JP2003020604A - 地盤形成方法 - Google Patents

地盤形成方法

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JP2003020604A
JP2003020604A JP2001204651A JP2001204651A JP2003020604A JP 2003020604 A JP2003020604 A JP 2003020604A JP 2001204651 A JP2001204651 A JP 2001204651A JP 2001204651 A JP2001204651 A JP 2001204651A JP 2003020604 A JP2003020604 A JP 2003020604A
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ground
heat insulating
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soil
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JP2001204651A
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English (en)
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Masaharu Shimoie
正治 下家
Kazuto Onuma
一人 大沼
Hideyuki Sasaki
秀幸 佐々木
Koji Sakai
晃二 酒井
Tadashi Fujiwara
忠司 藤原
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IWATE KENKO KK
Iwate Prefectural Government
Original Assignee
IWATE KENKO KK
Iwate Prefectural Government
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性(保温性)を与え、かつ舗装の簡略化
及び作業性の向上を図った。 【解決手段】 土層gの表面を処理して地盤を形成する
にあたって、土層gの表面に、廃棄物を用いた発泡プラ
スチック粒子として発泡ポリスチレンを半溶融させた減
容体(EPS:外部は硬化した状態を呈し内部は空気の
微細な気泡を保持した強度及び保温性に富んだ粒子)か
らなる断熱単独層sを厚さ均一に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば舗装を行な
う地盤の地盤形成方法に係り、特に断熱層を形成する地
盤形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、舗装を行なう地盤におい
ては、粘土質や砂質の軟弱地盤がある。このような軟弱
地盤に単に舗装を施すと、地盤の凍結による凍上や過加
重による地盤沈下を引起こすおそれが生じるという問題
がある。そのため、従来は、例えば、図18に示すよう
に、路床1上に合成樹脂発泡体を水硬性結合材で固めて
一体とした断熱性バラス層(断熱層)2を敷いてから、
その上にアスファルト3を敷設している(例えば、特開
平7−279105号公報記載)。この舗装によれば、
断熱性バラス層2が地表の冷気を遮断して地盤の温度の
低下を抑え地盤の凍結を防止する。地盤の凍結の防止
は、地盤の凍上を防止して、舗装面の形状安定性を高め
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の舗装に
おいては、舗装現場にて舗装を行なう前に断熱性バラス
層2を予め形成しなければならず、断熱性バラス層2の
形成は合成樹脂発泡体と水硬性結合剤とを混練し固化す
る作業を要するので舗装作業が煩雑になるという問題が
ある。また、形成した断熱性バラス層2を舗装現場まで
運搬する作業を要するので舗装作業が煩雑になるという
問題がある。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、断熱性(保温性)を与え、かつ舗装の簡略
化及び作業性の向上を図った地盤形成方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、土層の表面を処理して
地盤を形成する地盤形成方法において、土層の表面に、
発泡プラスチック粒子からなる断熱単独層を設けた構成
