JP3456449B2 - 石英ガラス物品及びその製造方法 - Google Patents

石英ガラス物品及びその製造方法

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    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石英ガラス物品及び
その製造方法に関し、特に波長が160〜300nmの
紫外線領域の光を伝送し、初期透過特性に優れ、かつ紫
外線照射による伝送損失の増加を抑えることができる光
ファイバを含む石英ガラス物品及びその製造方法に関す
る。波長160〜300nmの紫外線光は、最近、フォ
トリソグラフィ、レーザー加工、殺菌、消毒等の分野で
の工業的利用価値が高まっており、本発明による紫外線
照射劣化を低減した石英ガラス物品を用いれば非常に有
利である。
【0002】
【従来の技術】石英ガラス物品は光ファイバ等の光伝送
媒体、各種光学部品等として利用されている。特に光フ
ァイバは低損失、軽量、細径、無誘導といった利点か
ら、通信、画像伝送、エネルギ伝送等各種分野において
近時その使用が増大している。その一つとして紫外光を
伝送して医療や微細加工等の分野に利用することが期待
されているが、紫外線照射環境下ではガラスが劣化して
伝送損失増加が起きる、すなわち紫外線照射劣化という
問題がある。石英系ガラスをコアとする石英系光ファイ
バは多成分系ガラス光ファイバに比べると伝送損失増加
が小さいため紫外光用として好適であるが、やはり紫外
線照射劣化の問題は残っている。ところで、200nm
以下の波長帯では空気中よりも石英ガラス中のほうが光
透過性が良い場合があり得る。この理由は空気中での紫
外線照射により酸素ガスの解離吸収が起きるためであ
る。そこで200nm以下の波長域において紫外線照射
劣化を低減させれば高い透過性が期待できる。
【0003】この紫外線照射劣化の主因はガラスの結合
欠陥にあると言われている。本発明においてガラスの結
合欠陥とは、ガラスネットワーク構造の一部の結合が完
全に切断された状態、もしくはネットワークの一部に歪
が加わることにより結合距離が大きく引き延びたりして
極めて切断されやすい状態になっていることをいう。図
2に現在報告されている石英ガラスのガラス欠陥のうち
の数例を示す。このうち紫外線領域の光を吸収する代表
的なものとしてE′センター(≡Si・)、酸素欠損型
欠陥(≡Si−Si≡)由来のものが挙げられ、これら
により163nm,215nm,245nmで紫外線を
吸収する。これらはガラスを合成する際に酸素不足気味
の雰囲気であったり、OH基濃度の低いガラス程できや
すいと言われている。
【0004】石英系ガラスの紫外線照射劣化を低減する
技術として、特開平5−147966号公報(文献と
いう)には、純粋石英コア中のOH基含有量を10〜1
000ppm、F(フッ素)含有量を50〜5000p
pm、Cl(塩素)含有量を実質的に零に調節すること
により、紫外線に対する初期透過特性に優れ、且つ特定
量のフッ素含有により紫外線照射劣化を低減した光ファ
イバを得ることが提案されている。
【0005】また、紫外線照射劣化の改善を直接対象と
したものではないが、可視光、近赤外光伝送用ファイバ
の耐放射線特性の改善に関する技術がいくつか知られて
いる。例えば特開昭60−90853号公報(文献と
いう)には、ガラススート成形体、透明ガラス母材、ガ
ラス成形体(光ファイバ)のいずれかを水素雰囲気で処
理し、ガラス中の欠陥を解消させて光ファイバの耐放射
線性を向上する処理方法が提案されているが、その効果
の確認として波長1.3μmの近赤外光における損失増
を測定した例しか挙げられていない。また、この方法に
よる耐放射線特性の向上効果は約2ケ月程度で消失して
しまう。
【0006】これに対し、東門,長沢等、「水素処理と
γ線照射による光ファイバの耐放射線性の改善」、昭和
60年度電子通信学会半導体・材料部門全国大会講演論文
集、分冊1、第1−213頁、(社)電子通信学会発
行、1985年(文献という)には、純粋石英コア光ファ
イバのγ線照射による波長630nm(可視光)におけ
る光吸収増加を抑制する方法として、第1工程として光
ファイバに水素処理を施した後、第2工程としてγ線を
照射することにより、ガラス中の欠陥のシード(プリカ
ーサー)を2eV帯の原因となる欠陥に変化させ、前工
程においてファイバ中に予め拡散させておいた水素と該
欠陥とを化学結合させることにより可視光域での耐放射
線性を改善することが報告されている。文献もファイ
バの耐紫外線特性については記載がない。
【0007】米国特許明細書第5574820号( 文献
という) には、可視光を伝送するイメージファイバと
して純粋石英コアファイバを放射線環境で使用する際
の、可視光領域での損失増加を低減する手段として、純
粋石英コアファイバに、予め105 Gy以上の大線量の
放射線を照射することにより、その後放射線を照射して
も波長400〜700nmの可視光線領域での損失増加
が30dB/kmを超えない光ファイバ及びその製法が提案
されているが、紫外線領域における特性についての記載
はない。
【0008】さらに特開平5−288942号公報(文
献という)には、文献と同様に可視光を伝送するイ
メージファイバの耐放射線性を向上する方法として、溶
融紡糸したイメージファイバに107 〜109 レントゲ
ン(105 〜107 Gy)という大線量のγ線を照射し
た後、水素雰囲気で加熱することが提案されている。こ
の文献にも紫外線領域での特性については記載されてい
ない。
【0009】前記文献では水素添加により近赤外光に
おける光ファイバの耐放射線性を向上しているが、最
近、石英系ガラス中に水素分子を添加することにより耐
紫外線特性向上を図ることも検討されている。例えばO
H基を100ppm以上含有し酸素欠陥が実質的に存在
せず且つ水素ガスを含有させたことにより耐紫外線性を
向上した石英ガラス(特開平3−23236号公報:文
献)、石英ガラス中の水素濃度を1.5×1017分子
/cm3 以上として紫外線照射による劣化を防止し、同
時に塩素濃度を100ppm以下とすることにより紫外
線照射時のガラス中の水素消費を低減し、耐紫外線特性
を維持すること(特開平5−32432号公報:文献
)、100ppm以下のOH基,200ppm以下の
塩素及び水素濃度1016分子/cm3 以下、屈折率変動
5×10-6以下、複屈折5nm/cmとすることにより
耐紫外線性を向上した石英ガラス(特開平6−1644
9号公報:文献)、石英ガラスであってOH基含有量
が50ppm以下であり、水素を少なくとも1018分子
/cm3 含有し、KrFレーザーを出力350mJ/c
2 で107 パルスで照射して光学的損傷を受けないも
の(特開平8−290935号公報:文献)、弗素添
加石英ガラスに水素分子を添加することにより耐紫外線
性を向上した石英ガラス〔米国特許第5679125号
明細書:文献(10)〕等が提案されている。
【0010】またさらに、文献と同様の手段で紫外線
特性を向上しようという試みとして、水素分子含有石英
ガラスにγ線を照射し、照射後の該石英ガラス中の水素
濃度を5×1016分子/cm3 以上とすることにより耐
紫外線性を向上する方法〔特開平7−300325号公
