JP2003017799A - 半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の駆動方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の駆動方法

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JP2003017799A
JP2003017799A JP2001198948A JP2001198948A JP2003017799A JP 2003017799 A JP2003017799 A JP 2003017799A JP 2001198948 A JP2001198948 A JP 2001198948A JP 2001198948 A JP2001198948 A JP 2001198948A JP 2003017799 A JP2003017799 A JP 2003017799A
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Kyoko Matsuda
京子 松田
Toshiyuki Okumura
敏之 奥村
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高出力で雑音特性に優れ、更に、変
調電流を与える変調回路の負担を軽減することができる
半導体レーザ素子及びその駆動方法を提供することを目
的とする。 【解決手段】端子1a,1bそれぞれに、動作電流に高
周波電流が重畳された変調電流が与えられると、活性層
7の光増幅領域7a及び可飽和吸収領域7bのそれぞれ
に、変調電流が注入される。よって、光増幅領域7aの
光増幅効果と可飽和吸収領域7bの光吸収効果との差が
激しく変動するため、高出力でパルス状のレーザ出射光
が出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
及びその駆動方法に関するもので、特に、光ディスクや
光磁気ディスクなどの駆動装置において、光源として用
いられる半導体レーザ素子及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ素子は、単色性が良く強い
光が放射されるので、レーザ出射光を集光したときのス
ポットサイズを小さくすることができ、光ディスクや光
磁気ディスクなどの光が照射されて記録及び再生が行わ
れる記録メディアの駆動装置において、光ピックアップ
に設けられる光源として用いられる。このように光ピッ
クアップの光源に設けられる際、半導体レーザ素子から
のレーザ出射光は、記録メディアに照射されて、データ
の書き込み及び読み出しが行われる。よって、記録メデ
ィアへのデータの記録及び再生が行われる駆動装置にお
いては、半導体レーザ素子からのレーザ出射光が、デー
タの書き込み及び読み出しを行うために用いられる。
【0003】このように、データの記録及び再生が行わ
れる駆動装置内の光ピックアップに、半導体レーザ素子
が設けられる際、データの書き込みに用いられるレーザ
出射光のレベルを、データの読み出しに用いられるレー
ザ出射光のレベルの数倍から一桁以上の倍率とする必要
がある。よって、書き込み時には、高出力動作を行う必
要がある。このとき、半導体レーザ素子からのレーザ出
射光出力を、一定のものとするよりもパルス状のものと
することによって、温度変化などの要因によってレーザ
出射光の出力が不安定となって書き込み信号が揺らいで
しまうという悪影響を軽減させることができる。よっ
て、書き込み時には、半導体レーザ素子からの出力に、
高出力なパルス状の発振が要求される。
【0004】一方、読み出し時には、優れた低雑音特性
を得ることが最も重要な課題となる。しかしながら、光
ピックアップの光源に半導体レーザ素子が用いられると
き、光ピックアップに構成される光学系や記録メディア
であるディスクなどからの反射光とレーザ出射光が互い
に干渉し合って雑音を生じることがある。優れた低雑音
特性を得るため、この反射光による過剰雑音を防ぐこと
に、重点が置かれている。このとき、この過剰雑音を防
ぐために、半導体レーザ素子からの出力をパルス状にし
て、レーザ出射光の可干渉性を低減させる。
【0005】このように、書き込み時及び読み出し時の
それぞれにおいて、半導体レーザ素子からの出力をパル
ス状にすることが最適とされ、このことを実現するため
に、自励発振(パルセーション)を起こす方法と、変調
電流を半導体レーザ素子に注入する方法とがある。パル
セーションを起こす方法として、特開平8−20428
2号公報で提供される技術が挙げられ、又、変調電流を
注入する方法として、特開昭60−35344号公報で
提供される技術が挙げられる。
【0006】特開平8−204282号公報で示される
半導体レーザ素子は、図13のような構成とされる。図
13の半導体レーザ素子は、n型電極61に、n型Ga
As基板62、n型AlGaInPクラッド層63、n
型AlGaInP可飽和吸収層64、n型AlGaIn
Pクラッド層65、AlGaInP活性層66、p型A
lGaInPクラッド層67、p型AlGaInP可飽
和吸収層68を順に備え、更に、リッジ構造をもつ凸型
のp型AlGaInPクラッド層69と、n型GaAs
電流ブロック層70、p型GaAsコンタクト層71、
p型電極72を順に備えている。
【0007】このような構成の半導体レーザ素子は、そ
の内部に、光吸収領域としての可飽和吸収層64,68
を有し、この可飽和吸収層64,68のキャリアと光増
幅領域である活性層66のキャリアと発振光が協同して
自励発振が引き起こされる。よって、この半導体レーザ
素子には、高周波で変調した電流を注入する必要がな
く、直流電流を活性層66に注入するようにすることで
パルス状の光出力を得ることができる。
【0008】又、特開昭60−35344号公報で示さ
れる半導体レーザ素子の動作は、図14のような特性に
基づいて動作を行う。図14(a)は、横軸が注入され
る電流量を示すとともに縦軸が光出力を示す半導体レー
ザ素子の電流−光出力特性を表し、図14(b)は、注
入される変調電流の時間変化の様子を表し、図14
(c)は、変調電流の注入によって得られる光出力の時
間変化の様子を表す。
【0009】図14(b)のように、変調電流として、
閾値Ith以下の電流値と、閾値Ith以上の電流値との間
で変調される電流を注入することで、図14(c)のよ
うなパルス状の光出力を得ることができる。この場合、
注入する電流値を高く設定しても、パルス状の発振を維
持することができ、高出力を得ることができる。又、自
励発振を用いないので、可飽和吸収領域と光増幅領域と
を構成する必要がない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】現在、上述の光ディス
クや光磁気ディスクなどの記録メディアにおいて、大量
のデータを記録可能とするために、多層構造を持つとと
もに、設けられた複数の層に格納された情報が読み出さ
