JP2003018779A - 車両用回転電機 - Google Patents
車両用回転電機Info
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Abstract
音低減が可能であるとともに、生産性の向上によるコス
ト低減が可能な車両用回転電機を提供すること。 【解決手段】 車両用交流発電機の固定子は、固定子鉄
心22の各スロット25に複数の電気導体を収容してい
る。固定子鉄心22は、プレス加工によりスロット25
が形成された薄い鋼板を積層することにより構成されて
おり、各スロット25の四隅部分28は円弧形状を有し
ている。最内層の電気導体の内径側角部と最外層の電気
導体の外径側角部は、四隅部分28に合わせた円弧形状
を有している。これらの最内層および最外層の各電気導
体は、直線状の電気導体をほぼU字状に折り曲げること
により形成される1本のセグメント導体に対応してお
り、この直線状の電気導体の2つの角部を円弧形状に形
成することにより容易に実現できる。
Description
等に搭載される車両用回転電機に関する。
の低減のためのスラントノーズ化や車室内居住空間の確
保のニーズにより狭小化の傾向にあり、車両用交流発電
機等の補機類の搭載スペースに余裕がなくなるととも
に、車両用交流発電機の周囲の温度も高くなってきてい
る。また、燃費向上のためにアイドリング時のエンジン
回転数は下げられ、これに伴って車両用交流発電機の回
転数も下がってきているが、その一方で安全制御機器等
の電気負荷が増加している。したがって、小型、高出力
の特に低回転領域での出力特性の優れた車両用交流発電
機が求められている。
静粛性向上による商品性向上の狙いから、近年ますます
エンジン騒音が低下してきており、比較的高速で回転す
る車両用交流発電機の回転によって生じるファン騒音や
風切り音、発電時の磁気的騒音が耳障りな状況になって
きている。高出力化、高効率化のためには、まず最大の
発熱源である固定子において、巻線抵抗値を低減して熱
損失を低減することが考えられる。このためには、断面
積が大きい巻線導体を使用するとともに、固定子鉄心の
スロット内での導体の占有面積率(以下、「占積率」と
称する)を向上させることが必要である。
ット内に収納される導体を部分的にほぼ矩形形状断面と
なるように成形したり、断面形状がほぼ矩形形状の平角
導体を用いる等の方法が考えられる。固定子巻線を平角
導体で構成することにより、スロット内での占積率を向
上させて固定子巻線の低抵抗化を図り、低回転領域での
出力特性を改善した車両用交流発電機が知られている。
の断面形状をほぼ矩形形状とする従来方法では、部分的
に導体の断面形状を成形する工程が必要になるため、大
幅なコストアップになるという問題があった。
を用いる従来方法では、この導体が収納される固定子鉄
心が通常はプレス成形によって製造されることを考える
と、スロットの四隅部分は、ある程度丸みを帯びること
になるため、矩形形状断面を有する導体の周囲に隙間が
生じ、スロット内での占積率を十分に向上させることが
できないという問題があった。この問題を解決するため
には、実開昭56−17856号公報に開示された電機
子のように、スロット内の内・外導体断面をR形状とす
ることが考えられる。しかし、この公報に開示された電
機子の巻線を連続線で実現しようとすると、導線の成形
工程や巻線工程で導体の向きを調整する必要が生じ、生
産が困難であるだけでなく、大幅なコストの上昇を伴う
ことになる。
形導体に対して絶縁被膜厚が不均一になり易く、また、
タイヤによる跳ね上げや冷却風の流れに沿って車両用交
流発電機の内部に侵入した異物の干渉によって、被膜が
損傷し易い問題があり、丸形導体と同程度の耐久性を確
保するためには、被膜材質を変更して耐傷性を向上させ
る等のコストアップを伴う何らかの対策が必要となる。
コイルエンド部を通風冷却する際には、冷却風の流れを
乱し易く、車両用交流発電機のファン騒音を悪化させる
要因ともなる。上述した問題を解決するために、全ての
平角導体の角部R寸法を所望の耐久性、静粛性を確保で
きるまで大きく設定することが考えられるが、一方では
スロット内での占積率を十分に向上させることができな
くなるという問題が生じる。
たものであり、その目的は、ほぼ矩形断面を有する導体
を用いて固定子巻線を構成した場合に、占積率の向上に
よる高出力化、騒音低減、耐久性向上が可能であるとと
もに、生産性の向上によるコスト低減が可能な車両用回