とした。現場の土層上に発泡プラスチック粒子で新たに
地盤の上層として断熱単独層を形成したので、発泡プラ
スチック粒子の性質である保温性が地盤に備えられる。
また、断熱単独層は発泡プラスチック粒子を敷設するだ
けで形成することができるので、従来のようにバラス層
を形成して運搬する必要が無くなり舗装の簡略化及び作
業性を向上させる。土層の表面を処理して地盤を形成す
る地盤形成方法において、土層の上層を構成する土と発
泡プラスチック粒子とを混合して該上層を断熱混合層に
形成した構成とした。現場の土層の上層を構成する土に
発泡プラスチック粒子を混合することにより容易に地盤
形成作業が行なわれる。この地盤形成作業は、土層を構
成する上層に発泡プラスチック粒子を混合して断熱混合
層を形成するので、舗装の際に地盤上に断熱層を形成し
なくても良くなる。
【0006】土層の表面を処理して地盤を形成する地盤
形成方法において、土層の上層を構成する土と発泡プラ
スチック粒子とを混合した断熱混合層と、発泡プラスチ
ック粒子からなる断熱単独層とを層状に設けた構成とし
た。断熱混合層と断熱単独層とを併せ持たすことによ
り、地盤の改良が行なわれかつ断熱性が高められる。ま
た、必要に応じ、上記発泡プラスチック粒子の比重を、
0.5〜0.9にした構成とした。粒子の比重が土に近
い程、土との混合が容易であるが、断熱効果と強度の兼
ね合いから比重が0.5〜0.9程度が最適であり重機
による混合で断熱混合層は均一な組成を形成する。更
に、必要に応じ、上記発泡プラスチック粒子に、発泡ポ
リスチレンを半溶融した減容体を用いた構成とした。減
容体は、外側が溶融されて硬化した状態であり内側が気
泡を含んだ状態である。減容体の硬化した状態は、土と
の噛み合わせを強め支持力を向上させる。また、減容体
の気泡を含んだ状態は、断熱性の向上に寄与する。更に
また、必要に応じ、上記減容体を、上記断熱混合層の容
積の30%〜80%にした構成とした。所定量の減容体
を混合した断熱混合層には、優れた支持力が付与され
る。また、必要に応じ、上記発泡プラスチック粒子に、
廃棄物を用いた構成とした。廃棄物をリサイクル可能に
する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る地盤形成方法を説明する。実施の形
態に係る地盤形成方法は、道路等のアスファルト舗装を
施す地盤の為のものである。この地盤形成方法は、土層
の表面を処理して断熱性を備えた地盤を形成する。ここ
で、土層とは断熱性の処理を施していない地層を意味
し、地盤とは土層と断熱性の処理を施した断熱層とを合
わせた層構成を意味する(断熱層を有しない場合には土
層が地盤になる。)。
【0008】先ず、図1に示す第一の本発明の実施の形
態に係る地盤形成方法について説明する。この地盤形成
方法には、土層gの表面に、発泡プラスチック粒子から
なる断熱単独層sを設けた地盤形成方法について説明す
る。この断熱単独層sは、土層gの表面に形成する。地
盤形成を行なう土層gは、特に限定されることはない。
発泡プラスチック粒子としては、特に発泡ポリスチレン
を半溶融させて破砕した減容体(EPS)を用いた。減
容体は、廃棄された発泡ポリスチレンを再利用(廃EP
S)でき、外部は硬化した状態を呈し内部は空気の微細
な気泡を保持した強度及び保温性に富んだ粒子である。
減容体は、その比重や大きさについては一義的に定めら
れず、所望の強度を有するものであればよい。減容体
は、地盤Kの上層として所定の均一の厚さで敷設されて
締め固められ断熱単独層sを形成する。形成された断熱
単独層sには、減容体の接触摩擦により生じる支持力と
減容体の断熱作用とが付与される。
【0009】このように断熱単独層sが形成された地盤
Kに舗装をする場合は、以下のようにすれば良い。即
ち、断熱単独層sを形成した後は、所望により断熱単独
層s上にクラッシャランcを形成し、その上にアスファ
ルトの表層aを形成する。アスファルトの表層aを形成
する舗装の場合には、土層gの表面に上述の如く断熱単
独層sを形成し、その上に砕石を敷設してクラッシャラ
ンcを形成しその上にアスファルト混合物を敷設したア
スファルトの表層aを形成すればよい。この場合、従来
のように断熱性バラス層を設けなくてもよく、長年使用
しても優れた保温性が維持され凍上を防止させることが
できる。また、断熱単独層sの形成は現場で直接行なう
ため、従来のように予め断熱性バラス層を成形する必要
がないので、アスファルト舗装作業が容易になる。
【0010】次に、本発明の第二の実施の形態に係る地
盤形成方法について説明する。この地盤形成方法には、
図2に示すように、土層gの上層を構成する土と発泡プ
