JP2003013534A

JP2003013534A - ボイド型枠ユニットの床型枠への固定構造及び固定方法

Info

Publication number: JP2003013534A
Application number: JP2001335178A
Authority: JP
Inventors: Hidenobu Matsuo; 秀信松尾
Original assignee: Kurimoto Ltd
Current assignee: Kurimoto Ltd
Priority date: 2001-04-27
Filing date: 2001-10-31
Publication date: 2003-01-15

Abstract

(57)【要約】【課題】床型枠７とボイド型枠ユニットＰの間隔保持
を容易にする。【解決手段】複数のボイド型枠４を並列し、その並列
ボイド型枠４に縦横の鉄筋１、２、３を配設して一体化
したボイド型枠ユニットＰを、床型枠７にその上の上下
端筋８、１０間に介在して固定するものである。下端主
筋８が配筋された床型枠７上にボイド型枠ユニットＰを
脚１ｃを介して載置するとともに、床型枠７に孔７ａを
形成し、この孔７ａにフック具５を挿通して床型枠７に
係止した後、このフック具５とボイド型枠ユニットＰの
鉄筋２、３とを鉄線６でもって連結して、ボイド型枠ユ
ニットＰを床型枠７に固定する。鉄筋に脚１ｃを一体化
すれば、その脚１ｃを工場等で前もって設けておくこと
により、現場施工が必要なくなり、作業性が向上すると
ともに、ボイド型枠と床型枠の間隔も一定化する。この
とき、フック具５は並列したボイド型枠７の間に位置さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ボイドスラブを
構築するためのボイド型枠ユニットの床型枠への固定構
造及び固定方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建造物のスラブの軽量化を図るために、
ボイドスラブ構造が採用され、そのボイドスラブ構造
は、コンクリートスラブ内に、上下端主筋の配筋ととも
に中空管又は発泡樹脂体から成るボイド型枠を縦横に介
在したものである。そのボイド型枠の施工性を高めるた
めに、例えば、特開平７−３０５４４４号公報、特開平
１０−３０３０３号公報等で示される、上下端主筋とボ
イド型枠を一体化してユニット化したものがある。

【０００３】この主筋とボイド型枠のユニット化は、そ
れなりに有効であるが、スラブの強度計算上の配筋態様
が制限される。このため、特開平１１−１０７４２３号
公報には、主筋とは別個にボイド型枠をユニット化した
ものが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記ボイド型枠のユニ
ットは、並列したボイド型枠の前後に枠状の固定金具を
嵌め込んで溶接したブロックから成る。しかし、このボ
イドブロックは下端主筋の上に直接載置し、下端主筋に
鉄線などで縛ることにより固定する。このため、この固
定方法では、下端主筋の配筋精度により、ボイド型枠の
床型枠からの間隔を正確に一定寸法に仕上げることはは
なはだ難しい。その間隔が一定でないと、スラブの強度
が問題となる。

【０００５】また、出願人は、図５に記載のごとく、複
数のボイド型枠１１を並列し、その並列ボイド型枠１１
に縦横の鉄筋１２を配設するとともにボイド型枠１１に
溶接したボイド型枠ユニットＰを提案した。このボイド
型枠ユニットＰは、工場で製作できるため、安価である
うえに、現場作業も削減され、施工性も向上する。

【０００６】このボイド型枠ユニットＰを床型枠に取付
けるには、例えば、特開平１０−１３１４９４号公報な
どに開示され、図５に示すように、ボイド型枠１１を支
持する受座１３ａと、その受座１３ａを床型枠７上に一
定間隔をもって支持する脚１３ｂと、その受座１３ａ及
び脚１３ｂを床型枠７に固定する固定杆１３ｃとからな
る受金具１３によって、その各ボイド型枠１１をそれぞ
れ支持し、鉄線１５などにより、縛止固定することが考
えられる。

【０００７】しかし、この受金具１３及びボイド型枠１
１（ユニットＰ）の床型枠７への固定は、その受金具１
３などが各ボイド型枠１１毎に必要であり、そのために
多数必要となるとともに、現場施工となることから、煩
雑となり、作業性が悪い。特に、受金具１３にあって
は、床型枠７にあける下孔の相対位置が定められるた
め、施工に精度が要求される。さらに、くさび１４を打
ち込む必要があるため、床型枠７下方との協調作業が必
要となり、手間と工数が必要である。

【０００８】この発明は、ボイド型枠ユニットを床型枠
に円滑かつ高精度に固定し得るようにすることを課題と
する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明は、上記ボイド型枠ユニットをなす鉄筋に
脚を一体に設けて、ボイド型枠ユニットを床型枠に載置
した際、この脚が床型枠に当接するようにして、ボイド
型枠と床型枠の間隔を所定高さに保持するようにしたの
である。