転電機を提供することにある。
ために、本発明の車両用回転電機は、回転駆動される回
転子と、回転子と対向配置される固定子鉄心とこの固定
子鉄心に装備された固定子巻線とを有する固定子と、回
転子および固定子を支持するフレームとを備えており、
固定子巻線は、ほぼ矩形断面形状を有する複数の電気導
体で構成されており、固定子鉄心に形成されたスロット
の最外層に配置された電気導体の外周側角部のR寸法
と、スロットの最内層に配置された導体の内周側角部の
R寸法の少なくとも一方を、それ以外の電気導体の角部
のR寸法より大きくしている。スロット内の電気導体
は、最外層の外周側角部と最内層の内周側角部の少なく
とも一方がR形状に形成されているため、各スロットの
四隅部分に生じる隙間を少なくすることができる。これ
により、占積率が向上するため、固定子巻線の低抵抗化
による高出力化が可能になる。また、スロット内壁面と
セグメント導体との間の接触面積を増やすことができる
ため、熱伝導性が向上し、温度低減およびこれに伴うさ
らなる高出力化が可能になる。
の軸方向端面より軸方向に突出する端部において、最内
周側に配置される電気導体の内周側角部のR寸法と、最
外周側に配置される電気導体の外周側角部のR寸法の少
なくとも一方を、それ以外の電気導体の角部のR寸法よ
り大きくすることが望ましい。これにより、タイヤによ
る跳ね上げや冷却風の流れに沿って車両用回転電機の内
部に侵入した異物の干渉による絶縁被膜の損傷を抑制し
て、耐久性向上を図ることができる。また、最内周側お
よび最外周側の間に配置されている電気導体は、最内周
側および最外周側の電気導体の間で保護されており、被
膜材質の品質レベルを落としてコストダウンを図ること
も可能になる。
置される2つの直線部と、2つの直線部をつなぐターン
部とを含むほぼU字状のセグメント導体であり、他のセ
グメント導体と直線部の端部同士を接合することによっ
て固定子巻線が構成されていることが望ましい。これに
より、部分的に角部のR形状が異なる電気導体を容易に
製造することができるため、生産性の向上およびこれに
伴うコストの低減が可能になる。
ット内において、最内層、最外層および最内層と最外層
の間に配置される中間層をなして、径方向に一列で配置
されていることが望ましい。これにより、電気導体同士
の干渉を抑制して、占積率を向上させることができる。
また、電気導体の周方向幅をスロットの周方向幅とほぼ
等しく設定することで、スロットを形成している固定子
鉄心の歯部に当接させて、熱伝達を行い、固定子巻線の
放熱性を向上させることができる。
層に配置される直線部の内周側角部のR寸法および最外
層に配置される直線部の外周側角部のR寸法は、中間層
に配置される直線部の角部のR寸法より大きく、かつ、
対向するスロットの内壁部のR寸法とほぼ等しいことが
望ましい。これにより、最内層、最外層に配置される電
気導体の放熱性を向上させることができ、さらに占積率
を向上させることができる。また、電気導体と固定子鉄
心の間に絶縁部材を介在させる構造や、固定子鉄心に絶
縁塗装を施す構造においては、スロットの内壁のR部で
の電気導体の角部が干渉することで発生する応力を軽減
することができるため、絶縁部材の破れ等の不具合も解
消することができる。
層に配置される直線部の断面積および最外層に配置され
る直線部の断面積を、中間層に配置される直線部の断面
積より小さくすることが望ましい。これにより、スロッ
ト内でスロット内壁面に接触する面積が比較的大きい最
内層の導体と、最内層と最外層の間に位置してスロット
内壁面に接触する面積が比較的小さい中間層の導体の温
度を均一化することができ、部分的な発熱による絶縁皮
膜の劣化を抑制することができる。
り軸方向に突出する端部において、最内周側に配置され
る電気導体の内周側角部のR寸法が、それ以外の電気導
体の角部のR寸法より大きく設定されており、回転子
は、少なくとも一方の端面に、固定子巻線の端部に送風
する送風手段を有することが望ましい。スロットから露
出した部分についても最内層の内周側角部がR形状に形
成されているため、この部分に冷却風が流れてきたとき
に、乱流が発生しにくくなる。このため、冷却風の流れ
が円滑になり、固定子巻線のコイルエンド内部まで冷却
風を導くことが容易となり、高い冷却性を実現するとと
もに、ファン騒音の低減が可能になる。
り軸方向に突出する端部において、最内周側に配置され
る電気導体の内周側角部のR寸法が、それ以外の電気導
