JP2003013263A - 防錆顔料分散液およびその製造方法、ならびに防錆塗料 - Google Patents

防錆顔料分散液およびその製造方法、ならびに防錆塗料

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JP2003013263A
JP2003013263A JP2002125044A JP2002125044A JP2003013263A JP 2003013263 A JP2003013263 A JP 2003013263A JP 2002125044 A JP2002125044 A JP 2002125044A JP 2002125044 A JP2002125044 A JP 2002125044A JP 2003013263 A JP2003013263 A JP 2003013263A
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preventive pigment
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Kimihiko Oya
公彦 大屋
Daisuke Fujimoto
大介 藤本
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Mikuni Color Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散レベル、分散安定性、分散液粘度等の全て
の面で十分満足できるクロム又は鉛を含まない防錆顔料
の分散液およびその製造方法、ならびにそれを含有して
なる組成物を提供する。 【解決手段】クロム又は鉛を含まない防錆顔料を水ある
いは溶剤媒体中に配合し、次いで分散剤を添加、湿式粉
砕し特定の分散粒径範囲とすることにより高濃度で微粒
子に分散された分散液を得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロム又は鉛を含
まない防錆顔料の微粒子分散液およびその製造方法、な
らびにそれを含有してなる安全性、効果ともに高い防錆
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護目的の為に安全物質に対
する要求が高まりつつあるなかで、特に塗料分野におい
て鉛、クロム系顔料から他の無毒性顔料への切り替えが
強く求められている。
【0003】しかし、従来から防錆顔料としては、クロ
ム系、鉛系防錆顔料が多く使用されており、これらの組
成中にはクロム、鉛といった重金属が含まれている為、
安全性の面から大きく問題とされている。こうした中、
無公害で安全な防錆顔料として各種リン酸化合物、各種
亜リン酸化合物、各種縮合リン酸化合物、各種モリブデ
ン酸化合物、各種リンモリブデン酸化合物、各種ホウ酸
化合物、各種シアナミド化合物、などでクロム又は鉛を
含まない防錆顔料が着目されてきたが、クロム系防錆顔
料に比べて防錆効果が弱いという欠点があり、その使用
範囲が広がらないというのが実情である。
【0004】防錆効果が弱い主な原因として、それ自体
の防錆効果が劣るのに加えて、粒子径の問題があると考
えられている。これらクロム又は鉛を含まない防錆顔料
の平均粒径は1〜100μmと非常に大きく本来の防錆
機能を十分に発揮できていないと考えられる。その為、
クロム又は鉛を含まない防錆顔料を顔料製造時に微粒子
化する試みは各種行なわれている。
【0005】例えば、特開2000-154,010号公報では、リ
ン酸化合物と亜鉛化合物とを有機酸の存在下の水系媒体
中で反応させることにより、電子顕微鏡で見た一次粒子
径が1μm以下の微粒リン酸亜鉛を得ることができると
記載されている。この微粒リン酸亜鉛は1μm以下のサ
ブミクロン粒子であるため溶解性も通常のリン酸亜鉛よ
り優れており金属表面にリン酸亜鉛の緻密できれいな皮
膜を容易に析出させることができ、その結果優れた防錆
効果が得られると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らが
防錆顔料の分散性について検討を行ったところ、各種媒
体中に分散している顔料が構成する粒子径である分散体
径は、顔料の粉末としての粒子径のみに左右されるので
はなく、顔料粉末がほぼ一次粒子径にまで微細化されて
いたとしても、それが媒体中での分散体径に直接結びつ
くわけではなく、たとえ一次粒子径が微細な顔料粉末で
あっても微細な分散体径で分散させることができるとは
限らないことが判明した。すなわち、顔料が微細である
程、顔料の凝集が生じることにより、顔料の粉末として
の粒子径よりずっと大きな径の粒子を形成して分散して
いることが判明したのである。
【0007】塗料中での分散状態を向上させるために予
め防錆顔料を液体に分散させた分散液を調製し、これを
用いて防錆塗料を作製することも考えられる。しかし、
防錆顔料が微細である程、分散液中で微細に分散させる
ことも困難であることが判明した。これは特に、水また
は水溶性の溶媒を主体とする分散媒に顔料を分散させた
