JP2003017970A - 弾性表面波デバイス - Google Patents
弾性表面波デバイスInfo
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Abstract
特性を得ることのできる弾性表面波デバイスを提供す
る。 【解決手段】圧電基板と、前記圧電基板上に形成され
た、弾性表面波を駆動する少なくとも一つの駆動電極を
含むインターデジタルトランスデューサと、前記インタ
ーデジタルトランスデューサの両側に配置された反射器
を有し、前記反射器は、電気的に独立した複数の電極指
の開放電極ブロックと、両端を共通に電気的に短絡され
た複数の電極指の短絡電極ブロックで構成される。
Description
スに関し、特にフィルタとして用いた際に好ましい通過
帯域外の減衰特性及び狭帯域特性を実現できる弾性表面
波デバイスに関する。
機等の無線装置の小型かつ軽量化が進み、急速に普及し
てきている。一方、これらの無線装置の高周波回路には
フィルタが使用され重要なキーデバイスとされている。
要求に対応して、フィルタ素子も小型・軽量化の実現が
要求されている。フィルタ素子の小型・軽量化の実現の
ために弾性表面波デバイスが使用されている。
る場合、必要な信号を通過させ、不必要な信号を除外す
るという特徴から、挿入損失を少なくすること、および
通過帯域外の減衰量を大きくすることは重要な課題であ
る。また、本体の小型化のための部品点数の削減に伴
い、弾性表面波デバイスに要求される特性が厳しくなっ
てきた。
1に示すように圧電基板100上に形成された電極指パ
ターンによりインターデジタルトランスデューサ(ID
T)1と反射器2,3を形成している。
ューサ(IDT)1は、3つの個別のIDT(これらを
以降、駆動電極1−1,1−2,1−3という)を含
み、駆動電極1−1,1−2は、入力端子INに並列接
続されている。また、駆動電極1−3は、出力端子OU
Tに接続されている。駆動電極1−1,1−2,1−3
と、それぞれ入力端子IN及び出力端子OUTとの接続
は、電極パッド4に繋がる引出し線により接続されてい
る。
トランスデューサ1の両側に配置される反射器2,3
は、従来のグレーティング電極を構成している。
してインターデジタルトランスデューサ1の電極指の数
を増やす方法が可能である。しかし、かかる場合は挿入
損失が大きくなるという問題がある。また、反射電極
2,3の反射係数を小さくしてストップバンド幅を狭く
することで、狭帯域を実現する方法もあるが、この場合
も挿入損失が同時に悪化する傾向が見られるものであっ
た。
は、良好な狭帯域化を実現し、挿入損失を大きくしない
弾性表面波デバイスの構成について研究開発を続け、反
射電極2及び反射電極3を反射係数の異なるブロックで
形成することで、挿入損失を悪化させずに通過帯域外の
減衰量を大きくし、良好な狭帯域のフィルタ特性を実現
出来るという発見に至った。
に基づき通過帯域における挿入損失の低減及び良好な狭
帯域特性を得ることのできる弾性表面波デバイスを提供
することにある。
成する弾性表面波デバイスは、第一の態様として、圧電
基板と、前記圧電基板上に形成された、弾性表面波を駆
動する少なくとも一つの駆動電極を含むインターデジタ
ルトランスデューサと、前記インターデジタルトランス
デューサの両側に配置された反射器を有し、前記反射器
は、電気的に独立した複数の電極指の開放電極ブロック
と、両端を共通に電気的に短絡された複数の電極指の短
絡電極ブロックで構成されたことを特徴とする。
性表面波デバイスは、第二の態様として、第一の態様に
おいて、前記反射器の開放電極ブロックの複数の電極指
が、前記反射器の端から1乃至11本目の位置に配置さ
れていることを特徴とする。
表面波デバイスは、第三の態様として、第二の態様にお
いて、前記反射器の開放電極ブロックの複数の電極指の
数が8本以下であることを特徴とする。
る弾性表面波デバイスは、第四の態様として、第一の態
様において、前記反射器の開放電極ブロックと短絡電極
ブロックは、対称に配置され、2つの開放電極ブロック
のそれぞれが、前記反射器の両端から1乃至11本目の
位置に配置されていることを特徴とする。
性表面波デバイスは、第五の態様として、第四の態様に
おいて、前記反射器の開放電極ブロックの複数の電極指
の数が8本以下であることを特徴とする。
表面波デバイスは、第六の態様として、前記第一乃至第
五の態様のいずれかにおいて、前記開放電極ブロックの
複数の電極指及び短絡電極ブロックの複数の電極指は、
