JP2003015125A - 液晶表示パネル用基板、その製造方法および液晶表示パネル - Google Patents

液晶表示パネル用基板、その製造方法および液晶表示パネル

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JP2003015125A
JP2003015125A JP2001196213A JP2001196213A JP2003015125A JP 2003015125 A JP2003015125 A JP 2003015125A JP 2001196213 A JP2001196213 A JP 2001196213A JP 2001196213 A JP2001196213 A JP 2001196213A JP 2003015125 A JP2003015125 A JP 2003015125A
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intermediate layer
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display panel
layer
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JP2001196213A
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English (en)
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Masahito Nakayama
雅仁 中山
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Kyocera Display Corp
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Kyocera Display Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射層が浮き上がらず、さらに拡散層に損傷
がない拡散反射膜を有する液晶表示パネルを得る。 【解決手段】 拡散層7と、中間層8と、反射層9とか
らなる拡散反射膜5のうち中間層8を塗布焼成型セラミ
ックによって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型の液晶表示
パネル用基板、この液晶表示パネル用基板の製造方法、
およびこの液晶表示パネル用基板を使用した液晶表示パ
ネルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、特定の図形や文字等の情報を表
示するための液晶表示装置が、コンピュータや携帯電話
等の表示装置として多く用いられており、この液晶表示
装置には、中間に液晶を充填した一対の透明基板の所定
の部分に、選択的に電圧を加えて特定の図形や文字等の
情報を表示するための液晶表示パネルが内蔵されてい
る。
【0003】この液晶表示パネルの一種として、近年、
バックライトユニットを必要としないため液晶表示装置
の低消費電力化、薄型化、軽量化、低価格化を図ること
ができる等の理由から、外部から入射した光を反射させ
ることにより表示を行う反射型液晶表示パネルが多用さ
れている。
【0004】この反射型液晶表示パネルは、一対の透明
基板を有し、前記各透明基板のうち観察者側を表面とし
たときの裏面側の透明基板の表面には、表面側から入射
した光を拡散して反射させるための拡散反射膜が形成さ
れている。この拡散反射膜は、入射した光を拡散させる
ための凹凸形状を有する拡散層を有しており、前記拡散
層は、紫外線硬化樹脂等の感光性樹脂を前記裏面側の透
明基板の表面に塗布することにより構成されている。ま
た、前記拡散層の表面側には、入射した光を表面側に反
射させるための金属製の反射層がスパッタリングにより
形成されている。さらに、感光性樹脂すなわち有機物に
より構成された拡散層と、金属により構成された反射層
との接着強度は低いので、これらの拡散層と反射層との
接着強度を上昇させるため、前記拡散層と前記反射層と
の間には、無機酸化物であるシリカ等からなる中間層が
スパッタリングにより形成されている。
【0005】このスパッタリングは、所定の物質からな
るターゲットにアルゴンイオン等を衝突させることによ
り粒子を放出させ、前記各粒子を裏面側の透明基板の表
面に被着させることにより前記透明基板上に中間層や反
射層を形成する方法である。また、このイオン衝突時に
プラズマを生成することが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記拡散層
