JP2003014948A - 光導波路の製造方法およびガラス欠陥生成装置 - Google Patents

光導波路の製造方法およびガラス欠陥生成装置

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JP2003014948A
JP2003014948A JP2001199036A JP2001199036A JP2003014948A JP 2003014948 A JP2003014948 A JP 2003014948A JP 2001199036 A JP2001199036 A JP 2001199036A JP 2001199036 A JP2001199036 A JP 2001199036A JP 2003014948 A JP2003014948 A JP 2003014948A
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core
electromagnetic wave
monitor light
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Akira Urano
章 浦野
Masaharu Mogi
昌春 茂木
Sukehiko Shishido
資彦 宍戸
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス欠陥生成用の電磁波照射を必要十分な
時間にわたって行うことができる光導波路製造方法を提
供する。 【解決手段】 本発明は、石英ガラス製のコアを有する
光導波路8を用意し、コアに欠陥生成用の電磁波12を
照射してガラス欠陥を生成する第1工程と、コアに水素
を添加する第2工程とを備えている。第1工程では、ガ
ラス欠陥に吸収されうるモニター光14をコアに入射さ
せ、光導波路から出射するモニター光16の強度を測定
する。モニター光強度の時間的変化は欠陥生成の進行度
合いを反映することから、モニター光強度の時間的変化
に基づいて電磁波の照射を停止する時期を決定すること
により、ガラス欠陥生成用の電磁波照射を必要十分な時
間にわたって行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光導波路の製造に関
し、特に紫外光伝送用の光導波路を製造する方法および
その方法に使用される装置に関する。
【0002】
【従来の技術】300nm以下の波長を有する紫外光
は、近年、フォトリソグラフィ、レーザー加工、殺菌、
消毒等の分野において利用価値が高まっている。特に半
導体チップの微細化に伴って、より短波長の紫外光を伝
送する技術の開発が進められている。現在は248nm
の波長を有するKrFエキシマレーザ光が主に使用され
ているが、193nm波長のArFエキシマレーザ光や
157nm波長のF2レーザ光が今後は主流になるもの
と思われる。紫外光伝送用の光導波路の典型的な例は光
ファイバであり、実際に医療や微細加工等の分野で利用
されている。
【0003】ガラス光ファイバで紫外光を伝送すると徐
々にガラスが劣化して伝送損失が増加するという現象、
すなわち紫外線照射劣化が知られている。石英ガラスを
コアとする石英系光ファイバは多成分系ガラス光ファイ
バに比べると伝送損失増加が小さいため紫外光伝送用と
して好適であるが、やはり紫外線照射劣化の問題は残っ
ている。
【0004】紫外線照射劣化の主因はガラスの結合欠陥
の生成にあると言われている。本明細書においてガラス
の結合欠陥(「ガラス欠陥」または単に「欠陥」とも呼
ばれる。)とは、ガラスネットワーク構造の一部の結合
が完全に切断された状態、もしくはネットワークの一部
に歪が加わることにより結合距離が大きく引き延びたり
して極めて切断されやすい状態になっていることをい
う。図3に現在報告されている石英ガラスのガラス欠陥
のうち数例を示す。このうち紫外線領域の光を吸収する
代表的なものとして≡Si・(E′センター)や≡Si
−Si≡といった酸素欠損型欠陥が挙げられる。
【0005】紫外線照射劣化を低減する方法としては、
本発明者らによる特開平11−29335号公報記載の
