JP2003016925A - 電子放出素子の製造方法、電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子の製造方法、電子源及び画像形成装置

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JP2003016925A
JP2003016925A JP2001200103A JP2001200103A JP2003016925A JP 2003016925 A JP2003016925 A JP 2003016925A JP 2001200103 A JP2001200103 A JP 2001200103A JP 2001200103 A JP2001200103 A JP 2001200103A JP 2003016925 A JP2003016925 A JP 2003016925A
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electron
cathode electrode
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voltage
manufacturing
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Daisuke Sasakuri
大助 笹栗
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧で電子放出が可能な電子放出素子の製
造方法を提供する。 【解決手段】素子基板2を容器1内に載置し、カソード
電極に電源3により電圧を印加することでイオン若しく
は電子を照射し、カソード電極上に電子放出層13を形
成する電子放出層形成工程と、カソード電極に電圧を印
加することでイオン若しくは電子を照射し、絶縁層の開
口側壁に形成された側壁電流経路を除去する側壁電流経
路除去工程と、を有する電子放出素子の製造方法によ
り、低電圧で電子放出が可能な電子放出素子を製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子の製
造方法に関するものであり、カソード電極、絶縁層、ゲ
ート電極が順に積層された素子基板のカソード電極上
に、電子放出層を形成する電子放出素子製造方法及びそ
の製造方法で製造した電子放出素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、大別して
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類のものが
知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以
下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以
下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出素子
等がある。
【0003】FE型の例としてはW. P. Dyke &W.
W. Dolan,”Field Emission ”,Advance in Electro
n Physics, 8, 89 (1956) あるいはC. A. Spind
t, "PHYSICAL Properties of thin-film field emissio
n cathodes with molybdeniumcones", J. Appl. Phys.,
47, 5248 (1976) 等に開示されたものが知られてい
る。
【0004】MIM型の例としてはC. A. Mead,“ O
peration of Tunnel - Emission Devices“,J. Appl
y. Phys. ,32,646(1961)等に開示されたものが知ら
れている。
【0005】また、最近の例では、Toshiaki. Kusunok
i, “ Fluctuation - free electron emission from n
on - formed metal - insulator - metal (MIM) cathod
es Fabricated by low current Anodic oxidation
”,Jpn. J. Appl. Phys. vol. 32 (1993) pp. L169
5,Mutsumi suzuki etal “ An MIM-Cathode Array for
Cathode luminescent Displays ”,IDW '96 ,(1996)
pp.529等が研究されている。
【0006】表面伝導型の例としては、エリンソンの報
告(M.I.Elinson Radio Eng.Electron Phys. , 10
(1965))に記載のもの等があり、この表面伝導型電子
放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面
に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象
を利用するものである。表面伝導型素子では、前記のエ
リソンの報告に記載のSnO2薄膜を用いたもの、Au
薄膜を用いたもの、(G.Dittmer.Thin Solid Films,
9,317 (1972))、In23/SnO2薄膜によるもの
(M.Hartwell and C.G.Fonstad,IEEE Trans.ED Co
nf.,519 (1983))等が報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0008】画像表示装置を実現するためには、電子放
出素子と、それに対向して配置した蛍光体からなる前記
陽極電極に、電子放出素子から放出した電子を衝突、発
光させるが、高精細な画像形成装置では、電子軌道の収
束、電子放出素子サイズの小型化、駆動電圧の低電圧化
ならびに信頼性の高い電子放出素子の製造方法が必要で
あった。
【0009】FE型電子放出素子では、図17示すよう
に、Spindt法とよばれる素子の製造方法や、ドライエッ
チングを用いた方法等が知られているが、電子放出部に
用いる材料が制限され、その結果駆動電圧の大幅な低減
が困難であった。
【0010】これに対し、例えば特開平8−96704
に記載されている電子放出素子では、ゲート電極及び絶
縁層の開口部内に電子放出層が形成されており、リフト
オフ法による素子の作製方法が記載されている。
【0011】先述のSpindt法による作製方法でも同様で
