JP2003020096A - Ic包装体 - Google Patents

Ic包装体

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JP2003020096A JP2001207441A JP2001207441A JP2003020096A JP 2003020096 A JP2003020096 A JP 2003020096A JP 2001207441 A JP2001207441 A JP 2001207441A JP 2001207441 A JP2001207441 A JP 2001207441A JP 2003020096 A JP2003020096 A JP 2003020096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性に一段と優れたIC包装体を、安価かつ
容易に提供する。 【解決手段】JIS K 1469による電気抵抗率が
0.10Ωcm以下で、温度30℃、湿度90%の条件
における15日後の吸湿水分が1%以下であるホウ素固
溶のカーボンブラックが充填された導電性樹脂成型物か
らなることを特徴とするIC包装体。ICと接触する部
位が、上記導電性樹脂成型物で構成されてなることを特
徴とするIC包装体。IC包装体がICトレイであるこ
とを特徴とする上記IC包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンブラック
が充填された導電性樹脂成型物からなるIC包装体の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】IC包装体は、IC輸送保護容器として
だけではなく、ICの製造と、ICをプリント配線板に
高密度に実装する際の供給や収納冶具としての役割を担
っている。このようなIC包装体は、ICの種類や製造
工程によりトレイ、マガジン、テーピング等の形態をな
しており、静電気によるIC等の破壊を防止するため、
導電性が要求される。さらに、近年、情報化社会の発展
と共に、テレビやビデオ等のAV機器や、コンピュー
タ、通信機器などの産業用電子機器などの高性能化、軽
薄短小化が進み、そのような電子機器等に内蔵されるI
Cについても、小型化、薄形化要求が高まっている。こ
のようなことからICは、静電気に対して影響を受けや
すくなっており、包装体についても従来に比較して高度
な静電気破壊防止性が要求されている。
【0003】このようなIC包装体材料としては、ポリ
塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性
ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ABS等の樹脂が一般に使用される
が、これらは体積抵抗率が高く帯電しやすいのでそのま
までは使用できない。IC包装体に導電性を付与する方
法としては、1)包装容器表面に、金属微粉末、カーボ
ンファイバー、カーボンブラック等の導電性付与剤を含
有する導電性塗料を塗布する方法、2)樹脂中に導電性
付与剤を分散させる方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1)の
方法では、塗布が不均一になったり、長時間の使用によ
って導電性付与剤の水分による流出や摩耗による脱離が
起こり、安定した帯電防止効果を得ることが困難であ
る。2)の方法では、導電性付与剤の充填量を多くする
必要があり、IC包装体の機械的強度等の低下を招く問
題がある。一方、導電性付与剤についてみると、金属微
粉末、カーボンファイバーはカーボンブラックよりも少
量の使用で大きな導電性効果が得られる反面、成形性が
著しく損なわれるので均一分散させることが困難とな
る。しかも、表面から張り出した導電性付与剤によりI
Cを傷つける恐れがありその配慮が必要であった。カー
ボンブラックは、この表面からの張り出しの問題はない
が、導電性付与効果が十分でないことがあり、また吸湿
性が比較的高いので、漏電、腐食によるICの性能低下
や、IC包装体の機械的強度の低下の原因となるので、
その更なる改善が待たれていた。
【0005】本発明の目的は、上記に鑑み、導電性付与
剤の表面からの張り出しや、漏電・腐食によるICの性
能低下、さらには衝撃等の機機械的強度を低下させな
い、導電性に一段と優れたIC包装体を安価かつ容易に
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、J
IS K 1469による電気抵抗率が0.10Ωcm
以下で、温度30℃、湿度90%の条件における15日
後の吸湿水分が1%以下であるホウ素固溶のカーボンブ
ラックが充填された導電性樹脂成型物からなることを特
徴とするIC包装体である。また、本発明は、ICと接