れるような高密度情報記録メディアが普及されている。
このような高密度情報記録メディアからデータを読み出
すためには、読み出し時においても、半導体レーザ素子
に高出力が要求される。即ち、従来の1層のみの記録メ
ディアの読み出しでは、5mWと低い出力でも構わなか
ったが、2層以上の多層膜構造の記録メディアの読み出
しでは、8mW以上を必要とし、従来の半導体レーザ素
子では、光源として使用不可能となってきている。
【0011】そのため、特開平8−204282号公報
で提供される自励発振型の半導体レーザ素子では、注入
する電流値を高くするにつれ、光出力が増加するが、可
飽和吸収層64,68の光吸収効果の飽和が早くなるた
め、光吸収効果が低減する。よって、自励発振が停止し
てしまうので、注入する電流を高く設定して、自励発振
させた状態で高出力を得ることができない。
【0012】又、特開昭60−35344号公報で提供
される高周波重畳型の半導体レーザ素子では、注入する
変調電流の最低値を半導体レーザ素子の発振閾値以下と
することで、一時的に電流によるキャリア濃度をリセッ
トしなければ、パルス状の発振が得られない。又、光出
力は変調電流の最大値に応じた値となるので、高い光出
力を得るためには、変調電流の最大値を高く設定しなけ
ればならない。よって、高い出力を得る場合には、変調
電流の振幅を大きくする必要がある。更に、変調電流
は、半導体レーザ素子の緩和振動周波数の1/2以上の
周波数にしなければならない。よって、半導体レーザ素
子の緩和振動周波数が略2GHz前後であるため、光出
力をパルス状に発振させるためには、1GHz以上の高
周波の変調電流としなければ、雑音の低減光が得られ
ず、変調電流を発生する変調回路に大きな負担がかか
る。
【0013】このような問題を鑑みて、本発明は、高出
力で雑音特性に優れ、更に、変調電流を与える変調回路
の負担を軽減することができる半導体レーザ素子及びそ
の駆動方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体レーザ素子は、注入される電流を増
幅して光を発生する光増幅領域と光増幅領域で発生した
光を吸収する可飽和吸収領域より成るとともにレーザ出
射光を発生する活性層を有する半導体レーザ素子におい
て、前記光増幅領域と前記可飽和吸収領域とが、供給さ
れる電流の流れる方向に対して略垂直な方向に隣接し、
前記光増幅領域に注入される、直流の動作電流に高周波
電流が重畳された第1変調電流が与えられる第1電極
と、前記可飽和吸収領域に注入される、直流の動作電流
に高周波電流が重畳された第2変調電流が与えられる第
2電極と、を有することを特徴とする。
【0015】このような半導体レーザ素子において、光
増幅領域に第1変調電流が注入されることによって光増
幅効果が変動するとともに、可飽和吸収領域に第2変調
電流が注入されることによって光吸収効果が変動する。
そして、このとき、第1及び第2変調電流をほぼ同相と
することによって、光増幅効果と光吸収効果との差が激
しく変動するため、パルス状の高い光出力を得ることが
できる。
【0016】又、本発明の半導体レーザ素子は、第1導
電型の第1クラッド層と、第2導電型の第2クラッド層
と、前記第1及び第2クラッド層の間に形成されるとと
もに注入される電流に対してレーザ出射光を発生する活
性層とを有する半導体レーザ素子において、前記第1ク
ラッド層及び前記活性層及び第2クラッド層が順に積層
され、前記活性層が、前記第1クラッド層及び前記活性
層及び第2クラッド層が積層される方向に対して略垂直
な方向に隣接した、注入される電流を増幅して光を発生
する光増幅領域と、光増幅領域で発生した光を吸収する
可飽和吸収領域とを備え、前記光増幅領域に対応した位
置で、且つ、前記第1クラッド層の表面に設けられ、前
記光増幅領域に注入される、直流の動作電流に高周波電
流が重畳された第1変調電流が与えられる第1電極と、
前記可飽和吸収領域に対応した位置で、且つ、前記第1
クラッド層の表面に設けられ、前記可飽和吸収領域に注
入される、直流の動作電流に高周波電流が重畳された第
2変調電流が与えられる第2電極と、を有することを特
徴とする。
【0017】このような自励発振型の半導体レーザ素子
において、光増幅領域及び可飽和吸収領域のそれぞれ
に、第1変調電流及び第2変調電流を、第1電極及び第
2電極を通じて与えることによって、光増幅効果と光吸
収効果との差を激しく変動させることができる。よっ
て、高出力のパルス状の光出力を得ることができる。
【0018】前記活性層において、前記光増幅領域及び
前記可飽和吸収領域が複数設けられ、前記第1電極が前
記光増幅領域の数に応じて設けられるとともに、前記第
2電極が前記可飽和吸収領域の数に応じて設けられるよ
うにしても構わない。
【0019】更に、前記可飽和吸収領域の周囲に、複数
の前記光増幅領域が設けられ、前記光増幅領域それぞれ
からレーザ出射光を発生するようにしても構わない。こ
のとき、例えば、可飽和吸収領域の両側に第1及び第2
光増幅領域を設け、可飽和吸収領域と第1及び第2光増
幅領域のそれぞれに変調電流を与えたとき、第1及び第
2光増幅領域のそれぞれから、レーザ出射光が発生す
る。そして、第1光増幅領域から発生したレーザ出射光
の出力をモニターして、変調電流をフィードバック制御
することで、第2光増幅領域のレーザ出射光の出力を所
望する値とすることができる。
【0020】又、前記光増幅領域に対応した位置で、且
つ、前記第2クラッド層の表面に設けられ、前記光増幅
領域に注入される第1変調電流が流出される第3電極
と、前記可飽和吸収領域に対応した位置で、且つ、前記
第2クラッド層の表面に設けられ、前記可飽和吸収領域
に注入される第2変調電流が流出される第4電極と、を
有し、前記第2クラッド層において、前記光増幅領域と
前記可飽和吸収領域の境界線上に当たる位置に、溝が設
けられるようにして、前記活性層において、前記第1変
調電流及び前記第2変調電流が、相互に影響し合うこと
を防ぐようにしても構わない。
【0021】又、前記第2クラッド層の表面全体を覆う
ように設けられるとともに、前記光増幅領域に注入され
る第1変調電流と前記可飽和吸収領域に注入される第2
変調電流とが、共通して流出される第5電極を有するよ
うにして、素子の作成手順が簡略化されるようにしても
構わない。
【0022】又、本発明の半導体レーザ素子は、第1導
電型の第1クラッド層と、第2導電型の第2クラッド層
と、前記第1及び第2クラッド層の間に形成されるとと
もに注入される電流に対してレーザ出射光を発生する活
性層とを有する半導体レーザ素子において、前記第1ク
ラッド層及び前記活性層及び第2クラッド層が順に積層
され、前記活性層が、前記第1クラッド層及び前記活性
層及び第2クラッド層が積層される方向に対して略垂直
な方向に隣接した、注入される電流を増幅して光を発生
する光増幅領域と、光増幅領域で発生した光を吸収する
可飽和吸収領域とを備え、前記第1クラッド層が凸型の
リッジストライプ構造で形成されるとともに、該第1ク