報:文献(11)〕、水素分子を2×1017〜5×1019
子/cm3 含有させたガラスに150〜300nmの紫
外光を20時間以上照射して耐紫外線特性を向上する方
法〔特開平9−124337号公報:文献(12)〕等が提
案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記文献の方法によ
れば紫外線の初期透過特性に優れた光ファイバとなる
が、紫外線照射劣化に対してはあまり大きな効果は見ら
れない。また逆に、紫外吸収端に由来する吸収を増加し
てしまう場合もあり、最適な添加量の調整はかなり困難
であった。一方、可視光、近赤外光の伝送における耐放
射線特性改善に関する文献〜には、いずれも紫外線
照射劣化特性に関する記載がなかった。また、後記する
ように本発明者らの検討によれば、これらの可視光、近
赤外光伝送用ファイバに対する処理方法では、紫外線照
射劣化に対する効果が短期間しか持続しなかったり、紫
外光伝送用光ファイバに適用するには明らかに不適当な
手段もあった。
【0012】前記したように文献に従いOH基、F、
Cl含有量を調整することは初期透過特性の向上には有
効であったが、紫外線照射環境での劣化までは改善でき
なかった。一方、文献の水素処理によると、耐放射線
性初期特性を改善するが、長期的には光吸収の増加を抑
制することができなかった。本発明者らの実験によれば
このことは紫外線照射劣化に対しても同様であった。そ
の理由については、水素処理によりガラス中に水素分子
が拡散し、これが放射線照射によって生成するガラス欠
陥と結合し紫外光吸収の増加を抑制するが、通常室温で
放置されたガラス中の水素分子は拡散し、約2ケ月でガ
ラスから放出され、紫外線照射劣化抑制効果がなくなる
ためと考えられる。このことは文献中に、水素処理し
た後に加熱処理すると可視光域での耐放射線特性が低下
したと報告されていることにも示される。このため、文
献の方法で長期的に紫外線照射劣化を抑制するために
は繰り返し水素処理を実施するとか、ハーメチックコー
ト等で水素の拡散放出を防止するなどの対策が必要であ
る。しかし、繰り返し処理ではファイバの連続使用が不
可能となるし、ハーメチックコートを施すと生産性が悪
くなる等の問題がある。
【0013】また、文献にはファイバではなく透明ガ
ラス母材について、水素処理前に加熱延伸や放射線照射
を実施すると可視光域の損失劣化特性が改善される場合
があると記載されているので、実際に試みたが、紫外線
領域での損失増加を抑制する効果は認められなかった。
すなわち、透明ガラス母材に先の処理を施した後にファ
イバ化すると先の処理の効果が認められなくなった。
【0014】文献の問題に対して、文献では水素処
理を行った後に、放射線照射を実施してこの時存在して
いた前駆体(プレカーサ)を欠陥に変化させ前工程でガ
ラス中に拡散させておいた水素と結合させ、その後さら
に水素処理、加熱処理を行った実験が報告されている。
この方法では水素処理を2度も行い、工程が複雑であ
る。
【0015】一方、文献の方法による紫外線照射劣化
抑制効果を検討したところ、紫外光用光ファイバに予め
少なくとも105 Gy以上という非常に大線量の放射線
を照射すると30dB/km以上の損失増加になってしまう
ことが判明した。また、10 5 Gy以上の放射線照射を
行うことは、照射条件の制約から一度に大量の光ファイ
バを処理することが難しく、生産性が悪い。さらに、通
常の光ファイバの被覆に使用されている紫外線硬化型樹
脂が照射によって劣化し、ファイバの機械的強度が低下
するという問題もあることが判明した。文献の方法も
大線量の照射を行っており、損失増加、紫外線硬化型樹
脂劣化の問題があり紫外光用光ファイバには不適当であ
った。
【0016】文献〜(11)の方法でもOH基,F又はC
lの含有量を調節しているが、このような成分調整は初
期ガラス欠陥の低減には効果があるものの、紫外線誘起
欠陥の低減には効果が小さい。また文献〜(12)の方法
で行われている水素処理によれば、紫外線照射により生
成するガラス欠陥と、水素処理によりガラス中に拡散し
ていた水素分子が結合して光吸収の増加を抑制し、この
抑制効果は水素分子がガラス中に残存している期間に限
定される。文献〜(12)は主にバルクのガラス部材を対
象としているため、ガラス中の水素の拡散の速さに比べ
てガラス部材が大きく、部材中に水素分子が長期間にわ
たり残留し、耐紫外線性が保たれると考えられる。しか
し、文献〜(12)の技術を光ファイバに適用した場合に
は、水素が短期間で外部へ拡散してしまい、耐紫外線性
が持続しないという問題があった。すなわち、通常室温
に放置された光ファイバ(クラツド外径125μm)中
の水素分子は徐々に光ファイバ外に放出され、約2ヶ月
で一万分の一程度の濃度に低下する。つまり、前記した
抑制効果は水素処理後約2ヶ月のみ有効であり、長期的
には光吸収の増加を抑制することはできない。図3
(a)に外径125μmのガラスファイバに、20〜8
0℃で水素をドープするときの、ファイバ中心の水素濃
度変化を計算から求め、初期濃度を0、飽和濃度を1と
して示す。また同図(b)にこのファイバから水素が抜
けていくときの水素濃度変化を同様に計算で求め(a)
と同様に示す。ガラスファイバ周辺は大気であり水素分
圧は0とする。図4の(a),(b)は外径200μm
のガラスファイバについて図3(a),(b)と同様に
示したものである。
【0017】このような現状に鑑み、本発明は紫外光伝
送用の光ファイバまたはバンドルファイバとして用い
て、紫外線初期透過特性に優れるとともに、紫外線照射
環境での長時間使用によっても伝送損失増加のない優れ
た紫外線照射劣化特性を有する石英ガラス物品及びその
製造方法を課題とする。また、波長200nm以下の紫
外線照射によっても劣化が少なく、空気中よりも光の透
過性の高い石英物品及びその製造方法を課題とする。さ
らに、本発明は光ファイバに適用した場合には、ガラス
ファイバのみならずその被覆についても紫外線による劣
化がない石英ガラス物品及びその製造方法を課題とす
る。またさらに、本発明は製造設備、製造コストの面で
十分に実用的な、紫外線照射劣化特性に優れた石英ガラ
ス物品及びその製造方法を課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として本発明は、(1) 石英ガラス物品中に水素
分子が1×1016分子/cm3 以上存在するようにする
工程、及び該石英ガラス物品中に水素分子が1×1016
分子/cm3 以上存在する状態で該石英ガラス物品にエ
キシマレーザー光又は100Gy以下のγ線を照射する
電磁波照射工程を行なうことにより、紫外線照射による
紫外線領域での光吸収の増加が実質的に発生しないよう
にせしめることを特徴とする石英ガラス物品の製造方
法、(2) 前記石英ガラス物品中に水素分子が1×10
16分子/cm3 以上存在するようにする工程として、当
該石英ガラス物品を水素ガスからなる雰囲気に浸漬する
ことを特徴とする上記(1) 記載の石英ガラス物品の製造
方法、(3) 前記水素ガスからなる雰囲気の水素分圧が
0.5〜10気圧、温度が室温以上であることを特徴と
する上記(2) 記載の石英ガラス物品の製造方法、(4)
前記電磁波照射工程の後に当該石英ガラス物品中の残留
