JP2003016985A - 電子線装置及びこの装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents
電子線装置及びこの装置を用いたデバイス製造方法Info
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- JP2003016985A JP2003016985A JP2001202970A JP2001202970A JP2003016985A JP 2003016985 A JP2003016985 A JP 2003016985A JP 2001202970 A JP2001202970 A JP 2001202970A JP 2001202970 A JP2001202970 A JP 2001202970A JP 2003016985 A JP2003016985 A JP 2003016985A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 各部品の寸法及び間隔に制約を受けず、複雑
で高価な部品を用いないで試料の光軸方向位置を検出す
る。 【解決手段】 Zセンサーは、静電偏向器19及び20
を備える。該偏向器19、20は、CPU28からの指
令により各々の偏向電圧の比率を設定する偏向電圧比設
定器27と制御電源26を介して接続され、偏向中心を
試料面の上方から下方に至る所定範囲で調整可能とされ
る。試料8には右側が2次電子放出率ηの大きい物質、
左側がηの小さい物質からなるマーカ18が形成され、
表示部29は、マーカ18の画像を表示することができ
る。静電偏向器19及び20により一次電子線を偏向し
てマーカ18上を走査する間に得られた該マーカの二次
電子画像の左右が丁度反転するとき又はその倍率が実質
的に∞になるときの偏向器19及び20の偏向電圧比に
基づいて、試料面の光軸方向の位置を検出する。
で高価な部品を用いないで試料の光軸方向位置を検出す
る。 【解決手段】 Zセンサーは、静電偏向器19及び20
を備える。該偏向器19、20は、CPU28からの指
令により各々の偏向電圧の比率を設定する偏向電圧比設
定器27と制御電源26を介して接続され、偏向中心を
試料面の上方から下方に至る所定範囲で調整可能とされ
る。試料8には右側が2次電子放出率ηの大きい物質、
左側がηの小さい物質からなるマーカ18が形成され、
表示部29は、マーカ18の画像を表示することができ
る。静電偏向器19及び20により一次電子線を偏向し
てマーカ18上を走査する間に得られた該マーカの二次
電子画像の左右が丁度反転するとき又はその倍率が実質
的に∞になるときの偏向器19及び20の偏向電圧比に
基づいて、試料面の光軸方向の位置を検出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に一次電子線
を照射し、該試料から放出された二次電子線を検出し、
これにより得られた二次電子画像に基づいて試料を評価
する電子線装置、並びに、当該電子線装置を用いたデバ
イス製造方法に関する。
を照射し、該試料から放出された二次電子線を検出し、
これにより得られた二次電子画像に基づいて試料を評価
する電子線装置、並びに、当該電子線装置を用いたデバ
イス製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】半導体ウェーハやマスク等の試料の欠陥検
出方法として、複数の細く絞った電子線等のプローブで
試料上を同時走査して該試料から発生する二次電子を検
出器で検出することにより、高分解能、高スループット
で欠陥を検出する技術が知られている。この技術では、
1つの電子銃から放出した電子線から一次マルチビーム
を形成し、一次光学系を介して試料に縮小結像させて複
数の照射スポットを形成する。このとき、偏向器を用い
て各照射スポットを試料の検査面上で走査する。次に、
各照射スポットから発生した二次電子線を、二次光学系
を介して(一次光学系と共通の2段のレンズを通過
後)、E×B分離器で一次ビームから分離し、拡大結像
し、マルチ検出器により複数の二次電子線の強度を各々
検出する。この二次電子線の強度信号から試料の被検査
パターンの二次電子画像を得ている。
出方法として、複数の細く絞った電子線等のプローブで
試料上を同時走査して該試料から発生する二次電子を検
出器で検出することにより、高分解能、高スループット
で欠陥を検出する技術が知られている。この技術では、
1つの電子銃から放出した電子線から一次マルチビーム
を形成し、一次光学系を介して試料に縮小結像させて複
数の照射スポットを形成する。このとき、偏向器を用い
て各照射スポットを試料の検査面上で走査する。次に、
各照射スポットから発生した二次電子線を、二次光学系
を介して(一次光学系と共通の2段のレンズを通過
後)、E×B分離器で一次ビームから分離し、拡大結像
し、マルチ検出器により複数の二次電子線の強度を各々
検出する。この二次電子線の強度信号から試料の被検査
パターンの二次電子画像を得ている。
【0003】試料は、ステージの上に置かれており、こ
のステージは、試料をXY水平面内で適宜移動させ、マ
ルチビームを試料の被検査領域全体に亘って走査可能と
している。試料が載置されるステージは、真空チャンバ
ー内に配置されているため、構造簡略の要請から、XY
平面の垂直方向であるZ方向(一次光学系の光軸方向)
に移動する機構を設けない場合がある(即ち、XYZス
テージではなくXYステージとなる)。このような場合
には、XYステージが平坦から少しずれていたり、検査
対象である試料に反りがあると、XYステージをXY平
面内に移動させるだけで試料のZ方向位置が変化する。
また、試料にチャージアップがあると、一次マルチビー
ムの焦点位置が変化する。
のステージは、試料をXY水平面内で適宜移動させ、マ
ルチビームを試料の被検査領域全体に亘って走査可能と
している。試料が載置されるステージは、真空チャンバ
ー内に配置されているため、構造簡略の要請から、XY
平面の垂直方向であるZ方向(一次光学系の光軸方向)
に移動する機構を設けない場合がある(即ち、XYZス
テージではなくXYステージとなる)。このような場合
には、XYステージが平坦から少しずれていたり、検査
対象である試料に反りがあると、XYステージをXY平
面内に移動させるだけで試料のZ方向位置が変化する。
また、試料にチャージアップがあると、一次マルチビー
ムの焦点位置が変化する。
【0004】かかる場合等には、試料のZ方向の位置を
計測するためのZセンサーを用意し、該センサーによる
計測結果に基づいて一次光学系の対物レンズに印加する
電圧を制御することにより試料のZ方向位置に応じた1
次マルチビームの焦点合わせを行う必要がある。
計測するためのZセンサーを用意し、該センサーによる
計測結果に基づいて一次光学系の対物レンズに印加する
電圧を制御することにより試料のZ方向位置に応じた1
次マルチビームの焦点合わせを行う必要がある。
【0005】従来のZセンサーは、Z方向(光軸)に対
して斜め方向から試料に光を入射する送光系と、その反
射光を測定することによりZ方向位置を検出するPSD
(Position Sensitive Detector)等とで構成されてい
た。
して斜め方向から試料に光を入射する送光系と、その反
射光を測定することによりZ方向位置を検出するPSD
(Position Sensitive Detector)等とで構成されてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のZセンサーでは、光を試料面に対して斜め方向から
入射させる必要があるため、対物レンズと試料間に例え
ば5mm以上の空間が必要であった。また、たとえ十分
な空間があったとしても、入射光線を遮らないように対
物レンズの外径がある程度小さい必要があった。更に、
このようなZセンサーの光学系やその制御系は、その精
度を上げるために複雑で高価な部品を用いるという問題
があった。
来のZセンサーでは、光を試料面に対して斜め方向から
入射させる必要があるため、対物レンズと試料間に例え
ば5mm以上の空間が必要であった。また、たとえ十分
な空間があったとしても、入射光線を遮らないように対
物レンズの外径がある程度小さい必要があった。更に、
このようなZセンサーの光学系やその制御系は、その精
度を上げるために複雑で高価な部品を用いるという問題
があった。
【0007】本発明は上記事実に鑑みなされたもので、
