JP2003016432A - 指紋照合装置およびそのプリズム - Google Patents
指紋照合装置およびそのプリズムInfo
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Abstract
照合面とし、プリズムのケース等への組付性向上、照合
面への指先の密着性向上を図る。 【解決手段】 プリズム13が、基本的に2等辺直角3
角形等の3角プリズムとされる。90度の頂角に対向す
る対向面が、指先Yがタッチされる照合面13aとされ
る。光源11からの検知光は、90度頂角を挟む2つの
側面のうち一方の側面13cより入射されて、照合面1
3aで反射され、他方の側面13dから出射されて、最
終的にCCD18等の撮像手段に入射される。プリズム
13は、照合面13aと平行なフランジ面13fを有
し、照合面13aは、フランジ面13fよりも所定分高
くなるように突起状に形成されている。照合面13a
は、ケースKに形成された開口部3に位置される。フラ
ンジ面13fが開口部3の内周縁部裏面に当接された状
態で、照合面13aが開口部3の内周縁部の表面とほぼ
面一とされる。
Description
そのプリズムに関するものである。
のための一手法として広く利用されており、あらかじめ
本人の指紋が電子情報として記憶されている。指紋照合
に際しては、プリズム等の透明部材に形成された指紋照
合面に押しつけられた指先の指紋を光学的に読み取っ
て、読み取った指紋を電気信号に変換し、この変換され
た電気信号を上記記憶されている電子情報と比較するこ
とによりにより、本人であるか否かの判別が行われる。
照合面にタッチされた指先の指紋読取のために、光源か
らの検知光が照合面に照射されて、この照合面からの反
射光が撮像手段に入射されることになる。
スチック等の適宜の部材に転写して、転写した指紋を利
用して本人でないにもかかわらず本人であるかのように
偽装することが考えられる。このような偽装防止のため
に、照合面に生体であることを検知する電極膜を形成す
ることも提案されている(例えば特開2000−980
48号公報、特開平10−165382号公報、特開平
9−46205号公報)。
め、マイクロプリズムアレイと呼ばれる全体的に薄板状
のものがある。このものは、薄い透明板材の裏面側に、
小さい透明な2等辺3角形状を多数並べて構成したも
の、つまり極めて薄いプリズムを多数並べた構造のもの
で、肉眼では単なる一枚の平板状の板材として把握され
る。
プリズムを平板状に薄く形成するという利点を有する反
面、薄いために、マイクロプリズムアレイを通過する光
の減衰度合いが弱く、また、入射/屈折して出射まで進
む距離も短いため、基本的に外乱光に弱くなってしまう
という問題がある。すなわち、照合面にタッチした指先
の周囲から差し込む光量が大きい外乱光が、マイクロプ
リズムアレイをほとんど直進して通過し、縮小光学系第
1レンズに入射し結果的にCCDを飽和させてしまい、
良好な指紋画像が取得できない。太陽光等の外乱光は、
指紋照合装置光源に比べてかなり光量が大きいため、マ
イクロプリズムアレイのような、外乱光エネルギーのレ
ンズ入射効率が良いものにおいては、シャッター速度U
Pと寿命実用限度内光源輝度アップにより「指紋パター
ンを構成する反射光>>外乱光」とすることはできな
い。指紋照合装置を、例えば自動車における乗車許可用
として使用する等屋外で使用する場合は、太陽光の影響
を大きく受け照合できない場合が多発する。
定面に形成したものもある(例えばPCT/US99/
17844の国際公開公報参照)。すなわち、断面三角
形とされたプリズムのうち、所定の頂角と対向する対向
面を照合面とし、この照合面を交差する2つの側面の一
方を、光源からの検知光が入射される入射面とし、他方
の側面を照合面からの反射光が出射される出射面とする
ものがある。
ものにあっては、照合面から入射される外乱光は、プリ
ズム照合面に入射/屈折して長い距離を移動しなければ
ならないので、プリズムから出射した外乱光は、縮小用
光学系第1レンズから大きくそれる。その結果、プリズ
