JPH11164500A - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

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JPH11164500A
JPH11164500A JP1801898A JP1801898A JPH11164500A JP H11164500 A JPH11164500 A JP H11164500A JP 1801898 A JP1801898 A JP 1801898A JP 1801898 A JP1801898 A JP 1801898A JP H11164500 A JPH11164500 A JP H11164500A
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JP
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slot
stator
electric conductor
vehicle
alternator
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JP1801898A
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Inventor
Atsushi Umeda
梅田  敦司
Tsutomu Shiga
志賀  孜
Arata Kusase
草瀬  新
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で高出力、特に低回転数域での出力をア
ップし、かつ低騒音の車両用交流発電機を安価に提供す
ること。 【解決手段】 車両用交流発電機の固定子2は、その内
周側に開口部35を持つ多数のスロットが形成され、隣
接するスロット間の歯先部には、周方向に磁束収集用突
起部36が形成され、これらはあらかじめ薄い鋼板の段
階でプレス加工等により設けられている。固定子巻線3
3はスロット開口部35の巾よりも大きい直径寸法であ
り、導線の先端は、固定子鉄心32の軸方向の一方の側
面からスロットに挿入されて他方の側面へ出され、電気
角180°に相当するスロットからもとの側面に引き出
され、以上を繰り返すことによって1相の巻線を形成し
ている。これらを電気角120°づつずらして、3相交
流巻線を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用車、トラック等
に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近年
のエンジンルームは、車両走行抵抗の低減のためのスラ
ントノーズ化や車室内居住空間の確保のニーズにより狭
小化傾向にあり、車両用交流発電機の搭載スペースに余
裕がなくなるとともに、発電機周囲の温度も高くなって
きている。また、燃費向上のためアイドリング時のエン
ジン回転数は下げられ車両用交流発電機の回転数も下が
ってきているが、その一方で安全制御機器等の電気負荷
の増加が求められ、ますます発電能力の向上が求められ
ている。即ち小型、高出力、とりわけ低回転数領域での
出力の優れた車両用交流発電機が求められている。
【0003】また車外騒音低減の社会的要請や車室内静
粛性向上による商品性向上の狙いから近年ますますエン
ジン騒音が低下してきており、比較的高速で回転する車
両用交流発電機の回転のみによるファン騒音や風切り
音、および発電時の磁気的騒音が耳障りな状況となって
きた。高出力化、高効率化のためには、まず最大の発熱
源である固定子において、巻線抵抗値を低減して熱損失
を低減することが考えられる。言い替えれば、断面積の
大きい巻線導体を使用し、また、固定子鉄心のスロット
内でのコイルの占有面積率(以下、占積率と称す)を向
上させることが必要である。一方、回転子と対向する固
定子内周の歯先部には磁束収集用突起部が周方向に設け
られているため、固定子鉄心のスロット開口部はスロッ
ト内部よりも巾が狭くなっており、挿入できる巻線導体
の太さはこのスロット開口巾に規制されていた。また、
低回転数領域での出力アップには、磁束収集用突起部の
長さを高くする必要があるが、磁束収集用突起部の長さ
を高くすればスロット開口巾はますます狭くなり、挿入
できる巻線導体の太さは更に小さくなり、以上により巻
線抵抗値が上昇して、当初の目的を達成することが困難
であった。
【0004】これに対しては、特開昭63−19454
3号公報のように、あらかじめスロット内に充填される
巻線導体部分を略矩形状断面を有するように成形し(図