上記のような光の光学系を全く用いることなく、電子光
学的にZセンシングを行うことにより上記問題を解決し
た電子線装置を提供することを目的とする。
上記のような光の光学系を全く用いることなく、電子光
学的にZセンシングを行うことにより上記問題を解決し
た電子線装置を提供することを目的とする。
【0008】更に、本発明は、上記電子線装置を用いて
製造途中若しくは完成品の半導体デバイスを検査するこ
とによって、検査精度及びスループットの向上を図った
デバイス製造方法を提供することを別の目的とする。
製造途中若しくは完成品の半導体デバイスを検査するこ
とによって、検査精度及びスループットの向上を図った
デバイス製造方法を提供することを別の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、複数の一次電子線を形成し、該複数の一
次電子線を試料の面上に結像させて、走査する一次光学
系と、前記試料から各々放出された複数の二次電子線を
前記一次光学系から分離させるE×B分離器と、分離さ
れた前記複数の二次電子線を結像させる二次光学系と、
結像された前記複数の二次電子線を検出する検出器と、
を含み、検出された二次電子線から取得された二次電子
画像に基づいて前記試料を評価する電子線装置であっ
て、前記複数の一次電子線を各々偏向する2段以上の偏
向手段を更に備え、前記2段以上の偏向手段に与えられ
る励起量の比を調整することにより、主光線の偏向軌道
が光軸と交差するところの偏向中心が前記試料面の上方
から下方に至る所定範囲で調整されることを特徴とす
る。
め、本発明は、複数の一次電子線を形成し、該複数の一
次電子線を試料の面上に結像させて、走査する一次光学
系と、前記試料から各々放出された複数の二次電子線を
前記一次光学系から分離させるE×B分離器と、分離さ
れた前記複数の二次電子線を結像させる二次光学系と、
結像された前記複数の二次電子線を検出する検出器と、
を含み、検出された二次電子線から取得された二次電子
画像に基づいて前記試料を評価する電子線装置であっ
て、前記複数の一次電子線を各々偏向する2段以上の偏
向手段を更に備え、前記2段以上の偏向手段に与えられ
る励起量の比を調整することにより、主光線の偏向軌道
が光軸と交差するところの偏向中心が前記試料面の上方
から下方に至る所定範囲で調整されることを特徴とす
る。
【0010】本発明の電子線装置によれば、一次光学系
は、例えば電子銃等から投入された一次電子線から複数
の一次電子線を形成し、該複数の一次電子線を試料の面
上に結像させ、照射スポットを形成する。そして、一次
電子線を偏向器等で偏向させることにより該照射スポッ
トを試料面上で走査し、試料面の当該領域に亘って一次
電子線を照射する。
は、例えば電子銃等から投入された一次電子線から複数
の一次電子線を形成し、該複数の一次電子線を試料の面
上に結像させ、照射スポットを形成する。そして、一次
電子線を偏向器等で偏向させることにより該照射スポッ
トを試料面上で走査し、試料面の当該領域に亘って一次
電子線を照射する。
【0011】試料面上の各照射スポットからは、一次電
子線の照射に起因した二次電子線が各々放出され、複数
の二次電子線が発生する。E×B分離器は、複数の二次
電子線を偏向させることにより一次光学系から分離させ
る。分離された複数の二次電子線は、二次光学系によっ
て検出器に結像され、その強度が該検出器によって検出
される。電子線装置は、検出された二次電子線から二次
電子画像を取得し、該二次電子画像に基づいて試料を評
価する。
子線の照射に起因した二次電子線が各々放出され、複数
の二次電子線が発生する。E×B分離器は、複数の二次
電子線を偏向させることにより一次光学系から分離させ
る。分離された複数の二次電子線は、二次光学系によっ
て検出器に結像され、その強度が該検出器によって検出
される。電子線装置は、検出された二次電子線から二次
電子画像を取得し、該二次電子画像に基づいて試料を評
価する。
【0012】本発明の電子線装置は、試料を評価する際
に、一次光学系により一次電子線を試料面に結像させる
が、例えば試料面の光軸方向の位置が変化する可能性が
ある場合等に、試料面の光軸方向の位置を検出し、該位
置に応じて合焦位置を調整する必要がある。このような
場合として、例えば試料をXYステージに載置し、該ス
テージで試料をXY方向に移動した後等にZ方向(光軸
方向)位置が変動する場合などがある。
に、一次光学系により一次電子線を試料面に結像させる
が、例えば試料面の光軸方向の位置が変化する可能性が
ある場合等に、試料面の光軸方向の位置を検出し、該位
置に応じて合焦位置を調整する必要がある。このような
場合として、例えば試料をXYステージに載置し、該ス
テージで試料をXY方向に移動した後等にZ方向(光軸
方向)位置が変動する場合などがある。
【0013】試料面の光軸方向の位置を検出するため、
本発明では、試料面にマーカを形成しておく。このマー
カは、例えば、右側が2次電子放出率ηの大きい物質、
左側が2次電子放出率ηの小さい物質からなるレジスト
レーションマークとして形成することができる。
本発明では、試料面にマーカを形成しておく。このマー
カは、例えば、右側が2次電子放出率ηの大きい物質、
左側が2次電子放出率ηの小さい物質からなるレジスト
レーションマークとして形成することができる。
【0014】試料面の光軸方向の位置を検出する際、2
段以上の偏向手段は、それに与えられる励起量の比を調
整されることにより、主光線の偏向軌道が光軸と交差す
るところの偏向中心を試料面の上方から下方に至る所定
範囲で調整される。この調整の間に、一次電子線が偏向
されてマーカ上を走査する。この走査の間に順次得られ
たマーカの二次電子画像の左右が丁度反転するとき又は
その倍率が実質的に∞になるとき、偏向中心は丁度試料
面上にきたことになる。なお、ここでいう二次電子画像
の左右とは、見方を変えれば当該画像の上下となる。こ
のときの偏向手段に与えられた励起量に関する量は、試
料面の光軸方向位置に関連する。従って、この励起に関
する量に基づいて、試料面の光軸方向の位置を検出する
ことが可能となる。即ち、光学的なZセンサーを必要と
することなく、試料の光軸方向位置を検出することがで
きる。
段以上の偏向手段は、それに与えられる励起量の比を調
整されることにより、主光線の偏向軌道が光軸と交差す
るところの偏向中心を試料面の上方から下方に至る所定
範囲で調整される。この調整の間に、一次電子線が偏向
されてマーカ上を走査する。この走査の間に順次得られ
たマーカの二次電子画像の左右が丁度反転するとき又は
その倍率が実質的に∞になるとき、偏向中心は丁度試料
面上にきたことになる。なお、ここでいう二次電子画像
の左右とは、見方を変えれば当該画像の上下となる。こ
のときの偏向手段に与えられた励起量に関する量は、試
料面の光軸方向位置に関連する。従って、この励起に関
する量に基づいて、試料面の光軸方向の位置を検出する
ことが可能となる。即ち、光学的なZセンサーを必要と
することなく、試料の光軸方向位置を検出することがで
きる。
【0015】好ましい態様の偏向手段は、例えば、一次
光学系において一次電子線を偏向可能な静電偏向器と、
E×B分離器に備えられた静電偏向器との2段構成とす
ることができる。この場合、上記励起量は、これら2つ
の静電偏向器に各々与えられた2つの偏向電圧であり、
上記励起量の比に関する量は、該2つの静電偏向器に与
えられた偏向電圧の比となる。このように偏向手段を構
成することによって、Zセンシングのために特殊な電子
光学部品を必要とせず、更にレンズを変える必要がない
ので高速で測定することができる。勿論、3段以上の偏
向器として構成してもよい。この構成の違いに応じて上
記励起量の比に関する量は、3段以上の偏向器の偏向電
圧の比を用いることができる。
光学系において一次電子線を偏向可能な静電偏向器と、
E×B分離器に備えられた静電偏向器との2段構成とす
ることができる。この場合、上記励起量は、これら2つ
の静電偏向器に各々与えられた2つの偏向電圧であり、
上記励起量の比に関する量は、該2つの静電偏向器に与
えられた偏向電圧の比となる。このように偏向手段を構
成することによって、Zセンシングのために特殊な電子
光学部品を必要とせず、更にレンズを変える必要がない
ので高速で測定することができる。勿論、3段以上の偏
向器として構成してもよい。この構成の違いに応じて上
記励起量の比に関する量は、3段以上の偏向器の偏向電
圧の比を用いることができる。
