JP2004285707A - 断熱路盤構造 - Google Patents

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JP2004285707A JP2003079449A JP2003079449A JP2004285707A JP 2004285707 A JP2004285707 A JP 2004285707A JP 2003079449 A JP2003079449 A JP 2003079449A JP 2003079449 A JP2003079449 A JP 2003079449A JP 2004285707 A JP2004285707 A JP 2004285707A
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Masaharu Shimoie
正治 下家
Kazuto Onuma
一人 大沼
Masaki Fujiwara
正樹 藤原
Hideyuki Sasaki
秀幸 佐々木
Koji Sakai
晃二 酒井
Tadashi Fujiwara
忠司 藤原
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IWATE KENKO KK
Iwate Prefectural Government
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Abstract

【課題】安価な材料で断熱性(保温性)を確実に付与でき、かつ、一定の支持力を得ることができるようにするとともに、変形しにくくする。
【解決手段】土層Gの表面に砕石層Sを形成して地盤を形成する際、砕石及び発泡プラスチック骨材を混合して形成される断熱混合層SK、あるいは、砕石層Sの内部に、発泡プラスチック骨材からなる断熱単独層を設けた。発泡プラスチック骨材に、比重を0.5〜0.9の発泡ポリスチレンを溶融させた減容体(EPS:外部は硬化した状態を呈し内部は空気の微細な気泡を保持した強度及び保温性に富んだ粒子)を用いた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舗装道路などの断熱路盤構造に係り、特に、路床の表面に形成される砕石層で冷気を遮断する断熱路盤構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、寒冷地における舗装においては、路床土の凍結融解の影響を大きく受け、冬季は凍上により舗装面のひび割れや平坦性の悪化を起こし、春先は融解に伴う路床支持力が低下して舗装の破損を引起こすことがあるという問題がある。
そのため、従来は、例えば、図12に示すように、路床1上に合成樹脂発泡体を水硬性結合材で固めて一体とした球形や多角形の一定の形状を有した断熱性バラスを敷設して断熱性バラス層(断熱層)2を形成し、その上にアスファルト3を敷設している(例えば、特許文献1(特開平7−279105号公報)に記載)。
この舗装によれば、断熱性バラス層2が地表の冷気を遮断して路盤の温度の低下を抑え路盤の凍結を防止する。路盤の凍結の防止は、路盤の凍上を防止して、舗装面の形状安定性を高めている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−279105号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の舗装においては、断熱性バラスは、球形や多角形の一定の形状を有していることから表面の凹凸が少なく、舗装現場での締め固めが必ずしも十分にできずに、所定の支持力を出すことが難しいという問題があった。そのため、舗装断面を決定する断熱性バラスの支持力(CBR)が不明であり、路盤の厚さの決定が難しく、交通量に応じた舗装構成を築造することが難しいという問題があった。
また、築造後においても、断熱性バラスは、球形や多角形の一定の形状を有し表面の凹凸が少ないので、断熱性バラスが相互に滑りやすく、そのため、路盤の変形が生じて舗装面に凹凸やうねりを生じることがあるという問題もあった。