水性分散体において特に顕著であり、この場合には分散
体径の調整は一層困難である。
【0008】このように防錆顔料の分散状態が不十分で
大きな分散体径の分散体を形成して存在していると、防
錆顔料が本来発揮し得る機能が生かされず、十分な防錆
効果が得られないことにつながっていると考えられる。
したがって、防錆効果に優れた無公害防錆塗料組成物の
製造には、クロム及び鉛を含まない防錆顔料自体の粒径
を小さくするだけでは足りず、これら顔料が微細な分散
体径で分散した分散液を得ることが望まれた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本研究者らは、
上記の問題点に鑑みて更に鋭意検討を重ねた。そして遂
に、特定の方法で防錆顔料分散液を調製することにより
顔料が微細な分散状態を安定して保つことを見出し、本
発明に到達した。すなわち本発明は、(1)クロム及び
鉛を含まない防錆顔料を含有する分散液であって、分散
体の平均径が3μm以下である防錆顔料分散液、(2)
クロム及び鉛を含まない防錆顔料を含有する分散液であ
って、分散体のD90が5μm以下である防錆顔料分散
液、(3)クロム及び鉛を含まない防錆顔料を、分散剤
を含有する分散媒中で湿式粉砕して平均径が3μm以下
の分散体を形成してなる防錆顔料分散液、
【0010】(4)防錆顔料を0.5〜50重量%含有
する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防錆顔料分
散液、(5)クロム及び鉛を含まない防錆顔料を分散剤
を含有する分散媒中で湿式粉砕して平均径が3μm以下
の分散体とする防錆顔料分散液の製造方法、(6)増粘
剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のい
ずれかに記載の防錆顔料分散液、(7)上記(1)、
(2)、(3)、(4)又は(6)に記載の防錆顔料分
散液を有機樹脂に配合してなる防錆塗料、(8)上記
(1)、(2)、(3)、(4)又は(6)に記載の防
錆顔料分散液を有機樹脂及び無機酸化物粒子と配合して
なる防錆塗料、
【0011】(9)上記(1)、(2)、(3)、
(4)又は(6)に記載の防錆顔料分散液を含有してな
る表面処理剤、に存する。かかる本発明は、クロム又は
鉛を含まない防錆顔料を媒体中に高濃度で微細な分散体
径で分散させることができ、しかも分散安定性に優れて
いることから、優れた防錆効果を有する防錆剤組成物を
得ることができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】〔防錆顔料〕本発明で用いる防錆
顔料は、防錆効果を発揮する顔料であってクロム及び鉛
のいずれをも含まない顔料であれば特に限定されず用い
ることができる。特に、亜鉛末、各種リン酸化合物、各
種亜リン酸化合物、各種縮合リン酸化合物、各種モリブ
デン酸化合物、各種リンモリブデン酸化合物、各種ホウ
酸化合物、各種シアナミド化合物及びそれらの水和物な
どで、これら化合物のほとんどが金属塩であり、金属塩
部分が亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウ
ム、コバルト、ニッケル、鉄、銅、マンガン、バリウ
ム、ストロンチウムなどとなっているクロム及び鉛を含
まない防錆顔料に有用に適用することができる。具体的
には、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸カルシ
ウム、リン酸マグネシウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸ア
ルミニウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛カルシ
ウム、亜リン酸亜鉛ストロンチウム、ポリリン酸亜鉛、
ポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデ
ン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリ
ブデン酸アルミニウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バ
リウム、ホウ酸カルシウム、シアナミド亜鉛、シアナミ
ド亜鉛カルシウム、及びそれらの水和物などが挙げられ
る。また、上記防錆顔料に各種の表面処理を行なったも
のを用いても良い。例えば、シランカップリング剤やロ
ジン、シリコーン化合物、ケイ素アルコキシドやアルミ
ニウムアルコキシド等の金属アルコキシドで表面処理し
たものでも良い。すなわち一般に非クロム系防錆顔料、
ノンクロム系顔料として一般に知られているものを広く
用いることができる。このようなクロム及び鉛のいずれ
をも含まない防錆顔料を用いることにより、無公害で安
全な防錆塗料を調製することができるのである。
【0013】〔分散液の調製〕上述の防錆顔料と分散剤
を分散媒中に分散させる。これは、水あるいは有機溶媒
等の分散媒中に配合し、湿式粉砕を行うことにより達成
できる。
【0014】防錆顔料の配合量は、分散液中、通常0.
