JP2003016935A - 画像形成装置およびその作製方法 - Google Patents

画像形成装置およびその作製方法

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JP2003016935A JP2001202334A JP2001202334A JP2003016935A JP 2003016935 A JP2003016935 A JP 2003016935A JP 2001202334 A JP2001202334 A JP 2001202334A JP 2001202334 A JP2001202334 A JP 2001202334A JP 2003016935 A JP2003016935 A JP 2003016935A
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forming apparatus
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electron
electrode
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Taro Hiroike
太郎 廣池
Hisafumi Azuma
尚史 東
Koji Yamazaki
康二 山▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の耐高電圧特性を向上させ、信
頼性の高い画像形成装置およびその作製方法を提供す
る。 【解決手段】 画像領域12に可動導電性異物の移動開
始電圧以上かつ放電電圧未満の電圧を印加するととも
に、画像形成装置内部の画像領域12の外側の領域に、
画像領域12に印加する電界以上の高電界を印加するこ
とにより、画像領域内部にある異物を除去することによ
り、輝度が高く、かつ放電の無い良好な画像を表示する
ことができる画像形成装置を作製する。画像領域12の
外側の領域への電界の印加は、フェースプレート1の内
面上かつ画像領域外の領域に周辺電極5を形成し、周辺
電極5に対して加速電極へ印加する電位以上の高電位を
印加することによって行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線装置および
その応用である表示装置等の画像形成装置およびその作
製方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、多数の電子放出素子を平面基板上に
配置した電子源を用いた応用研究が盛んに行われてお
り、たとえば画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置等の開発が進められている。なかでもより一層の
大判化が求められている画像表示装置において、奥行き
の薄い平面型画像表示装置は省スペース、かつ軽量であ
る事などから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるも
のとして注目されている。
【0003】電子放出素子としては、従来から熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。
【0004】冷陰極素子は、熱陰極素子と比較して低温
で電子放出を得る事ができるため、加熱用のヒーターを
必要としない。したがって熱陰極素子よりも単純な構造
をとることができ、微細な素子を作製する事も可能であ
る。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置して
も、基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また熱陰
極素子がヒーターの加熱により動作するため応答速度が
遅いのに対して、冷陰極素子はその応答速度が速いとい
う利点も持っている。このため冷陰極素子を応用するた
めの研究が盛んに行われている。
【0005】このような冷陰極素子としては、たとえば
表面伝導型電子放出素子や、電界電子放出素子(以下F
E型と記す)や、金属/絶縁層/金属型電子放出素子(以
下MIM型と記す)などが知られている。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流す事によ
り電子放出が生ずる現象を利用するものであり、 Sn
2薄膜を用いたもの[M.I.Elinson,Rad
io Eng.Electron Phys.,10,
1290,(1965)]や、 Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:”Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]や、In23/S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwelland
C.G.Fonstad:”IEEE Trans.E
D Conf.”,519(1975)]や、カ−ボン
薄膜によるもの [荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22(1983)]等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の素子構
成の典型的な例として、図14に前述のM.Hartw
ell らによる素子の平面図を示す。同図において、
3001は基板で、3004はスパッタで形成された金
属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜300
4は図示のようにH字形の平面形状に形成されている。
該導電性薄膜3004に後述の通電フォ−ミングと呼ば
れる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が
形成される。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],W
は、0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜
から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央
に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、
実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわ
けではない。
【0008】この表面伝導型電子放出素子は、FE型やMI
M型などのその他の素子と比較して、その構造が単純で
製造も容易である事から、大面積にわたり多数の素子を
形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人によ
る特開昭64−31332号公報において開示されるよ
うに、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究
