JP2003020442A - 防汚性の優れた道路資材および防曇ミラー - Google Patents

防汚性の優れた道路資材および防曇ミラー

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JP2003020442A
JP2003020442A JP2001207335A JP2001207335A JP2003020442A JP 2003020442 A JP2003020442 A JP 2003020442A JP 2001207335 A JP2001207335 A JP 2001207335A JP 2001207335 A JP2001207335 A JP 2001207335A JP 2003020442 A JP2003020442 A JP 2003020442A
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synthetic resin
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water
hydrophilic coating
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JP2001207335A
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Yoshihiro Miyajima
義洋 宮嶋
Shoichi Kawasaki
正一 川崎
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Nippon Steel Anti Corrosion Co Ltd
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Nittetsu Anti Corrosion Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材表面に光触媒を含有しない親水性塗膜を
形成して、長期間に亘って防汚性及び防曇性を発現する
道路資材および防曇ミラーを提供する。 【解決手段】 基材表面に第4級アンモニウムケイ酸塩
を主成分とする又はこれと合成樹脂成分とを主成分とす
る親水性塗膜が形成されてなる道路資材。また、基材表
面にシランカップリング剤を主成分とする結合層が形成
され、さらにその表面に上記の親水性塗膜が形成されて
なる道路資材及び防曇ミラー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路に沿って設置
された構造物の基材表面に親水性塗膜を形成させること
により、長期間に亘ってその表面の防汚性及び防曇性を
具備する道路資材に関する。
【0002】
【従来の技術】標識柱、視線誘導標、反射ミラー等の道
路側端に設置された構造物は、有機系大気汚染物質や無
機系の泥、埃等が当該構造物塗膜表面に付着することに
より、視認性を損なうばかりでなく、町並みの景観も損
なう。また、反射ミラー類が結露等で曇ることにより交
通事故の原因になることも少なくない。
【0003】従来から、道路標識柱や視線誘導標類だけ
でなく、外壁なども含めた道路構造物の防汚方法として
は、光触媒系塗料等による防汚塗装を施し、或いは反射
ミラーでは撥水性被膜を形成させたり、基材を昇温させ
てその表面温度を大気中の水分の露点より高くする方法
などが一般に知られている。
【0004】しかしながら、光触媒塗装の場合、含有す
るアナターゼ型酸化チタンの有機物分解効果により多く
の有機系バインダーが共に劣化し、当該塗膜を恒久的に
基材表面に固着させ、防汚効果を発現させることが難し
い。
【0005】また反射ミラーに関しては、特にステンレ
ス製ミラーでは基材表面が疎水性を有するため、親水性
被膜を形成・固着させることが非常に困難であり、化学
的な被膜形成による方法よりも、むしろ物理的に基材温
度を昇温させる方法が適用されることが多いが、後者は
電源の問題等があり、社会的に広く汎用技術として普及
するに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を鑑み、道路に沿って設置された構
造物の基材表面に光触媒を含有しない親水性塗膜を形成
させることにより、ローリングアップ現象により塗膜表
面に付着した汚れを洗い落とすことを可能にし、長期間
に亘って防汚性及び防曇性を発現する、防汚性の優れた