水素分子を1×1016分子/cm3 以下とする工程を行
なうことを特徴とする上記(1) ないし(3)のいずれかに
記載の石英ガラス物品の製造方法、(5) 当該石英ガラ
ス物品中の残留水素分子を1×1016分子/cm3 以下
とする工程として、室温から80℃の温度で加熱するこ
とを特徴とする上記(4) 記載の石英ガラス物品の製造方
法、(6) 前記石英ガラス物品が光ファイバであり、石
英ガラス物品中に水素分子が1×1016分子/cm3
上存在するようにする工程として該光ファイバを水素ガ
ス分圧が0.5気圧から10気圧、室温から光ファイバ
被覆の耐熱上限温度までの温度の雰囲気中に浸漬するこ
とを特徴とする上記(1) ないし(5) のいずれかに記載の
石英ガラス物品の製造方法、(7) 前記石英ガラス物品
が光ファイバであり、石英ガラス物品中に水素分子が1
×1016分子/cm3 以上存在するようにする工程とし
て該光ファイバを水素ガス分圧が0.5気圧から10気
圧、80〜200℃の温度の雰囲気中に浸漬することを
特徴とする上記(1) ないし(6) のいずれかに記載の石英
ガラス物品の製造方法、及び(8) 前記石英ガラス物品
が、光ファイバの多数本を集束してなるバンドルファイ
バ、又は集束する以前のバンドルファイバ用の光ファイ
バであることを特徴とする上記(1) ないし(7) のいずれ
かに記載の石英ガラス物品の製造方法、に関する。
【0019】また本発明は、(9) 石英ガラス物品中に
水素分子が1×1016分子/cm3 以上存在するように
する工程、次いで当該石英ガラス物品中に水素分子が1
×1016分子/cm3以上存在する状態で当該石英ガラ
ス物品にエキシマレーザー光又は100Gy以下のγ線
を照射する電磁波照射工程を経たことにより、紫外線照
射による紫外線領域での光吸収の増加が実質的に発生し
ないようにされたことを特徴とする石英ガラス物品、及
び(10) 石英ガラス物品中に水素分子が1×1016分子
/cm3 以上存在するようにする工程、次いで当該石英
ガラス物品中に水素分子が1×1016分子/cm3以上
存在する状態で当該石英ガラス物品にエキシマレーザー
光又は100Gy以下のγ線を照射する電磁波照射工
程、及び前記電磁波照射工程の後に大気中に放置する又
は80℃以下で加熱することによりガラス中の水素分子
濃度を1×10 16分子/cm3 以下とする工程を経たこ
とにより紫外線照射による紫外線領域での光吸収の増加
が実質的に発生しないようにされたことを特徴とする石
英ガラス物品、に関する。
【0020】さらにまた本発明は、(11) コア及び該コ
アより屈折率の低いクラッドからなる光ファイバであっ
て、該コア中に水素分子が1×1016分子/cm3 以上
存在するようにする工程、次いで該コア中に水素分子が
1×1016分子/cm3 以上存在する状態で該コアの端
面からエキシマレーザー光又は100Gy以下のγ線を
照射する電磁波照射工程を経たことにより、当該光ファ
イバの長さ1mについて波長248nmのKrFエキシ
マレーザーを出力10mJ/cm2 で108 パルス照射
したときに、波長248nmにおいて、初期紫外線透過
率と紫外線照射後の紫外線透過率の差が10%以内であ
ることを特徴とする光ファイバ、(12) コア及び該コア
より屈折率の低いクラッドからなる光ファイバであっ
て、該コア中に水素分子が1×1016分子/cm3 以上
存在するようにする工程、次いで該コア中に水素分子が
1×1016分子/cm3 以上存在する状態で、該コアの
端面からエキシマレーザー光又は100Gy以下のγ線
を照射する電磁波照射工程、及び前記電磁波照射工程の
後に大気中に放置する又は80℃以下で加熱することに
よりガラス中の水素分子濃度を1×1016分子/cm3
以下とする工程を経たことにより、当該光ファイバの長
さ1mについて波長248nmのKrFエキシマレーザ
ーを出力10mJ/cm2 で108 パルス照射したとき
に、波長248nmにおいて、初期紫外線透過率と紫外
線照射後の紫外線透過率の差が10%以内であることを
特徴とする光ファイバ、(13) 前記光ファイバは、高純
度石英ガラスからなるコア中にフッ素を含むことを特徴
とする上記(11)または(12)に記載の光ファイバ、(14)
前記光ファイバは、コア中にClを1ppm以上は含ま
ないことを特徴とする上記(11)ないし(14)のいずれかに
記載の光ファイバ、及び(15) 前記光ファイバが多数本
願発明のガラスファイバを集束してなるバンドルファイ
バであることを特徴とする上記(11)ないし(14)のいずれ
かに記載の光ファイバ、に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、まず石英ガラス物品中
に水素分子が1016分子/cm3 以上存在する状態とし
ておき、次いでこの水素分子が1016分子/cm3 以上
の状態にある該石英ガラス物品にエキシマレーザー光又
は100Gy以下のγ線という比較的に低量子エネルギ
ーの電磁波を照射する工程に付すことにより、耐紫外線
性の低下を防止することができる。またさらに、前記電
磁波照射工程を経た本発明の石英ガラス物品について、
該ガラス中の余剰の水素分子を抜くために加熱するとい
う工程に付すことも本発明の範囲に包まれる。
【0022】本発明の方法を具体的に説明する。まず、
本発明において紫外域とは波長160nm〜300nm
をいう。本発明の方法が対象とする原料の石英ガラス物
品とは、石英ガラス製の光ファイバ、レンズ、ビームス
プリッタ等、紫外線を工業的に利用する際に必要となる
光学部品等の石英ガラス製品全般をいう。本発明の工程
に付す前の原料の石英ガラス物品の石英ガラス材料自体
の製法については特に限定されるところはない。具体的
な材料としては、石英(SiO2 )を主成分とし、特に
紫外線が透過する領域はフッ素(F)を1重量%程度含
むと良い。また、光ファイバ等のコアにはClは1pp
m以上は含まない(Clが0ppmの場合も含む)こと
が特に好ましい。一方、光ファイバのクラッドのように
紫外線が透過しない領域の材料は前述の限りではない。
本発明にいう光ファイバの屈折率分布構造については特
に限定されるところはなく、モノコア、マルチコア、シ
ングルモード、マルチモードのいずれでもよく、さらに
は光ファイバの多数本を集束してなるバンドルファイバ
も包含する。バンドルファイバについては、個々の光フ
ァイバの段階で本発明の方法を適用した後に集束しても
よいし、また多数本の光ファイバを集束してバンドルフ
ァイバとした後に本発明の方法を適用してもよい。
【0023】本発明では、出発石英ガラス物品を、その
中に水素分子が1×1016分子/cm3 以上存在する状
態にできるような工程に付しておく。本発明の電磁波工
程に付す際の、ガラス中に水素分子が1×1016分子/
cm 3 以上存在する状態として、より好ましくは1016
〜1020分子/cm3 であること、とりわけ好ましくは
1018〜1020分子/cm3 であることが挙げられる。
このような水素分子濃度の状態にする具体的な手段の一
つとして、出発の(原料の)石英ガラス物品を水素ガス
からなる雰囲気に浸漬する工程に付すことが挙げられ
る。本発明の「水素ガスからなる雰囲気」とは、水素ガ
スの分圧が0.1気圧〜10気圧程度、好ましくは0.