1〜50重量%が適切である。0.1重量%未満だと防
錆顔料の含有量が少なすぎるため分散液を用いて得られ
る防錆剤組成物の防錆効果が十分でない。一方、50重
量を超えると、微細な分散状態を形成するのが困難であ
る。
【0015】〔分散媒〕顔料を分散する分散媒としては
水、あるいは各種の有機溶媒を用いるのが一般である。
有機溶媒は特に限定されず、例えば、メタノール、イソ
プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコー
ルモノプロピルエーテルなどのアルコール系溶剤、ヘキ
サン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シクロヘキサ
ン、ナフサなどの炭化水素系溶剤、メチルイソブチルケ
トン、メチルエチルケトン、イソホロン、アセトフェノ
ンなどのケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、メチル
ピロリドンなどのアミド系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソ
ブチル、酢酸オクチル、酢酸エチレングリコールモノメ
チルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのエステル系溶剤があげられる。これら分散
媒は、単独あるいは二種以上を混合して用いることもで
きる。
【0016】〔分散剤〕本発明で用いられる分散剤とし
ては、顔料分散液を調製するのに用いられる分散剤であ
れば特に限定されず、例えば高分子分散剤、界面活性剤
あるいはカップリング剤などを使用することができる。
高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子があげら
れ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイ
ン、若しくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビア
ゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボ
ニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プ
ロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノー
ルアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアル
ギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチ
ルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが
あげられる。これらは、単独で又は二種以上を組み合わ
せて使用することができる。これらのうち特に好ましく
はメチルセルロース、さらに好ましくはカルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを使用
することができる。
【0017】更に、高分子分散剤の他の好ましい例とし
て合成高分子があげられる。その具体的な例として、ポ
リアミン系樹脂、ポリカルボン酸系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール
類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸系樹脂、
アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カ
リウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アク
リル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリ
ル酸エステル共重合体、などのアクリル酸系樹脂、スチ
レン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共
重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル
共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸
共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−ア
クリル酸−アクリル酸エステル共重合体、などのスチレ
ン−アクリル酸系樹脂、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタ
レン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイ
ン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢
酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル
−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン
酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、などの
酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩があげられる。
【0018】これらは、単独で又は二種以上を組み合わ
せて使用することができる。これらのうち特に好ましく
はポリアミン系樹脂、ポリカルボン酸系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル酸系樹
脂、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン
類、スチレン−アクリル酸系樹脂、スチレン−マレイン
酸共重合体などを使用することができる。さらに具体的
には、ポリアミン系樹脂としてユニセンスCP-102(セン
カ製)、KZ-125K(センカ製)、ポリエステル系樹脂と
してアジスパーPB821(味の素製)、ソルスパース2
4000GR(ゼネカ製)、ソルスパース32550(ゼ
ネカ製)、Disperbyk190(ビックケミー
製)、ポリウレタン系樹脂としてEFKA−4046(ウィ
ルバー・エリス製)、Disperbyk161(ビッ
クケミー製)、Disperbyk163(ビックケミ
ー製)、Disperbyk165(ビックケミー