道路資材および防曇ミラーを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の第一は、基材表面に、第4級アンモニウムケ
イ酸塩を主成分とする又は第4級アンモニウムケイ酸塩
と合成樹脂成分とを主成分とする親水性塗膜が形成され
てなる防汚性の優れた道路資材である。
【0008】また、本発明の第二は、基材表面に、シラ
ンカップリング剤を主成分とする結合層が形成され、さ
らにその表面に第4級アンモニウムケイ酸塩を主成分と
する又はこれと合成樹脂成分とを主成分とする親水性塗
膜が形成されてなる防汚性の優れた道路資材である。
【0009】上記の第一及び第二発明における親水性塗
膜は、(a)第4級アンモニウムケイ酸塩を主体とするア
ンモニウムケイ酸塩を50〜99.9重量部、(b)合成
樹脂エマルジョン及び/または水溶性合成樹脂を合成樹
脂量換算で0〜49.9重量部及び(c)シリコン系レベ
リング剤を0.1〜2.0重量部(ただし、(a)+合成
樹脂量換算した(b)+(c)=100重量部)含有し、残
余が実質的に水及び/又は親水性有機溶剤からなる水溶
性塗料を基材表面に塗布、固化させて形成されたもので
あることが好ましい。
【0010】さらに、本発明の第三は、反射面を構成す
る基材の外表面に、シランカップリング剤を主成分とす
る結合層が形成され、さらにその表面に第4級アンモニ
ウムケイ酸塩を主成分とする又はこれと透明合成樹脂成
分とを主成分とする親水性塗膜が形成されてなる防曇ミ
ラーである。
【0011】なお本発明において、道路資材とは、道路
交通を円滑にするために道路に沿って設置される構造
物、例えば交通標識、安全標識等の標識類の表示板及び
支柱、ガードレール、安全柵やポール類、反射鏡、視線
誘導標、信号機や照明灯の本体及び支柱、防護壁、遮音
壁や遮光壁の壁面等をいう。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の道路資材は、基材表面
に、第4級(又は第4)アンモニウムケイ酸塩を主成分
とする、又は第4級アンモニウムケイ酸塩と合成樹脂成
分とを主成分とする親水性塗膜が形成されてなるもので
ある。外表面にこの親水性塗膜が形成された道路資材
は、水の濡れ角が15°以下(多くの場合10°以下)
になり、雨水による洗浄で防汚性に優れ、また結露しに
くいためミラーの防曇性も良好である。
【0013】この親水性塗膜中の第4級アンモニウムケ
イ酸塩は、ケイ酸の -Si-O- 結合のネットワークの
中に、(NR4)イオン(Rはアルキル基又はアルコキ
シル基)が入り込んだ構造のもので、(NR4)の種類
や -Si-O- の結合状態により種々の化学式のものが
存在する。
【0014】本発明において、アンモニウムケイ酸塩と
して第4級を主体とするものを用いる理由は、これが吸
湿性が小さく、塗膜の耐久性に優れるためである。第3
級(又は第3)以下のアンモニウムケイ酸塩を少量(例
えば20重量%程度以下)含んでいてもよいが、その含
有量が多くなると、塗膜の吸湿性が大きくなるため好ま
しくない。
【0015】アンモニウムケイ酸塩中のアルキル基又は
アルコキシル基の炭素数はとくに限定を要しないが、炭
素数が大になると水への溶解性が低下するので、炭素数
1〜4程度のものが好ましい。かかる第4級アンモニウ
ムケイ酸塩の具体例として、ジメチルジエタノールアン
モニウムシリケート、モノメチルトリプロパノールアン
モニウムシリケート、ジメチルジプロパノールアンモニ
ウムシリケート、モノエチルトリプロパノールアンモニ
ウムシリケートなどの液状のシリケートが挙げられる。
【0016】これらの第4級アンモニウムケイ酸塩は、
希釈した水ガラスを水素型陽イオン交換樹脂と接触さ
せて得た活性シリカ溶液に第4級アンモニウム水酸化物
を加え、所定の濃度まで濃縮する方法、あるいは第4
級アンモニウム水酸化物とシリカヒドロゾルとを反応さ
せる方法などにより、容易に得られる。
【0017】ここで、第4級アンモニウム水酸化物は、
通常アンモニアまたはアミン類にアルキレンオキサイド
を付加する方法、あるいは第4級アミン塩を陰イオン交
換樹脂により脱イオンする方法などにより得られるが、
生成物中に、第3級、第2級あるいは第1級のアミン類
が少量含まれたものも使用することができ、それを用い
て得られる第4級アンモニウムケイ酸塩も、本発明の親
水性塗膜に使用することができる。
【0018】一方、合成樹脂成分は所定の濃度範囲内
(例えば、固化した塗膜の50重量%以下)で含まれて
いてもよく、或いは含まれていなくてもよい。樹脂の種
類はとくに限定を要しないが、塗料としての使い易さ
