JP2003012517A - 安定で溶出性の改善された非晶質組成物 - Google Patents

安定で溶出性の改善された非晶質組成物

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JP2003012517A
JP2003012517A JP2001291276A JP2001291276A JP2003012517A JP 2003012517 A JP2003012517 A JP 2003012517A JP 2001291276 A JP2001291276 A JP 2001291276A JP 2001291276 A JP2001291276 A JP 2001291276A JP 2003012517 A JP2003012517 A JP 2003012517A
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cefditoren pivoxil
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Masato Ota
真人 太田
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経口投与用の医薬組成物として実用に耐え得
る安定性と溶解性を有するセフジトレン ピボキシルの
非晶質組成物を容易な方法で提供する。 【解決手段】 結晶セフジトレン ピボキシルを製薬上
許容される有機高分子化合物の存在下で粉砕非晶質化す
ることにより、物理化学的に安定で溶出性が改善された
非晶質組成物、及び該非晶質組成物を含有する経口投与
用の医薬組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は安定で溶出性の改善
された非晶質組成物、及び該非晶質組成物を含有する経
口投与用の医薬組成物に関する。より具体的には、結晶
セフジトレン ピボキシルを製薬上許容される有機高分
子化合物の存在下で粉砕非晶質化したことを特徴とし、
安定で溶出性の改善された非晶質組成物、及び該非晶質
組成物を含有する経口投与用の医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】次式(I)
【化1】 で示されるセフジトレン ピボキシル(Cefditoren piv
oxil)は、広域抗菌スペクトルを有する抗生物質セフジ
トレン((+)-(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-アミノチアゾール-4
-イル)-2-メトキシイミノアセトアミド]-3-[(Z)-2-(4-
メチルチアゾール-5-イル)エテニル]-8-オキソ-5-チア-
1-アザビシクロ[4.2.0]オクト-2-エン-2-カルボン酸、
別の化学名は[6R-[3(Z),6α,7β(Z)]]-7-[[(2-amino-4-
thiazolyl)(methoxyimino)acetyl]amino]-3-[2-(4-meth
yl-5-thiazolyl)ethenyl]-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo
[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid)の経口吸収性を
賦与することを目的として、その4位カルボン酸にピバ
ロイルオキシメチル基をエステル結合させた新規なプロ
ドラッグ((-)-(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-アミノチアゾール
-4-イル)-2-メトキシイミノアセトアミド]-3-[(Z)-2-(4
-メチルチアゾール-5-イル)エテニル]-8-オキソ-5-チア
-1-アザビシクロ[4.2.0]オクト-2-エン-2-カルボン酸
2,2-ジメチルプロピオニルオキシメチルエステル、別の
化学名は[6R-[3(Z),6α,7β(Z)]]-7-[[(2-amino-4-thia
zolyl)(methoxyimino)acetyl]amino]-3-[2-(4-methyl-5
-thiazolyl)ethenyl]-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.
0]oct-2-ene-2-carboxylic acid (2,2-dimethyl-1-oxop
ropoxy)methyl ester)である。セフジトレン ピボキ
シルは毒性が低く、かつ極めて広範囲な抗菌スペクトラ
ムを有する経口剤として、グラム陽性菌あるいはグラム
陰性菌によって引き起こされる疾病の治療ならびに予防
に極めて優れていることが知られている(特公平3-6450
3、US4839350、EP175610)。
【0003】また、セフジトレン ピボキシルの結晶は
高純度であり、熱安定性が高く、また高い湿度の条件で
保存しても充分に安定である利点を有するが(WO98/122
00)、他方、水に対する溶解度が低いので、それ自体で
は経口投与に用いるのはあまり適当ではなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】一般的に、水に難溶性の医薬化合物の場合
は、その溶解度又は溶解速度が生体内での該化合物の吸
収に大きく影響することが知られている。そのため、難
水溶性の医薬化合物の溶出性を改善する方法が多く報告
されており、その医薬化合物を非晶性物質に変えて利用
し、溶出性を向上させるのもその一つである。非晶性物
質は、対応する結晶性物質よりも溶解に必要なエネルギ
ーが小さいため溶出性が大きいことが知られている。そ
れ故セフジトレン ピボキシルの難水溶性である結晶性
物質を、水溶性の高い非晶性物質に転換すると、治療上
の有効性を充分に発揮できることが期待される。
【0005】セフジトレン ピボキシルの難水溶性であ