製)、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン
類としてPVP K−90(五協産業製)、スチレンア
クリル酸系樹脂としてジョンクリル61J、ポリアクリ
ル酸系樹脂としてDisperbyk191(ビックケ
ミー製)、EFKA−4550(ウィルバー・エリス製)、
スチレンマレイン酸樹脂としてSMAレジン1440H
(ATO製)、マリアリムAKM−0531(日本油脂
製)が挙げられる。
【0019】また、界面活性剤の好ましい例としては、
たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
誘導体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコ
ポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン、アルキルアルカノードアミド、
ノニルフェノール、アルキルノニルフェノール、ポリオ
キシアルキレングリコール、アルキルアミンオキサイ
ド、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル変性シリコーンなどのシリコン系界面活性剤、
炭化水素系界面活性剤の疎水基にある水素原子の少なく
とも1つがフッ素原子で置換されたフッ素系界面活性剤
などのノニオン系界面活性剤があげられる。これらノニ
オン系界面活性剤は、他の分散剤と併用することにより
更に効果を上げることができる。
【0020】あるいは、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩類、たとえば塩化ラウリルトリメチルアンモニウ
ム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリ
ルトリメチルアンモニウム、または、アルキルジメチル
ベンジルアンモニウム塩類、たとえば塩化ステアリルジ
メチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、
塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩などのカ
チオン系界面活性剤があげられる。
【0021】あるいは、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテ
ルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチ
ルアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチルアルキル
アリル硫酸エステル塩、アルファオレフィンスルホン酸
塩、メチルタウリン酸塩、エーテルカルボン酸塩、ナフ
タレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレ
ンアルキルリン酸エステルなどのアニオン系界面活性剤
があげられる。これらは、単独で又は二種以上を組み合
わせて使用することができる。これらのうち特に好まし
くはポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルを使用
することができる。より具体的には、ポリオキシエチレ
ンアルキルリン酸エステルとしてフォスファノールRS
−610(東邦化学製)、Disperbyk180
(ビックケミー製)が好ましい例として挙げられる。
【0022】ここで使用されるアニオン系界面活性剤
や、前述の高分子分散剤のうちアニオン性の樹脂は、ア
ンモニアまたはアミン系中和剤で中和させ用いることが
できる。かかるアミン系中和剤としては、たとえばジエ
チルアミン(DEA)、トリエチルアミン(TEA)、モノエタノ
ールアミン(META)、ジエタノールアミン(DETA)、トリエ
タノールアミン(TETA)、ジメチルエタノールアミン(DME
A)、ジエチルエタノールアミン(DEEA)、イソプロピルエ
タノールアミン(IPEA)、ジイソプロパノールアミン(DIP
A)、2−アミノ−2−メチルプロパノール(AMP)、2−
(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパノール(DMAMP)、
モルホリン(MOR)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチ
ルモルホリン(NEM)などがあげられる。これらは、単独
で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち特に好ましくは2−アミノ−2−メチルプ
ロパノール(AMP)を使用することができる。
【0023】あるいは、アラニン系、イミダゾリウムベ
タイン系、アミドプロピルベタイン系、アミノジプロピ
オン酸塩などの両性界面活性剤があげられる。あるい
は、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カッ
プリング剤などのカップリング剤があげられる。これら
は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することが
できる。これらのうち特に好ましくはシラン系カップリ
ング剤を使用することができる。
【0024】特に好ましい分散剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルリン酸エステルを使用することができ
る。これら分散剤は、単独で又は二種類以上を組合せて
用いることができる。防錆顔料の配合量は、分散液中、
通常0.5〜50重量%が適切である。0.5重量%未
満だと防錆顔料の含有量が少なすぎるため分散液を用い
て得られる表面処理剤の防錆効果が十分でない。一方、
50重量%を超えると、湿式粉砕により均一で微細な粒
度分布を得るのが困難であり、また、微細な分散状態を
形成するのが困難である。特に好ましくは1〜50重量
%とする。分散剤の添加量は分散液中、0.1〜50重量%
であり、好ましくは0.5〜20重量%の範囲である。0.1重
量%以下では分散性が十分でなく、50重量%でもまた余
剰な分散剤同士の相互作用により分散性が悪くなる場合
がある上、分散が十分であったとしても、経済的には有
利ではない。
【0025】また、安定性を更に向上させるためには必
要に応じて増粘剤を添加することができる。増粘剤とし
て白土、タルク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、シ
リカ、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウムなどの無