(水や親水性溶媒への溶解性やエマルジョン形成の容易
さなど)や、ミラーに適用する場合は透明性などを考慮
して適宜選択すればよい。
【0019】なお本発明において、この親水性塗膜を
「第4級アンモニウムケイ酸塩(及び合成樹脂成分)を
主成分とする」と規定したのは、これ以外に、少量の第
3級以下のアンモニウムケイ酸塩や、塗料として必要な
添加成分を含んでいてもよいとの意であり、例えば固化
した塗膜の70重量%程度以上が、第4級アンモニウム
ケイ酸塩(及び合成樹脂成分)であればよい。
【0020】上記の親水性塗膜は、基材との密着性が問
題となる場合がある。すなわち、亜鉛メッキ材のよう
に、基材表面の材質がイオン化傾向の大な金属である場
合は、アンモニウムケイ酸塩がこの金属と化学反応して
強固に結合するため、塗膜の剥離の問題は生じない。し
かし、基材表面が炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄系材料や
プラスチックスである場合には、塗膜の密着性が不十分
で剥離が問題となることがある。
【0021】本発明者らは、この問題を解決すべく鋭意
検討した結果、基材と上記塗膜との間に、シランカップ
リング剤を主成分とする結合層を設ければよいことを知
見した。すなわち、本発明の第二は、基材表面に上記の
結合層が形成され、さらにその表面に前記の親水性塗膜
が形成されてなる道路資材である。
【0022】シランカップリング剤は、一般式Y〜CH
2SiX3(Xは無機質と反応し易い加水分解性の置換
基、Yは有機質と反応し易いビニル基、エポキシ基、ア
ミノ基等である)で表わされるものであるが、本発明に
おいては、一般に市販されている各種のシランカップリ
ング剤を用いることができる。
【0023】例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等に代表さ
れるアミノ系シラン、或いはγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン等の一般に市販されているシランカップリンク剤
の、何れか1種又は2種以上を用いればよい。
【0024】これを溶媒に溶解・希釈したものを、基材
表面に塗布して結合層を形成することができるが、好ま
しい形成方法については後に詳述する。なお、結合層は
上記のようなシランカップリング剤を主成分とするもの
であればよく、塗料として必要な添加成分等の他成分を
少量含有していてもよい。
【0025】本発明において、前記の親水性塗膜を形成
する塗料としては、(a)第4級アンモニウムケイ酸塩を
主体とするアンモニウムケイ酸塩50〜99.9重量部
と、(b)合成樹脂エマルジョン及び/又は水溶性合成樹
脂を合成樹脂量換算で0〜49.9重量部と、(c)シリ
コン系レベリング剤0.1〜2.0重量部(ただし、
(a)+合成樹脂量換算した(b)+(c)=100重量部)
とを含有し、残余が実質的に水及び/又は親水性有機溶
剤からなる水溶性塗料(以下「水性シリケート塗料」と
いう)を用いることが好ましい。
【0026】(a)成分の第4級アンモニウムを主体とす
るアンモニウムケイ酸塩については、すでに述べたとお
りで、その配合比の下限を50重量部とする理由は、こ
れ未満では塗膜の親水性が不十分となるためである。
【0027】また、(b)成分は接着助剤、塗膜密度調整
剤、柔軟剤等の機能を目的として添加される。(b)成分
うち、合成樹脂エマルジョンの具体例としては、酢酸ビ
ニル樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、ア
クリル−スチレン共重合体エマルジョン、スチレン−ブ
タジエン共重合体エマルジョン、アクリル変性ウレタン
樹脂エマルジョンなどが挙げられ、水溶性合成樹脂とし
ては、水溶性メラミン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶
性アルキド樹脂、水溶性ポリブタジエンなどを挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】(b)成分の配合比の上限を49.9重量部
とする理由は、これを超えると相対的に(a)成分の量が
少なくなって、塗膜の親水性が不十分になるためであ
る。
【0029】(c)成分のシリコン系レベリング剤は、塗
装表面の平滑化のため塗料の界面張力等の調整を目的と
するものである。各種のレベリング剤の中でもシリコン
系のものを用いる理由はこれが水溶性であり、(a)成分
との馴染みがよいためで、その配合比は、0.1〜2.
