JP2003019624A - 電解放電加工を用いたキャパシタの作製方法 - Google Patents

電解放電加工を用いたキャパシタの作製方法

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JP2003019624A
JP2003019624A JP2001208394A JP2001208394A JP2003019624A JP 2003019624 A JP2003019624 A JP 2003019624A JP 2001208394 A JP2001208394 A JP 2001208394A JP 2001208394 A JP2001208394 A JP 2001208394A JP 2003019624 A JP2003019624 A JP 2003019624A
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capacitor
thin film
insulating substrate
forming
electrode
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Naoya Watanabe
直哉 渡邉
Masayuki Suda
正之 須田
Jun Shinohara
潤 篠原
Kazuyoshi Furuta
一吉 古田
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のキャパシタ製造方法は、フォトリソグ
ラフィー技術を用いて作製していた。しかし、このよう
な方法では、各工程において、エッチングとデポジショ
ンを繰り返す必要があり、作製工程が複雑になるという
課題を有していた。また、エッチングとデポジッション
の工程ごとにそれぞれマスクを作製しなければならず、
コストが増加するという課題があった。 【解決手段】 絶縁材料を、加工用電極を用いた電解放
電加工で加工し、キャパシタの構造を作製した後、絶縁
材料上に導電材料を堆積させ、そこに同一の加工用電極
を用い、キャパシタ電極材料と配線を電気化学的に作製
する。その後、不要な導電材料を除去することによりキ
ャパシタを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子工業分野等に
おいて、容量部を有するメモリ等の素子を作製する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のDRAMなどのメモリ素子には、トレ
ンチキャパシタ、スタックトキャパシタ等の容量部が必
要とされており、半導体素子の高集積化に伴い、平面面
積を増加させずにキャパシタの容量を増加させるため
に、基板の垂直方向にキャパシタ部の表面積を増加させ
るトレンチキャパシタ方式が用いられている。従来のト
レンチキャパシタ作製工程では、シリコン基板上にフォ
トリソグラフィー技術によって、リアクティブイオンエ
ッチングを用いてトレンチ構造を作製するという方法を
用いていた。
【0003】また、キャパシタ部との配線も同じくフォ
トリソグラフィーの技術を用いて作製を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのキャ
パシタおよびその配線の作製方法には、いくつかの問題
点が含まれている。
【0005】まず、フォトリソグラフィーの技術を用い
てキャパシタおよび配線を作製しているため、各工程に
おいてエッチングとデポジッションを繰り返す必要があ
り、作製工程が複雑になるという問題点を有していた。
またエッチングやデポジッションの工程ごとにそれぞれ
マスクを作製しなければならず、コストが増加するとい
う問題点を有していた。また、設計変更を行う際にも、
その度に、新しくマスクを作製しなければならないた
め、容易にキャパシタの設計変更ができないという問題
点を有していた。
【0006】また、トレンチ形状のエッチングや配線の
デポジッションにおいて真空機器を用いる必要があるた
め、装置が大がかりになるという問題点も有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、以下の方法を用いる。まず始めに、キャ
パシタを形成する絶縁基板に対して、電解放電加工を用
いてキャパシタ電極用の溝を加工する。この電解放電加
工の方法としては、まず加工容器内に適切な加工溶液を
満たした後、加工対象となる絶縁基板を設置し、この絶