ラスチック粒子とを混合して上層を断熱混合層mに形成
する地盤形成方法である。地盤形成を行なう土層gは、
加重によりその表面に凹凸が生じ易く、また含んでいる
水分が凍結または融解することによってもその表面に凹
凸が生じ易い含水比が高い粘土質や砂質の軟弱な土層を
対象にしたが、このような軟弱な土層に限定されること
はない。混合する発泡プラスチック粒子としては、混合
する土粒子と均一に混合するものであればよく、特に発
泡ポリスチレンを半溶融させて破砕した減容体(EP
S)が好ましい。減容体は、廃棄された発泡ポリスチレ
ンを再利用(廃EPS)でき、外部は硬化した状態を呈
し内部は空気の微細な気泡を保持した強度及び保温性に
富んだ粒子である。減容体の比重は、混合する土の性質
や混合量によって変わるので一義的に定められないが、
粘土と混合する場合には0.5〜0.9であることが好
ましい。同様に、減容体の大きさも一義的に定められ
ず、均一な混合が得られる大きさであればよい。
【0011】混合方法は、土層gの上層の土と減容体と
を短時間で混合する方法であればよく、ディープスタビ
工法が好ましく用いられる。具体的には、土層gの上層
を形成する断熱混合層mの深さ(容積分)に応じて掘り
起こし、混合する減容体の容積分の土を取り除いた後減
容体を投入して混合を行なった。混合物は、地盤Kの上
層として所定の均一の厚さで敷設されて締め固められ断
熱混合層mを形成する。断熱混合層mには、土と減容体
の異種物質の混合により生じる強い支持力と減容体の断
熱作用とが付与される。
【0012】このように形成された地盤Kに舗装をする
場合は、以下のようにすれば良い。即ち、断熱混合層m
を形成した後は、所望により断熱混合層m上にアスファ
ルトの表層aを形成する。アスファルトの表層aを形成
する舗装の場合には、図2に示すように土層gの表面に
上述の如く断熱混合層mを設け、その上にクラッシャラ
ンcを設けてからアスファルトの表層aを設ければよ
い。この場合、従来のように断熱性バラス層を設けなく
てもよく、長年使用しても優れた保温性が維持され凍上
を防止し、かつ軟弱な土層g自体を改良しているので耐
久性が向上し地盤沈下が生じ難くなる。また、断熱混合
層mの形成は直接現場で行なうため、従来のように予め
断熱性バラス層を成形する必要がないので、アスファル
ト舗装作業が容易になる。
【0013】次いで、次に、本発明の第三の実施の形態
に係る地盤形成方法について説明する。この地盤形成方
法は、図3に示すように、土層gの上層を構成する土と
発泡プラスチック粒子とを混合した断熱混合層mと、発
泡プラスチック粒子からなる断熱単独層sとを層状に設
けた方法である。即ち、この地盤形成方法は、地盤Kの
上層に上述した断熱単独層sと断熱混合層mとを合わせ
もたすものである。この地盤形成方法には、2つのタイ
プがあり以下各タイプについて説明する。 (タイプ1)図3(a)に示すように、土層gの上層を
構成する土と上記と同様の減容体とを混合して上層を断
熱混合層mに形成し、この断熱混合層mの表面に減容体
からなる断熱単独層sを層状(2層)に設けた。このよ
うに地盤形成すれば、上述した断熱単独層sや断熱混合
層mを形成したことにより得られる効果(相乗効果)を
得ることができるので、形成した地盤Kに優れた断熱性
(保温性)及び支持力を与えることができる。 (タイプ2)図3(b)に示すように、土層gの上層を
構成する土を予め取り除き、取り除いた土層gの表面に
上記と同様の減容体からなる断熱単独層sを設け、断熱
単独層sの表面に上記取り除いた土と減容体とを混合し
て形成した断熱混合層mを層状(2層)に設けた。この
ように地盤形成すれば、タイプ1と同様の効果を得るこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。先
ず、本発明の第一の実施の形態に係る地盤形成方法によ
り得られる断熱単独層sを有する地盤K(実施例1)を
比較例とともに説明する。 [実施例1]図4の構造Aに示すように、土層gの表面
に断熱単独層sを設け、その上にクラッシャランcを設
けてからアスファルトの表層aを設けた舗装構造を形成
した。アスファルトの表層aの厚さは5cm、クラッシ
ャランcの厚さは10cm、断熱単独層sの厚さは10
cmとした。比較例1として、図4の構造Bに示すよう
に、実施例1において断熱単独層sを形成しなかったこ
と以外は同様な舗装構造を形成した。
【0015】次に、実施例1及び比較例1について、断
熱特性の比較試験を行なった。比較試験は、各層の境界
に温度センサbを設置し、更に、断熱単独層s下にも所
定間隔で温度センサbを設置して(構造Bにおいては構
