JP2003017972A - 弾性表面波装置およびその製造方法とこれを用いた電子部品 - Google Patents

弾性表面波装置およびその製造方法とこれを用いた電子部品

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JP2003017972A
JP2003017972A JP2001371249A JP2001371249A JP2003017972A JP 2003017972 A JP2003017972 A JP 2003017972A JP 2001371249 A JP2001371249 A JP 2001371249A JP 2001371249 A JP2001371249 A JP 2001371249A JP 2003017972 A JP2003017972 A JP 2003017972A
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electrode
acoustic wave
surface acoustic
wave device
electrodes
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Kazuo Ikeda
和生 池田
Kazunori Nishimura
和紀 西村
Yasumichi Murase
恭通 村瀬
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、線間のインピーダンスが高くなるた
め、発生した電荷を十分に均一化することができず、電
極間で静電気放電が発生し、電極が破損したり電気特性
が劣化したりするという課題を無くした弾性表面波装置
を提供する。 【解決手段】 ダイシングライン8の内側に、櫛型電極
2および反射器電極3の周囲を場所により幅が異なる枠
状で短絡した補助電極6で囲んだ構成を有しており、こ
れにより圧電性を有する基板1の焦電性により発生した
電荷を効率よく電気的に均一化できるという作用効果が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通信機器に用いられ
る弾性表面波装置およびその製造方法とこれを用いた電
子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来弾性表面波装置は圧電性を有する基
板上の全面に金属薄膜を形成し、その上にレジストを塗
布し、露光、現像後、エッチングすることにより所望の
インターデジタル電極(Inter Digital Transduce
r)、グレーティング反射器電極(Grating Reflecto
r)、それらの周囲を囲むダイシングライン、およびこ
れらを接続する細線など所望の電極パターンを形成し、
ダイシングライン上を切断して個片の弾性表面波装置を
製造している。
【0003】この方法では、一旦圧電性を有する基板か
ら切り離された弾性表面波装置は、インターデジタル電
極やグレーティング反射器電極が電気的に分離されるた
め、弾性表面波装置に熱や歪みが加わると圧電性を有す
る基板の持つ焦電効果により電荷が発生し、各電極間の
電荷が不均一になると対向するインターデジタル電極間
やグレーティング反射器電極間およびインターデジタル
電極とグレーティング反射器電極の電極間で放電するこ
とにより電極が破損したり、弾性表面波装置の特性が劣
化したりする。
【0004】一方、この問題を解決する手段として特開
平11−298289号公報に記載の方法が知られてい
る。すなわち、ダイシングラインの内側にインターデジ
タル電極やグレーティング反射器電極の周囲を囲む金属
薄膜の短絡細線を設け、これらの金属薄膜の短絡細線と
インターデジタル電極とを電気的に接続する複数の細線
を配設することにより、発生した電荷を電気的に均一化
し、静電気放電による破損および電気特性の劣化を防止
する構成が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようにダイシングラインの内側にインターデジタル電極
やグレーティング反射器電極の周囲を囲む金属薄膜の短
絡細線を設け、これらの金属薄膜の短絡細線とインター
デジタル電極とを電気的に接続する複数の細線を配設す
る構成では、発生する電荷が大きい場合や、電極間距離
が狭い場合、接続された電極間が離れている場合や、金
属薄膜の短絡細線とインターデジタル電極とを接続した
線が細い場合や、接続した線がミアンダラインや線の一
部が他の部分よりも細い場合などには、線間のインピー
ダンスが高くなるため、発生した電荷を十分に中和、均
一化することができず、電極間で静電気放電が発生し、
電極が破損したり電気特性が劣化したりするという課題
を有していた。
【0006】本発明は上記の課題を解決するものであ
り、圧電性を有する基板に歪みや熱処理によって発生し
た電荷を効率よく均一化するとともに、個片の弾性表面
波装置に分離した後でも電位を均一化し、電極が破損し
たり電気特性が劣化したりするのを防止する弾性表面波
装置およびその製造方法とこれを用いた電子部品を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成を有するものである。
【0008】本発明の請求項1に記載の発明は、ダイシ
ングラインの内側に櫛型電極と反射器電極および櫛型電
極および反射器電極の周囲に場所により幅が異なる枠状
で短絡した補助電極を設けたという構成を有しており、
これにより熱処理などで発生した電荷を効率よく電気的
に均一化できるという作用効果が得られる。
【0009】本発明の請求項2に記載の発明は、場所に
より幅が異なる枠状で短絡した補助電極は弾性表面波装
置のグランド電極として用いるという構成を有してお
り、これにより電気的に均一化したグランド電極を得ら
れるという作用効果が得られる。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明は、場所に
より幅が異なる枠状で短絡した補助電極は略均等に配置
したという構成を有しており、これにより各部で発生し
た電荷を略等しくし電気的に均一化するという作用効果
が得られる。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明は、櫛型電
極に接続して帯状の入、出力端子引き出し電極を設ける
と共に、入、出力端子引き出し電極に接続して入、出力
端子電極を設けたという構成を有しており、これにより