されている。
【0009】特に画像表示装置への応用としては、例え
ば本出願人によるUSP 5,066,833や特開平
2−257551号公報や特開平4−28137号公報
において開示されているように、表面伝導型電子放出素
子と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合
わせて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導
型電子放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表
示装置は、従来のほかの方式の画像表示装置と比較し
て、自発光型でありバックライトを必要としない点や、
視野角が広い点などで優れている。
【0010】図15は複数の表面伝導型電子放出素子31
12を、M本の行方向配線3120とN本の列方向配線3121と
で、単純マトリクス状に配線したマルチ電子ビーム源31
11を用いた画像表示装置の構造を示したものである。マ
ルチ電子ビーム源3111を備えたリアプレート3115と、蛍
光体層3118およびメタルバック3119を備えたフェースプ
レート3117、および外容器枠3116とにより、パネル内部
を真空に維持するための外囲器(気密容器)を形成して
いる。行方向配線3120と列方向配線3121との間には絶縁
層(不図示)が形成されており、電気的絶縁が保たれてい
る。行方向配線3120と列方向配線3121はそれぞれDx1〜D
xmおよびDy1〜Dynを通じて外部の電気回路(不図示)と
接続されている。メタルバック3119には、高圧端子Hvを
通じて数100[V]ないし数[kV]以上の高電圧が印加されて
おり、マルチ電子ビーム源3111から放出した電子を加速
して蛍光体層3118に照射し、各色の蛍光体を励起させ発
光させることによって画像を形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した画像形成
装置においては、次のような問題がある。
【0012】前述した画像形成装置における輝度は、電
子線の加速電圧に大きく依存するために、高輝度化を実
現するためには加速電圧を高くする必要がある。また画
像形成装置の薄型化、小型化を実現するためには、画像
表示パネルの厚さを薄くすることが必要であり、そのた
めにはリアプレート−フェースプレート間の距離を小さ
くしなければならない。結果として、リアプレート−フ
ェースプレート間には非常に強い電界(電界強度は1kV
/mm以上)が生じることになる。
【0013】この強い電界により、画像表示装置内部の
リアプレート−フェースプレート間で放電が発生するこ
とがある。放電の発生により表示画像の品質が著しく損
なわれるだけではなく、電子源である冷陰極素子や行方
向配線、または列方向配線などの画像表示装置の構成要
素がダメージを受け、結果として画像表示が困難となる
場合もある。
【0014】この放電の原因としては、画像形成装置内
部に存在する異物の影響が大きい。発明者らは、特に大
きさが数μmから数100μm程度の可動粒子が存在する場
合、中でも可動粒子が導電性を有する場合に画像表示装
置の耐高電圧特性を著しく劣化させることを確認した。
このような可動粒子は大気中の浮遊粒子のほか、画像形
成装置の作製装置の金属摺動部から発生するもの、画像
形成装置内部の構成部材からの脱落物など、様々な経路
で画像形成装置内部に混入するため、このような可動粒
子の混入を完全に防ぐことは困難である。そこでこのよ
うな可動粒子を画像領域内部から効果的に除去する方法
が求められていた。
【0015】本発明は、上記の課題を克服するものであ
り、画像形成装置内部の画像領域中に存在する可動性の
導電性異物を簡便な方法で除去することにより画像形成
装置の耐高電圧特性を向上させ、信頼性の高い画像形成
装置およびその作製方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の電子放
出素子からなる電子源を形成したリアプレートと、前記
リアプレートと対向し、電子線の照射により発光する蛍
光体を形成した画像領域および、前記電子源から放出さ
れた電子線を加速するための加速電極を有するフェース
プレートとを備える画像形成装置の作製方法において、
画像領域に可動導電性異物の移動開始電圧以上かつ放電
電圧未満の電圧を印加するとともに、画像形成装置内部
の画像領域の外側の領域に、前記画像領域に印加する電
界以上の高電界を印加することにより、画像領域内部に
ある異物を除去する工程を有することを特徴とする画像
形成装置の作製方法および、そのような方法で作製され
た画像形成装置を提供する。
【0017】本発明では、前記画像領域の外側の領域へ
の電界の印加は、前記フェースプレートの内面上かつ前
記画像領域外の領域に周辺電極を形成し、前記周辺電極
に対して前記加速電極へ印加する電位以上の高電位を印
加することによって行うことを特徴とする。
【0018】前記画像領域は略長方形であり、前記周辺
電極はその1乃至3辺の周囲に線状に形成されていても
よいし、あるいは画像領域の外側の全周囲に渡って形成
されていてもよい。
【0019】本発明では、前記フェースプレート内面に
おける、前記加速電極と前記周辺電極との間の領域は、
107〜1014[Ω/□]のシート抵抗であることが好ましい。
【0020】また前記フェースプレートの内面におけ
る、前記加速電極と前記周辺電極との間の領域には高抵
抗膜が形成されているものも本発明に含む。
【0021】また前記周辺電極は、前記画像形成装置の
駆動中において、前記加速電極へ印加する加速電圧以下
の電位に規定されていることを特徴とするものも本発明
に含む。
【0022】また前記周辺電極は、前記画像形成装置の
駆動中において、グランド電位に規定されていることを
特徴とするものも本発明に含む。
【0023】また本発明において、画像領域の外側への
領域への電界の印加は、前記フェースプレートの外側
(大気側)に配置した外部電極に対して、画像領域に印加
する電位以上の高電位を印加することによって行うこと
もできる。
【0024】また前記電子放出素子は冷陰極素子である
ことを特徴とする。
【0025】また前記冷陰極素子は、電子放出部を含む
導電性膜を一対の電極間に有する、表面伝導型電子放出
素子であることを特徴とする。
【0026】また前記電子源は、複数の行方向配線と複
数の列方向配線とでマトリクス配線された複数の冷陰極
素子を有する単純マトリクス状配置の電子源であること
を特徴とする。
【0027】(作用)本発明の作用について説明する。
【0028】電極表面に導電性の粒子が存在する場合、
電界の印加に伴い導電性粒子は次の帯電電荷Qを持つ(L
evedov N. N. and Skal'skaya I. P., Sov. Phys. The
c. Phys. 7, 268 (1962))。
【0029】
【数1】 (1)式 ここでZは粒子の形状による係数であり、球形の粒子の
場合およそZ=6.6となる。またrは粒子の半径であり、E0