あるが、微細な構造を有する電子放出素子においては、
リフトオフ法等の作製方法では、リフトオフ後の素子の
リークパス発生や、電子放出層の表面状態の変化等によ
り、信頼性の高い素子の作製が困難であった。
【0012】また、図18に示すように、リフトオフ法
を用いずに、あらかじめ電子放出層を形成し電子放出素
子を作製する方法もあるが、例えば、電子放出層がダイ
ヤモンドやダイヤモンドライクカーボンのように、密着
性の悪い材料であったり、平坦性の悪い材料である場
合、精密な素子を製造することが困難であった。
【0013】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、低電
圧で電子の放出が可能な電子放出素子を簡便な方法で製
造することができる電子放出素子の製造方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、カソード電極と、前記カソード電
極上に配置され、開口を有する絶縁層と、前記絶縁層上
に配置され、前記絶縁層の開口に連通する開口を有する
ゲート電極と、を有する素子基板を容器内に載置し、電
子放出層の原料ガスを前記容器内に導入する工程と、前
記容器内に設けられた熱電子発生手段により前記原料ガ
スからイオン若しくは電子を生成する工程と、前記カソ
ード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加することで
前記イオン若しくは電子を照射し、前記カソード電極上
に電子放出層を形成する電子放出層形成工程と、該工程
により前記絶縁層の開口側壁に形成された側壁電流経路
を除去するためのエッチングガスを前記容器内に導入す
る工程と、前記熱電子発生手段により前記エッチングガ
スからイオン若しくは電子を生成する工程と、前記カソ
ード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加することで
前記イオン若しくは電子を照射し、前記側壁電流経路を
除去する側壁電流経路除去工程と、を有することを特徴
とする。
【0015】前記電子放出層形成工程及び前記側壁電流
経路除去工程において、前記カソード電極及び前記ゲー
ト電極間に印加された電圧が、前記絶縁層の絶縁破壊電
圧以下であることが好適である。
【0016】前記電子放出層形成工程の前に、カソード
電極表面を洗浄するための洗浄ガスを前記容器内に導入
する工程と、前記熱電子発生手段により前記洗浄ガスか
らイオン若しくは電子を生成する工程と、前記カソード
電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加することで前記
イオン若しくは電子を照射し、前記カソード電極表面の
水素若しくは汚染物質を除去する洗浄工程と、を有する
ことが好適である。
【0017】前記側壁電流経路除去工程の後に、前記電
子放出層の表面処理を行う表面処理ガスを前記容器内に
導入する工程と、前記熱電子発生手段により前記表面処
理ガスからイオン若しくは電子を生成する工程と、前記
カソード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加するこ
とで前記イオン若しくは電子を照射し、前記電子放出層
の表面を処理する表面処理工程と、を有することが好適
である。
【0018】前記電子放出層除去工程が、前記表面処理
工程をかねることが好適である。
【0019】前記エッチングガス若しくは前記表面処理
ガスが水素ガスであることが好適である。
【0020】前記ゲート電極表面が、前記電子放出層と
同じ材料で被覆されてもよい。
【0021】前記原料ガスの主成分がカーボンからな
り、前記電子放出層が、カーボンを主成分とする材料で
形成されることが好適である。
【0022】また、本発明にかかる電子源にあっては、
前記に記載の製造方法で製造した電子放出素子を複数個
配置されてなることを特徴とする。
【0023】前記複数の電子放出素子がマトリクス配線
されてなることが好適である。
【0024】また、本発明にかかる画像形成装置にあっ
ては、前記電子源と、該電子源から放出された電子によ
って画像を形成する画像形成部材と、を備えたことを特
徴とする。
【0025】前記画像形成部材は、電子の衝突によって
発光する蛍光体であることが好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0027】図1は、本発明による電子放出素子の製造
方法の一例を示す模式図である。以下、本発明の電子放
出素子の製造方法の一例を説明する。
【0028】初めに、素子基板2の製造方法について説
明すると、予めその表面を十分に洗浄した、石英ガラ
ス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガ
ラス及びシリコン基板等にスパッタ法等によりSiO2
を積層した積層体、アルミナ等のセラミックスの絶縁性
の基板上にカソード電極を形成する。
【0029】カソード電極は一般的に導電性を有してお
り、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォ
トリソグラフィー技術により形成される。カソード電極
に用いられる材料としては、例えば、Be、Mg、T
i、Zr、Hf、V、Nb、Mo、W、Al、Cu、N
i、Cr、Au、Pt、Pd等の金属または合金材料、
TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭
化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4
GdB4等の硼化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化
物、Si、Ge等の半導体、カーボン等から適宜選択さ
れる。
【0030】次に、前記カソード電極上に絶縁層を堆積
する。絶縁層は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、
熱酸化法、陽極酸化法等で形成され、その厚さとして
は、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数
十nmから数百nmの範囲から選択される。前記絶縁層
の厚さは、電子放出素子の駆動電圧を決定するパラメー
タの一つであり、前記絶縁層の厚さが薄いほど、低電圧
で高電界が得られることは明らかである。
【0031】更に、前記絶縁層上にゲート電極を堆積す
る。該ゲート電極は前記カソード電極と同様に導電性を