造Aと同位置に設置)、以下の温度測定を行なった。構
造Aの舗装表面からの所定深さにおける所定期間(平成
12年12月8日〜平成13年5月10日)の日平均温
度を測定した。ここで、測定位置は、舗装表面下30c
m,80cm,100cm,120cmとした。構造B
において、実施例1と同様に所定深さにおける所定期間
(平成12年12月8日〜平成13年5月10日)の日
平均温度を測定した。得られた結果を、図5〜図8に示
す。実施例1及び比較例1から、構造Aでは温度変化範
囲が小さく断熱単独層s下の地盤の温度変化は外気温の
影響を受け難く、構造Bでは温度変化範囲が大きく地盤
の温度変化は外気温の影響を受け易いことがわかる。即
ち、構造Aは断熱単独層sを設けたことにより断熱性
(保温性)が向上したことがわかる。
【0016】次に、本発明の第二の実施の形態に係る地
盤形成方法により得られる断熱混合層mを有する地盤K
(実施例2〜7)について、比較例2〜7とともに説明
する。 [実施例2]実施例2及び比較例2は以下のように形成
した。実施例2は、減容体と粘土とを所定の混合比(体
積比)で混合し突固めした断熱混合層mの試供体を複数
形成した。試供体の突固めは、内径15mm×高さ20
0mmの円筒容量を有するモールドという型に混合物を
3段階に分けて入れて4.5kgのランマを各段毎に6
7回落下させて行なった。得られた各試供体の含水比
(重量%)と乾燥密度(g/cm3 )との関係を図9に
示す。実施例2は体積混合比(減容体/粘土)が10/
90〜80/20の場合であり、比較例2は混合比が0
/100の場合である。得られた結果から減容体の体積
混合比が増加するとともに含水比及び乾燥密度が低下す
ることがわかる。含水比の低下は、混合物において含水
比の著しく低い減容体の構成比が増加することに因る。
乾燥密度の低下は、混合物において比重の低い減容体の
構成比が増加することに因る。含水比を低下させること
により、凍上発生の一要因である初期含水比の値以下に
して凍上を防止することができる。また、乾燥密度を低
下させることは、土層gに対する負荷重量を軽減し地盤
陥没等を防止し軟弱な土層gの改良に有効に作用する。
【0017】(支持力試験)実施例2及び比較例2で得
られた試供体を用いて支持力試験を行なった。試供体の
CBR(Carifornia Bearing Ra
tio)試験を行なった。得られた結果を図10に示
す。CBR試験により、地盤形成された地盤の支持力を
判断することができる。通常、地盤の支持力は設計CB
Rが3%以上必要であるといわれている。CBR試験の
結果から、減容体の混合比(体積比=減容体/粘土)が
30/70以上であれば望まれる支持力が十分確保され
ていることがわかる。このことから、粘土と所定値以上
の減容体を混合させて断熱混合層を形成すれば地盤の支
持力が高まると判断することができる。
【0018】[実施例3]実施例3において、減容体と
3種類の土(砂質土,粘性土,黒土)とを所定体積混合
比で混合し上記実施例2と同様に突固めした断熱混合層
mの試供体を複数形成した。実施例3は体積混合比(減
容体/土)が10/90〜70/30(減容体混入率1
0%〜70%)の場合であり、比較例3は体積混合比が
0/100の場合である。 (支持力試験)得られた試供体を用いて実施例2と同様
にCBR試験を行なった。得られた結果を図11に示
す。土質に関係なく減容体の混合量の増加に伴いCBR
値が大きくなることがわかる。
【0019】[実施例4]突固めを内径15mm×高さ
125mmの円筒容量を有するモールドという型に混合
物を3段階に分けて入れて4.5kgのランマを各段毎
に67回落下させて行なったこと以外は、実施例2と同
様に所定の体積混合比の試供体を形成した。実施例4は
体積混合比(減容体/粘土)が30/70〜70/30
の場合であり、比較例4は体積混合比が0/100の場
合である。 (凍上試験)実施例4及び比較例4で得られた試供体を
用いて凍上試験を行なった。凍上試験は、図12に示す
凍上試験装置Xを用いて行なった。凍上試験装置Xに得
られた試供体を入れ、上面に5kgの載荷板Jを載せて
試供体に負荷を与えかつ底面から吸水させながら、24
時間で常温〜−10℃までの温度変化を与える凍結工程
と、続けて24時間で−10℃〜10℃までの温度変化
を与える融解工程とに処した。凍上量と沈下量は、常温
時を基準(0.0mm)として凍結開始から2時間毎に
ダイヤルゲージGで測定した。得られた結果を図13に
示す。減容体の混入率が増加するとともに凍上量及び沈
下量が減少することがわかる。
【0020】[実施例5]実施例5は、上記実施例4で
