JP2003020570A - セルロース系繊維材料の撥水加工方法 - Google Patents

セルロース系繊維材料の撥水加工方法

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JP2003020570A JP2001205087A JP2001205087A JP2003020570A JP 2003020570 A JP2003020570 A JP 2003020570A JP 2001205087 A JP2001205087 A JP 2001205087A JP 2001205087 A JP2001205087 A JP 2001205087A JP 2003020570 A JP2003020570 A JP 2003020570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース系繊維材料に洗濯耐久性の有る撥
水性を付与することを可能にする、セルロース系繊維材
料の撥水加工方法を提供する。 【解決手段】 セルロール系繊維材料を水酸基と反応す
る化合物で処理し、その後フッ素系撥水剤で処理するこ
とを含むセルロース系繊維材料の撥水加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系繊維
材料の撥水加工方法に関する。特に、本発明は、セルロ
ース系繊維材料に洗濯耐久性の有る撥水性を付与するこ
とを可能にする、セルロース系繊維材料の撥水加工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フルオロアルキル基を有する
アクリレートまたはメタクリレートの如き化合物の重合
体を水に分散させた撥水撥油剤が知られている。このよ
うなフッ素系撥水剤により繊維材料に撥水性を付与する
場合、ポリエステルなどの合成繊維では洗濯耐久性が比
較的得られやすいが、綿などのセルロース系繊維では洗
濯耐久性がほとんど得られない。これは、合成繊維とセ
ルロース系繊維の水分率の違いや表面特性の違いからく
るものと考えられる。従来、セルロース系繊維に洗濯耐
久性の有る撥水加工を行う場合、フッ素系撥水剤に架橋
剤を併用して処理した後、熱処理を行う方法が知られて
いるが、その効果は充分に満足できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
従来技術の問題点を解決し、セルロース系繊維材料に洗
濯耐久性の有る撥水性を付与することを可能にする、セ
ルロース系繊維材料の撥水加工方法を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セルロー
ス系繊維材料が持つ水酸基に着目し、上記の課題を解決
するため鋭意研究を重ねた結果、セルロース系繊維材料
に対して洗濯耐久性を有する撥水性を付与することので
きる方法を見出し、本発明を完成させるに至ったもので
ある。
【0005】すなわち、本発明は、セルロール系繊維材
料を水酸基と反応する化合物で処理し、その後フッ素系
撥水剤で処理することを含むセルロース系繊維材料の撥
水加工方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、セルロール系繊維材料
をセルロース系繊維材料の持つ水酸基と反応する化合物
で処理し、セルロース系繊維材料の持つ水酸基と反応さ
せることにより、セルロース系繊維材料表面の親水性を
小さくして疎水化した後、フッ素系撥水剤で処理するこ
とにより、セルロース系繊維材料に耐洗濯性の有る撥水
性を付与する、セルロース系繊維材料の撥水加工方法で
ある。
【0007】本発明に用いられる、水酸基と反応する化
合物としては、シリル化剤、カルボン酸無水物、イソシ
アネート基またはブロックドイソシアネート基を有する
化合物が、好ましい化合物として挙げられる。
【0008】本発明に用いられるシリル化剤としては、
アルコキシシランやオルガノハロシランが好ましく、例
えば、以下に示すような化合物が挙げられる。
【0009】 1.CH2 =CHSi(OC24 OCH33 2.CH2 =CHSi(OC253 3.CH2 =CHSi(OCH33 4.
【0010】
【化2】
【0011】5.
【0012】
【化3】
【0013】6.
【0014】
【化4】
【0015】7.
【0016】
【化5】
【0017】8.H2 NC24 NHC36 Si(O
CH33 9.