ラッド層の凸部が前記光増幅領域に対応した広さの面積
であり、直流の動作電流に高周波電流が重畳された変調
電流が与えられると、前記第1クラッド層を通じて該変
調電流が前記活性層に注入され、このとき、該変調電流
が前記第1クラッド層と前記活性層との境界付近におい
て広がるように流れて、該変調電流が前記光増幅領域と
前記可飽和吸収領域とに注入されることを特徴とする。
【0023】又、本発明の半導体レーザ素子の駆動方法
は、注入される電流を増幅して光を発生する光増幅領域
と光増幅領域で発生した光を吸収する可飽和吸収領域と
より成るとともにレーザ出射光を発生する活性層を有
し、自励発振状態となってレーザ出射光を発生する半導
体レーザ素子の駆動方法において、前記光増幅領域及び
前記可飽和吸収領域それぞれに、直流の動作電流に高周
波電流が重畳される変調電流が注入されるとともに前記
光増幅領域に注入される前記変調電流が前記半導体レー
ザ素子の発振閾値以上の値となることを特徴とする。
【0024】このようにすることで、自励発振型の半導
体レーザ素子において、光増幅領域及び可飽和吸収領域
のそれぞれに、変調電流を与えることによって、光増幅
効果と光吸収効果との差を激しく変動させることができ
る。よって、半導体レーザ素子より、高出力のパルス状
の光出力を得ることができる。
【0025】又、前記光増幅領域及び前記可飽和吸収領
域それぞれに注入される前記変調電流が、前記光増幅領
域及び前記可飽和吸収領域毎に独立に制御されて注入さ
れるようにすることで、前記光増幅領域及び前記可飽和
吸収領域毎にキャリア濃度の釣り合いを好適に調整でき
るため、光出力を向上させることができる。
【0026】又、前記可飽和吸収領域に注入される前記
変調電流の位相が、前記光増幅領域に注入される前記変
調電流の位相に対して、同相となるように調整されるよ
うにすることで、光出力の振動を促す効果があるととも
に、位相の制御が容易となる。
【0027】又、前記半導体レーザ素子が、前記光増幅
領域に注入される前記変調電流が流れる電流注入層を有
するとともに、前記活性層との境界領域付近において前
記電流注入層の断面が広がり前記可飽和吸収領域とも接
するように構成され、該半導体レーザ素子に与える前記
変調電流が、前記半導体レーザ素子の発振閾値以上の値
であり、前記電流注入層を前記変調電流が流れるとき、
前記活性層との境界領域付近で広がり、前記変調電流の
一部が前記可飽和吸収領域にも流れるようにしても構わ
ない。
【0028】更に、前記変調電流を、400MHz以上
の正弦波状の高周波電流が重畳されたものとすること
で、レーザ出射光の可干渉性を下げ、雑音特性が向上す
る。
【0029】又、前記変調電流を、立ち上がり時間及び
立ち下がり時間が共にパルス幅の20%以下となる矩形
波状の高周波電流が重畳されたものとしても構わない。
このとき、更に、前記変調電流を、100MHz以上の
矩形波状の高周波電流が重畳されたものとすることで、
レーザ出射光の可干渉性を下げ、雑音特性が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に説明する。
【0031】<第1の実施形態>本発明の第1の実施形
態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施
形態における半導体レーザ素子の構成を示す断面図であ
る。
【0032】図1に示す半導体レーザ素子は、2つの端
子1a,1bと、2つの端子2a,2bと、端子1a,
1bのそれぞれと電気的に接続されたp型電極3a,3
bと、端子2a,2bのそれぞれと電気的に接続された
n型電極4a,4bと、p型電極3a,3bが表面に設
けられるp型クラッド層5と、n型電極4a,4bが表
面に設けられるn型クラッド層6と、p型クラッド層5
とn型クラッド層6の間に設けられた活性層7とから構
成される。
【0033】このような半導体レーザ素子において、活
性層7が、図1の共振器方向に、自励発振状態を満足す
る条件で、光増幅領域7aと可飽和吸収領域7bとが構
成される。このとき、可飽和吸収領域7bは、半導体レ
ーザ素子の共振器方向における活性層7の長さ全体に対
して、10%となるように構成する。又、n型クラッド
層6には、n型電極4a,4bを寸断するように、共振
器方向に対して垂直な方向に、溝8が設けられる。この
ように、溝8を設けることによって、光増幅領域7aと
可飽和吸収領域7bそれぞれへの注入電流を独立的に制
御しやすくなるとともに、光増幅領域7aと可飽和吸収
領域7bそれぞれへ流れ込む電流が相互に干渉するとい
う悪影響を回避させることができる。
【0034】又、p型クラッド層5の表面上において、
p型電極3aが光増幅領域7aに対応した位置に設けら
れるとともに、p型電極3bが可飽和吸収領域7bに対
応した位置に設けられる。更に、n型クラッド層6の表
面上において、n型電極4aが光増幅領域7aに対応し
た位置に設けられるとともに、n型電極4bが可飽和吸
収領域7bに対応した位置に設けられる。
【0035】このように構成される半導体レーザ素子に
対して、端子1a,1bそれぞれに、直流の動作電流に
正弦波状の高周波電流を重畳した変調電流I0、Iabs
が与えられて、光増幅領域7aと可飽和吸収領域7bそ
れぞれに注入される。尚、本実施形態では、図2
(a)、(b)のように、端子1a,1bそれぞれに与
える変調電流I0、Iabsについて、ともに正弦波で変
調するとともに位相を同相とし、その周波数を400M
Hzとした。更に、レーザの発振閾値が30mAであっ
たため、端子1aへの変調電流I0の値を最大60m
A、最小40mA、端子1bへの変調電流Iabsの値を
最大1.0mA、最小0.5mAとした。
【0036】よって、図2(a)の変調電流I0が、I
2=50mAを中心として、I1=40mAとI3=6
0mAの間で発振する。又、図2(b)の変調電流Iab
sが、Iabs2=0.75mAを中心として、Iabs1=
0.5mAとIabs3=1.0mAの間で発振する。
又、変調電流Iabsを一定としたときの半導体レーザ素
子の電流−光出力特性が図3(a)のようになる。この
とき、図3(b)のような変調電流I0が与えられる
と、図3(a)のような特性に基づいて変調電流I0が
増幅されて、図3(c)のように出力レベルが振動する
レーザ出射光が出力される。
【0037】このとき、図1の構成の半導体レーザ素子
の電流−光出力特性は、図4(a)のように、変調電流
Iabsの値が、Iabs1、Iabs2、Iabs3それぞれで、
異なる。即ち、電流−光出力特性が、Iabs1での特性
とIabs3での特性の間で変化する。更に、図4(b)
に、変調電流Iabsと位相が同相である変調電流I0を
示す。図4(a)、(b)より、変調電流IabsがIabs
1となるときに変調電流I0がI1となるため、その動
作点が点P1となり、変調電流IabsがIabs2となると
きに変調電流I0がI2となるため、その動作点が点P
2となり、変調電流IabsがIabs3となるときに変調電
