JP2000251630A - 電子源及び前記電子源を用いた画像形成装置及びその方法 - Google Patents

電子源及び前記電子源を用いた画像形成装置及びその方法

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JP2000251630A
JP2000251630A JP4897699A JP4897699A JP2000251630A JP 2000251630 A JP2000251630 A JP 2000251630A JP 4897699 A JP4897699 A JP 4897699A JP 4897699 A JP4897699 A JP 4897699A JP 2000251630 A JP2000251630 A JP 2000251630A
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image forming
wiring
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emitting
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Hitoshi Oda
仁 織田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出素子から放出される電子に残留ガス
が影響を与えるのを防止して、形成される画像の品質低
下を防止した電子源及び前記電子源を用いた画像形成装
置及びその方法を提供する。 【解決手段】 複数の電子放出素子を有する電子源であ
って、複数の電子放出素子のそれぞれは対向する一対の
素子電極5,6と、これら素子電極5,6間に配設され
て電子放出部5を備える導電膜2を有し、この導電膜2
の下部には絶縁層9を介して抵抗層7が設けられてい
る。この抵抗層7は、一端が行配線11に接続され、他
端は配線8に接続されており、この抵抗層7に通電する
ことにより、その電子放出部15を加熱して、その表面
に付着しているガス分子などを除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子放出素
子を配した電子源及び前記電子源を用いた画像形成装置
及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子として、大別し
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類が知ら
れている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下
「FE型」と記す)、金属/絶縁層/金属型(以下「M
IM」型という)や表面伝導型放出素子等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke&W.W.Dola
n,“Field emission",Advance in Electron Physics,8,
89(1956)或は、C.A.Spindt,“Physicalpro perties of
thin-film field emission cathodes with molybdenium
cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に開示されたも
のが知られている。
【0004】また、MIM型の例としてはC.A.Mead,“O
peration of tunnel-emission Devices",J.Appl.Phys.,
32,646(1961)等に開示されたものが知られている。
【0005】さらに、表面伝導型放出素子型の例として
は、M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290,
(1965)等に開示されたものがある。
【0006】ここで、表面伝導型放出素子は、基板上に
形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこ
とにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。この表面伝導型放出素子としては、前記エリンソン
(Ekinson)等によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄
膜によるもの[G. Dittmer: "Thin Solid Films", 9,31
7(1972)]、In2O3/SnO2薄膜によるもの[M. Har
twell and C.G. Fonstad:"IEEE Trans. ED Conf.", 51
9 (1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久他:真
空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告
されている。
【0007】上記表面伝導型放出素子の素子構成の典型
的な例として、上記ハートウエル(Hartwell)らの素子
の構成を図7に模式的に示す。図において211は基
板、212、213および214は導電性膜でH型形状
にスパッタリング法で形成された金属酸化物薄膜などか
らなり、この導電性薄膜の一部(H字型の縦線に相当す
る部分212および213)は素子電極を兼ねる。導電
性膜には通電フォーミングと呼ばれる通電処理により、
電子放出部215が形成される。図中の素子電極間隔L
は、0.5〜1mm,W’は、0.1mmで設定されて
いる。従来。これら表面伝導型放出素子においては、上
述したように電子放出を行う前に導電性膜214に予め
通電フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部
215を形成するのが一般的であった。即ち、前記導電
性薄膜の両端の素子電極の間に直流電圧、或は非常にゆ
っくりとした昇電圧、例えば1[V/分]程度を印加し
て通電し、上記導電性膜を局所的に破壊、変形もしくは
変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にして電子放出部2
15を形成する。なお、電子放出部215は導電性膜2
14の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出
が行われる。通電フォーミング処理を施した表面伝導型
放出素子は、素子電極の間に電圧を印加して電子放出素
子に電流を流すことにより、上記電子放出部215より
電子を放出する。
【0008】また、図8(a)(b)に別の構成の表面
伝導型放出素子を示す。これは基体211上に一対の素
子電極212,213とそれに接続された導電性膜21
4を形成したもので、導電性膜214に電子放出部21
5が含まれている。この表面伝導型放出素子に関して
は、例えば特開平7−235255号公報などに詳しく