有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技
術、フォトリソグラフィー技術により形成される。電極
の材料は、例えば、Be、Mg、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Mo、W、Al、Cu、Ni、Cr、
Au、Pt、Pd等の金属または合金材料、TiC、Z
rC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、Hf
2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の
硼化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、G
e等の半導体、カーボン等から適宜選択される。
【0032】前記ゲート電極の厚さとしては、数十nm
から数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから
数百nm程度の範囲で選択される。
【0033】前記カソード電極及びゲート電極は同一材
料でも異種材料でも良く、また、同一形成方法でも異種
形成方法でもよい。
【0034】次に、フォトリソグラフィー技術により、
前記絶縁層、ゲート電極の一部が前記素子基板から取り
除かれ、前記カソード電極が露出するように開口領域が
形成される。
【0035】本工程で形成される開口領域は、ホール
型、スリット型等が挙げられ、必要なビーム形状や駆動
電圧等により適切な形状が選択される。開口領域のサイ
ズは、必要なビームサイズ、駆動電圧等により最適な領
域から選択され、そのサイズは数nmから数十μmの範
囲から選択される。
【0036】本発明の電子放出素子の製造方法では、上
述のような積層構造の素子基板のカソード電極上に電子
放出層を形成する方法であり、以下にその詳細を説明す
る。
【0037】尚、電子放出層が、例えば炭素を主成分と
する材料、例えばダイヤモンド膜やダイヤモンドライク
カーボン膜の場合について説明するが、必要な電子放出
層によって、適宜最適な原料ガスを選択すればよい。
【0038】真空容器内に素子基板を配置し、メタンや
エチレン、アセチレン等の原料ガスを導入する。次に、
前記原料ガスを熱やプラズマ等で分解し、イオン、電
子、ラジカルを生成する。
【0039】本発明のイオン、電子、ラジカルの発生方
法としては、一般的な高周波、マイクロ波等のプラズマ
装置を用いた方法や、高温に加熱したタングステンやタ
ンタル等の金属線を用いた方法等が挙げられ、適宜最適
な方法を用いればよい。
【0040】次に、上記のようにして生成したイオン若
しくは電子を前記素子基板に照射する。この時、カソー
ド電極に正のバイアスを印加した場合は電子が照射さ
れ、負のバイアスを印加した場合はイオンが照射され
る。この時、ゲート電極とカソード電極が電気的に分離
されていると、荷電粒子がゲート電極に帯電し絶縁層に
電界が発生し、絶縁破壊が発生する場合があり、図2に
示すようにゲート電極とカソード電極間を電気的に接続
するか、若しくは、絶縁破壊以下の電界になるように電
圧若しくは荷電粒子の量を調整しながら荷電粒子を照射
することが望ましい。本工程でカソード電極に印加する
電圧としては、+3kVから−3kV程度の範囲から選
択されるが、電子放出層の材料特性や電子放出特性によ
り最適な範囲から選択すればよい。
【0041】図1の工程では、前記素子基板2に対し
て、クリーニング工程と成膜工程の両方でイオンビーム
を照射した例を示している。また、図8においては、前
記素子基板2に対して、クリーニング工程で電子ビーム
を照射し、成膜工程でイオンビームを照射した例を示し
ている。
【0042】上記のようにして素子基板に荷電粒子を照
射すると、カソード電極上に電子放出層が形成される
が、この工程において図6に示すように、前記素子基板
2の絶縁層11側壁にわずかながらのカーボン膜が付着
し、側壁電流経路を形成する。
【0043】上述の工程を経た直後に、図9に示すよう
な真空容器1内に素子基板2を配置し、ゲート電極とカ
ソード電極間に、ゲート電極が正の電圧になるように電
源3により電圧を印加すると、図6に示されているよう
に絶縁層11側壁に形成された側壁電流経路131によ
り、図10に示すようなほぼ線形の電流−電圧特性が得
られる。
【0044】次に、側壁電流経路131の除去工程につ
いて説明する。真空容器1から原料ガスを排気し、変わ
りにエッチングガスを導入する。側壁電流経路がカーボ
ンの場合、例えば水素ガス等を導入する。エッチングガ
ス中で素子基板に電子ビーム若しくはイオンビームを照
射すると、照射されたイオンビーム若しくは基板表面で
発生したエッチング種により電子放出層及び側壁電流経
路がエッチングされる。本工程により、薄く形成された
側壁電流経路は除去され、図5に示すように電子放出層
のみがカソード電極上に配置された素子が形成される。
【0045】図7は、成膜時の開口部内に形成される電
子放出層の成膜時間と膜厚の関係、及び、エッチング工
程における電子放出層と開口部側壁のエッチング速度の
関係を示した図である。
【0046】図7の関係から、成膜時においては、電子
放出層と比較して開口部側壁には僅かの膜しか付着せ
ず、エッチング工程においては、開口部側壁は電子放出
層とほぼ同じ速度でエッチングが進行するため、エッチ
ング時間を調節することで、開口部側壁に付着した膜の
みを除去することができる。
【0047】ここで、図3及び図4は、前記素子基板の
クリーニング工程から前記側壁電流経路を除去する工程
までを示した図で、図3においては、中性ラジカル成分
でクリーニングし、イオンビームを照射することで電子
放出層を形成し、更に、電子ビームを照射し側壁電流経
路を除去する工程を示した図である。
【0048】また、図4においては、電子ビームによる
クリーニング、イオンビームによる成膜、中性ラジカル
成分によるエッチングの例を示している。これらの工程
の組み合わせは、必要な電子放出素子及び特性により、
適宜最適な条件を選択すればよい。
【0049】図5は、上述のようにして製造した素子の
一例を示す図である。
【0050】本工程でカソード電極に印加する電圧値
は、エッチングガスが分解される電子エネルギー若しく
はイオンエネルギーを得ることができる電圧値から選択
される。
【0051】また、上記の工程においても、図2に示す
ようにカソード電極とゲート電極接続治具6により電気
的に接続するか若しくは、絶縁層が破壊される電界以下
に電圧値を調整するか、若しくは荷電粒子の量を調整し