流I0がI3となるため、その動作点が点P3となる。
【0038】図1の半導体レーザ素子において、図4の
ような特性が得られるとき、この半導体レーザ素子にお
ける活性層7が、次のような動作を行う。変調電流Iab
sがIabs1からIabs3に変化するとき、可飽和吸収領
域7bにおいて、光増幅領域7aで発生した光の吸収量
が低くなる。又、このとき、変調電流I0についてもI
1からI3に増加するため、光増幅領域7aにおける光
の発生量が増加する。よって、変調電流IabsがIabs3
に近づくほど、可飽和吸収領域7bに吸収される光が少
なくなるとともに光増幅領域7aで発生する光が多くな
るため、可飽和吸収領域7bが飽和状態に近づき、レー
ザ出射光が発生しやすくなり、光出力が成される。
【0039】逆に、変調電流IabsがIabs3からIabs
1に変化するとき、可飽和吸収領域7bにおいて、光増
幅領域7aで発生した光の吸収量が高くなる。又、この
とき、変調電流I0についてもI3からI1に減少する
ため、光増幅領域7aにおける光増幅領域7aでの光の
発生量が減少する。よって、変調電流IabsがIabs1に
近づくほど、可飽和吸収領域7bに吸収される光が多く
なるとともに光増幅領域7aで発生する光が少なくなる
ため、光増幅領域7aで発生した光が可飽和吸収領域7
bに吸収されやすくなる。
【0040】活性層7の状態が上述のように変化するた
めに、変調電流IabsがIabs3からIabs1に減少した
後、再度、Iabs3に増加しようとする間の期間におい
ては、光増幅領域7aで発生した光が可飽和吸収領域7
aに吸収されるため、レーザ出射光が出力されない。
又、変調電流IabsがIabs1からIabs3に増加する間
に、可飽和吸収領域7aが飽和状態に近づくため、光増
幅領域7aで発生した光が全て吸収することが不可能と
なり、レーザ出射光が出力されるようになる。
【0041】よって、変調電流Iabs,I0の位相を同
相とすることによって、光吸収効果と光増幅効果の差の
変動が激しくなるため、図1に示す半導体レーザ素子の
光出力の時間変化が、図5のように、鋭いピーク波形の
パルス状の出力として現れる。即ち、光増幅領域7aへ
の変調電流I0の注入によって光出力を振動させる効果
と、可飽和吸収領域7bへの変調電流Iabsの注入によ
ってレーザ出力の発振閾値を振動させる効果とを同時に
用いて、これらの相乗効果により光出力の振動を促して
パルス状のレーザ出射光を発生させることができる。
【0042】このようにして得られたパルス状のレーザ
出射光によって得られる出力が10mWとなる。よっ
て、照射するレーザ出射光の出力に8mWが必要となる
多層膜構造の記録メディアに対しても、図1の半導体レ
ーザ素子によって発生されるレーザ出射光は、使用可能
であることがわかる。又、変調電流Iabs、I0の周波
数を400MHzとすることによって、振幅の小さい動
作電流である変調電流I0で高出力のレーザ出射光が得
られるため、高い出力で低雑音を実現できる。よって、
高出力で且つ可干渉性が低く、雑音特性に優れたレーザ
出射光を得ることができる。又、変調電流Iabs、I0
の周波数が400MHzであるため、変調電流Iabs、
I0を生成する変調回路の負担を減少させることができ
る。
【0043】尚、本実施形態において、半導体レーザ素
子に与える変調電流の周波数を400MHzとしたが、
400MHz以上であれば、その値を限るものではな
い。しかしながら、400MHzよりも低い周波数の変
調電流を与えたときは、出力するレーザ出射光の出力が
小さくなってしまうので、好ましくない。今、図6
(a)に、周波数400MHzの変調電流が与えられた
ときに出力されるレーザ出射光の時間変化を示すととも
に、図6(b)に、周波数100MHzの変調電流が与
えられたときに出力されるレーザ出射光の時間変化を示
す。
【0044】図6に示すように、変調電流の周波数を高
くすると出力が高くなるのは、光増幅領域7aでキャリ
アが再結合して光が発生するキャリア再結合寿命が、可
飽和吸収領域7bで光を吸収してキャリアが発生するキ
ャリア発生寿命より短く、光増幅効果が得られる時間と
光吸収効果が得られる時間との間にタイムラグが生じる
ことが原因である。
【0045】即ち、光増幅効果が得られる時間と光吸収
効果が得られる時間との間に生じるタイムラグが非常に
短いため、図6(b)のように、変調電流の周波数が1
00MHzと低い場合、光増幅効果及び光吸収効果の時
間的な変動が緩やかなものとなり、タイムラグによる影
響を受けにくい。よって、発振閾値よりも電流値の高い
変調電流I0が入力されるので、可飽和吸収領域7bの
光吸収効果の飽和が早くなるため、光吸収効果が低減
し、図6(b)のように、レーザ出射光の出力は、光増
幅領域7aに与えられる変調電流I0の変化に準じたも
のとなる。
【0046】図6(a)のように、変調電流の周波数が
400MHzと高い場合、光増幅効果及び光吸収効果の
時間的な変動が激しくなり、光増幅効果が得られる時間
と光吸収効果が得られる時間との間に生じるタイムラグ
による影響を受けやすくなる。即ち、光増幅領域7aか
ら光が発生するよりも可飽和吸収領域7bで光を吸収し
てキャリアが発生するタイミングが遅れるので、光増幅
領域7aから発生する光量が増大した後、上述したタイ
ミングラグだけ遅れて、可飽和吸収領域7bが飽和状態
となる。よって、変調電流I0が最大となった後、少し
遅れて、レーザー出射光の出力が高くなり、図6(a)
のようなパルス状に出力される。
【0047】更に、相対雑音強度(RIN)の、変調電
流の周波数に対する依存性を示すためのグラフを、図7
に示す。図7の点線が、正弦波による変調電流における
相対雑音強度の関係を示すグラフである。このグラフよ
りわかるように、変調電流の周波数が高くなる毎に、相
対雑音強度が減少し、400MHz以上において、光デ
ィスクなどの記録メディアに対応可能となる−130d
B/Hz以下の値が得られる。又、変調電流の周波数が
低くなることによって、レーザー出射光の出力が低くな
るとともに、波形が崩れて可干渉性が上がるため、雑音
の低減効果が得られなくなる。よって、変調電流の周波
数は、400MHz以上とすることが好ましいことがわ
かる。
【0048】又、本実施形態において、光増幅領域7a
に注入する変調電流と可飽和吸収領域7bに注入する変
調電流とが同位相となるようにしたが、可飽和吸収領域
7bに注入する変調電流の位相が、光増幅領域7aに注
入する変調電流の位相に対して、±π/2以内でずれる
ものであっても構わない。この範囲内のずれでも、同位
相の時に対して若干低くなるが、ほぼ同程度の光出力を
得ることができ、雑音の低減に対しても同様の効果を得
ることができる。
【0049】<第2の実施形態>本発明の第2の実施形
態について、図面を参照して説明する。尚、本実施形態
において用いられる半導体レーザ素子は、第1の実施形
態と同様、図1のような構成の半導体レーザ素子であ
る。
【0050】本実施形態では、図1のように構成される