ムから出射され縮小用光学系第1レンズに入射する外乱
光光量は、マイクロプリズムアレイの場合よりもかなり
小さくなる。その結果、シャッター速度UPと寿命実用
限度内の装置光源輝度アップにより「外乱光<<指紋パ
ターンを構成する反射光」の関係を実現でき、外乱光に
よるCCDの電荷飽和は抑えられる。このようなプリズ
ムは、通常、光学ガラスを加工することにより形成され
て、全体的な外観形状は三角柱構造となる。
影響を低減させてシャッター速度を速くするという観点
から、断面略三角形のプリズムを利用するのが好ましい
ものとなる。しかしながら、従来のこのようなプリズム
を利用した指紋照合装置にあっては、プリズムの形状設
定等を指紋照合装置に最適な構造として設定したものと
はなっておらず、この点において改善の予知がある。
と、まず、プリズムをケース等に対して精度良く位置決
めすることが、光学系全体としての精度を高めて、指紋
照合判定を精度よく行う上で重要となる。しかしなが
ら、従来のプリズムは、ケース等に対する位置決めのた
めに特別の形状等を採択する等の工夫をしておらず、こ
の点において対策が望まれることになる。
て、プリズムの照合面はケースに形成された開口部に位
置されることになる。この場合、少なくともケースの肉
厚の分だけ、照合面がケース表面から低い位置となる。
つまり、照合面の周囲には、少なくともケースの肉厚に
相当する段差面が位置することになる。このような段差
面が存在すると、爪が長い者が照合面にタッチしようと
すると、爪先が開口部の周縁部に当接して、指先が照合
面に対してしっかりと密着させることが難しくなる。照
合面に対する指先の密着性が悪くなると、指紋照合判定
を精度よく行うことが困難になる。このような事態を解
消するために、照合面の面積を大きく、特にタッチされ
る指の長手方向に長くなるように照合面を形成すること
が考えられるが、この場合は、照合面からの外乱光の入
射量が多くなり、照合面を大きくするには限界がある。
れたもので、その目的は、プリズムのケース等に対する
組付性を良好なものとすることができ、しかも照合面に
対する指先の密着性も良好に確保できるようにした指紋
照合装置およびそのプリズムを提供することにある。
め、本発明における指紋照合装置あっては次のような解
決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲にお
ける請求項1に記載のように、光源(例えば図2の光源
11)からの検知光を指先(例えば図2の指先Y)がタ
ッチされる照合面(例えば図2の照合面13a)で反射
させて撮像手段(例えば図2のCCD18)に入射させ
るようにした指紋照合装置において、開口部(例えば図
2の開口部3)が形成された所定面(例えば図2のケー
スKの前面部2b)と、前記所定面の裏面側に配設さ
れ、光学プラスチックによって断面略3角形に形成され
たプリズム(例えば図2のプリズム13)と、を有し、
前記プリズムのうち所定の頂角と対向する対向面が、前
記開口部に位置される前記照合面(例えば図2の照合面
13a)とされており、該プリズムのうち前記所定の頂
角を挟む2つの側面のうち一方の側面が、前記光源から
の検知光が入射される入射面(例えば図2の入射面13
c)とされると共に、他方の側面が前記照合面で反射さ
れた検知光が出射される出射面(例えば図2の出射面1
3d)とされ、前記照合面の周囲には、フランジ面(例
えば図2のフランジ面13f)が形成されており、前記
照合面が前記フランジ面よりも若干高くなるように突出
形成されて、該フランジ面を前記所定面の裏面側に位置
させた組付状態で、該照合面と前記所定面の表面とがほ
ぼ面一となるように設定されている、ようにしてある。
のは指紋照合のための光学系に必要な機能部ではないの
で、フランジ面を利用して、所定面に対する位置決めや
取付けを容易かつ精度よく行うことができる。また、照
合面の周囲には、照合面側へ突出する段差部分が存在し
ないので、爪の長い者が照合面にタッチしても、長い爪
にぶつかる障害物がなく、照合面への指先の密着性を常
に良好に確保されることになる。勿論、開口部に対して