は、前述のとおり有機物により構成されており、この有
機物は高温により熱分解された後、ガス成分を発生する
という性質を有する。このため、前記拡散層は、スパッ
タリングにより中間層を形成する際の高温によって熱分
解され、さらにスパッタリングにより反射層を形成する
際の高温によってもガス成分を発生してしまっていた。
一方、中間層として一般に用いられているシリカは気体
遮断性能が高い。このため、液晶表示パネルの製造工程
中に数回の高温処理を行う間に、前記拡散層がガス成分
を発生しても、前記中間層は前記ガス成分を透過しない
ので、拡散層と中間層との界面に気泡が生じてしまい、
この結果、前記反射層が浮き上がってしまうという問題
を有していた。
【0007】また、スパッタリングにより中間層を形成
する際のプラズマ生成によって陽イオンが前記拡散層に
衝突し、この結果、前記拡散層を損傷させてしまうとい
う問題も有していた。
【0008】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、反射層が浮き上がらず、さらに拡散層に損傷が
ない拡散反射膜を有する液晶表示パネル用基板、その製
造方法および液晶表示パネルを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る液晶表示パネル用基板
は、拡散層と、前記拡散層の表面に形成された中間層
と、前記中間層の表面に形成された反射層とにより構成
されている拡散反射膜が配設されている液晶表示パネル
用基板において、前記中間層を塗布焼成型セラミックに
よって構成することを特徴とする。
【0010】ここで、塗布焼成型セラミックとは、その
前駆体を加熱処理して生成する化合物であり、シリカ、
チタニア、ジルコニア、アルミナもしくはこれらの混合
物のように金属−酸素結合のみの金属酸化物の他、金属
−炭素結合が残存する有機変性物も含まれる。また、前
駆体としては、金属アルコキシド、ポリシラザンが用い
られる。
【0011】この請求項1に記載の発明によれば、拡散
層の表面に塗布焼成型セラミックの前駆体を塗布し、前
記前駆体を低温度をもって焼成して硬化させることによ
り中間層を形成するので、前記拡散層に対して高温を浴
びせることなく、またプラズマ生成における陽イオンに
よる衝撃を与えることもなく、中間層を形成することが
できる。このため、高温により拡散層が熱分解され、ガ
スが発生するということがないので、前記拡散層と中間
層との界面に気泡が生じることを防止することができ
る。
【0012】また、前記塗布焼成型セラミックからなる
中間層は、前記前駆体を低温度により焼成して硬化させ
ることにより形成されているので、前記塗布焼成型セラ
ミックの緻密度を低くすることにより、気体遮断性能を
低くすることができ、この結果、中間層の気体透過率を
上昇させることができる。このため、中間層を形成した
後、前記中間層の表面にスパッタリングにより高温をも
って反射層を形成するときに、この高温によって拡散層
が熱分解し、ガスが発生したとしても、このガスは前記
中間層を透過することができるので、前記拡散層と中間
層との界面に気泡が生じることを防止することができ
る。
【0013】また、請求項2に記載の発明に係る液晶表
示パネル用基板は、前記中間層に、この中間層の材料と
異なる熱膨張率の材料からなる複数の微粒子を混入する
ことを特徴とする。
【0014】この請求項2に記載の発明によれば、中間
層に、前記中間層の材料と異なる熱膨張率の材料からな
る微粒子が混入されているので、前記前駆体を低温度に
よって焼成して硬化させたとき、これら前駆体と各微粒
子との間に空隙が生じる。これにより、塗布焼成型セラ
ミックの緻密度を低くすることができるので、気体遮断
性を低くすることができ、この結果、中間層の気体透過
率を上昇させることができる。このため、中間層を形成
した後、前記中間層の表面にスパッタリングにより高温
をもって反射層を形成するときに、この高温によって拡
散層が熱分解し、ガスが発生したとしても、このガスは
前記中間層を透過することができるので、前記拡散層と
中間層との界面に気泡が生じることを防止することがで
きる。
【0015】また、請求項3に記載の発明に係る液晶表
示パネル用基板の製造方法は、透明基板の一面に、拡散
反射膜を配設する液晶表示パネル用基板の製造方法にお
いて、前記透明基板の一面に感光性樹脂からなる拡散層
を形成し、前記拡散層の表面に、塗布焼成型セラミック
前駆体からなる塗布液を塗布した後、前記塗布液を20
0℃以下の温度で焼成することにより硬化させて中間層
を形成し、前記中間層の表面に反射層を形成することに
より、前記拡散反射膜を配設することを特徴とする。