半導体レーザ素子に対して、端子1a,1bそれぞれ
に、直流の動作電流に矩形波状の高周波電流を重畳した
変調電流I0、Iabsが与えられて、光増幅領域7aと
可飽和吸収領域7bそれぞれに注入される。尚、本実施
形態では、図8(a)、(b)のように、端子1a,1
bそれぞれに与える変調電流I0、Iabsについて、と
もに、その周波数を100MHzとし、立ち上がり時間
及び立ち下がり時間を0.01nsとした。さらに、レ
ーザの発振閾値が30mAであったため、端子1aへの
変調電流I0の値を最大60mA、最小40mA、端子
1bへの変調電流Iabsの値を最大1.0mA、最小
0.5mAとした。
【0051】よって、図8(a)の変調電流I0が、
0.01ns間に、I1=40mAからI3=60mA
に立ち上がった後、5nsの間、I3=60mAで値を
一定にする。そして、0.01ns間に、I3=60m
AからI1=40mAに立ち下がった後、5nsの間、
I1=40mAで値を一定にする。又、図8(b)の変
調電流Iabsが、0.01ns間に、Iabs1=0.5m
AからIabs3=1.0mAに立ち上がった後、5ns
の間、Iabs3=1.0mAで値を一定にする。そし
て、0.01ns間に、Iabs3=1.0mAからIabs
1=0.5mAに立ち下がった後、5nsの間、Iabs
1=0.5mAで値を一定にする。
【0052】このような矩形波状の変調電流I0、Iab
sが、光増幅領域7a及び可飽和吸収領域7bのそれぞ
れに注入されると、図9(a)のように時間変化するレ
ーザ出射光が半導体レーザ素子より出力される。このと
き、その光出力が20mWと、非常に高い出力値を得る
ことができる。尚、図9(b)には、周波数100MH
zの正弦波状の変調電流I0、Iabsが与えられたとき
に出力されるレーザ出射光の時間変化を示す。
【0053】変調電流の周波数を矩形波状にしたとき、
その立ち上がり時及び立ち下がり時において、光吸収効
果及び光増幅効果それぞれの変動が激しくなる。即ち、
光増幅効果が得られる時間と光吸収効果が得られる時間
との間に生じるタイムラグによる影響を受けやすくな
る。よって、第1の実施形態のように正弦波状の変調電
流の周波数を高くしたときと同様、図9(a)のよう
に、高い出力のレーザー出射光を得ることができる。
【0054】それに対して、変調電流を低い周波数の正
弦波としたとき、光吸収効果及び光増幅効果それぞれの
変動が連続的で緩やかなものになる。即ち、変調電流を
矩形波状にしたときに比べて、光増幅効果が得られる時
間と光吸収効果が得られる時間との間に生じるタイムラ
グによる影響を受けにくい。よって、第1の実施形態と
同様、図9(b)のように、レーザ出射光の出力は、光
増幅領域7aに与えられる変調電流I0の変化に準じた
ものとなる。このように低い周波数の正弦波状の変調電
流としたとき、レーザー出射光の出力が低くなるととも
に、波形が崩れて可干渉性が上がるため、雑音の低減効
果が得られなくなる。
【0055】更に、相対雑音強度(RIN)の、変調電
流の周波数に対する依存性を示すためのグラフを、図7
に示す。図7の実線が、矩形波による変調電流における
相対雑音強度の関係を示すグラフである。正弦波による
変調電流と同様、このグラフよりわかるように、変調電
流の周波数が高くなる毎に、相対雑音強度が減少し、1
00MHz以上において、光ディスクなどの記録メディ
アに対応可能となる−130dB/Hz以下の値が得ら
れる。よって、変調電流の周波数は、100MHz以上
とすることが好ましいことがわかる。
【0056】このように、光増幅領域7a及び可飽和吸
収領域7bそれぞれに与える変調電流Iabs、I0を矩
形波状とすることで、振幅の小さい動作電流である変調
電流I0で高出力のレーザ出射光が得られるため、高い
出力で低雑音を実現できる。よって、高出力で且つ可干
渉性が低く、雑音特性に優れたレーザ出射光を得ること
ができる。又、変調電流Iabs、I0の周波数が100
MHzであるため、変調電流Iabs、I0を生成する変
調回路の負担を、第1の実施形態と比べて、より低減さ
せることができる。
【0057】尚、本実施形態において、半導体レーザ素
子に与える変調電流の周波数を100MHzとしたが、
100MHz以上であれば、その値を限るものではな
い。又、各パルスの立ち上がり時間と立ち下がり時間と
は、パルス幅の20%以下であれば、本実施形態の0.
01nsの立ち上がり時間と立ち下がり時間と同様の矩
形波としての効果を得ることができる。
【0058】又、第1の実施形態及び第2の実施形態で
使用される図1の構成の半導体レーザ素子において、可
飽和吸収領域7bの共振器方向における長さを、活性層
7の共振器方向における長さの10%としたが、10%
以外でも、半導体レーザ素子からの光出力の波形は変化
せず、パルス状の発振が得られる。しかしながら、可飽
和吸収領域7bの活性層7に占める割合が高くなると、
注入する変調電流の電流値を高くする必要があるため、
可飽和吸収領域7bの占める割合を50%以下であるこ
とが好ましい。更に、電極を2つ設けた場合について説
明したが、電極の数はこれに限られるものでなく、2つ
以上の電極を有する自励発振可能な半導体レーザ素子と
しても構わない。
【0059】<第3の実施形態>本発明の第3の実施形
態について、図面を参照して説明する。図10は、本実
施形態における半導体レーザ素子の構成を示す断面図
で、図1の半導体レーザ素子と同一部分については、同
一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0060】図10に示す半導体レーザ素子は、端子1
a,1bと、端子2と、p型電極3a,3bと、端子2
と電気的に接続されたn型電極4と、p型クラッド層5
と、n型電極4が表面に設けられるn型クラッド層6a
と、光増幅領域7aと可飽和吸収領域7bとが設けられ
た活性層7とから構成される。図10の半導体レーザ素
子は、図1の半導体レーザ素子と異なり、n型クラッド
層6aに溝が設けられていない。このような半導体レー
ザ素子において、図1の半導体レーザ素子と同様に、可
飽和吸収領域7bを、半導体レーザ素子の共振器方向に
おける活性層7の長さ全体に対して、10%となるよう
に構成する。
【0061】又、本実施形態では、第2の実施形態と同
様に、図10のように構成される半導体レーザ素子に対
して、端子1a,1bそれぞれに、直流の動作電流に矩
形波状の高周波電流を重畳した変調電流I0、Iabsが
与えられて、光増幅領域7aと可飽和吸収領域7bそれ
ぞれに注入される。尚、本実施形態では、端子1a,1
bそれぞれに与える変調電流I0、Iabsについて、と
もに矩形波で変調するとともに位相を同相とし、その周
波数を200MHzとするとともに、立ち上がり時間及
び立ち下がり時間を0.01nsとした。さらに、レー
ザの発振閾値が30mAであったため、端子1aへの変
調電流I0の値を最大60mA、最小40mA、端子1
bへの変調電流Iabsの値を最大1.0mA、最小0.