触する部分が、上記導電性樹脂成型物で構成されてなる
ことを特徴とするIC包装体である。IC包装体として
はICトレイが例示される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。
【0008】本発明で使用されるカーボンブラックは、
JIS K 1469による電気抵抗率が0.10Ωc
m以下で、ホウ素を固溶しているものである。好ましい
ホウ素の固溶量は0.6〜3.0質量%である。このよ
うなカーボンブラックは、特開平2000−28193
3号公報の実施例に記載されているように、炭化水素の
熱分解反応時及び/又は燃焼反応時にホウ素源を存在さ
せることによって製造することができる。また、ホウ素
固溶量の測定方法は、該公報の段落番号0009〜00
11に記載されているように、全ホウ素量から可溶ホウ
素量を差し引くことによって求めることができる。この
ようなカーボンブラックは、従来のIC包装体で使用さ
れているカーボンブラックに比べて著大な導電性を示す
ものである。
【0009】さらに、本発明で使用されるカーボンブラ
ックは、温度30℃、湿度90%の条件における15日
後の吸湿水分が1%以下であるものが使用される。吸湿
水分が1%を超えると、水分を吸着したカーボンブラッ
クは、樹脂との相互作用が弱まり、IC包装体の強度が
低下したり、乾燥した場合に空孔ができ、IC包装体に
クラックが入ることがある。さらには、ICが漏電、腐
食する原因ともなりうる。このような低吸湿性カーボン
ブラックは、造粒する、ツブを大きくする、煮沸洗浄し
た後乾燥する、などによって得ることができる。
【0010】本発明で使用される樹脂は、一般のIC包
装体に使用される樹脂が利用され、例示すればポリ塩化
ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリ
フェニレンエーテル、ポリスチレンの内の一種又は二種
以上である。
【0011】ホウ素固溶カーボンブラックの充填量は、
特に限定はされないが、例えば樹脂成分100部(部は
質量部、以下同じ)に対し5〜50部である。5部より
少ないと導電性が十分でなく、50部を超えると流動性
に支障をきたす恐れがある。
【0012】また、本発明の効果を損なわせない範囲
で、樹脂組成物の流動特性及び成型物の機械的強度等を
改善するため、滑剤、可塑剤、加工助剤、補強剤等の添
加剤や他の樹脂成分を添加することもできる。
【0013】本発明のIC包装体は、樹脂成分とホウ素
固溶カーボンブラックをバンバリーミキサー等で混練
し、ダイス等を利用してひも状にし、ペレタイザーでペ
レット化した後、押し出し成形、プレス成形等によって
所望形状に成形することによって製造することができ
る。
【0014】本発明のIC包装体は、その全てをホウ素
固溶カーボンブラックの充填された樹脂成型物で構成す
る必要はなく、少なくともICが接触する部分を該成型
物とし、他の部分を通常の導電性樹脂成型物ないしは導
電性付与剤の充填されていない樹脂成型物で構成するこ
ともできる。
【0015】たとえば、表面実装型ICにおいて、クワ
ッドフラットパッケージ(QFP)、スモールアウトラ
インパッケージ(SOP)のリードは、その形状からガ
ルウイングリードと呼ばれ、リード先端がIC本体から
突出した構造となっており、高精度自動実装が容易であ
る。しかしながら、外部からの荷重、振動、衝撃等の影
響を受け、変形、破壊しやすいので、そのICが収納さ
れるIC包装体は、機械的な保護性能を考慮して、IC
のリード部が収納部に接触しにくい構造のものが使用さ
れる。このような観点から、IC包装体の形状は、積み
重ねの容易なトレイが好適であり、中でも特に導電性が
必要とされるICを支持する底部を、ホウ素固溶カーボ
ンブラックの充填された樹脂成型物で構成されているこ
とが好ましい。また、また、ボールグリッドアレイ(B
GA)においては、リード部が球状の半田パンプで形成
されているので静電気によるIC内部破壊が起こりやす
く、この場合もIC支承部近辺をホウ素固溶カーボンブ
ラックの充填された樹脂成型物で構成されていることが
好ましい。
【0016】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて更に具体的に
本発明を説明する。
【0017】実施例1 比較例1〜3 あらかじめ、表1に示されるカーボンブラックを恒温恒
湿器を用いて温度30℃、湿度90%の条件で15日間
放置しておき、これらカーボンブラックとポリ塩化ビニ
ル(積水化学社製VE−R)100部とを、内容積60
mlの混練試験機(東洋精機製作所社製「ラボプラスト
グラフR−60」)に仕込み、ブレード回転数30rp
m、温度180℃で7分間混練した。得られた導電性樹
脂組成物をステンレス製金型上に流し込み、温度180
℃、圧力15MPaで5分間プレスした後、5MPaで
