6g Na3〔IrCl6〕 0.15mg イオン交換水 200ml。
【0169】得られた乳剤に銀1モル当たり、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デンを1.5×10-3モル、臭化カリウムを8.5×1
-4モル添加してpH5.6、EAg123mVに調整
した。次いで微粒子状に分散した硫黄華を硫黄原子とし
て2×10-5モル及び、塩化金酸を1.5×10-5モル
添加して50℃で60分化学熟成を行った後、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デンを銀1モル当たり2×10-3モル、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾールを3×10-4モル及び沃化
カリウムを1.5×10-3モル添加した。次いで40℃
に降温した後、増感色素S−1、S−2をそれぞれ銀1
モル当たり2×10-4モル添加し、ハロゲン化銀乳剤A
を得た。
【0170】得られたハロゲン化銀乳剤Aを用い1m2
当たりの付き量が下記になるように、下引加工した支持
体上の片側に、支持体側から下記第1層(乳剤層)、第
2層(保護層)を同時重層塗布し冷却セットした。その
後、反対側の帯電防止層を有する下引層上には、支持体
側から下記バッキング層、バッキング保護層を塗布スピ
ード200m/minで同時重層塗布し、−1℃で冷却
セットし、両面を同時に乾燥することで試料1〜12を
得た。
【0171】(支持体、下引層)2軸延伸したポリエチ
レンテレフタレート支持体(厚み100μm)の両面に
30W/(m2・min)のコロナ放電をした後、下記
組成の下引層を両面塗布し、100℃で1分間乾燥し
た。
【0172】 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(25)−ブチルアクリレート(30) −t−ブチルアクリレート(25)−スチレン(20)の共重合体(数字は質量 比) 0.5g 界面活性剤A 3.6mg ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 10mg (帯電防止層)下塗層を施したポリエチレンテレフタレ
ート支持体に10W/(m2・min)のコロナ放電し
た後、片面に下記組成の帯電防止層を70m/minの
速さでロールフィットコーティングパン及びエアーナイ
フを使用して塗布し、90℃で2分間乾燥し、140℃
で90秒間熱処理した。
【0173】 水溶性導電性ポリマーB 0.6g 疎水性ポリマー粒子C 0.4g ポリエチレンオキサイド化合物(平均分子量600) 0.1g 硬化剤E 0.1g 第1層(乳剤層) ゼラチン 1.0g ハロゲン化銀乳剤A 銀として3.3g 5−ニトロインダゾール 0.01g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.02g 複合ラテックス 表1に示す化合物、量 ポリマーラテックス 表1に示す化合物、量 デキストラン(平均分子量6万) 0.2g 4−メルカプト−3,5,6−トリフルオロフタル酸 0.05g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量50万) 0.015g 塗布液pHは5.2であった。 第2層(保護層) ゼラチン 0.9g デキストラン(平均分子量6万) 0.2g 造核促進剤Na−1 0.015g コロイダルシリカ 0.1g 殺菌剤Z 0.005g ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム 0.001g ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム 0.015g シリカ(平均粒径5μm) 0.015g シリカ(平均粒径8μm) 0.15g 滑り剤 表1に示す化合物、量 一般式(1)の化合物 表1に示す化合物、量 硬膜剤(1) 0.15g バッキング層 ゼラチン 1.8g 染料1 0.01g 染料2 0.03g 染料3 0.10g コロイダルシリカ75質量%と酢酸ビニル12.5質量%、及び ビニルピバリネート12.5質量%の懸濁重合物 0.7g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.010g マット剤:平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート 0.045g 硬膜剤(2) 0.05g バッキング保護層 ゼラチン 1.8g マット剤:平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート 0.045g ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム 0.005g ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム 0.005g 硬膜剤(1) 0.15g
【0174】
【化27】
【0175】
【化28】
【0176】
【化29】
【0177】
【化30】
【0178】
【化31】
【0179】得られた試料について以下のような処理を
行った。 (現像液) ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム 1g 亜硫酸ナトリウム 30g 炭酸水素カリウム 17g 1−フェニル−4−メチル−4′−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 1.5g エリソルビン酸ナトリウム 40g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.025g 臭化カリウム 4g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 2,5−ジヒドロキシ安息香酸 5g 8−メルカプトアデニン 0.07g KOHを使用液のpHが10.4になる量を加え、1L
に仕上げた。
【0180】 (定着液) チオ硫酸アンモニウム 200g 亜硫酸ナトリウム 22g グルコン酸ナトリウム 5g クエン酸3ナトリウム・2水和物 12g クエン酸 12g 硫酸にて使用液のpHが5.4になるように調整し、1
Lに仕上げた。
【0181】(水洗水)水道水1Lに対して、下記浄化