記載されており、導電性膜214としては導電性微粒子
よりなる膜が好ましく用いられること、通電フォーミン
グ処理としてはパルス電圧を印加する方法が好ましく用
いられること、などが開示されている。また、通電フォ
ーミングにより電子放出部215が形成された素子に
は、活性化工程と呼ばれる処理を行うことが好ましいこ
とも開示されている。この活性化工程とは、有機物質を
含む雰囲気中で、素子電流間にパルス電圧を繰り返し印
加することにより、雰囲気中の有機物質に由来する炭素
及び/または炭素化合物が素子上に堆積し、この結果素
子に流れる電流(素子電流:If)及び電子放出に伴う
電流(放出電流:Ie)が大きく変化する工程である。
上記雰囲気中の有機物質としては真空排気後に残留する
有機物質を用いる方法のほか、例えば特開平8−774
9号公報には、アセトンなどの蒸気を外部から導入する
方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の表面伝導型放出
素子を基体上に多数配置した電子源と、電子の照射によ
り画像を形成する画像形成部材を真空容器に内包してな
る平板状の画像形成装置も上記公報などに開示されてい
る。このような平板上の画像形成装置の製造において
は、駆動時の電子放出特性を安定化させるため活性化工
程を終了した後、真空排気を行いながら、高温で長時間
ベーキングを行い残留している活性化ガスの排気を行
う。
【0010】しかしながら平板状の画像形成装置におい
ては画像を表示するための蛍光体が塗布されたフェース
プレートと電子源が多数配置されたリアプレートと呼ば
れる基体との間隙が通常は数mm以下であるため、コン
ダクタンスが小さく、十分に残留ガスを排気できないと
いう問題点が存在する。また、高温でベーキングするこ
とにより、吸着した活性化ガスを脱離させ排気すること
も行われているが、電子放出素子および真空形成に用い
られている部材の耐熱性に制約があるため十分に脱離さ
せることができない。
【0011】一方、画像形成装置の真空容器内には蛍光
体、電極膜、及びそれらに接続される配線等が存在し、
その表面及び内部には上記活性化工程で用いた活性化ガ
ス以外の、電子放出素子からの電子放出を阻害する劣化
ガスが表面に吸着又はその内部に吸蔵されている。これ
らのガスも同様に、上述したベーキングだけでは取り切
れず真空容器内に残留している。このように画像形成装
置の真空容器内には活性化ガス及び劣化ガスが残留して
いる。
【0012】このような電子放出素子を複数備えた電子
源を用いた画像形成装置において、画像を表示するため
に各画素に対応する電子放出素子を、画像信号に応じて
順次走査駆動して電子を放出させる。即ち、走査周波数
によって決まる1周期の間に、各画素に対応する電子放
出素子はそれぞれ一定時間電子を放出し(オンタイ
ム)、残り時間休止する(オフタイム)。残留ガスの存
在下でこのような電子放出素子の駆動を続けると、その
オン/オフ比や積算駆動時間の違いに依存して残留ガス
が各電子放出部の表面に吸着する確率が異なるため、放
出電流にばらつきが生じることになる。しかも、駆動時
間が長くなるほどばらつきが大きくなる。
【0013】このようなばらつきに加え、ガスが残留す
ると放電によって電子放出素子が破壊されるという問題
も存在する。通常、電子放出部に通電され(オン)て電
子放出が開始されると、オフタイムの間に吸着したガス
が電子衝突による発熱によって脱離する減少が生じる。
即ち、各画素に対応する電子放出素子から電子が放出さ
れる毎に、その表面近傍にガス濃度の高い領域が形成さ
れる。その結果、放出電子とガス分子との衝突頻度が増
大し、イオンの生成確率も高くなる。また電子の衝突に
より発光する蛍光体を有するフェイスプレートには、電
子放出部からの電子によって発光させるために高電圧が
印加されている。従って、イオン濃度の高い領域が存在
すると、そこに向けてフェイスプレートからの放電が起
きることになる。
【0014】以上述べたように、このような画像形成装
置の表示パネルの真空容器内に残留する活性化ガス及び
劣化ガスによって電子放出素子のばらつきが大きくなっ
たり、放電を誘発し易くなることが従来から問題となっ
ている。このような画像形成装置の経時変化や画質低下
を抑えるためには、残留ガスを十分に排気することが重
要であるが、上記したようにコンダクタンスや構成部材
の耐熱性の制約のために、そのようなガスの排気には限
界がある。
【0015】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、電子放出素子から放出される電子に残留ガスが影響
を与えるのを防止して、形成される画像の品質低下を防
止した電子源及び前記電子源を用いた画像形成装置及び
その方法を提供することを目的とする。
【0016】また本発明の目的は、将来画像形成に寄与
する電子放出素子の電子放出部を加熱するようにして、
将来駆動される電子放出素子の電子放出部に付着したガ
スの分子を減らすことができる電子源及び前記電子源を
用いた画像形成装置及びその方法を提供することにあ
る。
【0017】また本発明の目的は、電子放出素子を加熱
するための発熱抵抗層を電子放出部の下部に設けた電子
源とそれを用いた画像形成方法とその装置に関するもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電子源は以下のような構成を備える。即ち、
複数の電子放出素子を有する電子源であって、前記複数
の電子放出素子のそれぞれは対向する一対の素子電極と
当該素子電極間に配設された導電膜を有し、前記導電膜
の下部には抵抗層を有し、前記抵抗層のそれぞれに通電
するための配線を有することを特徴とする。
【0019】上記目的を達成するために本発明の画像形
成装置は以下のような構成を備える。即ち、複数の電子
放出素子を有する電子源を有する画像形成装置であっ
て、前記電子源は、前記複数の電子放出素子のそれぞれ
は対向する一対の素子電極と当該素子電極間に配設され
た導電膜を有し、前記導電膜の下部に抵抗層と前記抵抗
層のそれぞれに通電するための配線とを有し、前記電子
源から放出される電子により発光して画像を形成する画
像形成手段と、画像信号に応じて前記複数の電子放出素
子のそれぞれに通電駆動するための駆動手段と、前記駆
動手段により将来通電駆動される電子放出素子に対応す
る前記抵抗層に通電する通電制御手段とを有することを
特徴とする。
【0020】上記目的を達成するために本発明の画像形
成方法は以下のような工程を備える。即ち、複数の電子
放出素子を有する電子源を有する画像形成装置における
画像形成方法であって、前記電子源は、前記複数の電子
放出素子のそれぞれは対向する一対の素子電極と当該素
子電極間に配設された導電膜を有し、前記導電膜の下部
に抵抗層と前記抵抗層のそれぞれに通電するための配線
とを有し、前記電子源から放出される電子により発光し
て画像を形成する画像形成工程と、画像信号に応じて前
記複数の電子放出素子のそれぞれに通電駆動するための
駆動工程と、前記駆動工程で将来通電駆動される電子放