5〜10気圧の、純粋な水素ガス又は水素ガスと窒素ガ
ス及び/又は不活性ガスの混合雰囲気をいう。気圧範囲
の限定の根拠は、0.5〜10気圧範囲では、水素のガ
ラス中での拡散速度としてほぼ同等の効果が得られるこ
と、またこの程度のガス圧が実生産の上で用いやすく、
10気圧を超えると高圧ガスの取扱いになり法的規制が
厳しくなり、経済的でないからである。また0.1気圧
程度でも効果として差異はないがかえって取扱い易くな
いという現実的な理由による。なお、水素ガスとして重
水素ガスを用いても同様の効果を得ることができる。水
素処理時の温度は特に限定されるところはないが、1気
圧の水素ではファイバ中心に到達するのに、室温で7日
程度、80℃では1日、200℃で2時間程度であるの
で、室温以上でよく、光ファイバの場合にはファイバ被
覆の耐熱性により実質的に上限温度が決定され、好まし
くは80〜200℃程度である。なお、80℃は紫外線
硬化型アクリレート樹脂の耐熱上限温度に近く、200
℃はシリコン樹脂の耐熱上限温度である。処理時間は、
処理温度により異なるが、80℃以上であれば概ね2〜
3日以内でファイバ中に水素が拡散し、処理が終了す
る。
【0024】また本発明においては、前記した文献記
載のOH基を100ppm以上含有し酸素欠陥が実質的
に存在せず且つ水素ガスを含有させたことにより耐紫外
線性を向上した石英ガラス、文献記載の石英ガラス中
の水素濃度を1.5×1017分子/cm3 以上とし、塩
素濃度を100ppm以下としたガラス、文献記載の
100ppm以下のOH基,200ppm以下の塩素及
び水素濃度1016分子/cm3 以下、屈折率変動5×1
-6以下、複屈折5nm/cmとした石英ガラス、文献
記載のOH基含有量が50ppm以下で、水素を少な
くとも1018分子/cm3 含有するガラス、文献(10)記
載の弗素添加石英ガラスに水素分子を添加することによ
り耐紫外線性を向上した石英ガラス、文献(11)記載の水
素分子含有石英ガラスにγ線を照射し、照射後の該石英
ガラス中の水素濃度を5×1016分子/cm3 以上とす
ることにより耐紫外線性を向上したガラス、文献(12)記
載の水素分子を2×1017〜5×1019分子/cm3
有させたガラスに150〜300nmの紫外光を20時
間以上照射して耐紫外線性を向上したガラス、等の従来
技術による水素添加されたガラスを、水素分子が1×1
16分子/cm3 以上であればその状態で、また水素分
子が抜けているならば前記した水素処理を施して1×1
16分子/cm3 の状態として、本発明の電磁波照射工
程に付すこともできる。
【0025】本発明の電磁波照射工程に用いる電磁波と
しては波長248nm以下のエキシマレーザー光又はγ
線が挙げられ、特に好ましくはKrFエキシマレーザー
光又はArFエキシマレーザー光が挙げられる。この工
程での照射条件は、電磁波がエキシマレーザー光の場
合、例えばKrFで照射量1〜200mJ/cm2 /パ
ルスで106 〜107 パルス(時間にすると2〜3時間
程度)、ArFでは照射量1〜200mJ/cm2 /パ
ルスで104 〜107 パルスといった条件が挙げられ
る。パルス周波数については例えば50〜1000Hz
程度が挙げられるが、これに限定されるものではなく選
択し得る範囲で実用的な値を選べばよい。γ線の場合は
100Gy以下照射する。
【0026】本発明の電磁波照射工程のメカニズムの詳
細は不明であるが、エキシマレーザー等の電磁波照射が
水素と欠陥との結合を促進させ、より安定な結合に変わ
る、すなわち水素が固定化された状態となり、水素の抜
けを防止できる、と本発明者らは考察している。エキシ
マレーザー光の場合には2〜3時間程度の照射で水素を
固定化できた点については、エキシマレーザー光の場合
には瞬間的に強いパルスをファイバの端面に集中して照
射できるので、エネルギーを無駄なく利用して水素を固
定できたものと考察している。該電磁波照射工程による
水素固定化は、サイズの小さい石英ガラス物品、特に光
ファイバ等に適用した場合とりわけ有利である。
【0027】本発明の水素分子が1×1016分子/cm
3 以上存在するようにする工程及び電磁波照射工程は、
紫外線照射による紫外線領域での光吸収の増加が実質的
に発生しないように行う。この「実質的に発生しない」
とは、紫外線照射による透過率劣化、すなわち初期の紫
外線透過率(初期透過率)がT0 、紫外線(160〜3
00nm)照射後の紫外線透過率がT1 のとき、T0
100%とする照射後の相対透過率TR を〔TR =T1
/T0 ×100(%)〕とすると、1−TR ≦10%す
なわち〔(T0 −T1 )/T0 〕≦10%であることを
意味する。
【0028】従って本発明の電磁波照射工程を経た石英
ガラス物品は、例えば長さ1mの光ファイバの場合で
は、波長248nmのKrFエキシマレーザーを出力1
0mJ/cm2 で108 パルス照射したときに、波長2
48nmの紫外線領域において、前記照射前の紫外線透
過率と照射後の紫外線透過率の差が10%以内である
(即ち、紫外線照射による紫外線領域での光吸収増加が
実質的に発生しない)ことを特徴とするものである。
【0029】第3工程における電磁波再照射で水素を固
定した後、ガラス中にまだ水素分子が含有されている場
合がある。水素分子の存在は、短波長域での使用には何
ら差し支えないが、水素分子の吸収の起きる長波長域で
は好ましくない。水素分子(H2 )は1.24μmに吸
収を持ち、その強度は1×1018分子/cm3 で3.4
dB/km,1×1016分子/cm3 で0.03dB/
kmとなる。ガラス中に固定されていない水素分子をガ
ラス中から抜くためには、第4の工程として加熱処理を
行えばよい。加熱条件は例えば室温〜80℃の範囲で加
熱し、第4工程の後の石英ガラス物品中に残留する水素
分子濃度を1×1016分子/cm3 以下とすることが好
ましい。また、大気中に放置しておくだけでも水素分子
は抜けてゆく。
【0030】なお、石英ガラス中の水素濃度の測定は、
Zurnal Pril;adnoi SpektroskopiiVol.46 No.6 pp987‐
991 June 1987〔文献(13)〕に記載の、ラマン分析によ
りSiO2 の波長800cm-1のラマンバンドの強度と
合成石英ガラス中の水素分子に関する4135cm-1
強度比から算出する式から求めることができる。
【0031】以上の本発明の第4工程を経た石英ガラス
物品は、例えば長さ1mの光ファイバの場合では、波長
248nmのKrFエキシマレーザーを出力10mJ/
cm 2 、パルス周波数100Hzの条件で108 パルス
照射したときに、波長248nmの紫外線領域におい