方法が知られている。この方法は、適当な長さに切断さ
れた石英系光ファイバの端面から電磁波を照射してコア
中の前駆体をE′センター欠陥に変化させ、その後、コ
アに水素を添加してから電磁波を再度照射する。電磁波
照射によって前駆体が除去されることにより、その後の
紫外光伝送による欠陥の増加が抑えられ、紫外線照射劣
化が低減される。前駆体から生成された欠陥は水素と結
合して紫外光を吸収しない構造に変わるので、紫外光の
伝送損失も低減される。水素の添加後における電磁波照
射は最初の照射で形成された欠陥に水素を固定するの
で、水素の脱離によって欠陥が再生し、紫外光伝送損失
が劣化することを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
欠陥を生成するための電磁波照射の時間が短すぎると前
駆体の除去が不十分となって紫外線照射劣化を十分に低
減できず、逆に電磁波照射の時間が長すぎると光導波路
の製造効率が低下する。
【0007】そこで、本発明は、ガラス欠陥生成用の電
磁波照射を必要十分な時間にわたって行うことができる
光導波路製造方法およびガラス欠陥生成装置を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、紫外光伝送用
の光導波路を製造する方法を提供する。この方法は、石
英ガラス製のコアを有する光導波路を用意し、コアに第
1の電磁波を照射してガラス欠陥を生成する第1工程
と、第1電磁波が照射されたコアに水素を添加する第2
工程とを備えている。第1工程は、ガラス欠陥に吸収さ
れうるモニター光を光導波路の一端面からコアに入射さ
せる工程と、光導波路の他端面から出射するモニター光
の強度を測定する工程と、その強度の時間的変化に基づ
いて第1電磁波の照射を停止する時期を決定する工程と
を含んでいる。具体的には、光導波路の他端面から出射
するモニター光の強度が安定したときに第1電磁波の照
射を停止してもよい。
【0009】なお、「光導波路」とは、光をコアに閉じ
込めて伝送する回路または線路をいい、光ファイバや平
面導波路、複数本の光ファイバを束ねた構造のバンドル
ファイバなどが含まれる。また、第2工程でコアに添加
する水素は、質量数1の同位体に限定されず、質量数2
の同位体、すなわち重水素であってもよい。
【0010】光導波路に入射したモニター光の一部はコ
ア中のガラス欠陥に吸収されるので、欠陥の生成が進む
に伴い、光導波路から出射するモニター光の強度は徐々
に低下する。コア中に前駆体がなくなると、欠陥生成用
の第1電磁波を照射しても欠陥が生成されなくなる。欠
陥の生成が飽和して欠陥の数が増えなくなると、モニタ
ー光強度の低下も止まる。すなわち、モニター光強度が
安定することは、欠陥生成が飽和し、それ以上欠陥が生
成されないことを示す。このように光導波路から出射す
るモニター光の強度の時間的変化は欠陥生成の進行度合
いを反映するので、モニター光強度の時間的変化に基づ
いて第1電磁波の照射を停止する時期を決定することに
より、必要以上に長い時間にわたって第1電磁波を照射
したり、逆に第1電磁波の照射時間が短すぎて欠陥の生
成が不十分になることが防止される。
【0011】上記の第1工程は、第1電磁波をパルス照
射し、このパルス照射の合間に前記モニター光をコアに
入射させてもよい。また、第1工程は、モニター光の強
度を測定する前に、光導波路の他端面から出射する光か
らモニター光を抽出する工程を更に含んでいてもよい。
【0012】本発明に係る方法は、水素が添加されたコ
アに第2の電磁波を照射する第3工程を更に備えていて
もよい。この第3工程によってコア中のガラス欠陥と水
素との結合が安定化し、水素が脱離しにくくなるので、
製造される光導波路の紫外光伝送損失が経時劣化しにく
くなる。
【0013】本発明は、石英ガラス製のコアを有する光
導波路の当該コア中にガラス欠陥を生成する装置も提供
する。この装置は、コア中にガラス欠陥を生成する欠陥
生成用電磁波を照射する電磁波照射手段と、ガラス欠陥
に吸収されうるモニター光を光導波路の一端面からコア
に入射させるモニター光照射手段と、光導波路の他端面