縁基板に対して、先端を尖鋭化させた加工用電極を加工
溶液中において近接させ、両者の間に適切な電圧を印加
する。絶縁基板と加工用電極間の距離、印加する電圧
値、加工溶液を適切に選択することによって、電圧印加
時に発生する気体の膜により加工用電極先端が覆われ
て、絶縁基板との間に放電現象が生じる。この反応によ
り、加工用電極先端近傍の絶縁基板が局所的に除去加工
される。この絶縁基板の局所的な除去加工を行いなが
ら、絶縁基板と加工用電極を相対的に移動させることに
よって、所望のキャパシタ形状の溝を加工する。
【0008】続いて、このキャパシタ電極用の溝に合わ
せて、キャパシタ電極および配線の作製を実施する。ま
ず、加工溶液容器内の加工溶液を、キャパシタ電極用の
溝を作製した絶縁基板に対して無電解めっきすることが
できるように入れ替え、金属薄膜を成膜する。この方法
により、電解放電加工によって絶縁基板上に形成した、
キャパシタ用の溝内にも金属薄膜を堆積する。
【0009】さらに、個々のキャパシタを所望の回路構
成となるように配線するために、加工溶液容器内を適切
な加工溶液で満たした後、加工用電極を近接させ、両者
の間に金属薄膜側を陽極、加工用電極側を陰極として電
圧を印加する。この化学的な手法により、絶縁基板上の
金属薄膜の不要部分を除去し、絶縁する。
【0010】以上のように、絶縁基板に対して電解放電
加工によるキャパシタ形状の溝の作製と、金属薄膜の除
去加工によるキャパシタ用電極および配線の作製を、同
一の加工用電極を用いて行うことによってキャパシタの
作製を行う。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0012】(実施の形態1)本実施の形態では、絶縁
基板に対してキャパシタを作製する手順の一例について
図1を用いて説明する。なお、ここでは絶縁基板100
としてガラス基板を用いた。
【0013】まず、図1(1)に示すような絶縁基板1
00を適切な加工溶液内に設置し、図1(2)に示すよ
うに、この絶縁基板に対して加工用電極102を近接さ
せる。このとき、加工用電極102と絶縁基板100の
離間距離は数μm以下にすることが望ましい。本実施の
形態では、この加工用電極102は、加工用電極の材料
として白金‐イリジウム合金を使用し、直径が数十μm
から数百μmの白金‐イリジウム合金の細線を、絶縁基
板100の加工形状に合わせた直径、および長さに加工
した後、先端部位外を絶縁材料で被覆した。この絶縁材
料には、アピエゾンワックスを用いた。
【0014】次に、絶縁基板100に近接させた加工用
電極102と、加工溶液中に設置した対極108との間
に、プログラマブル電源109により適切な電圧を印加
すると、加工用電極102の先端で電解放電現象が生
じ、加工用電極102先端近傍の絶縁基板100が除去
加工される。この状態で加工用電極102と絶縁基板1
00を相対的に移動させることによって、図1(3)に
示すように絶縁基板100を目的とする形状に加工す
る。
【0015】次に、絶縁基板100にキャパシタ、およ
び配線の作製を行う。まず、加工溶液容器内の加工溶液
を交換し、図1(4)に示すように、キャパシタ電極用
の溝を作製した絶縁基板100の表面に、無電解めっき
法により金属薄膜を成膜する。本実施の形態では、硫酸
銅を含む加工液を使用し、銅薄膜104の堆積を行っ
た。
【0016】その後、絶縁基板100に作製する2つの
キャパシタ用電極107は電気的に絶縁されていなけれ
ばキャパシタとして機能しないため、両者が絶縁される
ように銅薄膜104のエッチングを行い、銅薄膜104
の不要な部分を選択的に除去することによって、残った
銅薄膜104で、キャパシタ電極107および配線10
6を構成する。まず、加工溶液容器内の加工溶液を交換
後、図1(5)に示すように、銅薄膜104に対して加
工用電極102を近接させる。この銅薄膜104と加工
用電極102の離間距離も、数μm以下にすることが望
ましい。なお、加工用電極102は前述の絶縁基板10
0を加工したときに用いたものと同一のものである。次
に、プログラマブル電源109を加工用電極102と銅
薄膜104に接続する。銅薄膜104と加工用電極10
2の間に、銅薄膜104側を陽極、加工用電極102側
を陰極として電圧を印加する。この電圧印加によって、
加工用電極102先端近傍の銅薄膜104が電気化学反
応によって局所的にエッチングされる。この銅薄膜10
4の局所的なエッチングを行いながら、図1(6)に示