体の角部のR寸法より大きく設定され、回転子は、一方
の端面に、固定子巻線の端部に送風する送風手段を有し
ており、他方の端面をフレームの吸入窓外周部の内壁面
と対向した状態で接近させることが望ましい。これによ
り、内壁面にファンシュラウドの機能を持たせて回転子
のポールコアのファン効果を増すことができるため、冷
却ファン等からなる送風手段によって送風して冷却を行
う場合に比べて、部品点数や加工工数を増やすことな
く、同等の冷却性を達成することができ、高出力化が可
能となる。また、さらなるファン騒音低減も可能にな
る。
の端面に、固定子巻線の端部に送風する送風手段を有し
ており、固定子鉄心の端部において、最内周側に配置さ
れる電気導体の断面積が他の電気導体の断面積より小さ
いことが望ましい。これにより、固定子の端部で外側に
露出していて比較的冷却性が良い最内層の導体と、最内
層と最外層の間に位置する比較的冷却性が悪い中間層の
導体の温度を均一化することができ、部分的発熱による
絶縁皮膜の劣化を抑制することができる。
導体は、スロットの内壁面にほぼ全周において対向させ
て配列されていることが望ましい。固定子鉄心の内壁面
と電気導体との接触面積が増すため、固定子巻線から固
定子鉄心への熱伝導性を向上させることができ、固定子
巻線の温度低減が可能になる。
態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳
細に説明する。図1は、本実施形態の車両用交流発電機
の全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電
機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、ブラシ装置
5、整流装置6、リヤカバー7等を含んで構成されてい
る。
心22に形成された複数のスロット内に備わった電気導
体としての複数のセグメント導体を相互に接合すること
により形成された固定子巻線23と、固定子鉄心22と
固定子巻線23との間を電気絶縁する絶縁部材としての
インシュレータ24とを備えている。固定子2の詳細に
ついては後述する。
かつ同心状に巻き回した界磁巻線31を、それぞれが6
個の爪部を有するポールコア32によって、回転軸33
を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、
フロント側のポールコア32の端面には、フロント側か
ら吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出す送
風手段としての冷却ファン35が溶接等によって取り付
けられている。同様に、リヤ側のポールコア32の端面
には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出す
送風手段としての冷却ファン36が溶接等によって取り
付けられている。また、回転軸33のリヤ側端部近傍に
は、界磁巻線31の両端に電気的に接続された2つのス
リップリング37、38が形成されており、これらのス
リップリング37、38を介してブラシ装置5から界磁
巻線31に対して給電が行われる。
収容しており、回転子3が回転軸33を中心に回転可能
な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコ
ア32の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子
2が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心
22の軸方向端面から突出した固定子巻線23に対向し
た部分に冷却風の吐出窓41を有し、軸方向端面に吸入
窓42を有している。
の界磁巻線31に励磁電流を流すためのものであり、回
転子3の回転軸33に形成されたスリップリング37、
38のそれぞれに押圧するブラシ51、52を有する。
整流装置6は、三相の固定子巻線23の出力電圧である
三相交流電圧を整流して直流の出力電力を得るためのも
のである。リヤカバー7は、リヤ側のフレーム4の外側
に取り付けられるブラシ装置5、整流装置6、ICレギ
ュレータ9等の電気部品を覆って、これらを保護するた
めのものである。
は、ベルト等を介してプーリ8にエンジン(図示せず)
からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転