【0016】以上のように本発明は、試料に対して斜め
方向から光を入射させる必要がないので、一次光学系の
対物レンズの外径を必ずしも小型化する必要はなく、更
にその作動距離を小さくすることができる。例えば、本
発明の一態様では、対物レンズの作動距離が5mm以下
であることを特徴としている。
方向から光を入射させる必要がないので、一次光学系の
対物レンズの外径を必ずしも小型化する必要はなく、更
にその作動距離を小さくすることができる。例えば、本
発明の一態様では、対物レンズの作動距離が5mm以下
であることを特徴としている。
【0017】更に好ましい態様は、複数の一次電子ビー
ムの前記試料面上での間隔が、二次光学系の該試料面換
算での分解能より大きくしたことを特徴とする。これに
よって複数の電子線間のクロストークを防止することが
できる。
ムの前記試料面上での間隔が、二次光学系の該試料面換
算での分解能より大きくしたことを特徴とする。これに
よって複数の電子線間のクロストークを防止することが
できる。
【0018】別の好ましい態様は、二次光学系は、E×
B分離器の後に少なくとも1段の軸対称レンズを有する
ことを特徴とする。上記電子線装置を用いて、ウェーハ
プロセスの少なくとも1つのプロセス後のウェーハを評
価することを特徴とする、デバイス製造方法が実施でき
る。
B分離器の後に少なくとも1段の軸対称レンズを有する
ことを特徴とする。上記電子線装置を用いて、ウェーハ
プロセスの少なくとも1つのプロセス後のウェーハを評
価することを特徴とする、デバイス製造方法が実施でき
る。
【0019】本発明の他の態様及び作用効果は、以下の
説明によって更に明らかとなる。
説明によって更に明らかとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の各実施形態を説明する。 (第1の実施形態;電子線を用いた欠陥検査装置)図1
(A)には、本発明の第1の実施形態に係る欠陥検査装
置としての電子線装置の概略構成が示されている。本欠
陥検査装置は、一次電子線を放出する電子銃1と、放出
された1次電子線を、ウェーハ及びマスクのいずれかで
ある試料8上に結像させるための一次光学系とを含む。
一次光学系は、放出された一次電子線を集束してクロス
オーバー像4を形成するコンデンサレンズ2と、コンデ
ンサレンズ2及び第1のクロスオーバー像4の間に配置
され、コンデンサレンズ2を通過した一次電子線から複
数のビームを形成させるための複数の開口3aを有する
第1のマルチ開口板3と、これら複数のビームを面15
に縮小結像させる縮小レンズ5と、点15の像を試料8
上に更に縮小結像させる対物レンズ7と、を備える。な
お、試料8は、XY平面内で試料8を移動可能なステー
ジ20aの上に載置されている。
の各実施形態を説明する。 (第1の実施形態;電子線を用いた欠陥検査装置)図1
(A)には、本発明の第1の実施形態に係る欠陥検査装
置としての電子線装置の概略構成が示されている。本欠
陥検査装置は、一次電子線を放出する電子銃1と、放出
された1次電子線を、ウェーハ及びマスクのいずれかで
ある試料8上に結像させるための一次光学系とを含む。
一次光学系は、放出された一次電子線を集束してクロス
オーバー像4を形成するコンデンサレンズ2と、コンデ
ンサレンズ2及び第1のクロスオーバー像4の間に配置
され、コンデンサレンズ2を通過した一次電子線から複
数のビームを形成させるための複数の開口3aを有する
第1のマルチ開口板3と、これら複数のビームを面15
に縮小結像させる縮小レンズ5と、点15の像を試料8
上に更に縮小結像させる対物レンズ7と、を備える。な
お、試料8は、XY平面内で試料8を移動可能なステー
ジ20aの上に載置されている。
【0021】縮小レンズ5及び対物レンズ7の像面湾曲
収差の影響を無くすため、図1(B)に示すように、小
開口3aは、第1のマルチ開口板3の円周上に配置さ
れ、そのX方向に投影したものは等間隔となる構造とな
っている。なお、対物レンズ7の作動距離は、5mm以
下とするのが好ましい。
収差の影響を無くすため、図1(B)に示すように、小
開口3aは、第1のマルチ開口板3の円周上に配置さ
れ、そのX方向に投影したものは等間隔となる構造とな
っている。なお、対物レンズ7の作動距離は、5mm以
下とするのが好ましい。
【0022】ウェーハ面の負電位で減速された細いビー
ムは、試料8上に照射され、各々照射スポットを形成す
る。縮小レンズ5の下には、このような各照射スポット
が試料8上で所定範囲に走査されるように複数の一次電
子ビームを偏向させる静電偏向器19が設けられてい
る。更に、静電偏向器19の後段には、静電偏向器20
と電磁偏向器とから構成されるE×B分離器6が配置さ
れている。このうち静電偏向器20は、静電偏向器19
と共に、複数の一次電子ビームを偏向することができ
る。
ムは、試料8上に照射され、各々照射スポットを形成す
る。縮小レンズ5の下には、このような各照射スポット
が試料8上で所定範囲に走査されるように複数の一次電
子ビームを偏向させる静電偏向器19が設けられてい
る。更に、静電偏向器19の後段には、静電偏向器20
と電磁偏向器とから構成されるE×B分離器6が配置さ
れている。このうち静電偏向器20は、静電偏向器19
と共に、複数の一次電子ビームを偏向することができ
る。
【0023】更に、E×B分離器6は、試料8上の各照
射スポットから放出された複数の二次電子線を、場E×
Bにより、その主面から光軸45に対して所定角度(例
えば35°)をなす方向に偏向させることにより、複数
の二次電子線を一次光学系より分離し、二次光学系に投
入する。
射スポットから放出された複数の二次電子線を、場E×
Bにより、その主面から光軸45に対して所定角度(例
えば35°)をなす方向に偏向させることにより、複数
の二次電子線を一次光学系より分離し、二次光学系に投
入する。
【0024】二次光学系は、偏向された二次電子線の像
を拡大する拡大レンズ9を備える。拡大レンズ9の後段
に、拡大レンズ9の像を更に拡大して検出手段に結像さ
せる拡大レンズ10と、を設けてもよい。なお、拡大レ
ンズ9、10は、軸対称レンズであるのが好ましい。
を拡大する拡大レンズ9を備える。拡大レンズ9の後段
に、拡大レンズ9の像を更に拡大して検出手段に結像さ
せる拡大レンズ10と、を設けてもよい。なお、拡大レ
ンズ9、10は、軸対称レンズであるのが好ましい。
【0025】ここで、二次光学系のウェーハ面換算での
分解能より複数の一次電子ビームの間隔を大きくするこ
とによって、複数ビーム間のクロストークを生じなくさ
せることができる。照射スポットを、同時に上記した静
電偏向器19で走査する。これによりSEMと同じ原理
で画像を形成でき、ビーム本数に比例した数の試料面の
画像が同時に作成される。
分解能より複数の一次電子ビームの間隔を大きくするこ
とによって、複数ビーム間のクロストークを生じなくさ
せることができる。照射スポットを、同時に上記した静
電偏向器19で走査する。これによりSEMと同じ原理
で画像を形成でき、ビーム本数に比例した数の試料面の
画像が同時に作成される。
【0026】二次光学系の結像位置には、検出手段が配
置され、この検出手段は、複数の開口11aを有する第
2のマルチ開口板11と、これらの開口を通過した複数
の二次電子線を夫々検出するマルチ検出素子からなる検
出器12と、を備える。各マルチ検出素子は、検出した
二次電子線を、その強度を表す電気信号へ変換する。図
1(B)に示すように、第2のマルチ開口板11に形成
された複数の開口11aと、第1のマルチ開口板3に形
成された複数の開口3aとは一対一に対応している。な
お、マルチ検出素子として、例えば電子線強度を直接検
出するPN接合ダイオード、或いは、電子により発光す
る蛍光板を介して発光強度を検出するPMT(光電子増
倍管)などを用いることができる。
置され、この検出手段は、複数の開口11aを有する第
2のマルチ開口板11と、これらの開口を通過した複数
の二次電子線を夫々検出するマルチ検出素子からなる検
出器12と、を備える。各マルチ検出素子は、検出した
二次電子線を、その強度を表す電気信号へ変換する。図
1(B)に示すように、第2のマルチ開口板11に形成
された複数の開口11aと、第1のマルチ開口板3に形
成された複数の開口3aとは一対一に対応している。な
お、マルチ検出素子として、例えば電子線強度を直接検
出するPN接合ダイオード、或いは、電子により発光す
る蛍光板を介して発光強度を検出するPMT(光電子増
倍管)などを用いることができる。