【0016】この請求項3に記載の発明によれば、前記
拡散層に対して高温を浴びせることなく、またプラズマ
生成における陽イオンによる衝撃を与えることもなく、
中間層を形成することができる。このため、高温により
拡散層が熱分解され、ガスが発生するということがない
ので、前記拡散層と中間層との界面に気泡が生じること
を防止することができる。
【0017】また、前記塗布焼成型セラミックの緻密度
を低くすることにより、気体遮断性能を低くすることが
でき、この結果、中間層の気体透過率を上昇させること
ができる。このため、中間層を形成した後、前記中間層
の表面にスパッタリングにより高温をもって反射層を形
成するときに、この高温によって拡散層が熱分解し、ガ
スが発生したとしても、このガスは前記中間層を透過す
ることができるので、前記拡散層と中間層との界面に気
泡が生じることを防止することができる。
【0018】また、請求項4に記載の液晶表示パネル用
基板の製造方法は、前記塗布焼成型セラミック前駆体
を、金属アルコキシドもしくはポリシラザンとすること
を特徴とする。
【0019】この請求項4に記載の発明によれば、より
一層低温度をもって、前駆体を焼成して硬化させること
ができる。
【0020】また、請求項5に記載の液晶表示パネル
は、一対の液晶表示パネル用透明基板を有してなり、前
記一対の液晶表示パネル用透明基板のうち一方の液晶表
示パネル用透明基板に、拡散層と、前記拡散層の表面に
形成された中間層と、前記中間層の表面に形成された反
射層とにより構成されている拡散反射膜が配設されてい
る液晶表示パネルにおいて、前記中間層を塗布焼成型セ
ラミックによって構成することを特徴とする。
【0021】この請求項5に記載の発明によれば、前記
拡散層に対して高温を浴びせることなく、またプラズマ
生成における陽イオンによる衝撃を与えることもなく、
中間層を形成することができる。このため、高温により
拡散層が熱分解され、ガスが発生するということがない
ので、前記拡散層と中間層との界面に気泡が生じること
を防止することができる。
【0022】また、前記塗布焼成型セラミックの緻密度
を低くすることにより、気体遮断性能を低くすることが
でき、この結果、中間層の気体透過率を上昇させること
ができる。このため、中間層を形成した後、前記中間層
の表面にスパッタリングにより高温をもって反射層を形
成するときに、この高温によって拡散層が熱分解し、ガ
スが発生したとしても、このガスは前記中間層を透過す
ることができるので、前記拡散層と中間層との界面に気
泡が生じることを防止することができる。
【0023】さらに、請求項6に記載の液晶表示パネル
は、前記中間層に、この中間層の材料と異なる熱膨張率
の材料からなる複数の微粒子を混入することを特徴とす
る。
【0024】この請求項6に記載の発明によれば、気体
遮断性を低くすることにより、中間層の気体透過率を上
昇させることができる。このため、中間層を形成した
後、前記中間層の表面にスパッタリングにより高温をも
って反射層を形成するときに、この高温によって拡散層
が熱分解し、ガスが発生したとしても、このガスは前記
中間層を透過することができるので、前記拡散層と中間
層との界面に気泡が生じることを防止することができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に発明に係る液晶表
示パネルの実施形態を図1から図3を参照して説明す
る。
【0026】図1は、本発明に係る液晶表示パネルとし
ての反射型液晶表示パネルを示す断面図であり、図1に
示すように、反射型液晶表示パネル1には、一対の透明
基板2a、2bが対向するように配設されている。この
各透明基板のうち観察者側となる表面側の透明基板2a
の裏面には、透明電極3aおよび配向膜(図示せず)が
積層形成されている。また、表面側の透明基板2aの表
面には、偏光板4が配設されている。
【0027】一方、裏面側の透明基板2bの表面には、
表面側から入射した光を拡散して反射させるための拡散
反射膜5が形成されている。
【0028】この拡散反射膜5は、図2に示すように、
前記入射した光を拡散させるための凹凸形状を有する拡
散層7を有しており、前記拡散層7は、紫外線硬化樹脂
等の感光性樹脂を前記裏面側の透明基板の表面に塗布す
ることにより構成されている。
【0029】この前記拡散層7の表面には、塗布焼成型
セラミックからなる中間層8が形成されている。ここ
で、塗布焼成型セラミックとは、その前駆体を加熱処理
して生成される化合物であり、シリカ、チタニア、ジル
コニア、アルミナ若しくはこれらの混合物のように金属
−酸素結合のみの金属酸化物の他、金属−炭素結合が残
存する有機変性物も含まれる。かかる化合物としては、