突起物となる照合面をがたつきなく嵌合させる構造とす
ることにより、照合面の周囲方向の位置決めを精度よく
行うことが可能となる。勿論、プラスチックにより形成
するので、形状設定の自由度は光学ガラスで形成する場
合よりもはるかに高いものとなり、かつコスト的にも有
利となる。
きに、前記照合面が該90度の頂角に対向する辺に沿う
面となるように設定され、前記入射面と出射面とが互い
に90度の角度をなす辺に沿う面となるように設定され
ている、ようにすることができる。
スK)の一部の面(例えば図2の前面部2b)によって
構成され、前記プリズムと撮像手段との間に、プリズム
からの検知光を縮小させて該撮像手段に入射させると共
にその光軸が1直線となるように設定された縮小用の光
学系(例えば図2のレンズ14〜16)が配設され、前
記ケース内に、前記プリズムと光源と撮像手段と縮小用
の光学系とが配設され、前記ケースが前記光軸線に対し
て傾斜された傾斜面(例えば図2のケースKの前面部2
b)を有して、該記傾斜面に前記開口部が形成されてお
り、前記プリズムが、その入射面が前記光軸に対して平
行な状態でかつその出射面が該光軸と直交する状態で、
前記照合面が前記開口部に位置されており、前記光源
が、プリズムの近傍でかつ前記記入射面に対向させて位
置されている、ようにすることができる。この場合、光
源から撮像手段に到るまでの一連の光学系をケース内に
1セット化して収納することができる。特に、プリズム
から撮像手段を結ぶ方向に細長い構造とする場合に好適
となる。
の間をシールする環状のシール部材(例えば図11のシ
ール部材30)が配設されている、ようにすることがで
きる。この場合、ケース内への塵埃等の侵入が防止され
る他、屋外に露出して使用される場合には、雨水の浸入
をも防止することができる。また、照合面の周囲より外
乱光が不用意に撮像手段に入力されてしまう事態を防止
する上でも好ましいものとなる。
周面形状とがほぼ合同形状の関係となるように形成され
ている、ようにすることができる。この場合、照合面の
周囲からの外乱光の入射という事態を防止あるいは抑制
する上で好ましいものとなる。
周面形状が、ほぼ楕円形とされている、ようにすること
ができる。照合面に指先をタッチしとき、タッチ部分の
形状は通常ほぼ楕円形状となるので、照合面をこのほど
楕円形とすることにより、照合面の面積を極力小さいも
のとして照合面からの外乱光の入射を極力抑制する上で
好ましいものとなる。
面形状が、該フランジ面に向かうにつれて徐々に広がる
ようにテーパ面(例えば図2のテーパ面13g)とされ
ている、ようにすることができる。この場合、フランジ
面から直角に照合面を立ち上げる場合に比して、プリズ
ムを成形し易いものとなる。
ば図5の電極41、42)が形成され、前記電極膜が、
前記テーパ面に沿った後前記フランジ面に伸びるように
形成されている、ようにすることができる。これによ
り、電極膜を部分的にきつく折曲させることなく、配設
することが可能となる。
指紋照合装置用のプリズムにあっては次のような解決手
法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における
請求項9に記載のように、光学プラスチックによって断
面略三角形に形成されて、所定の頂角に対向する対向面
と該所定の頂角を挟む2つの側面とを有し、前記対向面
が指先(例えば図2の指先Y)がタッチされる照合面
(例えば図2の照合面13a)とされ、前記2つの側面
のうち一方の側面が、光源からの検知光が入射される入
射面(例えば図2の入射面13c)とされると共に、他
方の側面が前記照合面で反射された検知光が出射される
出射面(例えば図2の出射面13d))とされ、前記照
合面の周囲には、フランジ面(例えば図2の13f)が
形成されており、前記照合面が前記フランジ面よりも若
干高くなるように突出形成されている、ようにしてあ
る。
ができる。また、前記照合面とフランジ面との段差部分
の外周面形状が、照合面に向かうにつれて徐々に細幅と
なるようにテーパ面(例えば図2のテーパ面13g)と
されている、ようにすることができる。