る結晶性物質を、水溶性の高い非晶性物質に転換する方
法としては、WO99/34832記載の方法が報告されている。
すなわち、結晶セフジトレン ピボキシルを水溶性の高
分子添加剤を含有する酸性水溶液に溶解し、この酸性水
溶液を中和してセフジトレン ピボキシルと水溶性高分
子添加剤とを共沈殿させた後に、採取、洗浄、乾燥する
方法である。この方法によれば、水に対して高い溶出性
を持ち、かつ、高い熱安定性を持つ非晶質セフジトレン
ピボキシルと、水溶性高分子添加剤(0.5〜5%)との
均質な混合物から構成された固体粒子からなる黄色粉末
状組成物が得られる。しかし、この方法は多くの工程を
経る必要があり、工程管理と時間を要する等、残された
課題があった。したがって、経口投与用の医薬組成物と
して実用に耐え得る安定性と溶出性を有するセフジトレ
ン ピボキシルの非晶質組成物を、容易な方法で提供す
ることが求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する為、更に鋭意研究を重ねた。その結果、結晶
セフジトレン ピボキシルを製薬上許容される有機高分
子化合物の存在下で粉砕非晶質化することにより、非晶
質組成物が容易に得られることが判明した。得られた非
晶質組成物は安定であり、また溶出性も改善されている
ため、該非晶質組成物を用いて吸収性の高い経口投与用
の医薬組成物が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち本発明は、 (1)結晶セフジトレン ピボキシルを製薬上許容され
る有機高分子化合物の存在下で粉砕非晶質化したことを
特徴とする非晶質組成物 (2)製薬上許容される有機高分子化合物が、結晶セル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースアセテートサクシネート、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマ
ー、メタクリル酸コポリマー、アルギン酸プロピレング
リコールエステル、カゼイン及びその塩、プルラン、カ
ラギーナンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の
物質である上記(1)記載の非晶質組成物 (3)製薬上許容される有機高分子化合物が、カゼイン
及びその塩、及び/又はヒドロキシプロピルメチルセル
ロースである上記(1)記載の非晶質組成物 (4)上記(1)〜(3)いずれか1記載の非晶質組成
物と、製薬上許容される担体を含有する経口投与用の医
薬組成物 に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で用いる製薬上許容される有機高分子化合
物としては、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレングリコール、アクリル酸エチル・メタクリ
ル酸メチルコポリマー、メタクリル酸コポリマー、アル
ギン酸プロピレングリコールエステル、カゼイン及びそ
の塩、プルラン、カラギーナン等を用いることができ
る。またこれらを1種又は2種以上混合して用いてもよ
い。中でもカゼイン及びその塩、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、又はこれらの混合物が好ましい。
【0009】これらの製薬上許容される有機高分子化合
物の使用量は特に限定されないが、セフジトレン ピボ
キシルとの重量比率として表わすと、セフジトレン ピ
ボキシル/製薬上許容される有機高分子化合物=95/
5〜5/95程度、好ましくは10/90〜5/95で
ある。
【0010】本発明においては、結晶セフジトレン ピ
ボキシルを、製薬上許容される有機高分子化合物の存在
下で粉砕非晶質化することを特徴としている。本発明で
用いる粉砕機としては、機械的に圧壊、摩砕して微粒子
化する機能を有するものであれば特に制限はなく、例え
ば振動ボールミル、回転型ボールミル、振動ロッドミ
ル、ハンマーミル、ピンミル、マイクロス等が挙げられ
る。また、エクストルーダーを利用した粉砕なども利用
可能である。粉砕非晶質化に要する時間は、使用する粉
砕機種、粉砕動力の大きさ、対象物の全重量、添加剤の
種類と添加割合等により変動するが、数十分から数時間
の範囲にある。例えば、結晶セフジトレン ピボキシル
と製薬上許容される有機高分子化合物の混合物3.0g
をボールミルで粉砕非晶質化するのに要する時間は約3
0分であって、容易に安定性と溶出性を兼ね備えた非晶
質組成物を得ることができる。
【0011】本発明の非晶質組成物は、通常の分析手段
である粉末X線回折によりその非晶質化状態確認するこ
とができる。結晶セフジトレン ピボキシルは鋭い回折
ピークを有しているのに対し、本発明の非晶質組成物は
非晶質セフジトレン ピボキシルと同様に回折ピークを
有さず、非晶質化していることが認められた。なお、本
明細書において「非晶質化」という用語は、セフジトレ
ン ピボキシルが実質的に完全に非晶質として存在する
場合の他、一部に微細化された結晶状態のセフジトレン
ピボキシルが存在する場合も含めるものとする。ま
た、本発明の非晶質組成物は、再結晶化が起こりにく
く、溶出性も高いことが確認された。
【0012】本発明の非晶質組成物は、そのまま薬剤と
して用いることもできるが、原末として用い、必要に応
じて製薬上許容される担体、すなわち、所望する量と種
類の賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤などを用いて、粉
末、顆粒、錠剤、丸剤、カプセル剤などの医薬製剤とし
て使用することが可能である。前記賦形剤、結合剤、崩
壊剤、着色剤などは、製剤の形態に応じて一種又は二種
以上使用できる。
【0013】賦形剤としては、例えば、乳糖、トウモロ
コシデンプン、ショ糖、ブドウ糖、カオリン、タルク、