する。この状態で回転子3の界磁巻線31に外部から励
磁電圧を印加することにより、ポールコア32のそれぞ
れの爪部が励磁され、固定子巻線23に三相交流電圧を
発生させることができ、整流装置6に設けられた出力端
子60からは所定の直流電流が取り出される。
図2は、固定子2の部分的な断面図である。本実施形態
の固定子鉄心22は、薄い鋼板を積層することにより形
成されている。積層される各鋼板は、あらかじめプレス
加工によってスロット25が形成されており、各スロッ
ト25間の歯先部26には周方向に磁束収集用突起部2
7が形成されている。このように、プレス加工によって
スロット25を形成する場合には、各スロットの四隅部
分28は所定の円弧形状(R形状)を有することにな
り、プレス型の寿命等を考慮すると、この円弧の半径
(R寸法)を極端に小さくすることはできない。
備された固定子巻線23は、複数のセグメント導体によ
り構成され、各スロット25には複数本(本実施形態で
は6本)の電気導体が収容されている。また、一のスロ
ット25内の6本の電気導体は、固定子鉄心22の径方
向について内側から第1層から第6層までが一列に配列
されている。これら各層の電気導体は、ほぼU字状のセ
グメント導体の2本の直線部に対応している。第1層が
最内層、第6層が最外層、それ以外の第2〜第5層が中
間層に対応している。
ント導体の斜視図である。図3に示すように、セグメン
ト導体231は、矩形断面を有する1本の直線状の電気
導体をほぼU字状に折り曲げることにより形成され、2
つの直線部231a、231bと、U字状の折り返し部
分であるターン部231cと、これらの間をつなぐ斜行
部231fとを有している。
極ピッチ離れた2つのスロット25に収容される。例え
ば、一方の直線部231aが一のスロット25に収容さ
れて第1層(最内層)の電気導体となる場合には、他方
の直線部231bはこのスロット25と1磁極ピッチ離
れた他のスロット25に収容されて第6層(最外層)の
電気導体となる。また、一方の直線部231aが一のス
ロット25に収容されて第2層の電気導体となる場合に
は、他方の直線部231bはこのスロット25と1磁極
ピッチ離れた他のスロット25に収容されて第5層の電
気導体となる。一方の直線部231aが一のスロット2
5に収容されて第3層の電気導体となる場合には、他方
の直線部231bはこのスロット25と1磁極ピッチ離
れた他のスロット25に収容されて第4層の電気導体と
なる。
部231a、231bの径方向の間隔が異なる3種類の
セグメント導体231が用いられている。各セグメント
導体231は、各スロット25に収容された後に、2つ
の直線部231a、231bの反ターン部側が折り曲げ
られ、その端部が、さらに1磁極ピッチ離れた他のスロ
ット25から延びる別のセグメント導体231の端部と
接合される。このようにして複数のセグメント導体23
1の端部同士を接合することにより1相分の巻線が形成
され、このような巻線を電気角で互いに120度ずらし
たものを3種類備えることにより、一組の三相巻線とな
る。
ロット25の最内層と最外層に配置される一のセグメン
ト導体231の内周側および外周側の角部のR寸法は、
他のセグメント導体231の角部のR寸法より大きく設
定されている。また、スロット25内においては、最内
周側に配置されるセグメント導体231の内周側角部の
R寸法と最外周側に配置されるセグメント導体231の
外周部角部のR寸法は、他のセグメント導体231の角
部のR寸法より大きく、かつ、スロット25の四隅部分
28のR寸法とほぼ同一に設定されている。
に、1本の直線状の電気導体をほぼU字状に折り曲げる
ことによりセグメント導体231が形成されるため、第
1層の電気導体の内周側角部と第6層の電気導体の外周
側角部は、この1本の直線状の電気導体において同じ側
に配置されている。したがって、2箇所の角部の半径が
大きな値に設定されるとともに、他の2箇所の角部がほ
ぼ直角に形成された1本の直線状の電気導体をほぼU字
状に折り曲げることにより、図2に示した第1層および
第6層の電気導体を同時につくることができるため、生
産性の向上によるコストの低減が可能になる。しかも、
このセグメント導体231は、第2層から第5層までの
各電気導体に対応する他のセグメント導体231と大き
さが異なっているため、組み付け時における選別が容易
であり、誤組み付けを防止することができる。
機では、固定子鉄心22の各スロット25に第1層から
第6層の電気導体が収容されており、この中で第1層の