出素子に対応する抵抗層に通電する通電制御工程とを有
することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。まず最初に、本
発明の実施の形態に係る電子放出素子の構成について図
1(a)、(b)、(c)を参照して説明する。
【0022】図1(a)は、マトリックス構造を有する
素子の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断
面、図1(c)は図1(a)のB−B’断面を示してい
る。
【0023】図において、基板1の上に発熱抵抗層7が
パターニングされて形成されている。この発熱抵抗層7
は、発熱部分が通電時に高温になるため、その材料とし
て高温で安定であり、かつ耐酸化性に優れており、下地
との密着性が良好なものが望ましい。例えば、高融点金
属であるW、Ir、Pt等、或はHfB2、TiN、T
aAl等の合金または化合物薄膜を用いる。この発熱抵
抗層7の膜厚は数100[Å]から数1000[Å]程
度が適当である。
【0024】図1(c)に示すように、発熱抵抗層7の
一端は加熱用配線8に接続されている。その上に層間絶
縁層9(図1(a)では不図示)が全面に形成されてい
るが、この層間絶縁層9には発熱抵抗層7のもう一方と
の電気的接続をとるためにコンタクトホール14が形成
されている。この層間絶縁層9としては、例えばSiO
2、SiN,PSG等が用いられる。この絶縁層9の膜
厚としては、1〜10[μm]程度が適当である。ま
た、この層間絶縁層9の上には2つの対向する素子電極
5,6が形成され、電子放出膜2がその上に形成されて
いる。更に、素子電極6との電気的接続をとるため下配
線11が形成されているが、それは前述のコンタクトホ
ール14を通して発熱抵抗層7とも接続されている。こ
の下配線11の上には絶縁層13(図1(c))が積層
され、それとほぼ直交するように上配線12が形成され
て素子電極5との電気的接続をとっている。
【0025】以上のように作成されたマトリックス素子
基板は、支持枠を挟んでフェイスプレートと封着されて
真空を保つことのできる外囲器を形成するように組み立
てられる。その後、この外囲器の内部を真空引きした
後、フォーミングおよび活性化という手法によって、電
子放出膜2上に電子放出部15を有する電子放出素子を
形成する。このプロセスについては後述するが、例えば
特開平7−235255号公報や特開平8−7749号
公報などに詳しく開示されている。
【0026】このようにして形成されたマトリックス型
電子放出素子の駆動方法について図2を用いて説明す
る。
【0027】図2において、各電子放出素子は1つの電
子放出部15と1つの発熱抵抗層7(図2では抵抗22
で示す)を有している。実際には、図1に示されている
ように発熱抵抗層7の上に電子放出部15が積層されて
いるが、説明のため図2では隣合わせで示している。各
発熱抵抗層は、前述した加熱用配線8と下配線11によ
って通電されて発熱する。また各電子放出部15は下配
線11と上配線12とによって通電されて電子放出が行
われる。
【0028】まず、画像表示方法について説明する。本
実施の形態に係る表面伝導型放出素子についての電子放
出特性について開示している特開平7−235255号
公報によれば、表面伝導型放出素子からの放出電流は、
電子放出部15の両端に印加される電圧値が閾値電圧以
上では、対向する素子電極5,6間に印加するパルス状
電圧の波高値とパルス幅で制御される。一方、閾値電圧
以下では、電子放出部15から殆ど電子が放出されな
い。このような特性によれば、多数の電子放出素子をマ
トリクス状に配置した場合においても、個々の素子に、
このようなパルス状電圧を適宜印加すれば、その入力信
号に応じて所望の表面伝導型放出素子を選択し、その選
択した素子から所望の電子放出が得られるように制御す
ることが可能となる。
【0029】ここでは各電子放出素子の両端に印加する
電圧Vfを一定にしてパルス幅Pwを変調することによっ
て画像データに応じた輝度の画像を表示する例を示す。
【0030】図2において、例えばn番目のラインを表
示する場合、n番目の下配線にのみ電圧(−Vf/2)
を印加し、その他の下配線の電圧を“0”とする。一
方、上配線12にはn番目のライン内の各画素の輝度に
対応して、それぞれパルス幅を設定し、一定電圧(Vf
/2)の信号を各列に印加する。こうすることにより、
n番目のラインのみに電圧Vfが印加され、そのライン
に接続されている電子放出素子から電子が放出される
が、その他のラインの素子には電圧(Vf/2)であ
る、閾値電圧以下の電圧しか印加されない。このため、
それらラインに接続された素子からは電子放出は起きな
い。但し、n番目のラインが電子放出している時、それ
ら素子の下の発熱抵抗体7が加熱しないように、n番目
の加熱用配線8の電圧を(−Vf/2)とする必要があ
る。このようにして、一定の走査周波数で各ラインに接
続された素子を順次駆動して電子放出させることによ
り、全画面を表示させることができる。
【0031】図2において、各ラインは上から下に向か
って走査されている。即ち、(n−1)ライン、nライ
ン、(n+1)ライン、(n+2)ラインの順に駆動さ
れて電子放出される。いま、n番目のラインの素子から
電子が放出されているときに、次の(n+1)番目のラ
インに吸着しているガス分子を脱離させることを考え
る。
【0032】(n+1)番目のライン上の発熱抵抗体2
2をオンするには(n+1)番目のラインのための加熱
用配線8にパルス電圧ΔVを印加する。このとき、発熱
抵抗体22には加熱用配線8と下配線11間の電位差Δ
VによってIhなる電流が流れてジュール熱が発生し、
その直上に積層された電子放出素子を加熱する。これに
より、その電子放出素子の表面に吸着しているガス分子
を脱離させることができる。ここで発熱抵抗体22に印
加する電圧ΔVは、約1V程度、そのパルス幅は数マイ
クロ秒程度であるが、対応する素子の電子放出部15の
表面が数100℃程度まで加熱されるように、その印加
電圧及びパルス幅が適宜調節される。
【0033】このようにして、電子放出部15の表面が
清浄化された後で、その素子が駆動されて電子放出が行
われるので、常に安定した放出電流が得られることにな
る。ここでは現在電子放出しているラインの次のライン
を加熱する例を示したが、本発明はこれに限るものでは
なく、例えば2ライン先、或は10ライン先等というよ
うに、その画像形成装置内の真空の質や吸着量に対応し
て加熱するタイミングが決められればよい。
【0034】次に、本実施の形態に係る画像表示装置で
使用される表示パネル100について図3を参照して説
明する。ここでは、前述の各加熱用配線8は、m本の容
器外の発熱抵抗用端子H1,H2,…,Hmのそれぞれに
接続されており、前述の発熱抵抗体膜7と電気的に接続
されるように、絶縁性基板1上に、例えば真空蒸着法、
印刷法、スパッタ法等で形成される。
【0035】次に同じくm本のX方向配線(図1及び図
