JP2003015041A - 光学系及びそれを用いた装置 - Google Patents

光学系及びそれを用いた装置

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JP2003015041A JP2001201869A JP2001201869A JP2003015041A JP 2003015041 A JP2003015041 A JP 2003015041A JP 2001201869 A JP2001201869 A JP 2001201869A JP 2001201869 A JP2001201869 A JP 2001201869A JP 2003015041 A JP2003015041 A JP 2003015041A
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大二郎 児玉
Yasuyuki Oyagi
康之 大八木
Tetsuei Takeyama
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の波長で高効率に利用され、明るく色再
現性の良い表示画像観察が可能な表示装置用観察光学
系、撮像光学系。 【解決手段】 第1プリズム3と第2プリズム4との間
に接合配置された体積型ホログラム素子6を含み、ホロ
グラム素子6は、少なくとも第1波長に対応した第1格
子ベクトルと、第1より短波長の第2波長に対応した第
2格子ベクトルを含み、第1と第2波長とを含んだ光束
がホログラム素子6を透過する際に、第1波長の光束
は、第1格子ベクトルとから求められる回折効率が10
%以上を示す第1λθ連続曲線状領域と、第2格子ベク
トルとから求められる回折効率が10%以上を示す第2
λθ連続曲線状領域の間の領域の入射角度範囲にて透過
し、第2波長の光束は、第2λθ連続曲線状領域より短
波長側の領域の入射角度範囲を透過するように設定され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系及びそれを
用いた装置に関し、特に、観察光学系や撮像光学系であ
って、例えば、観察者の頭部又は顔面に保持することが
でき、また、携帯電話や携帯情報端末に付加することが
できる画像表示装置等に用いる光学系に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、個人が大画面の画像を楽しむこと
を目的として、画像表示装置、特に、頭部や顔面に装着
するタイプの画像表示装置の開発が盛んになされてい
る。また、近年、携帯電話の普及や携帯情報端末の画像
や文字データを大画面で見たいというニーズが高まって
いる。
【0003】このような中、特定の光線入射角幅の光の
みを反射回折し、それ以外の光線入射角の光を透過する
ビームスプリッターと類似する機能を有する反射型ホロ
グラム素子を用いた車両用表示装置が、特許第2,99
3、319号で提案されている。この特許第2,99
3、319号のものでは、反射型ホログラム素子の角度
選択性の性質を用いてビームスプリッター機能を実現す
ることで、光源からの光を高効率で観察者へ導くことが
できることが提案されている。
【0004】また、空気中の球面基板上に形成された反
射型ホログラム素子と、同じく空気中の平面基板上に形
成された反射型ホログラムとを組み合わせた観察光学系
が、米国特許第4,874,214号で提案されてい
る。この場合に、平面基板上に形成された反射型ホログ
ラムは、角度選択性の性質を用いてビームスプリッター
機能を実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特許第2,99
3、319号では、緑の波長領域に対応する単色(単バ
ンド:波長帯域)の反射型ホログラム素子で、角度選択
性の性質を利用してホログラムビームスプリッターを実
現するための手段のみが提案されており、例えば、赤
(R)・緑(G)・青(B)等の複数バンド光(3バン
ド光)において、反射型ホログラム素子の角度選択性を
利用したビームスプリッターを実現しようとする場合に
ついては考慮がなされていない。
【0006】また、反射型ホログラム素子の角度選択性
を利用したビームスプリッター機能を実現するための光
学パワー配置等の具体的構成が記載されていない。
【0007】また、米国特許第4,874,214号で
提案されている観察光学系は、球面に球面形状を有する
ホログラム素子を備えている。ところで、ホログラム素
子には、幾何形状による光学的パワーと、ホログラム素
子の回折効果による光学的パワーとの2種類が存在す
る。例えば、球面形状の基板部材にホログラム素子を設
けた場合の2種類のパワーを図を用いて説明すると、ホ
ログラム素子は、図28(a)に示すように、ホログラ
ム素子内部の周期構造のピッチ等、干渉縞の密度の違い
によるパワーを有し、また、図28(b)に示すよう
に、その幾何形状による光学的パワーを有する。そし
て、幾何形状による光学的パワーは、ホログラム基板の
曲率半径をRとした場合、従来の光学屈折レンズ及び反
射鏡の場合、次式により光学パワーΦを算出することが
できる。
【0008】屈折系の場合:Φ=(n−1 )(1/R) 表面鏡の場合:Φ=2/R 裏面鏡の場合:Φ=2n/R ただし、Φ:幾何形状による光学パワー n:媒質の屈折率 R:ホログラム基板の曲率半径 したがって、表面鏡と裏面鏡を比較した場合、幾何形状
によってある一定量の光学パワーを得るために、裏面鏡
は表面鏡に対して1 /nだけ緩い曲率半径Rで構成でき
ることが分かる。
【0009】すなわち、裏面鏡のように、反射型ホログ
ラム素子の内部をガラスやプラスチック等の屈折率nの
媒質で満たすことで、幾何形状を緩い曲率半径Rとして
も、大きな幾何形状による光学パワーが得られることを
意味する。
【0010】このように、緩い曲率半径Rで、大きな光
学パワーを発生させられる構成を光学系に採用すること
で、このホログラム面で発生する収差を抑制することが
できるのである。
【0011】しかし、上記米国特許第4,874,21
4号に記載の観察光学系は、平面と球面との間がガラス
やプラスチック媒質で満たされていないため、球面形状
を有する幾何形状による光学パワーを必要量確保するた
めに、幾何形状をより小さな曲率半径Rで構成する必要
がある。
【0012】より小さな曲率半径Rで幾何形状を構成す
ると、この反射面で発生する収差が増大し、良好な画像
表示が困難となってしまう。また、像面と上記曲面との
間の光路に光学面が存在しないため、ディストーション
を良好に補正することが困難となってしまう。
【0013】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、その目的は、複数の
波長において高効率に利用され、明るく色再現性の良い
表示画像の観察が可能であり、組み立てが容易で、振動
等の衝撃に強く、軽く、コンパクトで、さらに、良好に
収差補正された表示画像の観察が可能な画像表示装置用
の観察光学系、さらには撮像光学系、及び、それらを用
いた装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の光学系は、像面と光学的瞳との間に配置された全
体として正のパワーを有する光学系において、前記光学
系が、屈折率が1より大きい第1のプリズムと、屈折率
が1より大きい第2のプリズムと、前記第1のプリズム
と前記第2のプリズムとの間に接合配置された体積型ホ
ログラム素子とを含み、前記体積型ホログラム素子は、
少なくとも第1の波長に対応した第1の格子ベクトル
と、前記第1より短波長の第2の波長に対応した第2の
格子ベクトルを含み、前記体積型ホログラム素子は、少
なくとも前記第1の波長における前記体積型ホログラム
素子の各位置によってそれぞれ異なる第1の入射角と第
1の反射回折角と、少なくとも前記第2の波長における
前記体積型ホログラム素子の各位置によってそれぞれ異
なる第2の入射角と第2の反射回折角とで回折効率が最
大となるように構成され(例えば、単層の体積型ホログ
ラムフィルムに複数の波長により多重露光して形成した
素子や、積層型ホログラム素子を含む。第1と第2の波
長とは、RGBの波長領域の中の少なくとも2つの波長
でもよいし、RGBの例えばRの波長領域の中から2つ
の波長を選択し、その中の第1の波長R1と第2の波長
R2の2波長でもよい。)、前記第1のプリズムが前記
光学的瞳側に配置され、前記第2のプリズムが前記像面
側に配置され、前記第2プリズムは、前記体積型ホログ
ラム素子の配置された面とは別の面に、少なくとも1面
の反射面を備えて形成され、前記光学的瞳から前記像面
に到る順方向あるいは逆方向に進む光束であって、少な
くとも前記第1の波長の光線成分と前記第2の波長の光
線成分とを含んだ光束が、前記第1プリズム側から前記
第2プリズム側に向かって順に、前記体積型ホログラム
素子を透過し、前記第2プリズム内の前記反射面にて反
射され、前記第2プリズム内において前記体積型ホログ
ラム素子によって反射回折されるように構成され、前記
第2のプリズム媒質の屈折率と、前記体積型ホログラム
素子媒質の平均屈折率と、前記体積型ホログラム素子媒
質の屈折率変調の振幅と、前記体積型ホログラム素子の
厚さと、前記第1の入射角と、前記第1の反射回折角
と、前記第1の格子ベクトルとから求められる回折効率
が10%以上の角度−波長空間における領域を第1のλ
θ連続曲線状領域と定義し、前記第2のプリズム媒質の
屈折率と、前記体積型ホログラム素子媒質の平均屈折率
と、前記体積型ホログラム素子媒質の屈折率変調の振幅
と、前記体積型ホログラム素子の厚さと、前記第2の入
射角と、前記第2の反射回折角と、前記第2の格子ベク
トルとから求められる回折効率が10%以上の角度−波
長空間における領域を第2のλθ連続曲線状領域と定義
し、前記光束が前記体積型ホログラム素子を透過する際
に、前記第1の波長の透過光束は、前記第1のλθ連続
曲線状領域と前記第2のλθ連続曲線状領域の間の領域
の入射角度範囲にて透過し、前記第2の波長の透過光束
は、前記第2のλθ連続曲線状領域より短波長側の領域
の入射角度範囲を透過するように設定されているか、あ
るいは、前記第1の波長と前記第2の波長の透過光束は
共に、前記第2のλθ連続曲線状領域より短波長側の領
域の入射角度範囲を透過するように設定されていること
を特徴とするものである。
【0015】以下、本発明において上記構成をとる理由
と作用について説明する。
【0016】本発明の光学系は、像面と光学的瞳との間
に配置された全体として正のパワーを有する光学系であ
り、光学的瞳から像面に光束を通すときと逆光線追跡、
像面から光学的瞳に光束を通すときを順光線追跡とす
る。像面に画像表示素子を配置し、光学的瞳位置近傍に
観察者の眼の瞳を位置させる、光束を順光線追跡の方向
に通すとき、観察光学系あるいは接眼光学系として使用
でき、像面に銀塩フィルム、CCD等の撮像素子を配置
し、光学的瞳の前方に位置する被写体からの光束を逆光
線追跡の方向に通すとき、撮像光学系として使用でき
る。
【0017】本発明による光学系は、像面と光学的瞳と
の間に配置された全体として正のパワーを有する光学系
であり、屈折率が1より大きい第1のプリズムと、屈折
率が1より大きい第2のプリズムと、その第1のプリズ
ムと第2のプリズムとの間に接合配置された体積型ホロ
グラム素子とを含むものである。そして、第1のプリズ
ムが光学的瞳側に、第2のプリズムが像面側に配置さ
れ、さらに、第2プリズムは、体積型ホログラム素子の
配置された面とは別の面に、少なくとも1面の反射面を
備えて形成されるものである。
【0018】また、体積型ホログラム素子は多重記録又
は多層記録されたものからなり、ホログラムの干渉縞の
回折格子ベクトルKとして、体積形ホログラムの干渉縞
面に垂直なベクトルであって、干渉縞の周期(格子間
隔)をΛとするときに|K|=2π/Λで与えられるベ
クトルとするとき、少なくとも第1の波長に対応した第
1の格子ベクトルと、第1より短波長の第2の波長に対
応した第2の格子ベクトルを含むものであり、かつ、少
なくとも第1の波長における体積型ホログラム素子の各
位置によってそれぞれ異なる第1の入射角と第1の反射
回折角と、少なくとも第2の波長における体積型ホログ
ラム素子の各位置によってそれぞれ異なる第2の入射角
と第2の反射回折角とで回折効率が最大となるように構
成されているものである。
【0019】このような体積型ホログラム素子には、例