更には、断熱性バラスの形成は合成樹脂発泡体と水硬性結合剤とを混練し固化するので、作成作業が煩雑でコスト高になっているという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、安価な材料で断熱性(保温性)を確実に付与でき、かつ、一定の支持力を得ることができるようにするとともに、変形しにくい断熱路盤構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の技術的手段は、路床の表面に形成される砕石層で冷気を遮断する断熱路盤構造において、砕石層に、砕石及び砕石状の発泡プラスチック骨材を混合して形成される断熱混合層を設けた構成としている。断熱混合層は複数層あってよい。
【0007】
また、このような課題を解決するための本発明の技術的手段は、路床の表面に形成される砕石層で冷気を遮断する断熱路盤構造において、砕石層に、砕石状の発泡プラスチック骨材からなる断熱単独層を設けた構成としている。断熱単独層は複数層あってよい。
【0008】
この断熱路盤構造によれば、発泡プラスチック骨材を用いるので、骨材の作成が容易であり、コストを大幅に低減させることができる。
また、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されて複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっているので、舗装現場での締め固めが十分に行なわれる。そのため、所定の支持力を出すことが容易になる。即ち、舗装断面を決定する支持力(CBR)を予めの実験により算出しておくことができ、路盤の厚さの決定を容易にすることができ、所定の支持力を確保できる。
【0009】
更に、築造後においても、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されて複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっているので、発泡プラスチック骨材相互、あるいは、発泡プラスチック骨材と砕石との間で、互いに滑りにくくなり、そのため、路盤の変形が生じて舗装面に凹凸やうねりを生じる事態を防止することができる。
【0010】
更にまた、断熱混合層あるいは断熱単独層は、砕石の間に挟まれて層状に形成されているので、長年使用しても優れた断熱性及び保温性を維持することができる。
即ち、路盤は、一定の支持力を有し、耐久性が向上し舗装の破損が生じにくくなる。路盤は、一定の強度を有し、冬季の冷気を遮断するので、路床の凍上によるひび割れや凹凸、更には、融解による支持力低下に伴う舗装の破損が抑制され、凍上被害を防止することができる。
【0011】
また、必要に応じ、上記発泡プラスチック骨材の比重を、0.5〜1.3にした構成とした。
骨材の比重が砕石に近い程、混合が容易であるが、断熱効果と強度の兼ね合いから比重が0.5〜1.3程度が最適であり重機による混合で断熱混合層は均一な組成を形成する。
【0012】
更に、必要に応じ、上記発泡プラスチック骨材に、発泡ポリスチレンを溶融させた減容体を砕石状に破砕して用いた構成とした。
減容体は、外側が溶融されて硬化した状態であり内側が気泡を含んだ状態である。減容体が砕石状になっているので、砕石あるいは減容体相互の噛み合わせを強め支持力を向上させる。また、減容体の気泡を含んだ状態は、断熱性の向上に寄与する。
【0013】
更にまた、必要に応じ、上記減容体を、上記断熱混合層の容積の30%〜80%、望ましくは30%〜50%にした構成とした。所定量の減容体を混合した断熱混合層には、優れた支持力が付与される。
また、必要に応じ、上記発泡プラスチック骨材に、廃棄物を用いた構成とした。廃棄物をリサイクル可能にする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る断熱路盤構造を説明する。実施の形態に係る断熱路盤構造は、道路等のアスファルト舗装を施す路盤の為のものである。
【0015】
先ず、本発明の第一の実施の形態に係る断熱路盤構造について説明する。この断熱路盤構造は、図1に示すように、路床Gの表面に、砕石層Sを積層し、この砕石層Sで冷気を遮断するものである。
砕石層Sは、路床G上に下層路盤Saを敷設し、この下層路盤Sa上に断熱混合層SKを敷設し、この断熱混合層SK上に上層路盤Sbを敷設して形成されている。
アスファルトからなる表層Aは、砕石層Sの上層路盤Sbに形成される。
【0016】
詳しくは、砕石層Sに、砕石及び砕石状の発泡プラスチック骨材を混合して形成される断熱混合層SKを設けている。
断熱混合層SKにおいて、砕石としては、例えば、クラッシャランの「C−40」が用いられる。
【0017】
