JP2003012432A - 漂白用組成物及びフッ素コーティング用組成物並びに歯牙の漂白方法及びフッ素コーティング方法 - Google Patents

漂白用組成物及びフッ素コーティング用組成物並びに歯牙の漂白方法及びフッ素コーティング方法

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JP2003012432A
JP2003012432A JP2002125144A JP2002125144A JP2003012432A JP 2003012432 A JP2003012432 A JP 2003012432A JP 2002125144 A JP2002125144 A JP 2002125144A JP 2002125144 A JP2002125144 A JP 2002125144A JP 2003012432 A JP2003012432 A JP 2003012432A
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Shinichi Sugihara
愼一 杉原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規材料を使用した漂白剤、フッ素コーティン
グ剤、漂白方法及びフッ素コーティング方法であって、
従来に比べてより短時間に所望の効果を得られ得る物及
び方法を提供すること。 【解決手段】酸化チタンを担持した珪藻土と過酸化物と
を含む漂白用組成物。歯牙の表面に上記漂白用組成物を
塗布し、この塗布物に光及び/又は熱を照射することを
含む、歯牙の漂白方法。フッ素含有化合物及び光触媒を
含む歯牙のフッ素コーティング用組成物。歯牙の表面に
上記のフッ素コーティング用組成物を塗布し、この塗布
物に光を照射することを含む、歯牙のフッ素コーティン
グ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光応答性光触
媒を用いた漂白用組成物及びこの漂白用組成物を用いた
歯牙の漂白方法に関する。さらに本発明は、フッ素含有
化合物及び光触媒を含む歯牙のフッ素コーティング用組
成物並びに歯牙のフッ素コーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白い歯は芸能人のみならず一般人にとっ
ても憧れであり、特に、若者の間では歯を白くしたいと
いう要望が強い。そこで、歯科診療の中でも、歯牙の漂
白(ブリーチング)が徐々に一般化してきている。歯牙
の漂白(ブリーチング)には、家庭で行える安全性の高
いホームブリーチングと漂白効果が高く、患者の歯牙の
着色状態や着色の原因を考慮しながら歯科医師が行うオ
フィスブリーチングとがある。ホームブリーチングに
は、主に比較的低濃度の過酸化水素等の薬剤のみを用い
るのに対し、オフィスブリーチングには、比較的濃度の
高い過酸化水素等の薬剤とアルゴンレーザーや光重合器
とを組み合わせて用いるのが一般的である。
【0003】しかるに、これまでのオフィスブリーチン
グでは、比較的濃度の高い過酸化水素等の薬剤を用いる
ため、薬剤が接触することでブリーチングの過程で歯肉
が炎症を起こし退縮してしまい、歯牙は漂白できるが歯
肉がめくれ上がり見た目が悪くなってしまう、といった
問題があった。そこで、オフィスブリーチングでは、ブ
リーチングに先立ち歯肉を保護する処置をするのが一般
的である。しかし、歯肉を保護する処置の時間と費用が
余計に必要になるという問題がある。
【0004】また、歯牙の着色には種々の原因がある
が、テトラサイクリン系の着色(テトラサイクリン系の
薬剤の服用による着色)は、紫外線を照射すると着色が
増大するとうい問題もあった。そこで、ブリーチングに
は可視光線を使用することが多いが、可視光線を使用す
ると処置に長時間を要し、処置に長時間を要すると歯肉
保護処置を施していても歯肉炎症が発生する場合がある
という問題もあった。また、テトラサイクリン系の着色
の場合、従来の漂白方法では思う様な漂白ができない場
合もあった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】そこで、歯牙の漂白法とし
て、安全性、簡易性に優れ、短期間で所望の効果が得ら
れる新しい漂白法の提供が強く求められている。このよ
うな状況の中で、光触媒作用を有する二酸化チタンと過
酸化水素水を有効成分として併用する漂白法、この漂白
法に使用する漂白剤、その製造方法、及び上記漂白剤を
用いた歯牙漂白システムが提案されている(特開平11
−92351号公報)。
【0006】特開平11−92351号公報に記載の発
明は、以下の通りである。 (1)二酸化チタン粉沫体と過酸化水素水の溶液/ペー
ストを変色歯牙表面に付着させ、この部分に光を照射す
ることにより生ずる光触媒作用に基づき歯牙を漂白する
ことを特徴とする変色歯牙の漂白法。 (2)可視光の紫の光を照射することを特徴とする前記
(1)記載の変色歯牙の漂白法。 (3)変色歯牙表面に付着させ、当該部分に光を照射す
ることにより生ずる光触媒作用に基づき変色歯牙を漂白
するための漂白剤であって、光照射により光触媒作用を
生ずる二酸化チタンと過酸化水素水を有効成分として組
合せてなることを特徴とする漂白剤。 (4)粒子径約5〜60nmの二酸化チタンと3%以下
の過酸化水素水の溶液/ペーストからなる前記(3)記
載の漂白剤。 (5)変色歯牙表面に付着させ、当該部分に光を照射す
ることにより生ずる光触媒作用に基づき変色歯牙を漂白
するための漂白剤の製造方法であって、過酸化水素水に
光照射により光触媒作用を生ずる二酸化チタン粉沫体を
配合することを特徴とする漂白剤の製造方法。 (6)3%以下の過酸化水素水に光照射により光触媒作
用を生ずる二酸化チタン粉沫体を配合する前記(5)記
載の漂白剤の製造方法。 (7)二酸化チタン粉沫体として、アナターゼ型の二酸
化チタンを配合することを特徴とする前記(5)又は
(6)記載の漂白剤の製造方法。 (8)前記(3)又は(4)記載の漂白剤と、当該漂白
剤を付着させる手段、照射器具、及び/又は他の歯牙処
置用材料とを組合わせてなる歯牙漂白システム。 (9)可視光の紫の光を発する照射器具を組合せてなる
前記(8)記載の歯牙漂白システム。
【0007】ところが、上記漂白剤に使用されている二
酸化チタンはアナターゼ型二酸化チタンであり、アナタ
ーゼ型二酸化チタンは、通常励起光として400nm以
下の紫外線が必要である。また、一部の微細粒子からな
るアナターゼ型二酸化チタンでは可視光領域の光でも活
性を示すが、せいぜい420nm以下の光に対してであ
る。従って、上記漂白方法でも、可視光を使用している
が、可視光として紫の光を照射するとしており、400
〜700nmの範囲がある可視光領域の内、400〜4
20nmのごく限られた範囲の光のみしか使用していな
い。
【0008】その結果、依然として処置には1時間以上
の長時間を要し、使用される過酸化水素の濃度が低くな
っても、処置時間が長いため血歯肉への悪影響は避けら
れない。また、漂白処置の間は光を照射し続ける必要が
あることから、光照射装置を装着している漂白処置を受
ける患者の苦痛も相当である。
【0009】そこで本発明の目的は、光触媒を使用した
漂白剤及び漂白方法であって、従来に比べてより短時間
に所望の効果を得られ得る新規な漂白剤及び漂白方法を
提供することにある。
【0010】ところで、虫歯の予防を目的として、歯牙
のフッ素コーティングは広く行われている。しかるに、
歯牙のフッ素コーティングは、一定の間隔で少なくとも
数回行う必要が有った。そこで本発明の目的は、1回の
歯牙のフッ素コーティングで、高いフッ素コーティング
効果があられる歯牙のフッ素コーティング用組成物及び
フッ素コーティング方法を提供することに関する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下の通りである。 [請求項1]酸化チタンを担持した珪藻土と過酸化物と
を含む漂白用組成物。 [請求項2]酸化チタンが紫外線応答型酸化チタンまた
は可視光応答性酸化チタンである請求項1に記載の組成
物。 [請求項3]可視光応答性酸化チタンが波長420nm
以上の光の作用により活性化される光触媒(以下、可視
光応答性光触媒という)である請求項2に記載の組成
物。 [請求項4]可視光応答性光触媒が、波長450nm以
上の光の作用により活性化される請求項3に記載の組成
物。 [請求項5]可視光応答性光触媒が、少なくともアナタ
ーゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、かつ真空
中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の
照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜
2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.