は印加電界強度、ε0は真空の誘電率をそれぞれ表す。
±は粒子がカソード上にあるときには負帯電を、アノー
ド上にあるときには正帯電をすることを示している。
【0030】上記の帯電電荷Qを持つ導電性異物には図
7に示すように、電界中で(2)式に示すクーロン力Fq
が作用して、対向する電極方向への力を受ける。
【0031】
【数2】 (2)式 ここでαは、異物が存在することにより平等電界が乱れ
ることを考慮した補正係数である。粒子が電極上に存在
する場合はα=0.832であり、通常1.0〜0.8の値をと
る。このクーロン力が重力および電極と粒子間に働く束
縛力等よりも大きくなると、粒子は対向電極へ向けて運
動を開始する。対向電極へ衝突した粒子は電荷の交換を
行うとともに、散乱され再び対向電極へ向けて運動す
る。すなわち導電性粒子は電界中で電極との衝突を繰り
返しながら往復運動をしている。
【0032】ここで電極面での散乱は等方的であるた
め、電界の印加中に粒子の分布は均一に広がり、ある程
度の時間が経過した後には大部分の粒子が電界外へ除去
されることになる。しかしながらある割合の粒子は電界
内に残留する可能性があり、この残留物が放電耐圧に影
響を与える懸念がある。
【0033】ここで本発明は、図8(a)に示すように、
粒子を除去したい画像領域に粒子が移動を開始するだけ
の電界E1を印加するとともに、その外側の領域により強
い電界E2を印加することによって、より効率よく導電性
粒子を除去する方法である。これは不平等電界中の導電
性粒子は、常に電界強度の強い方向へ力(電界勾配力)
を受けることを応用したものである。粒子を除去したい
画像領域内を運動する粒子が画像領域の境界付近にきた
場合、その外側のより強い電界に引かれて画像領域内か
ら除去される。また一度画像領域外へ出た粒子は、電界
の強い周辺領域中を運動するのみで、再び画像領域内へ
戻ることはない。このように異物を除去したい画像領域
の外側に、より強い電界をある時間印加し続ける事で、
画像領域内に存在する導電性の可動粒子を完全に除去す
ることができる。
【0034】さらに画像形成装置を実際に駆動する際に
は、周辺電極を加速電圧以下の電位に規定することによ
り、さらに好ましくはグランド電位に規定することによ
り、図8(b)に示すように画像領域外に除去された可動
性粒子には電界が印加されなくなる。その結果、除去さ
れた可動性粒子が再び移動することはなく、画像領域内
部への再拡散を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】(本発明の第1の実施の形態)次
に本発明の第1の実施の形態について、図面を用いて具
体的に説明する。
【0036】図1は本発明による導電性異物の除去工程
を含む画像形成装置の作製方法のフローチャートであ
る。以下で各工程について具体的に説明する。
【0037】図2は本発明の第1の実施の形態の画像形
成装置の構成を模式的に示す平面図であり、フェースプ
レート11の上方から見た場合の構成を示している。図
2においては便宜上フェースプレート11の下半面を取り
除いた図となっている。
【0038】図2において、1は電子源を形成するため
の基板を兼ねているリアプレートで、青板ガラスや、表
面にSiO2被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少
なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスな
ど、条件に応じて各種材料を用いる。なお、電子源形成
用の基板を、リアプレートと別に設け、電子源を形成し
た後、両者を接合してもよい。
【0039】2は電子源領域で、電界電子放出素子、表
面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を複数配置
し、目的に応じて駆動できるように素子に接続された配
線を形成したものである。
【0040】また、31,32,33は電子源駆動用の
配線であり、画像形成装置の外部に取り出され、電子源
2の駆動回路(不図示)に接続される。4はリアプレー
ト1とフェースプレート11に挟持される支持枠であ
り、フリットガラスにより、リアプレート1に接合され
る。電子源駆動用配線31,32,33は支持枠4とリ
アプレート1の接合部でフリットガラスに埋設されて外
部に引き出される。電子源駆動用配線31,32,33
との間には絶縁層(不図示)が形成されている。真空容
器内には、このほかゲッタ9が支持部材8と共に配置さ
れる。
【0041】11は蛍光体を形成するための基板を兼ね
るフェースプレートで、青板ガラスや、表面にSiO2
被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくした
ガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスなど、条件
に応じて各種材料を用いる。7は、高圧導入端子(不図
示)との高圧当接部位である。なお、画像表示領域12
について詳しくは後述する。
【0042】5は本発明の特徴部分である画像領域周囲
への電界印加用の周辺電極であり、フェースプレートの
内面(真空側)に画像領域12及び高圧当接部位7の周
りを取り囲んで形成されている。また、周辺電極5の右
上隅には電極端子を当接するのに適するように幅を広く
した導体当接部位6を形成してある。
【0043】図3(a)は、図2のA−A'に沿った断面の構
成を示す模式図である。図3(a)において、高圧導入端
子18が画像表示領域12の高圧当接部位7に接続され
ている。18は画像表示部材12に高電圧(加速電圧Va)
を供給するための高圧導入端子である。該導入端子18
はAg、Cu等の金属よりなるロッドである。
【0044】また高電圧配線をリアプレート側に取り出
すような構成であってもよい。
【0045】図3(b)は、図2のB−B'に沿った断面の
構成を示す模式図である。図3(b)において、高圧導
入端子19が画像表示領域の周囲に形成された周辺電極
5の導体当接部位6に接続されている。19は本発明の
目的である導電性異物の除去工程の際に、周辺電極5に
高電圧Vを供給するための高圧導入端子であり、Ag、Cu
等の金属よりなるロッドである。
【0046】また高圧導入端子をリアプレート側から取
り出すような構成であってもよい。
【0047】本実施形態に用いる電子源2を構成する電
子放出素子の種類は、電子放出特性や素子のサイズ等の
性質が目的とする画像形成装置に適したものであれば、
特に限定されるものではない。熱電子放出素子、あるい
は電界電子放出素子、半導体電子放出素子、MIM型電
子放出素子、表面伝導型電子放出素子などの冷陰極素子
等が使用できる。
【0048】後述する実施形態において示される表面伝
導型電子放出素子は本実施形態に好ましく用いられるも
のであり、上述の本出願人による出願、特開平7−23
5255号公報に記載されたものと同様のものである
が、以下に簡単に説明する。図11(a),(b)は、表
面伝導型電子放出素子単体の構成の一例を示す模式図で