から出射するモニター光の強度を検出する光検出手段と
を備えている。この装置を使用することで、本発明に係
る光導波路製造方法の第1工程を実施することができ
る。
【0014】電磁波照射手段は、欠陥生成用電磁波をパ
ルス照射するものであってもよく、この場合、モニター
光照射手段は、欠陥生成用電磁波のパルス照射の合間に
モニター光をコアに入射させてもよい。
【0015】また、本発明のガラス欠陥生成装置は、光
導波路の他端面から出射する光からモニター光を抽出す
るモニター光抽出手段を更に備えていて、これによって
抽出されたモニター光の強度が光検出手段によって検出
されるようになっていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下では、図1および図2を参照
しながら本発明の実施形態に係る光導波路製造方法を具
体的に説明する。ここで図1は、本実施形態の方法の全
体的な流れを示すフローチャートである。また、図2
は、本実施形態で使用するガラス欠陥生成装置の構成を
模式的に示している。本実施形態では、ArFエキシマ
レーザ光源から出力されるArFエキシマレーザ光(波
長193nm)を伝送するように設計された光ファイバ
を製造する。
【0017】まず、適当な長さ(たとえば1m)の石英
系光ファイバを用意し、その一端面から電磁波を照射し
て、ガラス欠陥になる可能性のあるコア中の前駆体を欠
陥に変化させる(ステップ101)。この光ファイバ
は、略円柱状のコアと、このコアの側面に密着してコア
を同心状に包囲する略円管状のクラッドを有する。コア
およびクラッドは石英ガラスから構成されており、クラ
ッドはコアより低い屈折率を有している。コアにはフッ
素が1重量%含まれており、クラッドにはフッ素が3重
量%含まれている。コアにフッ素を添加することによ
り、紫外線照射劣化や紫外光伝送損失を抑えることがで
きる。
【0018】上述した特開平11−29335号公報で
も述べているように、本発明者は、電磁波を石英ガラス
に照射することによって、ガラス欠陥になる可能性のあ
る前駆体が強制的に欠陥に変換されると考えている。す
なわち、本発明者の考察によれば、石英ガラスに含まれ
るSi−Si結合は、光吸収によって結合エネルギーを
超えるエネルギーを受け取ると切断され、これにより1
個のSi−Si結合から2個のE′センター欠陥(Si
・)が生成される。このようにSi−Si結合はE′セ
ンターの源、すなわち前駆体であり、石英系光ファイバ
のコアにSi−Si結合が含まれていると、紫外光がコ
ア中を伝送されるときにSi−Si結合に吸収されて
E′センターが生成される場合があると思われる。実
際、Si−Si結合は163nmおよび248nmに吸
収ピークを有していると考えられ、本実施形態で製造す
る光ファイバの伝送光(波長193nm)を十分に吸収
しうる。この結果、コア中の欠陥の数が徐々に増加し、
伝送損失の増加、すなわち紫外線照射劣化を生じると考
えられる。特に、Si−Si結合から生成されるE′セ
ンターは215nmを中心とした波長域の光を吸収する
と考えられるので、本実施形態で製造する光ファイバで
はE′センターに起因する紫外線照射劣化が顕著である
と思われる。
【0019】以上の考察に基づいて、本実施形態では、
ステップ101の電磁波照射によってコア中の前駆体を
欠陥に変化させて前駆体を除去し、その後の紫外光伝送
によるE′センターの発生を抑制し、紫外線照射劣化を
低減している。
【0020】コアに照射する電磁波としては、紫外線
(400〜1nm)、X線(数十〜0.01nm)、γ
線(0.01nm以下)など、その照射によって石英ガ
ラスに結合欠陥を生じさせ得るエネルギー、すなわち
3.5eV以上の量子エネルギーを有する電磁波を使用
することができる。後述するように、本実施形態では、
2レーザ光(波長157nm)を照射する。
【0021】次に、ステップ101で電磁波を照射した
光ファイバのコアに水素を添加する(ステップ10
2)。この水素添加処理は、たとえば水素分子を含む雰
囲気中に光ファイバを保持することによって行うことが
できる。この雰囲気は、純粋な水素ガスであってもよい
し、水素ガスと他のガス(たとえば、窒素ガスおよび/