機系増粘剤、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシ
ロキサン、増粘多糖類、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂などの有機系増粘剤またはこ
れらの重合体からなる増粘剤などを単独又は二種類以上
を組合せて用いることができる。増粘剤の使用に関して
は種類、添加量等を適宜選択すればよい。一般的には、
0.01〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%添加すると良い。
さらに、作業時の泡を抑える目的で消泡剤、分散液の防
菌防黴の目的で防腐剤、防黴剤などを用いることができ
る。使用に関しては種類、添加量等を適宜選択すれば良
い。分散剤を0.1〜50重量%添加し、湿式粉砕す
る。湿式粉砕の方法は特に限定されず、一般的な湿式粉
砕の手段を用いれば良い。具体的には、ディスク型、ピ
ン型等に代表されるビーズメディアを使用したビーズミ
ル、高圧ホモジェナイザー、超音波分散機等に代表され
るメディアレス分散機などを用いることができる。な
お、分散に際しては、過度に粉砕を行うと、比表面積の
増大に伴う分散剤不足が生じ、過分散粒子が凝集を起こ
す事によって、かえって粗大粒子を形成して分散安定性
を損なう過分散の現象が生ずる。また、配合や分散条件
によっては分散性のバラツキが生じ、粗大粒子や微細粒
子が最密に充填する事による凝集や増粘、あるいは、微
細粒子同士の凝集といった現象を引き起こす。このよう
な現象を防止するため、D90(体積90%径)をモニタ
ーして過分散を生じない程度の配合及び分散条件を選択
するのが望ましい。本発明では、D90を5μm以下とす
るのが望ましく、特に好ましくは3μm以下とする。
【0026】以上の方法により、液中で顔料が形成する
粒子である分散体の、粒径の平均値である分散体の平均
径を3μm以下に調節することができ、安定性に優れ、優
れた防錆効果を有する分散液を得ることができる。分散
体の平均径は通常、0.01〜3μmの範囲で所望の程
度に調節できる。なお、本発明においては、D50をも
って分散体の平均径とする。
【0027】以上のような本発明の方法により分散液を
調製することにより、3μmを超える顔料粒子であって
も3μm以下の分散体径で液中に分散することができ
る。数十μの一次粒子径を有する顔料粒子であっても同
様である。これは、もともと一次粒子径の小さな顔料を
用いなくとも、上述した本発明の製造方法に従って湿式
粉砕することにより顔料の一次粒子径を小さくすること
ができることも意味している。本発明の方法によれば、
液中の分散体径を3μm以下、さらには1μm以下、さ
らには0.2μm以下とすることもできるのである。
【0028】このようにして得られた本発明の分散液
は、液中の顔料の分散体の平均径を3μm以下で用途に合
せて調節することができ、分散安定性に優れ、優れた防
錆効果を有する分散液である。特に、分散体径の分布と
してD90が5μm以下、さらには3μm以下、さらには
0.3μm以下の、大分散体径の分散体の抑えられた分
散体径の分布のシャープな分散液とすることができる。
このため、微細な分散体径で防錆顔料が分散し、かつ分
散状態が極めて安定しているものと推測される。本発明
の分散液は、このように、平均分散径及びD90が小さ
く、分布がシャープであることから、防錆効果の発現性
が優れている。特に、金属材料又はめっき、無機皮膜、
有機皮膜を施した金属材料に、約10μm以下の薄膜と
して塗布した場合に、防錆効果の発現性が著しい。これ
は、JIS2371(中性塩水噴霧試験法)の試験で確認する
ことができる。また、D90が小さく過分散を防止できる
ため、安定した分散性を有している。
【0029】なお分散液中の分散体径は、レーザードッ
プラー式粒度分析計を用いて粒度分布測定を行ない求め
ることができる。本発明の分散液は特に、防錆顔料を1
0重量%以上、さらには20重量%以上、さらには30
重量%以上まで配合した高濃度の分散液を得ることもで
きる。このため、高い防錆効果を発揮する防錆塗料を容
易に調製することができる。分散液の粘度は特に限定さ
れないが、一般的には10000mPa・s以下、好ましくは5000
mPa・s以下、さらに好ましくは1000mPa・s以下とする事が
できる。尚、ここでの粘度はB型粘度計((株)東京計器
製)、60rpm、25℃にて測定したものである。
【0030】本発明の防錆顔料分散液を各種の他の成分
と配合して防錆剤組成物とすることができる。ここで防
錆剤組成物とは防錆顔料を含有し防錆機能を付与するこ
とのできる組成物である。防錆剤組成物としては本発明
の防錆顔料分散液を用いて調製したものであれば特に限
定されず、例えば防錆塗料、防錆コーティング液、表面
処理剤などの各種防錆剤が挙げられる。これら防錆剤組
成物を製造する方法も限定されず、公知の諸法を用いて
製造することができる。本発明の防錆顔料分散液は液状
であるため、粉末状態の顔料に比較してハンドリング性
にも優れ、塗料、防錆コーティング液、表面処理剤など
の調製に用いる場合にもごく弱い撹拌で極めて容易に顔
料が均一に分散し、容易に優れた防錆効果を得ることが
できる。
【0031】また、本発明の分散液は顔料の分散体径が
均一であり、分散体径の大きな凝集体の量を抑えること
ができることも大きな特徴のひとつであり、塗料、防錆
剤に配合した場合、強固で緻密な塗膜を得ることができ
る。
【0032】より具体的には、本発明の防錆顔料分散液
を有機樹脂に配合して防錆塗料としたり、有機樹脂及び
無機酸化物粒子と配合して防錆塗料とすることができ
る。本発明の防錆顔料分散液は油系、溶剤系、水溶系、
エマルジョン系など、各種塗料用樹脂などを用いて塗料
化できる。具体的な例として、たとえば、アルキド樹
脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シ
リコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂な
どの各種塗料用合成樹脂、油性ワニス、ボイル油、など
の油系樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、などのゴム誘導体、
カチオン電着樹脂、その他繊維素誘導体が用いられる。
これらの樹脂は単独でまたは二種類以上を組合せて用い
ることができる。
【0033】本発明の防錆塗料を、各種の基材に塗布す
ることにより防錆機能を付与できる。こうして防錆機能
を付与された基材は、建材分野、仕切板用途、自動車製