合面に生体検知用の電極膜を形成するようにしてある
が、この電極膜は存在しないものであってもよい。
置のケースKは、底板1と上蓋2とを有する。上蓋2
は、ケースKの上面部2a、前面部2b、後面部2c、
左右の側面部2dを有し、底板1に対して着脱自在とし
て一体化されている。
して構成された光源11、拡散板12、プリズム13、
第1レンズ14、第2、第3のレンズ15、16、CC
Dカバーガラス17、CCD18、アイリス19等が装
備されている。CCD18は、CMOSイメージャとす
ることもできる。
10に固定されている。上記光源11と拡散板12とプ
リズム13とは、第1保持体21を利用して一体的に組
み付けられた状態で、底板1の所定位置に固定されてい
る。上蓋2の前面部2bには、プリズム13に対応した
位置において開口部3が形成されている。プリズム13
の所定面が開口部3を施蓋するようにケースKの外部に
臨んでおり、この所定面が指先Yがタッチされる指紋照
合面13aとされている。なお、指紋照合面13aつま
り上蓋2の前面部2bは、指先Yがタッチし易くなるよ
うに底板1に対して傾斜されている。上記第1保持体2
1は、プリズム13への入射光量が極力多くなるよう
に、リフレクタ(反射板)の機能を有するようにその内
面が白色とされている。
14、アイリス19、第2レンズ15、第3レンズ16
を経ることによりほぼ平行光線とされて、最終的にCC
D18に入力される。CCD18に入力された反射光は
電気信号に変換され、この電気信号は、基板10を介し
て、ケーブル23、コネクタ24を介して、パーソナル
コンピュータ等の処理装置に供給される。
7およびCCD18は、第2保持体22に保持されてい
る。ただし、第2レンズ15、第3レンズ16は、第3
保持体20を介して第2保持体22に保持されている。
図2に示される光源11から撮像手段としてのCCD1
8に到る光学経路が、わかりやすく図3に示される。こ
の図3において、光源11で発光された検知光は、拡散
板12によって均一に拡散されてプリズム13に入力さ
れる。プリズム13に入力された検知光は、指紋照合面
13aにタッチされた指先Yで反射された反射光となる
が、この反射光は指紋形状に応じたものとなる。
14bがそれぞれ凸となった両面凸レンズとされてい
る。また、第2レンズ14と第3レンズ15とは共働し
て1つのレンズ群を構成すべく互いに近接配置されて、
第1レンズ14とは離れた位置でかつカバーガラス17
に近い位置に配設されている。
とされ、出射面15bのみが凸となった片面凸レンズと
されている。第3レンズ16は、入射面16aのみが凸
とされて、出射面16bは平坦面とされた片面凸レンズ
とされている。そして、片面凸レンズとされた第2レン
ズ15と第3レンズ16とは、その凸面同士が向き合う
状態で近接配置されている。
5、16からなる1つのレンズ群の主面(第3レンズ1
6の主面)の延長線E2と、CCD18における撮像面
の延長線E3とは、1つの点Pで交差するように設定さ
れている(シャインプループの条件の完全な成立)。な
お、シャインプループの条件を完全に満足させるまでに
は到らないがほぼ満足できるように、延長線E1とE2
とE3とがほぼ1点で交差するように設定してもよい。
曲率半径は互いに等しく設定されている。第2レンズ1
5は、第1レンズ14に対して、凸面14bの焦点位置
よりも遠い位置に設定されている。第2レンズ15の凸
面15bの曲率半径と、第3レンズ16の凸面16aの
曲率半径とは、互いに等しくなるように設定されてい
る。そして、第3レンズ16を通過した反射光は、光軸
に対してほぼ平行となるように設定されている(実施形
態では完全平行に設定)。
ように、照合面13aからの反射光が各レンズ14、1
5、16を経てCCD18に到るまでの光学経路は、一
直線とされている。また、照合面13aの面積よりもC
CD18の撮像面積の方が小さくされて、レンズ14〜
16は画像縮小用とされている。
る撮像面との光軸方向長さとなる共役長さは、同じ画質
を得るのに、4fレンズ系の場合に112mmであった
ものが、図3の実施形態のものでは55mmにすること