または不活性ガス)との混合雰囲気であってもよい。水
素添加処理の一例を挙げると、80℃、6気圧、水素ガ
ス100%の雰囲気中に光ファイバを1週間(168時
間)曝す。
【0022】特開平11−29335号公報でも述べら
れているように、本発明者は、このようにしてコアに添
加した水素がステップ101の電磁波照射で生成された
E′センター欠陥(Si・)と結合し、Si−H結合を
生成する結果、紫外光の伝送損失を低減できると考えて
いる。なお、コアに添加する水素として重水素を用いて
も同様の効果を得ることができる。
【0023】次に、水素雰囲気から光ファイバを取り出
し、光ファイバの両端から電磁波を照射してコアを透過
させる(ステップ103)。これにより、水素がE′セ
ンター欠陥と確実に結合する。
【0024】ステップ103の電磁波照射は、Si−H
結合における水素の脱離を防ぐためのものである。特開
平11−29335号公報にも記載するように、本発明
者は、電磁波照射が水素と欠陥との結合を促進し、より
安定な結合を生成できる、すなわち水素が固定された状
態となり、水素の抜けを防止できると考察している。
【0025】本発明者による特開平2000−2038
56号公報にも記載されているように、ステップ103
の電磁波照射は、コア中に水素分子が1×1016分子/
cm 3以上残留している間に行うことが好ましい。より
好ましい残留水素分子濃度としては、1×1016〜10
20分子/cm3、とりわけ好ましくは1×1018〜10
20分子/cm3が挙げられる。また、本実施形態では、
コアに照射する電磁波として1パルス当たり10mJ以
上のエネルギーを持つエキシマレーザー光を106パル
ス以上照射する。本工程に好適なエキシマレーザー光と
してはKrFまたはArFエキシマレーザー光が挙げら
れ、特に好ましくは波長248nmのKrFエキシマレ
ーザー光が挙げられる。具体例としては、例えばKrF
光を照射エネルギー1〜200mJ/cm2/パルスで
106〜107パルス(時間にすると2〜3時間程度)照
射することや、ArF光を照射エネルギー1〜200m
J/cm2/パルスで104〜107パルス照射すること
が挙げられる。パルス周波数については例えば50〜1
000Hz程度が挙げられるが、これに限定されるもの
ではなく、選択し得る範囲で実用的な値を選べばよい。
【0026】このように本実施形態では、水素添加の前
後に光ファイバのコアに電磁波を照射する。以下では、
水素添加(ステップ102)の前に行われる電磁波照射
(ステップ101)を「前照射」と呼び、水素添加後の
電磁波照射(ステップ103)を「後照射」と呼ぶ。
【0027】本実施形態の特徴は、図2に示されるガラ
ス欠陥生成装置1を用いてステップ101の前照射工程
を実施することにある。この装置1は、光ファイバ8の
コア中の前駆体をガラス欠陥に変化させるためのもので
あり、コア中にガラス欠陥を生成することの可能な電磁
波を照射する電磁波照射器2に加えて、モニター光を照
射するモニター光照射器4と、光ファイバ8から出射す
る光の強度を検出する光検出器10を備えている。
【0028】電磁波照射器2は、石英ガラスに結合欠陥
を生じさせ得るエネルギーを有する欠陥生成用電磁波を
パルス照射する。本実施形態では、F2レーザ光(波長
157nm)を出力するF2レーザ光照射器が電磁波照
射器2として設置されている。
【0029】F2レーザ光照射器2と光ファイバ8との
間にはハーフミラー6が設置されており、F2レーザ光
照射器2から出射する欠陥生成用のF2レーザ光がハー
フミラー6を透過して光ファイバ8の一端面8aに入射
するようになっている。なお、F2レーザ光の光路は図
2に符号12で示されている。
【0030】モニター光照射器4は、光ファイバ8のコ
アにおける欠陥生成の進行度合いを調べるために使用さ
れるモニター光を出力する。このモニター光としては、
2レーザ光の照射によって生成されるE′センター欠
陥に吸収されうる光が使用される。E′センターは21
5nmを中心とした波長域の光を吸収すると考えられる
ので、本実施形態では215nmに近い193nmの波
長を有するArFエキシマレーザ光をモニター光として