【0018】
【化6】
【0019】 10.H2 NC36 Si(OC253 11.C65 NHC36 Si(OCH33 12.HSC36 Si(OCH33 13.ClC36 Si(OCH33 14.Si(OCH34 15.CH3 Si(OCH33 16.(CH32 Si(OC252 17.C65 Si(OC253 18.(C652 Si(OC252 19.CH3 (CH25 Si(OCH33 20.n−C1021Si(OCH33 21.(CH33 SiNHSi(CH33 22.[(CH33 SiNH]2 CO 23.OCNC36 Si(OC252 24.CH2 =CHSiCl3 25.CH3 SiCl3 26.(CH3 )HSiCl2 27.(CH32 SiCl2 28.(CH33 SiCl 29.C65 SiCl3 30.(C652 SiCl2 31.t−C49 (CH32 SiCl これらのシリル化剤は、被処理物(セルロース系繊維材
料)に対し0.1〜50重量%の量で処理されることが
好ましく、例えば、シリル化剤を有機溶剤に溶解した処
理液を作成した後、浸漬法、含浸法などにより被処理物
に付着させ、その後60〜120℃の熱処理を3〜12
0分間行うことで処理される。この時用いられる有機溶
剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン系溶剤、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルホ
ルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶剤などが挙げら
れ、特にジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素
系溶剤が好ましい。また、処理液としては、シリル化剤
の濃度が0.1〜20重量%の溶液であることが好まし
い。
【0020】本発明に用いられるカルボン酸無水物とし
ては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、
例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸が挙げ
られる。
【0021】
【化7】
【0022】(式中、R1 およびR2 は、それぞれに、
炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜8のアルケ
ニル基を表す) これらのカルボン酸無水物は、被処理物(セルロース系
繊維材料)に対し0.1〜50重量%の量で処理される
ことが好ましく、例えば、カルボン酸無水物を有機溶剤
に溶解した処理液を作成した後、浸漬法、含浸法などに
より被処理物に付着させ、その後60〜120℃の熱処
理を3〜120分間行うことで処理される。この時用い
られる有機溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン系溶剤、ヘキサンなどの炭化水
素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶
剤、ジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶
剤などが挙げられ、特にジメチルホルムアミド、ピリジ
ンなどの含窒素系溶剤が好ましい。また、処理液として
は、カルボン酸無水物の濃度が0.1〜20重量%の溶
液であることが好ましい。
【0023】本発明に用いられるイソシアネート基を有
する化合物としては、例えば、ブチルイソシアネート、
オクタデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシア
ネート、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネー
ト、ナフタレンイソシアネート、2−イソシアネートエ
チルメタクリレートなどのモノイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)、ポリフェニルポリメチルポリイソシアネ
ートに代表される液状MDI、粗MDI、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネートなどのジイソシアネートおよびこれらのイソシア
ヌレート環である三量体や、トリメチロールプロパンア
ダクト体などが挙げられる。
【0024】これらのイソシアネート基を有する化合物
は、被処理物(セルロース系繊維材料)に対し0.1〜
50重量%の量で処理されることが好ましく、例えば、
イソシアネート基を有する化合物を非プロトン系の有機
溶剤に溶解した処理液を作成した後、浸漬法、含浸法な
どにより被処理物に付着させ、その後60〜120℃の
熱処理を3〜120分間行うことで処理される。この時
用いられる有機溶剤としては、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ヘキサンなどの炭
化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系
溶剤、ジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系
溶剤などが挙げられ、特にジメチルホルムアミド、ピリ
ジンなどの含窒素系溶剤が好ましい。また、処理液とし
ては、イソシアネート基を有する化合物の濃度が0.1
〜20重量%の溶液であることが好ましい。この時、従
来よりイソシアネートの反応に使用されている錫系や三
級アミン系の触媒を用いることもできる。
【0025】また、本発明に用いられるブロックドイソ
シアネート基を有する化合物は、上記のイソシアネート
基を有する化合物をブロック化剤でイソシアネート基を
保護した化合物であり、この時用いられるブロック化剤
としては、2級または3級アルコール類、活性メチレン
化合物、フェノール類、オキシム類、ラクタム類などの
有機系ブロック化剤や、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸
カリウムなどの重亜硫酸塩が挙げられる。
【0026】これらのブロックドイソシアネート基を有