0重量部とする。シリコン系レベリング剤の具体例とし
ては、信越シリコンKP301、KP330、KP34
1などが挙げられる。
【0030】上記(a)〜(c)成分の溶媒としては、水及
び/又は親水性有機溶媒を用いる。水としては、水道
水、イオン交換水、蒸留水などを使用できる。またこの
水には、(a)第4級アンモニウムケイ酸塩および(b)合
成樹脂エマルジョンまたは/および水溶性合成樹脂に含
まれる水なども包含される。
【0031】親水性有機溶剤は水と相溶する溶剤であ
り、具体的にはエタノール、i−プロパノール、メチル
カルビノールなどのアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどのグリコール類が挙げら
れる。なお、上記の水溶性塗料は、(a)〜(c)成分と溶
媒の他に、少量の添加剤成分が含まれていてもよい。
【0032】また、前記の親水性塗膜は透明性が高いた
め、ミラーの反射面の防曇性を確保するという目的に、
とくに好適である。すなわち、第4級アンモニウムケイ
酸塩自体は透光性が大であり、また合成樹脂成分を含む
場合も、透光性の大な樹脂を選択することによって透明
性を確保することができる。
【0033】一方、ミラーの反射面は、鏡面仕上したス
テンレス鋼か、背面又は前面にアルミ蒸着膜等の反射層
を有するプラスチック又はガラス層で形成されている。
かかる基材表面に前記の親水性塗膜を形成する場合に
は、塗装性や密着性(剥離)が問題となるが、一般にシ
ランカップリング剤の塗膜は透光性が良好なので、これ
を主成分とする結合層を介在させることによって、透明
性を損なうことなく、塗装性や密着性の問題を解決する
ことができる。
【0034】すなわち、本発明の防曇ミラーは、反射面
を構成する基材の外表面に、シランカップリング剤を主
成分とする結合層が形成され、さらにその表面に第4級
アンモニウムケイ酸塩を主成分とする又はこれと透明合
成樹脂成分とを主成分とする親水性塗膜が形成されてな
るものである。
【0035】この場合も、結合層を形成するシランカッ
プリング剤は、上に例示したものの中から選択して用い
ることができる。また親水性塗膜の形成に際しては、上
記の水性シリケート塗料を好適に用いることができ、透
明合成樹脂成分も、上に例示したものの中から適宜選択
すればよいが、これに限定されるものではない。
【0036】次に、本発明における結合層及び親水性塗
膜の好ましい形成方法について説明する。結合層の形成
工程(以下「シラン処理」という)には、前述のシラン
カップリング剤を、イソプロピルアルコール等の溶媒で
希釈・調合したものを用いる。希釈濃度は、イソプロピ
ルアルコールの場合、その100重量部に対し、前記の
何れか1種又は2種以上のシランカップリング剤を0.
01〜50重量部の範囲内で添加することが望ましい。
さらに、シランカップリング剤の片末端のアルコキシ基
を十分に加水分解させるべく、適宜H2Oを加えても差
し支えない。
【0037】シラン処理の焼付け温度としては、50〜
300℃の温度範囲が望ましい。50℃未満では、当該
被膜の上に積層する親水性塗膜を長期間堅固に固着させ
る点において、十分な固着力を発現する迄の時間を要す
るため望ましくない。また、当該焼付け温度が300℃
超の場合には、シラン化合物の分子切断が起こり、親水
性塗膜との長期間安定した密着を発現させる上で望まし
くない。
【0038】さらに、上記シラン処理の塗布量に関して
は、1ミリリットル/平方メートル(ml/m2)未満
では、十分な密着力を発現させるために必要な官能基濃
度迄には至らず、また10,000ml/m2超では、
多分子層で構成させる当該被膜の分子間結合力が弱まる
ので好ましくない。
【0039】次に、上記のシラン処理による皮膜(結合
層)が冷却された後、その表面に親水性塗膜を形成す
る。この親水性塗膜形成工程(以下「水性シリケート処
理」という)は、前記の水性シリケート塗料を1〜1
0,000ml/m2の塗布量で均一塗布した後、焼付
け温度50℃〜300℃、焼付時間1〜120分の範囲
内で焼付け処理を施すことが好ましい。
【0040】なお、この水性シリケート塗料の(a)+
(b)+(c)成分を原液のまま用いても差し支えないが、
均一な薄膜処理を施すことを鑑み、2〜20倍程度に水
で適宜希釈した方が望ましい。
【0041】この水性シリケート処理の焼付け温度が5
0℃未満では、親水性塗膜中のシリケート分子間に生ず
る脱水結合が十分に進まず、十分な密着を発現させる迄
に時間を要すること、当該塗膜の硬度を所定のレベルに
引き上げるために時間を要すること、及び安定した品質
を有する製品を生産する上において問題があること等の
理由から、望ましくない。さらに、当該焼付け温度が3
00℃超の場合には、下層に存在する結合層の有機系分
子鎖の分子鎖切断及び被塗物である構造物が熱劣化(溶
融或いは熱歪み発生など)等を起こすため望ましくな
い。
【0042】また、上記水性シリケート塗料の塗布量に
関しては、これが1ml/m2未満では、十分な親水性
を発現させるドメイン濃度が希薄となり、表面張力に有
意差がある海島構造が形成されて、均一な親水性被膜を
形成することができない。一方、10,000ml/m
2超では、当該塗膜が厚膜となり、塗膜歪みが大きくな
って、塗膜ヒビ割れなどが起こり、長期間安定した品質
を保持することができない。
【0043】なおこれらのシラン処理及び水性シリケー
ト処理において塗料を基材表面に均一塗布するに当た
り、塗布方法としては、構造物形状に応じて、スプレー
塗布、流し塗り塗布、ディッピング塗装法或いはスピン
コート塗装法等の何れの方法により形成しても差し支え
ない。また、特に水性シリケート処理時における塗り重
ね回数は、1回塗布ではなく、均一な薄膜を形成するた
めに、同一処理を数回繰り返し施しても差し支えない。
【0044】
【実施例】(実施例1)65Aの鋼管表面にポリエステ
ル粉体塗装を施した標識ポールを供試材とし、これにシ
ラン処理と水性シリケート処理を施した試験材の塗膜の
密着性と防汚性を評価した。
【0045】シラン処理にはシランカップリング材とし
てγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキ
シシランを用い、その100重量部をイソプロピルアル
コール97重量部に溶解・希釈した塗料を、塗布量0.