986及び2.024である2つの副シグナルが観測さ
れ、かつこれらの3つのシグナルは真空中、77K、暗
黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測さ
れない可視光応答型材料である請求項3または4に記載
の組成物。 [請求項6]過酸化物が過酸化水素または過酸化尿素で
ある請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。 [請求項7]歯牙の漂白に用いられる請求項1〜6のい
ずれか1項に記載の組成物。 [請求項8]歯牙の表面に請求項1〜7のいずれか1項
に記載の組成物を塗布し、この塗布物に光及び/又は熱
を照射することを含む、歯牙の漂白方法。 [請求項9]光及び/又は熱が、光重合器、発光ダイオ
ード、若しくはハロゲンランプからの光及び/又は熱ま
たはプラズマ光である請求項8に記載の方法。 [請求項10]発光ダイオードが紫色発光ダイオード、
青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、黄色発光ダ
イオード、または白色発光ダイオードである請求項9に
記載の方法。 [請求項11]フッ素含有化合物及び光触媒を含む歯牙
のフッ素コーティング用組成物。 [請求項12]光触媒が紫外線応答型酸化チタンまたは
可視光応答性酸化チタンである請求項11に記載の組成
物。 [請求項13]可視光応答性酸化チタンが波長420n
m以上の光の作用により活性化される光触媒(以下、可
視光応答性光触媒という)である請求項12に記載の組
成物。 [請求項14]可視光応答性光触媒が、波長450nm
以上の光の作用により活性化される請求項13に記載の
組成物。 [請求項15]可視光応答性光触媒が、少なくともアナ
ターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、かつ真空
中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の
照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜
2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.
986及び2.024である2つの副シグナルが観測さ
れ、かつこれらの3つのシグナルは真空中、77K、暗
黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測さ
れない可視光応答型材料である請求項13または14に
記載の組成物。 [請求項16]歯牙の表面に請求項11〜15のいずれ
か1項に記載の組成物を塗布し、この塗布物に光を照射
することを含む、歯牙のフッ素コーティング方法。 [請求項17]歯牙の表面に請求項13〜15のいずれ
か1項に記載の組成物を塗布し、この塗布物に波長42
0nm以上の成分を含む光を照射することを含む、歯牙
のフッ素コーティング方法。 [請求項18]光が、光重合器、発光ダイオード、若し
くはハロゲンランプからの光またはプラズマ光である請
求項16または17に記載の方法。 [請求項19]発光ダイオードが紫色発光ダイオード、
青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、黄色発光ダ
イオード、または白色発光ダイオードである請求項18
に記載の方法。 [請求項20]歯牙のしみる感覚(知覚過敏)を低減ま
たは消去する請求項16〜19のいずれか1項に記載の
方法。
【0012】
【発明の実施の形態】[漂白用組成物]本発明の漂白用
組成物は、酸化チタンを担持した珪藻土と過酸化物とを
含む。珪藻土に担持される酸化チタンの量には特に制限
はないが、例えば、珪藻土100重量部に対して1〜1
00重量部の酸化チタンが担持されることができる。珪
藻土に担持される酸化チタンの量は、好ましくは珪藻土
100重量部に対して1〜50重量部である。酸化チタ
ンの珪藻土への担持は、例えば、酸化チタンの分散液を
珪藻土に含浸させることで行うことができる。好ましく
は酸化チタンの分散液を含浸させた珪藻土を乾燥させた
後に、加熱焼成することが好ましい。加熱焼成条件は担
持する酸化チタンの性質等を考慮して適宜決定できる
が、例えば、200〜800℃、好ましくは300〜6
00℃の範囲とすることができる。また、上記酸化チタ
ンの分散液の代わりに、酸化チタンの前駆体を含む液を
用いることもできる。その場合、上記加熱焼成条件は、
酸化チタンの前駆体またはこの前駆体をさらに変性させ
たものを酸化チタンに変換できる条件とする。尚、酸化
チタンを担持した珪藻土は用途に応じて、粉末であって
も、成形体であってもよい。また、酸化チタンを担持し
た珪藻土は、膜状物であってもよいし、繊維に含浸させ
てもよい。
【0013】珪藻土に担持される酸化チタンは、例え
ば、紫外線応答型酸化チタンまたは可視光応答性酸化チ
タンでもよいが、長波長の光を利用できるという観点か
らは、可視光応答性酸化チタンは、例えば、波長420
nm以上の光の作用により活性化される光触媒(可視光
応答性光触媒)であること、さらには、波長450nm
以上の光の作用により活性化されるものであることが望
ましい。紫外線応答型酸化チタンは従来型の酸化チタン
であり、従来から光触媒として使用されていたものであ
る。紫外線応答型酸化チタンは、例えば、市販のST-01
(石原産業株式会社製)及びP25(日本アエロジル製)等で
あることができる。また、
【0014】本発明の漂白用組成物で使用する可視光応
答性光触媒は、例えば、少なくともアナターゼ型酸化チ
タンを含む酸化チタンであり、かつ真空中、77Kにお
いて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定さ
れたESRにおいて、g値が2.004〜2.007で
ある主シグナル(最も強度が強いシグナル)とg値が
1.985〜1.986及び2.024である2つの副
シグナル(主シグナルよりは強度が低いシグナル)が観
測されるものである可視光応答型材料であることができ
る。さらに、この可視光応答型材料は、上記3つのシグ
ナル(主シグナル及び2つの副シグナル)が真空中、7
7K、暗黒下においては微小に観測されるか、又は実質
的に観測されない。尚、ここで、ESRに使用される4
20nm以上の波長を有する光は、高圧水銀ランプ(例
えば、500W)からの光を420nmより短波長の光
をカットするフィルター(L−42)を透過させて得ら
れた光である。また、この可視光応答型材料では、真空
中、77Kにおいて455nm以上の波長を有する光
(Xeランプ(例えば、150W)からの光を455n
mより短波長の光をカットするフィルター(GG45
5))を透過させて得られた光の照射下で測定されたE
SRにおいても、g値が2.004〜2.007である
主シグナル(最も強度が強いシグナル)とg値が1.9
85〜1.986及び2.024である2つの副シグナ
ル(主シグナルよりは強度が低いシグナル)が観測され
る場合がある。
【0015】あるいは、本発明の漂白用組成物で使用す
る可視光応答型材料は、例えば、WO00/10706に記載され
た安定した酸素欠陥を有する二酸化チタンからなる可視
型光触媒や後述する各種の可視光応答型材料であること
もできる。WO00/10706に記載された可視型光触媒のES
Rスペクトルは、真空中、77K、暗黒下で測定された
ESRにおいて、g値が2.003〜2.004のシグ
ナルのみを有する。上記可視光応答型材料とWO00/10706
に記載された可視型光触媒とは異なるスペクトルを有し
異質のものであるが、いずれも、420nmを超える波
長の可視光線、好ましくは450nmを超える波長の可
視光線に対して活性を有する。
【0016】以下、可視光応答型材料の内、代表的なも
のについて説明する。本発明で使用する可視光応答型材
料は、アナターゼ型酸化チタンを主成分とする酸化チタ
ンであり、アナターゼ型酸化チタン以外に非晶質の酸化
チタンを含むものであるか、またはルチル型酸化チタン
を主成分とする酸化チタンであり、ルチル型酸化チタン
以外に非晶質の酸化チタンを含むものであることもでき
る。また、アナターゼ型酸化チタンやルチル型酸化チタ
ンも、必ずしも高い結晶性を有するものでなくてもよ
い。
【0017】また、アナターゼ型酸化チタンを主成分と
する酸化チタンからなる可視光応答型材料を構成する前
記酸化チタンは、チタンと酸素とが不定比であることが
でき、具体的には、チタンに対する酸素の量が、二酸化
チタンにおける化学量論比(理論値2.00)より少なく
ても良い。上記可視光応答型材料中の酸化チタンは、例
えば、チタンに対する酸素のモル比が、2.00未満、
例えば、1.00〜1.99、または1.50〜1.9
5であることができる。上記可視光応答型材料中の酸化
チタンにおけるチタンに対する酸素のモル比は、例え
ば、X線光電子分光法を用いて測定することができる。
また、可視光応答型材料は、窒素及び窒素由来の化合物
を含んでいても、含んでいなくてもよい。
【0018】上記可視光応答型材料の真空中、77Kで
測定されたESRの典型的なスペクトルを図1に示す。
図中、上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が42
0nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、4
20nm未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクト
ルである。下段は、420nm未満の光をカットオフせ
ずに水銀ランプの光を照射した場合のスペクトルであ
る。尚、上段、中段及び下段は、いずれも同一のゲイン
(GAIN)の下で測定した結果である。
【0019】図1の上段のスペクトルでは、g値が2.
004〜2.007である主シグナルは、微小に観測さ
れるが、g値が1.985〜1.986及び2.024
である2つの副シグナルは、実質的に観測されない。さ
らに、図1の上段のスペクトルと中段のスペクトルを比
較すると明らかに、中段のスペクトルにおいては、g値
が2.004〜2.007である主シグナル、並びにg
値が1.985〜1.986及び2.024である2つ
の副シグナルは、上段のスペクトルにおけるより強度が
相当に大きい。また、図1の中段と下段のスペクトルを
比較すると明らかなように、g値が2.004〜2.0
07である主シグナル、並びにg値が1.985〜1.
