JP2003019646A - 切削工具性能評価システムおよび切削工具設計方法 - Google Patents

切削工具性能評価システムおよび切削工具設計方法

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JP2003019646A JP2001204108A JP2001204108A JP2003019646A JP 2003019646 A JP2003019646 A JP 2003019646A JP 2001204108 A JP2001204108 A JP 2001204108A JP 2001204108 A JP2001204108 A JP 2001204108A JP 2003019646 A JP2003019646 A JP 2003019646A
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秀樹 森口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削工具の設計において、ユーザのニーズを
的確かつ効率良く取り込むことができる切削工具の評価
システムと切削工具の設計方法を提供する。 【解決手段】 モデル提供者が提示した工具モデルの情
報を工具設計情報データベースに登録する。利用者が工
具設計情報データベースから工具モデルの情報を抽出
し、その情報と利用者が設定した切削条件とで工具モデ
ル使用時の切りくず生成過程をシミュレートして性能項
目の結果を予測する。この予測結果を計算結果データベ
ースに蓄積する。利用者が計算結果データベースから抽
出した予測結果に対する評価結果を評価情報データベー
スに登録し、利用者の評価結果を集計する。この集計結
果に基づいてモデル提供者が工具モデルの情報の変更を
行い、変更後の工具モデルを工具設計情報データベース
に追加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多くのユーザのニ
ーズを反映した切削工具の性能評価システムおよび切削
工具の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】切削工具の設計は、従来、日常の営業活
動によりユーザの要求を捉え、それらを満足するよう設
計者が工具形状、材質などを決定し、工具試作と試験加
工・評価、および再設計のプロセスを繰り返し、その結
果得られた開発品をユーザに提供して、最終的な性能確
認を行い製品化している。
【0003】しかし、切削工具の性能基準としては耐摩
耗性や耐欠損性、加工力、加工精度や仕上げ面光沢など
さまざまなものがあって、トレードオフの関係になって
いるものも多い。さらには切りくず処理性のように普遍
的な良否判断のむずかしいものもある。一般に、これら
性能基準の一部のみが満たされれば良いわけではないた
め、それぞれの重み付けが必要であるが、各ユーザが重
み付けに関して定量的な基準を持っているケースは少な
く、それぞれのユーザの求める性能基準は非明示的とな
る。このため従来、設計者は営業担当者からの間接的な
情報を基に、ユーザの評価基準を推測して設計目標を設
定している。
【0004】また、実際の加工により試作品の評価を行
うプロセスは時間がかかり、多くの試作品を評価するこ
とは困難である。これについてはコンピューターシミュ
レーションを利用し、仮想空間で切削加工を実行するこ
とにより効率化を図る試みが行われている。
【0005】「切削工具の設計方法および設計システ
ム」と題された米国特許第5,377,116号では、工具形状
を表すいくつかのパラメータに関し、シミュレーション
による性能予測と、エキスパートシステムのような知識
ベースの推論機構を利用して、工具形状を自動的に最適
化する。しかし、現実の加工で頻繁に用いられている三
次元形状工具、すなわち切刃稜線に垂直な方向のすくい
面断面形状が一様でない工具においては、すくい面形状
をいくつかのパラメータによって定義することができな
いため、要求性能が仮に明確であっても、工具形状を同
様の手法で最適化することは不可能である。すなわち設
計途中の工具形状について、実験やシミュレーションで
切削性能が予測された場合でも、設計形状の変更方法に
は明確な基準がなく、現実には担当設計者の勘や経験に
依存している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
はサプライヤの設計者による設計、評価が主体であり、
ユーザのニーズは間接的にしか反映されていなかった。
このような問題を解決するには、設計プロセスでの試作
品の評価を、ユーザが直接実施することが考えられる。
これにより、特定のユーザのニーズを満たすような切削
工具の設計は可能になると考えられるが、量産品の切削
工具では特定のユーザのみだけでなく複数のユーザの総
合的な評価を高める必要がある。さらに、工具形状の修
正に関しても、特定の傾向に偏らず多様で、かつ効率を
極端に落とさないためある程度の性能が出ると考えられ
る解候補集団を生み出すことが必要である。
【0007】従って、本発明の主目的は、切削工具の設
計において複数のユーザが切削工具の設計過程に参加
し、そのニーズ、知識を的確かつ効率良く取り込むこと
ができる切削工具の評価システムを提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の他の目的は、ユーザのニー
ズ、知識を十分に反映した満足度の高い切削工具を設計
する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、工具のサプラ
イヤとユーザの双方が仮想切削加工システム(Virtual
Machining System;以下VMSと称す)を利用して工具
モデルの切削過程における性能をシミュレーションによ
って予測し、その予測結果に基づいて切削工具の性能評