発泡プラスチック骨材としては、特に発泡ポリスチレンを溶融させて破砕した減容体(EPS)を用いた。減容体は、廃棄された発泡ポリスチレンを再利用したもの(廃EPS)であり、外部は硬化した状態を呈し内部は空気の微細な気泡を保持した強度及び保温性に富んだ骨材である。また、図2に示すように、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されており、そのため、複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっている。
減容体は、その比重が、0.5〜0.9になるように形成されている。大きさは、クラッシャランの「C−25〜C−50」程度であり、最大粒径が30mm以下のものが望ましい。
この減容体は、断熱混合層SKの容積の30%〜80%にしてある。実施の形態では30%〜50%にしてある。
【0018】
また、砕石層Sにおいて、下層路盤Saの砕石としては、例えば、クラッシャランの「C−50」が用いられている。上層路盤Sbの砕石としては、例えば、粒度調整砕石の「M−40」が用いられている。
【0019】
従って、アスファルトの表層Aを形成する舗装の場合には、図1に示すように、まず、路床Gの表面に、砕石層Sのうち下層路盤Saを敷設し、この下層路盤Sa上に断熱混合層SKを敷設し、この断熱混合層SK上に上層路盤Sbを敷設する。砕石と減容体とは、予め混合しておいてもよく、あるいは、砕石を投入してから減容体を投入し、それから混合してもよく、適宜の方法で敷設してよい。砕石あるいは砕石と減容体との混合物は、所定の均一の厚さで敷設されて締め固められる。そして、この砕石層Sの上に、アスファルトの表層Aを形成する。
【0020】
このようにして築造された路盤にあっては、発泡プラスチック骨材としては、廃棄された発泡ポリスチレンを再利用したもの(廃EPS)なので、作成が容易であり、コストも大幅に低減される。
また、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されて複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっているので、舗装現場での締め固めが砕石と相まって十分に行なわれる。そのため、所定の支持力を出すことが容易になる。即ち、舗装断面を決定する支持力(CBR)を予めの実験により算出しておくことができ、路盤の厚さの決定を容易にすることができ、所定の支持力を確保できるのである。
【0021】
更に、築造後においても、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されて複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっているので、発泡プラスチック骨材相互、あるいは、発泡プラスチック骨材と砕石との間で、互いに滑りにくくなり、そのため、路盤の変形が生じて舗装面に凹凸やうねりを生じる事態が防止される。
更にまた、砕石と減容体との断熱混合層SKは、砕石の間に挟まれて層状に形成されているので、長年使用しても優れた断熱性及び保温性が維持される。
即ち、路盤は、一定の支持力を有し、耐久性が向上し舗装の破損が生じにくくなる。路盤は、一定の強度を有し、冬季の冷気を遮断するので、路床の凍上によるひび割れや凹凸、更には、融解による支持力低下に伴う舗装の破損が抑制され、凍上被害が防止される。
【0022】
次に、凍上被害を受けた既設舗装の補修(復旧舗装)の際に、本実施の形態に係る断熱路盤構造を適用する場合について説明する。
図3に示すように、まず、既設舗装について説明する。既設舗装は、路床Gの表面に、砕石層Sを積層し、この砕石層Sの上にアスファルトからなる表層Aを敷設している。
砕石層Sは、路床G上に下層路盤Saを敷設し、この下層路盤Sa上に上層路盤Sbを敷設して形成されている。
【0023】
この既設舗装の補修に当たっては、図3に示すように、先ず、既設アスファルト表層A並びに砕石層Sの上層路盤Sbと下層路盤Saの上部部分とを取り除き、この上に断熱混合層SKを敷設し、この断熱混合層SK上に上層路盤Sbを敷設する。各層は所定の均一の厚さで敷設されて締め固められる。そして、この砕石層Sの上に、アスファルトの表層Aを形成する。
【0024】