5mAとした。
【0062】このとき、第2の実施形態と同様、変調電
流I0、Iabsのパルスの立ち上がり時及び立ち下がり
時において、光吸収効果及び光増幅効果それぞれの変動
が激しくなる。よって、光増幅効果が得られる時間と光
吸収効果が得られる時間との間に生じるタイムラグによ
る影響を受けやすくなるために、レーザー出射光におい
て、10mWという高い出力を得ることができる。
【0063】本実施形態では、第2の実施形態と異な
り、図10の半導体レーザ素子の端子2が共通とされる
ため、端子1aより光増幅領域7aに注入される変調電
流I0と、端子1bより可飽和吸収領域7bに注入され
る変調電流Iabsとが、素子内部で相互に影響しあう可
能性がある。よって、相対雑音強度が−130dB/H
z以下となるのは、変調電流の周波数が120MHz以
上となるときである。このように、第2の実施形態に比
べて、変調電流の周波数が高くなるが、端子2及びn型
電極4が共通とされるので、素子の作成手順が簡略化さ
れて、歩留まりが良くなる。
【0064】尚、本実施形態において、図10の構成の
半導体レーザ素子の可飽和吸収領域7bの共振器方向に
おける長さを、活性層7の共振器方向における長さの1
0%としたが、10%以外でも、50%以下であれば、
半導体レーザ素子からの光出力の波形は変化せず、パル
ス状の発振が得られる。又、電極を2つ設けた場合につ
いて説明したが、電極の数はこれに限られるものでな
く、2つ以上の電極を有する自励発振可能な半導体レー
ザ素子としても構わない。
【0065】又、本実施形態において、図10のような
構成の半導体レーザ素子に、矩形波状の変調電流を注入
するようにしたが、第1の実施形態と同様に、その周波
数が矩形波状の変調電流と比べて高くなるが、正弦波状
の変調電流を注入するようにしても構わない。
【0066】<第4の実施形態>本発明の第4の実施形
態について、図面を参照して説明する。図11は、本実
施形態における半導体レーザ素子の構成を示す断面図
で、図10の半導体レーザ素子と同一部分については、
同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0067】図11に示す半導体レーザ素子は、端子1
c,1d,1eと、端子2と、端子1c,1d,1eそ
れぞれと電気的に接続されたp型電極3c,3d,3e
と、n型電極4と、p型クラッド層5と、n型クラッド
層6aと、p型クラッド層5とn型クラッド層6aの間
に設けられた活性層10とから構成される。
【0068】このような半導体レーザ素子において、活
性層10が、図11の共振器方向に、自励発振状態を満
足する条件で、光増幅領域10bと可飽和吸収領域10
aと光増幅領域10cが順に構成される。このとき、可
飽和吸収領域10aは、半導体レーザ素子の共振器方向
における活性層10の長さ全体に対して、10%となる
ように構成する。又、p型クラッド層5の表面上におい
て、p型電極3cが可飽和吸収領域10aに対応した位
置に、p型電極3dが光増幅領域10bに対応した位置
に、p型電極3eが光増幅領域10cに対応した位置
に、それぞれ設けられる。
【0069】このように構成される半導体レーザ素子に
対して、端子1c,1d,1eそれぞれに、直流の動作
電流に矩形波状の高周波電流を重畳した変調電流Iab
s、I0a、I0bが与えられて、可飽和吸収領域10a
及び光増幅領域10b,10cそれぞれに注入される。
尚、本実施形態では、第3の実施形態と同様に、半導体
レーザ素子に与える変調電流I0a、I0b、Iabsにつ
いて、ともに矩形波で変調するとともに位相を同相と
し、その周波数を100MHzとするとともに、立ち上
がり時間及び立ち下がり時間を0.01nsとした。更
に、レーザの発振閾値が30mAであったため、端子1
d,1eへの変調電流I0a、I0bの合計値を最大60
mA、最小40mA、端子1cへの変調電流Iabsの値
を最大1.0mA、最小0.5mAとした。
【0070】このとき、第3の実施形態と同様、変調電
流I0a、I0b、Iabsのパルスの立ち上がり時及び立
ち下がり時において、光吸収効果及び光増幅効果それぞ
れの変動が激しくなる。よって、光増幅効果が得られる
時間と光吸収効果が得られる時間との間に生じるタイム
ラグによる影響を受けやすくなるために、レーザー出射
光において、10mWという高い出力を得ることができ
る。
【0071】このような高出力となるパルス状のレーザ
出射光が発生するとき、図11のように、光増幅領域1
0b,10cがそれぞれ、レーザ出射面11a,11b
を有しているので、レーザ出射面11a,11bそれぞ
れからレーザ出射光が発生する。即ち、図11の半導体
レーザ素子の両側より、レーザ出射光が発生する。この
とき、レーザ出射面11aから発生されるレーザ出射光
の出力状態をモニターすることで、レーザ出射面11b
から発生されるレーザ出射光の出力状態を調整すること
ができる。
【0072】即ち、温度変化などの外部要因によるレー
ザ出射光の出力の揺らぎを、レーザ出射面11aから発
生されるレーザ出射光の出力状態より認識し、この出力
状態を用いて、レーザ出射面11bから発生されるレー
ザ出射光の出力状態が一定となるように、注入する変調
電流Iabs、I0a、I0bを調整して、フィードバック
制御を行うことができる。
【0073】よって、従来のように、ビームスプリッタ
などを用いて、出力されるレーザ出射光の一部をモニタ
ー用のレーザ出射光として分ける必要なく、素子単体
で、例えば光ピックアップ用のレーザ出射光とモニター
用のレーザ出射光とを得ることができる。そのため、半
導体レーザ素子の構成を簡単なものとすることができる
とともに、光ピックアップ用のレーザ出射光を100%
利用することができる。
【0074】尚、本実施形態において、図11の構成の
半導体レーザ素子の可飽和吸収領域7bの共振器方向に
おける長さを、活性層7の共振器方向における長さの1
0%としたが、10%以外でも、50%以下であれば、
半導体レーザ素子からの光出力の波形は変化せず、パル
ス状の発振が得られる。又、電極を3つ設けた場合につ
いて説明したが、電極の数はこれに限られるものでな
く、3つ以上の電極を有する自励発振可能な半導体レー
ザ素子としても構わない。
【0075】又、本実施形態において、図11のような
構成の半導体レーザ素子に、矩形波状の変調電流を注入
するようにしたが、第1の実施形態と同様に、その周波
数が矩形波状の変調電流と比べて高くなるが、正弦波状
の変調電流を注入するようにしても構わない。又、本実
施形態において、半導体レーザ素子に与える変調電流の
周波数を100MHzとしたが、100MHz以上であ
れば相対雑音強度を−130dB/Hz以下とすること
ができるので、100MHz以上であればその値を限る
ものではない。
【0076】尚、第1〜第4の実施形態において、変調
電流Iabsの値を最大1.0mA、最小0.5mAとし
たが、これに限るものではない。又、第1〜第3の実施
形態における変調電流I0の値、及び、第4の実施形態
における変調電流I0a、I0bの合計値がそれぞれ、最
大60mA、最小40mAとなるようにしたが、これに
限るものではなく、その最小値が半導体レーザ素子の発
振閾値以上の値となるようにすれば構わない。
【0077】<第5の実施形態>本発明の第5の実施形
態について、図面を参照して説明する。図12は、本実
施形態における半導体レーザ素子の構成を示す断面図で
ある。
【0078】図12の半導体レーザ素子は、n型GaA
s基板43表面上に、n型GaAsバッファ層44、n
型AlGaInPクラッド層45、GaInP活性層4
6、p型AlGaInPクラッド層47、p型GaIn
P中間層52、p型GaAsコンタクト層53が、順に
構成される。又、この半導体レーザ素子において、Al
GaInPクラッド層47、p型GaInP中間層5
2、p型GaAsコンタクト層53は、凸型のリッジス
トライプ構造(以下、「リッジ」と呼ぶ)50を構成
し、このリッジ50の両側に、AlGaAs多層成長層
48が設けられ、更に、このAlGaAs多層成長層4
8の上にn型GaAs埋込層49,51が設けられる。