えば、単層の体積型ホログラムフィルムに複数の波長に
より多重露光して形成した素子(多重記録)や、積層し
た別々の層に別々の波長のホログラムを別々に記録して
なる積層型ホログラム素子を含むものであり、また、第
1の波長と第2の波長とは、RGBの波長領域の中の少
なくとも2つの波長であってもよいし、RGBの例えば
Rの波長領域の中から2つの波長を選択し、その中の第
1の波長R1と第2の波長R2の2波長であってもよ
い。
【0020】そして、光学的瞳から像面に到る順方向あ
るいは逆方向に進む光束であって、少なくとも第1の波
長の光線成分と第2の波長の光線成分とを含んだ光束
が、第1プリズム側から第2プリズム側に向かって順
に、体積型ホログラム素子を透過し、第2プリズム内の
反射面にて反射され、第2プリズム内において体積型ホ
ログラム素子によって反射回折されるように構成された
光学系である。
【0021】このように、光学系の内部を、第1のプリ
ズム、第2のプリズム、及び、体積型ホログラム素子の
ガラスやプラスチック材料等で満たすことで、各光学作
用面の面形状による光学的パワーを大きくし、球面収差
やコマ収差等の収差を良好に補正することができる。
【0022】本発明の光学系は、第1のプリズムと第2
のプリズムとの間に体積型ホログラム素子が接合配置さ
れた構成となっている。
【0023】光路を分岐するための第1のプリズムと第
2のプリズムとの境界に配置するビームスプリッターと
して体積型ホログラム素子を用いれば、透過時に損失が
ほとんどなく、反射回折時に100%近い回折効率のも
のを得ることができ、光量損失のない明るい画像表示、
撮像が可能になる。また、光学的瞳側の第1プリズムと
像面側の第2プリズムとの2つのプリズムを体積型ホロ
グラム素子を挟んで接合させて1つの部材として構成す
れば、空気間隔の存在による組み立て時の光軸ズレやセ
ッティングの煩雑性を解消でき、組み立てが容易で、振
動等の衝撃に強い観察光学系あるいは撮像光学系を達成
することができる。
【0024】また、体積型ホログラム素子を第1プリズ
ムと第2プリズムで挟んで接合すれば、体積ホログラム
素子を防塵できるので、別個に防塵部材を設けなくても
ゴミ等が拡大観察あるいは像面に写されてしまうのを防
ぐことができ、また、外部からの体積ホログラム素子へ
の水分の侵入により体積ホログラム素子が膨張して回折
効率のピーク波長が変化してしまうのを防ぐことができ
る。
【0025】そして、本発明の光学系は、第2のプリズ
ム媒質の屈折率と、体積型ホログラム素子媒質の平均屈
折率と、体積型ホログラム素子媒質の屈折率変調の振幅
と、体積型ホログラム素子の厚さと、第1の入射角と、
第1の反射回折角と、第1の格子ベクトルとから求めら
れる回折効率が10%以上の角度−波長空間における領
域を第1のλθ連続曲線状領域と定義し、同様に、第2
のプリズム媒質の屈折率と、体積型ホログラム素子媒質
の平均屈折率と、体積型ホログラム素子媒質の屈折率変
調の振幅と、体積型ホログラム素子の厚さと、第2の入
射角と、第2の反射回折角と、第2の格子ベクトルとか
ら求められる回折効率が10%以上の角度−波長空間に
おける領域を第2のλθ連続曲線状領域と定義すると
き、光束が体積型ホログラム素子を透過する際に、第1
の波長の透過光束は、第1のλθ連続曲線状領域と第2
のλθ連続曲線状領域の間の領域の入射角度範囲にて透
過し、第2の波長の透過光束は、第2のλθ連続曲線状
領域より短波長側の領域の入射角度範囲を透過するよう
に設定されているか、あるいは、第1の波長と第2の波
長の透過光束は共に、第2のλθ連続曲線状領域より短
波長側の領域の入射角度範囲を透過するように設定され
ている、ものである。
【0026】このような設定の意味を以下に説明する。
【0027】まず、例えば、赤・緑・青等の複数バンド
光(3バンド光。なお、各バンドは単波長でもよい。)
において、反射型ホログラム素子(体積型ホログラム素
子)の角度選択性を利用したビームスプリッターを実現
しようとする場合について説明する。
【0028】反射型ホログラム素子について、Kogelnik
のCoupled Wave theory (The BellSystem Technical J
ournal Vol.48,No.9,pp.2909-2947(Nov.1969))による
と、反射型ホログラム素子の回折効率ηは、媒質での吸
収が無視できる場合に、次式(A)で与えられる。
【0029】 η=1/[1+(1−ξ2 /ν2 )/sinh2 {√(ν2 −ξ2 )}] ・・・(A) ここで、νとξは次式で与えられる。
【0030】 ν=πtΔn/{λ√(cosθR ・cosθS )} ξ=t/2×(kRz+Kz −kSz) ただし、 t:感光材料の厚み λ:真空中の波長 θR :入射光とホログラム面法線ベクトルのなす角 θS :回折光とホログラム面法線ベクトルのなす角 kRz:入射光の波数ベクトルのホログラム面法線方向の
成分 kSz:回折光の波数ベクトルのホログラム面法線方向の
成分 Kz :回折格子ベクトルのホログラム面法線方向の成分 Δn:ホログラム媒質の屈折率変調の振幅 n:ホログラム媒質の平均屈折率 である。
【0031】ここで、光の波数ベクトルkは、|k|=
2πn/λで与えられ、回折格子ベクトルKは、体積型
ホログラムの干渉縞面に垂直なベクトルで干渉縞の周期
(格子間隔)をΛとすると、|K|=2π/Λで与えら
れる。なお、ブラッグの条件を満足する場合のK、
R 、kS 、Kz Rz、kSzの関係を示すベクトルダイ
アグラムを図11に示す。
【0032】ここで、例示として、フィルム厚さt=2
5μm、平均屈折率n=1.5、屈折率変調の振幅Δn
=0.03の体積型ホログラム用フィルムを用いて、赤
・緑・青のそれぞれのバンド光に対応する中心波長が6
30nm、543nm、470nmで、入射角が−30
°、反射角度が30°の正反射するという特性を有する
積層型ホログラムミラーの回折効率ηを式(A)を用い
て求めた場合の結果を図8に示す。図8の横軸は、反射
型ホログラム面の法線と入射する光線とのなす角度
(°)を示し、縦軸は波長(μm)をとっている。図8
中では、赤・緑・青のそれぞれのバンド光を10%以上
の回折効率で回折する領域を黒領域で示してある。この
場合、赤・緑・青のそれぞれのバンド光用の3本の上へ
凸を向けた弓状の高回折効率領域が存在する。
【0033】図8のように、3バンド光に対応する反射
型ホログラム素子によって角度選択性を応用したビーム
スプリッター機能を実現するためには、3バンド光を同
時に透過させるために、赤・緑・青バンド光用の3つの
弓状の高回折効率の領域外の角度のみで透過光が反射型
ホログラム面へ入射するという条件を満足させる必要が
ある。
【0034】具体的に、図8を参照して説明する。光源
として赤バンド光が、波長0.6μm〜0.64μm、
緑バンド光が、波長0.51μm 〜0.545μm、青
バンド光が、波長0.45μm〜0.47μmの発光ス
ペクトルを有するLED等の光源を用いた場合を考え
る。図8中に、赤・緑・青の各バンド光が3つの弓状の
高回折効率で回折されることなく透過するビームスプリ
ッター機能が実現できる角度領域は、右斜線、左斜線及
び縦線でハッチを描いた四角の領域内だけに限定する必
要がある。
【0035】さらに望ましくは、図9(回折特性は図8
と同じ)中の右斜線、左斜線および縦線で示した3つの
弓状の高回折効率の下側の角度領域のみを用いて、光線
を透過させる構成が望ましい。その理由は、赤・緑・青
の各バンド光で、共通の角度領域を利用できるため、光
学系を構成しやすいためである。
【0036】さらに望ましくは、図10の例のように、
右斜線、左斜線および縦線で示した3つの全ての弓状の
高回折効率の下側の角度領域である−21.0°〜2
1.0°の範囲を用いることが望ましい。理由は、複数
のバンド光の中心波長の選択自由度が増し、光学系を構
成しやすいためである。なお、図10の場合は、フィル
ム厚さt=25μm、平均屈折率n=1.52、屈折率
変調の振幅Δn=0.017の体積型ホログラム用フィ
ルムを用いて、赤・緑・青のそれぞれのバンド光に対応
する中心波長が630nm、525nm、470nm
で、ホログラムの入射側の媒質の屈折率1.52で、入
射角が−50.6°、反射角度が50.7°で反射する
ものの、赤・緑・青のそれぞれのバンド光を10%以上
の回折効率で回折する領域を示してある。
【0037】ところで、本発明の光学系は、光学系内部
をガラスあるいはプラスチック等の屈折率が1より大き
な透明媒質で構成しているため、反射面及び反射型ホロ
グラム面による反射時の形状による光学パワーが、より
緩い曲率半径Rで確保できる。そのため、各反射面での
収差発生を抑制することができ、良好な収差補正がなさ
れている。また、光学系内部を屈折率が1より大きな透
明媒質で構成しているため像面の前面に屈折面を配置す
ることができ、良好なディストーション補正が可能にな
る。
【0038】また、本発明の光学系は、第1プリズム媒
質と第2プリズム媒質とを、同種の媒質で構成するのが
好ましい。
【0039】また、本発明の光学系は、第1プリズムの
体積型ホログラム素子が接合される面の面形状と第2プ
リズムの前記体積型ホログラム素子が接合される面の面
形状とが、略同一形状にて構成するのが好ましい。
【0040】なお、ここで、略同一形状とは、製造誤差
の範囲での面形状の相違は許容する趣旨である。
【0041】本発明の光学系において、体積型ホログラ
ム素子はフィルムタイプの平面のホログラム素子である
ことが一般的であり、この平面のホログラム素子を貼り
付ける基板である第1プリズムの面と第2プリズムの面
の形状は、平面及びシリンドリカル面であることが望ま
しい。
【0042】ここで、第1プリズム、第2プリズムの面
配置の具体例としては、後記の実施例のように、光学的
瞳から像面に光線が到る順に、第1プリズムが、少なく
とも、第1プリズム媒質を間に挟んで、光学的瞳からの
光線を第1プリズム内に入射させる第1入射面と、第1
プリズム外に光線を射出させる第1射出面とを有し、第
2プリズムが、少なくとも、第2プリズム媒質を間に挟
んで、第1プリズムから射出した光線を第2プリズム内
に入射させる第2入射面と、第2プリズム内で光線を反
射させる反射面と、第2プリズム外に光線を射出させる
第2射出面とを有し、第2プリズムのその反射面が、反
射時に光線に正のパワーを与えるような凹面形状の曲面
に形成されているものとすることが望ましい。
【0043】この場合に、本発明の光学系は、第1プリ
ズムの第1入射面を、透過時に光線にパワーを与えるよ
うな曲面形状に形成し、第2プリズムの第2射出面を、
透過時に光線にパワーを与えるような曲面形状に形成す
ることが望ましい。
【0044】また、本発明の光学系は、第1プリズムと
第2プリズムの備えた光線を透過及び反射させる光学作
用面以外の非光学作用面に、ゴースト光が観察者の眼球
へ入射しないようなゴースト光除去部材を設けるのが好
ましい。
【0045】ゴースト光除去部材は、第2プリズムの第
2射出面を上面と定義したときの光学部材の底面及び側
面に設けることが効果的である。さらに、第2射出面内
の光線有効径外や、第2プリズムの反射面内の光線有効
径外や、第1プリズムの第1入射面内の光線有効径外の
領域も非光学作用面に含まれ、この部分にゴースト光除
去部材を設けることも有効である。
【0046】また、本発明の光学系は、第1プリズムの
第1入射面の面形状が回転非対称な収差を補正する作用
を持った回転非対称な曲面形状にて構成されているのが
好ましい。
【0047】また、本発明の光学系は、第1プリズムの
第1入射面の回転非対称な曲面形状は、対称面が1面の
みの自由曲面にて構成され、前記唯一の対称面は、光軸
の折り返し面(Y−Z平面)に一致しているのが好まし
い。
【0048】また、本発明の光学系は、第2プリズムの
第2射出面の面形状が回転非対称な曲面形状にて構成さ
れているのが好ましい。
【0049】このように、画像表示素子(光学的瞳から
像面に逆方向に光束が進む場合で、像面に画像表示素子
が配置される観察光学系の場合)又は撮像素子(光学的
瞳から像面に順方向に光束が進む場合で、像面に撮像素
子が配置される場合)の前面に透過面(第2プリズムの
第2射出面)を配置すれば、ディストーションを良好に
補正することができる。なお、この画像表示素子又は撮
像素子の前面の形状は回転対称面で構成することも可能
であるが、光学系の小型化を目的として光学作用面を偏