ながら行うことが望ましい。
【0052】ここでは、エッチングガスが水素の場合に
ついて記述したが、電子放出層を形成する材料によっ
て、適宜最適なエッチングガスを選択すればよい。
【0053】また、図12に示すように、上述のエッチ
ング工程後に前記ゲート電極12表面が電子放出層13
と同じ材料で被覆されている構造でもよい。
【0054】これまで説明した方法で製造した電子放出
素子を、図9に示すような真空容器1内に配置し、ゲー
ト電極12とカソード電極10間に、ゲート電極が正と
なるように電源3により電圧を印加していくと、図10
に示すような非線形の電流電圧特性が観測される。
【0055】次に、電子放出層の表面処理方法について
説明する。
【0056】電子放出層の表面処理は、上述の電子放出
層の形成方法や側壁電流経路の除去方法と同様に、表面
処理ガスを真空容器内に導入し、素子基板に電子ビーム
若しくはイオンビームを照射する。
【0057】上記の表面処理工程は、側壁電流経路を除
去する工程が兼ね備えていてもよい。
【0058】また、上記の工程においても、カソード電
極とゲート電極を電気的に接続するか若しくは、絶縁層
が破壊される電界以下に電圧値を調整しながら行うこと
が望ましい。
【0059】適切な表面処理方法で表面処理した電子放
出素子2を、図9に示すような真空容器1内に配置し、
ゲート電極とカソード電極間に、ゲート電極が正となる
ように電源3により電圧を印加していくと、表面処理前
の素子特性に比べて閾値電圧の低下や電流密度の向上
等、良好な電子放出特性が得られる。
【0060】次に、画像形成装置に用いた例について説
明する。
【0061】図13は、本発明の電子放出素子をマトリ
クス状に配置した例である。図14は本発明の適用可能
な電子放出素子を複数配して得られる画像形成装置を示
した図である。図14において1111は電子源基体、
1112はX方向配線、1113はY方向配線である。
1114は本発明の本発明の電子放出素子、1115は
結線である。
【0062】図14においてm本のX方向配線1112
はDX1,DX2 ,..DXmからなり,蒸着法にて形成
された厚さ約1μm、幅300μmのアルミニウム系配
線材料で構成されている。配線の材料、膜厚、巾は、適
宜設計される。Y方向配線1113は厚さ0.5μm、
幅100μm,DY1 ,DY2..DYmのn本の配線よ
りなり,X方向配線1112と同様に形成される。これ
らm本のX方向配線1112とn本のY方向配線111
3との間には、不図示の厚さ約1μmの層間絶縁層が設
けられており、両者を電気的に分離している(m,n
は,共に正の整数)。
【0063】不図示の層間絶縁層は、スパッタ法等を用
いて形成された絶縁層である。例えば、X方向配線11
12を形成した電子源基体1111の全面あるいは一部
に所望の形状で形成され、特に、X方向配線1112と
Y方向配線1113の交差部の電位差に耐え得るよう
に、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向配線
1112とY方向配線1113は、それぞれ外部端子と
して引き出されている。
【0064】本発明の電子放出素子1114を構成する
一対の電極(不図示)は、m本のX方向配線1112と
n本のY方向配線1113と導電性金属等からなる結線
1115(不図示)によって電気的に接続されている。
【0065】X方向配線1112には、X方向に配列し
た本発明の電子放出素子1114の行を、選択するため
の走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続
される。一方、Y方向配線1113には、Y方向に配列
した本発明の電子放出素子1114の各列を入力信号に
応じて、変調するための不図示の変調信号発生手段が接
続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当
該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として
供給される。本発明においてはY方向配線は高電位、X
方向配線は低電位になるように接続された。
【0066】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0067】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置の表示パネルを形成するこ
とができる。
【0068】尚、本発明の電子放出素子を用いた画像形
成装置では、放出した電子軌道を考慮して素子上部に蛍
光体をアライメントして配置する。
【0069】図15は、本件のパネルに使用した蛍光膜
を示す模式図である。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列により図15(a)に示すブラックストライプあ
るいは図15(b)に示すブラックマトリクスなどと呼
ばれる黒色導電材151と蛍光体152とから構成し
た。
【0070】ブラックストライプ、ブラックマトリクス
を設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色
蛍光体の各蛍光体152間の塗り分け部を黒くすること
で混色等を目立たなくし、蛍光膜154における外光反
射によるコントラストの低下を抑制した。
【0071】ブラックストライプの材料としては、本実
施例では通常用いられている黒鉛を主成分とする材料用
いた。
【0072】図14において蛍光膜1124の内面側に
は、通常メタルバック1125が設けられる。
【0073】メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の
内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼
ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆
積させることで作られた。
【0074】フェイスプレート1126には、更に蛍光
膜1124の導電性を高めるため、蛍光膜1124の外
面側に透明電極(不図示)を設けた。
【0075】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0076】本実施例では電子源の真上に対応する蛍光
体が配置された。
【0077】走査回路図16について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子1302を備えたも
ので(図中,S1乃至Smで模式的に示している)あ