造用材料等の様々な分野に用いることができる。防錆剤
組成物を適用する基材は限定されず、亜鉛めっき鋼板、
アルミニウム鋼板、めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合
金めっき鋼板のような合金めっき鋼板等、各種の鋼板が
挙げられる。防錆機能の付与方法も限定されない。
【0034】例えば、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム
系めっき鋼板に塗布する表面処理剤の調製に用いること
ができる。この場合、例えば皮膜形成有機樹脂と配合し
たり、皮膜形成有機樹脂及び活性水素を有するヒドラジ
ン誘導体あるいはこれらの反応生成物と、本発明の防錆
顔料分散液とを配合して塗布液とし、予め複合酸化物微
粒子とリン酸又はリン酸化合物とを含有する複合酸化物
皮膜から成る第1層を形成した上に、第2層を形成する
ために用いることもできる。また、鉄鋼、亜鉛めっき鋼
板、アルミニウム、マグネシウム合金等の金属材料の表
面に施されるリン酸塩被膜化成処理においては、その化
成処理前に、化成反応の促進・リン酸塩被膜結晶の微細
化を図るための、表面調整剤として用いることができ
る。あるいは片面又は両面に各種のプライマー層を設け
た鋼板、樹脂フィルムを積層したラミネート鋼板、可塑
性ポリ塩化ビニルゾル塗料塗装鋼板、重防食鋼板を基材
として防錆効果を付与するのに用いることもできる。
【0035】また、カルシウムイオン交換されたシリカ
微粒子等のイオン交換シリカ粒子その他の無機酸化物粒
子と共に、水性アルキド樹脂、水性エポキシ樹脂等の水
性樹脂(ここで「水性」とは水溶性ないしは水分散性を
意味する。)といった皮膜形成樹脂に配合して防錆塗料
とすることもできる。また、金属基材状に縮み模様を有
する艶消し上塗りと膜の形成された装飾金属板の製造に
あたり、シリカ微粒子と防錆顔料とを含有するプライマ
ー層を形成するために用いることもできる。
【0036】また、加工密着性及び耐スクラッチ性の初
期及び二次性能と耐食性に優れたプレコート鋼板を得ら
れるものとして、非クロム系防錆顔料と導電性高分子化
合物を特定の皮膜形成性樹脂成分と組み合わせた塗料組
成物が知られているが、このような塗料組成物の調製に
用いれば更に防錆効果の向上したプレコート鋼板を得る
ことができる。本発明の防錆顔料分散液を用いれば、顔
料が微粒子状態で安定に分散しているため、鋼板の表面
処理塗膜や、その他の塗膜を薄膜化することが可能とな
る。薄膜化が可能であることから、曲面部形成時や塗膜
硬化時等のクラックの発生も防止でき、加工性に優れた
鋼板を得ることができる。
【0037】本発明の防錆顔料分散液の他の用途とし
て、ボールペンのペン先の金属製チップに接触する筆記
具用インキ、その他の液状組成物であって金属製部材等
の錆の発生し得る部位と接触し得るものに添加して、防
錆効果を発揮させることが挙げられる。このような用途
においても、本発明の分散液では防錆顔料が微細に分散
しており長期にわたって沈降することなく良好な安定性
を保つため、インキ等の機能を妨げることなく優れた防
錆効果を発現することが可能となる。
【0038】
【実施例】(実施例1)水142.3重量部にクロム又は鉛
を含まない防錆顔料として市販のケイ酸塩変性のリン酸
亜鉛(平均粒子径4〜5μm:遠心式光透過型粒度分布測
定機にて測定、水溶分1.9%:JIS-K-5101、pH9.4:JIS-
K-5101、ZnO分40%:EDTA法、P分24%:比色
分析法、CaO分9%:EDTA法、SiO分10%:重量
法)100重量部を配合し、次いで分散剤として市販のア
ニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキル
リン酸エステルを5重量部添加した。さらに、中和剤と
してAMP1重量部、増粘剤としてザンサンガム0.3重量部
添加して撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉砕機(φ1m
mアルカリガラスビーズ)を用いて湿式粉砕し分散液を
得た。この分散液をレーザードップラー式粒度分析計
(日機装(株)製、「マイクロトラックUPA150」)を用
いて粒度分布測定を行なったところ、D50(分散体の平
均径)は0.53μm、D90は0.99μmであった。粘度は250mP
a・s(B型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であった。
【0039】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0040】(実施例2)水142.3重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として市販のリン酸マグネシウム
(平均粒子径2〜4μm:遠心式光透過型粒度分布測定機
にて測定、水溶分3.4%:JIS-K-5101、pH8.0:JIS-K-51
01、P分40.2%:比色分析法、MgO分23.9%:
EDTA法)100重量部を配合し、次いで分散剤として市販
のアニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアル
キルリン酸エステルを5重量部添加した。さらに、中和
剤としてAMP1重量部、増粘剤としてザンサンガム0.3重
量部添加して撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉砕機
(φ1mmアルカリガラスビーズ)を用いて湿式粉砕し分
散液を得た。この分散液をレーザードップラー式粒度分
析計(日機装(株)製、「マイクロトラックUPA150」)
を用いて粒度分布測定を行なったところ、D50(分散体
の平均径)は0.58μm、D90は1.32μmであった。粘度は1
60mPa・s(B型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であっ
た。
【0041】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0042】(実施例3)水142.3重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として市販の形状がリン片状標準
型リン酸亜鉛(平均粒子径3μm:遠心式光透過型粒度
分布測定機にて測定、水溶分1%以下:JIS-K-5101、pH
6.9:JIS-K-5101、吸油量26ml/100g:JIS-K-5101、密度
3.0g/ml:JIS-K-5101、ふるい残分(45μm)1%以下:JIS