価および設計を行うことで上記の目的を達成する。
【0010】すなわち、本発明切削工具性能評価システ
ムは、工具モデルの情報を登録する工具設計情報データ
ベースと、利用者が通信網を介して工具設計情報データ
ベースから抽出した工具モデルの情報と、利用者が設定
した切削条件とを基に工具モデル使用時の切りくず生成
過程をシミュレートして性能項目の結果を予測する手段
と、この予測手段で得た予測結果を蓄積する計算結果デ
ータベースと、利用者が通信網を介して計算結果データ
ベースから抽出した予測結果に対する評価結果を登録す
る評価情報データベースと、前記評価結果を集計する手
段とを具えることを特徴とする。
【0011】また、本発明切削工具の設計方法は、モデ
ル提供者が提示した工具モデルの情報を工具設計情報デ
ータベースに登録するステップと、利用者が工具設計情
報データベースから工具モデルの情報を抽出し、その情
報と利用者が設定した切削条件とで工具モデル使用時の
切りくず生成過程をシミュレートして性能項目の結果を
予測するステップと、この予測結果を計算結果データベ
ースに蓄積するステップと、利用者が計算結果データベ
ースから抽出した予測結果に対する評価結果を評価情報
データベースに登録するステップと、前記利用者の評価
結果を集計するステップと、この集計結果に基づいてモ
デル提供者が工具モデルの情報の変更を行い、変更後の
工具モデルを工具設計情報データベースに追加するステ
ップとを具えることを特徴とする。
【0012】このように、サプライヤとユーザがVMSを
利用して効率的な工具モデルの評価を行い、その結果を
工具の設計に反映させることで、ユーザのニーズを十分
に反映した満足度の高い切削工具を設計することができ
る。さらに、従来設計に関わっていなかった営業担当者
等の意見を反映させることもできる。
【0013】また、複数の利用者の評価を集計すること
で、特定の利用者の評価傾向に偏らないため、多くのユ
ーザのニーズを満足する製品を設計することができる。
【0014】特に、本発明システムでは、予測結果の集
計手法に後述する工夫を施すことで、評価者がどの性能
項目を重視して工具を購入しているかを知ることがで
き、さらには各性能項目の評価指標としてより最適なパ
ラメータを抽出することができる。そのため、評価者が
重視する性能項目を改善し、各性能項目も最適なパラメ
ータを評価指標とすることができ、一層ユーザ満足度の
高い切削工具を設計することができる。
【0015】以下、本発明システムとそれを用いた設計
方法をより詳しく説明する。まず、サプライヤ、ユー
ザ、利用者、モデル提供者の定義を説明する。 サプライヤ:工具を製造・販売する人のことである。 ユーザ:工具を購入・使用する人のことである。 モデル提供者:工具性能評価システムに工具モデルを登
録する人のことで、サプライヤの場合もユーザの場合も
ある。 利用者:工具性能評価システムを利用する人のことで、
サプライヤ、ユーザ、モデル提供者のいずれも含まれ
る。 この定義から明らかなように、本発明システムは、サプ
ライヤが工具モデルの提供を行って、そのモデルをユー
ザが評価する場合だけでなく、ユーザ自身が工具モデル
の提供者となり、そのモデルを他のユーザやサプライヤ
が評価する場合やモデル提供者自身が自己評価する場合
などのいずれの利用形態も可能である。特に、複数の利
用者により工具モデルを評価することで、よりニーズが
反映された満足度の高い工具を得ることができる。
【0016】工具情報データベースには工具モデルが登
録される。工具モデルには、工具形状と工具の材種が含
まれる。最も一般的にはサプライヤが工具モデルを作成
して登録する。サプライヤだけでなく、ユーザが工具モ
デルの作成・登録を行っても良い。すなわち、サプライ
ヤの設計者などが工具モデルの情報の登録を行い、その
工具モデルの評価をユーザが行うことはもちろん、ある
ユーザが工具モデルの情報の登録を行い、その工具モデ
ルの評価は別のユーザが行うことも可能である。これに
より、サプライヤだけでなく、ユーザも直接設計を実施
することができ、ユーザニーズを反映した工具を容易に
設計することができる。
【0017】工具モデルの登録は、インターネットなど
の通信網を介してFTPサーバなどのファイル転送サービ
スサーバを利用して行う。登録された工具モデルは、通
信網を介してWWWサーバなどのドキュメントブラウズサ
ーバを利用して閲覧することができる。その際、利用者
の認証を行う認証手段を設けることが好ましい。
【0018】WWWサーバなどを利用して工具モデルを閲
覧し、この工具モデルの切削過程における性能をVMSで
シミュレートして予測する。このシミュレーションに
は、工具モデルのほか、切削条件の設定が必要となる。
一般的には、工具モデルを閲覧したユーザが自己の希望
する切削条件を設定してシミュレーションを行う。もち
ろん、サプライヤ自身が工具モデルの自己評価を行うた
めにシミュレートすることも可能である。切削条件に
は、切削速度、送り、切り込み、被削材種などが含まれ
る。シミュレーションにより予測される性能項目は、切
り屑形状、工具応力、工具温度などの複数の項目が含ま
れ、これらを処理して摩耗速度、欠損確率、切削力など
を求める。
【0019】計算により得られた各性能項目の予測結果
は、計算結果データベースに蓄積される。計算結果デー
タベースには、利用者(サプライヤ・ユーザ)が通信網
を介してWWWサーバなどを利用してアクセスし、予測結
果を閲覧することができる。
【0020】予測結果を閲覧して、各性能項目ごとに工
具モデルの評価を行う。通常、評価は点数化して行うこ
とが好適である。同時にその工具モデルの使用希望度を
点数化する。この評価は評価情報データベースに蓄積さ
れる。
【0021】そして、予測結果と利用者の評価結果とを
集計する。この集計では、例えば複数の評価者が行った
評価点数の平均を求める。工具モデルの設計者は評価の
高かった工具について工具形状等を変更し、再びユーザ