入、出力端子引き出し電極、入、出力端子電極で発生し
た電荷を均一化できるという作用効果が得られる。
【0012】本発明の請求項5に記載の発明は、入、出
力端子引き出し電極は相対向して設け、それらの面積は
略等しくしたという構成を有しており、これにより入、
出力端子引き出し電極で発生した電荷を均一化できると
いう作用効果が得られる。
【0013】本発明の請求項6に記載の発明は、入、出
力端子電極は相対向して設け、それらの面積を略等しく
したという構成を有しており、これにより入、出力端子
電極で発生した電荷を均一化できるという作用効果が得
られる。
【0014】本発明の請求項7に記載の発明は、少なく
とも入、出力端子引き出し電極と入、出力端子電極と場
所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極のうちいず
れか一つの電極は少なくとも最上層の電極を蒸着で形成
したという構成を有しており、これにより電極の最上層
に残留歪みをなくすことができるため外部端子との接続
状態を安定化することができるという作用効果が得られ
る。
【0015】本発明の請求項8に記載の発明は、最上層
の電極は軟らかい材質であるという構成を有しており、
これにより軟らかい材質で電極の最上層に残留歪みをな
くすことができるため外部端子との接続状態を安定化す
ることができるという作用効果が得られる。
【0016】本発明の請求項9に記載の発明は、軟らか
い材質はアルミニウムまたはアルミニウム合金であると
いう構成を有しており、これにより軟らかい材質で電極
の最上層の残留歪みをなくすことができるため外部端子
との接続状態を安定化することができるという作用効果
が得られる。
【0017】本発明の請求項10に記載の発明は、櫛型
電極と、反射器電極と、入、出力端子電極と、入、出力
端子引き出し電極と場所により幅が異なる枠状で短絡し
た補助電極は、1種類または複数種類の金属を重ねて形
成したという構成を有しており、これにより発生した電
荷に対する電極の耐電力を向上させることができるとい
う作用効果が得られる。
【0018】本発明の請求項11に記載の発明は、反射
器電極と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極
を電気的に接続したという構成を有しており、これによ
り反射器電極で発生した電荷を枠状で短絡した補助電極
を通して全体に均一化できるという作用効果が得られ
る。
【0019】本発明の請求項12に記載の発明は、反射
器電極と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極
を複数の線または帯状の電極で電気的に接続したという
構成を有しており、これにより発生した電荷を効率よく
均一化できるという作用効果が得られる。
【0020】本発明の請求項13に記載の発明は、反射
器電極と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極
を電気的に接続する線は少なくともダイシングラインよ
り太くしたという構成を有しており、これにより場所に
より幅が異なる枠状で短絡した補助電極とダイシングラ
インの電位を小さくするという作用効果が得られる。
【0021】本発明の請求項14に記載の発明は、反射
器電極と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極
を電気的に開放状態にしたという構成を有しており、こ
れにより前記場所により幅が異なる枠状で短絡した補助
電極の電位変化の影響を受けにくくなるという作用効果
が得られる。
【0022】本発明の請求項15に記載の発明は、反射
器電極をミアンダラインで構成し、この反射器電極と櫛
型電極を電気的に接続したという構成を有しており、こ
れにより前記反射器電極と前記櫛型電極を等電位にする
という作用効果が得られる。
【0023】本発明の請求項16に記載の発明は、ダイ
シングラインと場所により幅が異なる枠状で短絡した補
助電極を電気的に接続したという構成を有しており、こ
れにより圧電性を有する基板上に発生した電位を均一に
できるという作用効果が得られる。
【0024】本発明の請求項17に記載の発明は、ダイ
シングラインと場所により幅が異なる枠状で短絡した補
助電極を1本または複数の線または帯状の電極で電気的
に接続したという構成を有しており、これにより圧電性
を有する基板上に発生した電位を早く均一にできるとい
う作用効果が得られる。
【0025】本発明の請求項18に記載の発明は、ダイ
シングラインと場所により幅が異なる枠状で短絡した補
助電極を電気的に接続する線は少なくともダイシングラ
インより太くしたという構成を有しており、これにより
圧電性を有する基板上に発生した電位をより早く均一に
できるという作用効果が得られる。
【0026】本発明の請求項19に記載の発明は、ダイ
シングラインと場所により幅が異なる枠状で短絡した補
助電極と反射器電極を電気的に接続したという構成を有
しており、これにより圧電性を有する基板上に発生した
電位をより早く均一にできるという作用効果が得られ
る。
【0027】本発明の請求項20に記載の発明は、場所
により幅が異なる枠状で短絡した補助電極を櫛型電極の
一部と電気的に接続したという構成を有しており、これ
により櫛型電極と場所により幅が異なる枠状で短絡した
補助電極を含むより広い電極領域を等電位にすることが
できるため、圧電性を有する基板上に発生した電位を早
く均一にできるという作用効果が得られる。
【0028】本発明の請求項21に記載の発明は、圧電
性を有する基板上にダイシングラインと、その内側に櫛
型電極と、反射器電極と、櫛型電極および反射器電極の
周囲に場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極
と、入、出力端子引き出し電極と入、出力端子電極を設
ける工程と、ダイシングライン上を切断する工程を含む
という方法であり、これにより圧電性を有する基板上に
発生した電位を均一にすると共にダイシング位置を確認
し易く容易に切断できるという作用効果が得られる。
【0029】本発明の請求項22に記載の発明は、少な
くとも入、出力端子引き出し電極と前記入、出力端子電
極と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極のう
ち一つの電極は、少なくとも最上層の電極を蒸着で形成
するという方法であり、これにより外部端子との接続状