-K-5101、ZnO分58%:EDTA法、P分33%:比
色分析法)100重量部を配合し、次いで分散剤として市
販のアニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステルを5重量部添加した。さらに、中
和剤としてAMP1重量部、増粘剤としてザンサンガム0.3
重量部添加して撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉砕機
(φ1mmアルカリガラスビーズ)を用いて湿式粉砕し分
散液を得た。この分散液をレーザードップラー式粒度分
析計(日機装(株)製、「マイクロトラックUPA150」)
を用いて粒度分布測定を行なったところ、D50(分散体
の平均径)は0.44μm、D90は0.91μmであった。粘度は9
0mPa・s(B型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であっ
た。
【0043】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0044】(実施例4)水142.3重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として少量のモリブデン酸で変成
した市販の塩基性縮合型リン酸アルミニウム(平均粒子
径2〜3μm:遠心式光透過型粒度分布測定機にて測定、
水溶分1%以下:JIS-K-5101、pH6.5:JIS-K-5101、吸油
量35ml/100g:JIS-K-5101、密度3.0g/ml:JIS-K-5101、
ふるい残分(45μm)1%以下:JIS-K-5101、ZnO分25
%:EDTA法、P分45%:比色分析法、Al
分12%:EDTA法、MoO分0.3%:原子吸光光度法)1
00重量部を配合し、次いで分散剤として市販のアニオン
系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルリン酸
エステルを5重量部添加した。さらに、中和剤としてAMP
1重量部、増粘剤としてザンサンガム0.3重量部添加して
撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉砕機(φ1mmアルカ
リガラスビーズ)を用いて湿式粉砕し分散液を得た。こ
の分散液をレーザードップラー式粒度分析計(日機装
(株)製、「マイクロトラックUPA150」)を用いて粒度
分布測定を行なったところ、D50(分散体の平均径)は
0.57μm、D90は1.10μmであった。粘度は260mPa・s(B
型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であった。
【0045】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0046】(実施例5)水142.3重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として市販の塩基性モリブデン酸
カルシウム(平均粒子径2μm:遠心式光透過型粒度分布
測定機にて測定、水溶分1%以下:JIS-K-5101、pH8.0:
JIS-K-5101、吸油量29ml/100g:JIS-K-5101、密度3.2g/
ml:JIS-K-5101、ふるい残分(45μm)1%以下:JIS-K-51
01、ZnO分13%:EDTA法、CaO分43%:EDTA法、M
oO分9%:原子吸光光度法)100重量部を配合し、次
いで分散剤として市販のアニオン系界面活性剤であるポ
リオキシエチレンアルキルリン酸エステルを5重量部添
加した。さらに、中和剤としてAMP1重量部、増粘剤とし
てザンサンガム0.3重量部添加して撹拌した。撹拌後、
ダイノ−ミル粉砕機(φ1mmアルカリガラスビーズ)を
用いて湿式粉砕し分散液を得た。この分散液をレーザー
ドップラー式粒度分析計(日機装(株)製、「マイクロ
トラックUPA150」)を用いて粒度分布測定を行なったと
ころ、D50(分散体の平均径)は0.65μm、D90は0.98μm
であった。粘度は170mPa・s(B型粘度計、60rpm、25℃
にて測定)であった。
【0047】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0048】(実施例6)水142.3重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として市販のトリポリリン酸二水
素アルミニウム(平均粒子径2.7μm:遠心式光透過型粒
度分布測定機にて測定、水溶分1%以下:JIS-K-5101、p
H7.0:JIS-K-5101、吸油量37ml/100g:JIS-K-5101、密
度3.0g/ml:JIS-K-5101)100重量部を配合し、次いで分
散剤として市販のアニオン系界面活性剤であるポリオキ
シエチレンアルキルリン酸エステルを5重量部添加し
た。さらに、中和剤としてAMP1重量部、増粘剤としてザ
ンサンガム0.3重量部添加して撹拌した。撹拌後、ダイ
ノ−ミル粉砕機(φ1mmアルカリガラスビーズ)を用い
て湿式粉砕し分散液を得た。この分散液をレーザードッ
プラー式粒度分析計(日機装(株)製、「マイクロトラ
ックUPA150」)を用いて粒度分布測定を行なったとこ
ろ、D50(分散体の平均径)は0.40μm、D90は0.86μmで
あった。粘度は140mPa・s(B型粘度計、60rpm、25℃に
て測定)であった。
【0049】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0050】(実施例7)水177.0重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として少量のモリブデン酸で変成
した市販の塩基性縮合型リン酸アルミニウム(平均粒子
径2〜3μm:遠心式光透過型粒度分布測定機にて測定、
水溶分1%以下:JIS-K-5101、pH6.5:JIS-K-5101、吸油
量35ml/100g:JIS-K-5101、密度3.0g/ml:JIS-K-5101、
ふるい残分(45μm)1%以下:JIS-K-5101、ZnO分25
%:EDTA法、P分45%:比色分析法、Al
分12%:EDTA法、MoO分0.3%:原子吸光光度法)1
00重量部を配合し、次いで分散剤としてリン酸エステル
系分散剤であるビックケミー・ジャパン製Disperbyk−1
80を33.3重量部添加した。さらに、中和剤、分散助剤と
してAMP21.7重量部、増粘剤としてザンサンガム0.7重量
部添加して撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉砕機(φ