【0027】検出器12の各マルチ検出素子は、夫々の
増幅器13を介して、検出信号を画像データに変換する
画像処理部14に接続される。画像処理部14には、一
次電子線を偏向させるため偏向器20に与えられた走査
信号と同じ信号が供給されるので、画像処理部14は、
ビーム走査中に得られた検出信号から試料8に形成され
たパターンの二次電子パターン画像を構成することがで
きる。
増幅器13を介して、検出信号を画像データに変換する
画像処理部14に接続される。画像処理部14には、一
次電子線を偏向させるため偏向器20に与えられた走査
信号と同じ信号が供給されるので、画像処理部14は、
ビーム走査中に得られた検出信号から試料8に形成され
たパターンの二次電子パターン画像を構成することがで
きる。
【0028】ここで、第1のマルチ開口板3の開口3a
を通過した一次電子線を試料8の面上に合焦させ、試料
8から放出された二次電子線を検出器12に結像させる
際、一次光学系で生じる歪み、軸上色収差及び視野非点
という3つの収差による影響を最小にするよう特に配慮
する必要がある。
を通過した一次電子線を試料8の面上に合焦させ、試料
8から放出された二次電子線を検出器12に結像させる
際、一次光学系で生じる歪み、軸上色収差及び視野非点
という3つの収差による影響を最小にするよう特に配慮
する必要がある。
【0029】図2には、試料8の光軸45方向(Z方
向)の位置を検出するZセンサーの構成及び作動原理を
説明するため、図1の対物レンズ7の近傍が示されてい
る。同図に示すように、本発明の実施形態に係るZセン
サーは、対物レンズ7及び縮小レンズ5の間に各々配置
された、上記した静電偏向器19及びその下段の静電偏
向器20の偏向電圧比を調整することによって実現され
る。この目的のため、偏向器19、20は、各々の偏向
器に供給される偏向電圧を制御するための制御電源26
と接続され、該制御電源26は、偏向器19、20の偏
向電圧の比率を設定するための偏向電圧比設定器27と
接続される。この偏向電圧比設定器27は、電子線装置
全体を制御するCPU28と接続されており、該CPU
28からの指令によって、偏向器19、20への偏向電
圧の比率を設定する。
向)の位置を検出するZセンサーの構成及び作動原理を
説明するため、図1の対物レンズ7の近傍が示されてい
る。同図に示すように、本発明の実施形態に係るZセン
サーは、対物レンズ7及び縮小レンズ5の間に各々配置
された、上記した静電偏向器19及びその下段の静電偏
向器20の偏向電圧比を調整することによって実現され
る。この目的のため、偏向器19、20は、各々の偏向
器に供給される偏向電圧を制御するための制御電源26
と接続され、該制御電源26は、偏向器19、20の偏
向電圧の比率を設定するための偏向電圧比設定器27と
接続される。この偏向電圧比設定器27は、電子線装置
全体を制御するCPU28と接続されており、該CPU
28からの指令によって、偏向器19、20への偏向電
圧の比率を設定する。
【0030】また、検出器12は、二次電子画像を表示
するための表示部29と接続される。この表示部29
は、CRTや液晶ディスプレイなどから構成され、試料
8の被検査領域の二次電子画像を表示するだけでなく、
後述するように、試料8のZ方向位置を検出するため使
用される、該試料上に形成されたマーカ18を表示する
ことができる。このマーカ18は、例えば図示のように
右側が2次電子放出率ηの大きい物質、左側が2次電子
放出率ηの小さい物質からなるレジストレーションマー
クとして形成され、その境界のコントラストでエッジを
際立たせている。
するための表示部29と接続される。この表示部29
は、CRTや液晶ディスプレイなどから構成され、試料
8の被検査領域の二次電子画像を表示するだけでなく、
後述するように、試料8のZ方向位置を検出するため使
用される、該試料上に形成されたマーカ18を表示する
ことができる。このマーカ18は、例えば図示のように
右側が2次電子放出率ηの大きい物質、左側が2次電子
放出率ηの小さい物質からなるレジストレーションマー
クとして形成され、その境界のコントラストでエッジを
際立たせている。
【0031】次に、本実施形態に係るZセンサーの作動
を説明する。偏向器19及び20の偏向電圧を、夫々、
V19及びV20とする。このとき、CPU28からの指令
により偏向電圧比設定器27で設定された偏向電圧比
(V20/V19)が例えば1.9の場合、縮小レンズ5を
通過した一次電子ビームは、偏向器19及び偏向器20
により順次偏向され、各々軌道21及び軌道22を通っ
て試料8上に照射される。この偏向電圧比(=1.9)
の場合、試料8上の照射スポットは、位置24―>25
の方向に走査される。このときの偏向中心は、試料面よ
り上の位置50aにある。なお、偏向中心とは、主光線
の偏向軌道が光軸45と交差するところである。
を説明する。偏向器19及び20の偏向電圧を、夫々、
V19及びV20とする。このとき、CPU28からの指令
により偏向電圧比設定器27で設定された偏向電圧比
(V20/V19)が例えば1.9の場合、縮小レンズ5を
通過した一次電子ビームは、偏向器19及び偏向器20
により順次偏向され、各々軌道21及び軌道22を通っ
て試料8上に照射される。この偏向電圧比(=1.9)
の場合、試料8上の照射スポットは、位置24―>25
の方向に走査される。このときの偏向中心は、試料面よ
り上の位置50aにある。なお、偏向中心とは、主光線
の偏向軌道が光軸45と交差するところである。
【0032】これに対し、偏向電圧比(V20/V19)が
例えば1.7になると、偏向器19及び偏向器20によ
り順次偏向された一次電子ビームは、各々軌道21及び
軌道23を通って試料8上に照射される。この偏向電圧
比(=1.7)の場合、試料8上の照射スポットは、前
者とは反対に位置25―>24の方向に走査される。こ
のときの偏向中心は、試料面より下の位置50bにあ
る。
例えば1.7になると、偏向器19及び偏向器20によ
り順次偏向された一次電子ビームは、各々軌道21及び
軌道23を通って試料8上に照射される。この偏向電圧
比(=1.7)の場合、試料8上の照射スポットは、前
者とは反対に位置25―>24の方向に走査される。こ
のときの偏向中心は、試料面より下の位置50bにあ
る。
【0033】偏向電圧比が1.9の場合、マーカ18
は、表示部29に、点線の波形30aとして出力され
る。これに対し、偏向電圧比を1.7にすると、マーカ
18は、表示部29に、実線の波形30bとして出力さ
れる。従って、偏向電圧比を1.9から1,7の方へ連
続的に変化させていくと、波形が点線30aから実線3
0bに変わるところの境界が観察される。この境界の位
置が、図示のように、丁度一次電子ビームの軌道が試料
8上で交差する位置に相当する。即ち偏向中心が試料面
上にあるより詳しくは、マーカ18の境界を表示部29
上で表示して、偏向電圧比を連続的に変えていくと、点
線波形30aの立下り波形の傾斜が小さくなり、ついに
は平坦な波形となり、これを超えると実線波形30bの
ように再び傾斜が大きくなっていく。この傾斜が0即ち
倍率が∞になる位置、即ちマーカ像の左右又は上下が反
転し始める位置が、一次電子ビームの軌道が試料8上で
交差する位置に相当しており、この位置を与える偏向電
圧比は、試料8のZ方向位置の関数となる。従って、こ
の関数を決定しておけば、即ちこの試料8の種々のZ方
向位置に対して上述したマーカ18の傾斜が0となる位
置を与える偏向電圧比を予め較正しておけば、試料8の
Z方向位置を求めることができる。
は、表示部29に、点線の波形30aとして出力され
る。これに対し、偏向電圧比を1.7にすると、マーカ
18は、表示部29に、実線の波形30bとして出力さ
れる。従って、偏向電圧比を1.9から1,7の方へ連
続的に変化させていくと、波形が点線30aから実線3
0bに変わるところの境界が観察される。この境界の位
置が、図示のように、丁度一次電子ビームの軌道が試料
8上で交差する位置に相当する。即ち偏向中心が試料面
上にあるより詳しくは、マーカ18の境界を表示部29
上で表示して、偏向電圧比を連続的に変えていくと、点
線波形30aの立下り波形の傾斜が小さくなり、ついに
は平坦な波形となり、これを超えると実線波形30bの
ように再び傾斜が大きくなっていく。この傾斜が0即ち
倍率が∞になる位置、即ちマーカ像の左右又は上下が反
転し始める位置が、一次電子ビームの軌道が試料8上で
交差する位置に相当しており、この位置を与える偏向電