そして、n型GaAs埋込層49,51及びp型GaA
sコンタクト層53の表面上にp型電極41が、n型G
aAs基板43の裏面上にn型電極42が設けられる。
【0079】このような構成の半導体レーザ素子におい
て、GaInP活性層46は、p型GaInP中間層5
2の下側に相当する中央領域が光増幅領域54とされる
とともに、この光増幅領域54の両側の周辺領域がそれ
ぞれ可飽和吸収領域55,56とされる。又、AlGa
As多層成長層48は、厚さ100ÅのAl0.4Ga0 .6
Asと厚さ200ÅのAlAsを20周期分交互に繰り
返した層として構成される。
【0080】このような構成の半導体レーザ素子に対し
て、p型電極41に、変調電流が注入される。この変調
電流が、p型GaAsコンタクト53、p型GaInP
中間層52を通じて、p型AlGaInPクラッド層4
7に流れ込む。変調電流の大半はGaInP活性層46
の中央領域である光増幅領域54に注入される。しか
し、p型AlGaInPクラッド層47がGaInP活
性層46付近においてGaInP活性層46全面に接す
るように構成されている。そのため、変調電流がGaI
nP活性層46付近で広がり、GaInP活性層46の
周辺領域である可飽和吸収領域55,56にも変調電流
の一部が注入される。
【0081】よって、第1〜第4の実施形態と同様、G
aInP活性層46の光増幅領域54及び可飽和吸収領
域55,56のそれぞれに、同相の変調電流が注入され
ることになる。尚、p型AlGaInPクラッド層47
において、GaInP活性層46全面に接するように構
成される部分の厚みを調整することによって、光増幅領
域54及び可飽和吸収領域55,56のそれぞれに注入
する変調電流の値を調整することができる。
【0082】この半導体レーザ素子に与える変調電流
を、矩形波で変調し、その周波数を100MHzとする
とともに、立ち上がり時間及び立ち下がり時間を0.0
1nsとした。又、レーザの発振閾値が30mAであっ
たため、この変調電流の値を最大60mA、最小40m
Aとした。
【0083】このとき、上述したように、変調電流の大
半が光増幅領域54に流れるとともに、変調電流の残り
の一部が可飽和吸収領域55,56に流れるため、第2
〜第4の実施形態と同様、自励発振状態を発生させるこ
とができる。よって、変調電流のパルスの立ち上がり時
及び立ち下がり時において、光吸収効果及び光増幅効果
それぞれの変動が激しくなる。よって、光増幅効果が得
られる時間と光吸収効果が得られる時間との間に生じる
タイムラグによる影響を受けやすくなるために、レーザ
ー出射光において、10mWという高い出力を得ること
ができる。
【0084】本実施形態では、第1〜第4の実施形態の
ように、変調電流を注入する電極を分割する必要がな
く、変調電流を生成するための変調回路も1つとするこ
とができる。よって、簡潔な構成で、雑音の低減を実現
することができる。
【0085】尚、本実施形態において、図12のような
構成の半導体レーザ素子に、矩形波状の変調電流を注入
するようにしたが、第1の実施形態と同様に、その周波
数が矩形波状の変調電流と比べて高くなるが、正弦波状
の変調電流を注入するようにしても構わない。
【0086】又、変調電流の値を、最大60mA、最小
40mAとしたが、これに限るものではなく、その最小
値が半導体レーザ素子の発振閾値以上の値となるように
すれば構わない。更に、、本実施形態において、半導体
レーザ素子に与える変調電流の周波数を100MHzと
したが、100MHz以上であれば相対雑音強度を−1
30dB/Hz以下とすることができるので、100M
Hz以上であればその値を限るものではない。
【0087】尚、第1〜第5の実施形態において使用さ
れる半導体レーザ素子は、GaAs系半導体レーザ素子
を初めとして、AlGaAs系、AlGaInP系、G
aN系、II−VI系半導体などの材料を用いた半導体レー
ザ素子とすることができる。
【0088】
【発明の効果】本発明によると、自励発振型の半導体レ
ーザ素子において、可飽和吸収領域及び光増幅領域のそ
れぞれに変調電流が注入されるようにすることで、光吸
収効果と光増幅効果とを時間的に変動させることができ
る。よって、この光吸収効果と光増幅効果との時間的変
動による相乗効果により、高出力でパルス状となるレー
ザ出射光を得ることができる。又、このレーザ出射光
は、可干渉性が低いため、雑音の低減を実現することが
できる。
【0089】又、このとき、光増幅領域に注入される変
調電流の最低値を、半導体レーザ素子の発振閾値以下に
下げる必要がないので、変調電流の振幅を小さくすると
ともに、周波数も従来より低くすることができる。よっ
て、このような変調電流を生成するための変調回路の負
荷の低減を実現することができる。
【0090】又、可飽和吸収領域と光増幅領域に対して
与えられる電流が個別に制御されることで、各領域に与
えられる電流の位相の関係や周波数、電流値の振幅を好
適に調整することができるとともに、従来に比べて、高
い光出力を得ることができる。更に、半導体レーザ素子
に与える変調電流を矩形波状に変調することによって、
正弦波状に変調したときに比べて、その電流値を高くす
ることができるとともに、変調周波数を低くすることが
できる。よって、半導体レーザ素子を駆動させるための
変調電流の設定範囲を広くすることができ、その調整が
容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2の実施形態における半導体レーザ
素子の構成を示す断面図。
【図2】図1の半導体レーザ素子に与える変調電流の時
間的変化を示す図。
【図3】半導体レーザ素子の電流−光出力特性を示す
図。
【図4】半導体レーザ素子の電流−光出力特性を示す
図。
【図5】半導体レーザ素子の光出力の時間変化を示す
図。
【図6】変調電流の周波数を変化させたときの図1の半
導体レーザ素子の光出力の違いを示す図。
【図7】変調電流における相対雑音強度の関係を示すグ
ラフ。
【図8】図1の半導体レーザ素子に与える変調電流の時
間的変化を示す図。
【図9】変調電流の変調方法を変化させたときの図1の
半導体レーザ素子の光出力の違いを示す図。
【図10】第3の実施形態における半導体レーザ素子の
構成を示す断面図。
【図11】第4の実施形態における半導体レーザ素子の
構成を示す断面図。
【図12】第5の実施形態における半導体レーザ素子の
構成を示す断面図。
【図13】従来の半導体レーザ素子の構成を示す断面
図。
【図14】従来の半導体レーザ素子の特性を示す図。
【符号の説明】
1a〜1e p型電極 2,2a,2b n型電極 3a〜3e,4,4a,4b コンタクト 5 p型クラッド層 6,6a n型クラッド層 7 活性層 7a 光増幅領域 7b 可飽和吸収領域 8 溝 10 活性層 10a 可飽和吸収領域 10b,10c 光増幅領域 11a,11b レーザ出射面

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注入される電流を増幅して光を発生する
    光増幅領域と光増幅領域で発生した光を吸収する可飽和
    吸収領域より成るとともにレーザ出射光を発生する活性
    層を有する半導体レーザ素子において、 前記光増幅領域と前記可飽和吸収領域とが、供給される
    電流の流れる方向に対して略垂直な方向に隣接し、 前記光増幅領域に注入される、直流の動作電流に高周波
    電流が重畳された第1変調電流が与えられる第1電極
    と、 前記可飽和吸収領域に注入される、直流の動作電流に高
    周波電流が重畳された第2変調電流が与えられる第2電
    極と、 を有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 第1導電型の第1クラッド層と、第2導
    電型の第2クラッド層と、前記第1及び第2クラッド層
    の間に形成されるとともに注入される電流に対してレー
    ザ出射光を発生する活性層とを有する半導体レーザ素子
    において、 前記第1クラッド層及び前記活性層及び第2クラッド層
    が順に積層され、 前記活性層が、前記第1クラッド層及び前記活性層及び