駆動される弾性表面波の半波長間隔で配置されているこ
とを特徴とする。
明される実施の形態から明らかになる。
の形態を説明する。但し、図面に示される実施の形態例
は、本発明の説明のためのものであり、本発明の適用が
これらに限定されるものではない。
1に示したと同様にLiTaO3あるいは、LiNbO3の圧電基板
100上にAlを主成分とする電極指を形成し、2個の
反射器の間に3個の駆動電極1−1、1−2及び1−3
を有するインターデジタルトランスデューサ(IDT)
1をカスケード接続した構成である。
異なる点は、反射器2,3が、複数の異なる反射係数の
ブロックで構成されている点にある。すなわち、反射器
2,3の各々は、反射係数の異なる3つのブロックを有
し、反射係数の異なるブロックとして、電極指が電極パ
ッド4により短絡された短絡(ショート)電極とされて
いるブロック及び、電極パッド4に接続されない開放
(オープン)電極とされているブロックにより構成され
ている。
は、複数の電極指の両端が電極パッド4に接続され、短
絡された領域であり、オープン電極を有するブロック
は、電極パッド4から分離し、それぞれ独立した電極指
で構成される領域である。
指及び短絡電極ブロックの複数の電極は、駆動される弾
性表面波の半波長間隔で配置されている。
オープン電極2−1、2−2を有する2つのオープン電
極ブロックと、それらに隣接し、ショート電極を有する
3つのショート電極ブロックを有している。反射器3
は、同様にそれぞれオープン電極3−1、3−2を有す
る2つのオープン電極ブロックと、それらに隣接し、シ
ョート電極を有する3つのショート電極ブロックを有し
ている。
ク及びショート電極ブロックを有する反射器を備えた弾
性表面波デバイスは、その通過帯域外の減衰量及び狭帯
域特性に関し、反射器のオープン電極ブロックを構成す
るオープン電極指の数及びその位置により特徴づけられ
る。
反射器を構成する場合を考察する。
反射器に含まれる200本全ての電極指の両端が電極パ
ッド40,41により共通に短絡された構成であり、一
つのショート電極ブロックのみで構成されている。この
場合は、単一の反射係数のみを有している。
準として、(200−0−0−0−0)により表され
る。すなわち、図3Aに示す反射器は、その左端を基準
として、左端電極指がショート電極であり、更に残りの
電極指もショート電極であり、従って200本(100
対)全てがショート電極であることを意味している。
端を基準として、2本の電極指がオープン電極であり、
これに続き196本の電極指がショート電極であり、つ
いで右端の2本の電極指がオープン電極とされる構成で
ある。この構成は、(0−2−196−2−0)で表さ
れる。
器の左端を基準として、4本の電極指がショート電極で
あり、次いで2本の電極指がオープン電極であり、更
に、188本の電極指がショート電極がある。さらに、
続いて2本の電極指がオープン電極があり、これに続い
て4本の電極指がショート電極である。この構成は、
(4−2−188−2−4)で表される。
器2,3のそれぞれを156本、200本の電極指で構
成した時の、一対(2本)のオープン電極の位置を反射
器の左端を基準として内側に変化させた時の、弾性表面
波デバイスの通過特性の変化の様子を示す図である。図
4Aは、通過特性の全体を示し、図4Bは各特性の区別
を明らかにするために、図4Aの一部を拡大して示す図
である。
に、図4において、(0−2−196−2−0)で定義
される反射器3及び(0−2−152−2−0)で定義
される反射器2を有する弾性表面波デバイスaは、それ
ぞれの反射器の両端側に2本のオープン電極が配置され
る構成である。
義される反射器3及び(2−2−148−2−2)で定
義される反射器2を有する弾性表面波デバイスbは、反
射器両端側に2本のショート電極があり、その内側に2
本のオープン電極が位置づけられる構成である。
義される反射器3及び(4−2−144−2−4)で定
義される反射器2を有する弾性表面波デバイスcは、反
射器両端側に4本のショート電極があり、その内側に2
本のオープン電極が位置づけられる構成である。
反射器3及び(6−2−140−2−6)で定義される
反射器2を有する弾性表面波デバイスdは、反射器両端
に6本のショート電極があり、その内側に2本のオープ
ン電極が位置づけられる構成である。
反射器3及び(8−2−136−2−8)で定義される
反射器2を有する弾性表面波デバイスeは、反射器両端
側に8本のショート電極があり、その内側に2本のオー