986及び2.024である2つの副シグナルの強度
は、いずれも、照射光中に420nm未満の光を含んで
いてもいなくても実質的に相違しない。
【0020】さらに上記可視光応答型材料は、図2に示
すように、真空中、常温において、暗黒下では、g値が
2.004〜2.007である主シグナルは、微小に観
測されるが、g値が1.985〜1.986及び2.0
24である2つの副シグナルは、実質的に観測されな
い。さらに、真空中、常温において、420nm以上の
波長を有する光照射下及び420nm未満の光をカット
オフしない水銀ランプの光照射下おけるESRにおいて
は、前記3つのシグナルが測定される物であることがわ
かる。図2中、上段は暗黒下でのスペクトルであり、中
段が420nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光
の内、420nm未満の光をカットオフ)の照射下での
スペクトルである。下段は、420nm未満の光をカッ
トオフせずに水銀ランプの光を照射した場合のスペクト
ルである。尚、上段、中段及び下段は、いずれも同一の
ゲイン(GAIN)の下で測定した結果である。
【0021】上記可視光応答型材料は、真空中、77K
において420nm以上の波長を有する光の照射下で測
定されたにおいて、上記シグナルに加えて、g値が2.
009〜2.010である副シグナルをさらに有するこ
ともできる。g値が2.009〜2.010である副シ
グナルは、図1の中段のESRスペクトルに示されてい
る。
【0022】上記可視光応答型材料は、上記のように、
特徴的なESRシグナルを有する物であるが、それと同
時に、着色を有する物でも有り、例えば、600nmの
波長の光に対する反射率を1(又は100%)としたと
きに、450nmの波長の光に対する反射率が0.85
(又は85%)以下、好ましく0.80(又は80%)
以下、より好ましく0.70(又は70%)以下である
ことができる。着色が大きいほど、可視光応答活性が強
くなる傾向がある。ここにおける反射率は分光光度計で
測定された結果である。尚、反射率はカラーアナライザ
ーでも測定できるが、精度の点で優れていることから、
上記反射率の評価には分光光度計を用いる。
【0023】上記可視光応答型材料は、上記のように、
特徴的なESRシグナルを有する物であるが、それに加
えて、可視光領域の光に対してNOの酸化活性を有する
ものである。具体的には、少なくとも波長520nm及
びそれ以下の波長の可視光を照射することによりNOの
酸化活性を発現する。より好ましい材料では、波長57
0nm及びそれ以下の波長の可視光を照射することによ
りNOの酸化活性を発現する。
【0024】上記可視光応答型材料は、非晶質または不
完全な結晶質の酸化チタン(含水酸化チタンを含む)及
び/又は水酸化チタンを原料として製造することができ
る。この原料チタン化合物は、硫酸法や塩化物法等の湿
式法で得られる物であることができる。より具体的に
は、原料チタン化合物は、塩化チタンまたは硫酸チタン
を水酸化アンモニウムで加水分解して得られたものであ
ることができる。あるいは、原料チタン化合物は、チタ
ンアルコキシドを水で加水分解して得られたものである
か、または、チタンアルコキシドを水酸化アンモニウム
水溶液で加水分解して得られたものであることができ
る。但し、原料価格が安価であるという観点からは、工
業的生産においては、塩化チタンまたは硫酸チタンを水
酸化アンモニウムで加水分解して得られたものであるこ
とが好ましい。そこで、以下、塩化チタンまたは硫酸チ
タンを水酸化アンモニウムで加水分解する場合について
説明する。
【0025】上記加水分解は、例えば、塩化チタン水溶
液または硫酸チタン水溶液に水酸化アンモニウム水溶液
を連続的または断続的に添加して行うか、または水酸化
アンモニウム水溶液に塩化チタン水溶液または硫酸チタ
ン水溶液を連続的または断続的に添加して行うことがで
きる。塩化チタン水溶液、硫酸チタン水溶液及び水酸化
アンモニウム水溶液の濃度は、適宜決定できる。この加
水分解は、反応液の最終的なpHが5以上の液性になる
ように水酸化アンモニウムの添加量を調整して行うこと
が適当である。塩化チタンは、三塩化チタン、四塩化チ
タンなどであっても良く、これらの混合物を用いてもよ
い。上記加水分解は、例えば、0℃〜100℃、好まし
くは20〜80℃の範囲の温度で行うことができるが、
常温での加水分解が、比較的結晶性が低い、または非結
晶質の二酸化チタンが得られるという観点から好ましい
場合が有る。
【0026】塩化チタンまたは硫酸チタンの水酸化アン
モニウムによる加水分解物は、水または水酸化アンモニ
ウム水溶液で洗浄した後に原料チタン化合物として用い
ることが好ましい。加水分解物の水または水酸化アンモ
ニウム水溶液による洗浄は、例えば、加水分解物を含む
反応液を濾過し、濾過物として得られた加水分解物に水
または水酸化アンモニウム水溶液をさらに通過させるこ
とで行うことができる。この方法は、濾過された加水分
解物にそのまま水または水酸化アンモニウム水溶液を加
え、濾過すれば良いことから操作が容易であり好まし
い。加水分解物の水または水酸化アンモニウム水溶液に
よる洗浄は、上記以外に、例えば、加水分解物の濾過物
を水または水酸化アンモニウム水溶液に再度懸濁させ、
得られた懸濁物を濾過することにより行うことができ
る。水または水酸化アンモニウム水溶液での洗浄は、加
水分解時に生成する塩化アンモニウムまたは硫酸アンモ
ニウム等のアンモニウム塩の残存量が適当量まで低下す
るように行うことができ、複数回行うこともできる。ま
た、非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタンは、市
販品を用いても良く、例えば、石原産業製のST-01また
はC-02のような不完全な結晶質の二酸化チタンであって
もよい。
【0027】上記製造方法では、非晶質または不完全な
結晶質の酸化チタン等の原料チタン化合物をアンモニア
又はその誘導体の存在下で加熱する。アンモニアは液体
であっても気体であってもよい。アンモニアガスを用い
る場合、原料チタン化合物をアンモニアガス雰囲気下加
熱する。また、アンモニア誘導体としては、例えば、水
酸化アンモニウムや塩化アンモニウム等のアンモニウム
塩を挙げることができ、例えば、原料チタン化合物を水
酸化アンモニウムや塩化アンモニウムの共存下で加熱す
る。
【0028】原料チタン化合物のアンモニア又はその誘
導体の存在下での加熱は、加熱により生成する材料の波
長450nmにおける光の吸収が、原料チタン化合物の波
長450nmにおける光の吸収より大きい時点で前記加熱
を終了させることにより行う。通常、原料チタン化合物
は白色であり、波長450nmにおける光の吸収は10%
前後である。それに対して、原料チタン化合物をアンモ
ニア又はその誘導体の存在下で加熱すると、徐々に黄色
に着色する。しかし、この着色はある時点をピークに薄
らぎ、ついには原料チタン化合物と同程度の吸収を示す
物となる。原料チタン化合物の種類や共存させるアンモ
ニア(誘導体)の種類と量、加熱温度及び時間等により
異なるが、波長450nmにおける光の吸収は最大で60
%前後に達する場合もある。可視光応答型材料の特性
は、波長450nmにおける光の吸収強度により一義的に
決まるものではないが、波長450nmにおける光の吸収
が15%以上(反射率85%以下)である場合、明らか
に可視光応答性を示す材料となる。従って、上記加熱処
理は、600nmの波長の光に対する反射率を1(又は
100%)としたときに、450nmの波長の光に対す
る反射率が0.85(又は85%)以下、好ましく0.