ができた。
ついて、図4〜図8をも参照しつつ説明する。まず、プ
リズム13は、光学プラスチックを例えば射出成形する
ことにより、例えば図4に示すような形状に形成されて
いる。プリズム13は、その指紋照合13aに後述のよ
うに膜形成が行われているが、この膜は薄いので、実質
的に図4に示されるプリズム形状は、光学プラスチック
からなるプリズム本体31の形状そのものと考えること
ができる。
経路を考えたときに、断面略3角形とされて、2等辺頂
角を有するブロック状とされている。実施形態では、2
等辺直角3角形を想定したとき、所定の頂角としての9
0度の角度部分に対向する対向面が、照合面13aとさ
れる、また、90度の頂角を挟む2つの側面13c、1
3dのうち、一方の側面13cが、光源11からの検知
光が入射される入射面とされ、他方の面13dが出射面
とされる。入射面13cと出射面13dとは、互いに9
0度の角度をなすことになり、照合面13aに対しては
それぞれ45度の角度をなしている。
面13aは45度の角度をなし、入射面13cは平行で
あり、出射面13dは直交している。そして、所定の頂
角としての90度の角度部分は、先端が鋭利とされるこ
となく、照合面13aと平行な平坦な特定面13eとし
て形成されている。
が、これは、指先Yがタッチされたときに、タッチされ
る部分の軌跡がほぼ楕円形になることを考慮したもので
ある。照合面13aの形状は、楕円形以外の任意の形状
とすることもできるが、タッチされる指の方向に細長く
なるようにし、しかも少なくとも指の先端側となる端部
形状は、指の先端形状に合わせて丸く湾曲された形状に
設定するのが好ましい。勿論、このような好ましい形状
設定は、照合面13aに指先Yがタッチされた状態で、
外乱光が指先Yの周囲から照合面13aに極力入射され
ないようにするためである。
り照合面13a側となる面が、フランジ面13fとされ
る。このフランジ面13fは、照合面13aの全周囲に
存在されている。照合面13aは、フランジ面13fか
ら若干高くなるように突出形成されているが、この突出
高さは、開口部3の周縁部におけるケースKの肉厚とほ
ぼ同じとなるように形成されている。そして、照合面1
3aの形状がほぼ楕円形とされている関係上、フランジ
面13fからは、照合面13aを構成するためにほぼ楕
円柱状の突起部つまり段差部分が形成されることにな
る。このほぼ楕円柱状の突起部つまり段差部分の側面の
形状が、フランジ面13fに向かうにつれて徐々に広が
るようにテーパ面13gとされている。
形成されているのに伴って、開口部3の内周面形状も、
ほぼ楕円形に形成されている。開口部3の内周面形状
は、照合面13aの外周面形状に対応して適宜設定され
るが、この両者の形状は互いにがたつきなく嵌合できる
ようにほぼ合同形状としておくのが好ましい。
だとき、フランジ部13bが開口部3の内方周縁部の内
面に当接されると共に、指紋照合面13aが開口部3の
周縁部にあるケースKの外面とほぼ面一となるようにさ
れる。必要に応じて、別途ねじ等の固定具をフランジ部
13bに対して作用させて、プリズム13をより一層し
っかりとケースKに対して固定することも可能である。
って射出成形するとき、図6に示すように、金型のパー
ティングラインが符号αで示され、このラインαはフラ
ンジ部13bの上面高さ位置となるように設定されてい
る。そして、プラスチックの金型内への流入方向(ゲー
トの位置)が、フランジ部13bに沿って設けられてい
る。イジェクタピン29(図8破線で示し、図6矢印β
でイジェクト方向を示す)は、プリズムの頂角部分とフ
ランジ部13bの位置に対応して設けられている。
を有する面には、膜が成形されている。この膜は、生体
検知膜としての電極膜32と、その保護膜としてハード
コート33との2種類とされている。図5の平面図で
は、電極膜32の存在を明確に示すために電極膜32部
分に右上がりのハッチングを施してあり、同様にハード
コート33の存在を明確に示すためにハードコート33
部分に右下がりのハッチングを施してある。
た第1電極41と第2電極42とからなり、例えばIT