て、前記照射前の紫外線透過率と照射後の紫外線透過率
の差が10%以内であることを特徴とするものである。
【0032】本発明の石英ガラス物品が光ファイバの場
合、その1次被覆には熱硬化性シリコン又は紫外線硬化
性ウレタンアクリレートが用いられ、2次被覆にはナイ
ロンが使用されることが多いが、本発明においては1次
被覆に放射線照射後の伸び残率の高い紫外線硬化性ウレ
タンアクリレートを用いることが好ましい。図4に放射
線の照射線量と樹脂の伸び残率(照射前の破断伸びに対
する照射後の破断伸びの割合)の関係を示すが、同図か
ら線量が105 Gyを超えると劣化が始まること、本発
明の照射条件の104 Gy以下では被覆劣化が実質的に
ないことが明らかに判る。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び参考例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるところは
ない。また、各例より得られた各光ファイバを評価する
ために行った耐紫外線テストの照射条件は次のとおりで
ある。 KrF エキシマレーザー照射:波長248nm,5eV,10mJ/cm2/
パルス,1000Hz で108パルスを光ファイバの両端より照
射、 ArF エキシマレーザー照射:波長193nm,6.4 eV,10mJ/cm
2/パルス,1000Hz で10 4 パルスを光ファイバの両端より
照射、 重水素ランプ照射:ランプ出力 150W,ランプと光ファイ
バとの距離 15cm で光ファイバの両端より照射、 重水素ランプ照射:ランプ出力 150W,ランプと光ファイ
バとの距離 15cm で光ファイバの両端より照射、 γ線照射:光ファイバ及び線源を遮蔽材中に保持し、線
60Co, 1.17MeV, 1.33MeVで照射。 耐紫外線テストの評価は、照射直前の(初期)紫外線透
過率〔最終工程を終了したときの透過率〕と照射後の紫
外線透過率を比較することによった。耐紫外線テストに
おいて、紫外線領域での紫外線吸収量の増加はレーザー
出力と照射パルス数で決まり、パルス周波数は既述のよ
うに実用的に選択し得る値であるが、高い周波数でテス
トすれば短時間で目的とする照射量に達することができ
る。
【0034】〔実施例1〕フッ素を1重量%含む石英ガ
ラスコアとフッ素を3重量%含む石英ガラスクラッドか
らなる単心光ファイバ(長さ1000m)を束ねて、そ
の全体に60Coを線源とするγ線(1.17Me:1.
33MeV)を照射した(第1工程)。このときファイ
バの放射線吸収線量は103 Gyであった。これを直ち
に80℃、10気圧の水素雰囲気に1週間曝した(第2
工程)。この時の光ファイバ中の水素分子濃度は7×1
19分子/cm3 であった。次にこのファイバを長さ1
mに切断し、両端からKrFエキシマレーザー(波長2
48nm、5eV)を10mJ/cm2 /パルス、10
00Hzの照射条件で107 パルス照射し(第3の工
程)、本発明の光ファイバを得た。図1に第2〜3の各
工程直後の光ファイバ1m当たりの透過率を示す。図1
における透過率は、光ファイバの一端から波長λの光を
強度をI0 で入射するときにファイバの他端から出射す
る波長λの光の強度をIとすると、数1で示されるもの
である。
【数1】 耐紫外線テストとして、得られた光ファイバの両端から
KrFエキシマレーザーを108 パルス照射したが、波
長248nmにおける透過率は第3工程終了時(照射
前)の約96%に低下したに過ぎなかった。この結果も
図1に併せて示す。
【0035】〔実施例2〕実施例1において第1工程で
の放射線吸収線量を102 Gyとした他は、すべて実施
例1と同様に行った。得られた本発明の光ファイバにつ
いて、実施例1の場合と同様に耐紫外線テストとしてK
rFエキシマレーザーを108 パルス照射したところ、
結果は実施例1と同様であった。
【0036】〔実施例3〕フッ素を1重量%含む石英ガ
ラスコアとフッ素を3重量%含む石英ガラスクラッドか
らなる単心光ファイバ(長さ1m)について、第1〜第
3工程は実施例1と同様に行った。第1工程における光
ファイバの放射線吸収線量、第2工程終了直後の光ファ
イバ中の水素分子濃度は実施例1と同じであった。第3
工程の後に40℃に3週間(約500時間)加熱して水
素抜き(第4工程)を行い、本発明光ファイバを得た。
該光ファイバ中の水素分子濃度は測定限界以下(1×1
16分子/cm3 未満)であった。得られた光ファイバ
について、実施例1の場合と同様に耐紫外線テストとし
てKrFエキシマレーザーを108 パルス照射したとこ
ろ、波長248nmにおける透過率は第4工程終了直後
の約93%に低下したに過ぎなかった。
【0037】〔比較例1〕実施例3と同じ単心光ファイ
バ(長さ1m)について、第1及び第2工程は実施例3
と同様に行った。第2工程終了後、この光ファイバを大
気雰囲気中、60℃で10日間加熱して水素抜きを行っ
た結果、ファイバ中の水素分子濃度は測定限界以下(1
×1016分子/cm3 未満)となった。この水素抜きさ
れた光ファイバについて、実施例1,3の場合と同様に
耐紫外線テストとしてKrFエキシマレーザーを108
パルス照射したところ、波長248nmにおける透過率
は水素抜き直後の透過率の約63%にまで低下した。
【0038】〔実施例4〕実施例3と同じ単心光ファイ
バ(長さ1m)について、第1及び第2工程は実施例3
と同様に行った。第2工程終了後の光ファイバ中の水素
分子濃度は7×1019分子/cm3 であった。得られた
本発明の光ファイバ(1m)について耐紫外線テストと
して重水素ランプで24時間照射したが、波長248n
mにおける透過率は第2工程終了直後から殆ど変化しな
かった。更に3ヶ月、重水素ランプ照射を続けたが、や
はり透過特性の変化は見られなかった。
【0039】〔実施例5〕実施例3と同様のフッ素を1
重量%含む石英ガラスコアとフッ素を3重量%含む石英
ガラスクラッドからなる単心光ファイバ(長さ1m)に
ついて第1及び第2工程は実施例3と同様に行い、第3
工程として第1工程と同じγ線を放射線吸収線量102
Gyまで照射した。以上で得られた本発明の光ファイバ
について耐紫外線テストとしてその両端からKrFエキ
シマレーザーを108 パルス照射した。波長248nm
における透過率は第3工程終了直後の透過率の約93%
に低下したに過ぎなかった。
【0040】〔実施例6〕実施例5において、第1工程
のγ線照射を102 Gyとした以外はすべて同様にして
本発明の光ファイバを得た。この光ファイバについて実
施例6と同様にKrFエキシマレーザーを108 パルス
照射したところ、透過率の低下は実施例5と同等であっ
た。