80(又は80%)以下、より好ましく0.70(又は
70%)以下となる条件に設定することが好ましい。こ
こにおける反射率は分光光度計で測定された結果であ
る。
【0029】上記加熱の条件は、必ずしも温度だけで規
定はできないが、用いる温度としては例えば250〜550℃
の範囲の温度であることができる。420nm及び47
0nmの波長の光によるNOxの除去率は、300〜450℃
の範囲での加熱で比較的高く、325〜425℃の範囲での加
熱でより高くなる傾向があり、さらに520nm及び5
70nmの波長の光によるNOxの除去率は、325〜450
℃の範囲での加熱で比較的高く、350〜425℃の範囲での
加熱でより高くなる傾向がある。従って、可視光領域で
のNOxの除去率が高いという点では、350〜425℃の範
囲での加熱が最も好ましい。
【0030】また、加熱時間は、520nm及び570
nmの波長の可視光領域の光に対するNOxの除去率が
良好になるという観点から、30分以上、好ましくは1
時間以上であることが適当である。また、加熱時間が1
時間より長くなってもNOx除去率に大きな変動はみか
られないことから、長くても3時間程度である。また、
この加熱は常圧下で行うことができる。また、加熱時間
は、加熱により生成する材料の波長450nmにおける光
の吸収を目安に適宜決定できる。
【0031】上記加熱は、当分野で通常用いられている
ロータリーキルン、トンネルキルン、マッフル炉などを
用いることができる。加熱により酸化チタンの個々の粒
子が凝集したり、焼結したりした場合には、必要に応じ
て粉砕器により粉砕してもよい。
【0032】また、上記のように加熱して得られた材料
を、必要により水又は水溶液で洗浄することができる。
この洗浄により、得られる可視光応答型材料の可視光応
答性を改善できる場合がある。また、条件によっては、
洗浄することなしに良好な可視光応答性を有する材料が
得られる場合もある。非晶質または不完全な結晶質の酸
化チタン(加熱前の原料チタン化合物)が、例えば、塩
化チタンを水酸化アンモニウムで加水分解して得られた
ものである場合、加水分解物に相当量の塩化アンモニウ
ムが残存しており、その結果、上記のように非晶質また
は不完全な結晶質の二酸化チタンを所定温度で加熱する
ことにより可視光応答型材料に変換することが可能にな
る。しかるに、加熱処理後も相当量の塩化アンモニウム
が得られる材料に残存する場合がある。その様な場合に
は、水または適当な水溶液を用いて洗浄することで、塩
化アンモニウムを除去し、可視光応答型材料の可視光応
答性を改善できる場合がある。
【0033】さらに、この場合、加熱して得られた材料
の水又は水溶液での洗浄は、洗浄した後に材料から分離
した水又は水溶液のpHが例えば、3.5以上(pH
3.5〜7)となるように行うか、または洗浄した後に
材料から分離した水又は水溶液中に含まれる塩素イオン
量(塩化チタンを加水分解物の原料とする場合)または
硫酸イオン量(硫酸チタンを加水分解物の原料とする場
合)が減少するように行うことが好ましい。
【0034】上記可視光応答型材料は、通常、粉末とし
て得られる。得られた粉末は必要により、粉砕等を行い
粒度を調整することもできる。
【0035】上記可視光応答型材料には、用途に応じて
その表面及び/又は内部にケイ素、アルミニウム、ス
ズ、ジルコニウム、アンチモン、リン、白金、金、銀、
銅、鉄、ニオブ、タングステン、タンタルなどの元素や
それらを含む化合物を被覆したり、担持したり、或いは
ドープしたりすることもできる。但し、歯科用漂白剤と
して使用する場合は、歯牙等への影響を考慮して添加す
る元素を選択する。
【0036】上記可視光応答型材料には、窒素元素を含
むルチル型酸化チタンであって、波長470nm以上の
光の作用により活性を有する光応答性材料も包含する。
特に、この光応答性材料は、波長500nm以上の光の
作用によっても活性を有する。また、この光応答性材料
は、場合によっては、光源のピーク波長が630nmで
あって、半値幅が20nmである光の作用によっても活
性を有する。上記光応答性材料の活性は、例えば、NO
x酸化活性(NO除去活性)を測定することにより評価
することができる。NOx酸化活性(NO除去活性)の
測定方法は、例えば、光源として300Wキセノンラン
プを用い、日本分光製照射装置により半値幅20nmと
した単色光を光源として用いることができる。単色光の
ピーク波長は、例えば、波長360nm、420nm、
470nm、520nm、570nm、630nmとす
ることができる。さらに上記光応答性材料は、場合によ
っては、光源のピーク波長が570nmであって、半値
幅が20nmである光の作用によっても、NO2生成活
性を有する。
【0037】また、本発明の漂白用組成物で使用する可
視光応答性光触媒としては、可視光照射下で活性を示
し、より具体的には、少なくとも400〜600nmの
可視光照射下でNOx酸化活性を有する光応答性材料を
挙げることもできる。従来のルチル型酸化チタンは、4
00nm付近の可視光線に対しては、ある程度の活性を
有する。例えば、触媒学会参照触媒JRC−TIO−3
(ルチル)は表5にデータを示す様に、470nmまで
の波長域では弱いながらも活性を示すが、500nmを
超える波長域では活性を示さない。470nm以上の波
長域、特に500nmを超え、600nm付近までの波
長域の可視光線に対して光触媒活性を示す材料はこれま
でに知られていない。上記触媒学会参照触媒JRC−T
IO−3(ルチル)は、波長360nmの光を照射した
時に得られるNOx酸化活性(NO除去活性)を基準に
するとすると、波長470nmの光を照射した時に得ら
れるNOx酸化活性(NO除去活性)は約10%であ
り、波長520nmの光については全く活性を示さな
い。それに対して、上記光応答性材料は、少なくとも3
60nm〜570nmの範囲の上記単色光を使用した場
合にNOx酸化活性(NO除去活性)が見られ、場合に
よっては波長630nmの単色光を光源として場合であ
ってもNOx酸化活性(NO除去活性)を示す。具体的
には、波長360nmの光を照射した時に得られるNO
x酸化活性(NO除去活性)を基準にすると、波長47
0nmの光を照射した時に得られるNOx酸化活性(N
O除去活性)は約80であり、波長520nmの光につ
いては約50%であり、波長570nmの光については
約10%である。
【0038】上記光応答性材料は、窒素元素を含むルチ
ル型酸化チタンである。窒素元素を含むことは、例え
ば、X線光電子分光法による測定において、Ti−Nの
結合が観測されることで確認できる。窒素元素の含有量
は、X線光電子分光法による測定において観測されるチ
タンと結合している窒素の1s電子に帰属されるピーク
の面積から求めることができる。窒素元素の含有量は、
光応答性材料が可視光応答性を有するように適宜選択す
ることができる。例えば、(Ti2p3/2)及び(T
i2p1/2)の面積を100とした場合、(N1s)
の面積が、例えば、0.01〜10の範囲であることが
でき、0.1〜5の範囲であることもできる。また、上
記光応答性材料がルチル型酸化チタンであることは、原
料として用いる酸化チタンがルチル型であること、及び
光応答性材料のXRDによる測定によって確認できる。
【0039】さらに上記光応答性材料は、チタンと酸素
及び窒素とが、ほぼ化学量論比である。チタンと酸素及
び窒素とが、ほぼ化学量論比であることは、例えば、X
線光電子分光法により得られるチタンの2p電子に帰属
されるピークの面積に対する、チタンと結合している酸
素の1s電子に帰属されるピークの面積並びにチタンと
結合している窒素の1s電子に帰属されるピークの面積
の比((O1s+N1s)/Ti2p)により特定でき
る。そして、本発明で使用する光応答性材料は、面積比
(O1s+N1s)/Ti2pが、例えば1.95以
上、2.05以下である。より好ましい面積比(O1s
+N1s)/Ti2pは、1.97〜2.03の範囲で
ある。
【0040】上記光応答性材料は、ルチル型酸化チタン
を窒素プラズマで処理することを含む方法により製造す
ることができる。上記方法で使用するルチル型酸化チタ
ンは、湿式法で製造されたルチル型酸化チタン、乾式法
で製造されたルチル型酸化チタンのいずれであってもよ
い。この材料は、例えば、ルチル型酸化チタンを窒素プ
ラズマ処理する方法であって、好ましくは、処理系内へ
の大気の侵入が実質的にない状態で上記処理を行う方法
より得ることができる。
【0041】窒素プラズマ処理は、電磁波、例えば、マ
イクロ波やラジオ波を照射した減圧状態においたルチル
型酸化チタンに、窒素ガスを導入することで窒素プラズ
マを発生させ、このプラズマにルチル型酸化チタンを所
定時間暴露することで行うことができる。上記減圧状態
は、例えば10トール以下であることができ、2トール
以下であることもできる。電磁波の出力は、処理するル
チル型酸化チタンの量やプラズマの発生状態を考慮して
適宜決定できる。窒素ガスの導入量は、減圧状態やプラ
ズマの発生状態を考慮して適宜決定できる。また、ルチ
ル型酸化チタンの窒素プラズマへの暴露時間は、ルチル
型酸化チタンに導入される窒素元素量と光(特に可視光
線)応答性を考慮して適宜決定する。
【0042】この製造方法は、プラズマ処理系内への大
気の侵入が実質的にない状態で行うことが好ましく、プ
ラズマ処理系内への大気の侵入が実質的にない状態と
は、密閉された系の真空度が1トール変化するのに少な
くとも10分を要する状態を意味する。大気の侵入が少
ない程、ルチル型酸化チタンへの窒素元素の導入は容易
になると推察されている。また、上記窒素プラズマは、
所望により、窒素以外のガスを含むこともできる。ま
た、この材料の製造は、粉体のみならず、適当なバイン
ダーを用いて、または用いずに基板に固定したルチル型