5〜11,000ml/m2の範囲で供試材表面に塗布
した。焼付け条件は、焼付け温度を40〜100℃の範
囲で変え、焼付け時間は30分一定とした。
【0046】シラン処理後冷却された供試材に、下記の
組成を有する水性シリケート塗料を、塗布量0.5〜1
1,000ml/m2の範囲で、流し塗りで塗布した。 (a)第4級アンモニウムケイ酸塩: 99.5重量部 ((株)日板研究所製NS−25(SiO2約25%)) (c)シリコン系レベリング材: 0.5 〃 (信越シリコン社製KP301) 小計 100重量部 (d1)イオン交換水: (3〜5倍希釈) (d2)エチレングリコール: (適量) 水性シリケート処理の焼付け温度も40〜100℃の範
囲で変え、焼付け時間は30分一定とした。
【0047】このようにして作成した10種の試験材に
ついて、塗膜の密着力試験として、脱脂綿を用い、50
0gfの荷重でラビングした後、塗膜剥離の有無を目視
観察して、〇×評価した。また、防汚性評価として、屋
外に30日曝露後の汚れ状況を目視観察して、防汚性の
良否を判定した。被覆条件及び密着力と防汚性の評価結
果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、試験番号(No.)5はシ
ラン処理の塗布量が過小なため、密着力、防汚性共に不
良であり、No.6は水性シリケート処理の塗布量が過
小なため、密着力は良好でも防汚性が不良であった。ま
た、No.7はシラン処理の塗布量が過大なために、N
o.8は水性シリケート処理の塗布量が過大なために、
No.9はシラン処理の焼付け温度が低く過ぎるため
に、No.10は水性シリケート処理の焼付け温度が低
く過ぎるために、No.7〜10のいずれも密着力、防
汚性共に不良であった。しかしながら、塗膜形成条件が
前述の適正範囲の中に入っていたNo.1〜4は、密着
力、防汚性共に良好であった。
【0050】(実施例2)反射面径800mmのSUS
304製ミラーを供試材とし、その反射面にシラン処理
と水性シリケート処理を施した防曇ミラーの塗膜の密着
性と防曇性を評価した。
【0051】シラン処理には、シランカップリング材の
種類及び希釈度が実施例1と同じ塗料を用い、塗布量
0.5〜11,000ml/m2の範囲で供試材の反射
面表面に塗布した。焼付け条件としては、焼付け温度を
40〜350℃の範囲で変え、焼付け時間は30分一定
とした。
【0052】シラン処理後冷却された供試材に、実施例
1と同じ組成を有する水性シリケート塗料を、塗布量
0.5〜11,000ml/m2の範囲で、流し塗りで
塗布した。水性シリケート処理の焼付け温度は40〜3
50℃の範囲で変え、焼付け時間は30分一定とした。
【0053】このようにして作成した13種の防曇ミラ
ーについて、塗膜の密着力試験は実施例1と同様に行
い、防曇性の評価は、曝露前及び30日大気曝露後の反
射面の水接触角を接触角測定機で測定した。被覆条件及
び密着力と水接触角の測定結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2において、No.6はシラン処理の塗
布量が過小なため、密着力が不良であり、屋外曝露30
日後の水接触角が60°と大きく防曇性も不良であった
(以下、屋外曝露30日後の水接触角が15°を大幅に
超えるものを「防曇性不良」と表現する)。No.7は
水性シリケート処理の塗布量が過小なため、密着力は良
好でも防曇性が不良であった。No.8はシラン処理の
塗布量が過大なために、密着力が不良であった。
【0056】また、No.9は水性シリケート処理の塗
布量が過大なために、No.10はシラン処理の焼付け
温度が低く過ぎるために、No.11は水性シリケート
処理の焼付け温度が低く過ぎるために、No.12はシ
ラン処理の焼付け温度が高過ぎるために、No.13は
水性シリケート処理の焼付け温度が高過ぎるためにN
o.9〜13のいずれも密着力、防曇性共に不良であっ
た。
【0057】しかしながら、塗膜形成条件が前述の適正
範囲の中に入っていたNo.1〜5は、いずれも密着力
が良好で、水接触角は初期で10°未満、屋外曝露30
日後で15°であり、防曇性も良好であった。