プン電極が位置づけられる構成である。
で定義される反射器3及び(10−2−132−2−1
0)で定義される反射器2を有する弾性表面波デバイス
fは、反射器両端側に10本のショート電極があり、そ
の内側に2本のオープン電極が位置づけられる構成であ
る。
とした時の弾性表面波デバイスaの特性に対して、オー
プン電極の位置を両端から内側に置くことにより、通過
特性が変化することが理解できる。
減衰量及び角形比が変化する。図4に示されるように、
全てショート電極とする図1に示す従来の弾性表面波デ
バイスaの通過特性において、中心周波数で正規化した
周波数値(f/f0)=0.975の時の通過帯域外の減衰
量は、−25dBである。
域幅(3dBBW)と、通過帯域外の減衰量(−25d
B)の時の帯域幅(25dBBW)との比を角形比と定
義すると、全てショート電極とした時の弾性表面波デバ
イスaの特性に対する角形比は、0.537である。
過帯域外の減衰特性が急峻になるので良好な狭帯域特性
であるといえる。
表面波デバイスaの特性に対して、オープン電極がそれ
ぞれ異なる位置にある反射器を有する弾性表面波デバイ
スb〜gにおける通過帯域外の減衰量及び角形比を比較
して示すグラフである。
する場合は、反射器bが対応し、図3Bに示すように、
反射器の両端側の1本目及び2本目の電極指がオープン
電極である構成である。
は、反射器の両端側から1本目及び2本目の電極指がシ
ョート電極であり、3本目及び4本目がオープン電極で
ある反射器構成である。これは、図4に示す弾性表面波
デバイスcの反射器構成に対応する。
を5本とする場合は、反射器の両端側から1本目乃至4
本目の電極指がショート電極であり、5本目及び6本目
がオープン電極である構成である。これは、図4に示す
弾性表面波デバイスdの反射器構成に対応する。
射器の両端側から1本目乃至6本目の電極指がショート
電極であり、7本目及び8本目がオープン電極である反
射器構成である。これは、図4に示す弾性表面波デバイ
スeの反射器構成に対応する。
は、反射器の両端側から1本目乃至8本目の電極指がシ
ョート電極であり、9本目及び10本目がオープン電極
である反射器構成である。これは、図4に示す弾性表面
波デバイスfの反射器構成に対応する。
場合は、反射器の両端側から1本目乃至10本目の電極
指がショート電極であり、11本目及び12本目がオー
プン電極である反射器の構成である。これは、図4に示
す弾性表面波デバイスgの反射器構成に対応する。
ン電極位置を両端側から1乃至11本の範囲の位置に置
く場合、全てショート電極とする反射器を有する弾性表
面波デバイスaの特性と比較して、通過帯域外の減衰量
及び角形比ともに改善されることが理解できる。
ることによっても角形比及び通過帯域外の減衰量に関
し、全てオープン電極とする反射器を有する場合に較べ
改善出来ることが本発明者の研究により発見出来た。
の両端側から5本目即ち、両端側に4本のショート電極
を置き、その内側にオープン電極を配置した場合であっ
て、更に反射器のオープン電極の本数を1から7本に変
えた場合の弾性表面波デバイスの通過帯域特性を示す図
である。
反射器の両端にある4本のショート電極の内側に1本の
オープン電極を配置した構成である。
にある4本のショート電極の内側に2本のオープン電極
を配置した構成である。この構成は、図4,図5におけ
る弾性表面波デバイスdの反射器構成に対応する。
にある4本のショート電極の内側に4本のオープン電極
を配置した構成である。
にある4本のショート電極の内側に6本のオープン電極
を配置した構成である。
にある4本のショート電極の内側に7本のオープン電極
を配置した構成である。
増加した場合も、全てショート電極とした時の反射器を
有する弾性表面波aの特性に対して、オープン電極の本
数を増加することにより、通過特性が変化することが理
解できる。
有する弾性表面波デバイスaの特性に対して、各々オー
プン電極の本数を増やした反射器を有する弾性表面波デ
バイスh〜lにおける通過帯域外の減衰量及び角形比の
変化のシミュレーション結果を比較して示すグラフであ
る。
性表面波デバイスにおける角形比は0.54であり、こ
れに対し、オープン電極の本数を増加すると角形比が改
善されることが判る。反対にオープン電極の本数を増加
すると帯域外の減衰量は低減していくが、オープン電極
を4乃至8本の場合は、全てショート電極とする反射器
を有する弾性表面波デバイスにおける角形比は0.54
より改善され、減衰量も25dB以上にすることが出来
る。