その前駆体の入手の容易性の観点からケイ素型の化合物
が多く用いられる。また、前駆体としては、金属アルコ
キシド、ポリシラザンが用いられる。
【0030】また、この中間層8の表面には、前記入射
した光を表面側に反射させるための金属製の反射層9が
スパッタリングにより形成されている。これにより、前
記拡散反射膜5は、前記拡散層7、中間層8および反射
層9から構成されている。
【0031】また、前記拡散反射膜5の表面には、絶縁
膜11が形成されており、この絶縁膜11の表面には、
透明電極3bおよび配向膜(図示せず)が積層形成され
ている。
【0032】そして、一対の透明基板2a、2bの周辺
部は、シール材(図示せず)により囲まれて一体に形成
されており、このシール材に囲まれた面内には、各透明
基板の間隙を調整するためのスペーサ12が均一に散布
されているとともに、液晶13が封入されている。
【0033】次に、本発明に係る液晶表示パネル用基板
の製造方法について説明する。
【0034】本実施形態においては塗布焼成型セラミッ
クの前駆体としてポリシラザンを用い、前記前駆体を焼
成してシリカからなる中間層8を形成する場合について
説明する。
【0035】まず、一対の透明基板のうち裏面側の透明
基板2bの表面側に、フォトリソ法等により拡散層7を
形成する。
【0036】次に、前記拡散層7の表面全体に、シリカ
の前駆体であるポリシラザンからなる塗布液を塗布し、
その後、150℃程度の低温度をもって前記ポリシラザ
ンを焼成する。これにより、シリカからなる中間層8を
形成する。
【0037】そして、前記中間層8の表面全体に、スパ
ッタリングにより反射層9を形成することにより、前記
裏面側の透明基板2bの表面に拡散反射膜5を形成し、
その後、前記拡散反射膜5の表面全体に絶縁膜11を形
成する。
【0038】次に、前記裏面側の透明基板2bに形成さ
れた絶縁膜11の表面、および表面側の透明基板2aの
表面に、透明導電膜をパターニングすることにより透明
電極を形成し、さらに、前記各透明電極3a、3bの表
面を被覆するようにポリイミド等の配向膜材料を塗布
し、この配向膜材料をラビングして配向膜を形成する。
【0039】その後、前記表側の透明基板2aの表面に
偏光板4を形成する。
【0040】このようにして形成された液晶表示パネル
用基板を用いて反射型液晶表示パネル1を製造するに
は、一対の透明基板のうち一方の透明基板2aの周辺部
にシール材を塗布するとともに、他方の透明基板2bの
うち一方の透明基板2aの対向する面にスペーサ12を
均一に散布し、各透明電極3a、3bを対向させるよう
に前記各透明基板2a、2bを貼り合わせる。その後シ
ール材により予め設けられた注入口から液晶13を注入
した後、その注入口を封止する。これにより、反射型液
晶表示パネル1が完成する。
【0041】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0042】本実施形態においては、拡散層7の表面に
ポリシラザンからなる塗布液を塗布し、前記ポリシラザ
ンを低温度をもって焼成することによりシリカからなる
中間層8を形成するので、前記拡散層7に対して高温を
浴びせることなく、またプラズマ現象における粒子によ
る衝撃を与えることもなく、中間層8を形成することが
できる。このため、高温により拡散層7が熱分解され、
ガスが発生するということがないので、前記拡散層7と
中間層8との界面に気泡が生じることを防止することが
できる。
【0043】また、前記シリカからなる中間層8は20
0℃以下という低温度により焼成されて形成されている
ので、シリカの緻密度を低くすることができ、これによ
り、中間層8の気体透過率を上昇させることができる。
このため、中間層8を形成した後、前記中間層8の表面
にスパッタリングにより高温をもって反射層9を形成す
るときに、この高温によって拡散層7が熱分解し、ガス
が発生したとしても、このガスは前記中間層8を透過す
ることができ、前記拡散層7と中間層8との界面に気泡
が生じることを防止することができる。
【0044】したがって、中間層8の表面に形成される
反射層9を浮き上がらせることなく、さらに、拡散層7
に損傷のない良好な拡散反射膜5を有する反射型液晶表
示パネル1を得ることができる。
【0045】次に、本発明の第2の実施形態について、
図3を参照して説明する。
【0046】図3に示すように、裏面側の透明基板15
の表面には拡散反射膜16が形成されており、本実施形
態における拡散反射膜16を構成する拡散層17の表面
には、シリカからなる中間層18が形成されており、前
記中間層18には、シリカと異なる熱膨張率の材料、例
えばメラミン・ホルムアルデヒド縮合物等からなる複数
の微粒子19が混入されている。この中間層18は、シ