態を安定化できるという作用効果が得られる。
【0030】本発明の請求項23に記載の発明は、最上
層の電極を軟らかい材質で形成するという方法であり、
これにより外部端子との接続状態を安定化できるという
作用効果が得られる。
【0031】本発明の請求項24に記載の発明は、軟ら
かい材質はアルミニウムまたはアルミニウム合金を用い
るという方法であり、これにより外部端子との接続状態
を安定化できるという作用効果が得られる。
【0032】本発明の請求項25に記載の発明は、櫛型
電極と、反射器電極と、入、出力端子引き出し電極と、
入、出力端子電極と、場所により幅が異なる枠状で短絡
した補助電極は、1種類または複数種類の金属を重ねて
形成するという方法であり、これにより発生した電荷に
対する電極の耐電力を向上させることができるという作
用効果が得られる。
【0033】本発明の請求項26に記載の発明は、櫛型
電極および反射器電極の周囲に場所により幅が異なる枠
状で短絡した補助電極と、櫛型電極に接続して帯状の
入、出力端子引き出し電極および入、出力端子電極を設
け、バンプまたはワイヤーによりベース部材に配設し、
封止したという構成を有しており、これにより強固に接
続された電子部品が得られるという作用効果が得られ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下に本発明の
実施の形態1を用いて、本発明の請求項1〜10、1
4、21〜26について説明する。
【0035】図1(a)は本発明の実施の形態1におけ
る弾性表面波装置の電極パターンの構成を示す平面図、
図1(b)は図1(a)の電極パターンをウエハ上に複
数個形成した構成を示す平面図である。図2は弾性表面
波装置10を用いた電子部品の断面図である。
【0036】1は圧電性を有する基板、2は櫛型電極、
3は反射器電極、4aは入力端子引き出し電極、4bは
入力端子電極、5aは出力端子引き出し電極、5bは出
力端子電極、6は枠状で短絡した補助電極、7はバン
プ、8はダイシングライン、10は弾性表面波装置、1
8は帯状の電極である。
【0037】なお、図1、図2は本実施の形態1の構成
を模式的に示したものであり、それぞれの寸法の相対的
な関係を示したものではない。
【0038】圧電性を有する物質は熱が加わるか、また
は歪みが加わると焦電性により電荷が発生し、場所によ
り電荷に差異が生じると電位差が発生し、静電気放電な
どを引き起こしデバイスの破壊や電気特性の劣化が起こ
る。
【0039】これを防止するためには、発生した電位差
をできるだけ早く、同じ電位にすることが有効である。
【0040】本発明では、発生した電位をできるだけ等
しくし、弾性表面波装置の中で電位のバランスを取るた
めには、弾性表面波装置の回路パターンの中に低インピ
ーダンスの部分をできるだけ広く設けることが有効であ
ることを見出したものである。
【0041】すなわち本発明の弾性表面波装置10の電
極パターンは、圧電性を有する基板1上にダイシングラ
イン8を設け、その内側に櫛型電極2と、櫛型電極2よ
り発生する表面波の伝搬方向に近接して櫛型電極2の両
側に反射器電極3を配置し、櫛型電極2および反射器電
極3の周囲を場所により幅が異なる枠状で短絡した補助
電極6で囲んで構成されている。
【0042】ここで、場所により幅が異なる枠状で短絡
した補助電極6はグランド電極として用いられており、
個片の弾性表面波装置10の中で、場所により幅が異な
る枠状で短絡した補助電極6は略均等例えば略点対称や
略面対称などのように弾性表面波装置10の中で偏りが
ないように配置するとともに、櫛型電極2に接続した帯
状の入、出力端子引き出し電極4a、5aを相対向して
設けるとともに、この入、出力端子引き出し電極4a、
5aの面積を略等しくし、入、出力端子引き出し電極4
a、5aに接続して入、出力端子電極4b、5bを相対
向して設けるとともに、この入、出力端子電極4b、5
bの面積を略等しくし、反射器電極3と場所により幅が
異なる枠状で短絡した補助電極6を電気的に開放状態に
し、櫛型電極2間を帯状の電極18で接続した電極構成
にしている。
【0043】また、入、出力端子引き出し電極4a、5
a及び入、出力端子電極4b、5bは相対向し、それら
の面積を略等しくすることにより圧電性を有する基板1
から発生する電荷のバランスが取りやすくなるため電位
を均一にするのに有効である。
【0044】電極パターン配置の関係で例えばこれらの
電極を相対向して設けられない場合は、略線対称、略点
対称などの方法によりできるだけ均等に配置することに
より相対向した場合に近い効果が得られる。
【0045】また、枠状で短絡した補助電極6はインピ
ーダンスをできるだけ小さくし、電位を均一にするため
に回路設計上可能な範囲で電極の幅を広くしたもので、
場所によって幅が異なり、面積的に広がりを持つ点で細
線とは明らかに異なるものである。
【0046】このように、櫛型電極2および反射器電極
3の周囲を枠状で短絡した補助電極6で囲むことによ
り、細線に比べ線幅が広く、線間、面内のインピーダン
スを小さくできるため、圧電性を有する基板1の焦電性
によって発生した電荷が溜まって生じる電位を早く均一
にすることができるとともに、細線に比べより広い領域
の電位を均一にすることが可能となる。
【0047】また、枠状で短絡した補助電極6を弾性表
面波装置10が実装された基板などの外部回路のグラン
ドに接続し、弾性表面波装置10のグランド電極として
用いることにより、より大きい外部回路のグランドと電
気的に共通したグランドにすることができるため、電位
の変化をより早くより均一にすることができ圧電性を有
する基板1の焦電性によって発生した電荷の影響を小さ
くすることができる。
【0048】弾性表面波装置10が電位差を発生する原
因は弾性表面波装置10に熱が加わったり、機械的歪み
が加わることにより圧電性を有する基板1の持つ焦電性
から電荷が発生するものであり、通常の製造状態では局
部的に電荷が発生するのではなく、弾性表面波装置全体
から電荷が発生する。
【0049】ところで、一般に弾性表面波装置の中で最
も面積が広いのはバンプなどとの接続用入、出力端子電
極部であり、この部分から最も電荷が発生する。
【0050】従って、櫛型電極2、反射器電極3などの
機能部を取り囲み、入、出力端子電極部を中心とする部
位にできるだけ広い面積の共通電極部を設けることによ
り、発生した電荷を効率よく均一化し電位を等しくで
き、静電気放電などの発生を抑制するとともに弾性表面
波装置10の特性劣化を抑制することができる。