剤8.8mlを加えたものを水洗槽へ入れて水洗水とし
た。
【0182】 (浄化剤の調製) 純水 800g サリチル酸 0.1g 35質量%過酸化水素水 171g プルロニック(R)F−68(旭電化(株)製) 3.1g 5−メチル−4−クロロイソチアゾリン−3−オン 15g DTPA・5Na 10g 純水で1Lに仕上げる。
【0183】 自動現像機槽内に現像液、定着液を入れて、上記処方の
現像液または固体現像剤キット、定着液、水洗水を下記
条件で補充した。
【0184】 現像液補充量 大全1枚当たり40ml 定着液補充量 大全1枚当たり60ml 水洗水補充量 大全1枚当たり800ml。
【0185】(感度、ガンマの評価)試料を光学ウェッ
ジ及び633nmの干渉フィルターを介して10-5秒の
Xeフラッシュ露光を行った後、コニカ(株)製自動現
像機GR−27で現像処理した。現像処理した試料を光
学濃度計PDA−65(コニカ(株)製)を用いて感度
及びガンマを測定した。感度は光学濃度3が得られる露
光量の逆数の対数値で表し、試料1の感度を100とし
た場合の相対値で示した。特性曲線の光学濃度0.3と
3.0になる点を直線で結んだ傾きをガンマとした。各
試料サイズは小さいため、処理液は新液と見なされる。
【0186】(擦り傷の評価)23℃、48%の条件下
で試料を60分間調湿後、市販のナイロンタワシを用い
て3.5cm×30cmの試料に対して2cm×2cm
当たり300gの加重を与え、毎秒30cmのスピード
で試料をこすった。ついで上記と同様に現像処理を行
い、擦り傷レベルを下記の基準で目視評価した。
【0187】 5:全く擦り傷がない 4:わずかに擦り傷黒化がある 3:濃度は薄いが全体に擦り傷黒化があり、実用上での
下限レベル 2:黒化濃度はかなり濃く、全体に擦り傷黒化があり、
市場にて問題になるレベル 1:実用に耐えないレベル。
【0188】(カールの評価)30cm×30cmの現
像処理後の試料を水平な机の上に置き、処理の四隅の立
ち上がり(cm)で評価した。数値が大きいほどカール
が強くて使いにくいことを示す。
【0189】得られた結果を表1に示す。
【0190】
【表1】
【0191】表1の結果から明らかなように、本発明の
試料は感度が高く、超硬調で、擦り傷、カールも良好で
あることが分かった。
【0192】実施例2 実施例1の試料6の第1層(乳剤層)に、表2に記載の
ようにヒドラジン化合物及びテトラゾリウム化合物を添
加して試料13〜17を作製し、実施例1の試料6と合
わせて実施例1と同様に評価した。その結果を表3に示
す。
【0193】
【表2】
【0194】
【表3】
【0195】表3から明らかなように、ヒドラジン化合
物やテトラゾリウム化合物を含有する場合に本発明の効
果は大きい。
【0196】実施例3 実施例1で作製した試料2、6及び実施例1で用いた現
像液を用いて以下のようなランニング処理を行い、現像
済み試料18〜33を得た。
【0197】ランニング方法として3分間隔で感光材料
20枚を連続処理した後、90分間放置し、さらに感光
材料20枚を連続処理するという作業を補充液の置換率
が99.9%になるまでくり返した。補充液の置換率が
99.9%になったときの液をランニング液とする。こ
のとき感光材料の黒化率は8%とし、現像時間、現像液
補充量は表4の条件で実施した。自動現像機は、搬送速
度が365〜4380mm/分まで可変できるものを用
い、感光材料の最大処理可能巾は864mmであった。
なお15秒現像時の搬送速度は1095mm/分であ
る。
【0198】ランニング前の新液とランニング液を用い
て、実施例1と同様に評価した。その結果を表4に示
す。
【0199】
【表4】
【0200】表4から明らかなように、本発明の試料
は、現像時間が10〜25秒の場合、またはランニング
処理のときの現像液の補充量が大全1枚当たり35〜5
0mlである場合にも特性が良好である。
【0201】
【発明の効果】本発明により、擦り傷耐性に優れ、処理
後のカールが小さく、感度が高く、超硬調なハロゲン化
銀写真感光材料及びその処理方法を提供することができ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物、及
    び無機粒子と疎水性ポリマーからなる複合ラテックスを
    含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有するア
    ルキル基を表し、L1、L2は連結基を表し、Xpは水
    素、ヒドロキシル基、アニオン性基、カチオン性基、両
    性基を表し、R1、R2は水素、低級アルキル基を表す。
    m、nは重合モル比を表し、m+n=1.0である。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される化合物、及
    び活性メチレン基を含有するエチレン性不飽和モノマー
    からなる繰り返し単位を有するポリマーラテックスを含
    有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)で表される化合物及び
    滑り剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料。
  4. 【請求項4】 ヒドラジン化合物を含有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 テトラゾリウム化合物を含有することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料を、現像時間が10〜25秒で
    自動現像機を用いて処理することを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料を、ランニング処理時の現像液
    の補充量が大全1枚(610mm×508mm)当たり
    35〜50mlで自動現像機を用いて処理することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  8. 【請求項8】 現像時間が10〜25秒であることを特
    徴とする請求項7に記載のハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
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