2の下配線11に相当)82は、容器外行端子Dx1、D
x2、…,Dxmと接続されており、これらは発熱抵抗体膜
7や加熱用配線8の上に形成された第1の層間絶縁層9
上に、例えば真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成
される。これらX方向配線は所望のパターンとした導電
性金属等からなり、多数の表面伝導型放出素子にほぼ均
等な電圧が供給されるように、その材料、膜厚、配線幅
などが設定される。またY方向配線(図1及び図2の上
配線12に相当)83は、列端子Dy1,Dy2,…,Dyn
に接続されたn本の配線よりなり、X方向配線82と同
様に、例えば真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成
される。これらY方向配線も所望のパターンとした導電
性金属等からなり、多数の表面伝導型放出素子にほぼ均
等な電圧が供給されるように、その材料、膜厚、配線幅
等が設定される。これらm本のX方向配線82とn本の
Y方向配線83間には、不図示の第2の層間絶縁層が設
置され、これら配線同士は電気的に分離されて、マトリ
ックス配線を構成する(なお、ここでm,nは共に正の
整数である)。
【0036】前述した第1及び第2の層間絶縁層は、例
えば真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたS
iO2、SiN、PSG等であり、基板1の全面或は一
部に所望の形状で形成される。特に、第1の層間絶縁層
9は、その下にある発熱抵抗層7からの急激な発熱によ
って膜剥がれや亀裂が発生しないように、その膜厚、材
料、製法が適宜設定される。一方、第2の層間絶縁層に
ついても、X方向配線82とY方向配線83の交差部の
電位差に耐え得るように、その膜厚、材料、製法が適宜
設定される。
【0037】ここで、m本のX方向配線82とn本のY
方向配線83と対向する素子電極5,6の導電性金属
は、その構成元素の一部或は全部が同一であっそも、ま
たそれぞれ異なってもよく、Ni、Cr、Au、Mo、
W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属或は合金及
びPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属或
は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In
2O3−SnO2等の透明導体及びポリシリコン等の半導
体材料等より適宜選択される。又、X方向配線82に
は、X方向に配列する表面伝導型放出素子84の行を入
力信号に応じて走査するための走査信号を印加するため
の不図示の走査信号印加手段と電気的に接続される。他
方、Y方向配線83には、Y方向に配列する表面伝導型
放出素子84の列の各列を、入力信号に応じて変調する
ための変調信号を印加するための不図示の変調信号発生
手段が電気的に接続される。
【0038】更に、表面伝導型放出素子84の各素子に
印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号
と変調信号の差電圧として供給されるものである。
【0039】一方、前述したように、加熱用配線8には
走査信号と同期して電圧が印加される手段と電気的に接
続される。また発熱抵抗体7に印加される電圧は、X方
向配線に印加される電圧と加熱用配線8に印加される電
圧との差電圧として供給される。
【0040】図3において、91は基板81(図1の基
板1に相当)を固定したリアプレート、96はガラス基
板93の内面に蛍光膜94とメタルバック95等が形成
されたフェースプレート、92は支持枠であり、リアプ
レート91、支持枠92及びフェースプレート96をフ
リットガラス等を塗布し、大気中或は窒素中で、400
〜500℃で10分以上焼成することにより封着して、
外囲器98を構成する。
【0041】図3において、表面伝導型放出素子84
は、図1に示された発熱抵抗体7をその下に備えてい
る。82、83は、表面伝導型放出素子84の一対の素
子電極5,6と接続されたX方向配線及びY方向配線で
ある。また、これら素子電極5,6への配線は、素子電
極5,6と配線材料が同一である場合は、素子電極と呼
ぶ場合もある。
【0042】外囲器98は、上述の如く、フェースプレ
ート96、支持枠92、リアプレート91で外囲器98
を構成したが、リアプレート91は主に基板1の強度を
補強する目的で設けられているため、基板1自体で十分
な強度を持つ場合は別体のリアプレート91は不要であ
り、基板1に直接支持枠92を封着し、フェースプレー
ト96、支持枠92、基板1にて外囲器98を構成して
も良い。
【0043】図4(a)(b)は、フェースプレート9
6の蛍光膜94に形成された蛍光体の形状を示す図であ
る。
【0044】この蛍光膜94は、モノクロームの場合は
蛍光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光
体の配列によりブラックストライプ(a)、或はブラッ
クマトリクス(b)などと呼ばれる黒色導伝材101と
蛍光体102とで構成される。これらのように黒色導伝
材101が設けられる目的は、カラー表示の場合、必要
となる3原色蛍光体の、各蛍光体102間の塗り分け部
を黒くすることで混色等を目立たなくするためと、蛍光
膜94における外光反射によるコントラストの低下を抑
制するためである。この黒色導伝材101の材料として
は、通常良く用いられている黒鉛を主成分とする材料だ
けでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材
料であればこれに限るものではない。ここで、ガラス基
板93に蛍光体102を塗布する方法は、モノクロー
ム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用いられる。
【0045】また、蛍光膜94の内面側には通常メタル
バック95が設けられる。このメタルバック95を設け
る目的は、蛍光体の発生のうち内面側への光をフェース
プレート96側へ鏡面反射することにより輝度を向上す
るため、電子ビーム加速電圧を印加するための電極とし
て作用するため、外囲器内で発生した負イオンの衝突に
よるダメージからの蛍光体の保護するため等である。こ
のメタルバック95は、蛍光膜の作製後、蛍光膜の内面
側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を
行い、その後Al(アルミニウム)を真空蒸着等により
堆積することで作成できる。このフェースプレート96
には、更に蛍光膜94の導伝性を高めるため、蛍光膜9
4の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0046】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行なう必要がある。外囲器98