リカの前駆体としてのポリシラザンに前記各微粒子19
を混入し、これら微粒子19が混入されたポリシラザン
を拡散層17の表面に塗布して、150℃程度の低温度
をもって焼成して硬化させることにより形成されてい
る。この微粒子19としては、シリカと前記各微粒子1
9の熱膨張率の差によりシリカと各微粒子19との間に
空隙を生じさせることができる。さらに、この中間層1
8の表面全体には、反射層20が形成されており、これ
により拡散反射膜16が形成されている。なお、本実施
形態における構成および作用は第1の実施形態とほぼ同
様であるので、詳しい説明を省略する。
【0047】本実施形態においては、中間層18にシリ
カと異なる熱膨張率の材料からなる複数の微粒子19が
混入されており、前記前駆体を焼成する際に前記各微粒
子19およびシリカに温度を加えると、前記各微粒子1
9とシリカの熱収縮率の差により前記各微粒子19とシ
リカとの間に空隙が生じるので、中間層18の緻密度を
低くすることができ、これにより、中間層18の気体透
過率を上昇させることができる。このため、中間層18
を形成した後、前記中間層18の表面にスパッタリング
により高温をもって反射層20を形成するときに、この
高温によって拡散層17が熱分解し、ガスが発生したと
しても、このガスは前記中間層18を透過することがで
き、前記拡散層17と中間層18との界面に気泡が生じ
ることを防止することができる。
【0048】したがって、中間層18の表面に形成され
る反射層20を浮き上がらせることなく、さらに、拡散
層17に損傷のない良好な拡散反射膜16を有する反射
型液晶表示パネルを得ることができる。
【0049】また、中間層18に混入された各微粒子1
9により前記中間層18の表面に微少な凹凸形状が生じ
るので、この凹凸形状により中間層18と反射層20と
の密着力を向上させることができる。
【0050】さらに、前記各微粒子19により反射型液
晶表示パネルに入射した光をさらに拡散させることがで
きるので、拡散層17のパターン形状をより目立たなく
することができる。
【0051】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、必要に応じて種々変更することが可能で
ある。
【0052】
【実施例】まず、反射型液晶表示パネルを構成する一対
のガラス基板のうち裏面側のガラス基板の表面全体に、
フォトレジストPC−411B(JSR社製)を塗布
し、フォトリソ法によって、平均厚さ寸法が2μmとな
る凹凸形状を有する拡散層を形成した。
【0053】次に、塗布焼成型セラミックの前駆体であ
るポリシラザンEL12(東燃社製)の塗布液に、前記
塗布液の固形分濃度が約1%となるように、粒径が10
0〜300nmである微粒子としてのエポスターS(日
本触媒社製)を混入し、この微粒子が混入された前駆体
を、前記拡散層の表面全体に塗布した。そして、この前
駆体を、150℃の温度をもって1時間焼成することに
より、厚さ寸法が20nmとなるシリカからなる中間層
を形成した。
【0054】さらに、前記中間層の表面全体に、スパッ
タリングにより、厚さ寸法が500nmとなるアルミニ
ウム合金からなる反射層を形成し、これにより、拡散反
射膜を形成した。
【0055】そして、前記拡散反射膜が形成された裏面
側のガラス基板および表面側のガラス基板を用いて反射
型液晶表示パネルを形成した。
【0056】このように、低温をもって焼成して硬化さ
せることにより中間層を形成したので、拡散層の熱分解
を抑制することができ、このため、前記拡散層と前記中
間層との界面に生じる気泡を抑制することができた。ま
た、中間層の気体透過率を上昇させることができたの
で、前記拡散層と前記中間層との界面に生じた気泡を透
過させ、前記拡散層と前記中間層との界面に残存する気
泡を少量に抑えることができた。
【0057】この結果、従来拡散層の表面に、250℃
の温度をもって1時間スパッタリングを行うことによっ
て40nmのシリカからなる中間層を形成した際と比較
して、中間層に対する反射層の浮き上がりを、10%以
下に低減することができた。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明に係る液晶表示パネル用基板によれば、中間層の表面
に形成される反射層を浮き上がらせることなく、さら
に、拡散層に損傷のない良好な拡散反射膜を有する液晶
表示パネル用基板を得ることができる。
【0059】また、請求項2に記載の発明に係る液晶表
示パネル用基板によれば、反射層の浮き上がりを一層低
減することができるので、より良好な拡散反射膜を有す
る液晶表示パネル用基板を得ることができる。
【0060】また、請求項3に記載の発明に係る液晶表