10)、これを磁束収集用突起部がないスロットに挿入
し(図11(A))、挿入後に磁束収集用突起部を塑性
変形させるもの(図11(B))が知られている。しか
し、上述の従来技術では、磁束収集用突起は塑性変形に
よって加工硬化を生じ磁気特性が悪化するため、磁束収
集効果が大幅に低下し、期待通りの出力、特に低速回転
領域での出力アップを得られなかった。また、塑性加工
の時に生ずるひずみにより、固定子鉄心の内周の真円度
が悪化し、ロータ外周とのエアギャップが不均一となる
ため、発電時の磁気的騒音が大きくなるという問題もあ
った。
【0005】本案は上記問題点に鑑み、小型で高出力、
特に低回転数域での出力をアップし、かつ低騒音の車両
用交流発電機を安価に提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、回転子と、該回転子の外周に対向配置した固定
子と、前記回転子と固定子とを支持するフレームとを有
する車両用交流発電機において、前記固定子は、複数の
スロットを有する固定子鉄心と該スロットに収納された
複数の電気導体を有し、該スロットの内周側の開口部の
巾は、そのスロットの電気導体収容部の巾よりも狭く、
かつ該電気導体の最小巾より狭いことを特徴としてい
る。
【0007】これにより、電気導体の抵抗値を低減して
発電時の熱損失を減らし、高出力化を実現できる。ま
た、同一巻線径であれば固定子歯先部の磁束収集用突起
部が相対的に長くなるので、固定子鉄心の内周は平滑円
筒面に近づけることができる。よって回転子が回転する
時にランデル型ポールコアによって発生する遠心風と固
定子鉄心内周の凹凸によって生じる風切り音を低減する
ことができる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、スロット
は、固定子の固定子鉄心の軸方向の両端面に、電気導体
の入口としての端面開口部を有するから、スロット内周
側の開口部の巾を電気導体の巾に規制されることなく設
定することができる。請求項3に記載の発明によれば、
スロットの内周側の開口部は、スロット内へ電気導体を
収容する前に、スロットの電気導体収容部の巾よりも狭
く、かつ電気導体の最小巾よりも狭く形成されているか
ら、スロット内への電気導体収容後にスロット間の鉄心
歯先部を変形させる必要がない。
【0009】これにより、塑性変形により成型すること
なく、固定子鉄心の歯先部の磁束収集用突起部を所要の
形状とすることができる。このため、磁束収集用突起部
の材料の磁気特性劣化がなく、磁束収集効果が十分発揮
できる。よって、低速出力が向上する。また、歯先部の
塑性加工による形状ひずみがないので、固定子鉄心の内
周の真円度は良好に保たれ、回転子の磁極とのエアギャ
ップの均一化を図ることができる。これにより、エアギ
ャップの不均一による発電時の磁気的騒音を抑えること
ができる。
【0010】請求項4に記載の発明のように、電気導体
として、直径がスロットの内周側開口部巾よりも大きい
円形断面の導体を用いることができる。請求項5に記載
の発明では、固定子と対向した回転子の軸方向両端部の
うちの少なくとも片側に冷却ファンを配設している。こ
のため、固定子鉄心の軸方向端部に突出した固定子巻線
のコイルエンド部に向けて冷却ファンから風が送られる
ので、高い冷却性が得られる。すなわち、固定子のスロ
ットの内周側開口部の巾が狭い本発明の構成によると、
固定子のスロットにより提供される軸方向の溝状通風路
が狭くなっても、固定子巻線を冷却する十分な冷却風を
確保する。
【0011】請求項6に記載の発明によれば、前記固定
子と対向した回転子の軸方向両端面に冷却ファンを配設
したことを特徴としているから、さらに冷却性を向上さ
せて高出力化を図ることができる。請求項7に記載の発
明によれば、前記固定子と対向した回転子の軸方向の端
面が前記フレームの吸気口外周部のシュラウド部と近接
して対向していることを特徴としている。これにより、
回転子の軸方向端面がシュラウド部と共働して、ポール
コアディスク部のファン能力が増す。なお、シュラウド
部としてはフレームの内壁面を用いることができる。ま
た、回転子のいずれか一方の端面のみにかかる構成を採
用してもよく、両端面に採用してもよい。また、冷却フ
ァンとの併用も有効である。かかる構成によると、冷却
ファンのみによって送風する場合に比べて、部品点数、
加工工数を増やすことなく、同等の冷却性能を達成で
き、高出力化が可能である。なお、入力側とは、例えば
プーリ等の駆動力の入力部材が設けられた側を指してい
る。
【0012】請求項8に記載の発明によると、電気導体
のスロット内における断面は、略矩形状であるから、ス
ロット内における電気導体の断面積を増やして、スロッ