は、不図示の排気管を通じ、10の-6乗[torr]程度の
真空度にされ、外囲器98の封止がおこなわれる。
【0047】尚、電子源基板1は、封止に先立ち、不図
示の排気管を通じ、例えば、ロータリポンプ、ターボポ
ンプをポンプ系とする様な通常の真空装置系で該外囲器
内を10の-6乗[torr]程度の真空度とし、容器外行端
子Dx1〜Dxmと列端子Dy1〜Dynを通じ素子電極5,6
間に電圧を印加し、例えば特開平7−235255号公
報に記載された通電フォーミングを行い、次に、この外
囲器内を10の-6乗[torr]程度の真空度として活性化
処理を行うことにより、電子放出部を形成して電子源基
板を作製した。
【0048】以上のようにして電子源基板を作成した
後、80℃〜150℃でベーキングを3〜15時間行い
ながら、例えば、イオンポンプ等をポンプ系とする超高
真空装置系に切り換える。この超高真空系への切り替
え、及びベーキングは、特開平7−235255号公報
に記載されているように、表面伝導型放出素子の素子電
流If、放出電流Ieの単調増加特性(MI特性)を満足
するためであり、その方法、条件はこれに限るものでな
い。また、外囲器98の封止後の真空度を維持するため
にゲッター処理を行う場合もある。これは、外囲器98
の封止を行う直前或は封止後に、抵抗加熱或は高周波加
熱等の加熱法により、外囲器98内の所定の位置(不図
示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する
処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該
蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10の-5乗〜1×
10の-7乗[torr]の真空度を維持するものである。
【0049】以上により作成した本実施の形態の画像表
示装置において、各電子放出素子には、容器外行端子D
x1〜Dxm、及び列端子Dy1〜Dynを通じて電圧を印加す
ることにより電子を放出させる。更に高電圧端子Hvを
通じ、メタルバック95或は透明電極(不図示)に数k
V以上の高電圧を印加して、素子から放出された電子を
蛍光膜94方向に加速して蛍光膜94に衝突させ、その
蛍光体を励起、発光させることにより画像を表示するも
のである。
【0050】ここで行端子Dx1〜Dxmには、画像を表示
するため電圧を走査して与えるが、発熱抵抗体に接続さ
れた容器外の発熱抵抗用端子H1〜Hmにも時間をずらし
て同期した電圧を与えることにより、発熱抵抗体7を電
子放出前にライン単位に加熱して、その電子放出素子の
表面に吸着したガスを脱離させる。その結果、前述した
ようなクリーニングがなされる。これにより、そのクリ
ーニングされた電子放出素子の放出電流が安定化すると
ともに、各素子からの放出電子量が均一化され、更に、
それら素子における放電が抑えられる。これにより、良
好な画像を形成できる画像形成装置が作製される。
【0051】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像装置の用途に適するよう適宜
選択される。
【0052】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要
素の置換や設計変更がなされたものも包含する。
【0053】[実施の形態1]前述した電子放出素子及
び発熱抵抗体を用いて図1及び図8に示すようなマトリ
ックス形状の電子源基板と、それを用いた画像形成装置
を作成した。
【0054】ここでは、青板ガラス基板上にリフトオフ
法及びスパッタリング法を用いて、厚み1000[Å]
の発熱抵抗体7を形成した。次にスクリーン印刷法によ
りAgペーストを印刷し、これを加熱焼成することで加
熱用配線8を形成した。更に、その上にスクリーン印刷
法により絶縁ペーストを印刷し、加熱焼成して絶縁層9
を形成した。次に、リフトオフ法及びスパッタリング法
を用いて、厚み500[Å]のPtからなる素子電極
5,6を形成した。これら素子電極5、6の電極間距離
は10[ミクロン]とした。
【0055】次に再び、スクリーン印刷法によりAgペ
ーストを印刷し、これを加熱焼成することにより、X方
向配線11およびY方向配線12を形成した。またX方
向配線11とY方向配線12の交差部には、スクリーン
印刷法により絶縁性ペーストを印刷し、これを加熱焼成
して絶縁層13を形成した。これら素子電極5,6及び
配線を形成した電極基板上に、リフトオフ法及びスパッ
タリング法を用いて厚み100[Å]のPdからなる導
電性薄膜2を形成した。
【0056】このようにして作製した電子源基板81を
リアプレート91上に固定した後、基板の約5[mm]
上方にフェースプレート96(ガラス基板93の内面に
蛍光膜94とメタルバック95が形成されて構成され
る)を支持枠92を介して配置し、フリットガラスを用
いて400℃にて封着を行った。
【0057】こうして作製したガラス容器内を排気管を
通じ真空ポンプにて排気した後、容器外行端子及び列端
子を通じて、電子放出素子の素子電極間に0〜18
[V]の電圧を印加して通電フォーミングを行い、各素
子に対応する電子放出部15を形成した。続いて、1×
10の-4乗[torr]のアセトン雰囲気中にて素子電極
5,6間に10〜16[V]の電圧を印加し、活性化処
理を行った。その後、容器内を十分に排気し、更に真空
度を維持するためにゲッター処理を行った後、排気管を
ガスバーナーで溶着して容器を封止し、画像形成装置を
作製した。
【0058】以上のようにして作成した画像形成装置に
おいて、各電子放出素子の両端には線順次に走査しなが
ら容器外の行及び列端子を通じて15[V]の電圧を印
加した。その時、電子放出している素子が接続されてい
るラインの1つ先のラインが加熱されるように、その1
つ先のラインの発熱抵抗体7に1[V]の電圧を同期し
て印加した。その時のパルス幅は10[μ秒]とした。
この状態で高電圧端子Hvを通じてメタルバック95に
4[kV]の電圧を印加したところ、フェースプレート
96上の全面において輝度ムラや表示ムラがなく、かつ
放電を発生させることなく電子放出像を観測することが
できた。
【0059】図5は、本実施の形態の画像形成装置の駆
動回路の構成を示すブロック図である。
【0060】図において、100は前述した表示パネル
で、端子Dx1乃至Dxm、端子Dy1乃至Dyn、及び高電圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。端子
Dx1乃至Dxmには、表示パネル100に設けられている
電子源、即ち、m行n列の行列状にマトリクス配線され
た表面伝導型放出素子を1行(n素子)ずつ順次選択し
て駆動するための走査信号が印加される。また端子Dy1
乃至Dynには、前記走査信号により選択された一行の表
面伝導型放出素子の各素子から放出される電子を制御す
るための変調信号が印加される。また高電圧端子Hvに
は、直流電圧源Vaより、例えば10[kV]の直流電