【0041】〔実施例7〕実施例5,6と同様のフッ素
を1重量%含む石英ガラスコアとフッ素を3重量%含む
石英ガラスクラッドからなる単心光ファイバ(長さ1
m)の全体に60Coを線源とするγ線(1.17Me:
1.33MeV)を照射した(第1工程)。このときフ
ァイバの放射線吸収線量は102 Gyであった。これを
直ちに80℃、10気圧の水素雰囲気に1週間曝した
(第2工程)。この時のファイバ中の水素分子濃度は7
×1019分子/cm3 であった。次にこのファイバの両
端からArFエキシマレーザー(波長193nm、6.
4eV)を10mJ/cm2 /パルス、1000Hzの
照射条件で103 パルス照射した(第3工程)。以上で
得られた本発明の光ファイバについて耐紫外線テストと
して、その両端からArFエキシマレーザーを104
ルス照射したが、波長248nmにおける透過率は第3
工程終了直後(初期)の透過率の約92%に低下したに
過ぎなかった。
【0042】〔実施例8〕実施例7において第3工程と
してArFエキシマレーザーに代えてKrFエキシマレ
ーザーを10mJ/cm2 /パルス、1000Hzの照
射条件で107 パルス照射した以外は、実施例7と同様
に行った。以上で得られた本発明の光ファイバの両端か
ら耐紫外線テストとしてArFエキシマレーザーを照射
したが、波長248nmにおける透過率は第3工程終了
直後の透過率の約92%に低下したに過ぎなかった。
【0043】〔実施例9〕実施例5〜8と同様のフッ素
を1重量%含む石英ガラスコアとフッ素を3重量%含む
石英ガラスクラッドからなる単心光ファイバ(長さ1
m)について、第1工程としてKrFエキシマレーザー
(波長248nm,5eV)を100mJ/cm2 /パ
ルス,100Hzで108 パルス照射した。第2工程及
び第3工程は実施例20と同様に行った。得られた本発
明の光ファイバについて耐紫外線テストとして、その両
端からKrFエキシマレーザーを照射したが、波長24
8nmにおける透過率は第3工程終了直後の透過率の約
95%に低下したに過ぎなかった。
【0044】〔参考例1〕OH基1000ppm及び塩
素(Cl)含有量1ppm未満である純石英ガラス(S
iO2 )からなるコアと、フッ素を3重量%含む石英ガ
ラスクラッドからなる単心光ファイバ1mについて、60
Coを線源とするγ線(1.17MeV:1.13Me
V)を、ファイバの放射線吸収線量が102 Gyとなる
よう照射した(第1工程),これを直ちに80℃、10
気圧の水素雰囲気に1週間曝した(第2工程)。第2工
程終了後の光ファイバ中の水素分子濃度は7×1019
子/cm3 であった。次に両端からKrFエキシマレー
ザー(波長248nm、5eV)を10mJ/cm3
バルス、1000Hzの照射条件で107 パルス照射
し、この後再びγ線を106 Gyの吸収線量となるよう
に照射した。その結果、この光ファイバは波長500n
mにおいて100dB/km以上の伝送損失増加が見られ
た。
【0045】本発明の効果を確認するために、さらに以
下の各実施例及び比較例を行った。得られた光ファイバ
を評価するために行った耐紫外線テストの照射条件は、
光ファイバの両端より波長248nm、10mJ/cm
2 /パルスのKrFエキシマレーザー光を108 パルス
照射、である。
【0046】〔実施例10〕Cl含有量が1ppm未満
でありフッ素(F)を1重量%含有する石英ガラスから
なるコアと、Fを3重量%含有する石英ガラスからなる
クラッドを有する単心光ファイバで長さ1000mのも
のを、80℃、10気圧の水素雰囲気中に1週間曝した
(第1工程)後、水素雰囲気中から取り出し(第2工
程)、1mに分割し、その両端から波長248nmのK
rFエキシマレーザー光を照射した(第3工程)。照射
時のファイバ中の水素分子濃度は7×1019分子/cm
3 、照射条件は10mJ/cm2 /パルスのKrF光を
107 パルス照射である。以上で得られた本発明の光フ
ァイバ1mについて、耐紫外線テストとして前記条件で
KrFエキシマレーザー光を108 パルス照射した。照
射後の波長248nmにおける透過率は初期〔本発明の
最終工程終了直後で耐紫外線テスト照射の前の透過率〕
の約96%に低下したにすぎず、充分な耐紫外線特性を
有していた。
【0047】〔実施例11〕Cl含有量が1ppm未満
でありフッ素(F)を1重量%含有する石英ガラスコア
と、フッ素(F)を3重量%含有する石英ガラスクラッ
ドからなる単心光ファイバで長さ1mのものを、80
℃、10気圧の水素雰囲気中に1週間曝した後、水素雰
囲気中から取り出し、その両端から波長248nmのK
rFエキシマレーザー光を照射した。照射時のファイバ
中の水素分子濃度は1×1019分子/cm3 、照射条件
は10mJ/cm2 /パルスのKrF光を107 パルス
照射である。得られた光ファイバを40℃の大気雰囲気
中に3週間曝して水素抜きを行った結果、光ファイバ中
の水素分子濃度は1×1016未満となった。以上で得ら
れた本発明の光ファイバ(1m)を実施例10と同様に
耐紫外線テスト照射した結果、照射後の波長248nm
における透過率は初期〔本発明の最終工程終了直後で耐
紫外線テスト照射の前の透過率〕の約93%に低下した
にすぎず、充分な耐紫外線特性を有していた。また、こ
の水素抜き処理を加えた結果、屈折率の経時変化のない
光ファイバとなった。
【0048】〔実施例12〕実施例11と同様の単心光
ファイバを複数本束ねたバンドルファイバ(長さ1m)
について、実施例11と同様に、本発明の第1〜第4工
程の処理をして本発明のバンドルファイバとし、該バン
ドルファイバ(1m)について同様に耐紫外線テスト照
射により評価したところ、波長248nmでの紫外線透
過率の低下は初期の約96%と同じ好結果が得られた。
【0049】〔実施例13〕実施例10において、第3
工程におけるKrFエキシマレーザー光照射を光ファイ
バの片側のみからとした以外は、すべて実施例10と同
様に処理して本発明の光ファイバを得た。得られた光フ
ァイバ(1m)について実施例13と同様に耐紫外線テ
スト照射により評価したところ、波長248nmでの紫
外線透過率の低下は初期の約93%と、実施例10と同
様の好結果が得られた。
【0050】〔比較例2〕Cl含有量が1ppm未満で
ありフッ素(F)を1重量%含有する石英ガラスコア
と、Fを3重量%含有する石英ガラスクラッドからなる
単心光ファイバで長さ1000mのものを、80℃、1
0気圧の水素雰囲気中に1週間曝した後、水素雰囲気中
から取り出し、1mに分割し、その両端から重水素ラン
プで24時間照射した。照射時のファイバ中の水素分子
濃度は7×1019分子/cm3 、照射条件はランプ出力