ト内に占める電気導体の占積率を高めることができる。
この結果、固定子巻線の抵抗値を低減して高出力化が可
能である。しかも、電気導体とスロット内壁面との対向
面の面積を増やして伝熱を良好とし、温度低減に寄与す
る結果、さらなる高出力化が可能となる。
【0013】請求項9に記載の発明によると、スロット
内には、複数の電気導体が互いに電気的に絶縁されて収
容されており、これら複数の電気導体は、スロットの奥
に位置する外層と開口部側に位置する内層とを一対以上
構成しており、しかも異なるスロットに収容された異な
る層の電気導体が電気的な直列接続をなして固定子巻線
を形成している。かかる構成によると、多相の巻線が固
定子巻線に含まれる場合に、固定子鉄心の軸方向の端部
に突き出したコイルエンド部での、異なる相の巻線の間
の干渉を回避できる。このため、スロットの奥まで電気
導体を配設することができる。
【0014】請求項10に記載の発明によると、固定子
巻線は、複数の導体セグメントを組み合わせて構成され
ており、導体セグメントは内層の電気導体として一のス
ロット内に収容される一方の直線部と、外層の電気導体
として他のスロット内に収容される他方の直線部と、こ
れら直線部と連続した材料からなりこれら直線部をその
一端側で接続するターン部とを有し、直線部の他端側に
設けられたスロットからの突出部で他の導体セグメント
と接合された略U字状のセグメントを含んでいる。かか
る構成によると、スロットの内周側開口部が電気導体の
最小巾よりも狭い構成にあっても、スロット内に複数の
電気導体を位置させて固定子巻線を構成することができ
る。しかも、ターン部を有するので、電気導体のスロッ
トへの挿入工程、および電気導体同士の接合工程を簡易
化して固定子巻線を構成することができる。
【0015】なお、かかる構成の導体セグメントを採用
することで、固定子鉄心に装着される略U字状のセグメ
ントのターン部を固定子鉄心の一方の端面にのみ揃えて
配置し、電気導体の接合を固定子鉄心の他方の端面側の
みにおいて行い、この他方の端面側にのみ導体セグメン
トの接合部を配置する構成をとることができる。このよ
うな配置構成によると、巻線形成が容易になり、生産性
の向上が可能である。
【0016】請求項11に記載の発明によると、固定子
巻線は、複数の導体セグメントを組み合わせて構成され
ており、導体セグメントは、内層あるいは外層の電気導
体としてスロット内に収容される直線部を有し、この直
線部の両端に設けられたスロットからの突出部で他のス
ロットの導体セグメントの前記突出部と接合されたセグ
メントを含んでいる。かかる構成によると、スロットの
内周側開口部が電気導体の最小巾よりも狭い構成にあっ
ても、スロット内に複数の電気導体を位置させて固定子
巻線を構成することができる。また、導体セグメントの
形状を単純化できるので、安価な設備で製作が可能であ
る。
【0017】請求項12に記載の発明によると、スロッ
ト内における電気導体は、固定子の径方向に沿って長辺
方向を配置した略長方形状の断面を有し、その長手方向
の2面をスロット内の内壁面に対向させてスロット内に
配列されて収容されている。このため、電気導体の表面
と鉄心との対向面積の割合を大きくすることができ、電
気導体から鉄心への熱伝達を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、この発明の車両用交流発電
機を図に示す各実施形態に基づいて説明する。 〔第一の実施形態の構成〕図1から図3はこの発明の第
一の実施形態を示したもので、図1、図2は本実施形態
の車両用交流発電機の固定子の説明図で、図3は車両用
交流発電機の主要部を示した図である。
【0019】本実施形態の車両用交流発電機1は、電機
子として働く固定子2、界磁として働く回転子3、前記
回転子3と固定子2を支持する2個のフレーム4、前記
固定子2に直接接続され、交流電力を直流電力に変換す
る整流器5等から構成されている。この整流器5の出力
は12Vのバッテリに接続されている。回転子3は、シ
ャフト6と一体になって回転するもので、1組のコアか
らなるランデル型ポールコア7、冷却ファン11、フィ
ールドコイル8、スリップリング9、10等によって構
成されている。シャフト6は、プーリ12に連結され、
自動車に搭載された走行用のエンジン(図示せず)によ
り回転駆動される。
【0020】ランデル型ポールコア7はシャフト6に組
付られたボス部71およびボス部71の両端より径方向
に延びるディスク部72、及び8個の爪状磁極73によ
り構成されている。前記フレーム4には固定子2のコイ
ルエンド31の外周側の部分に風の吐出孔43が設けら
れ、軸方向端面に吸入孔41が設けられている。