オープン電極指の配置を左右対称にする場合のみを示し
た。しかし、本発明の適用はオープン電極指の配置を左
右対称にする場合に限られない。
極指の配置を説明する図であり、図8Aは、反射器にお
けるオープン電極指の配置を左右対称にする場合であっ
て、図4の実施例における弾性表面波デバイスdの反射
器(あるいは、図6の実施例における弾性表面波デバイ
スiの反射器)に対応する。
ート電極指が4本配置され、その内側に2本のオープン
電極指が配置される構成であって、左右対称である。
左端側にショート電極指が4本配置され、その内側に2
本のオープン電極指が配置される構成である。2本のオ
ープン電極指の内側から右側端までショート電極指が配
置され、電極指の配置は、左右非対称である。
される場合と非対称に配置される場合の弾性表面波デバ
イスの通過帯域特性を比較した図である。
ら4本のショート電極指を有し、その内側に2本のオー
プン電極指を有する構成であり、図8Aに示す構成であ
る。これに対し、弾性表面波デバイスnの反射器は、左
端側に4本のショート電極指、その内側に2本のオープ
ン電極指を有し、更にその内側から右端側までショート
電極指が配置される非対称の構成である。
は、両端から4本のショート電極指を有し、その内側に
7本のオープン電極指を有する構成である。これに対
し、弾性表面波デバイスpの反射器は、左端側に4本の
ショート電極指、その内側に7本のオープン電極指を有
し、更にその内側から右端側までショート電極指が配置
される非対称の構成である。
弾性表面波デバイスoとpとの比較において、いずれも
反射器のオープン電極指が対称に配置されている方が、
通過帯域外の減衰量が大きくなっている。
極指を有する構成によって、反射器の全ての電極指がシ
ョート電極である場合に較べ、帯域外減衰量が改善さ
れ、狭帯域化が可能である。したがって、本発明の適用
は、弾性表面波デバイスの反射器において、オープン電
極指を対称に配置する場合に限定されない。
たように、本発明により通過帯域外減衰量の大きな特性
を有し、通過帯域における挿入損失の低減及び良好な狭
帯域特性を得ることのできる弾性表面波デバイスが提供
可能である。
る。
施の形態例を示す図である。
極の位置を反射器の左端を基準としてから内側に変化さ
せた時の通過特性の変化の様子を示す図である。
の減衰量及び角形比の変化の様子を示すグラフである。
周波数特性を示す図である。
衰量及び角形比の変化のシミュレーション結果を比較し
て示すグラフである。
る図である。
非対称に配置される場合とを比較した通過特性図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】圧電基板と、 前記圧電基板上に形成された、弾性表面波を駆動する少
なくとも一つの駆動電極を含むインターデジタルトラン
スデューサと、 前記インターデジタルトランスデューサの両側に配置さ
れた反射器を有し、 前記反射器は、電気的に独立した複数の電極指の開放電
極ブロックと、両端を共通に電気的に短絡された複数の
電極指の短絡電極ブロックで構成されたことを特徴とす
る弾性表面波デバイス。 - 【請求項2】請求項1において、 前記反射器の開放電極ブロックの複数の電極指が、前記
反射器の端から1乃至11本目の位置に配置されている
ことを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 【請求項3】請求項2において、 前記反射器の開放電極ブロックの複数の電極指の数が8
本以下であることを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 【請求項4】請求項1において、 前記反射器の開放電極ブロックと短絡電極ブロックは、
対称に配置され、2つの開放電極ブロックのそれぞれ
が、前記反射器の両端から1乃至11本目の位置に配置
されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 【請求項5】請求項4において、 前記反射器の開放電極ブロックの複数の電極指の数が8
本以下であることを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかにおいて、 前記開放電極ブロックの複数の電極指及び短絡電極ブロ
ックの複数の電極は、駆動される弾性表面波の半波長間
隔で配置されていることを特徴とする弾性表面波デバイ
ス。
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