O膜等によって透明膜として形成されている。各電極膜
41と42とは、ほぼ楕円形状とされた指紋照合面13
aの長円方向の中心部分が境界となるようにほぼ左右対
称形状に形成されて、それぞれフランジ部13bまで延
設されている。そして各電極41、42には、リード線
(平衡線)43あるいは44がハンダ付けされている。
このハンダ付けに際しては、ハンダ材として、通常のハ
ンダ材にZn、Sb,Ti,Si,Al,Cuなどを添
加した低融点金属酸化物用ハンダ材を用い、超音波ハン
ダ装置によるハンダ付けを行うことによって、プラスチ
ックからなるプリズム本体31へのダメージを防止する
ことができる。電極膜32がITO膜のようにハンダ材
の構成物質であるSn等を含むものであれば、中間層に
Ni/Ni−Cu合金/Cr等のバリア膜を設けて移行
現象による変質を防止するのが好ましい。
aが形成されている側の面は、その全面積に渡ってハー
ドコート33が施されている。ハードコート33は、無
孔質で透明とされている。このようなハードコート33
は、例えばシリコン系塗料、アクリル系塗料またはウレ
タン系塗料を、UV硬化または加熱硬化させることによ
って形成することができる。あるいは、この他、透明保
護膜材要求性質として適当なものを用いることができ
る。このようなハードコート33は、電極膜32を全体
的に被覆しているのみならず、電極膜32の全周囲にも
位置されている。このハードコート33は、リード線4
3、44のハンダ付け部分をも被覆している。
スチックへの密着性が極めて良好なので、電極膜32の
プリズム本体31からの剥離が確実に防止される。ま
た、プリズム本体31と電極膜32とハードコート33
との間には大きな線膨張の相違がないので、温度変化に
伴うクラック発生ということも防止される。ハードコー
ト33は無孔質であるので、溶剤等がハードコート33
を通して電極膜32やプリズム本体31と電極膜32と
の境界面に到達することもなく、電極膜32の保護がよ
り一層確実に行われる。勿論、ハードコート33は、繰
り返しの指先タッチ等によっても摩耗や損傷を受けるこ
ともなく、長期に渡って電極膜32の保護機能を持続す
ることができる。
て、前述のように無孔質で透明であること(光透過率が
70%以上であることが好ましい)に加えて、次のよう
な条件を満足することが好ましいものである。すなわ
ち、電極膜32との関係上、比誘電率が6以下であるこ
とが好ましく、厚みは70μm以下であることが好まし
い。また、幅広い温度環境下で使用する場合(例えば自
動車に使用の場合)、耐熱性(85度C以上)や耐寒性
(−45度C以下)も考慮することが好ましい。
プリズム本体31をJSR製ARTON(120度Cの
耐熱性、吸水率1%以下、比誘電率4以下)で製作して
ある。また、電極膜32をITO膜として、膜厚1.5
μm以下に形成してある。ハードコート33としては、
三菱レーヨン製のUV硬化型アクLリル系ハードコート
塗料(製品番号UR−1104)を用い、スプレー塗装
で厚さ15μmにコントロールした。なお、厚さコント
ロールには、スプレー塗装以外にスピンコートを用いる
こともできる。このようにして形成したプリズム13
を、−45度Cと80度Cとの間での温度変化を250
サイクル与えた後、85度Cの高温で500時間放置し
た後の状態において、プリズム本体31、電極膜32お
よびハードコート33には、クラック発生や剥離等の異
常はなんら発生しなかった。
ようが、指先Y等の生体がタッチされたときにその電磁
気的特性が変化するものであれば、適宜の構成とするこ
とができる。すなわち、生体がタッチされたときに電気
抵抗値や電気容量値の一方または両方が変化して、この
変化が、生体以外の物質(例えば紙、金属、プラスチッ
ク等)をタッチしたときとは大きく相違するものであれ
ばよい。このための電極膜32は、前述した公報記載の
各種の構造のものをも利用することができるが、一例と
して、図9に電極膜32を含む生体検知のための等価回
路例を示してある。
ド回路46とが平衡線47により接続される。センサヘ
ッド回路47のうち少なくとも電極41、42部分が指