する化合物は、被処理物(セルロース系繊維材料)に対
して0.1〜50重量%の量で処理されることが好まし
く、例えば、ブロックドイソシアネート基を有する化合
物を有機溶剤に溶解するか、水に乳化分散させた処理液
を作成した後、浸漬法、含浸法などにより被処理物に付
着させ、乾燥後120〜180℃の熱処理を1〜5分間
行うことで処理される。この時用いられる有機溶剤とし
ては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン系溶剤、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルホルム
アミド、ピリジンなどの含窒素系溶剤などが挙げられ、
特にジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶
剤が好ましい。また、水に乳化分散させる際に使用する
界面活性剤としては、従来より乳化分散剤として用いら
れている非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カ
チオン界面活性剤、または両性界面活性剤等の界面活性
剤のいずれをも使用することができる。さらに、処理液
としては、ブロックドイソシアネート基を有する化合物
の濃度が0.1〜20重量%の溶液であることが好まし
い。この時、従来よりイソシアネートの反応に使用され
ている錫系や三級アミン系の触媒を用いることもでき
る。
【0027】本発明に用いられるフッ素系撥水剤として
は、フルオロアルキル基を有するアクリレートおよびメ
タクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種
と、フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメ
タクリレートと共重合可能な、フッ素を含まない単量体
からなる群から選ばれる少なくとも1種とを、水性液中
で乳化重合して得られる共重合体組成物を含有する撥水
剤が好ましい。
【0028】本発明に用いられるフルオロアルキル基を
有するアクリレートまたはメタクリレートには特に制限
はないが、フルオロアルキル基の炭素数が3〜21のも
のが好ましく、特に6〜18のものが好ましい。好まし
く用いられるフルオロアルキル基を有するアクリレート
またはメタクリレートとしては、例えば、次のような化
合物が挙げられる。
【0029】 32.CF3 (CF24 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 33.CF3 (CF27 (CH22 OCOC(CH
3 )=CH2 34.CF3 (CF27 (CH22 OCOCH=C
2 35.(CF32 CF(CF24 (CH22 OC
OCH=CH2 36.CF3 (CF27 SO2 N(C37 )(CH
22 OCOCH=CH2 37.CF3 (CF27 (CH24 OCOCH=C
2 38.CF3 (CF27 SO2 N(CH3 )(CH
22 OCOC(CH3)=CH2 39.CF3 (CF27 SO2 N(C26 )(CH
22 OCOCH=CH2 40.CF3 (CF27 CONH(CH22 OCO
CH=CH2 41.(CF32 CF(CF26 (CH23 OC
OCH=CH2 42.(CF32 CF(CF26 CH2 CH(OC
OCH3 )OCOC(CH3 )=CH2 43.(CF32 CF(CF26 CH2 CH(O
H)CH2 OCOCH=CH2 44.CF3 (CF29 (CH22 OCOCH=C
2 45.CF3 (CF29 (CH22 OCOC(CH
3 )=CH2 46.CF3 (CF29 CONH(CH22 OCO
C(CH3 )=CH2 47.(CF2 Cl)(CF3 )CF(CF27 CO
NH(CH22 OCOCH=CH2 48.H(CF210CH2 OCOCH=CH2 49.(CF2 Cl)(CF210CH2 OCOC(C
3 )=CH2 50.(CF2 Cl)(CF3 )CF(CF27 (C
22 OCOCH=CH2 本発明に用いられるフルオロアルキル基を有するアクリ
レートまたはメタクリレートと共重合可能なフッ素を含
まない単量体には特に制限はないが、例えば、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルア
クリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アジリジニル
アクリレート、アジリジニルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリ
レート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステル;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、メチロー
ル化ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミドま
たはメタクリルアミド;その他マレイン酸アルキルエス
テル、フタル酸アルキルエステル、アルキレンジオール
アクリレート、アルキレンジオールジメタクリレート、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニル、
スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、
ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエ
ーテル、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
【0030】本発明のフッ素系撥水剤の乳化重合におけ
る溶媒としては、通常、水性溶媒、特に水であることが
好ましい。
【0031】本発明に用いられるフッ素系撥水剤に含有
される共重合体組成物において、フルオロアルキル基を
有するアクリレートまたはメタクリレート成分の割合
は、全単量体100重量部に対して少なくとも30重量
部以上であるのが好ましく、40〜80重量部であるの