すように、加工用電極102と絶縁基板100を相対的
に移動させることによって、任意の形状に銅薄膜104
のエッチングを行うことが可能である。この方法によ
り、キャパシタ用電極107および配線106を有する
キャパシタ105が完成する。
【0017】以上のように、絶縁基板に対して電解放電
加工によるキャパシタ形状の溝の作製と、金属薄膜の除
去加工によるキャパシタ用電極および配線の作製を、同
一の加工用電極を用いて行うことによってキャパシタの
作製を行う。
【0018】本実施の形態では、絶縁基板100として
ガラス基板、加工用電極102には白金‐イリジウム合
金をアピエゾンワックスで絶縁したもの、絶縁基板10
0に、キャパシタ用電極107および配線106の材料
として銅を使用したが、以下の条件を満たすならば、そ
の他の材料も使用可能である。
【0019】・ガラス基板に代わる絶縁基板100とし
ては、絶縁性を有し、かつその一部を電解放電加工によ
り選択的に加工することができるセラミックスなど他の
材料を用いても構わない。
【0020】・銅薄膜104に代わる、キャパシタ用電
極107および配線106の材料としては、絶縁基板1
00と密着性がよく、除去時には、これに対して影響を
及ぼすことなく選択的に除去できるものであれば、他の
材料を用いても構わない。
【0021】・加工用電極102は、導電性を有し、か
つ加工溶液中での、耐アルカリ性、耐熱性、電気化学的
安定性をもつ材料で構成され、かつ目的とする形状に加
工するに適した形状と大きさを有しており、加工分解能
を向上するために、加工用電極102の先端部分以外が
絶縁材料で被覆されていれば、他の材料を用いても構わ
ない。
【0022】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1において、絶縁基板100としてガラス基板を
使用し、加工用電極102で除去加工する際の具体的な
手順について説明する。ここで使用する加工装置として
は、例えば図2に示すようなものが利用可能である。図
2において、絶縁基板100は、加工溶液が満たされた
加工溶液容器201内に設置され、さらに絶縁基板10
0と対向して加工用電極102が設置されている。ま
た、本実施の形態では、加工溶液として電解放電加工の
速度が大きい水酸化ナトリウム水溶液を使用したが、硝
酸ナトリウム水溶液なども用いることが可能であり、さ
らに、これらの水溶液に限定されるものではない。
【0023】加工溶液容器201は、その内部に設置さ
れた絶縁基板100と一体で、XY軸ステージ202上
に設置され、加工用電極102は、Z軸方向へ移動可能
なZ軸ステージ205に設置されている。そして、これ
らXY軸ステージ202、およびZ軸ステージ205
は、制御装置204に接続されている。制御装置204
からの座標位置、移動速度情報に基づき、絶縁基板10
0および加工用電極102を、それぞれ任意の位置に移
動させることができる。
【0024】また、加工用電極102と対極108は、
両者の間に任意の電圧を印加することが可能な、プログ
ラマブル電源109に接続されている。
【0025】上記のような構成で、加工を行う場合に
は、まず、絶縁基板100と加工用電極102を近接さ
せる。次にプログラマブル電源109により加工用電極
102と対極108の間に所定の電圧を印加する。絶縁
基板100と加工用電極間102の距離、印加する電圧
値、加工溶液を適切に選択することによって、電圧印加
時に発生する気体の膜により加工用電極102先端が覆
われて、絶縁基板100との間に電解放電現象が生じ
る。この反応により、加工用電極102先端近傍の絶縁
基板100が局所的に除去加工される。この加工用電極
102の先端が絶縁基板100上に作製する所望のキャ
パシタ形状に沿って走査するように、制御装置204に
よりXY軸ステージ202と、Z軸ステージ205を駆
動して加工用電極102と絶縁基板100を相対的に移
動させながら、プログラマブル電源109により電圧を
印加する。このように加工を行うことによって、絶縁基
板100に所望の形状のキャパシタ電極用の溝を得るこ
とができる。
【0026】(実施の形態3)本実施の形態では、実施
の形態1および実施の形態2で述べた絶縁基板100の
加工時における、絶縁基板100と加工用電極102を
近接させる方法について図3を用いて説明する。
【0027】まず、あらかじめ絶縁基板100であるガ
ラス基板の表面にスパッタリング法によりクロム薄膜3
01を形成し、導電性を付与しておく。この導電薄膜の