酸化チタン等を対象とすることもできる。
【0043】また、この光応答性材料は、ルチル型酸化
チタンに窒素をイオン注入することを含む方法によって
も製造することが可能である。上記方法で使用するルチ
ル型酸化チタンは、湿式法で製造されたルチル型酸化チ
タン、乾式法で製造されたルチル型酸化チタンのいずれ
であってもよい。イオン注入法は、半導体産業で使用さ
れている方法及び装置を用いて行うことができる。尚、
イオン注入の条件は、注入すべき窒素イオンの量及びル
チル型酸化チタンの状態等により適宜決定できる。
【0044】本発明の漂白用組成物は、上記酸化チタン
を担持した珪藻土(以下珪藻土複合体という)と過酸化
物を含み、過酸化物としては例えば、過酸化水素または
過酸化尿素を挙げることができる。本発明の漂白用組成
物における珪藻土複合体の濃度は、0.1%〜90%、
好ましくは0.1%〜40%、さらに好ましくは0.1
〜6%の範囲である。過酸化物の濃度は、過酸化物は種
類により異なるが、例えば、過酸化水素の場合、0.0
1%〜35%、好ましくは0.1%〜15%、より好ま
しくは0.1%〜4%の範囲である。過酸化尿素の場
合、0.1%〜50%、好ましくは0.5%〜39%、
より好ましくは15%〜25%の範囲である。
【0045】上記本発明の漂白用組成物は、溶液または
ゲル等の形態であることができ、上記珪藻土複合体及び
過酸化物以外に、ゲル剤、緩衝剤、水、溶剤、香料、安
定剤等の適宜のいずれも公知の成分をさらに含有するこ
とができる。上記本発明の漂白用組成物は、例えば、歯
牙の漂白に用いられるが、その他の物品の漂白にも適宜
使用できる。
【0046】[歯牙の漂白方法]本発明の歯牙の漂白方
法は、歯牙の表面に上記本発明の漂白用組成物を塗布
し、この塗布物に光を照射するか又は熱を放射すること
を含む。歯牙の表面への漂白用組成物を塗布は、へらや
刷毛等で行うか、予め漂白用組成物を基材(好ましくは
光透過性を有する物)に塗布または含浸させたものを張
り付けること等により行うことができる。歯牙の表面へ
の漂白用組成物を塗布量は、歯牙との接触面でのみ実質
的効果が得られることから、多ければ効果が高いとうい
物ではなく、むしろ光や熱の透過を妨げない程度の厚さ
に行うことが適当である。
【0047】照射する光及び熱は、珪藻土複合体に含ま
れる酸化チタンの種類に応じて適宜決定できる。珪藻土
複合体に含まれる酸化チタンが、可視光応答性酸化チタ
ンの場合、上記照射する光は、波長420nm以上の成
分を含む光であり、好ましくは、波長420nm〜60
0nmの成分の少なくとも一部を含む光であることが適
当である。例えば、波長450nm〜600nmの成分
の少なくとも一部を含む光であってもよい。光、特に波
長420nm以上の成分を含む光は、例えば、光重合
器、発光ダイオード、若しくはハロゲンランプからの光
またはプラズマ光であることができる。光重合器は、歯
科用樹脂(レジン)の硬化用に使用される可視光重合用
光重合器であることができる。また、これら光重合器等
を熱源として用いることもできる。また、発光ダイオー
ドは、420nm以上の可視光領域に発光波長を有する
か、可視光領域のみに発光波長を有する発光ダイオード
である。そのような発光ダイオードとしては、例えば、
紫色発光ダイオード、青色発光ダイオード、緑色発光ダ
イオード、黄色発光ダイオード、または白色発光ダイオ
ードを挙げることができる。紫色発光ダイオードは紫外
領域から可視光領域に発光波長を有する。また、青色発
光ダイオード、緑色発光ダイオード、黄色発光ダイオー
ド、または白色発光ダイオードは、可視光領域のみに発
光波長を有する。青色発光ダイオード(BLUE)、緑
色発光ダイオード(GREEN)、及び白色発光ダイオ
ード(WHITE)の発光スペクトルを図4に示す。
【0048】また、発光ダイオードを組み込んだ歯科用
照射装置として、例えば、特開2000−217844
号公報に記載の装置を使用できる。この歯科用光照射装
置は、歯列前面に沿って湾曲して配置された複数の発光
ダイオードを用いて、歯列全体に均一に光を照射し、脱
色する歯科用照射装置である。
【0049】本発明の漂白方法における光の照射時間
は、使用する漂白用組成物の組成、光源の種類や強度、
漂白対象の歯牙の着色及び希望する脱色の程度に応じて
適宜決定されるが、通常30分以内であり、好ましくは
20分以内であり、より好ましくは10分以内である。
光照射後は、塗布した組成物を水洗等により洗い流すこ
とができる。
【0050】[フッ素コーティング用組成物]本発明の
歯牙のフッ素コーティング用組成物は、フッ素含有化合
物及び光触媒を含む。フッ素含有化合物は、歯牙のフッ
素コーティング用に従来使用されている物をそのまま使
用することができ、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化
リン酸ナトリウム等を挙げることができるが、フッ化第
1スズ、酸性フッ素リン酸溶液、フッ化アンミン銀等も
適宜利用できる。光触媒は紫外線応答型酸化チタンまた
は可視光応答性酸化チタンであることができ、いずれの
ものも、上記漂白用組成物で説明したものと同様の物を
使用できる。フッ素含有化合物及び光触媒の含有量は適
宜決定できるが、例えば、フッ素含有化合物が0.1〜
90重量%、好ましくは1〜30重量%、光触媒が0.
1〜30重量%、この1〜10重量%である。
【0051】上記本発明のフッ素コーティング用組成物
は、溶液またはゲル等の形態であることができ、上記フ
ッ素含有化合物及び光触媒以外に、ゲル剤、緩衝剤、
水、溶剤、香料、安定剤等の適宜のいずれも公知の成分
をさらに含有することができる。
【0052】[歯牙のフッ素コーティング方法]本発明
の歯牙のフッ素コーティング方法は、歯牙の表面に上記
本発明のフッ素コーティング用組成物を塗布し、この塗
布物に光を照射することを含む。歯牙の表面へのフッ素
コーティング用組成物を塗布は、へらや刷毛等で行う
か、予めフッ素コーティング用組成物を基材(好ましく
は光透過性を有する物)に塗布または含浸させたものを
張り付けること等により行うことができる。歯牙の表面
へのフッ素コーティング用組成物を塗布量は、歯牙との
接触面でのみ実質的効果が得られることから、多ければ
効果が高いというものではなく、むしろ光の透過を妨げ
ない程度の厚さに行うことが適当である。
【0053】照射する光は、フッ素コーティング用組成
物に含まれる光触媒の種類に応じて適宜決定できる。上
記光触媒が、可視光応答性酸化チタンの場合、上記照射
する光は、波長420nm以上の成分を含む光であり、
好ましくは、波長420nm〜600nmの成分の少な
くとも一部を含む光であることが適当である。例えば、
波長450nm〜600nmの成分の少なくとも一部を
含む光であってもよい。光、特に波長420nm以上の
成分を含む光は、例えば、光重合器、発光ダイオード、
若しくはハロゲンランプからの光またはプラズマ光であ
ることができる。光重合器は、歯科用樹脂(レジン)の
硬化用に使用される可視光重合用光重合器であることが
できる。また、発光ダイオードは、420nm以上の可
視光領域に発光波長を有するか、可視光領域のみに発光
波長を有する発光ダイオードである。そのような発光ダ
イオードとしては、例えば、紫色発光ダイオード、青色
発光ダイオード、緑色発光ダイオード、黄色発光ダイオ
ード、または白色発光ダイオードを挙げることができ
る。紫色発光ダイオードは紫外領域から可視光領域に発
光波長を有する。また、青色発光ダイオード、緑色発光
ダイオード、黄色発光ダイオード、または白色発光ダイ
オードは、可視光領域のみに発光波長を有する。
【0054】また、発光ダイオードを組み込んだ歯科用
照射装置として、例えば、特開2000−217844
号公報に記載の装置を使用できる。この歯科用光照射装
置は、歯列前面に沿って湾曲して配置された複数の発光
ダイオードを用いて、歯列全体に均一に光を照射し、脱
色する歯科用照射装置である。
【0055】本発明の歯牙のフッ素コーティング方法に
よれば、エナメル質、セメント質、象牙質のいずれにも
フッ素コーティング効果がある。さらに、歯牙がフッ素
コーティングされるだけでなく、歯牙表面硬度が高ま
る。副次的に、歯牙のしみる感覚(知覚過敏)も低減ま
たは消去することができる。
【0056】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 (歯牙の漂白試験(珪藻土+紫外線応答型酸化チタ
ン))珪藻土に酸化チタンを担持させた物質A20mg
と歯科漂白用ゲル(過酸化尿素21%含有)0.5gを
加え、十分に混練りした後、歯牙に0.5mm程度になるよ
うに均一に塗布した。市販の光重合装置(DMD製、APOLL
O 95E)を用いて、1分×5回、420nm以上の成分を含
む光の照射を行った。すると光照射前C4が光照射後C
1に漂白された。珪藻土に酸化チタンを担持させた物質
Aの作製は、以下のように行った。酸化チタン(ST-0
1、石原産業製)5gを用い、100gの純水に分散さ
せ粉末状の珪藻土担体(商品名:ラヂオライトSPF、昭
和化学工業(株)製)20gを加え、スタ−ラ−を用い、
30分間混合した。次に、これをろ過した後、110
℃、2時間乾燥させ、300℃、1時間で焼成すること
により担持を行った。
【0057】実施例2 (珪藻土+可視光型酸化チタン)珪藻土に可視光応答型
酸化チタンを担持させた物質B 20mgと歯科漂白用
ゲル(過酸化尿素21%含有)0.5gを加え、十分に
混練りした後、歯牙に0.5mm程度になるように均一に塗
布した。市販の光重合装置(DMD製、APOLLO 95E)を用
いて、1分×5回、420nm以上の成分を含む光の照射を
行った。すると光照射前C4が光照射後C1に漂白され