【００１０】このように、鉄筋に脚を一体化すれば、そ
の脚を工場等で前もって設けておくことにより、ボイド
型枠の高さ調整の現場作業が必要なくなり、作業性が向
上する。また、脚の長さによってボイド型枠（ユニッ
ト）と床型枠の間隔も規定されるため、その間隔も一定
化する。

【００１１】

【発明の実施の形態】この発明の実施形態としては、複
数のボイド型枠を並列し、その並列ボイド型枠に縦横の
鉄筋を配設して一体化したボイド型枠ユニットを下端主
筋と上端主筋の間に介在して床型枠に固定した構造にお
いて、前記床型枠に前記ボイド型枠ユニットが前記鉄筋
に一体に設けた脚を介して所定の高さに載置されるとと
もに、そのボイド型枠ユニットは固定具により前記床型
枠に固定されている構成を採用し得る。

【００１２】この構成において、上記脚は、上記ボイド
型枠の上下面の縦横の鉄筋を連結する鉄筋を下方に延長
して形成したものとするとよい。また、上記固定具は、
床型枠に挿し通して係止されるフック具と、そのフック
具を鉄筋に連結固定する鉄線とから構成し、前記フック
具を床型枠に係止した後、そのフック具を鉄筋に鉄線で
もって連結固定するものを採用し得る。

【００１３】これらの構成のボイド型枠の床型枠への固
定構造をなすには、例えば、前記下端主筋が配筋された
床型枠上にボイド型枠ユニットを上記脚を介して載置す
るとともに、床型枠に孔を形成し、この孔に上記フック
具を挿通して床型枠に係止した後、このフック具とボイ
ド型枠ユニットの鉄筋とを鉄線でもって連結して、ボイ
ド型枠ユニットを床型枠に固定する。このとき、前記フ
ック具は、並列したボイド型枠の間に位置させて、孔の
形成および鉄線の連結にボイド型枠が邪魔とならないよ
うにするとよい。

【００１４】

【実施例】一実施例を図１乃至図４に示し、各図におい
て、１はコ字状の支持鉄筋で、水平部１ａと両端部が折
り曲げられた垂直部１ｂと垂直部１ｂを延長した脚部１
ｃとからなる。脚部１ｃには樹脂製のキャップ９が装着
される。２は支持鉄筋１の連結用上鉄筋で、本数を多く
したのはコンクリート打設時のボイド型枠４の浮き上り
や変形を防止するためである。３はボイド型枠４の支持
を兼ねる支持鉄筋１の連結用下鉄筋である。これらの各
鉄筋１、２、３は交差部で溶接により組み立てられ、ボ
イド型枠４を支持する鉄筋かごとなる。なお、ボイド型
枠４の太さ、長さ及び並列数、並列間隔などはボイドス
ラブ構造の態様によって適宜に選定されるため、その各
態様のボイド型枠４の配置に応じて鉄筋かごの態様も変
化させる。

【００１５】上記ボイド型枠４は、金属製中空管（ワイ
ンディングパイプ）から成り、支持鉄筋１の垂直部１ｂ
と鉄筋２、鉄筋３で形成された枠内に挿入され、同中空
管４と鉄筋２が適宜の個所でスポット溶接により中空管
４が抜け出さない程度に固定される。図示の場合、４本
の中空管４がセットされたボイド型枠ユニットＰであ
る。このユニットＰは予め工場で量産される。なお、金
属製中空管４は図示省略したが、その両端は通常閉蓋し
てコンクリートが入らないようにするが、他の形式でコ
ンクリートが入らないようにすることもできる。５は浮
き上り防止用固定金具（フック具）で、直線部５ａと一
端のかぎ部５ｂと他端のフック部５ｃとからなり、５ｄ
は切り欠きである。この固定金具５には、図３に示す、
フック部５ｃとかぎ部５ｂが同一方向のものと、図４に
示す、それらが逆方向のものなどが考えられる。

【００１６】この実施例は以上の構成であり、このユニ
ットＰでもって、建造物のスラブを構築するには、ま
ず、床型枠７の上に下端主筋８を配筋した後、その主筋
８の上方にボイド型枠ユニットＰを縦横に所要数並べ
る。このとき、脚部１ｃが床型枠７に接地（当接）し、
床型枠７との間に所定の間隔を保つ。つぎに、固定金具
５を取付けるユニットＰの位置に対応する床型枠７に貫
通する孔７ａをあけ、その孔７ａに固定金具５のかぎ部
５ｂを挿し込んで床型枠７の背面に当てて係止した後、
フック部５ｃと鉄筋かごを番線（鉄線）６を用いて縛止
してボイド型枠ユニットＰを床型枠７に固定する。この
固定個所は、ユニットＰがコンクリート打設によって動
かないようにすればよく、例えば、図示のごとく、中空
管４の間の鉄筋かごの四角などの４点とする。このと
き、床型枠７の孔７ａはその固定個所に適宜に開ければ
よい。番線６の長さ及び傾きでユニットＰの固定部との
ズレは吸収できるからである。