圧比は、試料8のZ方向位置の関数となる。従って、こ
の関数を決定しておけば、即ちこの試料8の種々のZ方
向位置に対して上述したマーカ18の傾斜が0となる位
置を与える偏向電圧比を予め較正しておけば、試料8の
Z方向位置を求めることができる。
【0034】例えば、CPU28は、偏向電圧比と試料
8のZ方向位置との関数を、図示しないメモリ上に参照
テーブルとして持ち、予め定められた範囲で偏向電圧比
を偏向電圧比設定器27を用いて連続的に変化させる。
そして、各々の偏向電圧比で得られたマーカ18の二次
電子画像からマーカ18の傾斜が0となる位置を検出
し、この位置を与えた偏向電圧比に対応する試料8のZ
方向位置を上記参照テーブルから自動的に求める。な
お、オペレータが表示部29を見ながらマーカ18の傾
斜が0となる位置を求め、そのときの偏向電圧比から試
料8のZ方向位置を求めてもよい。
8のZ方向位置との関数を、図示しないメモリ上に参照
テーブルとして持ち、予め定められた範囲で偏向電圧比
を偏向電圧比設定器27を用いて連続的に変化させる。
そして、各々の偏向電圧比で得られたマーカ18の二次
電子画像からマーカ18の傾斜が0となる位置を検出
し、この位置を与えた偏向電圧比に対応する試料8のZ
方向位置を上記参照テーブルから自動的に求める。な
お、オペレータが表示部29を見ながらマーカ18の傾
斜が0となる位置を求め、そのときの偏向電圧比から試
料8のZ方向位置を求めてもよい。
【0035】以上のように試料8のZ方向位置が求めら
れると、CPU28は一次光学系の対物レンズ7に印加
する電圧を制御することにより1次マルチビームの焦点
合わせをより正確に行うことができる。
れると、CPU28は一次光学系の対物レンズ7に印加
する電圧を制御することにより1次マルチビームの焦点
合わせをより正確に行うことができる。
【0036】一旦一次マルチビームの焦点合わせが完了
すると、以下のようなプロセスに従って二次電子画像を
取得する。電子銃1から放出された一次電子線は、コン
デンサレンズ2で収束され、クロスオーバー像4を形成
する。その途中で、一次電子線は、第1のマルチ開口板
3の複数の開口3aを通過するので複数のビームが形成
される。これら複数のビームは、縮小レンズ5によって
点15に合焦され、更に対物レンズ7を介して試料8面
上に縮小結像される。
すると、以下のようなプロセスに従って二次電子画像を
取得する。電子銃1から放出された一次電子線は、コン
デンサレンズ2で収束され、クロスオーバー像4を形成
する。その途中で、一次電子線は、第1のマルチ開口板
3の複数の開口3aを通過するので複数のビームが形成
される。これら複数のビームは、縮小レンズ5によって
点15に合焦され、更に対物レンズ7を介して試料8面
上に縮小結像される。
【0037】かくして、試料8上には、ほぼ同一強度に
揃えられた一次電子線による複数の照射スポットが形成
され、各照射スポットから二次電子が放出される。この
間、静電偏向器19、20は、隣接するビーム間隔より
僅かに広い領域を偏向させる。この偏向によって、試料
上の照射スポットはビームの並び方向を切れ目なく走査
できる。
揃えられた一次電子線による複数の照射スポットが形成
され、各照射スポットから二次電子が放出される。この
間、静電偏向器19、20は、隣接するビーム間隔より
僅かに広い領域を偏向させる。この偏向によって、試料
上の照射スポットはビームの並び方向を切れ目なく走査
できる。
【0038】試料の各照射スポットから発生した二次電
子のマルチビームは対物レンズ7の電界に引かれて細く
集束され、E×B分離器6に至り、そこで生成された場
E×Bによって光軸45に対して所定角度をなす方向に
偏向され、二次光学系の光軸46に沿って進行する。二
次電子像は、点15より対物レンズ7に近い点16に焦
点を結ぶ。これは、各一次電子線は試料面上で例えば5
00eVにエネルギーを持っているのに対し、二次電子
線は一般に数eVのエネルギーしか持っていないためで
ある。これらの二次電子のマルチビームは、拡大レンズ
9及び10によって拡大され、第2のマルチ開口板11
の複数の開口11aを通って検出器12のマルチ検出素
子で各々検出される。検出信号は、増幅器13を介して
画像処理部14に送られて、被検査領域の一部の領域に
おける二次電子画像パターンが形成される。
子のマルチビームは対物レンズ7の電界に引かれて細く
集束され、E×B分離器6に至り、そこで生成された場
E×Bによって光軸45に対して所定角度をなす方向に
偏向され、二次光学系の光軸46に沿って進行する。二
次電子像は、点15より対物レンズ7に近い点16に焦
点を結ぶ。これは、各一次電子線は試料面上で例えば5
00eVにエネルギーを持っているのに対し、二次電子
線は一般に数eVのエネルギーしか持っていないためで
ある。これらの二次電子のマルチビームは、拡大レンズ
9及び10によって拡大され、第2のマルチ開口板11
の複数の開口11aを通って検出器12のマルチ検出素
子で各々検出される。検出信号は、増幅器13を介して
画像処理部14に送られて、被検査領域の一部の領域に
おける二次電子画像パターンが形成される。
【0039】試料の検査面全体の二次電子画像を順次得
るため、試料8は、ステージ20aによって同期的に所
定幅で逐次移動される。このとき、CPU28は、図示
しないレーザー測長機によって検出されたステージ20
aのXY座標位置に基づいて、マルチビームの走査範囲
に切れ目ができないようにステージ20aの移動を制御
する。XY方向への移動が完了すると、図2のZセンサ
ーにより、試料のZ方向位置が検出される。そこで、C
PU28は、得られたZ方向位置に基づいて一次光学系
の対物レンズ7に印加する電圧を制御することにより1
次マルチビームの焦点合わせを再び実行する。そして、
新たな領域について上記と同様に二次電子画像が取得さ
れる。
るため、試料8は、ステージ20aによって同期的に所
定幅で逐次移動される。このとき、CPU28は、図示
しないレーザー測長機によって検出されたステージ20
aのXY座標位置に基づいて、マルチビームの走査範囲
に切れ目ができないようにステージ20aの移動を制御
する。XY方向への移動が完了すると、図2のZセンサ
ーにより、試料のZ方向位置が検出される。そこで、C
PU28は、得られたZ方向位置に基づいて一次光学系
の対物レンズ7に印加する電圧を制御することにより1
次マルチビームの焦点合わせを再び実行する。そして、
新たな領域について上記と同様に二次電子画像が取得さ
れる。
【0040】以上のようにして形成された二次電子画像
パターンに基づいて、CPU28は、例えば、試料とし
てのウェーハ8の評価を以下のように実行する。パター
ンマッチングによるウェーハ8のパターン欠陥検査法で
は、CPU28が、そのメモリに予め蓄えられていた欠
陥の存在しないウェーハの二次電子線基準画像と、実際
に検出された二次電子線画像とを比較照合し、両者の類
似度を算出する。例えば、類似度が閾値以下になった場
合、「欠陥有り」と判定し、閾値を超える場合には「欠
陥無し」と判定する。このとき、表示部29に検出画像
を表示してもよい。これによって、オペレータは、ウェ
ーハ8が実際に欠陥を持つか否かを最終的に確認、評価
することができる。更に、画像の部分領域毎を比較照合
し、欠陥が存在する領域を自動的に検出してもよい。こ
のとき、欠陥部分の拡大画像を表示部29に表示するの
が好適である。
パターンに基づいて、CPU28は、例えば、試料とし
てのウェーハ8の評価を以下のように実行する。パター
ンマッチングによるウェーハ8のパターン欠陥検査法で
は、CPU28が、そのメモリに予め蓄えられていた欠
陥の存在しないウェーハの二次電子線基準画像と、実際
に検出された二次電子線画像とを比較照合し、両者の類
似度を算出する。例えば、類似度が閾値以下になった場
合、「欠陥有り」と判定し、閾値を超える場合には「欠
陥無し」と判定する。このとき、表示部29に検出画像
を表示してもよい。これによって、オペレータは、ウェ
ーハ8が実際に欠陥を持つか否かを最終的に確認、評価
することができる。更に、画像の部分領域毎を比較照合
し、欠陥が存在する領域を自動的に検出してもよい。こ
のとき、欠陥部分の拡大画像を表示部29に表示するの
が好適である。
【0041】また、同じダイを多数有するウェーハの場
合、上記のように基準画像を用いる必要無しに、検出さ
れたダイ同士の検出画像を比較することによっても欠陥
部分を検出できる。例えば、図3(a)には、1番目に