た。珪藻土に可視光応答型酸化チタンを担持させた物質
Bの作製は、以下のように行った。製造例3で製造した
可視光応答型酸化チタン5gを用い、分散が良くなるよ
うに粉砕した後、100gの純水に懸濁させ粉末状の珪
藻土担体(商品名:ラヂオライトSPF、昭和化学工業
(株)製)20gを加え、スタ−ラ−を用い、30分間混
合した。次に、これをろ過した後、110℃、2時間乾
燥させ、300℃、1時間で焼成することにより担持を
行った。
【0058】比較例1 珪藻土複合体の代わりに市販されている超微粒子酸化チ
タン粉末(ST-01石原産業製)を用いた以外実施例1と
同様に漂白試験を行った。その結果、光照射前C4が光
照射後もC4であった。 比較例2 珪藻土複合体の代わりに市販されている光触媒用酸化チ
タン粉末P-25(デグサ製)を用いた以外実施例1と同様
に漂白試験を行った。その結果、光照射前C4が光照射
後もC4であった。
【0059】参考例1(歯の漂白) ADゲル(次亜塩素酸ナトリウム約10% 含有
(株)クラレ)0.5gに製造例3で製造した粉体20
mgを加え、十分に混練りした後、歯牙に厚さ1mmに
なるように均一に塗布した。塗布後、市販の光重合装置
(DMD製 APOLLO 95E)を用いて1分×5回、420nm以上の
成分を含む光の照射を行った。処置前の歯牙の着色と処
置後の歯牙の着色は、VITA のシェイドガード(色見
本)を用いて、測定した。その結果、光照射前C4が光
照射後C3に漂白された。
【0060】参考例2 参考例1で用いたADゲルの代わりに強アルカリ水(p
H12、(株)AIM)を用いた以外参考例1と同様に
漂白試験を行った。すると光照射前C4が光照射後C3
に漂白された。
【0061】実施例3 (歯のフッ化コーティング)2%フッ化ナトリウム・リ
ン酸溶液(フロアーゲル 輸入元:白水貿易)0.5g
と製造例3で製造した可視光応答型酸化チタン 20m
gを加え、十分に混練りした後、被験者Aの歯牙(歯牙
αとする)に0.5mm程度になるように均一に塗布した。
塗布後、市販の光重合装置(デントレード社製D−LUX1
0)を用いて、1分間光を歯牙α表面に照射した。その
結果、光照射面は、目視で上記処理前と比し、より自然
なつやが出た。また、硬度が鉛筆強度で2〜3上昇し
た。被験者Aは、水を含むと歯牙αがしみたが、その感
覚が消失した。
【0062】製造例1 四塩化チタン(関東化学株式会社製、特級)500gを
純水の氷水(水として2リットル)に添加し、攪拌し、
溶解し、四塩化チタン水溶液を得た。この水溶液200
gをスターラーで攪拌しながら、約50mlのアンモニ
ア水(NH3として13wt%含有)をできるだけ速や
かに加えた。アンモニア水の添加量は、水溶液の最終的
なpHが約8になるように調整した。これにより水溶液
は白色のスラリー状となった。さらに攪拌を15分間続
けた後、吸引濾過器で濾過した。濾取した沈殿は20m
lのアンモニア水(NH3として6wt%含有)に分散
させ、スターラーで約20時間攪拌した後、再度吸引濾
過して、白色の加水分解物を得た。得られた白色の加水
分解物を坩堝に移し、電気炉を用い、大気中400℃で
1時間加熱し、黄色の生成物を得た。
【0063】得られた生成物のXRDの測定結果を図3
の上段に示す。併せて、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してもののXRDの測定結果も図3の下段に示す。こ
の結果から、白色の加水分解物を50℃で乾燥したもの
は、アモルファスであり、得られた生成物がアナターゼ
型二酸化チタンであることが分かる。得られた生成物と
白色の加水分解物を50℃で乾燥したものの吸収スペク
トルを、積分球を取り付けた日立自記分光光度計(U-32
10)により、以下の条件で測定した。 scan speed:120nm/min、 response:MEDIUM、 band pass:2.00nm、 リファレンス:硫酸バリウム その結果、得られた生成物の700nmにおける反射率
を100%としたときの450nmにおける反射率が6
1%であったのに対し、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してものは、700nmにおける反射率を100%と
したときの450nmにおける反射率は95%であっ
た。
【0064】また、得られた生成物のESRスペクトル
を測定した。測定は、真空中(0.1Torr)、77
K又は常温で行った。測定条件は以下の通りである。 〔基本的パラメーター〕 測定温度 77K又は常温 フィールド 324mT±25mT 走査時間 4分 Mod. 0.1mT レシーバー・ゲイン 10〜100(測定感度) タイムコンスタント 0.1秒 光源 高圧水銀ランプ 500W フィルター L−42 〔試料作成〕 真空脱気 1時間以上 〔g値の計算〕 Mn2+マーカー(gmn=1.981(高磁場側から3本
目))を基準としてg=gmn×Hmn/(Hmn+△H) Hmn:Mn2+マーカーの磁場、△H:Hmnからの磁場の
変化量
【0065】図1(測定温度77K)及び図2(測定温
度常温)に、上段に暗黒下でのESRスペクトル、中段
に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使
用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照
射した状態で測定したESRスペクトル、下段に420
nm以下の光をカットするフィルター(L−42)を使
用せずに500Wの高圧水銀ランプを使用して光照射し
た状態で測定したESRスペクトルをそれぞれ示す。
【0066】図1の上段と中段のスペクトルを比較する
と明らかに、中段のスペクトルにおいて、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルは、上段のスペクトルにおけるより強度が大きかっ
た。また、図1の中段と下段のスペクトルを比較すると
明らかに、g値が2.004〜2.007である主シグ
ナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.0
24である2つの副シグナルの強度は、いずれも、照射
光中に420nm以下の光を含んでいても実質的に相違
しなかった。
【0067】さらに図2に示すように製造例1の可視光
応答型材料は、前記3つのシグナルが大気中、常温、暗
黒下及び420nm以上の波長を有する光照射下におけ
るESRにおいても測定される物であった。尚、白色の
加水分解物を50℃で乾燥してものには、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルは、いずれのESR測定条件においても観測されな
かった。
【0068】製造例2 製造例1で得られた粉末3gを100mlの純水に懸濁
しマグネチックスターラーを用い、1時間攪拌した。得
られた溶液は吸引濾過を行った。濾紙上に残った試料を
再度純水に攪拌し、吸引濾過を行った。濾過は、ろ液が
pH試験紙で6〜7になるまで3回繰り返し行った。得
られた粉末は、110℃に設定した乾燥器内に一昼夜放
置し、乾燥させて可視光応答型材料を得た。
【0069】製造例3 300リットルの反応容器(冷却及び攪拌が可能)内に
満たした温度0℃の水207kgに四塩化チタン23k
gを徐々に加えた。このとき水溶液の温度は、最高6℃
であった。塩化チタン攪拌を2日間行い透明な四塩化チ
タン水溶液を作成した。作成した四塩化チタン水溶液を
攪拌しながら12.5%アンモニア水を滴下すると、こ
の溶液は徐々に白濁した、アンモニア水の量は、白濁し
た溶液がpH8となるように調整した。白濁した溶液
は、吸引濾過を行った。濾紙上に残った白色の沈殿物
は、131kgであった。白色の沈殿物は、200kg
のアンモニア水(NH3として6%)に分散させたのち、
24時間攪拌し、吸引濾過を行った。濾過後白色の沈殿
物は、108kgであった。白色の沈殿物は、50℃に
設定した強制送風式棚型乾燥機にいれ、4日間乾燥を行
った。乾燥後試料は、17kgであった。乾燥試料をア
ルミナ坩堝(20×20×5cm)に1kg入れ、ガス
炉内に設置し、試料表面に熱電対を置き、試料の温度が
400℃となるようにして、1時間焼成した。作成した
粉末3gを100mlの純水に懸濁しマグネチックスタ
ーラーを用い、1時間攪拌した。得られた溶液は吸引濾
過を行った。濾紙上に残った試料を再度純水に攪拌し、
吸引濾過を行った。濾過は、ろ液がpH試験紙で6〜7
になるまで3回繰り返し行った。得られた粉末は、11
0℃に設定した乾燥器内に一昼夜放置し、乾燥させて可
視光応答型材料を得た。
【0070】製造例4(硫酸チタンからの可視光応答材
料の製造方法(1)) 硫酸チタン(IV)溶液として、硫酸チタン(IV)水
溶液(関東化学(株)製商品名:硫酸チタン(IV)(鹿1
級、硫酸チタン(IV)を24重量%以上含有する水溶
液))の原液をそのまま用いた。この水溶液50gをスタ
ーラーで混ぜながら、アンモニア水(アンモニア原液:水
=1:1)58mlをビュレットでできるだけ速やかに加
えながら攪拌を続けたところ、白濁が始まり徐々に結度
が高まった。さらにアンモニア水を加え、万能試験紙で
pHが7になるよう調整した。24時間経過後に吸引濾
過器で濾過した。濾紙についた白色物は、pHが11に
調整したアンモニア水中で撹拝し、再度濾過することを
8回繰り返し、洗浄を行い、白色の粉末を得た。得られ
た粉末は、50℃で乾燥して、試料粉末を得た。得られ
た加水分解物(試料粉末)のBET表面積は、308.7
2/gであった。得られた試料粉末8gを坩堝に入
れ、電気炉に移し、400℃で60分間焼成し、BET
表面積が、89.4m2/gの明るい黄色の粉末を6.
3g得た。この粉末をX線回折(XRD)試験の結果、ア