この本実施の形態に係る断熱路盤構造を適用する方法にあっては、例えば、図4に示す凍上抑制の別の舗装構造に比較して利点がある。この別の凍上抑制の舗装構造は、図4に示すように、先ず、既設アスファルト表層A並びに砕石層Sの上層路盤Sbと下層路盤Saとを取り除き、更に、路床Gの上部を取り除く。そして、この上に砕石を敷設した凍上抑制層Tを敷設し、この凍上抑制層T上に下層路盤Sa及び上層路盤Sbを敷設する。各層は所定の均一の厚さで敷設されて締め固められる。そして、この砕石層Sの上に、アスファルトの表層Aを形成する。
【0025】
このため、本実施の形態に係る断熱路盤構造を適用する方法にあっては、凍結被害を受けた舗装を、凍結深度まで掘り返して廃棄し、この上に砕石を敷設した凍上抑制層Tを構築するという補修をしなくても、既設の下層路盤Saの一部に断熱層SKを形成する事により凍結被害を受け難い舗装を復旧する事ができ、復旧の際に容易に断熱路盤を形成することができるのである。
【0026】
より詳しくは、例えば、別の舗装構造において行なう補修では、凍結最大深度が100cmの舗装の場合70cmの深さまで掘り起こし、これを残土として捨土処理した上で、砕石を敷設した凍上抑制層Tの上に下層路盤Sa、上層路盤Sb、表層Aを構築していたが、本実施の形態に係る断熱路盤構造を適用する方法にあっては、断熱層SKを下層路盤Saの一部に使用することにより、掘削深さは27cmに留まり、下層路盤並びに凍上抑制層Tを新たに構築する必要がなく、廃棄物の抑制、使用材料の抑制等環境負荷の低減と工事金額の削減を大幅に図ることができる。
【0027】
次に、本発明の第二の実施の形態に係る断熱路盤構造について説明する。図5に示すように、この断熱路盤構造も、路床Gの表面に、砕石層Sを積層するものである。
砕石層Sは、路床G上に下層路盤Saを敷設し、この下層路盤Sa上に断熱単独層STを敷設し、この断熱単独層ST上に上層路盤Sbを敷設して形成されている。
アスファルトは、砕石層Sの上層路盤Sbに形成される。
【0028】
詳しくは、砕石層Sの内部に、発泡プラスチック骨材からなる断熱単独層STを設けている。
発泡プラスチック骨材としては、上記と同様に、特に発泡ポリスチレンを溶融させて破砕した減容体(EPS)を用いた。減容体は、廃棄された発泡ポリスチレンを再利用したもの(廃EPS)であり、外部は硬化した状態を呈し内部は空気の微細な気泡を保持した強度及び保温性に富んだ骨材である。また、図2に示すように、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されており、そのため、複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっている。
減容体は、その比重が、0.5〜0.9になるように形成されている。大きさは、クラッシャランの「C−25〜C−50」程度であり、最大粒径が30mm以下のものが望ましい。
【0029】
また、砕石層Sにおいて、下層路盤Saの砕石としては、例えば、クラッシャランの「C−40」が用いられている。上層路盤Sbの砕石としては、例えば、粒度調整砕石の「M−40」が用いられている。
【0030】
従って、アスファルトの表層Aを形成する舗装の場合には、図5に示すように、上記の断熱混合層SKの場合と同様に、断熱混合層SKの代りに断熱単独層STを敷設する。同様の作用,効果を奏する。
また、凍上被害を受けた既設舗装の補修(復旧舗装)の際に、本実施の形態に係る断熱路盤構造を適用する場合についても、図3に示すように、上記の断熱混合層SKの場合と同様に、断熱混合層SKの代りに断熱単独層STを敷設する。同様の作用,効果を奏する。
【0031】
図6には、本発明の第三の実施の形態に係る断熱路盤構造を示している。この断熱路盤構造も、路床Gの表面に、砕石層Sを積層するものである。
砕石層Sは、路床G上に上記第一の実施の形態で説明した断熱混合層SKを敷設し、その上に下層路盤Saを敷設し、この下層路盤Sa上に上層路盤Sbを敷設して形成されている。作用,効果は上記と同様である。
【0032】
図7には、本発明の第四の実施の形態に係る断熱路盤構造を示している。この断熱路盤構造も、路床Gの表面に、砕石層Sを積層するものである。
砕石層Sは、路床G上に上記第一の実施の形態で説明した断熱単独層STを敷設し、その上に下層路盤Saを敷設し、この下層路盤Sa上に上層路盤Sbを敷設して形成されている。作用,効果は上記と同様である。
【0033】
【実験例】
以下、本発明の実験例について説明する。
(支持力試験1)
試供体として、クラッシャランの「C−50」(試供体1)と、これに減容体(EPS)の大きさがC−40相当のものを50容量%混合したもの(試供体2)とについて、CBR(Carifornia Bearing Ratio)試験を行なった。得られた結果を図8に示す。