検出されたダイの画像31及び2番目に検出された他の
ダイの画像32が示されている。ダイ画像31とダイ画
像32と非類似であり、3番目に検出された別のダイの
画像が1番目の画像31と同じか又は類似と判断されれ
ば、2番目のダイ画像32が欠陥を有すると判定され
る。更に詳細な比較照合アルゴリズムを用いれば、2番
目のダイ画像32の欠陥部分33を検出することも可能
である。
合、上記のように基準画像を用いる必要無しに、検出さ
れたダイ同士の検出画像を比較することによっても欠陥
部分を検出できる。例えば、図3(a)には、1番目に
検出されたダイの画像31及び2番目に検出された他の
ダイの画像32が示されている。ダイ画像31とダイ画
像32と非類似であり、3番目に検出された別のダイの
画像が1番目の画像31と同じか又は類似と判断されれ
ば、2番目のダイ画像32が欠陥を有すると判定され
る。更に詳細な比較照合アルゴリズムを用いれば、2番
目のダイ画像32の欠陥部分33を検出することも可能
である。
【0042】図3(b)には、ウェーハ上に形成された
パターンの線幅を測定する例が示されている。ウェーハ
上の実際のパターン34を35の方向に走査したときの
実際のニ次電子の強度信号が36であり、この信号が予
め較正して定められたスレッショールドレベル37を連
続的に超える部分の幅38をパターン34の線幅として
測定することができる。このように測定された線幅が所
定の範囲内にない場合、当該パターンが欠陥を有すると
判定することができる。
パターンの線幅を測定する例が示されている。ウェーハ
上の実際のパターン34を35の方向に走査したときの
実際のニ次電子の強度信号が36であり、この信号が予
め較正して定められたスレッショールドレベル37を連
続的に超える部分の幅38をパターン34の線幅として
測定することができる。このように測定された線幅が所
定の範囲内にない場合、当該パターンが欠陥を有すると
判定することができる。
【0043】図3(b)の線幅測定法は、ウェーハ8が
複数の層から形成されているときの各層間の合わせ精度
の測定にも応用することができる。例えば、一層目のリ
ソグラフィで形成される第1のアライメント用パターン
の近傍に、2層目のリソグラフィで形成される第2のア
ライメント用パターンを予め形成しておく。これらの2
本のパターン間隔を図3(b)の方法を応用して測定
し、その測定値を設計値と比較することにより2層間の
合わせ精度を決定することができる。勿論、3層以上の
場合にも適用することができる。この場合、第1及び第
2のアライメント用パターンの間隔を、電子線装置の複
数の一次電子線の隣接するビーム間間隔とほぼ等しい間
隔に取っておけば、最小の走査量で合わせ精度を測定で
きる。
複数の層から形成されているときの各層間の合わせ精度
の測定にも応用することができる。例えば、一層目のリ
ソグラフィで形成される第1のアライメント用パターン
の近傍に、2層目のリソグラフィで形成される第2のア
ライメント用パターンを予め形成しておく。これらの2
本のパターン間隔を図3(b)の方法を応用して測定
し、その測定値を設計値と比較することにより2層間の
合わせ精度を決定することができる。勿論、3層以上の
場合にも適用することができる。この場合、第1及び第
2のアライメント用パターンの間隔を、電子線装置の複
数の一次電子線の隣接するビーム間間隔とほぼ等しい間
隔に取っておけば、最小の走査量で合わせ精度を測定で
きる。
【0044】図3(c)には、ウェーハ上に形成された
パターンの電位コントラストを測定する例が示されてい
る。図1の電子線装置において、対物レンズ7とウェー
ハ8との間に軸対称の電極39を設け、例えばウェーハ
電位0Vに対して−10Vの電位を与えておく。このと
きの−2Vの等電位面は40で示されるような形状とす
る。ここで、ウェーハに形成されたパターン41及び4
2は、夫々−4Vと0Vの電位であるとする。この場
合、パターン41から放出された二次電子は−2V等電
位面40で2eVの運動エネルギーに相当する上向きの
速度を持っているので、このポテンシャル障壁40を越
え、軌道43に示すように電極39から脱出し、検出器
12で検出される。一方、パターン42から放出された
二次電子は−2Vの電位障壁を越えられず、軌道44に
示すようにウェーハ面に追い戻されるので、検出されな
い。従って、パターン41の検出画像は明るく、パター
ン42の検出画像は暗くなる。かくして、ウェーハ8の
被検査領域の電位コントラストが得られる。検出画像の
明るさと電位とを予め較正しておけば、検出画像からパ
ターンの電位を測定することができる。そして、この電
位分布からパターンの欠陥部分を評価することができ
る。
パターンの電位コントラストを測定する例が示されてい
る。図1の電子線装置において、対物レンズ7とウェー
ハ8との間に軸対称の電極39を設け、例えばウェーハ
電位0Vに対して−10Vの電位を与えておく。このと
きの−2Vの等電位面は40で示されるような形状とす
る。ここで、ウェーハに形成されたパターン41及び4
2は、夫々−4Vと0Vの電位であるとする。この場
合、パターン41から放出された二次電子は−2V等電
位面40で2eVの運動エネルギーに相当する上向きの
速度を持っているので、このポテンシャル障壁40を越
え、軌道43に示すように電極39から脱出し、検出器
12で検出される。一方、パターン42から放出された
二次電子は−2Vの電位障壁を越えられず、軌道44に
示すようにウェーハ面に追い戻されるので、検出されな
い。従って、パターン41の検出画像は明るく、パター
ン42の検出画像は暗くなる。かくして、ウェーハ8の
被検査領域の電位コントラストが得られる。検出画像の
明るさと電位とを予め較正しておけば、検出画像からパ
ターンの電位を測定することができる。そして、この電
位分布からパターンの欠陥部分を評価することができ
る。
【0045】また、図1において、ブランキング偏向器
17を設け、この偏向器17によって一次電子線をクロ
スオーバー結像点4の開口に所定周期で偏向させ、当該
ビームを短時間のみ通して他の時間は遮断することを繰
り返すことによって、短いパルス幅のビーム束を作るこ
とが可能となる。このような短パルス幅ビームを用いて
上記したようなウェーハ上の電位測定等を行えば、高時
間分解能でデバイス動作を解析可能となる。即ち、本電
子線装置をいわゆるEBテスターとして使用することが
できる。 (第2の実施形態;半導体デバイスの製造方法)本実施
形態は、上記実施形態で示した電子線装置を半導体デバ
イス製造工程におけるウェーハの評価に適用したもので
ある。
17を設け、この偏向器17によって一次電子線をクロ
スオーバー結像点4の開口に所定周期で偏向させ、当該
ビームを短時間のみ通して他の時間は遮断することを繰
り返すことによって、短いパルス幅のビーム束を作るこ
とが可能となる。このような短パルス幅ビームを用いて
上記したようなウェーハ上の電位測定等を行えば、高時
間分解能でデバイス動作を解析可能となる。即ち、本電
子線装置をいわゆるEBテスターとして使用することが
できる。 (第2の実施形態;半導体デバイスの製造方法)本実施
形態は、上記実施形態で示した電子線装置を半導体デバ
イス製造工程におけるウェーハの評価に適用したもので
ある。
【0046】デバイス製造工程の一例を図4のフローチ
ャートに従って説明する。この製造工程例は以下の各主
工程を含む。 ウェーハ8を製造するウェーハ製造工程(又はウェ
ハを準備する準備工程)(ステップ100) 露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程
(又はマスクを準備するマスク準備工程)(ステップ1
01) ウェーハに必要な加工処理を行うウェーハプロセッ
シング工程(ステップ102) ウェーハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出
し、動作可能にならしめるチップ組立工程(ステップ1
03) 組み立てられたチップを検査するチップ検査工程
(ステップ104) なお、各々の工程は、更に幾つかのサブ工程からなって
いる。
ャートに従って説明する。この製造工程例は以下の各主
工程を含む。 ウェーハ8を製造するウェーハ製造工程(又はウェ
ハを準備する準備工程)(ステップ100) 露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程
(又はマスクを準備するマスク準備工程)(ステップ1