ナタース型酸化チタンが含まれていることが分かる。さ
らに、X線光電子分光分析装置(アルバックファイ(株)
製商品名:Quantum 2000)により測定した
X線光電子分光法(XPS)試験の結果、得られるチタ
ンの2p電子に帰属されるピークの面積と、酸素の1s
電子に帰属されるピークの面積とから算出される酸素元
素とチタン元素との存在比(O/Ti)は、上記粉末の結
晶構造には酸素欠損があることを示した。この酸素欠損
により、粉末Aは、明るい又は淡い黄色に着色し、可視
光活性(光触媒活性)であると考えられる。得られた粉末
のESRスペクトルを測定した。測定は、真空中(0.
1Torr)77Kで行った。測定条件は製造例1と同
様である。図5(測定温度77K)に、420nm以下
の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットする
フィルター(L−42)を介して光照射した状態で測定
したESRスペクトルを示す。尚、暗黒下でのESRス
ペクトルも測定したが、実質的にシグナルは観測されな
かった。
【0071】図5に示すスペクトルでは、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルが観測された。尚、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してものには、g値が2.004〜2.007である
主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び
2.024である2つの副シグナルは、いずれのESR
測定条件においても観測されなかった。
【0072】製造例5(硫酸チタンからの可視光応答材
料の製造方法(2)) 24%硫酸チタン溶液(関東化学製、鹿一級)50gを蒸留
水400 mLに加え、マグネチックスターラーで撹拌する。
そこに、濃アンモニア水(28%、関東化学、特級)を加え
て中和反応を行う。中和反応後はpH 7に調製し、15分撹
拌する。この時スターラーが回らなくなる時があるの
で、蒸留水を加える(200 mL)。15 分後撹拌を止めた後
にしばらく放置し、上澄み液を捨てる。濾過はヌッチェ
にて行い、この時2Lのアンモニア水(5:95)で洗浄する。
この作業はろ紙上でケーキ状になったところでアンモニ
ア水を追加する方法である。その後得られたものを60
℃、24時間乾燥させ、400℃、1時間で焼成を行って本発
明の可視光応答型材料を得た。
【0073】上記で作製した試料を0.2gガラスプレ
ート(6×6cm)にそれぞれ塗布したものを、パイレッ
クス(登録商標)ガラス製反応容器(内径160mm、
厚さ25mm)内に設置した。光源には、300Wクセ
ノンランプを用いた照射装置(日本分光(株)製商品名:S
M−5型CT−10)により、半値幅20nmの単光色
として、光を照射した。この反応容器に湿度O%RHの
模擬汚染空気(NO:1ppm)を1.5リットル/分の
流速で連続的に供給し、反応出口におけるNO及びNO
2の濃度変化をモニターした。NOの濃度は、オゾンを
用いた化学発光法により測定した。1時間のモニターの
値の累積値から各測定波長におけるNOxの除去率(%)
(=NO減少率−NO2生成率)を求めた。尚、NO濃
度の測定には、Monitor labs Inc.製、Nitrogen Oxides
analyzer Model 8840を用いた。測定結果を表1示す。
【0074】
【表1】
【0075】得られた材料のESRスペクトルを測定し
た。測定は、真空中(0.1Torr)77Kで行っ
た。測定条件は製造例1と同様である。図6(測定温度
77K)に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ラ
ンプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介
して光照射した状態で測定したESRスペクトルを示
す。
【0076】図6に示すスペクトルでは、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルが観測された。尚、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してものには、g値が2.004〜2.007である
主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び
2.024である2つの副シグナルは、いずれのESR
測定条件においても観測されなかった。
【0077】製造例6(アルコキシドからの製造方法) 純水200gに撹拌しながらチタンイソプロポキシド30gを
徐々に加えた(水とチタンイソプロポキシドモル比=約
10:1)。得られた溶液を約30分撹拌した後、沈殿物
(加水分解物)を濾取し、沈殿物(加水分解物)は、純
水に懸濁させて1日撹拌したものを濾過し、110℃で乾燥
し、400℃で1時間焼成した。得られた白色の粉末を試料
Aとする。沈殿物(加水分解物)を純水に懸濁させて1
日撹拌する代わりに、アンモニア水(アンモニアの濃
度:6%)に沈殿物(加水分解物)を懸濁させて1日撹
拌した使した以外は、上記操作と同様にして、黄色粉末
を試料Bとする。試料A及びBのNO活性を前記試験方法と
同様にして測定した。結果を以下の表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2に示す結果から、可視光応答性を有す
る酸化チタンからなる材料は、酸化チタン(チタン加水
分解物)をアンモニアの共存下で熱処理することで得ら
れることが分かる。
【0080】得られた材料のESRスペクトルを測定し
た。測定は、真空中(0.1Torr)77Kで行っ
た。測定条件は製造例1と同様である。図7(測定温度
77K)に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ラ
ンプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介
して光照射した状態で測定したESRスペクトルを示
す。
【0081】図7に示すスペクトルでは、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルが観測された。尚、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してものには、g値が2.004〜2.007である
主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び
2.024である2つの副シグナルは、いずれのESR
測定条件においても観測されなかった。
【0082】製造例7 触媒学会参照触媒JRC−TIO−3(ルチル)10g
を400mlの石英製反応管に収容した。この石英製反
応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポンプで
排気した後、N2ガス(流量を100sccm)を系内の圧力が
約1トールとなるように導入した。1200Wの電磁波
(2.45GHz)を反応管の二酸化チタン粉末に照射
し、プラズマを発生させた。反応管内のルチル型二酸化
チタン粉末を撹拌しながら5分間処理した。なお、プラ
ズマ処理系は、ガスを導入せず、かつポンプでの排気も
断絶した状態で真空度が1トール上昇するのに40分を
要した。得られたサンプルのXRDの結果は、粉末がル
チル型酸化チタンを含むことも示した。さらに、得られ
たサンプルのXPSの測定結果を以下に示す。XPSの
測定には、X線光電子分析装置((株)島津製作所製
ESCA 750型)を使用した。
【0083】得られたルチル型酸化チタン粉末をX線光
電子分光法(XPS)により、チタンの2p電子に帰属
されるピーク(458.9eV(Ti2p3/2))及
び(464.3eV(Ti2p1/2))の面積とチタ
ンと結合している酸素の1s電子に帰属されるピーク
(530.0eV(O1s))の面積及び窒素の1s電
子に帰属されるピーク(393.5eV(N1s))の
面積とを求めた。得られた面積比((O1s+N1s)
/Ti2p)は、1.98であった。但し、458.9
eV(Ti2p3/2)及び464.3eV(Ti2p
1/2)の面積は、12411cps・eVであった。
530.0eV(O1s)の面積は、24462cps
・eVであった。393.5eV(N1s)の面積は、
273cps・eVであった。
【0084】尚、プラズマ処理しないルチル型酸化チタ
ン粉末(触媒学会参照触媒JRC−TIO−3(ルチ
ル))についてもX線光電子分光法(XPS)を測定し
た。その結果、窒素の1s電子に帰属されるピークは観
測されなかった。また、チタンの2p電子に帰属される
ピーク(458.9eV(Ti2p3/2)及び46
4.5eV(Ti2p1/2)の面積とチタンと結合し
ている酸素の1s電子に帰属されるピーク(529.8
eV(O1s)の面積面積比(O1s/Ti2p)は、
1.99であった。
【0085】製造例8 触媒学会参照触媒JRC−TIO−3(ルチル)10g
を400mlの石英製反応管に収容した。この石英製反
応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポンプで
排気した後、N2ガス(流量を100sccm)を系内の圧力が
約1トールとなるように導入した。600Wの電磁波
(2.45GHz)を反応管の二酸化チタン粉末に照射
し、プラズマを発生させた。反応管内のルチル型二酸化
チタン粉末を撹拌しながら10分間照射した後10分放
置し、また、20分プラズマ処理を行った。なお、プラ
ズマ処理系は、ガスを導入せず、かつポンプでの排気も