5分間冷却プレスを行い315mm×135mm×12
mmのICトレイ(ICを18個搭載可能)を作製し
た。
【0018】実施例1で使用したホウ素固溶カーボンブ
ラックは、アセチレンの熱分解時にホウ酸トリメチルを
導入して製造されたヨウ素吸着量67mg/g、電気抵
抗率0.07Ωcmのホウ素固溶カーボンブラックを煮
沸後乾燥したものである。比較例1のカーボンブラック
は市販のアセチレンブラック粒状品(電気化学工業社
製)で、比較例2も同じであるが、添加量を増やして表
面固有抵抗値を同等にしたものである。比較例3のカー
ボンブラックは、ケッチェンEC(ケッチェンブラック
インターナショナル社製)である。
【0019】ICトレイの表面固有抵抗値を測定し、ま
た、一部を切り出して、流動性、衝撃強度及びカーボン
ブラック脱落の有無を以下の方法で測定した。それらの
結果を表1に示す。
【0020】(イ)表面固有抵抗値:ICトレイの任意
の3箇所について、デジタルマルチメータ(横河電機社
製「デジタルマルチメータ7562」)を用いてJIS
K6911に従い測定し、平均値を求めた。 (ロ)流動性(フローレート):カッターで微粉化し、
高化式フローテスターで190℃の加熱下、15MPa
の荷重にて直径1mm×10mmのノズルから流れる時
間当たりの体積を測定した。 (ハ)衝撃強度:IZOD衝撃強度をJIS K 71
10に従い測定した。 (ニ)カーボンブラック脱落の有無:切り出したサンプ
ルの表面にQFP14mm×20mm/64pinのI
Cを100gの荷重で押しつけ、100回往復させ、そ
の後ICのリード部を目視観察した。
【0021】カーボンブラックの物性については、以下
の方法で測定した。 (ホ)カーボンブラックのヨウ素吸着量:JIS K
1474 (ヘ)電気抵抗率:JIS K 1469 (ト)吸湿水分:JIS K 1469に基づき温度3
0℃、湿度90%の条件における15日後の吸湿水分を
測定した。
【0022】
【表1】
【0023】表1から、本発明のIC包装体は、市販の
カーボンブラックを使用したICトレイ(比較例1、
2、3)に比べてカーボンブラックが樹脂により均一に
充填されるので高導電性を示し、しかも表面からのカー
ボンブラックが脱落しないものであることがわかる。ま
た、一定の導電性を持つICトレイを製造する場合、カ
ーボンブラックの充填量を少なくすることができ、また
吸湿水分も低いので、衝撃強度の低下を抑えることがで
きる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、導電性付与剤の表面か
らの張り出しや、漏電・腐食によるICの性能低下、さ
らには衝撃等の機械的強度を低下させない、導電性に一
段と優れたIC包装体を安価かつ容易に提供することが
できる。すなわち、本発明のIC包装体は、カーボンブ
ラックの充填量を変えるだけで、その導電性を自由に設
計することが可能となるばかりか、カーボンブラック充
填量の低減、吸湿性の低下により機械強度が確保され、
使用目的に応じた適切なものを容易に提供でき、特にI
Cトレイに好適となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS K 1469による電気抵抗率
    が0.10Ωcm以下で、温度30℃、湿度90%の条
    件における15日後の吸湿水分が1%以下であるホウ素
    固溶のカーボンブラックが充填された導電性樹脂成型物
    からなることを特徴とするIC包装体。
  2. 【請求項2】 ICと接触する部分が、請求項1記載の
    導電性樹脂成型物で構成されてなることを特徴とするI
    C包装体。
  3. 【請求項3】 IC包装体がICトレイであることを特
    徴とする請求項1又は2記載のIC包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011116884A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Ube Industries Ltd 新規なポリアミド樹脂を含むicトレイ用材料及びicトレイ

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JPH02166082A (ja) * 1988-12-15 1990-06-26 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd 集積回路用トレー
JP2000281933A (ja) * 1999-03-29 2000-10-10 Denki Kagaku Kogyo Kk カーボンブラックとその製造方法、並びに導電性組成物

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