る。各スイッチング素子1302は、直流電圧源Vxの
出力電圧若しくは0[V](グランドレベル)のいずれ
か一方を選択し、表示パネル1301の端子Dox1乃
至Doxmと電気的に接続される。S1乃至Smの各ス
イッチング素子は、制御回路1303が出力する制御信
号Tscanに基づいて動作するものであり、例えばF
ETのようなスイッチング素子を組み合わせることによ
り構成することができる。
【0078】直流電圧源Vxは、本例の場合には、本発
明の電子電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)
に基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧
が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出
力するよう設定されている。
【0079】制御回路1303は、外部より入力する画
像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の
動作を整合させる機能を有する。制御回路1303は、
同期信号分離回路1306より送られる同期信号Tsy
ncに基づいて、各部に対してTscan及びTsft
及びTmryの各制御信号を発生する。
【0080】同期信号分離回路1306は、外部から入
力されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と
輝度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波
数分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期
信号分離回路1306により分離された同期信号は、垂
直同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の
便宜上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号
から分離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信
号と表した。該DATA信号はシフトレジスタ1304
に入力される。
【0081】シフトレジスタ1304は、時系列的にシ
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路1303より送られる制御信号Tsftに基づ
いて動作する(即ち、制御信号Tsftは,シフトレジ
スタ1304のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記シフ
トレジスタ1304より出力される。
【0082】ラインメモリ1305は、画像1ライン分
のデータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置で
あり、制御回路1303より送られる制御信号Tmry
に従って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶
された内容は、I’d1乃至I’dnとして出力され、
変調信号発生器1307に入力される。
【0083】変調信号発生器1307は、画像データ
I’d1乃至I’dnの各々に応じて本発明の電子放出
素子の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、
その出力信号は、端子Dox1、Doynを通じて表示
パネル1301内の本発明の電子放出素子に印加され
る。
【0084】前述したように、本発明を適用可能な電子
放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vth
があり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出
が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素
子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。こ
のことから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、
例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は
生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合に
は電子ビームが出力される。その際、パルスの波高値V
mを変化させることにより出力電子ビームの強度を制御
することが可能である。また、パルスの幅Pwを変化さ
せることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制
御することが可能である。
【0085】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器1347として、一定長さの電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いるこ
とができる。
【0086】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器1307として、一定の波高値の電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パル
スの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用い
ることができる。
【0087】シフトレジスタやラインメモリは、デジタ
ル信号式あるいはアナログ信号式のものを採用できる。
画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度
で行なわれればよいからである。
【0088】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路1306の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これには1306の出力部にA/
D変換器を設ければよい。これに関連してラインメモリ
1305の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かに
より、変調信号発生器1307に用いられる回路が若干