がさらに好ましい。また、このフルオロアルキル基を有
するアクリレートまたはメタクリレートと共重合可能
な、フッ素を含まない単量体成分の割合は、全単量体1
00重量部に対して70重量部以下であるのが好まし
く、60〜20重量部であるのがさらに好ましい。
【0032】本発明に用いられるフッ素系撥水剤に含有
する共重合体組成物の製造方法において、乳化重合の際
に使用する界面活性剤、重合開始剤には特に制限はな
く、従来より乳化重合で用いられている乳化剤としての
非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界
面活性剤、または両性界面活性剤等の界面活性剤のいず
れをも使用することができる。また、重合開始剤として
は、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などの重合開
始剤や、さらにはγ線のような電離性放射線などを用い
ることができる。
【0033】本発明の撥水加工方法において、上記フッ
素系撥水剤は被処理物(セルローズ系繊維材料)に水酸
基と反応する化合物が処理(前処理)された後、被処理
物の種類により適宜選ばれた任意の方法で被処理物に処
理することができる。例えば、浸漬法、塗布法、スプレ
ー法などにより被処理物の表面に撥水剤を付着させ、乾
燥する方法が挙げられる。また、必要に応じて適当な架
橋剤を併用し、キュアリングを行って固着させてもよ
い。
【0034】さらに、本発明の撥水剤には、必要に応じ
て、従来より用いられている他の撥水剤や撥水撥油剤を
併用することや、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安
定剤、防シワ剤などの他の加工薬剤を併用してもよい。
【0035】本発明に用いられるセルロース系繊維材料
としては、綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテー
ト、トリアセテートなどの半合成繊維、およびこれらの
繊維と他の繊維との複合繊維などを挙げることができ
る。また、繊維材料の形態としては、繊維、糸、織物、
編物、不織布などが挙げられる。
【0036】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0037】本発明の実施例で用いたフッ素系撥水剤の
合成例を以下に示す。
【0038】合成例1 フルオロアクリレート、ステアリルアクリレート、グリ
シジルメタクリレートの3元共重合体組成物 500mLのフラスコにCn2n+1CH2 CH2 COO
CH=CH2 (n=6、8、10、12、14:平均
8)85g、ステアリルアクリレート60g、グリシジ
ルメタクリレート5g、純水240g、3−メチル−3
−メトキシブタノール50g、ポリオキシエチレン(1
0モル)ラウリルエーテル15g、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド6gを入れ、45℃にて攪拌
混合し、超音波により乳化分散させた。アゾビス(イソ
ブチルアミジン)二塩酸塩1.5gを添加し、50℃に
て4時間反応させて共重合体組成物を得た。
【0039】合成例2 フルオロアクリレート、ステアリルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、塩化ビニルの4元共重合体組成
物 500mLのフラスコにCn2n+1CH2 CH2 COO
CH=CH2 (n=6、8、10、12、14;平均
8)100g、ステアリルアクリレート15g、グリシ
ジルメタクリレート3g、純水250g、3−メチル−
3−メトキシブタノール50g、ポリオキシエチレン
(10モル)ラウリルエーテル18g、ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロライド4gを入れ、45℃にて
攪拌混合し、超音波により乳化分散させた。得られた乳
化物を1000mLオートクレーブに仕込み、アゾビス
(イソブチルアミジン)二塩酸塩1.5gを添加した。
オートクレーブを密封した後、塩化ビニル20gを吹き
込み、60℃にて6時間反応させて共重合物を得た。
【0040】次に、本発明の実施例で用いたブロックド
イソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物の合
成例を以下に示す。
【0041】合成例3 1Lのガラス反応容器にジフェニルメタンジイソシアネ
ート260gと酢酸エチル300gを採り、撹拌し、昇
温し、40℃でメチルエチルケトオキシム200gを徐
々に滴下する。滴下後、60℃で3時間撹拌し、熟成反
応する。得られた粉体の分散物を濾別し、アセトンで洗
浄した後、乾燥する。次に、ポリオキシエチレン(10
モル)ラウリルエーテル3gを水70gに溶解した溶液
中に、上記の乾燥した粉末30gを撹拌しながら添加
し、ブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有
する化合物の分散物を得た。
【0042】実施例1 冷却管と撹拌機のついた1Lのガラス反応容器に、ピリ
ジン200gとトリメチルシリルクロライド5gを採
り、その中に精練上がりの綿ブロード20gを入れる。
ガラス反応容器を90℃に保持して1時間反応させた
後、綿ブロードを取り出し、水洗し、乾燥した。その
後、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤の4重
量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェット
ピックアップを80%とし、120℃で1分間乾燥した
後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加工し
た綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0043】実施例2 トリメチルシリルクロライド5gを無水酢酸5gに代え
た以外は実施例1と同じ操作を行って、撥水加工した綿
ブロードを得た。この綿ブロードの撥水性を評価した結
果を表2に示す。
【0044】実施例3 トリメチルシリルクロライド5gをジフェニルメタンジ
