JP2003012379A - 撥水性軽量気泡コンクリートの製造法 - Google Patents

撥水性軽量気泡コンクリートの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量気泡コンクリートが有する軽量かつ断熱
性に優れた性能を損なうことなく、簡便かつ効率的に軽
量気泡コンクリート表面および内部空隙表面に撥水性を
付与した撥水性軽量気泡コンクリートの製造方法を提供
することである。 【解決手段】 オートクレーブ内で軽量気泡コンクリー
トを、該オートクレーブ内で形成した、アルキルアルコ
キシシラン蒸気と水蒸気の高温高圧の混合ガスで処理す
る撥水性軽量気泡コンクリートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性を付与した
軽量気泡コンクリート製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質無機系建材の一つである軽量気泡
コンクリートは、軽量かつ断熱性に優れているため、ビ
ルまたは住宅の外壁材、床材、間仕切り材、屋根材とし
て広く用いられている。しかし、一方ではその耐水性が
劣り水を吸水し易いという問題がある。すなわち、比重
が0.45〜0.55の軽量気泡コンクリートは、体積
のほぼ8割が空隙であり、この空隙に水が浸透し易く、
水が入ると断熱性や強度が低下するだけでなく、炭酸化
や凍害の促進を招き、亀裂などの問題を生じる。また、
吸水と乾燥の過程で膨潤と収縮を繰り返し、亀裂の原因
になる場合もある。
【0003】一般に、軽量気泡コンクリートの吸水を防
止する方法は、軽量気泡コンクリート表面への塗装であ
る。しかし、軽量気泡コンクリートの表面は、切断時に
形成される凹凸や気泡による凹凸が大きく、非常に多く
の塗料を塗布しないと耐透水性能が得られない。また、
現場塗装では、ピンホールなどができ易く、完全に吸水
を防止することは非常に困難である。更には、工場塗装
で予め軽量気泡コンクリート表面に完全な塗装を行って
いても、軽量気泡コンクリートは、現場で切断加工する
場合が多く、切断面から雨などの水が入り問題となる。
このように、塗装では軽量気泡コンクリートの吸水の問
題を十分に解消することが困難である。
【0004】そこで、軽量気泡コンクリート自体の吸水
速度を低減する方法として、特開昭58−55359号
公報、特開平3−54175号公報において、軽量気泡
コンクリート製造工程の原料スラリーにポリジメチルシ
ロキサンを添加する方法が提案されている。しかし、こ
のような方法では、上記の耐水性が劣り水を吸水し易い
という問題をある程度解決することはできるが、本質的
に軽量気泡コンクリートの吸水を防ぐことはできず、軽
量気泡コンクリートの吸水問題を解決したとは言えな
い。
【0005】また、軽量気泡コンクリートに撥水性を付
与する方法として、特開昭59−116465号公報に
おいて、軽量気泡コンクリート表面にアルコキシシラン
などの撥水剤蒸気を接触させる方法が提案されている。
しかし、この方法では、軽量気泡コンクリートに撥水剤
蒸気を単純に接触させるだけであり、撥水剤は拡散によ
り軽量気泡コンクリート内部空隙への浸透するだけであ
り、軽量気泡コンクリート内部までは十分な撥水性が得
られない。
【0006】また、同様に特開平6−271371号公
報において、軽量気泡コンクリートを密閉容器に入れ減
圧状態にした後、アルキルアルコキシシランの蒸気を流
入させる方法が提案されている。しかし、この方法のよ
うに軽量気泡コンクリートを入れた密閉容器を減圧状態
にして、常圧下でアルキルアルコキシシランの蒸気を流
入させるだけでは、十分な蒸気圧は得られず、簡便かつ
効率的に軽量気泡コンクリート表面および内部空隙表面
に撥水層を形成することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量気泡コ
ンクリートが有する軽量かつ断熱性に優れた性能を損な
うことなく、簡便かつ効率的に軽量気泡コンクリート表
面および内部空隙表面に撥水性を付与した撥水性軽量気
泡コンクリートの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、軽量気泡コン
クリートをオートクレーブ内で高温高圧のアルキルアル
コキシシランと水蒸気の混合ガスにより、軽量気泡コン
クリートを処理することで、簡便かつ効率的に軽量気泡
コンクリート表面および内部空隙表面にアルキルアルコ
キシシシランからなる撥水層を形成させ得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は[1] オートクレーブ内
に存在する軽量気泡コンクリートを、オートクレーブ内
で形成された、少なくとも1種のアルキルアルコキシシ
ラン蒸気と水蒸気を含有する混合ガスにより処理するこ
とを特徴とする撥水性軽量気泡コンクリートの製造法、
[2] オートクレーブ内に軽量気泡コンクリートと少
なくとも1種のアルキルアルコキシシランが存在する状
態において、オートクレーブ内に水蒸気を注入して形成
された、上記アルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気を