用いた粘土の代わりに砕石系(C−25:JISA 5
001 1988)混合物を用いて試供体を形成した。
実施例5は体積混合比(減容体/C−25)が30/7
0,50/50の場合であり、比較例5は体積混合比が
0/100,C−40単独,砕砂の場合である。 (凍上試験)実施例5及び比較例5で得られた試供体を
用いて上記と同様にして凍上試験を行なった。得られた
結果を図14に示す。粘土と同様に減容体の混合比が増
加するとともに凍上量が減少することがわかる。
【0021】[実施例6]実施例6は、上記実施例2と
同様にして、所定の体積混合比の試供体を形成した。実
施例6は体積混合比(減容体/粘土)が30/70〜7
0/30の場合であり、比較例6は体積混合比が0/1
00,C−40単独,砕砂の場合である。 (冷却試験)実施例6及び比較例6で得られた試供体を
用いて冷却試験を行なった。冷却試験は、図15に示す
冷却試験装置Yを用いて行なった。冷却試験装置Yは、
23℃±2℃の恒温室H内に、側面及び底面を発泡スチ
ロールで断熱した塩ビ管(試供体を格納する形状)Cを
配置しており、塩ビ管Cの側面には温度測定用の熱伝対
を試供体の上下に5cm間隔で差し込める孔T1〜T5
が設けられている。また、塩ビ管Cの上部には冷媒にて
−20℃に冷却された蓋を取付けている。試験は、試供
体を塩ビ管Cに格納し熱伝対を差し込んで120時間経
過後の各熱伝対の温度を測定して温度変化を調べた。得
られた結果を図16に示す。減容体の混入率が増加する
毎に、冷媒の影響が少なくなるので断熱性が高まること
がわかる。
【0022】[実施例7]実施例7は、上記実施例6に
おいて、粘土の代わりにC−25を用いたこと以外は同
様にして形成した。実施例7は体積混合比(減容体/C
−25)が30/70〜70/30の場合であり、比較
例7は体積混合比が0/100,C−40単独,砕砂の
場合である。 (冷却試験)実施例7及び比較例7で得られた試供体を
用いて冷却試験を行なった。得られた結果を図17に示
す。粘土と同様に減容体の混合比が増加するとともに断
熱性が高まることがわかる。
【0023】尚、上記の実施の形態及び実施例におい
て、断熱単独層sと断熱混合層mとは、夫々1層形成し
て2層にすることに限定されず、断熱単独層sと断熱混
合層mとを所望の位置関係にして(例えば、タイプ1の
表面に断熱混合層mを設けた構造や、タイプ2の表面に
断熱単独層sを設けた構造)地盤Kの上層として複数層
に構成することができる。このような複数層を設けるこ
とにより、地盤の断熱性及び支持力を高めることができ
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の地盤形成
方法によれば、土層の表面に、発泡プラスチック粒子か
らなる断熱単独層を設けたので、発泡プラスチック粒子
の性質である保温性が地盤に備えられる。また、断熱単
独層は発泡プラスチック粒子を敷設するだけで形成する
ことができるので、従来のように断熱バラス層を予め形
成して運搬する必要が無くなり舗装の簡略化及び作業性
を向上させることができる。また、土層の上層を構成す
る土と発泡プラスチック粒子とを混合して上層を断熱混
合層に形成したので、保温性を維持させつつ、発泡プラ
スチック粒子の混合により含水比及び乾燥密度を低下さ
せ地盤に対する加重が軽減するので強度を増して耐久性
を向上させ、断熱バラス層を形成する必要がないので舗
装の簡略化及び作業性を向上させることができる。ま
た、土層の上層を構成する土と発泡プラスチック粒子と
を混合した断熱混合層と、発泡プラスチック粒子からな
る断熱単独層とを層状に設けたので、断熱性を一層高め
ることができる。また、発泡プラスチック粒子の比重
を、0.5〜0.9にした場合には、均一に混合された
断熱混合層を得ることができる。更に、発泡プラスチッ
ク粒子に、発泡ポリスチレンを半溶融して破砕した減容
体を用いた場合には、断熱混合層に土と減容体との噛み
合わせによる優れた支持力と断熱性を与えることができ
る。更にまた、減容体を、断熱混合層の容積の30%〜
80%にした場合には、断熱混合層に優れた支持力を与
えることができる。また、発泡プラスチック粒子に、廃
棄物を用いた場合には廃棄物の有効利用に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る地盤形成方法
により形成された地盤構成を示す図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態に係る地盤形成方法
により形成された他の地盤構成を示す図である。
【図3】本発明の第三の実施の形態に係る地盤形成方法