心配置した際の偏心収差を補正するためには、自由曲面
を用いることが更に望ましい。
【0050】また、本発明の光学系は、第2プリズムの
第2射出面の回転非対称な曲面形状が、対称面が1面の
みの自由曲面にて構成され、その唯一の対称面が、光軸
の折り返し面(Y−Z平面)に一致しているのが好まし
い。
【0051】なお、本発明において、第1プリズムを構
成する面及び第2プリズムを構成する面は、回転非対称
なディストーション補正やテレセントリック性の良好な
光学系とするために自由曲面等の回転非対称な面が望ま
しいが、球面、非球面等の回転対称な面で構成すること
も可能である。また、アナモルフィック面で構成しても
よい。
【0052】また、本発明の光学系は、体積型ホログラ
ム素子が光線を反射回折により回転対称成分と回転非対
称成分の両方の倍率色収差を補正するように構成されて
いるのが好ましい。
【0053】反射型の体積型ホログラム素子で回転対称
成分及び回転非対称成分の倍率色収差補正を行うことで
高いコントラストが実現できる。
【0054】また、反射型の体積型ホログラム素子の角
度選択性の性質を応用してビームスプリッター機能を実
現するためには、本発明の光学系において下記の2つの
条件式の少なくとも何れかを満足することが望ましい。
【0055】 −0.20<PX4/PX<0.50 ・・・(1) −0.20<PY4/PY<0.30 ・・・(2) ここで、光学的瞳の中心を通る軸上主光線の方向をZ軸
方向にとり、光学系、光学面の偏心方向をY軸方向と
し、Y軸、Z軸に直交する方向をX軸方向とし、光学的
瞳側から軸上主光線と平行なY−Z面内の微小な高さd
の光線を入射し、光学系から射出したその光線と軸上主
光線のY−Z面に投影したときのなす角をδyとし、δ
y/dをY方向の光学系のパワーPY、光学的瞳側から
軸上主光線と平行なX−Z面内の微小な高さdの光線を
入射し、光学系から射出したその光線と軸上主光線のY
−Z面に直交する面であって軸上主光線を含む面に投影
したときのなす角をδxとし、δx/dをX方向の光学
系のパワーPXとする。同様に光学系を構成する第2プ
リズム内の反射面のY方向のパワーPY4、X方向のパ
ワーPX4とする。
【0056】上記条件式(1)、(2)の値が下限の−
0.20を越えて小さくなると、偏心して配置されてい
る反射面の光学面パワーが負に大きくなりすぎ、その反
射面で発生する偏心収差が補正できなくなる。また、反
射型ホログラム面における透過時の光線入射角バラツキ
幅が大きくなり、多重回折が発生してしまう。その結
果、高精細な画像表示が困難となり、また、体積型ホロ
グラム素子がビームスプリッターとして機能しなくな
る。
【0057】また、条件式(1)、(2)の値が上限の
それぞれ0.50、0.30を越えて大きくなると、偏
心して配置されている反射面の光学面パワーが正に大き
くなりすぎ、その反射面で発生する偏心収差が補正しで
きなくなる。また、反射型ホログラム面における光線入
射角バラツキ幅が大きくなり、多重回折が発生してしま
う。その結果、高精細な画像表示が困難となり、また、
体積型ホログラム素子がビームスプリッターとして機能
しなくなる。
【0058】さらに望ましくは、下記の2つの条件式の
少なくとも何れかを満足することが望ましい。
【0059】 0.00<PX4/PX<0.35 ・・・(1−1) −0.10<PY4/PY<0.20 ・・・(2−1) これらの条件式の下限及び上限の意味は前述と同様であ
る。
【0060】さらに望ましくは、下記の2つの条件式の
少なくとも何れかを満足することが望ましい。
【0061】 0.15<PX4/PX<0.25 ・・・(1−2) 0.00<PY4/PY<0.10 ・・・(2−2) これらの条件式の下限及び上限の意味は前述と同様であ
る。
【0062】なお、後記の実施例1の場合のこれらの条
件式の値は次の通りである。
【0063】PX4/PX=0.190 PY4/PY=0.045 以上の本発明の光学系は、像面に2次元画像表示素子を
配置し、光学的瞳側から2次元画像表示素子の拡大像が
観察可能な観察光学系として構成することができる。
【0064】その場合、例えば、その観察光学系として
内蔵した本体部と、その観察光学系の光学的瞳を観察者
の眼球位置に保持するように本体部を観察者頭部に支持
する支持部材と、観察者の耳に音声を与えるスピーカー
部材とを有する頭部装着型画像表示装置として構成する
ことができる。
【0065】そして、その本体部が、右眼用の観察光学
系と左眼用の観察光学系とを備え、スピーカー部材が、
右耳用スピーカー部材と左耳用スピーカー部材とを有す
るように構成することができる。また、そのスピーカー
部材としてイヤホンで構成することができる。
【0066】また、本発明の光学系は、観察系だけでな
く、撮像系への適用も可能である。そのためには、像面
に撮像素子を配置し、光学的瞳側から物体光を入射して
物体像を撮像可能に構成すればよい。
【0067】なお、本発明では、軸上主光線を、観察光
学系においては、射出瞳を構成する光学的瞳中心を通り
2次元画像表示素子の中心に到達する光線で逆光線追跡
で、撮像光学系においては、明るさ絞りを構成する光学
的瞳中心を通り撮像素子の中心に到達する光線で順光線
追跡で定義する。そして、軸上主光線が射出瞳又は明る
さ絞りの中心から第1プリズムの第1入射面に交差する
までの直線によって定義される光軸をZ軸と定義し、ま
た、このZ軸と直交し、かつ、第1プリズムを構成する
各面の偏心面内の軸をY軸と定義し、さらに、Z軸と直
交し、かつ、Y軸と直交する軸をX軸と定義する。ま
た、射出瞳又は明るさ絞りの中心を本発明の観察光学系
又は撮像光学系における座標系の原点とする。また、本
発明においては、上述のように射出瞳から2次元画像表
示素子に向かう逆光線追跡、又は、明るさ絞りから撮像
素子に向かう順光線追跡で面番号をつけることとし、軸
上主光線が、射出瞳から2次元画像表示素子に至る方向
又は明るさ絞りから撮像素子に至る方向をZ軸の正方
向、2次元画像表示素子に向かうY軸の方向又は撮像素
子に向かうY軸の方向をY軸の正方向、Y軸とZ軸と右
手系を構成するX軸の方向をX軸の正方向とそれぞれ定
義する。
【0068】ここで、本発明で使用する自由曲面は、次
式(a)により定義する。なお、その定義式のZ軸が自
由曲面の軸となる。
【0069】 ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面
項である。
【0070】球面項中、 c:頂点の曲率 k:コーニック定数(円錐定数) r=√(X2 +Y2 ) である。
【0071】自由曲面項は、 ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数であり、j=
{(m+n)2 +m+3n}/2+1(m,nは0以上
の整数)の関係にある。
【0072】上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、
Y−Z面共に対称面を持つことはないが、本発明では、
Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と
平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。この
ような自由曲面は、例えば、上記定義式においては、C
2 、C5 、C7 、C9 、C12、C14、C16、C18
20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・
・の各項の係数を0にすることによって達成することが
可能である。
【0073】また、Yの奇数次項を全て0にすることに
よって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自
由曲面となる。このような自由曲面は、例えば、上記定
義式においては、C3 、C5 、C8 、C10、C12
14、C17、C19、C21、C23、C25、C27、C30、C
32、C34、C36・・・の各項の係数を0にすることによ
って達成することが可能である。
【0074】また、上記対称面の方向の何れか一方を対
称面とし、それに対応する方向の偏心、例えば、Y−Z
面と平行な対称面に対して光学系の偏心方向はY軸方向
に、X−Z面と平行な対称面に対しては光学系の偏心方
向はX軸方向にすることで、偏心により発生する回転非
対称な収差を効果的に補正しながら同時に製作性も向上
させることが可能となる。
【0075】また、上記定義式(a)は、上述のように
1つの例として示したものであり、本発明において、対
称面を1面のみ有する回転非対称面を用いることで偏心
により発生する回転非対称な収差を補正し、同時に製作
性も向上させるという特徴を有しているが、上記定義式
(a)以外の他のいかなる定義式に対しても同様の効果
が得られることは言うまでもない。
【0076】本発明において、第2プリズムに設けられ
た反射面の形状を、唯一の対称面を1面のみ有した面対
称自由曲面形状にて構成することができる。
【0077】また、本発明における体積型ホログラム素
子の体積型ホログラム(HOE)は以下のように定義す
る。図12は本発明におけるHOEを定義するための原
理図である。
【0078】まず、HOE面に入射し、さらに射出する
波長λの光線追跡は、基準波長λ0=HWLに対して定
義されるHOE面上での光路差関数Φ0 を用いて、次式
(b)で与えられる。
【0079】 nd d ×N=ni i ×N+m(λ/λ0 )∇Ф0 ×N ・・・(b) ただし、NはHOE面の法線ベクトル、ni (nd )は
入射側(射出側)の屈折率、Qi (Qd )は入射(射
出)ベクトル(単位ベクトル)である。また、m=HO
Rは射出光の回折次数である。
【0080】HOEが基準波長λ0 の2点光源、すなわ
ち、図12に示すように、点P1 =(HX1,HY1,
HZ1)を光源とする物体光、及び、点P2 =(HX
2,HY2,HZ2)を光源とする参照光の干渉によっ
て製造される(定義される)とすれば、 Φ0 =Φ0 2P =n2 ・s2 ・r2 −n1 ・s1 ・r1 となる。ただし、r1 (r2 )は点P1 (点P2 )から
HOE面の所定の座標Pまでの距離(>0)、n1 (n
2 )は製造時(定義時)にHOEを置く媒質の点P
1 (点P2 )を配置した側の屈折率であり、s1 =HV
1、及び、s2 =HV2は光の進行方向を考慮する符号
である。この符号は、光源が発散光源(実点光源)であ
る場合に、REA=+1、逆に光源が収束する光源(仮
想点光源)の場合にVIR=−1となる。なお、レンズ
データ中におけるHOEの定義として、製造時(定義
時)にHOEを置く媒質の屈折率n1 (n2 )は、レン
ズデータ中でHOE面が接している媒質の、点P1 (点
2 )が存在する側の屈折率とする。
【0081】一般的な場合、HOEを製造する際の参照
光と物体光は球面波とは限らない。この場合のHOEの
光路差関数Φ0 は、多項式で表した付加的な位相項Φ0
Poly(基準波長λ0 における光路差関数)を加えて次式
(c)で表わすことができる。
【0082】 Φ0 =Φ0 2P +Φ0 Poly ・・・(c) ここで、多項式は、 であり、一般には、j={(m+n)2 +m+3n}/
2で定義することができる。ただし、Hj は各項の係数
である。
【0083】さらに光学設計の便宜から、光路差関数Φ
0 を、 Φ0 =Φ0 Polyのように付加項のみで表し、それによっ
てHOEを定義することもできる。例えば、2点光源P
1 (点P2 )を一致させると光路差関数Φ0 の干渉によ
る成分Φ 0 2P はゼロとなるので、この場合は実質的に付
加項(多項式)のみで光路差関数を表示したことに相当
する。
【0084】以上のHOEに関する説明は、全てHOE
原点を基準とするローカル座標に対するものである。
【0085】以下に、HOEを定義する構成パラメータ
の例を示す。 面番号 曲率半径 面間隔 物体面 ∞ ∞ 1 ∞(絞り) 100 2 150(HOE) -75 HOE HV1(s1 ):REA(+1) HV2(s2 ):VIR(−1) HOR(m) :1 HX1=0 HY1=-3.40 ×109 HZ1=-3.40 ×109 HX2=0 HY2= 2.50 ×10 HZ2=-7.04 ×10 HWL(λ0 )=544 H1 -1.39 ×10-21 2 -8.57 ×10-53 -1.50 ×10-4
【0086】後記の実施例1においては、波長630n