結晶セルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸、塩化
ナトリウム、炭酸カルシウム、L−システィンなどが挙
げられ、結合剤としては、例えば、アルファー化デンプ
ン、部分アルファー化デンプン、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポビド
ン、プルラン、デキストリン、アラビアゴムなどが挙げ
られる。また、崩壊剤としては、例えば、アルギン酸ナ
トリウム、寒天末、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、デンプン類、クロスカルメロースナトリウム、ク
ロスポビドン、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル類
などが挙げられる。着色剤としては、例えば、酸化チタ
ン、ベンガラ、タール色素などが挙げられる。
【0014】なお、セフジトレン ピボキシルの製剤と
しては、セフジトレン ピボキシル原末に例えばシクロ
デキストリン(特公平6-78234)、ヒドロキシプロピル
セルロース(特開平7-17866)、カゼインナトリウム(W
O97/13516)などを混合して製剤化したものが知られて
いる。したがって当業者であればこれらの記載をもとに
適宜賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤などを選択し、常
法により実質的に同じ生物学的活性を有する医薬製剤を
得ることは容易に可能である。
【0015】
【実施例】以下に実施例及び試験例を示し本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 結晶セフジトレン ピボキシル(明治製菓製)0.3g
及びカゼインナトリウム(New Zealand Dairy Board
製)2.7g(セフジトレン ピボキシル/カゼインナ
トリウム=10/90)を酸化アルミニウム製の粉砕容
器に入れ、振動ロッドミル(CMT製モデルTI-200)で3
0分間粉砕して非晶質組成物を得た。
【0017】実施例2 結晶セフジトレン ピボキシル(明治製菓製)0.3g
及び結晶セルロース(旭化成製)2.7g(セフジトレ
ン ピボキシル/結晶セルロース=10/90)を酸化
アルミニウム製の粉砕容器に入れ、振動ロッドミル(CM
T製モデルTI-200)で30分間粉砕して非晶質組成物を
得た。
【0018】実施例3 結晶セフジトレン ピボキシル(明治製菓製)及びヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製)を合計
3.0g酸化アルミニウム製の粉砕容器に入れ、振動ロ
ッドミル(CMT製モデルTI-200)で30分間粉砕して非
晶質組成物を得た。なお、粉砕容器に入れた結晶セフジ
トレン ピボキシルとヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースの重量混合比率は、セフジトレン ピボキシル/ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース=95/5(c)、
70/30(d)、50/50(e)、30/70
(f)、5/95(g)の5通りであった。
【0019】試験例1 粉末X線回折 上記実施例1〜3で得られた混合粉砕物、すなわち本発
明の非晶質組成物について、X線回折装置(モデルRINT
2200、リガク製)を用い測定した。粉末X線回折図
を図1、2、3に示す。粉砕しない試料(結晶セフジト
レン ピボキシル、及び製薬上許容される有機高分子化
合物及びそれらと結晶セフジトレン ピボキシルの物理
的混合物)はハローパターンを示さずに鋭い回折ピーク
又はそれぞれ特有のピークを示し、非晶質化していない
ことが認められた。一方、30分間粉砕した試料(本発
明の非晶質組成物、及びセフジトレン ピボキシル単独
粉砕物)はいずれもハローパターンを示し、セフジトレ
ン ピボキシルが非晶質化していることが認められた。
【0020】試験例2 熱分析 上記実施例1〜3で得られた本発明の非晶質組成物につ
いて、熱に対する安定性を示差走査熱量計(モデルDS
C3100、MACサイエンス製)により調べた。DS
C曲線を図4、5、6に示す。結晶セフジトレン ピボ
キシルは昇温速度10℃/分におけるDSC曲線におい
て206〜215.7℃に分解を伴う融解吸熱ピークを
認めた。また、非晶質セフジトレン ピボキシル(単独
粉砕物)は昇温速度10℃/分におけるDSC曲線にお
いて、140℃付近に発熱ピークを有し、結晶に転移す
る。更に加熱を続けると、200℃付近に吸熱を示し、
融解することが示された。一方、実施例1、2の非晶質
組成物ではどちらのピークも検出されず、カゼインナト
リウムないし結晶セルロースが非晶質セフジトレン ピ
ボキシルの結晶化を抑制し、安定な非晶質組成物を形成
しているものと考えられた。実施例3の非晶質組成物で
はヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有率が高く
なるに従って発熱ピークが高温側にシフトし、かつ緩や
かになった。吸熱ピークもヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースの含有率が高くなるに従って緩やかになり、ピ
ークが検出されなくなったことから、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースが非晶質セフジトレン ピボキシル
の結晶化を抑制しているものと考えられた。
【0021】試験例3 赤外吸収スペクトル 上記実施例1〜3で得られた非晶質組成物について、フ
ーリエ変換赤外分光装置(モデルFT/IR−230、
JASCO製)を用い、臭化カリウム錠剤法により測定
した。赤外吸収スペクトルを図7、8、9に示す。結晶
セフジトレン ピボキシルと比較して、実施例1、2の