150W、ランプと光ファイバとの距離15cmで光フ
ァイバの両端より照射、である。以上で得られた光ファ
イバ(比較品)1mについて、実施例10と同様に耐紫
外線テスト照射した結果、照射後の波長248nmにお
ける透過率は初期〔最終工程終了直後で耐紫外線テスト
照射の前の透過率〕の約30%と大幅に低下してしまっ
た。
【0051】〔比較例3〕Cl含有量が1ppm未満で
ありフッ素(F)を1重量%含有する石英ガラスコア
と、Fを3重量%含有する石英ガラスクラッドからなる
単心光ファイバで長さ1000mのものを、80℃、1
0気圧の水素雰囲気中に1週間曝した後、水素雰囲気中
から取り出し、1mに分割し、遮蔽材中で60Coを線源
としてγ線を100Gy照射した。照射時のファイバ中
の水素分子濃度は7×1019分子/cm3 である。この
後、実施例11と同様に40℃の大気雰囲気中に3週間
曝して水素抜きを行った結果、光ファイバ中の水素分子
濃度は1×1016未満となった。以上で得られた光ファ
イバ(比較品)1mについて、実施例10と同様に耐紫
外線テストした結果、照射後の波長248nmにおける
透過率は初期〔最終工程終了直後で耐紫外線テスト照射
の前の透過率〕の約30%と大幅に低下してしまった。
【0052】〔比較例4〕Cl含有量が1ppm未満で
ありフッ素(F)を1重量%含有する石英ガラスコア
と、フッ素(F)を3重量%含有する石英ガラスクラッ
ドからなる単心光ファイバで長さ1mのものを、80
℃、10気圧の水素雰囲気中に1週間曝した後、水素雰
囲気中から取り出し、その両端から波長248nmのK
rFエキシマレーザー光を照射した。照射時のファイバ
中の水素分子濃度は1×1019分子/cm3 、照射条件
は10mJ/cm2 /パルスのKrF光を105 パルス
照射である。得られた光ファイバを40℃の大気雰囲気
中に3週間曝して水素抜きを行った結果、光ファイバ中
の水素分子濃度は1×1016未満となった。以上で得ら
れた光ファイバ(比較品)1mを実施例10と同様に耐
紫外線テスト照射した結果、照射後の波長248nmに
おける透過率は初期〔最終工程終了直後で耐紫外線テス
ト照射の前の透過率〕の約30%と大幅に低下してしま
った。
【0053】
【発明の効果】以上説明のように本発明は、石英ガラス
物品を水素雰囲気中に浸漬するか、又は従来技術により
水素分子を導入する工程の後に、水素分子が1016分子
/cm 3 以上の濃度で存在する状態の間に電磁波を照射
することにより、ガラス中の欠陥のプリカーサーを強制
的に欠陥に変換すると共に、この欠陥と水素分子の間に
安定な結合を形成させて、水素を固定化できるので、そ
の後の紫外線照射による波長160nm〜300nmの
紫外線領域での光吸収の増加を実質的に発生しないよう
にできる。特に水素の固定化により、光ファイバのよう
に水素の拡散の速さに比べて直径が小さく水素抜けを起
こしやすいものにおいても、耐紫外線特性を長期にわた
り安定に維持することができる。また、プリカーサーを
欠陥に変換させるために予め電磁波照射する必要なく、
エキシマレーザー光照射でこの変換と水素固定化を一段
で行えるので、生産性を向上できた。さらに、水素抜き
のための工程を加える本発明によれば、ガラス中に固定
されずに存在する余分な水素原子を除去することによ
り、水素分子そのものによる光の吸収を低減できる、特
性を安定化させる、経時的な屈折率変化を防止して常に
一定の輝度が得られる、水素分子による吸収が無くなり
近赤外域の光の使用を可能とする等の効果が得られる。
従来の紫外領域用ファイバは波長160nm〜200n
mでは真空条件で光を伝送する必要があった(このため
にこの領域を真空紫外域という)上に、紫外線照射劣化
が大きく、実用は困難であったが、本発明によれば、3
00〜200nmの紫外域は勿論のこと、真空紫外線域
でも真空にせずに使用できる。さらに、真空紫外域では
本発明による石英ガラス物品は大気中よりも光の透過性
が良いという利点があり、可撓性を有するので、エキシ
マレーザー光、重水素ランプ、ハロゲンランプ等の紫外
光源を利用した装置、特に加工装置等、例えばレーザー
加工、フォトレジスト、ファイバ硬化線源、接着硬化線
源、各種マイクロ部品加工、SR(シンクロトロン)光
発生線源の光伝送媒体に用いて非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における石英ガラス物品
の、初期紫外線透過率を1.00としたときの、各処理
段階を経た後の紫外線透過率の相対的変化を示した紫外
光吸収特性図である。
【図2】 ガラスの結合欠陥の数例を示した説明図であ
る。
【図3】 ファイバ径125μmの光ファイバに温度を
変えて水素をドープするときの、該光ファイバ中心の水
素濃度変化を示すグラフ図(a)及び該光ファイバから
水素が抜けてゆくときの水素濃度変化を示すグラフ図
(b)である。
【図4】 ファイバ径200μmの光ファイバについて
水素ドープのときの光ファイバ中心の水素濃度変化を示
すグラフ図(a)及び該光ファイバから水素が抜けてゆ
くときの水素濃度変化を示すグラフ図(b)である。
【図5】 放射線照射量と樹脂の伸び残率の関係を示す
グラフ図である。
フロントページの続き (72)発明者 宍戸 資彦 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 茂木 昌春 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 京藤 倫久 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平9−124337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 20/00 C03B 8/04 C03B 37/00 - 37/16

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラス物品中に水素分子が1×10
    16分子/cm3 以上存在するようにする工程、及び該石
    英ガラス物品中に水素分子が1×1016分子/cm3
    上存在する状態で該石英ガラス物品にエキシマレーザー
    光又は100Gy以下のγ線を照射する電磁波照射工程
    を行なうことにより、紫外線照射による紫外線領域での
    光吸収の増加が実質的に発生しないようにせしめること
    を特徴とする石英ガラス物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記石英ガラス物品中に水素分子が1×
    1016分子/cm3以上存在するようにする工程とし