mを中心とする赤バンド光を角度選択的に回折するHO
E一層のみからなるように定義されているが、他の波
長525nmを中心とする緑バンド光のHOE、波長4
70nmを中心とする青バンド光のHOEについては、
ホログラム表面の干渉縞の形状、間隔が赤バンド光のH
OEと同じになるので、式(c)で表わされる光路差
関数Φ0 は同じになるため、表記していない。ただし、
当然各HOEのホログラム媒質内の干渉縞の間隔と傾き
は異なるので、ホログラム面内の離散的な6つの点にお
ける各HOEのホログラム媒質内の干渉縞の間隔と傾き
を示して、赤・緑・青の3つの体積型ホログラムを示し
てある。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学系の実施例1
について説明する。
【0088】なお、実施例1の構成パラメータは後に示
すことにする。この実施例1を観察光学系の例であり、
図1に示すように、軸上主光線2を、射出瞳1の中心
(観察者眼球の旋回中心位置)から第1プリズム3、第
2プリズム4、2次元画像表示素子として設けられたL
CD5の中心に至る光線で定義する。そして、軸上主光
線2が第1プリズム3の射出瞳1側の面31 に交差する
までの直線によって定義される光軸をZ軸とし、このZ
軸と直交し、かつ、プリズムを構成する各面の偏心面内
の軸をY軸と定義し、前記光軸と直交し、かつ、前記Y
軸と直交する軸をX軸と定義する。また、射出瞳1の中
心をこの座標系の原点とする。そして、軸上主光線2が
射出瞳1からLCD5に至る方向をZ軸の正方向、LC
D5に向かうY軸の方向をY軸の正方向、Y軸とZ軸と
右手系を構成するX軸の方向をX軸の正方向とそれぞれ
定義する。
【0089】実施例1では、第1プリズム3及び第2プ
リズム4はこのY−Z平面内で偏心を行っており、ま
た、第1プリズム3及び第2プリズム4に設けられる各
回転非対称自由曲面の唯一の対称面をY−Z面としてい
る。
【0090】偏心面については、光学系の原点の中心か
らその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z
軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自
由曲面については、前記の(a)式のZ軸)のX軸、Y
軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,
β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβ
の正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γ
の正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。な
お、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中
心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時
計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を
新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させる
と共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りに
β回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新
たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ
回転させるものである。
【0091】また、実施例1の光学系を構成する光学作
用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成
する場合には面間隔が与えられており、その他、球面の
曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与
えられている。
【0092】また、本発明で用いられる自由曲面の面の
形状は、前記の(a)式により定義される自由曲面であ
り、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0093】また、自由曲面の他の定義式として、Ze
rnike多項式がある。この面の形状は次式(d)に
より定義する。その定義式(d)のZ軸がZernik
e多項式の軸となる。回転非対称面の定義は、X−Y面
に対するZの軸の高さの極座標で定義され、RはX−Y
面内のZ軸からの距離、AはZ軸回りの方位角で、X軸
から測った回転角で表せられる。
【0094】 x=R×cos(A) y=R×sin(A) Z=D2 +D3 Rcos(A)+D4 Rsin(A) +D5 2 cos(2A)+D6 (R2 −1)+D7 2 sin(2A) +D8 3 cos(3A) +D9 (3R3 −2R)cos(A) +D10(3R3 −2R)sin(A)+D113 sin(3A) +D124cos(4A)+D13(4R4 −3R2 )cos(2A) +D14(6R4 −6R2 +1)+D15(4R4 −3R2 )sin(2A) +D164 sin(4A) +D175 cos(5A) +D18(5R5 −4R3 )cos(3A) +D19(10R5 −12R3 +3R)cos(A) +D20(10R5 −12R3 +3R)sin(A) +D21(5R5 −4R3 )sin(3A) +D225 sin(5A) +D236cos(6A)+D24(6R6 −5R4 )cos(4A) +D25(15R6 −20R4 +6R2 )cos(2A) +D26(20R6 −30R4 +12R2 −1) +D27(15R6 −20R4 +6R2 )sin(2A) +D28(6R6 −5R4 )sin(4A) +D296sin(6A)・・・・・ ・・・・(d) ただし、Dm (mは2以上の整数)は係数である。な
お、X軸方向に対称な光学系として設計するには、
4 ,D5 ,D6 、D10,D11,D12,D13,D14,D
20,D21,D22…を利用する。
【0095】また、回転非対称面な自由曲面の形状は次
の式(e)により定義することもできる。その定義式
(e)のZ軸が回転非対称面の軸となる。
【0096】 Z=Σn Σm nmn n-m ・・・・(e) ただし、Σn はΣのnが0〜k、Σm はΣのmが0〜n
を表わす。
【0097】なお、本発明の実施例1では、前記(a)
式を用いた自由曲面で面形状が表現されているが、上記
(d)式、(e)式を用いても同様の作用効果が得られ
るのは言うまでもない。
【0098】以下、実施例1について具体的に説明す
る。この実施例では、観察光学系を用いた画像表示装置
として説明する。
【0099】本発明の実施例1に係る観察光学系の光軸
を含むY−Z断面図を図1に示す。この実施例の観察光
学系は、像面側に観察者が観察する画像を表示する2次
元画像表示素子として配置されたLCD5と、2次元画
像表示素子によって形成された観察像を観察するために
観察者の眼球位置(瞳面)に形成する射出瞳1に導く接
眼光学部材を有している。
【0100】接眼光学部材は、第1プリズム3と、第2
プリズム4を含んで構成されている。なお、この実施例
の説明において、光学系の面番号は原則として射出瞳1
からLCD5に至る順番で追跡(逆光線追跡)し、第1
及び第2プリズムにおける各面の順番も逆光線追跡に合
わせて表すこととする。
【0101】第1プリズム3は、ガラス又はプラスチッ
ク等の透明なプリズム媒質を挟んで、第1入射面31
第1射出面32 を有している。
【0102】第2プリズム4は、ガラス又はプラスチッ
ク等の透明なプリズム媒質を挟んで、第2入射面41
反射面42 、第2射出面43 を有している。
【0103】第1プリズム3と第2プリズム4とは、そ
の間にホログラム素子として反射型の体積型ホログラム
(HOE)6を挟んで接合されている。
【0104】なお、第1プリズム3のプリズム媒質と第
2プリズム4のプリズム媒質は、共にガラス又は共にプ
ラスチックというように、同じ媒質で構成されている。
【0105】第2プリズム4の第2射出面43 は、LC
D5側に配置されていて、観察像からの光線を透過して
第2プリズム4内に入射させる作用を有し、透過時にそ
の光線にパワーを与えるような対称面が1面のみの自由
曲面形状に形成されている。
【0106】反射面42 は、第2プリズム4内で光線を
反射させる作用を有し、反射時に光線に正のパワーを与
えるような凹面形状の曲面(ここでは自由曲面)に形成
されている。また、反射面42 には、ミラーコーティン
グが施されている。
【0107】第2入射面41 は、X軸方向に曲率を有
し、Y軸方向では曲率を持たないシリンドリカル面で形
成され、第2プリズム4外に光線を射出させる作用を有
する。
【0108】第1プリズム3の第1射出面32 は、第2
プリズム4側に配置されていて、第2プリズム4から射
出した光線を透過して第1プリズム3内に入射させる作
用を有し、第2プリズム4の第2入射面41 と略同一の
形状で構成されている。
【0109】第1入射面31 は、第1プリズム3外に光
線を射出させる作用を有し、透過時に光線にパワーを与
えるような対称面が一面のみの自由曲面形状に形成され
ており、前記接眼光学部材で発生する回転非対称なコマ
収差又は非点収差の少なくとも一方の回転非対称な収差
を補正する作用を有している。
【0110】なお、第1プリズム3の第1入射面31
第2プリズム4の反射面42 、第2射出面43 の自由曲
面における唯一の対称面は、光軸の折り返し面(Y−Z
面)に一致している。
【0111】そして、実施例1の観察光学系では、LC
D5から射出された赤・緑・青それぞれのバンド光は、
第2射出面43 を透過して第2プリズム4の内部に入射
した後、第2入射面41 に貼り付けられた体積型ホログ
ラム6に対して、それぞれ第1の入射角、第2の入射
角、第3の入射角で入射する。このとき、入射した赤・
緑・青それぞれのバンド光は、体積型ホログラム6面に
おいて100%近い反射回折効率でもってそれぞれ第1
の反射回折角、第2の反射回折角、第3の反射回折角で
回折反射され、反射面42 に向かい反射面42 で反射さ
れて、第2入射面41 に貼り付けられた体積型ホログラ
ム6に対して、それぞれ第1の入射角、第2の入射角、
第3の入射角以外の入射角度で入射する。このときの入
射角度は、体積型ホログラム6の高い回折効率を有する
回折効率の角度選択性より外れるため、赤・緑・青それ
ぞれのバンド光は、体積型ホログラム6を透過して、第
2プリズム4から射出する。その後、それらの光束は、
第1プリズム3の第1射出面32 を透過して第1プリズ
ム3の内部に入射し、第1入射面31 を透過することに
よって第1プリズム3から射出して射出瞳1側に導かれ
る。
【0112】なお、本発明の実施例1においては、観察
光学系として説明することとしているが、観察光学系の
像面にLCD5に換えて撮像素子13を配置し、射出瞳
1に物体からの光束の明るさを絞る明るさ絞り14を配
置することにより、撮像光学系として構成することがで
きる。
【0113】その場合には、第2プリズム4の第2射出
面43 は、第2プリズム4外に光線を射出させる面とし
て作用し、第2入射面41 は、第1プリズム3から射出
した光線を第2プリズム4内に入射させる面として作用
する。また、第1プリズム3の第1射出面32 は、第1
プリズム3外に光線を射出させる面として作用し、第1
入射面31 は、明るさ絞り14を通過した物体からの光
線を第1プリズム3内に入射させる面として作用する。
【0114】また、体積型ホログラム6は、R,G,B
の3層を貼り合わせるか三重記録して構成されており、
前記したように、波長630nmを中心とする赤バンド
光のホログラム、波長525nmを中心とする緑バンド
光のホログラム、波長470nmを中心とする青バンド
光のホログラムは何れも、ホログラム表面の干渉縞の形
状、間隔が相互に同じであり、ホログラム媒質内の干渉
縞の間隔と傾きが相互に異なるものからなる。
【0115】そして、体積型ホログラム6のホログラム
面の反射回折及び透過を兼用してビームスプリッターと
して用いる領域においては、反射回折時にホログラム面
の法線に対して主光線の入射角は、50.6°〜54.