非晶質組成物は、どちらもセフジトレン ピボキシルの
エステルのカルボニル伸縮振動に由来するピークが低波
数側にシフトしていることが認められた。このことはセ
フジトレンピボキシルのエステルのカルボニル基が、カ
ゼインナトリウム中のアミド基又は結晶セルロース中の
水酸基と水素結合を生じていることを示唆しており、こ
の水素結合が結晶化の抑制に寄与しているものと考えら
れた。実施例3の非晶質組成物では、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースの含有率に関係なく、結晶に由来す
るエステルのカルボニル伸縮振動に由来するピークが認
められず、均質な非晶質となっているものと考えられ
た。
【0022】試験例4 溶出性試験 上記実施例1〜3で得られた非晶質組成物について、日
局第2液中で溶出試験を行った。一定時間毎にサンプリ
ングした溶出液は、富山産業製G−4ガラスフィルター
でろ過後、島津製作所製UV−160型紫外可視分光光
度計を用い、測定波長272nmで定量した。溶出曲線
を図10、11、12に示す。結晶セフジトレン ピボ
キシルと非晶質セフジトレン ピボキシル(単独粉砕
物)はほとんど溶出性に差が認められなかった。一方、
実施例1、2の非晶質組成物では、その物理的混合物に
比べて著しい溶出性の向上が認められ、カゼインナトリ
ウムや結晶セルロースがセフジトレンピボキシルの結晶
化を抑制するためと考えられた。また実施例3の非晶質
組成物では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含
有率が高くなるにつれて溶出性の向上が認められ、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースがセフジトレン ピボ
キシルの結晶化を抑制するためと考えられた。
【0023】製剤例1 実施例1で得られた非晶質組成物(セフジトレン ピボ
キシル/カゼインナトリウム=10/90混合粉砕物)
130g、及びトウモロコシデンプン260gを混合
し、散剤を製造した。
【0024】製剤例2 実施例2で得られた非晶質組成物(セフジトレン ピボ
キシル/結晶セルロース=10/90混合粉砕物)13
0g、噴霧乾燥した乳糖260g、クロスカルメロース
ナトリウム130g及びステアリン酸マグネシウム3g
を加えて混合し、カプセル充填してカプセル剤1000
個を製造した。
【0025】製剤例3 実施例3で得られた非晶質組成物(セフジトレン ピボ
キシル/ヒドロキシプロピルメチルセルロース=50/
50混合粉砕物)130g、β−シクロデキストリン2
60g、ヒドロキシプロピルセルロース5g、D−マン
ニトール103g、リンゴ酸195g及びショ糖脂肪酸
エステル7gの均一粉末を常法により湿式造粒して細粒
化し、細粒剤を製造した。
【0026】製剤例4 実施例3で得られた非晶質組成物(セフジトレン ピボ
キシル/ヒドロキシプロピルメチルセルロース=5/9
5混合粉砕物)130g、トウモロコシデンプン390
g、及びD−マンニトール480gの均一粉末を常法に
より湿式造粒して顆粒化し、顆粒剤を製造した。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、安定で溶出性が高いセ
フジトレン ピボキシルの非晶質組成物を容易な方法で
得ることができる。本発明による非晶質組成物は安定で
溶出性が良好であり、経口投与された時に高い治療有効
性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)セ
フジトレン ピボキシル/カゼインナトリウム=10/
90の物理的混合物;(d)実施例1で得られた本発明
の非晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/カゼイン
ナトリウム=10/90の混合粉砕物);(e)カゼイ
ンナトリウムの粉末X線回折図。
【図2】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)セ
フジトレン ピボキシル/結晶セルロース=10/90
の物理的混合物;(d)実施例2で得られた本発明の非
晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/結晶セルロー
ス=10/90の混合粉砕物);(e)結晶セルロース
の粉末X線回折図。
【図3】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)
(d)(e)(f)(g)実施例3で得られた本発明の
非晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース=95/5、70/30、5
0/50、30/70、5/95の混合粉砕物);
(h)ヒドロキシプロピルメチルセルロースの粉末X線
回折図。
【図4】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)セ
フジトレン ピボキシル/カゼインナトリウム=10/
90の物理的混合物;(d)実施例1で得られた本発明
の非晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/カゼイン
ナトリウム=10/90の混合粉砕物);(e)カゼイ
ンナトリウムのDSC曲線。
【図5】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)セ
フジトレン ピボキシル/結晶セルロース=10/90
の物理的混合物;(d)実施例2で得られた本発明の非
晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/結晶セルロー
ス=10/90の混合粉砕物);(e)結晶セルロース
のDSC曲線。
【図6】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)