によるシミュレーションを実行して予測結果および評価
結果を閲覧可能な状態にするというプロセスを繰り返
す。
【0022】工具モデルの変更を行っていくことで複数
種の工具モデルについての評価が得られ、工具モデルご
との平均値を順位付けすることで一層好ましい工具モデ
ルを明確化することができる。この順位付け結果も利用
者が通信網を介してWWWサーバなどを利用することで閲
覧することができる。工具モデルの設計者は、上述した
繰り返しプロセスを通して複数のユーザの評価が高まる
ように工具の設計を行うことは言うまでもない。そし
て、サプライヤの設計者は、これらのうち評価の高かっ
た工具について詳細設計を施す。
【0023】上記の順位付けは、工具モデルの用途、工
具の使用形態および工具使用者の業種の少なくとも一つ
ごとに分類して行うことが好ましい。工具モデルのカテ
ゴリ(用途)には、汎用、高速加工向け、仕上げ加工向
け、難削材向などがある。工具の使用形態には、自動ラ
イン向けや少量生産向けなどがある。工具モデルの用途
判断には切削条件を登録した切削条件データベースを利
用することが好ましい。切削条件データベースには、汎
用、高速加工向け、仕上げ加工向け、難削材向けなどの
カテゴリごとに対応する切削条件の範囲を登録してお
く。そして、利用者の設定した切削条件と各切削条件の
範囲とを比較し、例えば、利用者の設定した切削速度が
高速加工向け切削条件範囲の下限値以上であれば高速加
工向け、送り・切り込みが仕上げ加工向け切削条件範囲
の上限値以下であれば仕上げ加工向け、被削材種がTi合
金などの難削性のものであれば難削材向けなどと判断す
る。工具の使用形態および工具使用者の業種は、ユーザ
登録情報から判断する。さらに、登録した切削条件の範
囲中の代表的な条件を標準切削条件として規定し、標準
切削条件によりシミュレーションを行えるようにするこ
とも好適である。
【0024】特に、評価情報データベースに各性能項目
評価と工具モデルの使用希望度評価とが数値化して蓄積
し、集計する手段で各性能項目評価と使用希望度評価の
差の絶対値を求め、この絶対値の集計結果に基づいて利
用者の重視する性能項目を判定することができる。例え
ば、各ユーザが出した性能項目ごとの得点と使用希望度
との差をヒストグラム化し、それをサプライヤが閲覧可
能とすることで、ユーザが工具購入の際に重要視する性
能項目を抽出する。
【0025】また、各性能項目のうち、切りくず形状や
工具すくい面温度分布形状などのように、各ユーザの評
価指標として最適な数値パラメータが十分に定まってい
ない項目に関しては、次のように相関分析を行うこと
で、どの評価パラメータが最適かも判定することができ
る。すなわち、切削性能予測手段で、複数の評価指標パ
ラメータにより性能項目の予測結果を指標化する。ま
た、集計する手段は、評価指標パラメータと、性能項目
ごとの予測結果に対する評価との相関関係を求め、この
相関関係に基づいて好適な評価指標パラメータを判定す
る。例えば、サプライヤの設計者が仮の評価パラメータ
を設定し、各パラメータと、ユーザが出した性能項目ご
との得点平均値との相関図を作成し、その結果を設計者
が閲覧可能とする。これにより、ユーザの評価と相関の
強いパラメータがより好ましい評価パラメータであるこ
とがわかる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0027】<システムの構成>図1は本発明切削工具
性能評価システムの概略図である。設計者(工具サプラ
イヤ)とユーザ(工具ユーザ)は、各々自己のクライア
ントからインターネットを介して工具性能評価システム
1(以下評価サーバ)に接続する。ここでは、設計者が
工具モデルを提示し、この工具モデルについてユーザA
が切削のシミュレーションによる性能項目の予測と、予
測結果に対する評価とを行う。他のユーザBも、ユーザA
と同様にシミュレーションによる性能項目の予測と、予
測結果に対する評価とを行う。そして、設計者やユーザ
A,Bは、これら予測結果と評価をブラウザにより互いに
閲覧することができる。
【0028】評価サーバは図2のように大きく分けて、
ユーザインターフェース10、工具情報提供システム20、
VMS30、評価サポートシステム40および全般情報データ
ベース50から構成されており、それぞれのシステムは次
のような構成となっている。
【0029】(工具情報提供システム)工具情報提供シ
ステム20は工具モデルの設計情報、すなわち工具形状、
工具の材種を登録する工具設計情報データベース21と、
提供された工具モデルの設計情報が、このデータベース
への蓄積に適した形式であるかどうかを判断する情報形
式検査部22とを具えている。それぞれの設計情報には個
別の工具番号が割り当てられ、工具形状を閲覧する場合
やシミュレーションを実行する場合には、この工具番号
を基に設計情報が呼び出される。工具形状として必要な
データとしては、最低限シミュレーションに必要な工具
すくい面に関するデータがあれば良い。
【0030】(VMS)VMS30は工具設計情報データベース
から抽出した工具モデルの情報と、利用者が設定した切
削条件とを基に工具モデル使用時の切りくず生成過程を
シミュレートして性能項目の結果を予測するシミュレー
ションシステムである。
【0031】VMS30は、シミュレーションに必要である
被削材特性(材種、流動応力特性、弾性率、熱伝導特性
などの物性値)を蓄積する被削材特性データベース31
と、工具材料特性(材種、弾性率、熱伝導特性などの物
性値およびすくい面摩擦特性に関する情報)が蓄えられ
た工具材料特性データベース32とを具える。また、メッ
シュ作成部33により、有限要素法のための被削材および
工具のFE(Finite Element)モデルが作成される。こ
のメッシュ作成部33へは、制御部34を介して、利用者の
選択した工具番号に対応する工具モデルと工具材種の物
性値の抽出指令や、被削材種の物性値の抽出指令、なら