【0051】ところで、静電気放電によるデバイスの損
傷を防止する方法としては、例えば隣接する電極間に予
め電極間隔の狭い部分を設けておき、ある程度電荷が溜
まるとデバイスを損傷させない範囲で部分的に静電気放
電させる方法と、静電気の原因になる電位の不均一性自
体を抑制する方法がある。
【0052】部分的に静電気放電させる方法では電荷が
溜まる度に放電を繰り返すことになり安定した状態を得
にくいが、電位の不均一性自体を抑制する方法ではでき
るだけ広い面積の共通電極部を設けることにより圧電性
を有する基板1から発生する電荷が局部的に不均一にな
らず等電位にすることにより静電気放電の原因を恒久的
に除去することができる。
【0053】従って、静電気放電を抑制するためには、
電極間距離を制御して故意に静電気放電を発生させる方
法よりも、櫛型電極2や反射器電極3と枠状で短絡した
補助電極6などにより等電位の部分を広くするためにで
きるだけ広い面積の共通電極部を設けて静電気放電が発
生しないようにすることが最も有効である。
【0054】また、予め弾性表面波装置の中で帯状の
入、出力端子引き出し電極4a、5aおよび入、出力端
子電極4b、5bの面積を略等しくしたり、また枠状で
短絡した補助電極6を全体にバランス良く均等に配置し
て設けることにより、局部的に大きな電荷が溜まる場所
をなくすことができるため、電位をより均一にすること
ができる。
【0055】このように、枠状で短絡した補助電極6を
全体にバランス良く均等に配置して設けたことにより、
例えば反射器電極3が枠状で短絡した補助電極6と電気
的に開放された状態であっても、またダイシングライン
8と反射器電極3が電気的に開放された状態であって
も、弾性表面波装置10に発生する電荷を均一化できる
ため、局部的な電位の差異を生じることが無く、デバイ
スの破壊や電気特性の劣化を起こらなくすることができ
る。
【0056】また、ダイシングライン8上を切断するこ
とにより切断に伴う位置合わせ作業を容易に行うことが
できるとともに、電気的に短絡したダイシングライン8
を弾性表面波装置の外周部に設けることにより発生した
電荷を均一化するのに有効に作用させることができる。
【0057】なお、櫛型電極2および/または反射器電
極3は複数組設けたものであっても同様の効果を得るこ
とができる。
【0058】本発明の弾性表面波装置は以下のようにし
て製造する。
【0059】LiTaO3などからなる圧電性を有する
基板1上に、スパッタリング装置を用いて(図示せず)
Tiの金属薄膜を形成し、その上にAl−Sc−Cu、
Tiの金属薄膜をスパッタリング装置(図示せず)を用
いて重ねて形成する。
【0060】ここで、スパッタリングで形成する金属薄
膜の材質はAl−Sc−Cu、Ti以外に目的に応じて
その他の金属および合金を用いてもかまわないし、また
金属薄膜は1層以上であれば目的に応じて何層積層して
もかまわないし、積層する順序は目的に応じて変更して
もかまわない。
【0061】次に前記金属薄膜の上にレジストを塗布
し、所望のフォトマスクを合わせ、ステッパー装置(図
示せず)などを用いて露光する。次に、現像装置(図示
せず)を用いて露光された部分のレジストを現像して不
要部分のレジストを除去する。
【0062】さらに、ドライエッチング装置(図示せ
ず)などを用いて前記金属薄膜に所望の電極パターンを
形成する。次に残ったレジストを除去した後、電極パタ
ーン上に再度レジストを塗布し、所望のフォトマスクを
合わせ、ステッパー装置(図示せず)などを用いて露光
する。次に、現像装置(図示せず)を用いて露光された
部分のレジストを現像し、不要部分のレジストを除去す
る。
【0063】その後、蒸着装置(図示せず)を用いてA
lなどの金属薄膜を形成し、入、出力端子電極4b、5
bの上にAlの蒸着膜を形成し、残ったレジストを除去
する。
【0064】Alの蒸着膜を設ける部分は入、出力端子
電極4b、5b以外に必要に応じて他の部分例えば入、
出力端子引き出し電極4a、5a、枠状で短絡した補助
電極6に設けてもかまわない。
【0065】なお、所望の電極パターンを形成する方法
としては、これ以外の方法例えば所望の金属薄膜層を先
に形成した後、ドライエッチング装置(図示せず)など
を用いて金属薄膜に所望の電極パターンを一度に形成し
てもかまわない。
【0066】次にダイシング装置(図示せず)などを用
いてダイシングライン8上を切断し、個片の弾性表面波
装置10を得る。
【0067】なお、本実施の形態1で用いた電極パター
ンでは、枠状で短絡した補助電極6の幅は、弾性表面波
装置の動作周波数の波長をλとした場合λ/4〜100
λの範囲の幅を有していたが、幅の大きさはこれら以外
の範囲のものでもかまわない。
【0068】次にこうして得られた弾性表面波装置10
を用いて電子部品を組み立てる。
【0069】図2に弾性表面波装置10を用いた電子部
品の断面図を示す。
【0070】9はベース部材、10は弾性表面波装置、
11はバンプ、12はパッド、13は引き出し電極、1
4は端子電極、15は蓋体、16は接着部材である。
【0071】弾性表面波装置10のパッド12に金など
からなるバンプ11を形成する。
【0072】次に、予め引き出し電極13と、端子電極
14を設けたベース部材9に、バンプ11を形成した弾
性表面波装置10をバンプ11が引き出し電極13と接
触するように配置し、超音波などでバンプ11を接合、
実装する。
【0073】その後、封止装置(図示せず)を用いて、
弾性表面波装置10を実装したベース部材9と、予め半
田などの接着部材16を担持させた蓋体15を、接着部
材16側がベース部材9と対向するように配置して加
熱、封止し電子部品を得る。
【0074】なお、電子部品の製造にあたっては上述し
た方法以外に、必要に応じて他の構成例えばワイヤーボ
ンディングなどで外部端子と接続してもかまわないし、
接着部材16として例えば金又は金を含むろう材などを
用いてもかまわない。
【0075】ところで、バンプボンディングはワイヤー
ボンディングに比べ接合する電極などとの接触する面積
が大きくできるため、接合の信頼性が高くできるが、一
方でバンプと接触する部分の電極にバンプボンディング
の際に発生する歪みが残ると、電極間で剥離したりして
逆に接合の信頼性が低下する場合がある。
【0076】本発明では、スパッタリングよりも蒸着に
よって金属薄膜を形成した場合の方が、バンプボンディ
ングの際に発生する歪みや電気腐食および切断時の腐食
が起こり難いことを見い出した。この理由は、スパッタ