6°の角度分布で入射する。この際、体積型ホログラム
6の回折素子としての光学パワーを利用して光学系の他
の屈折面43 、31 により発生した色収差をキャンセル
することで、回転対称成分及び回転非対称成分の倍率色
収差の補正を行っている。この入射した光線は略正反射
に近い回折角度で射出される。また、体積型ホログラム
6のホログラム面の反射回折及び透過を兼用してビーム
スプリッターとして用いる領域において、透過時にホロ
グラム面の法線に対して主光線の入射角は、−16.2
°〜−18.2°の角度分布で入射する。
【0116】図7に、この実施例の回折効率のシミュレ
ーション用モデル図を示す。媒質n1中に接合されてい
る体積型ホログラム素子6で平均屈折率n、屈折率変調
の振幅Δn、ホログラム厚さtのとき、反射回折させた
い光線が体積型ホログラム素子6のある座標位置Aにお
いて、法線に対して入射角i°で入射し、反射回折角r
°で射出する。また、透過させたい光線が体積型ホログ
ラム素子6の座標位置Aに、法線に対して入射角s°で
入射するものとする。
【0117】図4に、KogelnikのCoupled Wave theory
に対して下記パラメータを適用して回折効率のシミュレ
ーションを行った結果を示す。赤・緑・青のそれぞれの
バンド光を10%以上の回折効率で回折する領域を黒領
域で示してある。
【0118】媒質n1=1.52、平均屈折率n=1.
52、屈折率変調の振幅Δn=0.017、厚さt=2
5μm、入射角i=50.6°、反射回折角r=50.
7°、各バンドの中心波長が、赤:0.63μm、緑:
0.525μm、青:0.47μm実施例1の体積型ホ
ログラム6のホログラム面での入射角が50.6°〜5
4.6°で角度分布している中の入射角i=50.6
°、反射回折角r=50.7°で反射回折する位置にお
いては、再入射透過光が−16.2°で体積型ホログラ
ム6へ入射する。波長が、赤:0.63μm±20μ
m、緑:0.525μm±20μm、青:0.47μm
±20μmの再入射透過光は、−16.2°の入射角で
再入射する際に、図4から、各バンドの高回折効率領域
とは重なり合っておらず、そのまま透過できることが分
かる。
【0119】図5は、図4に対して、実施例1の体積型
ホログラム6のホログラム面での入射角が50.6°〜
54.6°で角度分布している中の入射角i=52.4
°、反射回折角r=52.5°で反射回折する位置にお
いての回折効率のシミュレーションを行った結果を示
す。
【0120】実施例1の体積型ホログラム6のホログラ
ム面での入射角が50.6°〜54.6°で角度分布し
ている中の入射角i=52.4°、反射回折角r=5
2.5°で反射回折する場所においては、再入射透過光
が−18.7°で体積型ホログラム6へ入射する。波長
が、赤:0.63μm±20μm、緑:0.525μm
±20μm、青:0.47μm±20μmの再入射透過
光は、−18.7°の入射角で再入射する際に、図5か
ら、各バンドの高回折効率領域とは重なり合っておら
ず、そのまま透過できることが分かる。
【0121】図6は、図4に対して、実施例1の体積型
ホログラム6のホログラム面での入射角が50.6°〜
54.6°で角度分布している中の入射角i=54.6
°、反射回折角r=54.7°で反射回折する位置にお
いての回折効率のシミュレーションを行った結果を示
す。
【0122】実施例1の体積型ホログラム6のホログラ
ム面での入射角が50.6°〜54.6°で角度分布し
ている中の入射角i=54.6°、反射回折角r=5
4.7°で反射回折する場所においては、再入射透過光
が−18.2°で体積型ホログラム6へ入射する。波長
が、赤:0.63μm±20μm、緑:0.525μm
±20μm、青:0.47μm±20μmの再入射透過
光は、−18.2°の入射角で再入射する際に、図5か
ら、各バンドの高回折効率領域とは重なり合っておら
ず、そのまま透過できることが分かる。
【0123】以上のことから、実施例1においては、図
4〜図6に示すように、体積型ホログラム6をLCD5
からの光束あるいは明るさ絞り14を通った物体からの
光束が透過する際に、赤・緑・青の波長の透過光束が、
赤・緑・青のそれぞれのバンド光を10%以上の回折効
率で回折する領域を示す高回折効率領域の中、最も波長
の短い青バンド光用の高回折効率領域より短波長側の領
域の入射角度範囲を透過するように設定することによ
り、反射回折させる角度で入射する赤・緑・青のバンド
光を高回折効率で同時に反射回折させ、また、透過させ
る角度で入射する赤・緑・青のバンド光をほとんど回折
させることなく同時に透過させることができ、複数の波
長の光を高効率に利用し、明るく色再現性の良い表示が
可能なホログラムカラービームスプリッターあるいはそ
のホログラムカラービームスプリッターを用いた画像表
示装置用の観察光学系、さらには撮像光学系を実現する
ことができる。
【0124】なお、実施例1の光学系は、焦点距離は2
1.2mm、アイリリーフは28.00mm、瞳径はφ
4mm、ワーキングデスタンス(WD)は7.34m
m、用いる画像表示素子は、対角長0.55インチ、ア
スペクト比4:3であり、サイズは縦8.448mm×
横11.264mmである。また、中心視度は−1.0
Dであり、観察画角は水平全画角30.0°、垂直全画
角22.7°である。
【0125】以下に実施例1の数値データを示すが、以
下の表中の“FFS”は自由曲面、“CYL”はシリン
ドリカル面、“HOE”は反射型ホログラム面、“R
E”は反射面をそれぞれ示す。また、シリンドリカル面
のRx、RyはそれぞれX軸方向曲率半径、Y軸方向曲
率半径を示す。なお、Λはホログラム媒質中の体積型ホ
ログラムの屈折率分布の周期構造(干渉縞)の間隔、Λ
S はホログラム媒質表面の体積型ホログラムの屈折率分
布の周期構造(干渉縞)の間隔、θはホログラム媒質中
の体積型ホログラムの屈折率分布の周期構造(干渉縞)
のホログラム媒質表面に対する傾き角である。
【0126】 実施例1 面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ -1000.00 1 ∞(瞳面) 2 FFS 偏心(1) 1.5254 56.2 3 CYL 偏心(2) 1.5254 56.2 4 FFS(RE) 偏心(3) 1.5254 56.2 5 CYL(HOE) 偏心(4) 1.5254 56.2 6 FFS 偏心(5) 像 面 ∞ 偏心(6) CYL Rx -128.44 Ry ∞ FFS C4 6.4041×10-36 2.4142×10-28 -7.2555×10-610 2.7801×10-411 4.9418×10-613 4.5544×10-615 9.4384×10-617 -5.7579×10-719 1.1416×10-621 3.1265×10-7 FFS C4 -8.6139×10-36 -2.0278×10-38 1.9774×10-510 2.8876×10-511 6.1298×10-713 -4.2136×10-715 3.6073×10-617 -1.4625×10-719 3.6548×10-721 2.7253×10-7 FFS C4 1.0827×10-36 -2.3537×10-28 -5.3177×10-410 -9.1443×10-411 -3.6029×10-513 3.3466×10-415 1.7611×10-417 3.5504×10-619 -1.9995×10-521 -7.1100×10-6 HOE HV1 REA HV2 REA HOR 1 HX1 0.0 HY1 0.0 HZ1 0.0 HX2 0.0 HY2 0.0 HZ2 0.0 HWL: 630nm H2 4.7061×10-33 -7.1036×10-45 -7.1539×10-47 -4.1424×10-59 -1.0636×10-510 -5.1882×10-612 -8.2388×10-714 2.3705×10-716 -2.2896×10-818 9.3498×10-920 -9.7852×10-821 2.6510×10-823 5.2548×10-925 -5.8710×10-10 27 -3.7959×10-9 偏心(1) X 0.00 Y -0.96 Z 28.15 α 10.11 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) X 0.00 Y 4.01 Z 31.31 α 20.09 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) X 0.00 Y 0.55 Z 39.00 α -13.97 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) X 0.00 Y 4.01 Z 31.31 α 20.09 β 0.00 γ 0.00 偏心(5) X 0.00 Y 14.11 Z 36.09 α 68.95 β 0.00 γ 0.00 偏心(6) X 0.00 Y 20.57 Z 36.32 α -111.29 β 0.00 γ 0.00 HOE中の赤(波長630nm)バンド光用ホログラムのホログラムデータ 光線 光線座標(mm) 入射角(°) 射出角(°) 番号 X Y X Y X Y 1 0.000 1.357 0.000 50.608 0.000 -50.769 2 0.000 -8.268 0.000 52.659 0.000 -53.436 3 8.319 -8.478 12.547 53.819 -13.487 -54.564 4 7.533 1.159 10.722 50.697 -11.716 -50.823 5 6.822 9.892 11.376 49.642 -12.264 -48.546 6 0.000 10.418 0.000 50.053 0.000 -48.830 光線 干渉縞 番号 Λ (μm) ΛS (μm) θ(°) 1 0.340 229.736 0.0846 2 0.360 50.430 0.4084 3 0.374 41.257 0.5195 4 0.343 38.257 0.5137 5 0.331 21.645 0.8761 6 0.330 29.966 0.6313 HOE中の緑(波長525nm)バンド光用ホログラムのホログラムデータ 光線 光線座標(mm) 入射角(°) 射出角(°) 番号 X Y X Y X Y 1 0.000 1.367 0.000 50.625 0.000 -50.756 2 0.000 -8.240 0.000 52.740 0.000 -53.378 3 8.309 -8.453 12.641 53.903 -13.415 -54.516 4 7.517 1.170 10.790 50.717 -11.605 -50.820 5 6.806 9.857 11.424 49.589 -12.154 -48.695 6 0.000 10.379 0.000 50.000 0.000 -49.003 光線 干渉縞 番号 Λ (μm) ΛS (μm) θ(°) 1 0.282 226.683 0.7129 2 0.299 50.750 0.3376 3 0.311 40.994 0.4353 4 0.285 38.456 0.4246 5 0.275 21.738 0.7249 6 0.274 30.091 0.5225 HOE中の青(波長470nm)バンド光用ホログラムのホログラムデータ 光線 光線座標(mm) 入射角(°) 射出角(°) 番号 X Y X Y X Y 1 0.000 1.373 0.000 50.636 0.000 -50.754 2 0.000 -8.221 0.000 52.793 0.000 -53.369 3 8.302 -8.437 12.703 53.957 -13.402 -54.510 4 7.507 1.177 10.834 50.730 -11.568 -50.823 5 6.795 9.833 11.456 49.554 -12.113 -48.753 6 0.000 10.354 0.000 49.965 0.000 -49.071 光線 干渉縞 番号 Λ (μm) ΛS (μm) θ(°) 1 0.256 235.813 0.0622 2 0.712 51.093 0.3048 3 0.283 41.438 0.3918 4 0.259 38.802 0.3821 5 0.250 21.925 0.6522 6 0.249 30.055 0.4748 。
【0127】次に、上記実施例1の像歪みを表す収差図
を図2に、横収差を表す収差図を図3にそれぞれ示す。
この横収差図においては、括弧内に示された数字は(水
平画角,垂直画角)を表し、その画角における横収差を
示す。
【0128】なお、上記表中のHOE中の赤・緑・青
バンド光用の3つのホログラムの干渉縞のホログラム媒
質表面での干渉縞間隔ΛS が相互に完全に同じではない
のは、光線座標が波長毎に色収差によって若干ずれてい
るからであり、ホログラム媒質表面での座標が同じ場合
には、その3つのホログラムの干渉縞のホログラム媒質
表面での干渉縞間隔ΛS は同じになっている。
【0129】ところで、図14は、以上のような本発明
の光学系の光軸を含むY−Z断面図の1つであり、体積
型ホログラム6を回折しないで透過した光がゴースト光
として悪影響を与えることを示す説明図である。
【0130】以上のような実施例の構成において、光束
が体積型ホログラム6に対して所定の入射角で入射した
場合であっても、所定の波長領域の光線は、100%回
折反射するのではなく、極く僅かに回折反射しない不要
次数光が発生して透過光が発生し得る。
【0131】そして、その透過光が例えば、図14に示
す接眼光学系の底面33 や側面(紙面に垂直な方向の
面)に光が当たり、その反射光がゴースト光として観察
者の眼球に入射するおそれがある。
【0132】そこで、本発明においては、図13に示す