示パネル用基板の製造方法によれば、中間層の表面に形
成される反射層を浮き上がらせることなく、さらに、拡
散層に損傷のない良好な拡散反射膜を有する液晶表示パ
ネル用基板を製造することができる。
【0061】また、請求項4に記載の発明に係る液晶表
示パネル用基板の製造方法によれば、中間層の気体透過
率を一層上昇させることにより、拡散層と中間層との界
面に生じる気泡を防止し、より良好な拡散反射膜を有す
る液晶表示パネル用基板を製造することができる。
【0062】また、請求項5に記載の発明に係る液晶表
示パネルによれば、中間層の表面に形成される反射層を
浮き上がらせることなく、さらに、拡散層に損傷のない
良好な拡散反射膜を有する液晶表示パネルを得ることが
できる。
【0063】さらに、請求項6に記載の発明に係る液晶
表示パネルによれば、反射層の浮き上がりを一層低減す
ることができるので、より良好な拡散反射膜を有する液
晶表示パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶表示パネルの実施形態を示
す概略断面図
【図2】 図1に示す液晶表示パネルに形成された拡散
反射膜を示す断面図
【図3】 本発明に係る液晶表示パネルに形成された拡
散反射膜の他の実施形態を示す断面図
【符号の説明】
1 反射型液晶表示パネル 2a、2b、15 透明基板 3a、3b 透明電極 5、16 拡散反射膜 7、17 拡散層 8、18 中間層 9、20 反射層
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA03 BA12 BA20 DA02 DA11 DA15 DC02 2H090 JA06 JB02 JC07 JC08 JD17 LA10 LA20 2H091 FA14Y FA16Y FA31Y FB06 FB11 FC02 FC22 FC25 LA04 LA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散層と、前記拡散層の表面に形成され
    た中間層と、前記中間層の表面に形成された反射層とに
    より構成されている拡散反射膜が配設されている液晶表
    示パネル用基板において、前記中間層を塗布焼成型セラ
    ミックによって構成することを特徴とする液晶表示パネ
    ル用基板。
  2. 【請求項2】 前記中間層に、この中間層の材料と異な
    る熱膨張率の材料からなる複数の微粒子を混入すること
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル用基板。
  3. 【請求項3】 透明基板の一面に、拡散反射膜を配設す
    る液晶表示パネル用基板の製造方法において、前記透明
    基板の一面に感光性樹脂からなる拡散層を形成し、前記
    拡散層の表面に、塗布焼成型セラミック前駆体からなる
    塗布液を塗布した後、前記塗布液を200℃以下の温度
    で焼成することにより硬化させて中間層を形成し、前記
    中間層の表面に反射層を形成することにより、前記拡散
    反射膜を配設することを特徴とする液晶表示パネル用基
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塗布焼成型セラミック前駆体を、金
    属アルコキシドもしくはポリシラザンとすることを特徴
    とする請求項3に記載の液晶表示パネル用基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 一対の液晶表示パネル用基板を有してな
    り、前記一対の液晶表示パネル用基板のうち一方の液晶
    表示パネル用基板に、拡散層と、前記拡散層の表面に形
    成された中間層と、前記中間層の表面に形成された反射
    層とにより構成されている拡散反射膜が配設されている
    液晶表示パネルにおいて、前記中間層を塗布焼成型セラ
    ミックによって構成することを特徴とする液晶表示パネ
    ル。
  6. 【請求項6】 前記中間層に、この中間層の材料と異
    なる熱膨張率の材料からなる複数の微粒子を混入するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の液晶表示パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015002042A1 (ja) * 2013-07-05 2015-01-08 株式会社カネカ 太陽電池モジュール用防眩膜、防眩膜付き太陽電池モジュールおよびそれらの製造方法

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