材質はクロムに限定されるわけではなく、導電性を付与
できるものであれば他の薄膜を用いても構わない。ま
た、薄膜形成の方法に関してもスパッタリング法に限定
されるわけではなく、めっきや蒸着法、CVD法などの
方法を用いることも可能である。また、この絶縁基板1
00上に形成する導電薄膜は、絶縁基板と加工用電極を
近接させた後に除去するため、できるだけ薄い方がよ
く、数10nm程度の厚みがあれば十分である。
【0028】この導電性を付与した絶縁基板100を加
工溶液容器201内に設置し、加工溶液を満たす。加工
用電極102とクロム薄膜301の両者が近接した際に
流れるトンネル電流を検知するために、加工用電極10
2とクロム薄膜301の間にトンネル電流測定器302
を設置する。この状態で、加工用電極102を制御装置
204およびZ軸ステージ205により、絶縁基板10
0上に形成したクロム薄膜301に近づけていく。加工
用電極102の先端と絶縁基板100上のクロム薄膜3
01の距離が離れている場合、両者の間にトンネル電流
は流れないが、1から数100nmに近接すると、トン
ネル電流が検出される。トンネル電流の大きさは、加工
用電極102とクロム薄膜301の距離に依存するの
で、所望の距離となるように、予めトンネル電流の値を
設定しておく。加工用電極102とクロム薄膜301の
間に流れるトンネル電流を測定し、設定値に達したとこ
ろで加工用電極102の移動を停止し、そこを原点に設
定する。上記の方法により、加工用電極102とクロム
薄膜301の離間距離の原点を設定後、加工用電極10
2をZ軸ステージ205により移動させ、所定の離間距
離に配置する。
【0029】この方法によって、加工用電極102と絶
縁基板100上のクロム薄膜301の距離を定めた後、
クロム薄膜301の除去を行う。ここではクロムを選択
的に除去できるエッチング液を用いてクロム薄膜301
の除去を行った。
【0030】以上の方法を用いることによって、絶縁基
板100と加工用電極102を近接させることが可能と
なる。このように絶縁基板100と加工用電極102を
近接させた後、実施の形態1および実施の形態2で説明
した電解放電加工を用いて、絶縁基板の除去加工を行
う。
【0031】次に、実施の形態1で述べた、絶縁基板1
00に、キャパシタ用電極107と配線106を形成す
る場合に、絶縁基板100と加工用電極102を近接さ
せる方法について説明する。この場合は、すでに絶縁基
板100の表面に銅薄膜104が形成されているので、
この銅薄膜104と加工用電極102の距離設定を、前
記トンネル電流の検出方法により行う。
【0032】なお、本実施の形態では、絶縁基板100
上に導電薄膜を形成し、加工用電極102と導電薄膜の
間に流れるトンネル電流を検出することによって、両者
を近接させる方法を用いているが、絶縁基板100上に
導電薄膜を形成せずとも、両者の距離を光学的手段によ
って観察することによって近接を行うことも可能である
し、絶縁基板100と加工用電極102の接触を力セン
サによって検出した後に、両者を一定量だけ引き離すと
いう方法を用いることも可能である。
【0033】(実施の形態4)本実施の形態では、絶縁
基板に対してキャパシタを作製する手順の一例について
図4を用いて説明する。なお、ここでは絶縁基板100
としてガラス基板を用いた。
【0034】まず、図4(1)に示すような絶縁基板1
00を適切な加工溶液内に設置し、この絶縁基板に対し
て加工用電極102を近接させる。このとき、加工用電
極102と絶縁基板100の離間距離は数μm以下にす
ることが望ましい。
【0035】次に、絶縁基板100に近接させた加工用
電極102と、加工溶液中に設置した対極108との間
に、プログラマブル電源109により適切な電圧を印加
すると、加工用電極102の先端で電解放電現象が生
じ、加工用電極102先端近傍の絶縁基板100が加工
される。この状態で加工用電極102と絶縁基板100
を相対的に移動させることによって、図4(3)に示す
ように絶縁基板100を目的とする形状に除去加工す
る。
【0036】この所望の形状に加工された絶縁基板10
0に対して図4(4)に示すようにニッケル薄膜103
を成膜する。このニッケル薄膜103は絶縁基板100
に導電性を与えるためのものであり、本実施の形態にお
いては、無電解めっき法により形成した。
【0037】次に加工溶液を交換し、図4(5)に示す
ように、ニッケル薄膜103に対して加工用電極102