0.5mmジルコニアビーズ)を用いて湿式粉砕し分散液を
得た。この分散液をレーザードップラー式粒度分析計
(日機装(株)製、「マイクロトラックUPA150」)を用
いて粒度分布測定を行なったところ、D50(分散体の平
均径)は0.16μm、D90は0.29μmであった。粘度は150mP
a・s(B型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であった。
【0051】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0052】(実施例8)シクロヘキサノン218.3重量
部にクロム又は鉛を含まない防錆顔料として市販のリン
酸マグネシウム(平均粒子径2〜4μm:遠心式光透過型
粒度分布測定機にて測定、水溶分4.2%:JIS-K-5101、p
H7.9:JIS-K-5101、吸油量32ml/100g:JIS-K-5101、密
度2.3g/ml:JIS-K-5101、ふるい残分(45μm)1%以下:J
IS-K-5101、ZnO分31%:EDTA法、P分10%:
比色分析法、P分23%:比色分析法、MgO分13
%:EDTA法)100重量部を配合し、次いで分散剤として
ポリエステル樹脂であるゼネカ製ソルスパース24000GR
を2.5重量部添加し撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉
砕機(φ1mmアルカリガラスビーズ)を用いて湿式粉砕
し分散液を得た。この分散液をレーザードップラー式粒
度分析計(日機装(株)製、「マイクロトラックUPA15
0」)を用いて粒度分布測定を行なったところ、D50(分
散体の平均径)は0.29μm、D90は0.61μmであった。粘
度は60mPa・s(B型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であ
った。
【0053】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0054】(実施例9)水142.3重量部にクロム又は
鉛を含まない防錆顔料として市販の形状がリン片状標準
型リン酸亜鉛(平均粒子径3μm:遠心式光透過型粒度
分布測定機にて測定、水溶分1%以下:JIS-K-5101、pH
6.9:JIS-K-5101、吸油量26ml/100g:JIS-K-5101、密度
3.0g/ml:JIS-K-5101、ふるい残分(45μm)1%以下:JIS
-K-5101、ZnO分58%:EDTA法、P分33%:比
色分析法)100重量部を配合し、次いで分散剤として市
販のアニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステルを5重量部添加した。さらに、中
和剤としてAMP1重量部、増粘剤としてザンサンガム0.3
重量部添加して撹拌した。撹拌後、ダイノ−ミル粉砕機
(φ1mmアルカリガラスビーズ)を用いて湿式粉砕し、
レーザードップラー式粒度分析計(日機装(株)製、
「マイクロトラックUPA150」)を用いて粒度分布測定を
行いD90をモニターし、平均粒径0.98μm、D90が
2.3μmの分散液を得た。分散後、さらにザンサンガ
ム0.6重量部を添加して撹拌した。粘度は700mPa・
s(B型粘度計、60rpm、25℃にて測定)であった。
【0055】さらに、分散液を50℃の恒温槽にセットし
て経時安定性促進テストを行なったところ、3ヶ月経過
した時点でも沈降、増粘傾向は一切見られず、また、粒
度分布にも変化は見られなかった、これにより、この分
散液は安定性の優れたものであることが分かった。
【0056】
【発明の効果】本発明のクロム又は鉛を含まない防錆顔
料分散液は、分散体の平均径を3μm以下に、また同時に
D90を5μm以下、さらには3μm以下に調節すること
ができ、安定性に優れ、塗料や防錆剤として配合した場
合、安全性が高く、優れた効果を発揮する防錆塗料や防
錆剤等の防錆剤組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J037 AA08 AA30 EE28 FF24 4J038 BA021 BA171 BA191 CA011 CC001 CE021 CF021 CF031 CG001 CG031 CG061 CG071 CJ101 CJ131 CK031 DD001 DG001 DJ011 HA416 HA476 KA08 NA03 4K062 AA01 BA14 BB01 BC04 BC06 BC11 CA05 DA05 FA03 FA08 FA12 GA01 GA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム及び鉛を含まない防錆顔料を含有
    する分散液であって、分散体の平均径が3μm以下であ
    る防錆顔料分散液。
  2. 【請求項2】 クロム及び鉛を含まない防錆顔料を含有
    する分散液であって、分散体のD90が5μm以下である
    防錆顔料分散液。
  3. 【請求項3】 クロム及び鉛を含まない防錆顔料を、分
    散剤を含有する分散媒中で湿式粉砕して平均径が3μm
    以下の分散体を形成してなる防錆顔料分散液。
  4. 【請求項4】 防錆顔料を0.5〜50重量%含有する
    請求項1〜3のいずれかに記載の防錆顔料分散液。
  5. 【請求項5】 クロム及び鉛を含まない防錆顔料を分散
    剤を含有する分散媒中で湿式粉砕して平均径が3μm以
    下の分散体とする防錆顔料分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 増粘剤を含有することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の防錆顔料分散液。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4又は6に記載の防
    錆顔料分散液を有機樹脂に配合してなる防錆塗料。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4又は6に記載の防
    錆顔料分散液を有機樹脂及び無機酸化物粒子と配合して
    なる防錆塗料。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4又は6に記載の防
    錆顔料分散液を含有してなる表面処理剤。
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