紋照合面32に電極膜32として構成されるものであ
る。
ッチングトランス52の一次側に与えられる。電極41
と42に生体がタッチされない状態では、マッチングト
ランス52の2次側はオープン状態であるが、電極41
と42とに指先Yが触れることにより、図8のような等
価回路がマッチングトランス52の2次側に接続された
状態となる。指が電極41と42とにタッチされたとき
のトランス52の2次側をみたインピーダンスがマッチ
ングのとれるものとなるように設定されている。電極4
1と42とが生体によって結合されたとき、発振部51
からの高周波がマッチングトランス52で反射されて、
この反射波が検知部53によって検知され、検知された
反射波が生体に相当するものであるが否かが判定部54
で判定されて、この判定結果が判別回路45から出力さ
れる。
紋照合面13aにタッチされた指先Yの指紋があらかじ
め記憶されている正当なものであるときの両方の条件を
満足したときに、最終的に本人であると確認されること
になる。なお、図8の例では、電気抵抗値Rの変化と電
気容量値C2、C4の両方の変化でもって生体であるか
否かの検知を行うので、生体でないものを誤って生体で
あると波判別してしまう事態を防止して検知精度を向上
させる上で好ましい例となっている。
合面13aは勿論のこと、フランジ面13fに跨がって
も形成されている。このため、段差のある照合面13a
とフランジ面13fとの間を、前述のように滑らかにテ
ーパ面13gとして形成しておくことにより、電極膜3
2はハードコート33が部分的に大きく折曲されること
がなくなる。
成例を表している。図5の例においては、電極41,4
2が指紋照合面13aの内部の面の一部を占有する大き
さとされているが、図9の例においては、ほぼ全体を占
有する大きさとされている。また、図10の例において
は、指紋照合面13aの内側だけでなく、外側にも電極
41,42が配置されている。
を示すものであり、開口部3部分のシール性を高めるよ
うにした例を示す。すなわち、弾性部材からなるリング
状のシール部材30が別途用いられ、このシール部材3
0が、突起状の照合面13aの周囲に嵌合された状態と
される。ケースKへの組付状態において、シール部材3
0は、開口部3の内周縁部とフランジ面13fとで挟持
された状態とされて、この部分のシールを行う。シール
部材30を構成する材質としては適宜のものを用いるこ
とが可能であるが、実施形態では独立気泡を有するスポ
ンジによって形成してある。
構成例を示している。図12の例では、図5の例に比し
て、照合面13aのほぼ全体を占有する大きさとされて
いる。また、図13の例においては、照合面13aの内
側だけでなく、外側にも電極41、42が形成されてい
る。いずれにしても図14に原理的に示されているよう
に、電極41と電極42の間には、クリアランスGが形
成されている。このクリアランスGの値が0でない限
り、指紋の識別が可能である。
と第3レンズ16に対する具体的な配置の例を表してい
る。また、図13は、そのアイリス19だけの構成を表
している。これらの図に示されるように、アイリス19
には孔19aが形成されており、入射された光を絞り込
むようになされている。
8に示されるように、原理的には、光を遮断する部分
(孔19aでない部分)と光を透過させる部分(孔19
a)とを有していればよく、その形状は、図17に示さ
れるように、4角形状であっても、図18に示されるよ
うに、円盤状であってもよい。アイリス19は、第1レ
ンズ14の焦点近傍に配置される。
しつつ、ケース等への組付を容易かつ精度よく行うこと
が可能となる。また、照合面への指先の密着性を高める
上で好ましいものとなる。勿論、プリズムそのものの製
造が容易でありかつ形状設定の自由度が極めて高いもの
となる。
全体斜視図。
図。
図。
とを示す平面図。
路例を示す図。
る様子を示す要部側面断面図。
図。
Claims (11)
- 【請求項1】 光源からの検知光を指先がタッチされる
照合面で反射させて撮像手段に入射させるようにした指
紋照合装置において、 開口部が形成された所定面と、 前記所定面の裏面側に配設され、光学プラスチックによ