【００１７】この後、上端主筋１０を配筋し、コンクリ
ートを上方から流し込んで、中空コンクリートスラブを
打設構築する。このコンクリート打設時、床型枠７にユ
ニットＰが固定されているため、ボイド型枠４の浮き上
がりや変形は鉄筋２により阻止され、また、脚部１ｃと
床型枠７との摩擦によってユニットＰの水平移動も抑制
される。床型枠７の除去は、かぎ部５ｂを切り欠き５ｄ
を介し折曲して取り除いて行う。

【００１８】この実施例では、床型枠７にあける孔７ａ
は、精度が要求されずユニットＰの設置後に開けられる
ため、その作業が容易である。また、簡素な固定金具５
を用いるため、部品コストを下げることが出来る。さら
に、従来のような、床型枠７の下からの作業が不要のた
め、施工コストを下げることが出来るとともに、床型枠
７と鉄筋かごを固定することで、全てのボイド型枠４を
固定できるため、そのボイド型枠４の固定用金具５の使
用本数を減らすことができる（図示例４個）。また、そ
のための作業時間を短縮できる。さらに、このように、
ボイド型枠４の４本を鉄筋かごにより組立てた場合でも
固定金具５は４個で済む。

【００１９】なお、床型枠７と鉄筋かごとを固定金具５
により固定するので、ボイド型枠４は鉄筋かごで支持さ
れ、このため、ボイド型枠４と床型枠７との直接の一体
化が不要となり、中空管の他に発泡スチロール製柱体を
使用することができる。

【００２０】

【発明の効果】この発明は、以上のように、ボイド型枠
ユニットをなす鉄筋に脚を一体化したので、ボイド型枠
を床型枠から浮かして配置するための間隔保持用スペー
サなどが不要となり、部品コストの低減を図ることがで
きるとともに、そのスペーサなどの取付け作業が不要と
なり、施工作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の要部斜視図

【図２】同実施例の鉄筋かごを示し、（ａ）は平面図、
（ｂ）は右側面図、（ｃ）は正面図

【図３】同実施例の固定金具を示し、（ａ）は正面図、
（ｂ）は右側面図

【図４】同固定金具の他例を示し、（ａ）は正面図、
（ｂ）は右側面図

【図５】従来例の正面図

【符号の説明】

Ｐボイド型枠ユニット１ボイド型枠支持鉄筋１ｃ脚部（脚）２上鉄筋３下鉄筋４ボイド型枠５固定金具（フック具）７床型枠７ａ孔８下端主筋９脚キャップ１０上端主筋

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数のボイド型枠４を並列し、その並列
ボイド型枠４に縦横の鉄筋１、２、３を配設して一体化
したボイド型枠ユニットＰを下端主筋８と上端主筋１０
の間に介在して床型枠７に固定した構造であって、上記床型枠７に上記ボイド型枠ユニットＰが上記鉄筋に
一体に設けた脚１ｃを介して所定の高さに載置されると
ともに、そのボイド型枠ユニットＰは固定具により前記
床型枠７に固定されていることを特徴とするボイド型枠
ユニットの床型枠への固定構造。
【請求項２】請求項１において、上記脚１ｃが、上記
ボイド型枠４の上下面の縦横の鉄筋を連結する鉄筋１ｂ
を下方に延長して形成したものであることを特徴とする
ボイド型枠ユニットの床型枠への固定構造。
【請求項３】上記固定具を、上記床型枠７に挿し通し
て係止されるフック具５と、そのフック具５を上記鉄筋
２に連結固定する鉄線６とから構成され、前記フック具
５は床型枠７に係止されるとともに上記鉄筋に前記鉄線
６でもって連結固定されていることを特徴とする請求項
１又は２に記載のボイド型枠ユニットの床型枠への固定
構造。
【請求項４】上記フック具５を並列したボイド型枠７
の間に位置させたことを特徴とする請求項３に記載のボ
イド型枠ユニットの床型枠への固定構造。
【請求項５】請求項３又は４に記載のボイド型枠ユニ
ットＰの床型枠７への固定構造をなす方法であって、上
記下端主筋８が配筋された床型枠７上に上記ボイド型枠
ユニットＰを上記脚１ｃを介して載置するとともに、床
型枠７に孔７ａを形成し、この孔７ａに上記フック具５
を挿通して床型枠７に係止した後、このフック具５とボ
イド型枠ユニットＰの鉄筋とを鉄線６でもって連結し
て、ボイド型枠ユニットＰを床型枠７に固定するボイド
型枠ユニットの床型枠への固定方法。