01) ウェーハに必要な加工処理を行うウェーハプロセッ
シング工程(ステップ102) ウェーハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出
し、動作可能にならしめるチップ組立工程(ステップ1
03) 組み立てられたチップを検査するチップ検査工程
(ステップ104) なお、各々の工程は、更に幾つかのサブ工程からなって
いる。
【0047】これらの主工程の中で、半導体デバイスの
性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウェーハプロセッ
シング工程である。この工程では、設計された回路パタ
ーンをウェーハ上に順次積層し、メモリやMPUとして
動作するチップを多数形成する。このウェーハプロセッ
シング工程は以下の各工程を含む。 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を
形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDや
スパッタリング等を用いる) 形成された薄膜層やウェーハ基板を酸化する酸化工
程 薄膜層やウェーハ基板等を選択的に加工するために
マスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成
するリソグラフィー工程 レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工する
エッチング工程(例えばドライエッチング技術を用い
る) イオン・不純物注入拡散工程 レジスト剥離工程 加工されたウェーハを検査する検査工程 なお、ウェーハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰
り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造す
る。
性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウェーハプロセッ
シング工程である。この工程では、設計された回路パタ
ーンをウェーハ上に順次積層し、メモリやMPUとして
動作するチップを多数形成する。このウェーハプロセッ
シング工程は以下の各工程を含む。 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を
形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDや
スパッタリング等を用いる) 形成された薄膜層やウェーハ基板を酸化する酸化工
程 薄膜層やウェーハ基板等を選択的に加工するために
マスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成
するリソグラフィー工程 レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工する
エッチング工程(例えばドライエッチング技術を用い
る) イオン・不純物注入拡散工程 レジスト剥離工程 加工されたウェーハを検査する検査工程 なお、ウェーハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰
り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造す
る。
【0048】上記ウェーハプロセッシング工程の中核を
なすリソグラフィー工程を図5のフローチャートに示
す。このリソグラフィー工程は以下の各工程を含む。 前段の工程で回路パターンが形成されたウェーハ上
にレジストをコートするレジスト塗布工程(ステップ2
00) レジストを露光する露光工程(ステップ201) 露光されたレジストを現像してレジストのパターン
を得る現像工程(ステップ202) 現像されたパターンを安定化させるためのアニール
工程(ステップ203) 以上の半導体デバイス製造工程、ウェーハプロセッシン
グ工程、リソグラフィー工程には周知の工程が適用され
る。
なすリソグラフィー工程を図5のフローチャートに示
す。このリソグラフィー工程は以下の各工程を含む。 前段の工程で回路パターンが形成されたウェーハ上
にレジストをコートするレジスト塗布工程(ステップ2
00) レジストを露光する露光工程(ステップ201) 露光されたレジストを現像してレジストのパターン
を得る現像工程(ステップ202) 現像されたパターンを安定化させるためのアニール
工程(ステップ203) 以上の半導体デバイス製造工程、ウェーハプロセッシン
グ工程、リソグラフィー工程には周知の工程が適用され
る。
【0049】上記のウェーハ検査工程において、本発
明の上記各実施形態に係る評価装置を用いた場合、微細
なパターンを有する半導体デバイスでも、高スループッ
トで高精度に評価することができるので、製品の歩留向
上及び欠陥製品の出荷防止が可能となる。
明の上記各実施形態に係る評価装置を用いた場合、微細
なパターンを有する半導体デバイスでも、高スループッ
トで高精度に評価することができるので、製品の歩留向
上及び欠陥製品の出荷防止が可能となる。
【0050】以上が上記各実施形態であるが、本発明
は、上記例にのみ限定されるものではなく本発明の範囲
内で任意好適に変更可能である。例えば、マーク18
は、図2の形状以外のものであってもよい。また、偏向
器19、20とは別個にZセンサー用の偏向器を設ける
こともできる。更に、Zセンサー用の偏向器は、2段以
外でも適用可能である。
は、上記例にのみ限定されるものではなく本発明の範囲
内で任意好適に変更可能である。例えば、マーク18
は、図2の形状以外のものであってもよい。また、偏向
器19、20とは別個にZセンサー用の偏向器を設ける
こともできる。更に、Zセンサー用の偏向器は、2段以
外でも適用可能である。
【0051】また、被検査試料として半導体ウェーハを
例に掲げたが、本発明の被検査試料はこれに限定され
ず、電子線によって欠陥を検出可能なパターン等が形成
された任意の試料、例えばマスク等を評価対象とするこ
とができる。
例に掲げたが、本発明の被検査試料はこれに限定され
ず、電子線によって欠陥を検出可能なパターン等が形成
された任意の試料、例えばマスク等を評価対象とするこ
とができる。
【0052】更に、試料8のパターンを評価することが
できる限り、電子以外の荷電粒子を用いてもよい。
できる限り、電子以外の荷電粒子を用いてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の電子
線装置によれば、複数の一次電子線を各々偏向する2段
以上の偏向手段を用いて、その励起量の比を調整するこ
とにより、偏向中心を試料面の上方から下方に至る所定
範囲で調整しながらマーカ上を一次電子線で走査する間
に得られた該マーカの二次電子画像の左右が丁度反転す
るとき又はその倍率が実質的に∞になるときの該偏向手
段に与えられた励起量の比に関する量に基づいて、試料
面の光軸方向の位置を検出するようにしたので、光学的
なZセンサーや特殊な電子光学部品を設ける必要が無し
に試料の光軸方向位置を検出することができる、という
優れた効果が得られる。従って、斜め方向から試料に光
を照射する必要がないので、各構成部品、特に対物レン
ズの寸法及び試料との間隔への制約を解放することがで
きる。また、レンズを変える必要が無いので、高速で試
料の光軸方向位置を検出できる。また、マーカとしてレ
ジストレーションマークが使用できる。
線装置によれば、複数の一次電子線を各々偏向する2段
以上の偏向手段を用いて、その励起量の比を調整するこ
とにより、偏向中心を試料面の上方から下方に至る所定
範囲で調整しながらマーカ上を一次電子線で走査する間
に得られた該マーカの二次電子画像の左右が丁度反転す
るとき又はその倍率が実質的に∞になるときの該偏向手
段に与えられた励起量の比に関する量に基づいて、試料
面の光軸方向の位置を検出するようにしたので、光学的
なZセンサーや特殊な電子光学部品を設ける必要が無し
に試料の光軸方向位置を検出することができる、という
優れた効果が得られる。従って、斜め方向から試料に光
を照射する必要がないので、各構成部品、特に対物レン
ズの寸法及び試料との間隔への制約を解放することがで
きる。また、レンズを変える必要が無いので、高速で試
料の光軸方向位置を検出できる。また、マーカとしてレ
ジストレーションマークが使用できる。