含有する混合ガスにより、上記軽量気泡コンクリートを
処理することを特徴とする[1]記載の撥水性軽量気泡
コンクリートの製造法、[3] オートクレーブ内に軽
量気泡コンクリートと少なくとも1種のアルキルアルコ
キシシランおよび水が存在する状態において、オートク
レーブを外部からの熱源により加熱し、オートクレーブ
内で形成した、上記アルキルアルコキシシラン蒸気と水
蒸気を含有する混合ガスにより、上記軽量気泡コンクリ
ートを処理することをを特徴とする[1]記載の撥水性
軽量気泡コンクリートの製造法、である。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、軽量気泡コンクリートとは、周知の方法で製造
されたもので良く、例えば、珪石やセメント、生石灰、
石膏などのケイ酸質原料と石灰質原料を主成分にアルミ
ニウムなどの気泡剤を混合してできた原料スラリーを、
型枠に注入し、切断に適した硬度になるまで養生した
後、型枠から外して半硬化状のモルタルブロックとし、
これを緊張配設したピアノ線などの線材で切断したもの
をオートクレーブ養生することにより製造される。ここ
で、軽量気泡コンクリートには、必要に応じて補強用鉄
筋もしくは金網を配設しても構わない。
【0011】本発明における撥水性軽量気泡コンクリー
トは、軽量気泡コンクリート表面及び内部空隙表面、ア
ルキルアルコキシシランから形成される撥水層を有する
軽量気泡コンクリートであり、内部空隙とは、軽量気泡
コンクリートを発泡成形するときに導入される気泡だけ
でなく、部分的に気泡同士を繋ぐ連通孔や成形時に生じ
る毛細管空隙、トバモライト結晶間に生じる空隙や低結
晶性珪酸カルシウム水和物に存在するゲル空隙などを含
むすべての空間を言う。
【0012】本発明において、アルキルアルコキシシラ
ンは、一般式をR1 nSi(OR24 -nで表すことができ
る。ここで、R1は炭素数1〜18のアルキル基であ
り、R2はアルキル基であれば特に限定されないが、最
も汎用的なメチル基、エチル基が好ましい。 nは1〜
3の整数を表す。nの値に限らず、R1またはR2はそれ
ぞれ同じものであっても異なっているものであっても良
い。
【0013】本発明で用いられるアルキルアルコキシシ
ランとしては、最も汎用的なアルキルトリアルコキシシ
ラン(n=1)が好ましく、代表的なアルキルトリアル
コキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキ
シシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメ
トキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチル
トリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラ
ン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキ
シシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリ
エトキシシノニルトリメトキシシラン、デシルトリメト
キシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシル
トリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、テト
ラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキ
シシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデ
シルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシ
ラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシ
シラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリ
メトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルト
リエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、
ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエ
トキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オク
タデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0014】アルキルアルコキシシランのアルコキシル
基は、加水分解してシラノール基となり、更に、軽量気
泡コンクリート表面及び内部空隙表面で軽量気泡コンク
リートを構成するケイ酸カルシウム水和物などが有する
シラノール基と化学結合してシロキサン結合を形成す
る。軽量気泡コンクリートと化学結合したアルキルアル
コキシシランは、軽量気泡コンクリート表面及び内部空