あり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0049】図11において、41は電子放出素子を形
成するための基体、42,43は一対の素子電極、44
は上記素子電極に接続された導電性膜で、その一部に電
子放出部45が形成されている。電子放出部45は後述
するフォーミング処理により、導電性膜44の一部が破
壊、変形、変質されて形成されて高抵抗の部分で、導電
性膜44の一部に亀裂が形成され、その近傍から電子が
放出されるものである。
【0050】上記のフォーミング工程は、上記一対の素
子電極42,43間に電圧を印加することにより行う。
印加する電圧は、パルス電圧が好ましく、図10(a)
に示した同じ波高値のパルス電圧を印加する方法、図1
0(b)に示した、波高値を漸増させながらパルス電圧
を印加する方法のいずれの方法を用いてもよい。なお、
パルス波形は図示した三角波に限定されるものではなく
矩形波等の他の形状であってもよい。
【0051】フォーミング処理により電子放出部を形成
した後、「活性化工程」と呼ぶ処理を行う。これは、有
機物質の存在する雰囲気中で、上記素子にパルス電圧を
繰り返し印加することにより、炭素又は炭素化合物を主
成分とする物質を、上記電子放出部及び/又はその周辺
に堆積させるもので、この処理により素子電極間を流れ
る電流(素子電流If)および、電子放出に伴う電流
(放出電流Ie)がともに増大する。
【0052】このようなフォーミング工程及び活性化工
程を経て得られた電子放出素子は、つづいて安定化工程
を行うことが好ましい。この安定化工程は、真空容器内
の特に電子放出部近傍の有機物質を排気する工程であ
る。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生
するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイ
ルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的に
は、ソープションポンプとイオンポンプからなる真空排
気装置等を挙げることが出来る。
【0053】真空容器内の有機物質の分圧は、上記の炭
素又は炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3
×10-6Pa(パスカル)以下が好ましく、さらには1.
3×10-8Pa以下が特に好ましい。さらに真空容器内
を排気するときには、真空容器全体を加熱して、真空容
器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気
しやすくするのが好ましい。このときの加熱条件は、8
0〜250℃、好ましくは150℃以上で、できるだけ
長時間処理するのが望ましいが、特にこの条件に限るも
のではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の
構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。
真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1×1
-5Pa以下が好ましく、さらに1.3×10-6Pa以下
が特に好ましい。
【0054】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することが出来る。
【0055】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素又は炭素化合物の堆積を抑制でき、また
真空容器や基板などに吸着したH2O,O2 なども除去
でき、結果として素子電流If,放出電流Ieが、安定
する。
【0056】このようにして得られた表面伝導型電子放
出素子の、素子に印加する電圧Vfと素子電流If及び
放出電流Ieの関係は、図12に模式的に示すようなも
のとなる。図12においては、放出電流Ieが素子電流
Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示してい
る。なお、縦・横軸ともリニアスケールである。
【0057】図12に示すように、本表面伝導型電子放
出素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図12中のV
th)以上の素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流
Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電
流Ieがほとんど検出されない。つまり、放出電流Ie
に対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子
である。これを利用すれば、2次元的に配置した電子放
出素子にマトリクス配線を施し、単純マトリクス駆動に
より所望の素子から選択的に電子を放出させ、これを画
像形成部材に照射して画像を形成させることが可能であ
る。
【0058】画像形成部材である蛍光膜の構成の例を説
明する。図13は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光膜
51は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成する
ことができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列
によりブラックストライプあるいはブラックマトリクス
などと呼ばれる黒色導電材52とRGB3色等の蛍光体
53とから構成することができる。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の
場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体53間の塗り
分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすること
と、蛍光膜51における外光反射によるコントラストの
低下を抑制することにある。ブラックストライプの材料
としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料
の他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を
用いることができる。
【0059】フェースプレート11に蛍光体を塗布する
方法は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷
法等が採用できる。蛍光膜51の内面側には、不図示の
メタルバックが設けられる。メタルバックを設ける目的
は、蛍光体53の発光のうち内面側への光をフェースプ
レート11側へ鏡面反射させることにより輝度を向上さ
せること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極と