びに被削材のFEモデル作成に必要な切削条件の伝達が行
われる。
【0032】さらに、メッシュ作成部33で作成された被
削材、工具の初期座標、境界条件、物性値などの入力に
対して、変形後の有限要素モデル各節点の座標、変位、
節点力、温度や、各要素積分点の応力、ひずみなどの計
算を行う計算部35が設けられている。計算部35での計算
結果は計算結果番号と共に出力される。
【0033】(評価サポートシステム)評価サポートシ
ステム40は、シミュレーションの計算結果を基にユーザ
が工具の評価を行うための情報作成・登録を行う。VMS3
0から出力された計算結果から、計算結果処理部41によ
り切削力、工具面摩耗速度分布などを求め、各種のパラ
メータを計算し、閲覧用の画像情報が作成される。この
計算結果は計算結果データベース42に蓄積され、WWWブ
ラウザを用いて各性能項目ごとの予測結果としてユーザ
が閲覧することができる。ユーザは閲覧した各性能項目
ごとの予測結果に対して評価を行うことができる。ユー
ザの評価情報は評価情報データベース43に登録される。
計算結果データベース42の計算結果と評価情報データベ
ース43の評価結果は閲覧情報作成部44により集計され、
さらに集計結果をWWWサーバを通して閲覧できるよう閲
覧情報が作成される。この計算結果や評価結果について
も、工具毎に個別に計算結果番号と評価結果番号を割り
当てるものとする。さらに、切削条件を記憶する切削条
件データベース45も設けられている。この切削条件デー
タベース45は、汎用、高速加工向け、仕上げ加工向け、
難削材向けなどのカテゴリごとに対応する切削条件の範
囲を登録しておく。
【0034】(全般情報データベース)工具番号と設計
者情報、計算結果番号および評価結果番号との対応や、
設計・評価の履歴情報、ユーザの住所・氏名・会社名・
メールアドレスや業種、工具の使用形態(自動ライン向
けか少量生産向け)などの情報とユーザIDの対応といっ
た全般的な情報は、全般情報データベース50に格納され
ている。
【0035】(ユーザインターフェース)これらの各部
20、30、40、50とユーザが情報をやり取りするためのユ
ーザインターフェース10は、工具情報登録のためのFTP
サーバ11、シミュレーションの実行命令受付、結果閲
覧、評価登録などのためのWWWサーバ12、ユーザへの電
子メールによる各種情報通知のためのSMTPサーバ13から
構成される。また、FTPサーバ11やWWWサーバ12にアクセ
スする利用者へのユーザIDの発行や認証を行う認証部14
も具える。さらに、電子メールで通知される各種情報を
作成する通知情報作成部15も設けられている。
【0036】(その他)各ユーザでは、シミュレーショ
ン命令や結果の閲覧、評価の登録だけを行う場合、WWW
ブラウザのみが必要であり、工具設計者においてはその
他にCAD計算システムおよびFTPクライアントソフトが必
要である。
【0037】設計者がサプライヤ内部のものであれば、
評価サーバとCAD計算システムとを同一の計算機上で実
現しても良い。また、前記のように形状設計の対象は工
具すくい面のみであるので、CAD計算システムは一般的
なものの他、切削形態毎に専用の簡易型のシステムであ
ってもよい。
【0038】<工具性能予測の流れ>図3にユーザが工
具性能予測を行うまでの流れを示す。前もって、評価に
参加するユーザはユーザ登録を行い、会社名や業種、工
具の使用形態(自動ライン向けor少量生産向け)などの
情報を登録し、ユーザIDの交付を受けておく。サプライ
ヤの設計者もユーザIDの交付を受けておく。
【0039】まず、サプライヤ内部の設計者はCAD計算
システムを利用し、工具の設計を行う。設計者はこの設
計情報(すくい面形状および材質)を、評価サーバに登
録する。CAD計算システムが評価サーバと別の計算機上
にある設計者の場合、イントラネットやインターネット
を介してFTPなどのファイル転送サービスにより設計情
報を登録する。その際、設計者のユーザIDは認証部にて
認証が行われる。工具モデルの登録が行われたことや設
計情報の形式に問題があったことは、通知情報作成部15
に送られ、全般情報データベースより設計者(モデル提
供者)のメールアドレスを読み出して、メールで通知さ
れる。サプライヤが工具モデルの登録を行う場合、サプ
ライヤの設計者にのみこの通知が送られる。CAD計算シ
ステムが評価サーバと同じ計算機上にある場合(FTPサ
ーバを介さない場合)、メールで通知するまでもなく、
この通知は行われない。
【0040】次に、ユーザは工具モデルを使用した場合
の切削性能を調べるためにクライアントから評価サーバ
1ヘWWWブラウザを通してアクセスする。工具の設計者自
身も評価を行っても良い。
【0041】WWWサーバ12では、全般受付、仮想切削命
令受付、工具形状・計算結果閲覧、結果評価・所感受
付、価格情報受付などの各ドキュメントページを選択し
て閲覧できるように構成されている。ユーザはクライア
ントよりユーザIDを入力し、評価サーバの「全般受付」
を通して認証部にて認証を行う。認証部14は入力された
ユーザIDを全般情報データベース50のユーザIDに関する
データと照合して認証を行う。
【0042】認証が終わると、ユーザは「工具形状・計
算結果閲覧」から工具設計情報データベース21に対して
工具形状のデータ読み出しの指令を出し、評価を行いた
い工具形状を閲覧する。
【0043】次に、「仮想切削命令受付」から評価を行
いたい工具形状について、登録されている工具番号と切
削速度、送り、切り込み、被削材種等の切削条件を入力
し、シミュレーションを行うよう命じる。その際、利用
者の設定した切削条件と切削条件データベース45の各用
途毎の切削条件の範囲とを比較し、例えば、利用者の設
定した切削速度が高速加工切削条件の下限値以上であれ
ば高速加工向け、送り・切り込みが仕上げ加工切削条件
の上限値以下であれば仕上げ加工向け、被削材種がTi合