隙表面で単分子〜数分子層から成る膜を形成することで
優れた撥水性を発現すると推測される。ここで、用いる
アルキルアルコキシシランを選択することで軽量気泡コ
ンクリートの表面及び内部空隙表面に水の接触角が90
度以上、好ましくは130度以上、より好ましくは15
0度以上の優れた撥水性を有する撥水層を形成すること
ができる。
【0015】以下に、本発明の撥水性を有する軽量気泡
コンクリートの製造法を説明する。本発明の製造法にお
いては、オートクレーブを用い、オートクレーブ内で形
成された、少なくとも1種のアルキルアルコキシシラン
蒸気と水蒸気を含有する混合ガスを用いて、軽量気泡コ
ンクリートを処理することが必須である。ここで、オー
トクレーブ内でアルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気
を含有する混合ガスを形成させる方法としては、特に限
定される必要はないが、例えば、オートクレーブ内に軽
量気泡コンクリートと少なくとも1種のアルキルアルコ
キシシランが存在する状態において、オートクレーブ内
に水蒸気を注入する方法、オートクレーブ内に軽量気泡
コンクリートと少なくとも1種のアルキルアルコキシシ
ラン、水が存在する状態において、オートクレーブを外
部からの熱源により加熱する方法、オートクレーブ内に
軽量気泡コンクリートが存在する状態において、オート
クレーブ内に水蒸気と少なくとも1種のアルキルアルコ
キシシラン蒸気を別々に注入する方法、オートクレーブ
内に軽量気泡コンクリートと水が存在する状態におい
て、オートクレーブを外部からの熱源で加熱して水を高
温高圧の水蒸気にした後、オートクレーブ内の水蒸気圧
より高い蒸気圧を有する液体または気体のアルキルアル
コキシシランと窒素や空気などの気体との混合ガスを注
入する方法などがある。
【0016】本発明のオートクレーブ内に軽量気泡コン
クリートと少なくとも1種のアルキルアルコキシシラン
が存在する状態において、オートクレーブ内に水蒸気を
注入し、オートクレーブ内でアルキルアルコキシシラン
蒸気と水蒸気を含有する混合ガスを形成し、軽量気泡コ
ンクリートを処理する方法において、アルキルアルコキ
シシランが存在する状態とは、オートクレーブ内に、予
めアルキルアルコキシシランを入れておいても良いが、
オートクレーブとは別の密閉容器内にアルキルアルコキ
シシランを入れておき、オートクレーブ内に注入しても
構わない。
【0017】予めオートクレーブ内にアルキルアルコキ
シシランを入れておく方法は、特に限定される必要はな
いが、例えば、アルキルアルコキシシランをオートクレ
ーブ内にそのまま直接入れておく方法、アルキルアルコ
キシシランを密閉されていない開放容器に入れておく方
法、自動開閉が可能な密閉容器内にアルキルアルコキシ
シランを入れておき、密閉容器を開放する方法などがあ
る。自動開閉が可能な密閉容器内にアルキルアルコキシ
シランを入れておく場合には、水蒸気を注入する前から
開放しておくだけでなく、水蒸気を注入している途中の
任意のタイミングで密閉容器を開放しても構わない。
【0018】また、オートクレーブとは別の密閉容器内
にアルキルアルコキシシランを入れてオートクレーブ内
に注入する方法は、特に限定される必要はないが、アル
キルアルコキシシランの専用注入口より直接オートクレ
ーブ内に注入する方法だけでなく、オートクレーブ内に
注入する水蒸気の配管途中に設けたアルキルアルコキシ
シランの注入口からオートクレーブ内に注入する方法も
本発明に含める。ここで、注入するアルキルアルコキシ
シランは、液体、ミスト、蒸気など含むいずれの状態で
も良い。この場合においても、オートクレーブ内へ注入
するタイミングは、オートクレーブ内に水蒸気を注入す
る前に、アルキルアルコキシシランの全量が注入されて
いる必要はなく、一部水蒸気と共に注入しても構わな
い。
【0019】ここで、水蒸気を利用してアルキルアルコ
キシシランを蒸発気化させる方法は、水蒸気がアルキル
アルコキシシランを気化させる熱源となるだけでなく、
得られたアルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気を含有
する混合ガスの圧力は、アルキルアルコキシシラン単独
の蒸気圧に比べ非常に高くなるため、軽量気泡コンクリ
ートの内部空隙まで速やかに到達することができる。ま
た、水蒸気を利用すれば軽量気泡コンクリートやオート
クレーブ本体、配管などを予め加熱しておく必要がない
ばかりか、アルキルアルコキシシラン蒸気が軽量気泡コ
ンクリート以外の場所で一端凝縮し液体になっても、水
蒸気により再び蒸発気化するため、アルキルアルコキシ
シランを無駄なく効率的に軽量気泡コンクリート表面お
よび内部空隙表面に付着させるだけでなく、アルキルア
ルコキシシランが速やかに軽量気泡コンクリートと化学
結合し撥水層を形成する。なお、必要があれば、オート
クレーブを外部の熱源を利用して、予備加熱や補助過熱
をしても構わない。
【0020】ここで用いられる水蒸気は、特に限定され
る必要はないが、飽和水蒸気、過熱水蒸気、ミストを含
む湿り水蒸気などがある。また、水蒸気の圧力はゲージ
圧で、0.1〜8.5MPaが好ましく、0.2〜4.