リングが物理的に金属粒子を積み重ねるだけであるのに
対し、蒸着は下地の結晶配向性と同じ配向性の薄膜が形
成されるため金属粒子間の結合が強くなるためと考えら
れる。
【0077】従って、バンプボンディングする際に、少
なくともバンプと接触する電極の最上層を蒸着で形成す
ることにより、接合による歪みの発生を抑制し、接合の
信頼性を高め、異種金属接合に伴う電気腐食を抑制する
ことができる。
【0078】蒸着で形成する金属薄膜は、軟らかい金属
の方がバンプとの接合性が良く、例えばアルミニウムま
たはアルミニウム−銅合金などが望ましい。
【0079】なお、バンプと接触する電極の最上層に加
えてその他の層を蒸着で形成しても同様の効果が得られ
る。
【0080】また、電極を1種類以上の複数種類の金属
例えばAl、Ti、Cu、Cr、Ni又はこれらの合金
を重ねることにより電極の耐電力が高められるため、複
数種類の金属を重ねた上に最上層の電極を蒸着で形成す
ることにより、接合歪みの発生を抑制し、耐電力を高め
た電極を得ることができる。
【0081】なお、バンプを形成する位置は本実施の形
態1で示した位置以外であってもかまわない。また、帯
状の入力端子引き出し電極4aおよび出力端子引き出し
電極5aは電極の幅が一定であっても、異なるものであ
ってもかまわない。
【0082】このようにして得られた弾性表面波装置1
0のホット端子例えば入、出力端子引き出し電極4a、
5a、入、出力端子電極4b、5b、帯状の電極18は
ダイシングラインに接続されていないため互いに電気的
に独立しており、適宜必要な電極に端子などを当てて電
気的接続することにより弾性表面波装置10の電気特性
を予め測定することができる。
【0083】すなわち、ウエハ状態で弾性表面波装置1
0の電気特性を予め測定することができるため、ウエハ
を個片に切断する前に特性選別を行うことが可能で、後
工程では良品のみを用いて電子部品を組み立てることが
できる。
【0084】以上のように本発明によれば、ダイシング
ライン8の内側に櫛型電極2および反射器電極3の周囲
を枠状で短絡した補助電極6で囲み、少なくともバンプ
と接触する電極の最上層を蒸着で形成することにより、
圧電性を有する基板1の焦電性によって発生した電位を
より早く、より簡単に均一化することができるととも
に、電極の接合性を高め、異種金属接合に伴う腐食を抑
制し、耐電力を高められ、静電気などの放電によるデバ
イスの破壊や、特性劣化のない優れた弾性表面波装置お
よびこれを用いた電子部品を簡単に製造することができ
る。
【0085】(実施の形態2)以下に本発明の実施の形
態2を用いて、本発明の請求項11〜13、20につい
て説明する。
【0086】図3は、本発明の実施の形態2における弾
性表面波装置の電極パターンの構成を示す平面図であ
る。図3において実施の形態1の図1(a)で説明した
ものと同一のものは同一番号を付与し、詳細な説明は省
略する。なお、図3は本実施の形態2の構成を模式的に
示したものであり、それぞれの寸法の相対的な関係を示
したものではない。
【0087】本実施の形態2の図3と実施の形態1の図
1とで相違する点は、反射器電極3と場所により幅が異
なる枠状で短絡した補助電極6を電気的に接続するとと
もに、櫛型電極2を3個設け、両端の櫛型電極2を相互
に接続するとともに、場所により幅が異なる枠状で短絡
した補助電極6と電気的に接続し、中央の櫛型電極2に
接続してグランド引き出し電極21a、グランド電極2
1bを設けたことである。
【0088】すなわち、実施の形態1においては、反射
器電極3と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電
極6は電気的に開放された構成になっているが、本実施
の形態2においては、反射器電極3と場所により幅が異
なる枠状で短絡した補助電極6を複数の帯状の電極17
で電気的に接続するとともに、櫛型電極2を3個設け、
両端の櫛型電極2を相互に帯状の電極18で接続すると
ともに、場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極
6と複数の帯状の電極20で電気的に接続する構成にし
たものであり、それ以外は実施の形態1と同様にして弾
性表面波装置および電子部品を製造した。
【0089】図3において、反射器電極3と枠状で短絡
した補助電極6を複数の帯状の電極17で電気的に接続
することにより、反射器電極3で発生した電荷が複数の
帯状の電極17を介して場所により幅が異なる枠状で短
絡した補助電極6を含むより広い電極全体で電位を均一
化することができる。
【0090】すなわち、両端の櫛型電極2と反射器電極
3と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極6を
複数の帯状の電極17、18、20で接続することによ
り、より広い電極を共通電極とすることができるため、
発生した電荷をより広い面積の共通電極で均一化し電位
を等しくすることができるとともに、幅の広い電極で相
互に接続することにより、電気的に開放された場合に比
べインピーダンスを小さくすることができるため静電気
放電を起こりにくくすることができる。
【0091】なお、櫛型電極2および反射器電極3を場
所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極6と電気的
に接続した効果は電極パターンの設計により異なるが、
電位を均一化でき電極を低インピーダンスで接続できる
ものであれば線状でも、面状でもかまわないし、その本
数もいくらであってもかまわないが、望ましくは面状で
接続する本数が多い方がより効果的である。
【0092】また、櫛型電極2と場所により幅が異なる
枠状で短絡した補助電極6を線で電気的接続する場合
は、接続された経路の途中にインピーダンスの高い部分
があるのは好ましくないため例えば線幅は同じかもしく
は外周部に行くに従って細くなることが望ましい。
【0093】一般に電極パターンの設計においてはダイ
シングラインを最も細くすることから、少なくともダイ
シングラインと同じかそれよりも太い線で接続すること
が望ましい。
【0094】従って、実施の形態1と比較すると櫛型電
極2および反射器電極3を含めたより広い電極を共通電
極とすることができるため、各部で発生する電位差をよ
り小さくすることができ、静電気放電によるデバイスの
破壊や、特性劣化のない優れた弾性表面波装置およびこ
れを用いた電子部品を簡単に製造することができる。