ように、図1のような構成に加えて、第1プリズム3の
側面及び底面33 や第2プリズム4の側面にゴースト光
除去部材として黒色塗料等光を吸収する性質を有する部
材をペイント処理を施す等して設けている。なお、ゴー
スト光除去部材15を、第2プリズム4の第2射出面4
3 内の光線有効径外や、第2プリズムの反射面42 内の
光線有効径外や、第1プリズム3の第1入射面31 内の
光線有効径外の領域等の非光学作用面(第1プリズム3
と第2プリズム4において、光束を透過又は反射させる
光学作用面以外の面)に含まれる部位にも設けることが
望ましい。
【0133】次に、以上のような本発明による観察光学
系、撮像光学系は、物体像を接眼レンズを通して観察す
る観察装置や、物体像を形成しその像をCCDや銀塩フ
ィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行なう撮影
装置として用いることが可能である。具体的には、顕微
鏡、頭部装着型画像表示装置、内視鏡、プロジェクタ
ー、銀塩カメラ、デジタルカメラ、VTRカメラ、撮影
装置を内蔵したパソコン、携帯電話等の情報処理装置等
がある。以下にその実施形態を例示する。
【0134】その一例として、図15に頭部装着型で両
眼装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着した状態
を、図16にその断面図を示す。この構成は、本発明に
よる観察光学系を図16に示すように画像表示素子5を
備えた接眼光学系100として用いており、この接眼光
学系100を左右一対用意し、それらを眼幅距離だけ離
して支持することにより、両眼で観察できる据え付け型
又は頭部装着型画像表示装置のようなポータブル型の画
像表示装置102として構成されている。
【0135】すなわち、画像表示装置本体102には、
上記のような観察光学系が接眼光学系100として用い
られ、その接眼光学系100が左右一対備えられ、それ
らに対応して像面に液晶表示素子からなる画像表示素子
5が配置されている。そして、画像表示装置本体102
には、図15に示すように、左右に連続して図示のよう
な側頭フレーム103が設けられ、画像表示装置本体1
02を観察者の眼前に保持できるようになっている。な
お、図16に示すように、接眼光学系100の射出瞳と
第1プリズム3の第1入射面31 との間にカバー部材9
1が配置されている。このカバー部材91としては、平
行平面板、正レンズあるいは負レンズの何れを用いても
よい。
【0136】また、側頭フレーム103にはスピーカ1
04が付設されており、画像観察と共に立体音響を聞く
ことができるようになっている。このようにスピーカ1
04を有する表示装置本体102には、映像音声伝達コ
ード105を介してポータブルビデオカセット等の再生
装置106が接続されており、観察者はこの再生装置1
06を図示のようにベルト箇所等の任意の位置に保持し
て、映像音響を楽しむことができるようになっている。
図15の符号107は再生装置106のスイッチ、ボリ
ューム等の調節部である。なお、画像表示装置本体10
2の内部には映像処理、音声処理回路等の電子部品を内
蔵させてある。
【0137】なお、コード105は先端をジャックにし
て、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよ
い。さらに、TV電波受信用チューナーに接続してTV
鑑賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピ
ュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメ
ッセージ映像等を受信するようにしてもよい。また、邪
魔なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部
からの信号を電波によって受信するようにしてもよい。
【0138】さらに、本発明による観察光学系は、接眼
光学系を左右何れか一方の眼前に配置した片眼用の頭部
装着型画像表示装置に用いてもよい。図17にその片眼
装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着(この場合
は、左眼に装着)した状態を示す。この構成では、画像
表示素子5を備えた接眼光学系100を1組備えた表示
装置本体102が前フレーム108の対応する眼の前方
位置に取り付けられ、その前フレーム108には左右に
連続して図示のような側頭フレーム103が設けられて
おり、表示装置本体102を観察者の片眼前に保持でき
るようになっている。その他の構成は図15の場合と同
様であり、説明は省く。
【0139】また、図18〜図20は、本発明による撮
像光学系の要部構成を電子カメラのファインダー部の対
物光学系に組み込んだ構成の概念図を示す。図18は電
子カメラ40の外観を示す前方斜視図、図19は同後方
斜視図、図20は電子カメラ40の構成を示す断面図で
ある。
【0140】電子カメラ40は、この例の場合、撮影用
光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路
44を有するファインダー光学系43、シャッター釦4
5、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、
カメラ40の上部に配置されたシャッター釦45を押圧
すると、それに連動して撮影用対物光学系48を通して
撮影が行なわれる。撮影用対物光学系48によって形成
された物体像が、ローパスフィルター、赤外カットフィ
ルター等のフィルター51を介してCCD49の撮像面
50上に形成される。
【0141】このCCD49で受光された物体像は、処
理手段52を介し、電子画像としてカメラ背面に設けら
れた液晶表示モニター47に表示される。また、この処
理手段52には記録素子61が配置され、撮影された電
子画像を記録することもできる。なお、この記録素子6
1は処理手段52と別体に設けられてもよいし、フロッ
ピー(登録商標)ディスク等により電子的に記録書込を
行なうように構成してもよい。また、CCD49に代わ
って銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成して
もよい。
【0142】さらに、ファインダー用光路44上には、
ファインダー用対物光学系53が配置されており、この
ファインダー用対物光学系53は、カバーレンズ54
と、フォーカシングのために光軸方向に位置調節可能な
正レンズ群57と、明るさ絞り14と第1プリズム3と
第2プリズム4とを備えてなる。また、カバー部材とし
て用いられているカバーレンズ54は、負のパワーを有
するレンズ群であり、画角を拡大している。なお、第2
プリズム4は、本発明の実施例1のような第2プリズム
4の構成に加えて、第2入射面41 に設けられたホログ
ラム6からの回折反射光が第2射出面43 に至る光路の
途中に反射面44 を有している。このファインダー用対
物光学系53によって結像面90上に形成された物体像
は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠上に形
成される。
【0143】なお、その視野枠は、ポロプリズム55の
第1反射面561 と第2反射面56 2 との間を分離し、
その間に配置されている。なお、ポロプリズム55は第
1反射面561 から第4反射面564 でなる。このポロ
プリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者
眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。
【0144】このように構成されたカメラ40は、ファ
インダー用対物光学系53を少ない光学部材で構成で
き、高性能・低コスト化が実現できると共に、対物光学
系53の光路自体を折り曲げて構成できるため、カメラ
内部での配置の自由度が増し、設計上有利となる。
【0145】なお、図20の構成において、撮影用対物
光学系48の構成については言及しなかったが、撮影用
対物光学系48としては屈折型同軸光学系の他に、本発
明の本発明の実施例1に示すような2つのプリズム3、
4からなる何れかのタイプの撮像光学系を用いることも
当然可能である。
【0146】また、接眼光学系59を本発明の実施例1
に示すような2つのプリズム3、4からなる何れかのタ
イプの接眼光学部材を用いて構成してもよい。
【0147】次に、図21は本発明の撮像光学系を電子
カメラ40の撮影部の対物光学系48に、本発明の観察
光学系を電子カメラ40の接眼光学系59に組み込んだ
構成の概念図を示す。この例の場合は、撮影用光路42
上に配置された撮影用対物光学系48は、正レンズから
なるカバー部材65と本発明の実施例1に示すような2
つのプリズム3、4からなる何れかのタイプの撮像光学
系からなる。そして、その第2プリズム4とCCD49
との間にローパスフィルター、赤外カットフィルター等
のフィルター51が配置されており、この撮影用対物光
学系48により形成された物体像はCCD49の撮像面
50上に形成される。このCCD49で受光された物体
像は、処理手段52を介し、液晶表示素子(LCD)6
0上に電子像として表示される。また、この処理手段5
2は、CCD49で撮影された物体像を電子情報として
記録する記録手段61の制御も行なう。LCD60に表
示された画像は、接眼光学系59を介して観察者眼球E
に導かれる。
【0148】この接眼光学系59は、本発明の実施例1
に示すような観察光学系と同様の形態を持つ偏心プリズ
ム光学系3、4とその射出瞳側に配置されたカバーレン
ズ91とからなる。また、LCD60の背後にはそれを
照明するバックライト92が配置されている。なお、こ
の撮影用対物光学系48は他のレンズ(正レンズ、負レ
ンズ)を2つのプリズム3、4の物体側あるいは像側に
その構成要素として含んでいてもよい。
【0149】このように構成されたカメラ40は、撮影
用対物光学系48、接眼光学系59を少ない光学部材で
構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、光
学系全体を同一平面上に並べて配置できるため、この配
置平面と垂直方向の厚みの薄型化が実現できる。
【0150】なお、本例では、撮影用対物光学系48の
カバー部材65として、正レンズを配置しているが、負
レンズあるいは平行平面板を用いてもよい。
【0151】ここで、カバー部材を設けずに、本発明の
撮像光学系の最も物体側に配置された面をカバー部材と
兼用することもできる。本例では、その最も物体側の面
は第1プリズム3の第1入射面31 となる。しかし、こ
の入射面31 が光軸に対して偏心配置されているため、
この面がカメラ前面に配置されてしまうと、被写体側か
ら見た場合、カメラ40の撮影中心が自分からずれてい
るように錯覚してしまい(一般的なカメラ同様、入射面
の垂直方向を撮影していると感じるのが通常であ
る。)、違和感を与えてしまう。そこで、本例のよう
に、結像光学系の最も物体側の面が偏心面である場合に
は、カバー部材65(又は、カバーレンズ54)を設け
ることが、被写体側から見た場合に違和感を受けずに、
既存のカメラと同じ感覚で撮影を受けることができ望ま
しい。
【0152】次に、図22は、本発明による撮像光学系
を電子内視鏡の観察系の対物光学系82に、本発明によ
る観察光学系を電子内視鏡の観察系の接眼光学系87に
組み込んだ構成の概念図を示す。この例の場合、観察系
の対物光学系82、接眼光学系87は実施例1と略同様
の形態の光学系を用いている。この電子内視鏡は、図2
2(a)に示すように、電子内視鏡71と、照明光を供
給する光源装置72と、その電子内視鏡71に対応する
信号処理を行なうビデオプロセッサ73と、このビデオ
プロセッサ73から出力される映像信号を表示するモニ
ター74と、このビデオプロセッサ73と接続され映像
信号等に記録するVTRデッキ75及びビデオディスク
76と、映像信号を映像としてプリントアウトするビデ
オプリンタ77と、例えば図15に示したような頭部装
着型画像表示装置(HMD)78と共に構成されてお
り、電子内視鏡71の挿入部79の先端部80と、その
接眼部81は、図22(b)に示すように構成されてい
る。
【0153】光源装置72から照明された光束は、ライ
トガイドファイバー束88を通って照明用対物光学系8
9により、観察部位を照明する。そして、この観察部位
からの光が、カバー部材85を介して、観察用対物光学
系82によって物体像として形成される。この物体像
は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフ
ィルター83を介してCCD84の撮像面上に形成され
る。さらに、この物体像は、CCD84によって映像信
号に変換され、その映像信号は、図22(a)に示すビ
デオプロセッサ73により、モニター74上に直接表示
されると共に、VTRデッキ75、ビデオディスク76
中に記録され、また、ビデオプリンタ77から映像とし
てプリントアウトされる。また、HMD78の画像表示
素子5(図16)に表示されHMD78の装着者に表示
される。同時に、CCD84によって変換された映像信
号は画像信号導伝手段93を介して接眼部81の液晶表
示素子(LCD)86上に電子像として表示され、その
表示像は本発明の観察光学系からなる接眼光学系87を
経て観察者眼球Eに導かれる。
【0154】このように構成された内視鏡は、少ない光
学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると
共に、対物光学系80が内視鏡の長軸方向に並ぶため、
細径化を阻害することなく上記効果を得ることができ
る。
【0155】このように構成された内視鏡は、少ない光
学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると
共に、対物光学系80が内視鏡の長軸方向に並ぶため、
細径化を阻害することなく上記効果を得ることができ
る。
【0156】次に、本発明の撮像光学系を情報処理装置
の一例であるパソコンに内蔵した構成を示す概念図を図
23〜図25に示す。
【0157】図23はパソコン300のカバーを開いた
前方斜視図、図24はパソコン300の撮影光学系30
3の断面図、図25は図23の状態の側面図である。図
23〜図25に示されるように、パソコン300は、外
部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301
と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を
操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺
の像を撮影するための撮影光学系303とを有してい
る。ここで、モニター302は、図示しないバックライ
トにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面
からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、C
RTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光
学系303は、モニター302の右上に内蔵されている
が、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キー
ボード301の周囲のどこであってもよい。
【0158】この撮影光学系303は、撮影光路304
上に、本発明の撮像光学系からなる対物光学系200
と、像を受光する撮像素子チップ204とを有してい
る。これらはパソコン300に内蔵されている。
【0159】ここで、撮像素子チップ204上には付加
的にIRカットフィルター203が貼り付けられて撮像
ユニット206として一体に形成され、対物光学系20
0の鏡枠201の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り
付け可能になっているため、対物光学系200と撮像素
子チップ204の中心合わせや面間隔の調整が不要であ
り、組立が簡単となっている。また、鏡枠201の先端
には、対物光学系200を保護するためのカバーガラス
202が配置されている。
【0160】撮像素子チップ204で受光された物体像
は、端子205を介して、パソコン300の処理手段に
入力され、電子画像としてモニター302に表示され
る、図23には、その一例として、操作者の撮影された
画像305が示されている。また、この画像305は、
処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔
地から通信相手のパソコンに表示されることも可能であ
る。
【0161】次に、情報処理装置の他の例として電話、
特に、その中でも持ち運びに便利な携帯電話に本発明の
撮像光学系を内蔵した例を図26に示す。
【0162】図26(a)は携帯電話400の正面図、
図26(b)は側面図、図26(c)は撮影光学系40
5の断面図である。図26(a)〜(c)に示されるよ
うに、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力
するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピー
カ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル4
03と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等
の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405
と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画
像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段
(図示せず)とを有している。ここで、モニター404
は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置
は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405
は、撮影光路407上に配置された本発明の撮像光学系
からなる200と、像を受光する撮像素子チップ204
とを有している。これらはこれらは、携帯電話400に
内蔵されている。
【0163】ここで、撮像素子チップ204上には付加
的にIRカットフィルター203が貼り付けられて撮像
ユニット206として一体に形成され、対物光学系20
0の鏡枠201の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り
付け可能になっているため、対物光学系200と撮像素
子チップ204の中心合わせや面間隔の調整が不要であ
り、組立が簡単となっている。また、鏡枠201の先端
には、対物光学系200を保護するためのカバーガラス
202が配置されている。
【0164】撮像素子チップ204で受光された物体像
は、端子205を介して、図示していない処理手段に入
力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信
相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通
信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ204で
受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換す
る信号処理機能が処理手段には含まれている。
【0165】次に、本発明による光学系を構成するプリ
ズムに体積型ホログラムのような回折素子を設けるとき
の望ましい構成を図27に示す。図中、偏心プリズムP
1、P2は、夫々、本発明の光学系中に含まれる第2プ
リズム4、第1プリズム3である。いま、像面C(例え
ば、画像表示素子5の表示面、撮像素子13の撮像面)
が、図のように四角形を形成するとき、偏心プリズムP
1の第1−1面(第2プリズム4の第2射出面43 )又
は偏心プリズムP2の第2−2面(第1プリズム3の第
1入射面31 )が面対称自由曲面に形成された場合その
対称面Dが、この像面Cを形成する4つの辺の少なくと
も1つと平行になるように配置することが、美しい像形
成の上で望ましい。
【0166】さらに、この像面Cが正方形や長方形とい
った4つの内角がそれぞれ略90°にて形成されている
場合には、面対称自由曲面の対称面Dは、像面Cの互い
に平行関係にある2辺に対して平行に配置され、この対
称面Dが像面Cを左右又は上下対称にさせる位置に一致
するように構成することが好ましい。このように構成す
れば、装置に組み込むときの組み込み精度が出しやす
く、量産性に効果的である。
【0167】さらに、偏心プリズムP1、P2を構成す
る光学面である第1−1面(第2プリズム4の第2射出
面43 )、第1−2面(第2プリズム4の第2入射面4
1 )、第1−3面(第2プリズム4の反射面42 )、第
2−1面(第1プリズム3の第1射出面32 )、第2−
2面(第1プリズム3の第1入射面31 )等の内、複数
の面又は全ての面が面対称自由曲面の場合には、複数の
面又は全ての面の対称面が同一面Dの上に配置されるよ
うに構成することが、設計上も、収差性能上も望まし
い。そして、この対称面Dと回折素子6のパワーの面と
の関係は、上述と同様の関係にあることが望ましい。
【0168】以上、本発明の光学系及びそれを用いた装
置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら
実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0169】なお、本発明の光学系において、像面5に
配置され2次元画像を形成する2次元画像表示素子とし
ては、LCDに限らず、例えば、PDP、DMD、有機
EL等を用いることもできる。さらに、LCD、PD
P、DMD、有機EL、LED等を1次元配列して形成
した1次元画像をガルバノミラーやポリゴンミラー等で
スキャニングして表示するものであってもよいし、LE
D等の点光源を2次元的にスキャニングして表示するも
のであってもよい。
【0170】また、体積型ホログラム素子6は、各波長
で個々に記録した体積型ホログラムを積層した積層型で
あっても、1層の体積型ホログラム記録媒体中に複数の
波長で多重露光された多重記録型のものであってもよ
い。
【0171】また、撮像素子は、CCD等の電気的受光
素子や銀塩フィルム等の感光素子を含むものである。
【0172】
【発明の効果】以上、本発明によれば、携帯電話や携帯
情報端末そして頭部装着型の虚像観察装置に用いるのに
適しており、複数の波長において高効率に利用され、明
るく色再現性の良い表示画像の観察が可能であり、組み
立てが容易で、振動等の衝撃に強く、軽く、コンパクト
で、さらに、良好に収差補正された観察光学系及びそれ
を用いた装置、撮像光学系及びそれを用いた装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る光学系の光軸を含むY
−Z断面図である。
【図2】実施例1の像歪みを表す収差図である。
【図3】実施例1の横収差を表す収差図である。
【図4】実施例1の光学系の体積型ホログラムの入射角
i=50.6°、反射回折角r=50.7°位置での赤
・緑・青バンド光の高回折効率領域の入射角波長依存性
を示す図である。
【図5】実施例1の光学系の体積型ホログラムの入射角
i=52.4°、反射回折角r=52.5°位置での赤
・緑・青バンド光の高回折効率領域の入射角波長依存性
を示す図である。
【図6】実施例1の光学系の体積型ホログラムの入射角
i=54.6°、反射回折角r=54.7°位置での赤
・緑・青バンド光の高回折効率領域の入射角波長依存性
を示す図である。
【図7】実施例1の回折効率のシミュレーション用モデ
ル図である。
【図8】特定パラメータ下における赤・緑・青バンド光
の積層型ホログラムミラーの回折効率の入射角波長依存
性を例示する図である。
【図9】図8の回折特性において赤・緑・青の各バンド
光を共通に透過させるのに利用できる角度領域を示す図
である。
【図10】別の特定パラメータ下での回折効率の入射角
波長依存性において赤・緑・青の各バンド光を共通に透
過させるのに利用できる角度領域を示す図である。
【図11】ブラッグの条件を満足する場合のK、kR
S 、Kz Rz、kSzの関係を示すベクトルダイアグラ
ムである。
【図12】本発明におけるHOEを定義するための原理
図である。
【図13】ゴースト光除去部材を設けた構成の観察光学
系の光軸を含むY−Z断面図である。
【図14】体積型ホログラムを回折しないで透過した光
がゴースト光として悪影響を与えることを示す説明図で
ある。
【図15】本発明の観察光学系を用いた頭部装着型で両
眼装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着した状態
を示す図である。
【図16】図15の断面図である。
【図17】本発明の観察光学系を用いた頭部装着型で片
眼装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着した状態
を示す図である。
【図18】本発明の撮像光学系及び観察光学系を適用し
た電子カメラの外観を示す前方斜視図である。
【図19】図18の電子カメラの後方斜視図である。
【図20】図18の電子カメラの1つの構成を示す断面
図である。
【図21】本発明の撮像光学系及び観察光学系を適用し
た別の電子カメラの概念図である。
【図22】本発明の撮像光学系及び観察光学系を適用し
た電子内視鏡の概念図である。
【図23】本発明の撮像光学系が対物光学系として組み
込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。
【図24】パソコンの撮影光学系の断面図である。
【図25】図23の状態の側面図である。
【図26】本発明の撮影光学系が対物光学系として組み
込れた携帯電話の正面図、側面図、その撮影光学系の断
面図である。
【図27】本発明による光学系を構成するプリズムにH
OEを配置するときの好ましい構成を示す図である。
【図28】球面形状の基板部材にホログラム素子を設け
た場合の2種類のパワーの説明するための図であり、
(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1…射出瞳 2…軸上主光線 3…第1プリズム 31 …第1入射面 32 …第1射出面 33 …底面 4…第2プリズム 41 …第2入射面 42 …反射面 43 …第2射出面 44 …反射面 5…LCD(像面) 6…体積型ホログラム(体積型ホログラム素子)(HO