して作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝
突によるダメージから蛍光体53を保護すること等であ
る。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表
面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれ
る。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積さ
せることで作製できる。
【0060】フェースプレート11には、更に蛍光膜5
1の導電性を高めるため、蛍光膜51の外面側に透明電
極を設けてもよい。
【0061】カラー表示の場合は、各色蛍光体と電子放
出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが
不可欠となる。
【0062】上述のような構成を有する本実施形態によ
り、薄型の平板型電子線画像形成装置の信頼性を向上さ
せることが可能となる。このように形成された画像形成
装置を用いて、行列配線座標上に形成した電子放出素子
に走査信号と画像信号とを印加し、画像形成部材のメタ
ルバックに高電圧を印加することにより、大型で薄型の
画像を表示する画像表示装置を提供することができる。
【0063】以下、図面を参照しつつ本発明の画像形成
装置の製造方法についてさらに説明する。
【0064】表面伝導型電子放出素子を、基板を兼ねる
リアプレート上に複数形成し、マトリクス状に配線して
電子源を形成し、これを用いて画像形成装置を作成し
た。以下に図9(a)〜(e)を参照して、作成手順を説
明する。 (工程−a)洗浄した青板ガラスの表面に、0.5μmの
SiO2 層をスパッタリングにより形成し、リアプレー
ト1とした。つづいて超音波加工機により画像領域外周
に沿って形成された周辺電極への高圧接続端子の導入の
ための直径4mmの円形の通過孔を形成した。
【0065】そのリアプレート上にスパッタ成膜法とフ
ォトリソグラフィー法を用いて表面伝導型電子放出素子
の素子電極21と22を形成する。材質は5nmのT
i、100nmのNiを積層したものである。素子電極
間隔は2μmとした(図9(a))。 (工程−b)つづいて、Agペーストを所定の形状に印
刷し、焼成することによりY方向配線23を形成した。
その配線は電子源形成領域の外部まで延長され、図2に
おける電子源駆動用配線32となる。その配線23の幅
は100μm、厚さは約10μmである(図9
(b))。 (工程−c)次に、PbOを主成分とし、ガラスバイン
ダーを混合したペーストを用い、同じく印刷法により絶
縁層24を形成する。これは上記Y方向配線23と後述
のX方向配線を絶縁するもので、厚さ約20μmとなる
ように形成した。なお、素子電極22の部分には切り欠
きを設けて、X方向配線と素子電極の接続をとるように
してある(図9(c))。 (工程−d)つづいて、X方向配線25を上記絶縁層2
4上に形成する(図9(d))。方法はY方向配線23
の場合と同じで、X方向配線25の幅は300μm、厚
さは約10μmである。つづいて、PbO微粒子よりな
る導電性膜26を形成する。
【0066】導電成膜26の形成方法は、配線23,2
5を形成した基板1上に、スパッタリング法によりCr
膜を形成し、フォトリソグラフィー法により、導電性膜
26の形状に対応する開口部をCr膜に形成する。
【0067】つづいて、有機Pd化合物の溶液(ccp
−4230:奥野製薬(株)製)を塗布して、大気中3
00℃、12分間の焼成を行って、PdO微粒子膜を形
成した後、上記Cr膜をウェットエッチングにより除去
して、リフトオフにより所定の形状の導電性膜26とす
る(図9(e))。 (工程−e)上記リアプレート上に更に、PbOを主成
分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを塗布す
る。尚、その塗布領域は、上記素子電極21,22,X
方向25及びY方向配線23、導電性膜26が形成され
た領域(図2の電子源領域2)以外であって、図2の支
持枠4の内側に相当する領域である。 (工程−g)図2、図3に示すように、リアプレート1
とフェースプレート11との間の隙間を形成する支持枠
4と上記リアプレートとをフリットガラスを用いて接続
する。ゲッタ8の固定もフリットガラスを用いて同時に
行う。 (工程−h)つづいて、フェースプレートを作成する。
リアプレートと同様に、SiO2 層を設けた青板ガラス
を基体として用いる。超音波加工により、排気管接続用
の開口部と高圧接続端子導入口を形成する。つづいて、
印刷により高圧導入端子当接部と、これを後述のメタル
バックを接続する配線をAuにて形成、さらに蛍光膜の
ブラックストライプ、つづいてストライプ状の蛍光体を
形成、フィルミング処理を行った後、この上に厚さ約2
0μmのAl膜を真空蒸着法により堆積して、メタルバ
ックとした。こうして形成された膜のうち、上記メタル
バック上に形成された部分は、入射した電子ビームが反
射されるのを制御する効果がある。これにより反射され
た電子が真空容器の内壁などに衝突しチャージアップを
起こすことを防ぐなど、好ましい効果がある。
【0068】更に、上記メタルバックを取り囲むように
して、Auペーストを印刷し、焼成して周辺電極5を形
成する。周辺電極5の幅は5mm、厚さは約100μ
m、メタルバックとの距離は15mmである。 (工程−i)前記リアプレートと接合した支持枠4を上
記のフェースプレートとフリットガラスを用いて接合す
る。2本の高電圧導入端子及び排気管の接合も同時に行
う。高圧導入端子はAgの棒である。
【0069】なお、電子源の各電子放出素子と、フェー
スプレートの蛍光膜の位置が正確に対応するように、注
意深く位置合わせを行う。 (工程−j)上記画像形成装置を、不図示の排気管を介
して真空排気装置に接続し、容器内を排気する。容器内
の圧力が10-4Pa以下となったところで、フォーミン
グ処理を行う。
【0070】フォーミング工程は、X方向の各行毎に、
X方向配線に図10(b)に模式的に示すような波高値
の漸増するパルス電圧を印加して行った。パルス間隔T
1 は10sec.、パルス幅T2 は1msec.とし
た。なお、図には示されていないが、フォーミング用の
パルスの間に波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入して
電流値を測定して、電子放出素子の抵抗値を同時に測定
し、1素子あたりの抵抗値が1MΩを越えたところで、
その行のフォーミング処理を終了し、次の行の処理に移
る。これを繰り返して、すべての行についてフォーミン
グ処理を完了する。 (工程−k)次に活性化工程処理を行う。この処理に先
立ち、上記画像形成装置を200℃に保持しながらイオ
ンポンプにより排気し、圧力を10-5Pa以下まで下げ
る。つづいてアセトンを真空容器内に導入する。圧力
は、1.3×10-2Paとなるよう導入量を調整した。つ
づいて、X方向配線にパルス電圧を印加する。パルス波
形は、波高値16Vの矩形波パルスとし、パルス幅は1