って断面略3角形に形成されたプリズムと、を有し、 前記プリズムのうち所定の頂角と対向する対向面が、前
記開口部に位置される前記照合面とされており、 該プリズムのうち前記所定の頂角を挟む2つの側面のう
ち一方の側面が、前記光源からの検知光が入射される入
射面とされると共に、他方の側面が前記照合面で反射さ
れた検知光が出射される出射面とされ、 前記照合面の周囲には、フランジ面が形成されており、 前記照合面が前記フランジ面よりも若干高くなるように
突出形成されて、該フランジ面を前記所定面の裏面側に
位置させた組付状態で、該照合面と前記所定面の表面と
がほぼ面一となるように設定されている、ことを特徴と
する指紋照合装置。 - 【請求項2】 頂角が90度の2等辺3角形を想定した
ときに、前記照合面が該90度の頂角に対向する辺に沿
う面となるように設定され、前記入射面と出射面とが互
いに90度の角度をなす辺に沿う面となるように設定さ
れている、ことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合
装置。 - 【請求項3】 前記所定面が、ケースの一部の面によっ
て構成され、 前記プリズムと撮像手段との間に、プリズムからの検知
光を縮小させて該撮像手段に入射させると共にその光軸
が1直線となるように設定された縮小用の光学系が配設
され、 前記ケース内に、前記プリズムと光源と撮像手段と縮小
用の光学系とが配設され、 前記ケースが前記光軸線に対して傾斜された傾斜面を有
して、該記傾斜面に前記開口部が形成されており、 前記プリズムが、その入射面が前記光軸に対して平行な
状態でかつその出射面が該光軸と直交する状態で、前記
照合面が前記開口部に位置されており、 前記光源が、プリズムの近傍でかつ前記記入射面に対向
させて位置されている、ことを特徴とする請求項2に記
載の指紋照合装置。 - 【請求項4】 前記開口部の内周縁部には、前記照合面
との間をシールする環状のシール部材が配設されてい
る、ことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。 - 【請求項5】 前記開口部の内周面形状と前記照合面の
外周面形状とがほぼ合同形状の関係となるように形成さ
れている、ことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合
装置。 - 【請求項6】 前記開口部の内周面形状および照合面の
外周面形状が、ほぼ楕円形とされている、ことを特徴と
する請求項5に記載の指紋照合装置。 - 【請求項7】 前記照合面とフランジ面との段差部分の
側面形状が、該フランジ面に向かうにつれて徐々に広が
るようにテーパ面とされている、ことを特徴とする請求
項1に記載の指紋照合装置。 - 【請求項8】 前記照合面に、生体検知用の電極膜が形
成され、 前記電極膜が、前記テーパ面に沿った後前記フランジ面
に伸びるように形成されている、ことを特徴とする請求
項7に記載の指紋照合装置。 - 【請求項9】 光学プラスチックによって断面略三角形
に形成されて、所定の頂角に対向する対向面と該所定の
頂角を挟む2つの側面とを有し、 前記対向面が指先がタッチされる照合面とされ、 前記2つの側面のうち一方の側面が、光源からの検知光
が入射される入射面とされると共に、他方の側面が前記
照合面で反射された検知光が出射される出射面とされ、 前記照合面の周囲には、フランジ面が形成されており、 前記照合面が前記フランジ面よりも若干高くなるように
突出形成されている、ことを特徴とする指紋照合装置用
のプリズム。 - 【請求項10】 前記照合面の形状がほぼ楕円形とされ
ている、ことを特徴とする請求項9に記載の指紋照合装
置用のプリズム。 - 【請求項11】 前記照合面とフランジ面との段差部分
の外周面形状が、照合面に向かうにつれて徐々に細幅と
なるようにテーパ面とされている、ことを特徴とする請
求項9に記載の指紋照合装置用のプリズム。
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