【0021】固定子2は、固定子鉄心32、電気導体と
しての固定子巻線33、及び固定子巻線33間を電気絶
縁するインシュレータ34で構成され、フレーム4によ
り支えられている。固定子鉄心32は、薄い鋼板を重ね
合わせた積層鉄心であって、その内周側に入口部として
の開口部35を持つ多数のスロットが形成されている。
隣接するスロット間の歯先部には、周方向に磁束収集用
突起部36があり、これらはあらかじめ薄い鋼板の段階
でプレス加工等により設けられている。
【0022】スロット開口巾よりも大きい直径寸法の固
定子巻線33の先端は、固定子鉄心32の軸方向の一方
の側面からスロットに挿入されて他方の側面へ出され、
電気角180°に相当するスロットからもとの側面に取
り出され、以上を繰り返すことによって、1相の巻線を
形成している。これを電気角120°づつずらして、3
相交流巻線としている。なお、巻線方法は波巻きでも重
ね巻きでもよい。
【0023】〔実施形態の作用効果〕上記構成とするこ
とにより、スロット開口巾に規制されることなく固定子
巻線33の線径を太くすることができるので、コイル抵
抗値を低減して熱損失を減らし、高出力化を実現でき
る。また、スロットからの固定子巻線33の飛び出しが
ないので、飛び出し防止のために一般的にスロット開口
部35をふさぐように配設される絶縁体よりなるウェッ
ジが不要であり、部品点数減、およびウェッジ挿入工程
不要により、コスト低減が可能となる。
【0024】また、固定子鉄心32の歯先部の磁束収集
用突起部36は、塑性変形させていないので材料の磁気
特性劣化が無く、よって磁束収集効果が十分発揮できる
ので、低速出力の顕著な向上が可能となる。図2の出力
特性は、同じ占積率条件の下で、従来からの一般的な
(スロット開口巾)>(固定子巻線径)の場合を破線で
示し、(スロット開口巾)<(固定子巻線径)で且つ磁
束収集用突起を塑性変形した場合を一点鎖線で示し、そ
して本発明の塑性変形無しで(スロット開口巾)<(固
定子巻線径)の場合を実線で示している。
【0025】また、磁束収集用突起部36の塑性加工に
よる形状ひずみが無いので、固定子鉄心32の内周の真
円度は良好であるから、回転子3の外周とのエアギャッ
プの不均一による発電時の磁気的騒音増加の問題も起こ
らない。更に、磁束収集用突起部36の長さは塑性加工
を行わずプレス加工等で十分に長くすることができるの
で、固定子鉄心32の内周は平滑円筒面に近づけること
ができる。よって、回転時にランデル型ポールコア7に
よって発生する遠心風と固定子鉄心32内周の凹凸によ
って生じる風切り音を低減することができる。
【0026】なお、外部に冷却風の引き込みファンを持
つ、いわゆる外扇ファンタイプの発電機では、スロット
開口部を軸方向通風路としているので、本発明のように
この通風路断面を狭めると通風抵抗が大きくなり、発電
機全体の冷却性能が悪化する。しかし、本発明の発電機
では冷却ファン11を内部に持ち、軸方向から吸入した
冷却風を主に遠心方向に吐出させるので、スロット開口
巾を狭めても、冷却には何ら悪影響を及ぼさない。
【0027】〔第二の実施形態〕第一の実施形態では、
電気導体としての固定子巻線33を丸線としたが、第二
の実施形態では図4に示すように少なくともスロット内
に位置する部分がスロット形状に沿った略矩形状、すな
わちスロット内壁面に沿った平面をもつ断面とされてい
る。このため、更に占積率を上げて巻線断面積を増や
し、その結果、巻線抵抗値を低減して高出力化が可能で
ある。また固定子巻線33と固定子鉄心32間の接触面
積が大きくなるので伝熱良好となり、巻線温度を更に低
減できる。また、占積率が上がることにより、固定子2
全体の剛性が高まることから磁気的騒音を低減できる効
果もある。
【0028】更に、スロット開口部35が電気導体の平
面部によって塞がれるため、固定子巻線33に丸線を使
った場合に比べ、固定子鉄心32の内周は、より平滑円
筒面に近づけることができる。よって、回転時にランデ
ル型ポールコア7によって発生する遠心風と固定子鉄心
32内周の凹凸によって生じる風切り音を、更に低減す
ることができる。
【0029】この実施形態においても固定子巻線33の
断面の各部寸法はスロット開口巾よりも大きい。なお固
定子巻線33の断面は長方形状である。そして、その長
辺側の巾がスロット開口巾より大きい。更に、その短辺
側の巾も図示のようにスロット開口巾より大きいことが
望ましい。また、第一の実施形態では、固定子巻線33
に連続線を使って各スロットに巻装したが、第二の実施
形態では図5に示すようにターン部33cを有する略U
字状の導体セグメントを、固定子鉄心32の軸方向から
直線部33aをそろえて差し込んだ後、反ターン部側の