00μsec.とし1パルス毎に125μsec間隔で
パルスを加えるX方向配線を隣の行に切り替え、順次行
方向の各配線にパルスを印加することを繰り返す。この
結果各行には10msec.間隔でパルスが印加される
ことになる。この処理の結果、各電子放出素子の電子放
出部近傍に炭素を主成分とする堆積膜が形成され、素子
電流Ifが大きくなる。 (工程−l)つづいて、安定化工程として、真空容器内
を再度排気する。排気は、画像形成装置を200℃に保
持しながら、イオンポンプを用いて10時間継続した。
この工程は真空容器内に残留した有機物質分子を除去
し、上記炭素を主成分とする堆積膜のこれ以上の堆積を
防いで、電子放出特性を安定させるためのものである。 (工程−m)ここで画像形成装置を室温に戻した後、本
発明に基づき画像形成装置の画像領域内部に存在する導
電性の可動異物を除去する工程を次のように行った。ま
ずX方向配線、Y方向配線を0[V]に規定した後、加速電極
に高圧導入端子を通じて1000[V]の電位を印加した。こ
こで加速電極に与える電位は、画像領域に可動性の導電
性異物が移動する電界以上、かつ放電電界未満の電界を
印加できるだけの電位であればよく、本実施形態の値に
限定されるものではない。本実施形態の画像形成装置は
リアプレート−フェースプレート間のギャップが2.8mm
であり、300〜5000[V]の範囲で電位を与えることが好ま
しい。この際不必要な放電を起こさないために、電子源
の駆動は行わないことが好ましい。このとき同時に画像
領域外周に沿って形成した周辺電極5に1500[V]の電位
を印加した。ここで与える電位も本実施形態の値に限定
されるものではなく、加速電極に印加する電位以上の値
であり、かつ加速電極と周辺の周辺電極間で放電が起こ
らない程度の電位であればよい。
【0071】加速電極および周辺電極への電位の印加は
合計40分間行った。印加時間もまた前記の値に限定され
るものではなく、処理する基板のサイズにあわせて、画
像領域内の異物を除去するのに十分な時間印加を行えば
よい。 (工程−n)続いて、工程−kで行ったのと同様の方法
で、X方向配線にパルス電圧を印加する。さらに上記の
高電圧導入端子を通じて、画像形成部材に5kVの電圧
を印加すると蛍光膜が発光する。なおこのとき、除去し
た異物が画像領域内に再拡散するのを防止するために、
周辺電極はグランド電位に規定する。目視により、発光
しない部分あるいは非常に暗い部分がないことを確認
し、X方向配線及び画像形成部材への電圧の印加をや
め、排気管を加熱溶着して封止する。つづいて、高周波
加熱によりゲッタ処理を行い、画像形成装置を完成す
る。
【0072】以上のようにして製造された画像形成装置
は、輝度が高く、かつ放電の無い良好な画像を表示する
ことができた。
【0073】(本発明の第2の実施の形態)本発明の第
2の実施の形態について、本発明の第1の実施の形態と
異なる部分のみ説明する。
【0074】本発明の第2の実施の形態の画像形成装置
を、フェースプレート上方から見た場合の構成は、本発
明の第1の実施の形態と同様図2で示される。また画像
形成部材である蛍光膜の構成も本発明の第1の実施の形
態と同様図13に示される。
【0075】図4は、本実施の形態における、図2のA
−A',の線に沿った断面の構成を示す模式図である。本
発明の第1の実施の形態と異なるのは、加速電極12と
その周囲に形成された周辺電極5との間のフェースプレ
ート内壁に高抵抗膜14が形成されている点である。
【0076】電子源を用いた画像形成装置においては、
電子線の一部が画像領域外の真空容器内壁に衝突するこ
とによって2次電子を生成し、その結果真空容器内壁が
チャージアップすることがあり、その結果放電が発生す
ることがある。高抵抗膜14はこのチャージアップを防止
し、加速電極12と周辺電極5との間の沿面耐圧を向上
させるという効果がある。
【0077】高抵抗膜14のシート抵抗値は、大きすぎ
るとチャージを逃がす効果が乏しくなるため、ある程度
の導電性が必要である。逆に抵抗値が小さすぎると加速
電極12と周辺電極5の間に流れる電流が大きくなり、
消費電力の増加につながる。したがってその効果を損な
わない範囲で抵抗を大きくする必要がある。画像形成装
置の形状にも依るが、シート抵抗値が10の7乗〜10
の14乗Ω/□の範囲が好ましい。
【0078】高抵抗膜14の材質は、所定のシート抵抗
値が得られ、十分な安定性を有するものであれば特に限
定されない。例えばグラファイト微粒子を適当な密度で
分散させた膜が適用できる。この膜は十分薄いので画像
形成部材12のメタルバック上に形成されても、蛍光体
に到達して発光に寄与する電子の数を減らすほどの悪影
響は実質的にない。
【0079】上記高抵抗膜は、本実施形態においては、
前述した第1の実施の形態の(工程−h)中の周辺電極
5の形成に続けて高抵抗膜14の形成を行った。具体的
には、カーボン微粒子分散液をスプレーコート、乾燥し
て高抵抗膜14を形成する。形成条件は、高抵抗膜14
のシート抵抗値が10の11 乗Ω/□程度となるよう
に予め求めておいた条件とする。
【0080】さらに第1の実施の形態の(工程−m)と
同様にして、電界の印加による導電性異物の除去工程を
行った。本実施形態においては加速電極12への印加電
位は1000[V]、周辺電極5への印加電位は3000[V]とし、
電位の印加は10分間行った。
【0081】加速電極14と周辺電極5との間の電位差
は大きいほど異物除去の効率が高くなり、処理時間をよ
り短くできることから、製造コストの面で有利となる。
【0082】本実施形態においては、加速電極12と周
辺電極5との間に高抵抗膜14を形成したことにより、
両電極間での放電を抑制しながらより高い電位差を与え
ることができ、その結果処理時間の短縮が可能となっ
た。
【0083】以上のようにして製造された画像形成装置
は、輝度が高く、かつ放電の無い良好な画像を表示する
ことができた。
【0084】(本発明の第3の実施の形態)本発明の第
3の実施の形態について、本発明の第1の実施の形態と
異なる部分のみ説明する。図5は本実施形態における画
像形成装置を、フェースプレート上方から見た場合の構
成を示す模式図である。本実施形態においては、第1の
実施の形態と同様に(工程−m)として電界の印加によ
る異物除去を行う。第1の実施の形態と異なる点は、画
像形成装置内部に周辺電極が形成されておらず、画像領
域周辺へ電界を印加する際、図5のC−C'に沿った断面
図である図6に示すように、フェースプレートの外側
(大気側)にフェースプレートに密着する形で配置した
外部電極20に対して電位を与えることによって行う点
である。外部電極はCuのプレートであり、画像領域の対
向する2辺の外側に配置されており、それぞれ高圧電源
に接続されている。
【0085】画像領域周辺への電界の印加に外部電極を
用いることにより、フェースプレート内面上に周辺電極
を形成する必要がないため製造コストの点で有利とな
る。
【0086】本実施形態においては加速電極12への印
加電位を1000[V]とし、同時に外部電極20へ3000[V]の