使用する。モニター光照射器4から出射するモニター光
の強度は一定に維持される。
【0031】モニター光照射器4は、モニター光照射器
4を出射したモニター光がハーフミラー6で反射されて
光ファイバ8の端面8aに入射するように配置される。
たとえば、図2のモニター光照射器4は、ハーフミラー
6の鏡面がモニター光照射器4から出射したモニター光
に約45度の入射角を提供するように配置されている。
なお、モニター光の光路は図2に符号14で示されてい
る。
【0032】光検出器10は、光ファイバ8を透過した
モニター光の強度を検出するため、光ファイバ8の端面
8aと反対側に位置する端面8bから出射する光が光検
出器10に入射するように配置されている。なお、端面
8bから出射する光の光路は、図2に符号16で示され
ている。
【0033】モニター光照射器4は、F2レーザ光照射
器2から欠陥生成光であるF2レーザ光がパルス照射さ
れる合間にモニター光をパルス照射する。これにより、
モニター光が欠陥生成光と同時に光ファイバ8に入射し
ないようになっている。これは、比較的波長の近いモニ
ター光と欠陥生成光が混在して光ファイバ8から出射し
光検出器10によって検出されると、モニター光の強度
やその時間的変化を正確に検出できなくなるためであ
る。
【0034】光ファイバ8に入射したモニター光の一部
はE′センター欠陥に吸収されるので、E′センター欠
陥の生成が進んで欠陥の数が増えるに伴い、光ファイバ
8から出射するモニター光の強度は徐々に低下する。欠
陥の生成が進みコア中の前駆体がなくなると、欠陥生成
光を照射してもE′センター欠陥が生成されなくなる。
このようにしてE′センター欠陥の生成が飽和し、欠陥
の数が増えなくなると、モニター光強度の低下も止ま
る。すなわち、モニター光強度が安定することは、欠陥
生成が飽和し、それ以上欠陥が生成されないことを示
す。したがって本実施形態では、光検出器10で検出さ
れるモニター光強度が安定したら、F2レーザ光照射器
2による光照射を停止する。モニター光強度が安定した
か否かの判断基準は、本製造方法の実施者が適宜定める
ことができる。
【0035】このように本実施形態では、モニター光の
強度の時間的変化に基づいて欠陥生成が飽和したことを
検出し、欠陥生成光の照射を停止する時期を決定する。
これにより、必要以上に長い時間にわたって欠陥生成光
を照射したり、逆に欠陥生成光の照射時間が短すぎて欠
陥の生成が不十分になることを防止できるので、紫外線
照射劣化が十分に低減された光ファイバを効率良く製造
することができる。
【0036】以上、本発明をその実施形態に基づいて具
体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形
が可能である。
【0037】例えば、上記実施形態では欠陥生成用電磁
波とモニター光が同時に光ファイバに入射しないように
これらを交互にパルス照射して光ファイバに入射させる
が、欠陥生成用電磁波とモニター光が同時に光ファイバ
に入射する場合であっても、光ファイバの出射光からモ
ニター光だけを抽出して光検出器に入射させれば上記実
施形態と同様の効果を得ることができる。モニター光を
抽出する手段としては、フィルターや分光器などの波長
選択器を挙げることができる。モニター光を抽出する場
合は、欠陥生成用電磁波およびモニター光のいずれか一
方または双方をパルス照射ではなく連続照射し、これら
を混在させて光ファイバに入射させてもよい。
【0038】上記実施形態では光ファイバに本発明を適
用したが、平面導波路やバンドルファイバなど、石英ガ
ラス製のコアを有する他の光導波路に対しても同様に適
用することができる。また、光導波路の屈折率分布構造
については特に限定されるところはなく、モノコア、マ
ルチコア、シングルモード、マルチモードのいずれでも
よい。
【0039】
【発明の効果】本発明では、欠陥生成の進行度合いを反
映するモニター光強度の時間的変化に基づいて欠陥生成
用電磁波の照射を停止する時期を決定するので、必要以
上に長い時間にわたって欠陥生成光を照射したり、逆に
欠陥生成光の照射時間が短すぎて欠陥の生成が不十分に