異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧
変調方式の場合、変調信号発生器1307には、例えば
D/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付
加する。
【0089】パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器
1307には、例えば高速の発振器及び発振器の出力す
る波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力
値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレー
タ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、比較器
の出力するパルス幅変調された変調信号を本発明の電子
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付加することもできる。
【0090】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器1307には、例えばオペアンプな
どを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシ
フト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)
を採用でき、必要に応じて本発明の電子電子放出素子の
駆動電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加すること
もできる。
【0091】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL、SECAM方式など他、
これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、
MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用
できる。
【0092】また表示装置の他、感光性ドラム等を用い
て構成された光プリンターとしての画像形成装置等とし
ても用いることができる。
【0093】
【実施例】以下、本発明の実施例について、さらに詳細
に説明する。
【0094】(実施例1)本実施例では、図3に示した
製造方法について説明する。
【0095】はじめに、カソード電極にN型シリコン基
板を用いて、絶縁層としてスパッタ法で堆積した0.5
μmのSiO2、ゲート電極として同様にスパッタ法で
堆積した0.1μmのタンタル金属を積層し、ゲート電
極及び絶縁層を貫通するφ0.5μmの貫通孔を形成し
た素子基板を形成した。
【0096】次に、上述の素子基板を真空容器内に配置
し、1×10-5Paまで真空排気した。このとき、ゲー
ト電極とカソード電極が電気的に同電位になるように接
続して基板を設置した。
【0097】次に洗浄工程について説明する。
【0098】まず、電子放出層の基板洗浄ガスとして水
素を真空容器内が1×10-1Paになるようにガスの流
量及び真空排気バルブを調整した。この時のガス流量
は、10sccmに設定した。
【0099】次に、カソード電極に接続された外部電源
を用いて100Vの電圧を印加した後、真空容器内に配
置した熱電子発生装置(不図示)を動作させた。本熱電
子発生装置(イオン発生装置も兼ねている)は、タング
ステン線に電圧を印加し加熱することで熱電子あるいは
イオンを発生させるものである。本熱電子発生装置を動
作させることで、素子基板に電子を照射し、水素を分解
し基板表面をクリーニングした。電子の照射時間は15
分に設定した。
【0100】これにより、基板表層の原子に結合した水
素やその他の不純物が除去され、後述する電子放出層形
成工程において、良質な電子放出層をカソード電極上に
形成することが可能となる。
【0101】次に電子放出層形成工程について説明す
る。
【0102】上述の洗浄ガスの導入を停止し、再び1×
10-5Paまで真空容器内を排気した後、電子放出層の
原料ガスとしてメタンを導入した。この時、10scc
mの流量で、真空容器内が1×10-1Paになるように
真空排気バルブを調整した。
【0103】次に、素子基板のカソード電極に−200
Vの電圧を印加し、上述の基板洗浄時に用いた熱電子発
生装置と同じ装置を動作させ、30分間素子基板にイオ
ンを照射し電子放出層5を作成した。この時、素子基板
に流れるイオン電流量が100mAになるようにイオン
発生装置を調整した。
【0104】次に、側壁電流経路除去工程について説明
する。
【0105】上述の電子放出層の原料ガスであるメタン
ガスの導入を停止し、真空容器内を1×10-5Paまで
排気した後、再び水素ガスを導入した。この時の水素の
流量は10sccmで、真空容器内が1×10-1Paに
なるように真空排気バルブを調整した。
【0106】次に、素子基板のカソード電極に100V
の電圧を印加した後、再び熱電子発生装置を動作させ基
板に電子を照射した。エッチングガスである水素雰囲気
中で、電子照射することで電子放出材料がエッチングさ
れ、絶縁層側壁に付着した電流経路を除去した。
【0107】また、エッチングガスに水素を用いること
で、電子放出層の表面処理工程を同時に行った。本エッ
チング時間は、表面処理時間とあわせて25分間行っ
た。
【0108】これにより、最終的に電子放出層の表層の
原子が水素原子で終端されることになり、その後の電子
放出の際にも安定した電子放出層が維持される。
【0109】尚、もちろん表面処理工程に使用されるガ
スはエッチングガスと必ずしも共通である必要はなく、
適宜選択し、入れ替えることも可能である。
【0110】上記のように製造した電子放出素子2を、
図9に示すような電子放出特性評価装置に配置し、カソ
ード電極とゲート電極間に、ゲート電極が正となるよう
に電源3により電圧を印加し、ゲート電極とカソード電
極間での電子放出特性を評価した。その結果、絶縁層側
壁の電流経路が除去されているため、18Vの閾値電圧
で電子放出が観測できた。
【0111】(実施例2)実施例1で用いた素子基板
に、実施例1と同様にして洗浄工程を行った。
【0112】次に、電子放出層形成工程として、電子放
出層の原料ガスとしてメタンと窒素の混合ガスを用い
た。この時の混合比はメタン10sccmに対して窒素
を5sccmの割合で混合し、真空容器内が1×10-1
Paになるように設定した。
【0113】次に、カソード電極に−1kVの電圧を印