を近接させる。このニッケル薄膜103と加工用電極1
02の離間距離も、数μm以下にすることが望ましい。
なお、加工用電極102は前述の絶縁基板100を加工
したときに用いたものと同一のものである。
【0038】この状態で、ニッケル薄膜103に近接さ
せた加工用電極102と、ニッケル薄膜103との間に
所定の電圧を印加するすると、加工用電極102先端部
の近傍においてのみ電解反応が生じ、ニッケル薄膜10
3上に金属が堆積する。本実施の形態では硫酸銅を含む
加工液を使用し、加工用電極102とニッケル薄膜10
3の間に印加する電圧を適切に選択することによって、
銅薄膜104の堆積を行った。このようにして、ニッケ
ル薄膜103上に銅薄膜104を堆積させながら、加工
用電極102と絶縁基板100を相対的に移動させるこ
とによって、ニッケル薄膜103上に任意の形状の銅薄
膜104を形成する。この銅薄膜104は図4(6)に
示すように、絶縁基板100に加工したキャパシタ形状
の溝の中、および必要とする配線形状に堆積を行う。
【0039】最後に不要な部分のニッケル薄膜103を
化学的な手法で選択的に除去することによって、図4
(7)に示すように、キャパシタ用電極107および配
線106を有するキャパシタ105が完成する。
【0040】本実施の形態では、絶縁基板100として
ガラス基板、絶縁基板100に導電性を付与する金属薄
膜としてニッケル薄膜103、キャパシタ用電極107
および配線106の材料として銅を使用したが、以下の
条件を満たすならば、その他の材料も使用可能である。
【0041】・ガラス基板に代わる絶縁基板100とし
ては、絶縁性を有し、かつその一部を電解放電加工によ
り選択的に加工することができるセラミックスなど他の
材料を用いても構わない。
【0042】・ニッケル薄膜103に代わる、絶縁基板
100に導電性を付与する薄膜としては、絶縁基板10
0およびキャパシタ用電極107や配線106と密着性
がよく、除去時には、これらに対して影響を及ぼすこと
なく選択的に除去できるものであれば、他の材料を用い
ても構わない。
【0043】・キャパシタ用電極107および配線10
6に用いる材料としては、絶縁基板上の導電薄膜との密
着性がよく、かつこの導電薄膜の除去時に影響を受けな
いものであれば他の材料を用いても構わない。
【0044】(実施の形態5)本実施の形態では、絶縁
基板100に加工用電極102を用いてキャパシタ形状
の溝を加工し、無電解めっきによって導電薄膜を形成
後、電解めっきによって全面に金属膜を堆積させた後
に、加工用電極を用いて堆積した金属膜を部分的に除去
し、キャパシタ用電極107および配線106を作製す
る方法について図5を用いて説明する。
【0045】まず、実施の形態2で説明した方法を用い
て、図5(1)に示すような、絶縁基板100に対して
キャパシタ形状の溝の加工を行う。なお、ここでは絶縁
基板100としてガラス基板を用いた。続いて、この絶
縁基板100に対して、無電解めっき法を用いて図5
(2)に示すようにニッケル薄膜103を成膜する。こ
のニッケル薄膜103は電解めっきを行うための電極と
して用いられるため、できるだけ薄くすることが望まし
い。この導電薄膜の材質はニッケルに限定されるわけで
はなく、導電性を付与できるものであれば銅でも、他の
材料でも構わない。
【0046】続いて、このニッケル薄膜103を成膜し
た絶縁基板100を、硫酸銅を含んだ銅の電解めっき液
中に浸し、対極108とニッケル薄膜103の間にプロ
グラマブル電源109を接続し、電圧を印加することに
よって、ニッケル薄膜103上に銅薄膜104を析出さ
せる。この銅めっきは図5(3)に示すように、絶縁基
板100に形成されたキャパシタ形状の溝が完全に埋め
られるまで堆積させる。
【0047】続いて、この電解めっきによって形成され
た銅薄膜104の加工を行う。まず、絶縁基板100を
加工溶液となる硝酸ナトリウム溶液中に浸し、プログラ
マブル電源109を加工用電極102とニッケル薄膜1
03に接続する。この状態で加工用電極102を銅薄膜
104に近接させ、銅薄膜104と加工用電極102の
間に、銅薄膜104側を陽極、加工用電極102側を陰
極として電圧を印加する。この電圧印加によって、図5
(4)に示すように、加工用電極102先端近傍の銅薄
膜104が電気化学反応によって局所的にエッチングさ
れる。なお、加工用電極102と銅薄膜104の近接方
法については実施の形態3で説明した方法を用いること
ができる。
【0048】この銅薄膜104の局所的なエッチングを