【0058】
【発明の効果】本発明の道路資材は、ローリングアップ
現象で有機系、無機系の付着物を洗い流すため防汚性が
優れており、また防曇ミラーは、結露しにくいため防曇
性が良好で、防汚性にも優れている。
【0059】本発明により形成された親水性塗膜は、光
触媒を含有しないため有機成分の劣化がなく、かつ吸湿
しにくいため耐久性が優れている。さらにこの親水性塗
膜と基材との間にシランカップリング剤の結合層を介在
させることにより、いかなる材質の基材に対しても密着
性の良好な塗膜を形成することが可能で、長期間に亘っ
て塗膜性能を確保することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/02 C09D 5/02 201/00 201/00 // E01F 9/00 E01F 9/00 Fターム(参考) 2D064 AA11 BA01 BA17 BA19 CA03 DA06 EA01 EB23 HA01 JA01 4D075 AE03 CA13 CA34 CA37 CA39 CB06 DA06 DA15 DA20 DA23 DB02 DB04 DB07 DB31 DC05 DC24 EA06 EA07 EA13 EA43 EB02 EB12 EB14 EB19 EB22 EB32 EB36 EB38 EB43 EB56 EC33 EC45 EC54 4F100 AA32B AK01B AK52C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CC00B GB90 JB05B JB09B JL06 JL07 JM01B 4J038 CA022 CA042 CC042 CC062 CF052 CG142 CJ032 DA162 DD122 DG192 DL021 JA19 JA20 KA06 NA06 NA12 PA07 PA18 PA19 PB02 PB05 PC02 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、第4級アンモニウムケイ酸
    塩を主成分とする又はこれと合成樹脂成分とを主成分と
    する親水性塗膜が形成されてなる防汚性の優れた道路資
    材。
  2. 【請求項2】 基材表面に、シランカップリング剤を主
    成分とする結合層が形成され、さらにその表面に請求項
    1記載の親水性塗膜が形成されてなる防汚性の優れた道
    路資材。
  3. 【請求項3】 前記親水性塗膜が、(a)第4級アンモニ
    ウムケイ酸塩を主体とするアンモニウムケイ酸塩を50
    〜99.9重量部、(b)合成樹脂エマルジョン及び/ま
    たは水溶性合成樹脂を合成樹脂量換算で0〜49.9重
    量部及び(c)シリコン系レベリング剤を0.1〜2.0
    重量部(ただし、(a)+合成樹脂量換算した(b)+(c)
    =100重量部)含有し、残余が実質的に水及び/又は
    親水性有機溶剤からなる水溶性塗料を基材表面に塗布、
    固化させて形成されたものである請求項1又は2記載の
    防汚性の優れた道路資材。
  4. 【請求項4】 反射面を構成する基材の外表面に、シラ
    ンカップリング剤を主成分とする結合層が形成され、さ
    らにその表面に第4級アンモニウムケイ酸塩を主成分と
    する又はこれと透明合成樹脂成分とを主成分とする親水
    性塗膜が形成されてなる防曇ミラー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161770A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 親水性被膜形成用塗布液とその製造方法及び親水性被膜並びに親水性被膜の成膜方法
JP2010202804A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Asahi Glass Co Ltd フッ素ゴムの架橋接着方法および架橋フッ素ゴム

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