0MPaがより好ましく、更には0.5〜2.0Mpa
が特に好ましい。水蒸気の温度は、飽和水蒸気の場合に
は、その蒸気圧に対応した温度となるが、加熱蒸気を含
めて、100〜300℃が好ましく、120〜250℃
がより好ましく、更には150〜215が特に好まし
い。
【0021】本発明のオートクレーブ内に軽量気泡コン
クリートと少なくとも1種のアルキルアルコキシシラ
ン、水が存在する状態において、オートクレーブを外部
からの熱源により加熱し、オートクレーブ内で発生した
高温高圧のアルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気の混
合ガスで軽量気泡コンクリートを処理する方法におい
て、オートクレーブ内にアルキルアルコキシシランと水
を入れておく方法は、特に限定される必要はないが、例
えば、オートクレーブ内にアルキルアルコキシシランと
水をそのまま直接入れておく方法、それぞれ別々の開放
容器内に入れておく方法、水は開放容器に入れ、アルキ
ルアルコキシシランは自動開閉が可能な密閉容器内に入
れ、加熱過程の任意のタイミングで密閉容器を開放する
方法などがある。ここで、外部からの熱源は、特に限定
される必要はないが、電気、ガス、重油、軽油、水蒸気
などがある。
【0022】また、軽量気泡コンクリートをアルキルア
ルコキシシラン蒸気と水蒸気の混合ガスで処理する前に
オートクレーブ内の空気を真空ポンプなどで除去し減圧
にすることは好ましい態様である。本発明において、高
温高圧のアルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気を含有
する混合ガスとは、アルキルアルコキシシランと水蒸気
を含有する混合ガスの圧力が、ゲージ圧で0.1〜3.
0MPaが好ましく、0.3〜2.0MPaがより好ま
しく、更には0.5〜1.5MPaが特に好ましく、混
合ガスの温度は、100〜240℃が好ましく、135
〜215℃がより好ましく、更には155〜200℃が
特に好ましい。
【0023】本発明において、オートクレーブ内の水蒸
気の圧力は、ゲージ圧で0.08〜2.95MPaが好
ましく、0.25〜1.95MPaがより好ましく、更
には0.45〜1.45MPaが特に好ましい。本発明
において、オートクレーブ内に仕込むアルキルアルコキ
シシランの量は、オートクレーブの容積にも影響させる
が、オートクレーブ内にある軽量気泡コンクリートの絶
乾重量を基準にして、0.1〜7.0重量%が好まし
く、0.3〜5.0重量%がより好ましく、更には0.