行いながら、図5(5)に示すように、加工用電極10
2と絶縁基板100を相対的に移動させることによっ
て、任意の形状に銅薄膜104のエッチングを行うこと
が可能である。このようにして、銅薄膜104の不要な
部分を選択的に除去し、残った銅薄膜104で、キャパ
シタ電極107および配線106を構成する。ただし、
絶縁基板100に作製した2つのキャパシタ用電極10
7は電気的に絶縁されていなければキャパシタとして機
能しないため、両者が絶縁されるように銅薄膜104の
エッチングを行わなければならない。
【0049】最後に絶縁基板100上の不要なニッケル
薄膜103を選択的に除去することによって、図5
(6)に示すような、キャパシタ105および配線10
6が完成する。このニッケル薄膜103の除去に関して
は、不要な部分のニッケルが選択的に除去できる方法な
らば他の方法を用いても構わない。なお、本実施の形態
では、キャパシタ用電極107の材料には、電解めっき
によって堆積させた銅薄膜使用したが、無電解めっきに
より銅薄膜を堆積させてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明におけるキャパシタの作製方法に
おいては、キャパシタや配線は、加工用電極と絶縁基板
を相対的に移動させることによって作製するため、加工
に際してマスクを必要とせず、自由な形状に加工が行え
る。このため、コストを低減でき、設計から作製までの
時間を短縮することができる。
【0051】また、単一の加工用電極を用いて、絶縁基
板に対するキャパシタ形状の作製、キャパシタ電極の作
製、配線の作製を行っているため、加工装置が簡略化で
きるという利点を有している。
【0052】さらに、絶縁基板の加工やキャパシタ電極
の作製、配線の作製を同一加工機内で実施することがで
き、これらの加工は溶液中内において行われるため、従
来のような真空装置を必要とせず、装置の小型化が実現
できるという利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に関わる絶縁基板上にキ
ャパシタおよび配線を加工する方法を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2に関わる絶縁基板上にキ
ャパシタおよび配線を加工する装置を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態3に関わる、絶縁基板と加
工用電極の離間距離を設定する方法を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態4に関わる、絶縁基板上に
キャパシタ電極および配線を加工する方法を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態5に関わる、絶縁基板上に
キャパシタ電極および配線を加工する方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
100 絶縁基板 102 加工用電極 103 ニッケル薄膜 104 銅薄膜 105 キャパシタ 106 配線 107 キャパシタ用電極 108 対極 109 プログラマブル電源 201 加工溶液容器 202 XY軸ステージ 204 制御装置 205 Z軸ステージ 301 クロム薄膜 302 トンネル電流測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 潤 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 古田 一吉 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA03 AB01 HA02 5F083 AD15 AD31 HA02 JA37 JA39 PR05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層を挟んで対向する2つの電極から
    なるキャパシタの作製方法において、 絶縁基板にキャパシタ用電極となる2本1対の対向する
    溝を少なくとも1つ以上形成するキャパシタ溝形成工程
    と、 前記絶縁基板の溝加工を施した表面に導電性材料を形成
    する導電薄膜形成工程と、 対向する1対のキャパシタ用電極をつなぐ、導電性材料
    を選択的に除去して電極間の絶縁を行う導電薄膜除去工
    程を含むことを特徴とするキャパシタの作製方法。