金などの難削性のものであれば難削材向けなどと判断す
る。
【0044】シミュレーション命令はCGI等を利用してV
MS30に伝えられる。命令は制御部34に伝達され、制御部
34から工具設計情報データベース21に対して工具番号に
対応する工具形状と工具材種の抽出が指令される。工具
設計情報データベース21は工具形状に関するデータをメ
ッシュ作成部33に出力し、工具材種に関するデータを工
具材料特性データベース32に出力して、この工具材種に
対応する物性値をメッシュ作成部33に出力させる。ま
た、制御部34は被削材種に関するデータを被削材特性デ
ータベース31に出力して、この被削材種に対応する物性
値をメッシュ作成部33に出力させる。さらに制御部34は
切削速度、送り、切り込み等の切削条件もメッシュ作成
部33に出力する。メッシュ作成部33では得られた情報か
ら有限要素モデルを作成し、計算部35にて計算が実行さ
れる。この計算により、有限要素モデルの節点座標、節
点力や応力などが計算され、その計算結果は評価サポー
トシステム40ヘと送られる。これらの計算には数時間の
計算時間を要することが多いため、計算終了後に計算結
果が閲覧できる状態になったことを計算結果番号と共に
電子メール等によりユーザに伝える。その際、計算結果
には計算結果番号が付与され、通知情報作成部15に出力
される。
【0045】評価サポートシステム40では、VMS30での
計算結果に基づいて計算結果処理部41により摩耗速度分
布などが計算されるとともに、それら各種分布や切りく
ず形状をユーザがブラウザで閲覧できるよう画像やアニ
メーションの形に変換される。そして、この画像やアニ
メーションなどのデータは、切削力等の定量データとと
もに計算結果データベース42に蓄えられる。
【0046】<各ユーザの工具に対する評価方法>ユー
ザは計算終了通知を受け取ると再度サーバにアクセスし
「工具形状・結果閲覧」を通して計算結果番号に対応す
る計算結果を計算結果データベースから抽出する。例え
ば図4のような計算結果画面が閲覧できる。ここでは工
具モデル番号、被削材種、切削条件と共に切りくず形状
を画像で示し、各種カール径などの数値も示している。
同様に他の性能項目の結果、さらに他のユーザが作成、
性能予測した工具モデルの評価も閲覧することができ
る。
【0047】シミュレーション結果として示される主な
性能項目とその評価指標は以下の通りである。 ・切りくず形状:切りくずの立体形状のことで、上向き
カール径、横向きカール径、流出角、切りくず幅などが
評価指標となる。 ・工具温度:切削時の工具の温度ことで、切削時の最高
温度、あるいは最高温度から所定温度幅以内の面積など
が評価指標となる。 ・工具応力:工具面上での、各点での単位面積当たりの
垂直方向の力(垂直応力)、または接線方向の力(せん断
応力)。工具面上で応力が作用するのは被削材と接触し
ている部分のみであり、作用反作用の法則により、被削
材側の応力分布から計算する。 ・摩耗速度:工具面が摩耗していくときの、各点での単
位時間あたりの摩耗深さ。工具垂直応力、切り屑による
擦過速度、温度の関数として求めることができる。 ・欠損確率:工具面上での各点で、その点が起点となっ
て工具が破損する確率。1回の衝撃(被削材への食いつ
き)で、それぞれの有限要素内で破損が発生する確率を
求める。 ・切削力:切削加工時に工具にかかる力のことである。
ただし、切削性能としては、工具温度、工具応力等は最
終的に摩耗速度や欠損確率の結果に反映されるため、特
に切りくず形状、摩耗速度、欠損確率の3つを示すよう
にしても良い。
【0048】これらのうち切削力や各種分布の最高値に
関しては小さいほどよいとの判断基準で良いため、この
ような評価基準が明確な定量データは計算結果データベ
ース42から閲覧情報作成部44に出力して工具間での順位
付けを行ってユーザが閲覧可能な状態とし、後ほど述べ
るユーザの評価の参考データとする。閲覧情報作成部44
は、評価情報データベースに記録された複数の評価デー
タと計算結果データベースから出力された定量データを
基にして集計と順位付けを行う。また、この閲覧情報作
成部44は、後述する重要性能項目の探索や定量化の難し
いデータの評価指標探索に関する演算も行う。
【0049】しかし、切りくず形状を表すパラメータ等
についてはユーザによって評価が異なったものとなるこ
とが予想される。各種分布の形態については、一般的な
定量化基準がないため、分布そのものをユーザに閲覧し
てもらい、その判断を数値化することが適当である。よ
って、各性能項目について、それぞれ例えば100点満点
で「100〜80点:非常に適している」、「79〜60点:お
おむね適している」、「59〜40点:どちらとも言えな
い」、「39〜20点:あまり適していない」、「19〜0
点:全く適していない」といった形で採点する。
【0050】そして、項目毎の評価の後に、この工具を
買いたい(使いたい)かどうかという観点からの使用希
望度を評価してもらう。この評価も100点満点で、「100
〜80点:非常に買いたい」、「79〜60点:買いたい」、
「59〜40点:普通」、「39〜20点:あまり買いたくな
い」、「19〜0点:絶対に買いたくない」といった形で
採点する。このような評価の際には、その前にその評価
者が性能項目毎に採点した得点の一覧をユーザが閲覧で
きるようにし、評価の参考とするようにしても良い。
【0051】また、すべての結果に対してユーザに評価
を求めるのは難しいことから、例えば高速切削や仕上
げ加工、難削材加工といった各カテゴリー(用途)毎に
標準の切削条件を設定し、その条件下での計算結果の評
価をしてもらう、各カテゴリーの中で複数の切削条件
での結果を閲覧してもらい、それらの総合的な判断から
各項目毎に評価をしてもらう、といった形も考えられ
る。その場合、評価の参考となる切削力等の定量データ
も各カテゴリーの中で順位付けを行うものとする。
【0052】以上のような形の得点をWWWサーバの「結