【0095】(実施の形態3)以下に本発明の実施の形
態3を用いて、本発明の請求項16〜18について説明
する。
【0096】図4は本発明の実施の形態3における弾性
表面波装置の電極パターンの構成を示す平面図である。
図4において実施の形態1の図1(a)で説明したもの
と同一のものは同一番号を付与し、詳細な説明は省略す
る。なお、図4は本実施の形態2の構成を模式的に示し
たものであり、それぞれの寸法の相対的な関係を示した
ものではない。
【0097】本実施の形態3の図4と実施の形態1の図
1とで相違する点は、ダイシングライン8と場所により
幅が異なる枠状で短絡した補助電極6を電気的に接続
し、櫛型電極2を3個設け両端の櫛型電極2を相互に接
続するとともに場所により幅が異なる枠状で短絡した補
助電極6と電気的に接続したことである。
【0098】すなわち、実施の形態1においては、櫛型
電極2と反射器電極3と場所により幅が異なる枠状で短
絡した補助電極6とダイシングライン8は相互に電気的
に開放された構成になっているが、本実施の形態3にお
いては、ダイシングライン8と場所により幅が異なる枠
状で短絡した補助電極6を帯状の電極22で電気的に接
続し、櫛型電極2を3個設け両端の櫛型電極2を帯状の
電極18で相互に接続するとともに場所により幅が異な
る枠状で短絡した補助電極6と帯状の電極20で電気的
に接続する構成にしたものであり、それ以外は実施の形
態1と同様にして弾性表面波装置および電子部品を製造
した。
【0099】図4において、ダイシングライン8と場所
により幅が異なる枠状で短絡した補助電極6を帯状の電
極22で電気的に接続することにより、圧電性を有する
基板1上で発生した電荷を、場所により幅が異なる枠状
で短絡した補助電極6およびダイシングライン8を含む
電気的に共通な電極全体で均一化し等電位にすることが
できる。
【0100】すなわち、ダイシングライン8と場所によ
り幅が異なる枠状で短絡した補助電極6を帯状の電極2
2で電気的に接続し、櫛型電極2を3個設け両端の櫛型
電極2を帯状の電極18で相互に接続するとともに場所
により幅が異なる枠状で短絡した補助電極6と帯状の電
極20で電気的に接続することにより、圧電性を有する
基板1上で発生した電荷をより広い電極全体で電位を均
一化し等電位にすることができるとともに、電気的に開
放された場合に比べインピーダンスを小さくすることが
でき静電気放電を起こりにくくすることができる。
【0101】従って、実施の形態1と比較すると、櫛型
電極2を3個設け、両端の櫛型電極2と場所により幅が
異なる枠状で短絡した補助電極6とダイシングライン8
を帯状の電極18、20、22で電気的に接続すること
により、より広い電極を共通電極とすることができるた
め、各部で発生した電位差をより小さくすることがで
き、静電気放電によるデバイスの破壊や、特性劣化のな
い優れた弾性表面波装置およびこれを用いた電子部品を
簡単に製造することができる。
【0102】(実施の形態4)以下に本発明の実施の形
態4を用いて、本発明の請求項19について説明する。
【0103】図5は本発明の実施の形態4における弾性
表面波装置の電極パターンの構成を示す平面図である。
図5において実施の形態1の図1(a)で説明したもの
と同一のものは同一番号を付与し、詳細な説明は省略す
る。なお、図5は本実施の形態4の構成を模式的に示し
たものであり、それぞれの寸法の相対的な関係を示した
ものではない。
【0104】本実施の形態4の図5と実施の形態1の図
1とで相違する点は、ダイシングライン8と場所により
幅が異なる枠状で短絡した補助電極6を電気的に接続
し、櫛型電極2を3個設け両端の櫛型電極2を相互に接
続するとともに場所により幅が異なる枠状で短絡した補
助電極6と両端の櫛型電極2および反射器電極3を電気
的に接続したことである。
【0105】すなわち、実施の形態1においては、櫛型
電極2と反射器電極3と場所により幅が異なる枠状で短
絡した補助電極6およびダイシングライン8は相互に電
気的に開放された構成になっているが、本実施の形態4
においては、櫛型電極2を3個設け両端の櫛型電極2を
相互に接続するとともに、両端の櫛型電極2と反射器電
極3と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極6
とダイシングライン8を帯状の電極17、18、20、
22により電気的に接続したものであり、それ以外は実
施の形態1と同様にして弾性表面波装置および電子部品
を製造した。
【0106】図5において、櫛型電極2を3個設け両端
の櫛型電極2を相互に接続するとともに、両端の櫛型電
極2と反射器電極3と場所により幅が異なる枠状で短絡
した補助電極6とダイシングライン8を帯状の電極1
7、18、20、22により電気的に接続することによ
り、圧電性を有する基板1上で発生した電荷を両端の櫛
型電極2と反射器電極3と場所により幅が異なる枠状で
短絡した補助電極6とダイシングライン8を含む電極全
体で均一化し等電位にすることができる。
【0107】すなわち、両端の櫛型電極2と反射器電極
3と場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極6と
ダイシングライン8を帯状の電極17、18、20、2
2により電気的に接続することにより、両端の櫛型電極
2と反射器電極3と場所により幅が異なる枠状で短絡し
た補助電極6とダイシングライン8を含むより広い電極
全体で電荷を均一化し電位差を小さくすることができる
とともに、枠状の電極17、18、20、22でそれら
を接続することにより電気的に開放された場合に比べ共
通化された電極間のインピーダンスを小さくすることが
できる。
【0108】なお、ダイシングライン8と場所により幅
が異なる枠状で短絡した補助電極6と両端の櫛型電極2
と反射器電極3を電気的に接続した効果は電極パターン
の設計により異なるが、電位を均一化できる電極を低イ
ンピーダンスで接続できるものであれば線状でも、面状
でもかまわないし、その本数はいくらであってもかまわ
ないが、望ましくは面状で、接続する本数が多い方がよ
り効果的である。
【0109】従って、実施の形態1と比較すると両端の
櫛型電極2と反射器電極3と場所により幅が異なる枠状
で短絡した補助電極6とダイシングライン8を電気的に
接続することにより、より広い電極を共通電極とするこ
とができるため、各部で発生する電位差をより小さくす
ることができ、静電気放電などによるデバイスの破壊
や、特性劣化のない優れた弾性表面波装置およびこれを