電気導体の内周側角部の形状と第6層の電気導体の外周
側角部の形状がスロット25の四隅部分28の形状に合
わせて円弧形状に形成されている。したがって、スロッ
ト25と各電気導体との間に生じる隙間をほどんどなく
すことができ、占積率を高めることが可能になる。これ
により、固定子巻線23の抵抗値を低減して熱損失を抑
えることができ、高出力化を実現することができる。
固定子巻線23のコイルエンドに着目すると、回転子3
と対向する第1層の電気導体の内径側角部が円弧形状に
形成されているため、これらの角部が直角に近い形状を
有する場合に比べて、冷却ファン35、36によって発
生する冷却風が流れる際の通風抵抗が減少する。このた
め、ファン騒音の低減が可能になる。また、風量が増す
ため、固定子巻線23の温度低減が可能になる。
では、電気導体と固定子鉄心22の壁面との間の対向面
積が増えるため、熱伝導性を向上させることができ、固
定子巻線23のさらなる温度低減が可能になる。また、
占積率が増すことにより、固定子2全体の剛性を高める
ことが可能になり、発電時に生じる磁気的騒音を低減す
ることができる。
スロット25の四隅部分28の形状に合わせて円弧形状
にすることにより、スロット25の内周側開口部が電気
導体の平面部によって塞がれるため、固定子鉄心22の
内周面をより円滑円筒面に近づけることができる。これ
により、回転時にポールコア32によって発生する遠心
風と固定子鉄心22内周の凹凸によって生じる風切り音
を低減することができる。
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変
形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、
図2に示したように各スロット25内に収容された電気
導体の断面は長方形形状であり、その長辺側がスロット
25の内周側開口部を塞ぐように配置されているが、図
4に示すように、スロット25内において複数本の電気
導体を径方向に沿って一列に配列するとともに、この短
辺側がスロット25の内周側開口部を塞ぐように配置し
てもよい。
配列を採用する場合には、図2に示したような長方形断
面の電気導体の横積み配列を採用した場合や正方形断面
の電気導体を用いる場合に比べて、スロット25内にお
ける電気導体と固定子鉄心22の壁面との間の対向面積
の割合を大きくすることができるため、固定子巻線23
から固定子鉄心22への熱伝導性をさらに向上させるこ
とが可能になる。また、長方形断面の電気導体の縦積み
配列を採用した場合には、固定子鉄心22から突出する
固定子巻線23のコイルエンドの軸方向寸法を長くする
ことなく、すなわち固定子巻線23の抵抗値を増加させ
ることなく、周方向に隣接する各電気導体間の隙間を増
やすことができる。これは、1スロット当たりの電気導
体数が4本の場合のコイルエンド形状の斜視図である図
5からも明らかである。これにより、冷却ファン35、
36によって生じる遠心方向の冷却風に対する通風抵抗
を低減することができ、冷却風量の増加による冷却性の
向上や高出力化が可能となる。なお、図6は図5に示し
た固定子巻線のコイルエンドの要部拡大図であり、図7
は図6のVII−VII線拡大断面図である。これらの
図で示すように、固定子鉄心22の軸方向端面より軸方
向に突出する電気導体においても、最内周の角部と最外
周の角部のR寸法が他の部分のR寸法よりも大きく設定
されている。
23の抵抗値が大幅に下がることにより冷却性に余裕が
生じるため、回転子3に設けられた冷却ファン35、3
6のいずれか一方を省略することができる。この場合
に、部品点数や加工点数の低減により、コストダウンお
よび小型化が可能になる。
却ファンが備わっていない回転子3のプーリ側端面を、
フレーム4の吸入窓42の外周部の内壁面43に接近さ
せて対向させることが望ましい。この内壁面43がファ
ンシュラウドとし機能するため、ポールコア32の爪部
の根本部分のファン能力が増す。これにより、冷却ファ
ンを固定子2の両端面に設ける場合に比べて、部品点数
や加工点数を低減するとともに、同等の冷却性能を実現
することができる。
気導体の内周側角部と第6層の電気導体の外周側角部の
みを円弧形状に形成したが、図9に示すように、これら
の各電気導体の全ての角部を円弧形状にしてもよい。こ
の場合には、これらの電気導体に対応するセグメント導
体の成形が容易になるとともに、直線状のセグメント導