果評価・所感等受付」より評価情報データベース43に登
録する。評価に際しては全般情報データベース50の内容
を参照し、特定のユーザがある結果に対して2回目の評
価を登録しようとした場合には警告を発し、なお登録し
ようとする場合は前回の評価情報を削除することで、特
定のユーザの評価に偏らないよう配慮する。
【0053】また、得点を登録する際に、後に述べる平
均点からある基準点以上離れた得点をつけた場合に、ユ
ーザに対して確認の画面を表示し、間違いではないかを
確認するようにして、データの信頼性を確保できるよう
にしても良い。その場合、まだ母数が少ない時点で平均
点が異常となることも考えられるため、設計者自らが付
けた得点を仮の平均点として、確認に利用するようにし
ても良い。このような仮の平均点は予め評価情報データ
ベースに登録しておけばよい。
【0054】<評価の組み合わせ方>基本的には、それ
ぞれの計算結果(または各カテゴリーでの複数の結果)
に対して、複数のユーザのつけた得点を平均化する。得
点は性能項目毎、および使用希望度のそれぞれにつけて
あるので、図5のようにそれぞれの得点を平均化するも
のとする。そして、各工具の使用希望度について、各
カテゴリー別(汎用、高速加工向け、仕上げ加工向け、
難削材向など)、業種別(ユーザ登録情報から判
断)、使用形態別(自動ライン向け又は少量生産向
け:ユーザ登録情報から判断)、およびそれらの組み合
わせのそれぞれについて順位として表し、ユーザおよび
設計者が閲覧できるようにする。順位の上位品目につい
てはサプライヤが予想価格を提示することも効果的であ
る。例えば、評価情報データベース43で順位が入れ替わ
った際に、そのことを工具番号と共に閲覧情報作成部44
を介して通知情報作成部15に伝達し、サプライヤにメー
ルで知らせる。メールを受け取ったサプライヤは、その
工具の見積り情報をWWWサーバを介して「価格情報受
付」画面より登録する。そして、価格情報は、閲覧情報
作成部44に転送されて閲覧画面に反映される。
【0055】さらに、各性能項目について、複数のユー
ザのつけた得点を平均化したものに関しても、カテゴリ
ー、業種、使用形態の分類毎に工具の順位を表し、評価
の参考となるようユーザが閲覧できるようにしても良
い。
【0056】<工具設計プロセスヘのフィードバック>
開発優先品は基本的に各カテゴリー毎の使用希望度順位
上位のものとなる。ただし、今後伸びそうな業種、購入
量の多い自動ライン向けで順位の高かった工具なども開
発優先品とする効果が大きいため、適宜業種別や使用形
態別でも上位品を開発優先品とする。設計者は、このよ
うな上位の工具についてさらに修正を施した単数あるい
は複数の新たな工具モデルを登録し、評価対象に加える
ものとする。
【0057】そして、最終的に人気の高かった工具につ
いて、サプライヤは詳細設計(すくい面以外の形状設
計、刃先処理、詳細な材質設計、工程設計など)を実施
する。この詳細設計に基づく試作品を試験し、製品化す
る。
【0058】<複数の設計者による切削工具設計>上記
の切削工具性能評価方法は、サプライヤ内の極限られた
者が設計を行う従来と同様の場合にも幅広いユーザのニ
ーズを反映することができて効果的である。さらに、こ
れを拡張することで図6のようにユーザが主体となる工
具設計も可能となる。すなわち、ユーザがCAD計算シス
テムを用いて設計した工具モデルを工具設計情報データ
ベース21に登録し、それらの切削性能をVMS30を用いて
予測する。ここでは、サプライヤの設計者の他にユーザ
Aも工具モデルの登録・変更を行い、評価の対象として
いる例を示している。ユーザBは評価のみを行い、工具
モデルの登録や変更は行っていない。
【0059】ユーザが工具の設計自体を行う場合の、設
計、評価、製造の流れとしては、次の2つの形態が考え
られる。
【0060】各ユーザが自身の設計した工具モデルの
みをVMSを用いて評価し、設計変更を行うプロセスを繰
り返して、各ユーザが最終決定した工具モデルをサプラ
イヤが製造し、各ユーザに提供する。
【0061】多くのユーザのそれぞれが設計した工具
モデルの評価を相互に行い、VMSを用いた評価方法で多
くのユーザから評価が高かった工具をサプライヤが製造
・販売する。
【0062】前者に関しては、いわば各ユーザのために
切削工具をオーダーメードする形となるため、適宜サプ
ライヤが見積情報を提供することが好ましい。後者に関
しては、無論設計自体は行わないで評価のみに加わるユ
ーザが存在しても良い。また、通常のサプライヤ内の設
計者が一評価者として加わっても良い。
【0063】さらに、工具設計情報は共通のフォーマッ
トとすることで、他のユーザの設計した工具情報を引き
出し、それを修正して再び性能予測することができるよ
うシステムを構成しても良い。このような形で設計され
た工具は、それぞれのユーザのもつ経験や知識、勘に基
づいて初期設計や修正が施されるため、特定の設計者の
みが設計・修正を行う場合より多様な解候補が生まれる
ものと考えられる。
【0064】このようにVMSの利用者としては、顧客ニ
ーズなどを把握しやすいサプライヤの営業担当者、秘密
保持契約等を締結した限られた数の契約ユーザ、あるい
は一般のユーザに広げることも可能である。また、サプ
ライヤ内の営業担当者が利用することで、工具設計情報
の秘密性を高めるためにサプライヤ内で閉じた利用をし
ても多くの顧客ニーズを反映させることができる。この
ように利用者の範囲は、工具設計情報の秘密保持の観点
などからサプライヤが適宜その範囲を選択するものとす
る。
【0065】<情報の活用>上記のような方法により、
より多くのユーザのニーズを反映した切削工具の設計が
可能になるが、そのプロセスにおいて現れる各種の情報
は、通常の工具開発を行う場合や、少数意見をもつユー
ザへの対応にも重要なものが多い。以下に、そのような
情報の抽出方法について示す。