断絶した状態で真空度が1トール上昇するのに40分を
要した。
【0086】得られたサンプルのXRDの結果は、得ら
れた粉末がルチル型酸化チタン粉末を含むことを示し
た。さらに、得られたサンプルのXPSの測定結果を以
下に示す。
【0087】得られたルチル型酸化チタン粉末をX線光
電子分光法(XPS)により、チタンの2p電子に帰属
されるピーク(459.2eV(Ti2p3/2)及び
464.7eV(Ti2p1/2)の面積とチタンと結
合している酸素の1s電子に帰属されるピーク(53
0.1eV(O1s)の面積及び窒素の1s電子に帰属
されるピーク(394.8eV(N1s)の面積とを求
めた。得られた面積比((O1s+N1s)/Ti2
p)は、1.97であった。但し、459.2eV(T
i2p3/2)及び464.7eV(Ti2p1/2)
の面積は、14565cps・eVであった。530.
1eV(O1s)の面積は、28430cps・eVで
あった。394.8eV(N1s)の面積は、102c
ps・eVであった。尚、プラズマ処理しないルチル型
酸化チタン粉末についての面積比(O1s/Ti2p)
は、製造例7に記載したように1.99であった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、光触媒を使用した漂白
剤及び漂白方法、並びにフッ素コーティング剤及びフッ
素コーティング方法であって、従来に比べてより短時間
に所望の効果を得られ得る新規な漂白剤及び漂白方法、
並びにフッ素コーティング剤及びフッ素コーティング方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可視光応答型材料(製造例1)の真空
中、77Kで測定されたESRスペクトル。上段は暗黒
下でのスペクトルであり、中段が420nm以上の波長
を有する光(水銀ランプの光の内、420nm未満の光
をカットオフ)の照射下でのスペクトルであり、下段
は、420nm未満の光をカットオフせずに水銀ランプ
の光を照射した場合のスペクトルである。
【図2】本発明の可視光応答型材料(製造例1)の真空
中、常温で測定されたESRスペクトル。上段は暗黒下
でのスペクトルであり、中段が420nm以上の波長を
有する光(水銀ランプの光の内、420nm未満の光を
カットオフ)の照射下でのスペクトルであり、下段は、
420nm未満の光をカットオフせずに水銀ランプの光
を照射した場合のスペクトルである。
【図3】製造例1の生成物(上段)及び加水分解物(5
0℃乾燥)(下段)のXRDの測定結果。
【図4】青色発光ダイオード(NSPB)、緑色発光ダ
イオード(NSPG)、及び白色発光ダイオード(NS
PW)の発光スペクトルを示す。
【図5】 製造例4の生成物(可視光応答型材料)の真
空中、77K、420nm以上の波長を有する光(水銀
ランプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の
照射下で測定されたESRスペクトル。
【図6】製造例5の生成物(可視光応答型材料)の真空
中、77K、420nm以上の波長を有する光(水銀ラ
ンプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照
射下で測定されたESRスペクトル。
【図7】製造例6の生成物(可視光応答型材料)の真空
中、77K、420nm以上の波長を有する光(水銀ラ
ンプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照
射下で測定されたESRスペクトル。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンを担持した珪藻土と過酸化物と
    を含む漂白用組成物。
  2. 【請求項2】酸化チタンが紫外線応答型酸化チタンまた
    は可視光応答性酸化チタンである請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】可視光応答性酸化チタンが波長420nm
    以上の光の作用により活性化される光触媒(以下、可視
    光応答性光触媒という)である請求項2に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】可視光応答性光触媒が、波長450nm以
    上の光の作用により活性化される請求項3に記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】可視光応答性光触媒が、少なくともアナタ
    ーゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、かつ真空
    中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の
    照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜
    2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.
    986及び2.024である2つの副シグナルが観測さ
    れ、かつこれらの3つのシグナルは真空中、77K、暗
    黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測さ
    れない可視光応答型材料である請求項3または4に記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】過酸化物が過酸化水素または過酸化尿素で
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】歯牙の漂白に用いられる請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】歯牙の表面に請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の組成物を塗布し、この塗布物に光及び/又は熱
    を照射することを含む、歯牙の漂白方法。
  9. 【請求項9】光及び/又は熱が、光重合器、発光ダイオ
    ード、若しくはハロゲンランプからの光及び/又は熱ま
    たはプラズマ光である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】発光ダイオードが紫色発光ダイオード、
    青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、黄色発光ダ
    イオード、または白色発光ダイオードである請求項9に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】フッ素含有化合物及び光触媒を含む歯牙
    のフッ素コーティング用組成物。
  12. 【請求項12】光触媒が紫外線応答型酸化チタンまたは
    可視光応答性酸化チタンである請求項11に記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】可視光応答性酸化チタンが波長420n
    m以上の光の作用により活性化される光触媒(以下、可
    視光応答性光触媒という)である請求項12に記載の組
    成物。
  14. 【請求項14】可視光応答性光触媒が、波長450nm
    以上の光の作用により活性化される請求項13に記載の
    組成物。
  15. 【請求項15】可視光応答性光触媒が、少なくともアナ
    ターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、かつ真空
    中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の
    照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜
    2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.
    986及び2.024である2つの副シグナルが観測さ
    れ、かつこれらの3つのシグナルは真空中、77K、暗
    黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測さ
    れない可視光応答型材料である請求項13または14に
    記載の組成物。
  16. 【請求項16】歯牙の表面に請求項11〜15のいずれ
    か1項に記載の組成物を塗布し、この塗布物に光を照射
    することを含む、歯牙のフッ素コーティング方法。
  17. 【請求項17】歯牙の表面に請求項13〜15のいずれ
    か1項に記載の組成物を塗布し、この塗布物に波長42
    0nm以上の成分を含む光を照射することを含む、歯牙
    のフッ素コーティング方法。
  18. 【請求項18】光が、光重合器、発光ダイオード、若し
    くはハロゲンランプからの光またはプラズマ光である請
    求項16または17に記載の方法。
  19. 【請求項19】発光ダイオードが紫色発光ダイオード、
    青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、黄色発光ダ
    イオード、または白色発光ダイオードである請求項18
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】歯牙のしみる感覚(知覚過敏)を低減ま
    たは消去する請求項16〜19のいずれか1項に記載の
    方法。
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