イソシアネート5gに代えた以外は実施例1と同じ操作
を行って、撥水加工した綿ブロードを得た。この綿ブロ
ードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0045】実施例4 精練上がりの綿ブロードを、合成例3で得られた分散物
の2重量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウ
ェットピックアップ80%とし、120℃で1分間乾燥
した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。その
後、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤の4重
量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェット
ピックアップを80%とし、120℃で1分間乾燥した
後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加工し
た綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0046】比較例1 精練上がりの綿ブロードを、合成例1または2で合成し
たフッ素系撥水剤の4重量%水分散液に浸漬処理し、マ
ングルで絞ってウェットピックアップを80%とし、1
20℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間加
熱処理した。撥水加工した綿ブロードの撥水性を評価し
た結果を表2に示す。
【0047】比較例2 精練上がりの綿ブロードを、合成例1または2で合成し
たフッ素系撥水剤4重量%に合成例3の分散物の1重量
%を加えた水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウ
ェットピックアップ80%とし、120℃で1分間乾燥
した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加
工した綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示
す。
【0048】比較例3 精練上がりの綿ブロードを、合成例1または2で合成し
たフッ素系撥水剤4重量%に、メラミン系樹脂であるス
ミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)を
0.5重量%、反応触媒であるスミテックスアクセラレ
ータACX(住友化学工業(株)製)を0.5重量%加
えた水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェット
ピックアップ80%とし、120℃で1分間乾燥した
後、さらに160℃で1分間熱処理した。撥水加工した
綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0049】撥水性の評価方法 JIS L−1092のスプレー法により評価した。評
価基準として下記の表1に記載の5〜1の5段階評価を
用いた。なお、表2において、撥水性に+印を付したも
のは、性能がそれよりわずかに良好であることを示し、
−印を付したものは、性能がそれよりわずかに劣ること
を示す。また、表2において、L−20はJIS L−
0217の103法による洗濯を20回行った後の撥水
性の評価結果である。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果からわかるように、水酸基と反
応する化合物で前処理してセルロース繊維を疎水化した
後、フッ素系撥水剤を処理することにより、撥水性の洗
濯耐久性が向上した。
【0053】
【発明の効果】本発明の撥水加工方法によれば、洗濯耐
久性に優れる撥水性を有するセルロース系繊維材料が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大▲崎▼ 香 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 翠 浩二 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 Fターム(参考) 4H020 BA13 BA24 4L033 AA02 AC03 AC15 BA09 BA69 BA93 CA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロール系繊維材料を水酸基と反応す
    る化合物で処理し、その後フッ素系撥水剤で処理するこ
    とを含むセルロース系繊維材料の撥水加工方法。
  2. 【請求項2】 水酸基と反応する化合物がシリル化剤で
    ある、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 水酸基と反応する化合物が下記一般式
    (1)で表されるカルボン酸無水物である、請求項1に
    記載の方法。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれに、炭素数1〜8
    のアルキル基または炭素数2〜8のアルケニル基を表
    す)
  4. 【請求項4】 水酸基と反応する化合物がイソシアネー
    ト基またはブロックドイソシアネート基を分子内に1個
    以上有する化合物である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 フッ素系撥水剤が、フルオロアルキル基
    を有するアクリレートおよびメタクリレートからなる群
    から選ばれる少なくとも1種と、フルオロアルキル基を
    有するアクリレートまたはメタクリレートと共重合可能
    な、フッ素を含まない単量体からなる群から選ばれる少
    なくとも1種とを、水性液中で乳化重合して得られる共
    重合体組成物を含有する撥水剤である、請求項1〜4の
    いずれかに記載の方法。
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