用いた電子部品を簡単に製造することができる。
【0110】(実施の形態5)以下に本発明の実施の形
態5を用いて、本発明の請求項15について説明する。
【0111】図6は本発明の実施の形態5における弾性
表面波装置の電極パターンの構成を示す平面図である。
図6において実施の形態1の図1(a)で説明したもの
と同一のものは同一番号を付与し、詳細な説明は省略す
る。なお、図6は本実施の形態5の構成を模式的に示し
たものであり、それぞれの寸法の相対的な関係を示した
ものではない。
【0112】本実施の形態5の図6と実施の形態1の図
1とで相違する点は、反射器電極19をミアンダライン
で構成し、反射器電極19と櫛型電極2を電気的に接続
したことである。
【0113】すなわち、実施の形態1においては、櫛型
電極2と反射器電極3は電気的に開放された構成になっ
ているが、本実施の形態5においては、櫛型電極2と反
射器電極3を電気的に接続する構成にしたものであり、
それ以外は実施の形態1と同様にして弾性表面波装置お
よび電子部品を製造した。
【0114】図6において、ミアンダラインで構成した
反射器電極19は櫛型電極2と電気的に接続され、使用
する信号が直流および低周波数帯域では導通している
が、弾性表面波装置が動作する高周波数帯域ではミアン
ダラインはインピーダンスが高くなり、実質的に開放状
態と同様になる。
【0115】また、一方でミアンダラインで構成した反
射器電極19と櫛型電極2を電気的に接続することによ
り共通する電極部分を拡大できるため、圧電性を有する
基板1の焦電性により発生した電荷をより広い電極、よ
り長い電極全体で均一化することができ、各部で発生す
る電位差を小さくすることができる。
【0116】すなわち、ミアンダラインで構成した反射
器電極19と櫛型電極2を電気的に接続することによ
り、動作周波数では実質的に開放状態にし動作上の不具
合をなくすとともに、電気的に接続された共通電極部分
を拡大することにより圧電性を有する基板1上で発生し
た電荷をミアンダラインで構成した反射器電極19と櫛
型電極2を含むより広い電極全体で均一化し等電位にす
ることができる。
【0117】なお、必要に応じて場所により幅が異なる
枠状で短絡した補助電極6とダイシングライン8を、1
本または複数の線または帯状の電極で電気的に接続する
ことにより発生した電位を均一にするための共通電極を
さらに広げてもかまわない。
【0118】従って、実施の形態1と比較するとミアン
ダラインで構成した反射器電極19と櫛型電極2を電気
的に接続することにより、電気的に接続された共通電極
部分を拡大し、圧電性を有する基板1で発生した電荷を
ミアンダラインで構成した反射器電極19と櫛型電極2
を含む電極全体で均一化し等電位にすることができるた
め、各部で発生する電位差をより小さくすることがで
き、静電気放電などによるデバイスの破壊や、特性劣化
のない優れた弾性表面波装置およびこれを用いた電子部
品を簡単に製造することができる。
【0119】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ダイシン
グラインの内側に、櫛型電極および反射器電極の周囲を
場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極で囲むこ
とにより、個片に切断した後でも圧電性を有する基板の
焦電性によって発生する電位差をより早く、より簡単に
均一化することができるため、静電気放電などによるデ
バイスの破壊や、特性劣化のない優れた弾性表面波装置
およびこれを用いた電子部品を簡単に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における弾性表面
波装置の電極パターンの構成を示す平面図 (b)本発明の実施の形態1における弾性表面波装置の
電極パターンをウエハ上に複数個形成した構成を示す平
面図
【図2】本発明の実施の形態1における電子部品の断面
【図3】本発明の実施の形態2における弾性表面波装置
の電極パターンの構成を示す平面図
【図4】本発明の実施の形態3における弾性表面波装置
の電極パターンの構成を示す平面図
【図5】本発明の実施の形態4における弾性表面波装置
の電極パターンの構成を示す平面図
【図6】本発明の実施の形態5における弾性表面波装置
の電極パターンの構成を示す平面図
【符号の説明】
1 圧電性を有する基板 2 櫛型電極 3 反射器電極 4a 入力端子引き出し電極 4b 入力端子電極 5a 出力端子引き出し電極 5b 出力端子電極 6 枠状で短絡した補助電極 7 バンプ 8 ダイシングライン 9 ベース部材 10 弾性表面波装置 11 バンプ 12 パッド 13 引き出し電極 14 端子電極 15 蓋体 16 接着部材 17 反射器と枠状で短絡した補助電極を接続する帯状
の電極 18 帯状の電極 19 ミアンダラインで構成した反射器電極 20 帯状の電極 21a グランド引き出し電極 21b グランド電極 22 帯状の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村瀬 恭通 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA27 DD14 DD19 FF03 HA02 HA03

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性を有する基板上に櫛型電極と、こ
    の櫛型電極より発生する表面波の伝搬方向に近接して反
    射器電極を設け、前記櫛型電極および反射器電極の外周
    部にダイシングラインを配置してなる弾性表面波装置に
    おいて、前記ダイシングラインの内側に前記櫛型電極と
    反射器電極および前記櫛型電極および反射器電極の周囲
    に場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極を設け
    た弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 場所により幅が異なる枠状で短絡した補
    助電極は弾性表面波装置のグランド電極として用いる請
    求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 場所により幅が異なる枠状で短絡した補
    助電極は略均等に配置した請求項1に記載の弾性表面波
    装置。
  4. 【請求項4】 櫛型電極に接続して帯状の入、出力端子