圧が供給されるが、これは表面伝導型放出素子から放出
される電子に蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを
付与するための加速電圧である。
【0061】同期分離回路101は、入力したテレビジ
ョン信号(NTSC)から輝度信号成分(DATA)と
同期信号成分(Tsync)とを分離しており、一般的な周
波数分離(フィルタ)回路等を用いて構成できる。この
うちデータ成分はシフトレジスタ103に出力され、同
期信号成分は垂直同期信号と水平同期信号より成り、タ
イミング制御回路102に出力されている。タイミング
制御回路102は、外部より入力する画像信号に基づい
て適切な表示が行なわれるように各部の動作を整合させ
る機能を有している。このタイミング制御回路102
は、同期信号分離回路101より送られる同期信号Tsy
ncに基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよび
Tmryの各制御信号を発生する。
【0062】走査回路106は、内部にm個のスイッチ
ング素子(S1〜Sm)を備えたものである。各スイッチ
ング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V
(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネ
ル100の端子Dx1〜Dxmと電気的に接続される。これ
らスイッチング素子S1乃至Smのそれぞれは、タイミン
グ制御回路102が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせることにより構成することができ
る。直流電圧源Vxは、本実施の形態の場合には、表面
伝導型放出素子の特性(電子放出閾値電圧)に基づい
て、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出の閾値電圧以下となるような一定電圧を出力するよ
う設定されている。
【0063】シフトレジスタ103は、時系列的にシリ
アルに入力されるDATA信号を画像の1ライン毎にシ
リアル/パラレル変換するためのもので、タイミング制
御回路102より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する(即ち、制御信号Tsftはシフトレジスタ103
のシフトクロックであるということもできる)。こうし
てシリアル/パラレル変換された1ライン分の画像デー
タ(電子放出素子n素子分の駆動データに相当)は、I
d1乃至Idnのn個の並列信号としてシフトレジスタ10
3からラインメモリ104に出力される。ラインメモリ
104は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ
記憶するための記憶部であり、タイミング制御回路10
2から送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1乃至Id
nの内容を記憶する。こうして記憶された内容は、Id1'
乃至Idn'として出力され、変調信号発生器105に入
力される。
【0064】変調信号発生器105は、画像データId
1'乃至Idn'の各々に応じて表面伝導型放出素子の各々
を適切に駆動変調しており、その出力信号は、表示パネ
ル100の列端子Dy1乃至Dynを通じて表示パネル10
0の表面伝導型放出素子に印加される。
【0065】前述したように本実施の形態に係る電子放
出素子は、放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確な閾値電圧Vthがあ
り、このVth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が
生じる。電子放出のための閾値電圧以上の電圧に対して
は、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化す
る。このことから、本実施の形態の電子放出素子にパル
ス状の電圧を印加する場合、例えば素子放出閾値以下の
電圧を印加しても素子放出は生じないが、電子放出閾値
以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力され
る。その際、パルスの波高値Vmを変化させることによ
り出力電子ビームの強度を制御することが可能である。
また、パルスの幅Pwを変化させることにより出力され
る電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
従って、入力信号に応じて、電子放出素子を変調する方
式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等が採用
できる。電圧変調方式を実施するに際しては、変調信号
発生器105として、一定長さの電圧パルスを発生し、
入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調す
るような電圧変調方式の回路を用いることができる。
【0066】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器105として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0067】シフトレジスタ103やラインメモリ10
4は、デジタル信号式、或はアナログ信号式のもののい
ずれも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換
や記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0068】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路101の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには同期分離回路101の出力
部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連してライ
ンメモリ104の出力信号がデジタル信号かアナログ信
号かにより、変調信号発生器105に用いられる回路が
若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた
電圧変調方式の場合、変調信号発生器105には、例え
ばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを
付加する。またパルス幅変調方式の場合、変調信号発生
器105には、例えば高速の発振器および発振器の出力
する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出
力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレ
ータ)を組み合せた回路を用いる。また必要に応じて、
比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付加することもできる。
【0069】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器105には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)を
探用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
【0070】このような構成をとり得る本実施の形態に
係る画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dx1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを介して電圧を印加
することにより電子放出が生ずる。また高電圧端子Hv
を介してメタルバック95或は透明電極(不図示)に高
電圧を印加して電子ビームを加速する。こうして加速さ
れた電子は、蛍光膜94に衝突し、発光が生じて画像が
形成される。
【0071】108は電圧印加回路で、上述した発熱抵
抗用端子H1〜Hm、加熱用配線8を介して発熱抵抗層7
に電圧を印加するための回路である。この電圧印加回路
108も前述の走査回路106と同様にm個のスイッチ
ング素子Sw1〜Swmを有している。ここで、これらスイ
ッチング素子のそれぞれは3端子のスイッチング素子で
あり、各スイッチング素子の1番目の端子は(−Vf/
2)の電圧を出力する電源Vxに接続され、2番目の端
子は接地され、3番目の端子は正電圧(例えば約1V)
を出力する電源VHに接続されている。107はこの電
圧印加回路108の動作を制御する制御回路で、ここで
は上述したように、いま表示駆動中のラインに対応する
発熱抵抗層7には電圧(−Vf/2)が印加されるよう
に、次に走査されるラインに対応する発熱抵抗層7には
電源VHからの電圧が印加されるように、かつその他の
ラインに対応する発熱抵抗層7は接地されるように、電
圧印加回路108のスイッチング素子を切り替えてい
る。
【0072】ここで述べた画像形成装置の構成は、本実
施の形態に適用可能な画傑形成装置の一例であり、本発
明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力
信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号はこ
れに限られるものではなく、PAL,SECAM方式な
ど他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例
えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式を
も採用できる。
【0073】図6は本実施の形態の制御回路107にお
ける処理を示すフローチャートである。
【0074】図において、まずステップS1で、タイミ
ング制御回路102から出力されるTscan信号をカウン
トし、ステップS2で、その計数値に基づいて現在、走
査駆動されている表示パネル100の行配線(ライン)
を判定する。そしてステップS3で、その走査駆動され
ているラインに対応する加熱用配線8に、その行配線に
印加されている電圧と同じ電圧(−Vf/2)を印加す
るように、電圧印加回路108のスイッチング素子を切
替えて電源Vxに接続する。これにより通電駆動されて
いるラインの素子の下方に位置している抵抗層7には電
圧が印加されることがないため、その抵抗層7による発
熱を抑えることができる。次にステップS4に進み、現
在走査されているラインの、例えば次のラインの電子放
出素子を加熱させるために、そのラインに対応する加熱
用配線8に電源VHからの電圧を印加するように、電圧
印加回路108のスイッチング素子を切替える。尚、こ
のとき、その他の加熱用配線8は接地されたままであ
る。
【0075】これにより、次の走査タイミングで走査さ
れて駆動される素子の電子放出部が加熱され、その表面
に付着していたガス成分などが除去されるため、次のそ
のラインの素子が通電駆動されて画像表示が行われる際
には、ガスの残留成分などによる画像表示への影響をな
くして高品位の画像を表示することができるようにな
る。
【0076】尚、本発明は、複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0077】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システム或は装
置に供給し、そのシステム或は装置のコンピュータ(ま
たはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコー
ドを読み出し実行することによっても達成される。この
場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体
が前述した実施形態の機能を実現することになり、その
プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成す
ることになる。また、コンピュータが読み出したプログ
ラムコードを実行することにより、前述した実施形態の
機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの
指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレー
ティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0078】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0079】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、電子放出素子の下に発熱抵抗体を形成し、電子放出
のために駆動される前に、それら電子放出素子を通電加
熱することにより、その電子放出素子の表面を常に清浄
な状態に保つことができる。
【0080】これにより放出電流を安定化させ、より均
一性の高い画像を表示できる画像形成装置を実現でき
た。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子放出素子から放出される電子に残留ガスが影響を与え
るのを防止して、形成される画像の品質低下を防止した
電子源及び前記電子源を用いた画像形成装置及びその方
法を提供することができる。
【0082】また本発明によれば、将来画像形成に寄与
する電子放出素子の電子放出部を加熱するようにして、
将来駆動される電子放出素子の電子放出部に付着したガ
スの分子を減らすことができる。
【0083】又本発明によれば、電子放出素子を加熱す
るための発熱抵抗層を電子放出部の下部に設けた電子源