    て、当該石英ガラス物品を水素ガスからなる雰囲気に浸
    漬することを特徴とする請求項1記載の石英ガラス物品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水素ガスからなる雰囲気の水素分圧
    が0.5〜10気圧、温度が室温以上であることを特徴
    とする請求項2記載の石英ガラス物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電磁波照射工程の後に当該石英ガラ
    ス物品中の残留水素分子を1×1016分子/cm3 以下
    とする工程を行なうことを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の石英ガラス物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 当該石英ガラス物品中の残留水素分子を
    1×1016分子/cm3 以下とする工程として、室温か
    ら80℃の温度で加熱することを特徴とする請求項4記
    載の石英ガラス物品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記石英ガラス物品が光ファイバであ
    り、石英ガラス物品中に水素分子が1×1016分子/c
    3 以上存在するようにする工程として該光ファイバを
    水素ガス分圧が0.5気圧から10気圧、室温から光フ
    ァイバ被覆の耐熱上限温度までの温度の雰囲気中に浸漬
    することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれ
    かに記載の石英ガラス物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記石英ガラス物品が光ファイバであ
    り、石英ガラス物品中に水素分子が1×1016分子/c
    3 以上存在するようにする工程として該光ファイバを
    水素ガス分圧が0.5気圧から10気圧、80〜200
    ℃の温度の雰囲気中に浸漬することを特徴とする請求項
    1ないし請求項6のいずれかに記載の石英ガラス物品の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記石英ガラス物品が、光ファイバの多
    数本を集束してなるバンドルファイバ、又は集束する以
    前のバンドルファイバ用の光ファイバであることを特徴
    とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の石英
    ガラス物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 石英ガラス物品中に水素分子が1×10
    16分子/cm3 以上存在するようにする工程、次いで当
    該石英ガラス物品中に水素分子が1×1016分子/cm
    3 以上存在する状態で当該石英ガラス物品にエキシマレ
    ーザー光又は100Gy以下のγ線を照射する電磁波照
    射工程を経たことにより、紫外線照射による紫外線領域
    での光吸収の増加が実質的に発生しないようにされたこ
    とを特徴とする石英ガラス物品。
  10. 【請求項10】 石英ガラス物品中に水素分子が1×1
    16分子/cm3 以上存在するようにする工程、次いで
    当該石英ガラス物品中に水素分子が1×10 16分子/c
    3 以上存在する状態で当該石英ガラス物品にエキシマ
    レーザー光又は100Gy以下のγ線を照射する電磁波
    照射工程、及び前記電磁波照射工程の後に大気中に放置
    する又は80℃以下で加熱することによりガラス中の水
    素分子濃度を1×1016分子/cm3 以下とする工程を
    経たことにより紫外線照射による紫外線領域での光吸収
    の増加が実質的に発生しないようにされたことを特徴と
    する石英ガラス物品。
  11. 【請求項11】 コア及び該コアより屈折率の低いクラ
    ッドからなる光ファイバであって、該コア中に水素分子
    が1×1016分子/cm3 以上存在するようにする工
    程、次いで該コア中に水素分子が1×1016分子/cm
    3 以上存在する状態で該コアの端面からエキシマレーザ
    ー光又は100Gy以下のγ線を照射する電磁波照射工
    程を経たことにより、当該光ファイバの長さ1mについ
    て波長248nmのKrFエキシマレーザーを出力10
    mJ/cm2 で108 パルス照射したときに、波長24
    8nmにおいて、初期紫外線透過率と紫外線照射後の紫
    外線透過率の差が10%以内であることを特徴とする光
    ファイバ。
  12. 【請求項12】 コア及び該コアより屈折率の低いクラ
    ッドからなる光ファイバであって、該コア中に水素分子
    が1×1016分子/cm3 以上存在するようにする工
    程、次いで該コア中に水素分子が1×1016分子/cm
    3 以上存在する状態で、該コアの端面からエキシマレー
    ザー光又は100Gy以下のγ線を照射する電磁波照射
    工程、及び前記電磁波照射工程の後に大気中に放置する
    又は80℃以下で加熱することによりガラス中の水素分
    子濃度を1×1016分子/cm3以下とする工程を経た
    ことにより、当該光ファイバの長さ1mについて波長2
    48nmのKrFエキシマレーザーを出力10mJ/c
    2 で108 パルス照射したときに、波長248nmに
    おいて、初期紫外線透過率と紫外線照射後の紫外線透過
    率の差が10%以内であることを特徴とする光ファイ
    バ。
  13. 【請求項13】 前記光ファイバは、高純度石英ガラス
    からなるコア中にフッ素を含むことを特徴とする請求項
    11または請求項12に記載の光ファイバ。
  14. 【請求項14】 前記光ファイバは、コア中にClを1
    ppm以上は含まないことを特徴とする請求項11ない
    し請求項13のいずれかに記載の光ファイバ。
  15. 【請求項15】 前記光ファイバが多数本願発明のガラ
    スファイバを集束してなるバンドルファイバであること
    を特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれかに
    記載の光ファイバ。
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