電位を印加することによって、画像領域内の異物の除去
を行った。電位の印加時間は20分間である。
【0087】以上のようにして製造された画像形成装置
は、輝度が高く、かつ放電の無い良好な画像を表示する
ことができた。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明には以下の
効果がある。
【0089】画像領域に可動導電性異物の移動開始電圧
以上かつ放電電圧未満の電圧を印加するとともに、画像
形成装置内部の画像領域の外側の領域に、前記画像領域
に印加する電界以上の高電界を印加することにより、画
像領域内部にある異物を除去することにより、輝度が高
く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができる
画像形成装置を作製することができるという効果があ
る。
【0090】また、フェースプレートの内面における、
加速電極と周辺電極との間の領域には高抵抗膜が形成さ
れていることにより、電子線の一部が画像領域外の真空
容器内壁に衝突することによって2次電子を生成し、そ
の結果真空容器内壁がチャージアップすることを防止
し、加速電極と周辺電極との間の沿面耐圧を向上させる
という効果がある。高抵抗膜のシート抵抗値は、大きす
ぎるとチャージを逃がす効果が乏しくなるため、ある程
度の導電性が必要である。逆に抵抗値が小さすぎると加
速電極と周辺電極の間に流れる電流が大きくなり、消費
電力の増加につながる。フェースプレート内面におけ
る、加速電極と周辺電極との間の領域は、10 7〜1014
/□]のシート抵抗であることにより、その効果を損なわ
ない範囲で抵抗を大きくすることができるという効果が
ある。
【0091】また、周辺電極を加速電圧以下の電位に規
定することにより、さらに好ましくはグランド電位に規
定することにより、画像領域外に除去された可動性粒子
には電界が印加されなくなる。その結果、除去された可
動性粒子が再び移動することはなく、画像領域内部への
再拡散を防止することができるという効果がある。
【0092】また、画像領域周辺への電界の印加に外部
電極を用いることにより、フェースプレート内面上に周
辺電極を形成する必要がないため製造コストの点で有利
となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による導電性可動異物除去工程を含む、
画像形成装置作製工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施の形態の画像形成装置の構
成模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の画像形成装置の構
成模式図の断面模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の画像形成装置の断面
模式図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の画像形成装置の構成
模式図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の画像形成装置の構成
模式図である。
【図7】導電性可動異物が電界中で受ける力の説明図で
ある。
【図8】本発明による導電性可動異物の除去作用の説明
図である。
【図9】電子源基板の作製方法である。
【図10】フォーミング工程の印加電圧波形パターンの一
例を示す説明図である。
【図11】表面伝導型電子放出素子の構成図である。
【図12】表面伝導型電子放出素子の電圧-電流特性であ
る。
【図13】蛍光膜の模式図である。
【図14】表面伝導型電子放出素子の一例である。
【図15】表面伝導型電子放出素子を用いた画像形成装置
の構成の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 リアプレート 2 電子源領域 4 支持枠 5 周辺電極 6 周辺電極当接部位 7 加速電極高圧当接部位 8 支持部材 9 ゲッタ 11 フェースプレート 12 画像表示領域 14 高抵抗膜 18 高圧導入端子(加速電極用) 19 高圧導入端子(周辺電極用) 20 外部電極 21、22 素子電極 23 Y方向配線 24 絶縁層 25 X方向配線 26 導電性膜 31〜33 電子源駆動用の配線 41 電子放出素子を形成するための基体 42、43 一対の素子電極 44 素子電極に接続された導電性膜 45 電子放出部 51 蛍光膜 52 黒色導電材 53 RGB3色等の蛍光体 3001 基板 3004 導電性薄膜 3005 電子放出部 3111 マルチ電子ビーム源 3112 表面伝導型電子放出素子 3115 リアプレート 3116 外容器枠 3117 フェースプレート 3118 蛍光体層 3119 メタルバック 3120 行方向配線 3121 列方向配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山▲崎▼ 康二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA05 BB07 5C036 EE08 EE09 EE14 EF01 EF06 EF09 EG24 EG28 EG45 EH04 EH26

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子からなる電子源を形
    成したリアプレートと、前記リアプレートと対向し、電
    子線の照射により発光する蛍光体を形成した画像領域お
    よび、前記電子源から放出された電子線を加速するため
    の加速電極を有するフェースプレートとを備える画像形
    成装置の作製方法において、 画像領域に可動導電性異物の移動開始電圧以上かつ放電
    電圧未満の電圧を印加するとともに、画像領域の外側の
    領域に、前記画像領域に印加する電界以上の高電界を印
    加することにより、画像領域内部にある異物を除去する
    工程を有することを特徴とする画像形成装置の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記画像領域の外側の領域への電界の印
    加は、前記フェースプレートの内面上かつ前記画像領域
    外の領域に形成した周辺電極へ、前記加速電極へ印加す
    る電位以上の電位を印加することによって行うことを特
    徴とする、請求項1に記載の画像形成装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記画像領域は略長方形であり、前記周
    辺電極はその1乃至3辺の周囲に線状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置の作
    製方法。
  4. 【請求項4】 前記周辺電極は、前記画像領域の全周囲
    に渡って形成されていることを特徴とする、請求項2に
    記載の画像形成装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記フェースプレート内面における前記