により形成されたその他の地盤構成を示し、(a)は断
熱単独層を地盤の表層にした場合の図であり、(b)は
断熱混合層を地盤の表層にした場合の図である。
【図4】本発明の実施例1(第一の実施の形態)の地盤
構成を比較例1の地盤構成とともに示す図である。
【図5】本発明の実施例1及び比較例1に係る地盤構成
の断熱効果を説明する図である。
【図6】本発明の実施例1及び比較例1に係る地盤構成
の断熱効果を説明する図である。
【図7】本発明の実施例1及び比較例1に係る地盤構成
の断熱効果を説明する図である。
【図8】本発明の実施例1及び比較例1に係る地盤構成
の断熱効果を説明する図である。
【図9】本発明の実施例2(第二の実施の形態)及び比
較例2に係る断熱混合層の試供体の含水比と乾燥密度と
の関係を説明する図である。
【図10】本発明の実施例2及び比較例2に係る断熱混
合層の試供体の支持力を説明する図である。
【図11】本発明の実施例3(第二の実施の形態)及び
比較例3に係る断熱混合層の試供体の支持力を説明する
図である。
【図12】本発明の実施例4,5(第二の実施の形態)
及び比較例4,5において凍上試験を行った凍上試験装
置を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例4及び比較例4に係る断熱混
合層の試供体の凍上試験の結果を示す図である。
【図14】本発明の実施例5及び比較例5に係る断熱混
合層の試供体の凍上試験の結果を示す図である。
【図15】本発明の実施例6,7(第二の実施の形態)
及び比較例6,7において冷却試験を行なった冷却試験
装置を示す断面図である。
【図16】本発明の実施例6及び比較例6に係る断熱混
合層の試供体の冷却試験の結果を示す図である。
【図17】本発明の実施例7及び比較例7に係る断熱混
合層の試供体の冷却試験の結果を示す図である。
【図18】従来の舗装方法を説明する図である。
【符号の説明】
K 地盤 g 土層 s 断熱単独層 m 断熱混合層 a 表層 b センサ c クラッシャラン X 凍上試験装置 Y 冷却試験装置 J 載荷板 G ダイヤルゲージ H 恒温室 C 塩ビ管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下家 正治 岩手県紫波郡矢巾町大字西徳田6−187− 6 (72)発明者 大沼 一人 岩手県盛岡市三本柳10−37−13 (72)発明者 佐々木 秀幸 岩手県盛岡市飯岡新田3地割35番2 岩手 県工業技術センター内 (72)発明者 酒井 晃二 岩手県盛岡市飯岡新田1地割36−1 岩手 県環境保健研究センター内 (72)発明者 藤原 忠司 岩手県盛岡市安倍館町9−29 Fターム(参考) 2D051 AA04 AD07 AE05 AG12 AG18 AH01 AH02 AH03 CA01 CA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土層の表面を処理して地盤を形成する地
    盤形成方法において、 土層の表面に、発泡プラスチック粒子からなる断熱単独
    層を設けたことを特徴とする地盤形成方法。
  2. 【請求項2】 土層の表面を処理して地盤を形成する地
    盤形成方法において、 土層の上層を構成する土と発泡プラスチック粒子とを混
    合して該上層を断熱混合層に形成したことを特徴とする
    地盤形成方法。
  3. 【請求項3】 土層の表面を処理して地盤を形成する地
    盤形成方法において、 土層の上層を構成する土と発泡プラスチック粒子とを混
    合した断熱混合層と、発泡プラスチック粒子からなる断
    熱単独層とを層状に設けたことを特徴とする地盤形成方
    法。
  4. 【請求項4】 上記発泡プラスチック粒子の比重を、
    0.5〜0.9にしたことを特徴とする請求項1,2ま
    たは3記載の地盤形成方法。
  5. 【請求項5】 上記発泡プラスチック粒子に、発泡ポリ
    スチレンを半溶融させた減容体を用いたことを特徴とす
    る請求項1,2,3または4記載の地盤形成方法。
  6. 【請求項6】 上記減容体を、上記断熱混合層の容積の
    30%〜80%にしたことを特徴とする請求項2,3,
    4または5記載の地盤形成方法。
  7. 【請求項7】 上記発泡プラスチック粒子に、廃棄物を
    用いたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5また
    は6記載の地盤形成方法。
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