体をほぼU字状に折り曲げる際に方向性がなくなるた
め、生産性を向上させることができる。
発電機について説明したが、セグメント導体を用いた固
定子巻線を有する場合には車両用交流発電機以外の他の
車両用回転電機に本発明を適用することができる。
す図である。
である。
図である。
拡大図である。
る。
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 回転駆動される回転子と、前記回転子と
対向配置される固定子鉄心とこの固定子鉄心に装備され
た固定子巻線とを有する固定子と、前記回転子および前
記固定子を支持するフレームとを備える車両用回転電機
において、 前記固定子巻線は、ほぼ矩形断面形状を有する複数の電
気導体で構成されており、 前記固定子鉄心に形成されたスロットの最外層に配置さ
れた前記電気導体の外周側角部のR寸法と、前記スロッ
トの最内層に配置された前記電気導体の内周側角部のR
寸法の少なくとも一方を、それ以外の前記電気導体の角
部のR寸法より大きくすることを特徴とする車両用回転
電機。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記固定子巻線は、前記固定子鉄心の軸方向端面より軸
方向に突出する端部において、最内周側に配置される前
記電気導体の内周側角部のR寸法と、最外周側に配置さ
れる前記電気導体の外周側角部のR寸法の少なくとも一
方を、それ以外の前記電気導体の角部のR寸法より大き
くすることを特徴とする車両用回転電機。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記電気導体は、前記スロットに配置される2つの直線
部と、前記2つの直線部をつなぐターン部とを含むほぼ
U字状のセグメント導体であり、他の前記セグメント導
体と前記直線部の端部同士を接合することによって前記
固定子巻線が構成されていることを特徴とする車両用回
転電機。 - 【請求項4】 請求項3において、 前記電気導体の前記直線部は、前記スロット内におい
て、最内層、最外層および前記最内層と前記最外層の間
に配置される中間層をなして、径方向に一列で配置され
ていることを特徴とする車両用回転電機。 - 【請求項5】 請求項4において、 前記スロット内において、前記最内層に配置される前記
直線部の内周側角部のR寸法および前記最外層に配置さ
れる前記直線部の外周側角部のR寸法は、前記中間層に
配置される前記直線部の角部のR寸法より大きく、か
つ、対向する前記スロットの内壁部のR寸法とほぼ等し
いことを特徴とする車両用回転電機。 - 【請求項6】 請求項5において、 前記スロット内において、前記最内層に配置される前記
直線部の断面積および前記最外層に配置される前記直線
部の断面積を、前記中間層に配置される前記直線部の断
面積より小さくしたことを特徴とする車両用回転電機。 - 【請求項7】 請求項2において、 前記固定子鉄心の軸方向端面より軸方向に突出する端部
において、最内周側に配置される前記電気導体の内周側
角部のR寸法が、それ以外の前記電気導体の角部のR寸
法より大きく設定されており、 前記回転子は、少なくとも一方の端面に、前記固定子巻
線の端部に送風する送風手段を有することを特徴とする
車両用回転電機。 - 【請求項8】 請求項2において、 前記固定子鉄心の軸方向端面より軸方向に突出する端部
において、最内周側に配置される前記電気導体の内周側
角部のR寸法が、それ以外の前記電気導体の角部のR寸
法より大きく設定されており、 前記回転子は、一方の端面に、前記固定子巻線の端部に
送風する送風手段を有しており、他方の端面を前記フレ
ームの吸入窓外周部の内壁面と対向した状態で接近させ
ることを特徴とする車両用回転電機。 - 【請求項9】 1〜6のいずれかにおいて、 前記回転子は、少なくとも一方の端面に、前記固定子巻
線の端部に送風する送風手段を有しており、 前記固定子鉄心の端部において、最内周側に配置される
前記電気導体の断面積が他の前記電気導体の断面積より
小さいことを特徴とする車両用回転電機。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかにおいて、 前記スロットに収容された前記電気導体は、前記スロッ
トの内壁面にほぼ全周において対向させて配列されてい
ることを特徴とする車両用回転電機。
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