CBR試験により、形成された路盤の支持力を判断することができる。通常、路盤の支持力は修正CBRが20%以上必要であるといわれている。
CBR試験の結果から、減容体の混合比(体積比=減容体/砕石)が50/50以上であれば望まれる支持力が十分確保されていることがわかる。このことから、砕石と所定値以上の減容体を混合させて断熱混合層SKを形成すれば規定の路盤の支持力が得られると判断することができる。
【0034】
(支持力試験2)
試供体として、粒度調整砕石「M−40」(試供体3)と、これに減容体(EPS)の大きさがM−40相当のものを30容量%混合したもの(試供体4)と、減容体(EPS)の大きさがM−40相当のものを50容量%混合したもの(試供体5)とについて、CBR試験を行なった。得られた結果を図9に示す。
CBR試験の結果から、減容体の混合比(体積比=減容体/砕石)が50/50以上であれば望まれる支持力が十分確保されていることがわかる。このことから、砕石と所定値以上の減容体を混合させて断熱混合層SKを形成すればクラッシャラン(C−50)の支持力をより高めることができる。
また、減容体(EPS)の混合比が50%のものにおいて、「C−50」のときよりもCBRの数値が大きいが、これは、「M−40」は、「C−50」に比較して細粒分が多く、これが間隙を埋めているため、骨材同士のすべる減少が緩和されているためと考えられる。
【0035】
(冷却試験)
試供体として、クラッシャランの「C−40」(試供体1)と、これに減容体(EPS)の大きさがC−40相当のものを30容量%混合したもの(試供体4)とについて、冷却試験を行なった。
冷却試験は、図10に示す冷却試験装置Yを用いて行なった。冷却試験装置Yは、23℃±2℃の恒温室内Hに、側面及び底面を発泡スチロールで断熱した塩ビ管C(試供体を格納する形状)を配置し、塩ビ管Cの側面に上下に5cm間隔で熱伝対T1〜T5を差し込み温度を測定するものである。また、塩ビ管Cの上部には冷媒にて−20℃に冷却された蓋を取付けている。
試験は、試供体を塩ビ管Cに格納し120時間経過後の各熱伝対T1〜T5の温度を測定して温度変化を調べた。得られた結果を図11に示す。
「C−40」100%のものは、0℃になる深さが10cmぐらいなのに対して、EPS骨材を30%混合したものは、深さ2cmで0℃になっており、凍結深度から計算すれば50%改善された結果となった。この結果から、EPSは非常に断熱性に優れ、凍上の抑制に効果が大きい材料であることがわかる。
【0036】
尚、上記の実施の形態において、断熱単独層STと断熱混合層SKの層の数は上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。また、断熱単独層STと断熱混合層SKとを混成した砕石層Sであってもよい。更に、発泡プラスチック骨材としては、上述のEPSに限定されるものではなく、種々のものを用いてよいことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の断熱路盤構造によれば、砕石層に、砕石及び発泡プラスチック骨材を混合して形成される断熱混合層を設け、あるいは、砕石層に発泡プラスチック骨材からなる断熱単独層を設けたので、発泡プラスチック骨材を用いるので、骨材の作成が容易であり、コストを大幅に低減させることができる。
また、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されて複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっているので、舗装現場での締め固めが十分に行なわれる。そのため、所定の支持力を出すことが容易になる。即ち、舗装断面を決定する支持力(CBR)を予めの実験により算出しておくことができ、路盤の厚さの決定を容易にすることができ、所定の支持力を確保できるのである。
【0038】
更に、築造後においても、発泡プラスチック骨材は、砕石状に破砕されて複雑な異形多角形状をしており、凹凸が極めて多いものになっているので、発泡プラスチック骨材相互、あるいは、発泡プラスチック骨材と砕石との間で、互いに滑りにくくなり、そのため、路盤の変形が生じて舗装面に凹凸やうねりを生じる事態を防止することができる。
更にまた、断熱混合層あるいは断熱単独層は、砕石の間に挟まれて層状に形成されているので、長年使用しても優れた断熱性及び保温性を維持することができる。