(d)(e)(f)(g)実施例3で得られた本発明の
非晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース=95/5、70/30、5
0/50、30/70、5/95の混合粉砕物);
(h)ヒドロキシプロピルメチルセルロースのDSC曲
線。
【図7】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)セ
フジトレン ピボキシル/カゼインナトリウム=10/
90の物理的混合物;(d)実施例1で得られた本発明
の非晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/カゼイン
ナトリウム=10/90の混合粉砕物);(e)カゼイ
ンナトリウムの赤外吸収スペクトル。
【図8】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)セ
フジトレン ピボキシル/結晶セルロース=10/90
の物理的混合物;(d)実施例2で得られた本発明の非
晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/結晶セルロー
ス=10/90の混合粉砕物);(e)結晶セルロース
の赤外吸収スペクトル。
【図9】 (a)セフジトレン ピボキシル(結晶);
(b)セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;(c)
(d)(e)(f)(g)実施例3で得られた本発明の
非晶質組成物(セフジトレン ピボキシル/ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース=95/5、70/30、5
0/50、30/70、5/95の混合粉砕物);
(h)ヒドロキシプロピルメチルセルロースの赤外吸収
スペクトル。
【図10】 ◇セフジトレン ピボキシル(結晶);○
セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;△セフジトレン
ピボキシル/カゼインナトリウム=10/90の物理
的混合物;□実施例1で得られた本発明の非晶質組成物
(セフジトレンピボキシル/カゼインナトリウム=10
/90の混合粉砕物)の溶出曲線。
【図11】 ◇セフジトレン ピボキシル(結晶);○
セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;▲セフジトレン
ピボキシル/結晶セルロース=10/90の物理的混
合物;■実施例2で得られた本発明の非晶質組成物(セ
フジトレン ピボキシル/結晶セルロース=10/90
の混合粉砕物)の溶出曲線。
【図12】 ◇セフジトレン ピボキシル(結晶);●
セフジトレン ピボキシル単独粉砕物;▲■○△□実施
例3で得られた本発明の非晶質組成物(セフジトレン
ピボキシル/ヒドロキシプロピルメチルセルロース=9
5/5、70/30、50/50、30/70、5/9
5の混合粉砕物)の溶出曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/42 A61K 47/42 A61P 31/04 A61P 31/04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶セフジトレン ピボキシルを製薬上
    許容される有機高分子化合物の存在下で粉砕非晶質化し
    たことを特徴とする非晶質組成物。
  2. 【請求項2】 製薬上許容される有機高分子化合物が、
    結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
    ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
    メチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロースアセテートサクシネート、メチルセルロー
    ス、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエ
    チルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
    グリコール、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコ
    ポリマー、メタクリル酸コポリマー、アルギン酸プロピ
    レングリコールエステル、カゼイン及びその塩、プルラ
    ン、カラギーナンからなる群から選ばれる1種又は2種
    以上の物質である請求項1記載の非晶質組成物。
  3. 【請求項3】 製薬上許容される有機高分子化合物が、
    カゼイン及びその塩、及び/又はヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースである請求項1記載の非晶質組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項記載の非晶質
    組成物と、製薬上許容される担体を含有する経口投与用
    の医薬組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005162696A (ja) * 2003-12-04 2005-06-23 Nichiko Pharmaceutical Co Ltd 溶出性に優れたセフジトレンピボキシル製剤
JP2007106684A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Sawai Pharmaceutical Co Ltd 抗菌性医薬組成物

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