    引き出し電極を設けると共に、前記入、出力端子引き出
    し電極に接続して入、出力端子電極を設けた請求項1に
    記載の弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 入、出力端子引き出し電極は相対向して
    設け、それらの面積は略等しくした請求項4に記載の弾
    性表面波装置。
  6. 【請求項6】 入、出力端子電極は相対向して設け、そ
    れらの面積は略等しくした請求項4に記載の弾性表面波
    装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも入、出力端子引き出し電極と
    入、出力端子電極と場所により幅が異なる枠状で短絡し
    た補助電極のうちいずれか一つの電極は少なくとも最上
    層の電極を蒸着で形成した請求項4に記載の弾性表面波
    装置。
  8. 【請求項8】 最上層の電極は軟らかい材質である請求
    項7に記載の弾性表面波装置。
  9. 【請求項9】 軟らかい材質はアルミニウムまたはアル
    ミニウム合金である請求項8に記載の弾性表面波装置。
  10. 【請求項10】 櫛型電極と、反射器電極と、入、出力
    端子電極と、入、出力端子引き出し電極と場所により幅
    が異なる枠状で短絡した補助電極は、1種類または複数
    種類の金属を重ねて形成した請求項4に記載の弾性表面
    波装置。
  11. 【請求項11】 反射器電極と場所により幅が異なる枠
    状で短絡した補助電極を電気的に接続した請求項1に記
    載の弾性表面波装置。
  12. 【請求項12】 反射器電極と場所により幅が異なる枠
    状で短絡した補助電極を複数の線または帯状の電極で電
    気的に接続した請求項11に記載の弾性表面波装置。
  13. 【請求項13】 反射器電極と場所により幅が異なる枠
    状で短絡した補助電極を電気的に接続する線は少なくと
    もダイシングラインより太くした請求項12に記載の弾
    性表面波装置。
  14. 【請求項14】 反射器電極と場所により幅が異なる枠
    状で短絡した補助電極を電気的に開放状態にした請求項
    1に記載の弾性表面波装置。
  15. 【請求項15】 反射器電極をミアンダラインで構成
    し、この反射器電極と櫛型電極を電気的に接続した請求
    項1に記載の弾性表面波装置。
  16. 【請求項16】 ダイシングラインと場所により幅が異
    なる枠状で短絡した補助電極を電気的に接続した請求項
    1に記載の弾性表面波装置。
  17. 【請求項17】 ダイシングラインと場所により幅が異
    なる枠状で短絡した補助電極を1本または複数の線また
    は帯状の電極で電気的に接続した請求項16に記載の弾
    性表面波装置。
  18. 【請求項18】 ダイシングラインと場所により幅が異
    なる枠状で短絡した補助電極を電気的に接続する線は少
    なくともダイシングラインより太くした請求項16に記
    載の弾性表面波装置。
  19. 【請求項19】 ダイシングラインと場所により幅が異
    なる枠状で短絡した補助電極と反射器電極を電気的に接
    続した請求項1に記載の弾性表面波装置。
  20. 【請求項20】 場所により幅が異なる枠状で短絡した
    補助電極を櫛型電極の一部と電気的に接続した請求項1
    に記載の弾性表面波装置。
  21. 【請求項21】 圧電性を有する基板上に金属薄膜を被
    着し、この金属薄膜をエッチングして所定の電極パター
    ンを複数組形成した後、切断し、個片の弾性表面波装置
    を得る製造方法において、前記圧電性を有する基板上に
    ダイシングラインと、その内側に櫛型電極と、反射器電
    極と、前記櫛型電極および反射器電極の周囲に場所によ
    り幅が異なる枠状で短絡した補助電極と、入、出力端子
    引き出し電極と、入、出力端子電極を設ける工程と、ダ
    イシングライン上を切断する工程を含む弾性表面波装置
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 圧電性を有する基板上に金属薄膜を被
    着し、この金属薄膜をエッチングして所定のダイシング
    ラインと櫛型電極と、反射器電極と、入、出力端子引き
    出し電極と、入、出力端子電極と、前記櫛型電極および
    反射器電極の周囲に場所により幅が異なる枠状で短絡し
    た補助電極を形成した後、ダイシングライン上を切断す
    る弾性表面波装置の製造方法において、少なくとも前記
    入、出力端子引き出し電極と前記入、出力端子電極と前
    記場所により幅が異なる枠状で短絡した補助電極のうち
    一つの電極は、少なくとも最上層の電極を蒸着で形成す
    る弾性表面波装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 最上層の電極は軟らかい材質で形成す
    る請求項22に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 軟らかい材質はアルミニウムまたはア
    ルミニウム合金を用いる請求項23に記載の弾性表面波
    装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 櫛型電極と、反射器電極と、入、出力
    端子引き出し電極と、入、出力端子電極と、場所により
    幅が異なる枠状で短絡した補助電極は、1種類または複
    数種類の金属を重ねて形成する請求項22に記載の弾性
    表面波装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 圧電性を有する基板上にダイシングラ
    インとその内側に櫛型電極と、この櫛型電極より発生す
    る表面波の伝搬方向に近接して反射器電極を配置してな
    る弾性表面波装置において、前記櫛型電極および反射器
    電極の周囲に場所により幅が異なる枠状で短絡した補助
    電極と、前記櫛型電極に接続して帯状の入、出力端子引
    き出し電極および入、出力端子電極を設け、バンプまた
    はワイヤーによりベース部材に配設し封止した電子部
    品。
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