E) 13…撮像素子 14…明るさ絞り 15…ゴースト光除去部材 40…カメラ 41…撮像光学系 42…撮影用光路 43…ファインダー光学系 44…ファインダー用光路 45…シャッター 46…フラッシュ 47…液晶表示モニター 48…撮影用対物光学系 49…CCD 50…撮像面 51…フィルター 52…処理手段 53…ファインダー用対物光学系 54…負レンズ群 55…ポロプリズム 561 〜564 …第1〜4反射面 57…レンズ群 59…接眼光学系 60…液晶表示素子(LCD) 61…記録素子 65…カバー部材 71…電子内視鏡 72…光源装置 73…ビデオプロセッサ 74…モニター 75…VTRデッキ 76…ビデオディスク 77…ビデオプリンタ 78…頭部装着型画像表示装置(HMD) 79…挿入部 80…先端部 81…接眼部 82…観察用対物光学系 83…フィルター 84…CCD 85…カバー部材 86…液晶表示素子(LCD) 87…接眼光学系 88…ライトガイドファイバー束 89…照明用対物光学系 90…結像面 91…カバー部材 92…バックライト 93…画像信号導伝手段 100…接眼光学系 102…画像表示装置(本体) 103…側頭フレーム 104…スピーカ 105…映像音声伝達コード 106…再生装置 107…調節部 108…前フレーム 200…対物光学系 201…鏡枠 202…カバーガラス 203…IRカットフィルター 204…撮像素子チップ 205…端子 206…撮像ユニット 300…パソコン 301…キーボード 302…モニター 303…撮影光学系 304…撮影光路 305…画像 400…携帯電話 401…マイク部 402…スピーカ部 403…入力ダイアル 404…モニター 405…撮影光学系 406…アンテナ 407…撮影光路 P1、P2…偏心プリズム C…像面 D…面対称自由曲面の対称面 E…観察者眼球
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/64 511 H04N 5/64 511A (72)発明者 大八木 康之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 武山 哲英 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H018 AA11 AA31 2H049 CA01 CA05 CA09 CA22 2H087 KA00 KA03 KA10 KA14 LA12 NA17 NA18 RA06 RA07 RA32 RA34 RA41 RA43 RA46 TA01 TA04 TA06

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像面と光学的瞳との間に配置された全体
    として正のパワーを有する光学系において、 前記光学系が、屈折率が1より大きい第1のプリズム
    と、屈折率が1より大きい第2のプリズムと、前記第1
    のプリズムと前記第2のプリズムとの間に接合配置され
    た体積型ホログラム素子とを含み、 前記体積型ホログラム素子は、少なくとも第1の波長に
    対応した第1の格子ベクトルと、前記第1より短波長の
    第2の波長に対応した第2の格子ベクトルを含み、 前記体積型ホログラム素子は、少なくとも前記第1の波
    長における前記体積型ホログラム素子の各位置によって
    それぞれ異なる第1の入射角と第1の反射回折角と、少
    なくとも前記第2の波長における前記体積型ホログラム
    素子の各位置によってそれぞれ異なる第2の入射角と第
    2の反射回折角とで回折効率が最大となるように構成さ
    れ、 前記第1のプリズムが前記光学的瞳側に配置され、前記
    第2のプリズムが前記像面側に配置され、 前記第2プリズムは、前記体積型ホログラム素子の配置
    された面とは別の面に、少なくとも1面の反射面を備え
    て形成され、 前記光学的瞳から前記像面に到る順方向あるいは逆方向
    に進む光束であって、少なくとも前記第1の波長の光線
    成分と前記第2の波長の光線成分とを含んだ光束が、前
    記第1プリズム側から前記第2プリズム側に向かって順
    に、前記体積型ホログラム素子を透過し、前記第2プリ
    ズム内の前記反射面にて反射され、前記第2プリズム内
    において前記体積型ホログラム素子によって反射回折さ
    れるように構成され、 前記第2のプリズム媒質の屈折率と、前記体積型ホログ
    ラム素子媒質の平均屈折率と、前記体積型ホログラム素
    子媒質の屈折率変調の振幅と、前記体積型ホログラム素
    子の厚さと、前記第1の入射角と、前記第1の反射回折
    角と、前記第1の格子ベクトルとから求められる回折効
    率が10%以上の角度−波長空間における領域を第1の
    λθ連続曲線状領域と定義し、 前記第2のプリズム媒質の屈折率と、前記体積型ホログ
    ラム素子媒質の平均屈折率と、前記体積型ホログラム素
    子媒質の屈折率変調の振幅と、前記体積型ホログラム素
    子の厚さと、前記第2の入射角と、前記第2の反射回折
    角と、前記第2の格子ベクトルとから求められる回折効
    率が10%以上の角度−波長空間における領域を第2の
    λθ連続曲線状領域と定義し、 前記光束が前記体積型ホログラム素子を透過する際に、
    前記第1の波長の透過光束は、前記第1のλθ連続曲線
    状領域と前記第2のλθ連続曲線状領域の間の領域の入
    射角度範囲にて透過し、前記第2の波長の透過光束は、
    前記第2のλθ連続曲線状領域より短波長側の領域の入
    射角度範囲を透過するように設定されていることを特徴
    とする光学系。
  2. 【請求項2】 像面と光学的瞳との間に配置された全体
    として正のパワーを有する光学系において、 前記光学系が、屈折率が1より大きい第1のプリズム
    と、屈折率が1より大きい第2のプリズムと、前記第1
    のプリズムと前記第2のプリズムとの間に接合配置され
    た体積型ホログラム素子とを含み、 前記体積型ホログラム素子は、少なくとも第1の波長に
    対応した第1の格子ベクトルと、前記第1より短波長の
    第2の波長に対応した第2の格子ベクトルを含み、 前記体積型ホログラム素子は、少なくとも前記第1の波
    長における前記体積型ホログラム素子の各位置によって
    それぞれ異なる第1の入射角と第1の反射回折角と、少
    なくとも前記第2の波長における前記体積型ホログラム
    素子の各位置によってそれぞれ異なる第2の入射角と第
    2の反射回折角とで回折効率が最大となるように構成さ
    れ、 前記第1のプリズムが前記光学的瞳側に配置され、前記
    第2のプリズムが前記像面側に配置され、 前記第2プリズムは、前記体積型ホログラム素子の配置
    された面とは別の面に、少なくとも1面の反射面を備え
    て形成され、 前記光学的瞳から前記像面に到る順方向あるいは逆方向
    に進む光束であって、少なくとも前記第1の波長の光線
    成分と前記第2の波長の光線成分とを含んだ光束が、前
    記第1プリズム側から前記第2プリズム側に向かって順
    に、前記体積型ホログラム素子を透過し、前記第2プリ
    ズム内の前記反射面にて反射され、前記第2プリズム内
    において前記体積型ホログラム素子によって反射回折さ
    れるように構成され、 前記第2のプリズム媒質の屈折率と、前記体積型ホログ
    ラム素子媒質の平均屈折率と、前記体積型ホログラム素
    子媒質の屈折率変調の振幅と、前記体積型ホログラム素
    子の厚さと、前記第1の入射角と、前記第1の反射回折
    角と、前記第1の格子ベクトルとから求められる回折効
    率が10%以上の角度−波長空間における領域を第1の
    λθ連続曲線状領域と定義し、 前記第2のプリズム媒質の屈折率と、前記体積型ホログ
    ラム素子媒質の平均屈折率と、前記体積型ホログラム素
    子媒質の屈折率変調の振幅と、前記体積型ホログラム素
    子の厚さと、前記第2の入射角と、前記第2の反射回折
    角と、前記第2の格子ベクトルとから求められる回折効
    率が10%以上の角度−波長空間における領域を第2の
    λθ連続曲線状領域と定義し、 前記光束が前記体積型ホログラム素子を透過する際に、
    前記第1の波長と前記第2の波長の透過光束は共に、前
    記第2のλθ連続曲線状領域より短波長側の領域の入射
    角度範囲を透過するように設定されていることを特徴と
    する光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1プリズム媒質と前記第2プリズ
    ム媒質とが同種の媒質で構成されていることを特徴とす
    る請求項1又は2の何れか1項記載の光学系。
  4. 【請求項4】 前記第1プリズムの前記体積型ホログラ
    ム素子が接合される面の面形状と前記第2プリズムの前
    記体積型ホログラム素子が接合される面の面形状とが、
    略同一形状にて構成されていることを特徴とする請求項
    1から3の何れか1項記載の光学系。
  5. 【請求項5】 前記第1プリズムの前記体積型ホログラ
    ム素子が接合される面の面形状と前記第2プリズムの前
    記体積型ホログラム素子が接合される面の面形状とが、
    平面あるいはシリンドリカル面であることを特徴とする
    請求項4記載の光学系。
  6. 【請求項6】 前記光学的瞳から前記像面に光線が到る
    順に、前記第1プリズムが、少なくとも、第1プリズム
    媒質を間に挟んで、前記光学的瞳からの光線を前記第1
    プリズム内に入射させる第1入射面と、前記第1プリズ
    ム外に光線を射出させる第1射出面とを有し、 前記第2プリズムが、少なくとも、第2プリズム媒質を
    間に挟んで、前記第1プリズムから射出した光線を前記
    第2プリズム内に入射させる第2入射面と、前記第2プ
    リズム内で光線を反射させる反射面と、前記第2プリズ
    ム外に光線を射出させる第2射出面とを有し、 前記第2プリズムの前記反射面が、反射時に光線に正の
    パワーを与えるような凹面形状の曲面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の光
    学系。
  7. 【請求項7】 前記第1プリズムの前記第1入射面が、
    透過時に光線にパワーを与えるような曲面形状に形成さ
    れ、 前記第2プリズムの前記第2射出面が、透過時に光線に
    パワーを与えるような曲面形状に形成されていることを
    特徴とする請求項6記載の光学系。
  8. 【請求項8】 前記第1プリズムと前記第2プリズムの
    備えた光線を透過又は反射させる光学作用面以外の非光
    学作用面に、ゴースト光が観察者の眼球へ入射しないよ
    うなゴースト光除去部材を設けたことを特徴とする請求
    項1から7の何れか1項記載の光学系。
  9. 【請求項9】 前記第1プリズムの前記第1入射面の面
    形状が回転非対称な収差を補正する作用を持った回転非
    対称な曲面形状にて構成されていることを特徴とする請
    求項1から8の何れか1項記載の光学系。
  10. 【請求項10】 前記回転非対称な曲面形状は、対称面
    が1面のみの自由曲面にて構成され、前記唯一の対称面
    は、光軸の折り返し面(Y−Z平面)に一致しているこ
    とを特徴とする請求項9記載の光学系。
  11. 【請求項11】 前記第2プリズムの第2射出面の面形
    状が回転非対称な曲面形状にて構成されていることを特
    徴とする請求項1から10の何れか1項記載の光学系。
  12. 【請求項12】 前記回転非対称な曲面形状は、対称面
    が1面のみの自由曲面にて構成され、前記唯一の対称面
    は、光軸の折り返し面(Y−Z平面)に一致しているこ
    とを特徴とする請求項11記載の光学系。
  13. 【請求項13】 前記体積型ホログラム素子が光線を反
    射回折により回転対称成分と回転非対称成分の両方の倍
    率色収差を補正するように構成されていることを特徴と
    する請求項1から12の何れか1項記載の光学系。
  14. 【請求項14】 前記第2プリズムの前記反射面が次の
    2つの条件式の少なくとも何れかを満足することを特徴
    とする請求項1から13の何れか1項記載の光学系。 −0.20<PX4/PX<0.50 ・・・(1) −0.20<PY4/PY<0.30 ・・・(2) ただし、光学系の偏心方向をY軸方向とし、光軸の折り
    返し面に直交する方向をX軸方向とし、PXを光学系の
    X方向のパワー、PYを光学系のY方向のパワー、PX
    4を第2プリズムの反射面のX方向のパワー、PY4を
    第2プリズムの反射面のY方向のパワーとする。
  15. 【請求項15】 請求項1から14の何れか1項におい
    て、前記像面に2次元画像表示素子を配置し、前記光学
    的瞳側から前記2次元画像表示素子の拡大像が観察可能
    な観察光学系としたことを特徴とする光学系。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の光学系を観察光学系
    として内蔵した本体部と、前記観察光学系の前記光学的
    瞳を観察者の眼球位置に保持するように前記本体部を観
    察者頭部に支持する支持部材と、前記観察者の耳に音声
    を与えるスピーカー部材とを有していることを特徴とす
    る頭部装着型画像表示装置。
  17. 【請求項17】 前記本体部が、右眼用の観察光学系と
    左眼用の観察光学系とを備え、前記スピーカー部材が、
    右耳用スピーカー部材と左耳用スピーカー部材とを有す
    るように構成されていることを特徴とする請求項16記
    載の頭部装着型画像表示装置。
  18. 【請求項18】 前記スピーカー部材がイヤホンで構成
    されていることを特徴とする請求項16又は17記載の
    頭部装着型画像表示装置。
  19. 【請求項19】 請求項1から14の何れか1項におい
    て、前記像面に撮像素子を配置し、前記光学的瞳側から
    物体光を入射して物体像を撮像可能な撮像光学系とした
    ことを特徴とする光学系。
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