  2. 【請求項2】 絶縁層を挟んで対向する2つの電極から
    なるキャパシタの作製方法において、 前記絶縁基板に前記キャパシタ用電極となる2本1対の
    対向する溝を少なくとも1つ以上形成するキャパシタ溝
    形成工程と、 前記絶縁基板の溝加工を施した表面に第1の導電性材料
    を形成する第1導電薄膜形成工程と、 前記キャパシタ用電極用の溝に第2の導電性材料を選択
    的に形成する第2導電薄膜選択的形成工程と、 対向する1対のキャパシタ用電極をつなぐ、第1の導電
    性材料を選択的に除去して電極間の絶縁を行う第1導電
    薄膜除去工程を含むことを特徴とするキャパシタの作製
    方法。
  3. 【請求項3】 絶縁層を挟んで対向する2つの電極から
    なるキャパシタの作製方法において、 前記絶縁基板に前記キャパシタ用電極となる2本1対の
    対向する溝を少なくとも1つ以上形成するキャパシタ溝
    形成工程と、 前記絶縁基板の溝加工を施した表面に第1の導電性材料
    を形成する第1導電薄膜形成工程と、 前記第1の導電性材料の表面に第2の導電性材料を形成
    する第2導電薄膜形成工程と、 対向する1対のキャパシタ用電極には不要となる部分を
    前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料から
    化学的に除去して電極間の絶縁を行う導電積層薄膜除去
    工程を含むことを特徴とするキャパシタの作製方法。
  4. 【請求項4】 前記キャパシタ溝形成工程と前記導電薄
    膜除去工程が同一の加工用電極で実施される工程である
    ことを特徴とする請求項1記載のキャパシタの作製方
    法。
  5. 【請求項5】 前記キャパシタ溝形成工程と前記第2導
    電薄膜選択形成工程と前記第1導電薄膜除去工程が同一
    の加工用電極で実施される工程であることを特徴とする
    請求項2記載のキャパシタの作製方法。
  6. 【請求項6】 前記キャパシタ溝形成工程と前記導電積
    層薄膜除去工程が同一の加工用電極で実施される工程で
    あることを特徴とする請求項3に記載のキャパシタの作
    製方法。
  7. 【請求項7】 前記導電薄膜除去工程が、 加工溶液中で前記絶縁基板と前記加工用電極とを近接さ
    せ、 両者の間に電圧を印加することにより局所的な電気化学
    反応を起こさせながら前記絶縁基板もしくは前記加工用
    電極のどちらか少なくとも一方を走査させる工程を含
    む、 請求項4記載のキャパシタの作製方法。
  8. 【請求項8】 前記第2導電薄膜選択形成工程と前記第
    1導電薄膜除去工程が、 加工溶液中で前記絶縁基板と前記加工用電極とを近接さ
    せ、 両者の間に電圧を印加することにより局所的な電気化学
    反応を起こさせながら前記絶縁基板もしくは前記加工用
    電極のどちらか少なくとも一方を走査させる工程を含
    む、 請求項5記載のキャパシタの作製方法。
  9. 【請求項9】 前記導電積層薄膜除去工程が、 加工溶液中で前記絶縁基板と前記加工用電極とを近接さ
    せ、 両者の間に電圧を印加することにより局所的な電気化学
    反応を起こさせながら前記絶縁基板もしくは前記加工用
    電極のどちらか少なくとも一方を走査させる工程を含
    む、 請求項6記載のキャパシタの作製方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009056551A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Toyama Univ 工具位置決め方法および工具位置決め装置
JP2009202320A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Naotake Mori 微細工具の製造方法及び微細工具の製造装置
CN103231133A (zh) * 2013-05-08 2013-08-07 清华大学 一种非导电材料的电解电火花复合加工方法及装置
KR101796525B1 (ko) * 2011-03-21 2017-11-16 이엘케이 주식회사 터치스크린패널의 제조방법 및 이로부터 제조된 터치스크린패널

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