【0066】重要性能項目(ユーザニーズ)の探索 先ほどの評価で、性能項目ごとの得点と、使用希望度の
得点とをつけてもらっていることから、どの項目を重視
して購入の判断を下しているかが分かる。たとえば図7
のように、「項目ごとの得点」と「使用希望度の得点」
の差の絶対値を各項目毎にヒストグラムにし、設計者が
閲覧したり、統計値を計算することで、絶対値の平均が
小さいものほど重要性が高く、分散の大きいものほどユ
ーザの判断基準がばらばらといったことが分かる。
【0067】ある性能項目での得点が高い(低い)のに
使用希望度の得点が低(高)ければ、その性能項目は重
要でなく、他の性能項目が重要であると言える。逆にあ
る性能項目の得点と使用希望との得点が共に高(低)け
れば、その性能項目が重要と言える。例えば、切削力の
得点が10点で使用希望度が80点とし、切りくずの得点が
80点で使用希望度も80点とする。すると、切削力に関す
る前記絶対値は大きく、切りくずに関する絶対値は小さ
くなる。そのため、絶対値が小さくなる評価者が多けれ
ば、その性能評価が重視されていることになり、図7の
例では、切りくずがより重要な性能項目であることがわ
かる。
【0068】さらに、この重視される性能項目が各カテ
ゴリー毎(高速切削、仕上げ加工など)、業種毎に分か
るため、今後の工具開発や販売戦略に重要な情報とな
る。
【0069】定量化の難しいデータの評価指標探索 切りくず形状はいくつかのパラメータに数値化できる
が、必ずしも特定のパラメータの大小でその良否を判断
できない。さらに、各種分布の形状などは評価基準とな
るパラメータ自体十分確立されていないが、例えばある
点での値、基準値以上の値をもつ面積や、あるいは何ら
かの統計値など、いくらでもパラメータにあらわすこと
はできる。それらの数値データと、ユーザがつけた性能
項目毎の評価の平均値との相関度をいくつかの工具のデ
ータから取ることで、それらのパラメータのうち重要な
パラメータというのが見えてくる。
【0070】例えば図8のように、工具すくい面上の温
度分布に関し、最高温度と評価との関係、および最高温
度から50℃以内の面積と評価との関係をグラフ化する。
より好適なパラメータであれば、パラメータの変化と評
価点数との間には相関関係が見られるはずである。図8
の例では、最高温度から50℃以内の面積の方が相関が高
く、最高温度よりも工具すくい面温度の評価指標として
適していると判断できる。
【0071】この相関度は、図8に示すようにグラフに
表示して閲覧者が相関度を判断しても良いし、相関分析
により相関係数を求めることで、計算機で自動的に判断
させても良い。
【0072】これらは各カテゴリー毎に異なった傾向に
なることが考えられるため、それぞれに相関を取ること
としても良い。これで相関度の高かったパラメータはさ
らにユーザ閲覧情報、順位付け定量データに新たに加
え、低かったものは削除するという形で、前記評価シス
テムにおける閲覧情報の最適化も可能である。
【0073】また、前記の重要な性能項目についてユー
ザ評価との相関度の高かったパラメータが決まれば、こ
れを評価基準としてサプライヤ内の設計者が切削工具の
設計を行うことで、ユーザニーズに適合した切削工具を
提供できるものと考えられる。
【0074】ユーザの知識獲得 本発明における設計方法では少数意見が切り捨てられる
方向であるが、それらの中に重要なユーザの知識が反映
されている可能性もある。例えば評価方法において述べ
たように、あるユーザが平均点からある基準点以上離れ
た得点をつけたときに、ユーザに対して確認の画面を表
示するようにし、間違いでなければさらにその理由をコ
メントとしてもらうこともできる。その内容を設計者が
閲覧し、重要と思われる情報をピックアップすれば、今
後の工具開発に生かすことができる。
【0075】工具形状の効果的な変更方法 一人のユーザが特定の工具に対し種々変更を加えていっ
た場合で、ある評価項目の変化との対応を追跡していけ
ば、そのユーザが評価項目と工具形状の関係についても
っている知識、考えを明らかにすることができる。
【0076】ソリユーションの提供 本発明における設計方法では、多数の意見が優先される
ため少数意見をもつユーザが所望の工具を手に入れるこ
とが困難と思われるが、個々のユーザのもつニーズは個
別に分析可能である。それらを分析すれば、別用途向け
の工具や既製品のうちにも代替可能なものが含まれるこ
とは大いに考えられることから、少数意見のユーザに対
しても個別にソリユーションを提供することが可能であ
る。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切削工具の設計において、多くのユーザが工具性能を評
価することができ、多くのユーザのニーズを取り込んだ
ユーザ満足度の高い切削工具を開発することができる。
【0078】また、本発明によれば、サプライヤの設計
者だけでなく多くのユーザが切削工具の設計を行うこと
ができるため、設計解候補の多様性が生まれることか
ら、設計解が局所解に落ち込むことを避けやすくなり、
最適化に近い効果が現れる。
【0079】さらに、本発明によれば、工具モデルの変
更と評価を繰り返すことで、評価や設計などがユーザの
知識、経験を反映したものとなるため、それを分析する
ことで新たな知識の獲得とユーザへのソリユーション提
供の材料獲得が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの全体構成を示す概略模式図で
ある。
【図2】本発明システムにおける評価サーバーの構成を
示す機能ブロック図である。
【図3】本発明システムを用いた評価手順を示すフロー
チャートである。
【図4】性能予測結果の閲覧画面例の説明図である。
【図5】評価得点のつけ方と集計方法の説明図である。
【図6】ユーザも工具モデルの提案を行う場合の本発明
システムの全体構成を示す概略模式図である。
【図7】重要な性能項目を探索する手順の説明図であ
る。