【0054】更に本発明のデバイス製造方法によれば、
上記電子線装置を用いてウェーハプロセスの少なくとも
1つのプロセス後のウェーハを評価することができるの
で、製品の歩留向上及び欠陥製品の出荷防止が可能とな
る、という優れた効果が得られる。
上記電子線装置を用いてウェーハプロセスの少なくとも
1つのプロセス後のウェーハを評価することができるの
で、製品の歩留向上及び欠陥製品の出荷防止が可能とな
る、という優れた効果が得られる。
【図1】本発明の実施形態に係る電子線装置の概略構成
図である。
図である。
【図2】本発明の実施形態に係るZセンサーを示すため
図1の電子線装置の対物レンズ付近を拡大した概略図で
ある。
図1の電子線装置の対物レンズ付近を拡大した概略図で
ある。
【図3】試料の評価方法を説明する図であって、(a)
は本発明に係るダイ対ダイの比較によるパターン欠陥検
出方法、(b)は線幅測定、(c)は電位コントラスト
測定を夫々示す。
は本発明に係るダイ対ダイの比較によるパターン欠陥検
出方法、(b)は線幅測定、(c)は電位コントラスト
測定を夫々示す。
【図4】半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャ
ートである。
ートである。
【図5】図4の半導体デバイス製造プロセスのうちリソ
グラフィープロセスを示すフローチャートである。
グラフィープロセスを示すフローチャートである。
1 電子銃
2 コンデンサレンズ
3 第1のマルチ開口板
3a 複数の開口
4 クロスオーバー結像点
5 縮小レンズ
6 E×B分離器
7 対物レンズ
8 試料(ウェーハ)
9,10 拡大レンズ(二次光学系)
11 第2のマルチ開口板
11a 複数の開口
12 検出器(マルチ検出素子)
14 画像処理部
18 マーカ
19 静電偏向器
20 静電偏向器
21、22、23 偏向された電子軌道
24、25 電子照射スポット
26 制御電源
27 偏向電圧比設定器
28 CPU
29 表示部
30a 偏向電圧比が1.9の場合のマーカ18の点
線波形 30b 偏向電圧比が1.7の場合のマーカ18の点
線波形 50a 試料の上方の偏向中心位置 50b 試料の下方の偏向中心位置
線波形 30b 偏向電圧比が1.7の場合のマーカ18の点
線波形 50a 試料の上方の偏向中心位置 50b 試料の下方の偏向中心位置
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中筋 護
東京都大田区羽田旭町11番1号 荏原マイ
スター株式会社内
(72)発明者 加藤 隆男
東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社
荏原製作所内
(72)発明者 野路 伸治
東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社
荏原製作所内
(72)発明者 佐竹 徹
東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社
荏原製作所内
Fターム(参考) 2G001 AA03 BA07 CA03 DA01 DA02
DA08 EA04 GA01 GA06 GA08
GA09 HA12 HA13 JA02 JA03
JA13 KA03 LA11 MA05
4M106 AA01 BA02 CA39 CA50 DB05
DJ04 DJ23
5C033 MM02 MM04 UU01 UU02 UU05
Claims (5)
- 【請求項1】 複数の一次電子線を形成し、該複数の一
次電子線を試料の面上に結像させて、走査する一次光学
系と、 前記試料から各々放出された複数の二次電子線を前記一
次光学系から分離させるE×B分離器と、 分離された前記複数の二次電子線を結像させる二次光学
系と、 結像された前記複数の二次電子線を検出する検出器と、 を含み、検出された二次電子線から取得された二次電子
画像に基づいて前記試料を評価する電子線装置であっ
て、 前記複数の一次電子線を各々偏向する2段以上の偏向手
段を更に備え、 前記2段以上の偏向手段に与えられる励起量の比を調整
することにより、主光線の偏向軌道が光軸と交差すると
ころの偏向中心が前記試料面の上方から下方に至る所定
範囲で調整されることを特徴とする、前記電子線装置。 - 【請求項2】 前記試料面には、マーカが形成されて
おり、 前記2段以上の偏向手段により一次電子線を偏向して前
記マーカ上を走査する間に得られた該マーカの二次電子
画像の左右が丁度反転するとき又はその倍率が実質的に
∞になるときの該2段以上の偏向手段に与えられた励起
量の比に関する量に基づいて、前記試料面の光軸方向の
位置を検出することを特徴とする、請求項1に記載の電
子線装置。 - 【請求項3】 前記一次光学系は、前記複数の一次電子
線を前記試料の検査面に結像させる対物レンズを有し、 前記対物レンズの作動距離が5mm以下であることを特
徴とする、請求項1又は2に記載の電子線装置。 - 【請求項4】 前記複数の一次電子ビームの前記試料面
上での間隔が、前記二次光学系の該試料面換算での分解
能より大きくしたことを特徴とする、請求項1乃至3の
いずれか1項に記載の電子線装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
電子線装置を用いて、ウェーハプロセスの少なくとも1
つのプロセス後のウェーハを評価することを特徴とす
る、デバイス製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001202970A JP2003016985A (ja) | 2001-07-04 | 2001-07-04 | 電子線装置及びこの装置を用いたデバイス製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001202970A JP2003016985A (ja) | 2001-07-04 | 2001-07-04 | 電子線装置及びこの装置を用いたデバイス製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003016985A true JP2003016985A (ja) | 2003-01-17 |
Family
ID=19039681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001202970A Withdrawn JP2003016985A (ja) | 2001-07-04 | 2001-07-04 | 電子線装置及びこの装置を用いたデバイス製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003016985A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018017526A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | 株式会社ニューフレアテクノロジー | 電子ビーム検査装置及び電子ビーム検査方法 |
JP2021174615A (ja) * | 2020-04-22 | 2021-11-01 | 株式会社ホロン | マルチビーム画像生成装置およびマルチビーム画像生成方法 |
-
2001
- 2001-07-04 JP JP2001202970A patent/JP2003016985A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018017526A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | 株式会社ニューフレアテクノロジー | 電子ビーム検査装置及び電子ビーム検査方法 |
JP2021174615A (ja) * | 2020-04-22 | 2021-11-01 | 株式会社ホロン | マルチビーム画像生成装置およびマルチビーム画像生成方法 |
JP7428578B2 (ja) | 2020-04-22 | 2024-02-06 | 株式会社ホロン | マルチビーム画像生成装置およびマルチビーム画像生成方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20040106 |
|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081007 |