スロット外の導体を折り曲げて端部33bを結線し、全
体で固定子巻線33を為すようにしている。各セグメン
トの端部33bの結線は、超音波溶着、アーク溶接、ろ
う付け等の電気的導通、あるいはかしめなどの機械加工
手段でもよい。これにより、連続線を各スロットに巻装
する場合に比べ、巻線形成の工程が容易になる。また、
電気導体はスロットの奥に位置する外層と開口側に位置
する内層とに二分されたものが一対以上配設され、異な
るスロットの前記内、外層の導体が直列に接続されてい
るので、図6に示す通り、コイルエンド部での異相間の
干渉が回避できるので、容易にスロット奥まで電気導体
を配設でき、従って高占積率化を容易に実現できる。な
お、図6は、1スロットあたりの導体数が4ターン、即
ち外層、内層が2対の場合を示しており、対数が変わっ
ても異相間の干渉が回避できることは同様である。
【0030】また、固定子巻線33を導体セグメントに
分割すれば、導体の矩形化も容易であり、高占積率化が
図れるとともにプレス等での導体作成も可能となるの
で、素材、加工コストの低減が図れる。 〔その他の実施形態〕第二の実施形態では略U字状の導
体セグメントを用いたが、図7に示すように、略J字状
の導体セグメントを固定子鉄心32の軸方向から直線部
33hをそろえて差込んだ後、結線を固定子鉄心32の
略両側面にて行い、全体として固定子巻線33を為すよ
うにしてもよい。この場合、導体セグメントの形状がよ
り単純化されるので、セグメント自体の製作工程が容易
になり、安価な設備で対応できる。
【0031】第二の実施形態では、固定子巻線33の断
面は長方形状であり、その長辺側がスロット開口部35
を塞ぐように配列されているが、図8に示すように、ス
ロット内において固定子巻線33を径方向にのみ沿って
一列に配列し、短辺側がスロット開口部35を塞ぐよう
に配置してもよい。このような長方形断面の導体の縦積
み配列を採用することで正方形断面の導体を用いる場合
や、図4のような長方形断面導体の横積み配列を採用す
る場合に比べて、スロット内における電気導体の表面と
鉄心との対向面積の割合を大きくでき、導体から鉄心へ
の熱伝達を向上できる。また、コイルエンド31の軸方
向長さを変えることなく、言い替えれば巻線の電気抵抗
値を増加させることなく、各巻線間の周方向の隙間を広
げることができる。このことは、1スロットあたりのタ
ーン数が4ターンの場合のコイルエンドの斜視図である
図6からも明らかである。よって、冷却ファン11によ
る遠心方向の冷却風に対する通風抵抗を低減できるので
冷却風量が増すと共に、コイルエンド31の中を冷却風
が通過するので、冷却性が向上し、更に高出力化が可能
となる。
【0032】本実施形態では、固定子巻線33の抵抗値
が大幅に下がり、冷却性に余裕ができるので、内蔵ファ
ンは回転子3の片側側面だけであってもよい。この場
合、部品点数、加工工数を減らして安価にできるととも
に、小型化が可能となる。また、図9に示すように、回
転子3の冷却ファン11が設置されていない端面に、フ
レーム4の吸入孔41の外周部の内壁面42を近接させ
て対向させると、この内壁面がファンのシュラウドの役
割を担うので、ポールコアディスク部72のファン能力
が増す。これにより、冷却ファンを両側に設ける場合に
比べて、部品点数、加工工数を増やすことなく、同等の
冷却性能を達成でき、さらに高出力化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の固定子の部分的な断
面図である。
【図2】車両用交流発電機の出力特性を示すグラフであ
る。
【図3】本発明による固定子を組み込んだ車両用交流発
電機の断面図である。
【図4】第二の実施形態の固定子の部分的な断面図であ
る。
【図5】導体セグメントの斜視図である。
【図6】コイルエンドの斜視図である。
【図7】他の導体セグメント例の斜視図である。
【図8】固定子の変形例を示す断面図である。
【図9】他の実施形態の車両用交流発電機の断面図であ
る。
【図10】従来の予備成形された巻線の一部を示す図で
ある。
【図11】従来の塑性変形による磁束収集用突起部の形
成過程を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 固定子 3 回転子 32 固定子鉄心 33 固定子巻線 34 インシュレータ 35 開口部 36 磁束収集用突起部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子と、該回転子の外周に対向配置し
    た固定子と、前記回転子と固定子とを支持するフレーム
    とを有する車両用交流発電機において、前記固定子は、