5〜3.0重量%が特に好ましい。
【0024】本発明において、アルキルアルコキシシラ
ンの軽量気泡コンクリート内部への浸透は、アルキルア
ルコキシシラン蒸気と水蒸気を含有する混合ガスで高温
高圧にすることによる大きな圧力差が推進力となるた
め、単独では蒸気圧の低い種類のアルキルアルコキシシ
ランでも速やかにかつ確実に軽量気泡コンクリート表面
及び内部空隙表面に浸透し、軽量気泡コンクリートの表
面から内部に至るまで水の接触角90度以上の撥水層が
形成される。
【0025】ここで、高温高圧のアルキルアルコキシシ
ラン蒸気と水蒸気を含有する混合ガスで処理する時間
は、0.5〜5時間で良く、一部未反応のアルキルアル
コキシシランが存在して十分に撥水性が発現していない
場合には、未反応のアルキルアルコキシシランと軽量気
泡コンクリートを反応さて撥水性を発現させるために室
温で数日〜数週間放置しておくだけでも良いが、更には
60℃〜180℃で0.5〜5時間程度加熱するのが好
ましい。ここで、加熱方法は、特に限定されないが一般
的な熱風加熱や遠赤外線加熱または水蒸気加熱などを使
用することができる。
【0026】
【本発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。本発明において水の接触角は次
のように測定した。 <水の接触角>試料を長さ方向の中央で切断し、切断面
上を幅方向及び厚さ方向に10mm間隔で温度20℃、
湿度65%の条件下で協和界面科学株式会社製の接触角
計(CA−DT型)により測定した。 <軽量気泡コンクリートの製造>サンプルとして使用し
た軽量気泡コンクリートは、次の方法で作製した。珪石
53重量部、生石灰7.5重量部、セメント37重量
部、乾燥石膏2.5重量部、これら固形分100重量部
に対して水68重量部、アルミ粉末0.06重量部を混
合したモルタルスラリーを型枠に注入した後、予備養生
してできた半硬化状の軽量気泡モルタルブロックをピア
ノ線で切断したものをオートクレーブ養生した。
【0027】
【実施例1】上記製造方法で得た軽量気泡コンクリート
から長さ160mm、幅40mm、厚さ40mmに切り
出した試料とプロピルトリエトキシシラン10g(軽量
気泡コンクリートの絶乾重量を基準にして3.0重量%
に相当)を容積1000cm 3のオートクレーブ内に入
れ、300Paに減圧した後、200℃の飽和水蒸気
(蒸気圧は約15MPa)を注入し、オートクレーブ内
を180℃にして2時間放置した。このとき、オートク
レーブ内のアルキルアルコキシシランと水蒸気の混合ガ
スの圧力は、ゲージ圧で約1.0MPaであった。本実
施例で得られた軽量気泡コンクリートは、表面から内部
に至るまで優れた撥水性が発現しており、すべての場所
において水の接触角が120〜130度の撥水性を有す
ることが確認された。
【0028】
【実施例2】上記製造方法で得た軽量気泡コンクリート
から長さ120mm、幅100mm、厚さ100mmに
切り出した試料とプロピルトリエトキシシラン9.0g
(軽量気泡コンクリートの絶乾重量を基準にして1.5
重量%に相当)、1500gの水を容積13000cm
3のオートクレーブ内に入れ、300Paに減圧した
後、電気ヒーターでオートクレーブ内を180℃で2時
間加熱した。このとき、オートクレーブ内のプロピルト
リエトキシシランと水蒸気の混合ガスの圧力は、ゲージ
圧で約1.0MPaであった。本実施例により得られた
軽量気泡コンクリートは、表面から内部に至るまで優れ
た撥水性が発現しており、すべての場所において水の接
触角が120〜130度の撥水性を有することが確認さ
れた。
【0029】
【発明の効果】本発明は、オートクレーブのみを使用す
ることで、軽量気泡コンクリート表面から内部空隙表面
に至るまで優れた撥水性を有した撥水性軽量気泡コンク
リートを簡便かつ効率的に製造する方法を提供できるこ
とから、産業上、大いに有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オートクレーブ内に存在する軽量気泡コ
    ンクリートを、オートクレーブ内で形成された、少なく
    とも1種のアルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気を含
    有する混合ガスにより処理することを特徴とする撥水性
    軽量気泡コンクリートの製造法。
  2. 【請求項2】 オートクレーブ内に軽量気泡コンクリー
    トと少なくとも1種のアルキルアルコキシシランが存在
    する状態において、オートクレーブ内に水蒸気を注入し
    て形成された、上記アルキルアルコキシシラン蒸気と水
    蒸気を含有する混合ガスにより、上記軽量気泡コンクリ
    ートを処理することを特徴とする請求項1記載の撥水性
    軽量気泡コンクリートの製造法。
  3. 【請求項3】 オートクレーブ内に軽量気泡コンクリー
    トと少なくとも1種のアルキルアルコキシシランおよび
    水が存在する状態において、オートクレーブを外部から
    の熱源により加熱し、オートクレーブ内で形成した、上
    記アルキルアルコキシシラン蒸気と水蒸気を含有する混
    合ガスにより、上記軽量気泡コンクリートを処理するこ
    とをを特徴とする請求項1記載の撥水性軽量気泡コンク
    リートの製造法。
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