加し、イオン発生装置を動作させた。この時、素子基板
に流れるイオン電流量が500mAになるようにイオン
発生装置を調整し、30分間成膜した。
【0114】次に、側壁電流経路除去工程として、電子
放出層の原料ガスの導入を停止し、1×10-5Paまで
真空排気した後、水素を1×10-1Paになるように導
入し、真空排気バルブを調節した。
【0115】次に、カソード電極に−200Vの電圧を
印加した後、イオン発生装置を動作させ、素子基板にイ
オン電流量が5mAになるようにイオン発生装置を設定
し、30分間イオンを照射した。
【0116】上記のようにして製造した電子放出素子
を、電子放出特性評価装置内に配置し、電子放出特性を
評価した。その結果、閾値電圧が16Vから電子放出が
観測された。
【0117】(実施例3)実施例1と同様の素子基板を
用いて、電子放出素子を製造した。
【0118】次に、洗浄工程として、素子基板をカソー
ド電極とゲート電極とが電気的に同電位になるように真
空容器内に配置し真空排気した後、アルゴンガスを1×
10 -1Paになるようにガスの流量及び真空排気バルブ
を調整した。
【0119】次に、カソード電極に−300Vの電圧を
印加し、イオン発生装置を動作させた。この時、イオン
電流量が50mAになるようにイオン発生装置を調整
し、この状態で20分間素子基板を洗浄した。
【0120】次に、電子放出素子形成工程として、電子
放出層の原料ガスとして、メタン、窒素及び水素の混合
ガスを用いた。この時の混合比は、メタン10scc
m、窒素3sccm、水素2sccmとし、真空容器内
が1×10-1Paになるように真空排気バルブを調整し
た。
【0121】次に、カソード電極に−1kVから−20
0Vに時間的に電圧値が変化するように電圧値を設定し
た後、イオン発生装置を動作させた。この時、素子基板
に流れるイオン電流量は、常に100mAになるように
イオン発生装置を調整し、30分間電子放出材料を成膜
した。
【0122】次に、側壁電流経路除去工程として、原料
ガスの導入を停止し真空排気した後、水素を10scc
mで1×10-1Paになるように設定した。
【0123】次に、カソード電極に100Vの電圧を印
加し、熱電子発生装置を動作させ、素子基板に50mA
の電流量となるように調整した。この状態で、40分間
素子基板に電子を照射し、絶縁層側壁の電流経路を除去
した。
【0124】上記のようにして製造した電子放出素子
を、電子放出評価装置内に配置し、電子放出特性を評価
したところ、良好な電子放出特性が得られた。
【0125】(実施例4)実施例1と同様の素子基板を
用いて、実施例1と同様の条件で素子基板を洗浄した。
【0126】次に、電子放出素子形成工程において、原
料としてガスメタンと窒素の混合ガスを用いて電子放出
層を形成した。この時、カソード電極に−200Vの一
定電圧を印加し、素子基板に30mAから120mAに
電流量が変化するようにイオン発生装置を調整し、30
分間電子放出層を形成した。
【0127】次に、実施例1と同様の条件で絶縁層側壁
の電流経路の除去、及び電子放出層の表面処理工程を行
った。
【0128】上記のようにして製造した電子放出素子の
電子放出特性を評価した結果、良好な電子放出特性が得
られた。
【0129】(実施例5)実施例1と同様の素子基板を
用いて、実施例1と同様の条件で素子基板を洗浄した。
【0130】次に、電子放出素子形成工程において、原
料ガスとしてメタンと窒素の混合ガスを用いて電子放出
層を形成した。この時、カソード電極に−1.5kVか
ら−200Vに時間的に変化する電圧を印加し、素子基
板に30mAから120mAに電流量が変化するように
イオン発生装置を調整し、30分間電子放出層を形成し
た。
【0131】次に、実施例1と同様の条件で絶縁層側壁
の電流経路の除去、及び電子放出層の表面処理工程を行
った。
【0132】(実施例6)実施例1から5に示したよう
な条件で製造方法で、10×10の素子がマトリクス状
に配置されている電子源を製造した。配線は、x配線を
カソード電極にy配線をゲート電極に接続した。素子
は、横30μm、縦100μmのピッチで、一画素あた
り5千個の開口部を形成した。素子上部には2mmに距
離を隔てた位置に電子軌道のずれを考慮して蛍光体をア
ライメントして配置した。蛍光体には10kVの電圧を
印加した。この結果、低消費電力で高精細な電子源が形
成できた。
【0133】(実施例7)実施例1から5に示したよう
な条件で製造方法で、電子源をマトリクス状に配置した
画像形成装置を製造した。配線は、図13のようにx配
線をカソード電極にy配線をゲート電極に接続した。素
子は、横30μm、縦100μmのピッチで、一画素あ
たり5千個の開口部を形成した。画面サイズは対角5イ
ンチに設計した。素子上部には2mmに距離を隔てた位
置に電子軌道のずれを考慮して蛍光体をアライメントし
て配置した。画像制御は、図15に示すような制御回路
を配置して、入力信号に応じた画像が表示できるように
した。蛍光体には10kVの電圧を印加した。この結
果、低消費電力で高精細な画像形成装置が製造できた。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電子
放出素子の製造方法によれば、積層構造で形成された素
子基板に、素子の破壊無しに電子放出層を形成すること
ができるとともに、側壁電流経路の除去を行うことがで
き、低電圧で電子の放出が可能な電子放出素子を簡便な
方法で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子放出素子の製造方法一例を示
す図である。
【図2】本発明による電子放出素子の製造方法一例を示
す図である。
【図3】本発明による電子放出素子の製造方法一例を示
す図である。
【図4】本発明による電子放出素子の製造方法一例を示
す図である。
【図5】本発明の電子放出素子の製造方法で製造した素
子構造を示す図である。
【図6】本発明の電子放出素子の製造方法で製造した素
子の成膜直後の状態を示す図である。
【図7】本発明の電子放出素子の製造方法で、成膜特性
とエッチング特性を示す図である。
【図8】本発明による電子放出素子の製造方法一例を示
す図である。
【図9】本発明の製造方法で製造した電子放出素子の電
子放出特性を評価する装置を示す図である。
【図10】本発明の製造方法で製造した電子放出素子の
エッチング工程の前後における電流電圧特性を示す図で
ある。
【図11】本発明の製造方法で製造した電子放出素子の
表面処理工程の前後における電流電圧特性を示す図であ
る。
【図12】本発明の電子放出素子の一例を示した図であ
る。