【図8】性能項目の評価指標となる最適なパラメータを
探索する手順の説明図である。
【符号の説明】
1 評価サーバ 10 ユーザインターフェース 11 FTPサーバ 12 WWWサーバ 13 SMTPサーバ 14 認証部 15 通知情報作成部 20 工具情報提供システム 21 工具設計情報データベース 22 情報形式検査部 30 仮想切削加工システム(VMS) 31 被削材特性データベース 32 工具材料特性データベース 33 メッシュ作成部 34 制御部 35 計算部 40 評価サポートシステム 41 計算結果処理部 42 計算結果データベース 43 評価情報データベース 44 閲覧情報作成部 50 全般情報データベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖田 淳也 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 森口 秀樹 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 島田 茂樹 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 鍜治 幹雄 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 3C029 DD12 5B046 JA07 KA06 5H269 AB05 AB19 AB31 BB07 BB11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具モデルの情報を登録する工具設計情
    報データベースと、 利用者が通信網を介して工具設計情報データベースから
    抽出した工具モデルの情報と、利用者が設定した切削条
    件とを基に工具モデル使用時の切りくず生成過程をシミ
    ュレートして性能項目の結果を予測する切削性能予測手
    段と、 この予測手段で得た予測結果を蓄積する計算結果データ
    ベースと、 利用者が通信網を介して計算結果データベースから抽出
    した予測結果に対する評価結果を登録する評価情報デー
    タベースと、 前記評価結果を集計する手段とを具えることを特徴とす
    る切削工具性能評価システム。
  2. 【請求項2】 前記予測手段は、複数の工具モデルにつ
    いて予測結果を求めるように構成され、 前記集計する手段は、各性能項目ごとに工具モデルの順
    位付けを行う手段を具えることを特徴とする請求項1に
    記載の切削工具性能評価システム。
  3. 【請求項3】 前記集計する手段は、工具モデルの用
    途、工具の使用形態および工具使用者の業種の少なくと
    も一つごとに利用者の評価結果を集計することを特徴と
    する請求項1に記載の切削工具性能評価システム。
  4. 【請求項4】 前記評価情報データベースには、各性能
    項目評価と工具モデルの使用希望度評価とが数値化して
    蓄積され、 前記集計する手段は、各性能項目評価と使用希望度評価
    の差の絶対値を求め、この絶対値の集計結果に基づいて
    利用者の重視する性能項目を判定する手段を具えること
    を特徴とする請求項1に記載の切削工具性能評価システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記切削性能予測手段は、複数の評価指
    標パラメータにより性能項目の予測結果を指標化し、 前記集計する手段は、評価指標パラメータと、性能項目
    ごとの予測結果に対する評価との相関関係を求め、この
    相関関係に基づいて好適な評価指標パラメータを判定す
    る手段を具えることを特徴とする請求項1に記載の切削
    工具性能評価システム。
  6. 【請求項6】 さらに、工具モデルの各用途に対応した
    切削条件の範囲を記録する切削条件データベースと、 利用者が設定した切削条件と切削条件データベースから
    読み出した用途毎の切削条件の範囲とを比較して工具モ
    デルの用途を判断する手段とを具えることを特徴とする
    請求項1に記載の切削工具性能評価システム。
  7. 【請求項7】 モデル提供者が提示した工具モデルの情
    報を工具設計情報データベースに登録するステップと、 利用者が工具設計情報データベースから工具モデルの情
    報を抽出し、その情報と利用者が設定した切削条件とで
    工具モデル使用時の切りくず生成過程をシミュレートし
    て性能項目の結果を予測するステップと、 この予測結果を計算結果データベースに蓄積するステッ
    プと、 利用者が計算結果データベースから抽出した予測結果に
    対する評価結果を評価情報データベースに登録するステ
    ップと、 前記利用者の評価結果とを集計するステップと、 この集計結果に基づいてモデル提供者が工具モデルの情
    報の変更を行い、変更後の工具モデルを工具設計情報デ
    ータベースに追加するステップとを具えることを特徴と
    する切削工具設計方法。
  8. 【請求項8】 さらにモデル提供者以外の利用者も、前
    記集計結果に基づいて工具モデルの情報を変更し、新た
    な工具モデル情報を工具設計情報データベースに登録す
    ることを特徴とする請求項7に記載の切削工具の設計方
    法。
  9. 【請求項9】 モデル提供者がユーザで、 その工具モデルを評価する利用者もモデル提供者と同一
    のユーザであることを特徴とする請求項7に記載の切削
    工具の設計方法。
  10. 【請求項10】 モデル提供者がユーザで、 その工具モデルを評価する利用者はモデル提供者とは別
    の複数のユーザであることを特徴とする請求項7に記載
    の切削工具の設計方法。
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