    第2クラッド層が積層される方向に対して略垂直な方向
    に隣接した、注入される電流を増幅して光を発生する光
    増幅領域と、光増幅領域で発生した光を吸収する可飽和
    吸収領域とを備え、 前記光増幅領域に対応した位置で、且つ、前記第1クラ
    ッド層の表面に設けられ、前記光増幅領域に注入され
    る、直流の動作電流に高周波電流が重畳された第1変調
    電流が与えられる第1電極と、 前記可飽和吸収領域に対応した位置で、且つ、前記第1
    クラッド層の表面に設けられ、前記可飽和吸収領域に注
    入される、直流の動作電流に高周波電流が重畳された第
    2変調電流が与えられる第2電極と、 を有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層において、前記光増幅領域及
    び前記可飽和吸収領域が複数設けられ、 前記第1電極が前記光増幅領域の数に応じて設けられる
    とともに、前記第2電極が前記可飽和吸収領域の数に応
    じて設けられることを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記可飽和吸収領域の周囲に、複数の前
    記光増幅領域が設けられ、 前記光増幅領域それぞれからレーザ出射光を発生するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記光増幅領域に対応した位置で、且
    つ、前記第2クラッド層の表面に設けられ、前記光増幅
    領域に注入される第1変調電流が流出される第3電極
    と、 前記可飽和吸収領域に対応した位置で、且つ、前記第2
    クラッド層の表面に設けられ、前記可飽和吸収領域に注
    入される第2変調電流が流出される第4電極と、を有
    し、 前記第2クラッド層において、前記光増幅領域と前記可
    飽和吸収領域の境界線上に当たる位置に、溝が設けられ
    ることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記
    載の半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 前記第2クラッド層の表面全体を覆うよ
    うに設けられるとともに、前記光増幅領域に注入される
    第1変調電流と前記可飽和吸収領域に注入される第2変
    調電流とが、共通して流出される第5電極を有すること
    を特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の半
    導体レーザー素子。
  7. 【請求項7】 第1導電型の第1クラッド層と、第2導
    電型の第2クラッド層と、前記第1及び第2クラッド層
    の間に形成されるとともに注入される電流に対してレー
    ザ出射光を発生する活性層とを有する半導体レーザ素子
    において、 前記第1クラッド層及び前記活性層及び第2クラッド層
    が順に積層され、 前記活性層が、前記第1クラッド層及び前記活性層及び
    第2クラッド層が積層される方向に対して略垂直な方向
    に隣接した、注入される電流を増幅して光を発生する光
    増幅領域と、光増幅領域で発生した光を吸収する可飽和
    吸収領域とを備え、 前記第1クラッド層が凸型のリッジストライプ構造で形
    成されるとともに、該第1クラッド層の凸部が前記光増
    幅領域に対応した広さの面積であり、 直流の動作電流に高周波電流が重畳された変調電流が与
    えられると、前記第1クラッド層を通じて該変調電流が
    前記活性層に注入され、このとき、該変調電流が前記第
    1クラッド層と前記活性層との境界付近において広がる
    ように流れて、該変調電流が前記光増幅領域と前記可飽
    和吸収領域とに注入されることを特徴とする半導体レー
    ザ装置。
  8. 【請求項8】 注入される電流を増幅して光を発生する
    光増幅領域と光増幅領域で発生した光を吸収する可飽和
    吸収領域とより成るとともにレーザ出射光を発生する活
    性層を有し、自励発振状態となってレーザ出射光を発生
    する半導体レーザ素子の駆動方法において、 前記光増幅領域及び前記可飽和吸収領域それぞれに、直
    流の動作電流に高周波電流が重畳される変調電流が注入
    されるとともに前記光増幅領域に注入される前記変調電
    流が前記半導体レーザ素子の発振閾値以上の値となるこ
    とを特徴とする半導体レーザ素子の駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記光増幅領域及び前記可飽和吸収領域
    それぞれに注入される前記変調電流が、前記光増幅領域
    及び前記可飽和吸収領域毎に独立に制御されて注入され
    ることを特徴とする請求項8に記載の半導体レーザ素子
    の駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記可飽和吸収領域に注入される前記
    変調電流の位相が、前記光増幅領域に注入される前記変
    調電流の位相に対して、同相となるように調整されるこ
    とを特徴する請求項8又は請求項9に記載の半導体レー
    ザ素子の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記半導体レーザ素子が、前記光増幅
    領域に注入される前記変調電流が流れる電流注入層を有
    するとともに、前記活性層との境界領域付近において前
    記電流注入層の断面が広がり前記可飽和吸収領域とも接
    するように構成され、 該半導体レーザ素子に与える前記変調電流が、前記半導
    体レーザ素子の発振閾値以上の値であり、 前記電流注入層を前記変調電流が流れるとき、前記活性
    層との境界領域付近で広がり、前記変調電流の一部が前
    記可飽和吸収領域にも流れることを特徴とする請求項8
    に記載の半導体レーザ素子の駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記変調電流が、400MHz以上の
    正弦波状の高周波電流が重畳されたものであることを特
    徴とする請求項8〜請求項11のいずれかに記載の半導
    体レーザ素子の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記変調電流が、立ち上がり時間及び
    立ち下がり時間が共にパルス幅の20%以下となる矩形
    波状の高周波電流が重畳されたものであることを特徴と
    する請求項8〜請求項11のいずれかに記載の半導体レ
    ーザ素子の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記変調電流が、100MHz以上の
    矩形波状の高周波電流が重畳されたものであることを特
    徴とする請求項13に記載の半導体レーザ素子の駆動方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8077586B2 (en) 2007-10-23 2011-12-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording head device, optical recording apparatus, and recording method

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US8077586B2 (en) 2007-10-23 2011-12-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording head device, optical recording apparatus, and recording method

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