    複数のスロットを有する固定子鉄心と該スロットに収納
    された複数の電気導体を有し、該スロットの内周側の開
    口部の巾は前記スロットの電気導体収容部の巾よりも狭
    く、かつ該電気導体の最小巾より狭いことを特徴とする
    車両用交流発電機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記スロットは、前記固定子鉄心の軸方向の両端面に、
    前記電気導体の入口としての端面開口部を有することを
    特徴とする車両用交流発電機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記スロットの内周側の開口部は、前記スロット内へ前
    記電気導体を収納する前に、前記スロットの電気導体収
    容部の巾よりも狭く、かつ前記電気導体の最小巾よりも
    狭く形成されていることを特徴とする車両用交流発電
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記電気導体は、直径が前記スロットの開口部の巾より
    も大なる円形断面を有し、該電気導体が所定のスロット
    に巻装されて、全体で巻線を為すことを特徴とする車両
    用交流発電機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記回転子の軸方向両端部のうち少なくとも片側に冷却
    ファンを配設したことを特徴とする車両用交流発電機。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記回転子の軸方向両端面に冷却ファンを配設したこと
    を特徴とする車両用交流発電機。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記回転子の軸方向の端面が、前記フレームの吸気口外
    周部のシュラウド部と近接して対向していることを特徴
    とする車両用交流発電機。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記電気導体の前記スロット内における断面は、略矩形
    状であることを特徴とする車両用交流発電機。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、 前記スロット内には、複数の電気導体が互いに電気的に
    絶縁されて収容されており、これら複数の電気導体は、
    前記スロットの奥に位置する外層と前記開口部側に位置
    する内層とを一対以上構成しており、しかも異なるスロ
    ットに収容された異なる層の電気導体が電気的に直列接
    続をなして固定子巻線を形成していることを特徴とする
    車両用交流発電機。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記固定子巻線は、複数の導体セグメントを組み合わせ
    て構成されており、 前記導体セグメントは、 前記内層の電気導体として一のスロット内に収容される
    一方の直線部と、前記外層の電気導体として他のスロッ
    ト内に収容される他方の直線部と、これら直線部と連続
    した材料からなりこれら直線部をその一端側で接続する
    ターン部とを有し、前記直線部の他端側に設けられたス
    ロットからの突出部で他の前記導体セグメントと接合さ
    れた略U字状のセグメントを含んでいることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  11. 【請求項11】 請求項9において、 前記固定子巻線は、複数の導体セグメントを組み合わせ
    て構成されており、 前記導体セグメントは、 前記内層あるいは前記外層の電気導体として前記スロッ
    ト内に収容される直線部を有し、この直線部の両端に設
    けられたスロットからの突出部で他の前記導体セグメン
    トと接合されたセグメントを含んでいることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかにおいて、 前記スロット内における前記電気導体は、前記固定子の
    径方向に沿って長辺方向を配置した略長方形状の断面を
    有し、その長手方向の2面を前記スロット内の内壁面に
    対向させて前記スロット内に配列されて収容されている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
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