    加速電極と前期周辺電極との間の領域は、107〜1014
    /□]のシート抵抗であることを特徴とする、請求項3ま
    たは請求項4に記載の画像形成装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記フェースプレート内面における前記
    加速電極と前記周辺電極との間の領域は、高抵抗膜を有
    することを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1
    項に記載の画像形成装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記周辺電極は、前記画像形成装置の駆
    動中は前記加速電極に印加する加速電圧以下の電位に規
    定されることを特徴とする、請求項1から請求項6の何
    れか1項に記載の画像形成装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記周辺電極は、前記画像形成装置の駆
    動中はグランド電位に規定されることを特徴とする、請
    求項1から請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置
    の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記画像領域の外側の領域への電界の印
    加は、前記フェースプレートの外側(大気側)に配置し
    た外部電極に対して、画像領域に印加する電位以上の電
    位を印加することによって行うことを特徴とする、請求
    項1に記載の画像形成装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子として冷陰極素子を
    用いることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか
    1項に記載の画像形成装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記冷陰極素子は、電子放出部を含む
    導電性膜を一対の電極間に有する、表面伝導型電子放出
    素子であることを特徴とする、請求項10に記載の画像
    形成装置の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記電子源は、複数の行方向配線と複
    数の列方向配線とでマトリクス配線された複数の冷陰極
    素子を有する単純マトリクス状配置の電子源であること
    を特徴とする、請求項10または請求項11に記載の画
    像形成装置の作製方法。
  13. 【請求項13】 複数の電子放出素子からなる電子源を
    形成したリアプレートと、前記リアプレートと対向し、
    電子線の照射により発光する蛍光体を形成した画像領域
    および、前記電子源から放出された電子線を加速するた
    めの加速電極を有するフェースプレートとを備える画像
    形成装置において、 画像領域に可動導電性異物の移動開始電圧以上かつ放電
    電圧未満の電圧を印加するとともに、画像領域の外側の
    領域に、前記画像領域に印加する電界以上の高電界を印
    加することにより、画像領域内部にある異物を除去する
    工程により作製されることを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記画像領域の外側の領域への電界の
    印加は、前記フェースプレートの内面上かつ前記画像領
    域外の領域に形成した周辺電極へ、前記加速電極へ印加
    する電位以上の電位を印加することによって行うことを
    特徴とする、請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記画像領域は略長方形であり、前記
    周辺電極はその1乃至3辺の周囲に線状に形成されてい
    ることを特徴とする、請求項14に記載の画像形成装
    置。
  16. 【請求項16】 前記周辺電極は、前記画像領域の全周
    囲に渡って形成されていることを特徴とする、請求項1
    4に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記フェースプレート内面における前
    記加速電極と前期周辺電極との間の領域は、107〜10
    14[Ω/□]のシート抵抗であることを特徴とする、請求
    項15または請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記フェースプレート内面における前
    記加速電極と前記周辺電極との間の領域は、高抵抗膜を
    有することを特徴とする請求項15から請求項17の何
    れか1項に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記周辺電極は、前記画像形成装置の
    駆動中は前記加速電極に印加する加速電圧以下の電位に
    規定されることを特徴とする、請求項13から請求項1
    8の何れか1項に記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記周辺電極は、前記画像形成装置の
    駆動中はグランド電位に規定されることを特徴とする、
    請求項13から請求項19の何れか1項に記載の画像形
    成装置。
  21. 【請求項21】 前記画像領域の外側の領域への電界の
    印加は、前記フェースプレートの外側(大気側)に配置
    した外部電極に対して、画像領域に印加する電位以上の
    電位を印加することによって行うことを特徴とする、請
    求項13に記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記電子放出素子として冷陰極素子を
    用いることを特徴とする請求項13から請求項21の何
    れか1項に記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記冷陰極素子は、電子放出部を含む
    導電性膜を一対の電極間に有する、表面伝導型電子放出
    素子であることを特徴とする、請求項22に記載の画像
    形成装置。
  24. 【請求項24】 前記電子源は、複数の行方向配線と複
    数の列方向配線とでマトリクス配線された複数の冷陰極
    素子を有する単純マトリクス状配置の電子源であること
    を特徴とする、請求項22または請求項23に記載の画
    像形成装置。
JP2001202334A 2001-07-03 2001-07-03 画像形成装置およびその作製方法 Pending JP2003016935A (ja)

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