即ち、路盤は、一定の支持力を有し、耐久性が向上し舗装の破損が生じにくくなる。路盤は、一定の強度を有し、冬季の冷気を遮断するので、路床の凍上によるひび割れや凹凸、更には、融解による支持力低下に伴う舗装の破損が抑制され、凍上被害を防止することができる。
【0039】
さらに、発泡プラスチック骨材の比重を、0.5〜1.3にした場合には、均一な断熱層を得ることができる。
更に、発泡プラスチック骨材に、発泡ポリスチレンを溶融させた減容体を砕石状に破砕して用いた場合には、断熱層に優れた支持力と断熱性を与えることができる。
更にまた、減容体を、断熱混合層の容積の30%〜80%にした場合には、断熱混合層に優れた支持力を与えることができる。
また、発泡プラスチック骨材に、廃棄物を用いた場合には廃棄物の有効利用に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る断熱路盤構造を示す図である。
【図2】減容体を粉砕して砕石状にした状態を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る断熱路盤構造を、凍上被害を受けた既設舗装の補修(復旧舗装)の際に適用する場合の図であり、(a)は既設舗装を示す図、(b)は復旧舗装に係る断熱路盤構造を示す図である。
【図4】凍上被害を受けた既設舗装の補修(復旧舗装)の際に、凍上抑制の別の舗装構造を適用する場合の図であり、(a)は既設舗装を示す図、(b)は復旧舗装に係る舗装構造を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係る断熱路盤構造を示す図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態に係る断熱路盤構造を示す図である。
【図7】本発明の第四の実施の形態に係る断熱路盤構造を示す図である。
【図8】本発明の効果を実証する実験例(支持力試験1)において、EPSの混合割合とCBRとの関係を示すグラフ図である。
【図9】本発明の効果を実証する実験例(支持力試験2)において、EPSの混合割合とCBRとの関係を示すグラフ図である。
【図10】本発明の効果を実証する冷却試験に用いる冷却試験装置の一例を示す断面図である。
【図11】本発明の効果を実証する実験例(冷却試験)において、深さにおける温度分状態を示すグラフ図である。
【図12】従来の舗装方法を示す図である。
【符号の説明】
A 表層
G 路床
S 砕石層
Sa 下層路盤
Sb 上層路盤
SK 断熱混合層
ST 断熱単独層
Y 冷却試験装置

Claims (6)

  1. 路床の表面に形成される砕石層で冷気を遮断する断熱路盤構造において、
    砕石層に、砕石及び砕石状の発泡プラスチック骨材を混合して形成される断熱混合層を設けたことを特徴とする断熱路盤構造。
  2. 路床の表面に形成される砕石層で冷気を遮断する断熱路盤構造において、
    砕石層に、砕石状の発泡プラスチック骨材からなる断熱単独層を設けたことを特徴とする断熱路盤構造。
  3. 上記発泡プラスチック骨材の比重を、0.5〜1.3にしたことを特徴とする請求項1または2記載の断熱路盤構造。
  4. 上記発泡プラスチック骨材に、発泡ポリスチレンを溶融させた減容体を砕石状に破砕して用いたことを特徴とする請求項1,2または3記載の断熱路盤構造。
  5. 路床の表面に形成される砕石層で冷気を遮断する断熱路盤構造において、
    砕石層に、砕石及び砕石状の発泡プラスチック骨材を混合して形成される断熱混合層を設け、上記発泡プラスチック骨材に、発泡ポリスチレンを溶融させた減容体を砕石状に破砕して用い、該減容体を、上記断熱混合層の容積の30%〜80%にしたことを特徴とする断熱路盤構造。
  6. 上記発泡プラスチック骨材に、廃棄物を用いたことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の断熱路盤構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108411727A (zh) * 2018-01-17 2018-08-17 绍兴文理学院元培学院 一种宽幅冻土路基结构
CN110205890A (zh) * 2019-06-20 2019-09-06 中国五冶集团有限公司 一种地铁隧道上方轻质eps路基结构及其施工方法

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