【図13】本発明の電子放出素子を用いてマトリクス状
に配置した電子源装置の一例を示す図である。
【図14】本発明の電子放出素子を用いた画像形成装置
の一例を示す図である。
【図15】本発明の画像形成装置に用いた蛍光体を示す
図である。
【図16】本発明の電子放出素子を用いた画像形成装置
において、像を形成する際に必要な周辺回路を含めた構
成の模式図である。
【図17】従来の電子放出素子の製造方法の一例を示す
図である。
【図18】従来の電子放出素子の構造を示す図である。
【符号の説明】 1 真空容器 2 電子放出素子 3 電源 4 電子 5 イオン 6 接続治具 7、8 中性ラジカル 9、111、121 素子基板 10、112 カソード電極 11、113 絶縁層 12、114 ゲート電極 13 電子放出層 115 リフトオフ層 116 電子放出部 131 側壁電流経路 1111 電子源基板 1112 X方向配線 1113 Y方向配線 1114 電子放出素子 1115 結線 1122 画像形成装置部材 1124 蛍光膜 1125 メタルバック 1126 フェイスプレート

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カソード電極と、 前記カソード電極上に配置され、開口を有する絶縁層
    と、 前記絶縁層上に配置され、前記絶縁層の開口に連通する
    開口を有するゲート電極と、を有する素子基板を容器内
    に載置し、 電子放出層の原料ガスを前記容器内に導入する工程と、 前記容器内に設けられた熱電子発生手段により前記原料
    ガスからイオン若しくは電子を生成する工程と、 前記カソード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加す
    ることで前記イオン若しくは電子を照射し、前記カソー
    ド電極上に電子放出層を形成する電子放出層形成工程
    と、 該工程により前記絶縁層の開口側壁に形成された側壁電
    流経路を除去するためのエッチングガスを前記容器内に
    導入する工程と、 前記熱電子発生手段により前記エッチングガスからイオ
    ン若しくは電子を生成する工程と、 前記カソード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加す
    ることで前記イオン若しくは電子を照射し、前記側壁電
    流経路を除去する側壁電流経路除去工程と、を有するこ
    とを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記電子放出層形成工程及び前記側壁電流
    経路除去工程において、前記カソード電極及び前記ゲー
    ト電極間に印加された電圧が、前記絶縁層の絶縁破壊電
    圧以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子放
    出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記電子放出層形成工程の前に、 カソード電極表面を洗浄するための洗浄ガスを前記容器
    内に導入する工程と、 前記熱電子発生手段により前記洗浄ガスからイオン若し
    くは電子を生成する工程と、 前記カソード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加す
    ることで前記イオン若しくは電子を照射し、前記カソー
    ド電極表面の水素若しくは汚染物質を除去する洗浄工程
    と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記側壁電流経路除去工程の後に、 前記電子放出層の表面処理を行う表面処理ガスを前記容
    器内に導入する工程と、 前記熱電子発生手段により前記表面処理ガスからイオン
    若しくは電子を生成する工程と、 前記カソード電極及び前記ゲート電極間に電圧を印加す
    ることで前記イオン若しくは電子を照射し、前記電子放
    出層の表面を処理する表面処理工程と、を有することを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子
    放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記電子放出層除去工程が、前記表面処理
    工程をかねることを特徴とする請求項1乃至4いずれか
    1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記エッチングガス若しくは前記表面処理
    ガスが水素ガスであることを特徴とする請求項1乃至5
    いずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記ゲート電極表面が、前記電子放出層と
    同じ材料で被覆されることを特徴とする請求項1乃至6
    いずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記原料ガスの主成分がカーボンからな
    り、 前記電子放出層が、カーボンを主成分とする材料で形成
    されることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に
    記載の電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8いずれか1項に記載の製造
    方法で製造した電子放出素子を複数個配置されてなるこ
    とを特徴とする電子源。
  10. 【請求項10】前記複数の電子放出素子がマトリクス配
    線されてなることを特徴とする請求項9に記載の電子
    源。
  11. 【請求項11】請求項9又は10に記載の電子源と、該
    電子源から放出された電子によって画像を形成する画像
    形成部材と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】前記画像形成部材は、電子の衝突によっ
    て発光する蛍光体であることを特徴とする請求項11に
    記載の画像形成装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5060617B2 (ja) * 2008-04-03 2012-10-31 パイオニア株式会社 回路装置の駆動方法及び回路装置

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