なることを防止することができる。したがって本発明に
よれば、ガラス欠陥生成用の電磁波照射を必要十分な時
間にわたって行い、紫外線照射劣化が十分に低減された
紫外光伝送用光導波路を効率良く製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の光導波路製造方法の全体的な流れを
示すフローチャートである。
【図2】本実施形態で使用するガラス欠陥生成装置の構
成を示す模式図である。
【図3】ガラスの結合欠陥の例を、正常なガラス構造お
よび欠陥に水素を固定した安定構造とともに示す図であ
る。
【符号の説明】
1…ガラス欠陥生成装置、2…電磁波照射器、4…モニ
ター光照射器、6…ハーフミラー、8…光ファイバ、8
aおよび8b…端面、10…光検出器、12、14およ
び16…光路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宍戸 資彦 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H050 AB04X AB10Y AC03 AD00 4G060 AD43 AD44

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外光伝送用の光導波路を製造する方法
    であって、 石英ガラス製のコアを有する光導波路を用意し、前記コ
    アに第1の電磁波を照射してガラス欠陥を生成する第1
    工程と、 前記第1電磁波が照射された前記コアに水素を添加する
    第2工程と、を備え、 前記第1工程は、前記ガラス欠陥に吸収されうるモニタ
    ー光を前記光導波路の一端面からコアに入射させる工程
    と、前記光導波路の他端面から出射するモニター光の強
    度を測定する工程と、前記強度の時間的変化に基づいて
    前記第1電磁波の照射を停止する時期を決定する工程と
    を含んでいる、光導波路製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程は、前記第1電磁波をパル
    ス照射し、このパルス照射の合間に前記モニター光を前
    記コアに入射させる、請求項1記載の光導波路製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程は、前記モニター光の強度
    を測定する工程に先立って、前記光導波路の他端面から
    出射する光から前記モニター光を抽出する工程を更に含
    んでいる、請求項1記載の光導波路製造方法。
  4. 【請求項4】 水素が添加された前記コアに第2の電磁
    波を照射する第3工程を更に備える請求項1記載の光導
    波路製造方法。
  5. 【請求項5】 石英ガラス製のコアを有する光導波路の
    当該コア中にガラス欠陥を生成する装置であって、 前記コア中にガラス欠陥を生成する欠陥生成用電磁波を
    照射する電磁波照射手段と、 前記ガラス欠陥に吸収されうるモニター光を前記光導波
    路の一端面から前記コアに入射させるモニター光照射手
    段と、 前記光導波路の他端面から出射するモニター光の強度を
    検出する光検出手段と、を備えるガラス欠陥生成装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁波照射手段は、前記欠陥生成用
    電磁波をパルス照射し、 前記モニター光照射手段は、前記欠陥生成用電磁波のパ
    ルス照射の合間に前記モニター光を前記コアに入射させ
    る、請求項5記載のガラス欠陥生成装置。
  7. 【請求項7】 前記光導波路の他端面から出射する光か
    ら前記モニター光を抽出するモニター光抽出手段を更に
    備えている請求項5記載のガラス欠陥生成装置。
JP2001199036A 2001-06-29 2001-06-29 光導波路の製造方法およびガラス欠陥生成装置 Pending JP2003014948A (ja)

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