とそれを用いた画像形成方法とその装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る表面伝導型放出素子
を用いた単純マトリックス電子源の基本構成を説明する
図である。
【図2】本実施の形態に係るマトリックス電子源の配線
を説明する図である。
【図3】本実施の形態に係る表面伝導型放出素子を用い
た表示パネルの基本構成を説明する図である。
【図4】本実施の形態の表示パネルにおける蛍光体膜の
配置構成を説明する図である。
【図5】本実施の形態に係る画像表示装置の駆動回路の
構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る画像表示装置の制御回路に
よる制御処理を示すフローチャートである。
【図7】従来の基本的な表面伝導型放出素子の構成を説
明する図である。
【図8】従来の基本的な表面伝導型放出素子の構成を説
明する図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子を有する電子源であ
    って、 前記複数の電子放出素子のそれぞれは対向する一対の素
    子電極と当該素子電極間に配設された導電膜を有し、前
    記導電膜の下部には抵抗層を有し、 前記抵抗層のそれぞれに通電するための配線を有するこ
    とを特徴とする電子源。
  2. 【請求項2】 前記複数の電子放出素子はマトリクス状
    に配線されており、前記抵抗層の一端は前記マトリクス
    配線の行配線と接続されていることを特徴とする請求項
    1に記載の電子源。
  3. 【請求項3】 前記抵抗層は、絶縁層を介して前記導電
    膜の下方に配置されていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の電子源。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子は表面伝導型放出素子
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の電子源。
  5. 【請求項5】 複数の電子放出素子を有する電子源を有
    する画像形成装置であって、 前記電子源は、 前記複数の電子放出素子のそれぞれは対向する一対の素
    子電極と当該素子電極間に配設された導電膜を有し、前
    記導電膜の下部に抵抗層と前記抵抗層のそれぞれに通電
    するための配線とを有し、 前記電子源から放出される電子により発光して画像を形
    成する画像形成手段と、 画像信号に応じて前記複数の電子放出素子のそれぞれに
    通電駆動するための駆動手段と、 前記駆動手段により将来通電駆動される電子放出素子に
    対応する前記抵抗層に通電する通電制御手段と、を有す
    ることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の電子放出素子はマトリクス状
    に配線されており、前記抵抗層の一端は前記マトリクス
    配線の行配線と接続されていることを特徴とする請求項
    5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記抵抗層は、絶縁層を介して前記導電
    膜の下方に配置されていることを特徴とする請求項5又
    は6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記通電制御手段は更に、前記駆動手段
    により駆動されている電子放出素子に対応する抵抗層に
    所定の電圧を印加するように制御することを特徴とする
    請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動手段は、 マトリクス状に配線された複数の電子放出素子の行配線
    を選択して走査駆動する走査手段と、 前記走査手段により選択された行配線に画像信号に応じ
    た電圧信号或はパルス信号を印加する変調手段とを有
    し、 前記通電制御手段は、前記走査手段により選択された行
    配線の1つ先の行配線に対応する抵抗層に所定の電圧を
    印加することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装
    置。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子は表面伝導型放出素
    子であることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1
    項に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 複数の電子放出素子を有する電子源を
    有する画像形成装置における画像形成方法であって、 前記電子源は、前記複数の電子放出素子のそれぞれは対
    向する一対の素子電極と当該素子電極間に配設された導
    電膜を有し、前記導電膜の下部に抵抗層と前記抵抗層の
    それぞれに通電するための配線とを有し、 前記電子源から放出される電子により発光して画像を形
    成する画像形成工程と、 画像信号に応じて前記複数の電子放出素子のそれぞれに
    通電駆動するための駆動工程と、 前記駆動工程で将来通電駆動される電子放出素子に対応
    する抵抗層に通電する通電制御工程と、を有することを
    特徴とする画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記複数の電子放出素子はマトリクス
    状に配線されており、前記抵抗層の一端は前記マトリク
    ス配線の行配線と接続されていることを特徴とする請求
    項11に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記通電制御工程では更に、前記駆動
    工程で駆動されている電子放出素子に対応する抵抗層に
    所定の電圧を印加するように制御することを特徴とする
    請求項11に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記駆動工程では、 マトリクス状に配線された複数の電子放出素子の行配線
    を選択して走査駆動する走査工程と、 前記走査工程で選択された行配線に画像信号に応じた電
    圧信号或はパルス信号を印加する変調工程とを有し、 前記通電制御工程では、前記走査工程で選択された行配
    線の1つ先の行配線に対応する抵抗層に所定の電圧を印
    加することを特徴とする請求項11に記載の画像形成方
    法。
  15. 【請求項15】 前記電子放出素子は表面伝導型放出素
    子であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれ
    か1項に記載の画像形成方法。
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