JP2003012376A - 抵抗体及びその製造方法並びに保持装置 - Google Patents

抵抗体及びその製造方法並びに保持装置

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JP2003012376A
JP2003012376A JP2001195232A JP2001195232A JP2003012376A JP 2003012376 A JP2003012376 A JP 2003012376A JP 2001195232 A JP2001195232 A JP 2001195232A JP 2001195232 A JP2001195232 A JP 2001195232A JP 2003012376 A JP2003012376 A JP 2003012376A
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resistor
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temperature
weight
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JP2001195232A
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Masashi Sakagami
勝伺 坂上
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の直径や厚みが大きい場合においても、比
誘電率が均一で、同一製品内のばらつきが少ない抵抗体
及びその製造方法並びに被保持物の処理を均一に行うこ
とのできる保持装置を提供する。 【解決手段】最大直径が200mm以上、厚みが0.5
mm以上のセラミック焼結体からなり、外周部及び中心
部を含む複数の部位で測定した相対密度の平均が98%
以上、50℃の体積固有抵抗値の平均が107〜1012
Ωcmである抵抗体において、外周部及び中心部を含む
複数の部位で測定した周波数1MHzの比誘電率の平均
が7以上、該比誘電率の最小値εminに対する最大値ε
maxの比εma x/εminが1.3以下であることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗体及びその製
造方法並びに保持装置に関するものであり、特に電子機
能材料用部材及び、半導体製造装置等におけるウエハの
保持や搬送に好適に用いられる保持装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】液晶を含む半導体デバイスの製造に用いる
半導体製造装置において、シリコンウエハ等の半導体を
加工したり、搬送するためには、シリコンウエハ等を保
持する必要がある。特に、静電的にシリコンウエハを保
持する静電チャックは、真空中や腐食性ガス雰囲気での
使用が可能であり、半導体の製造に適しているため、多
用されている。
【0003】窒化アルミニウムは耐食性が高く、熱伝導
が高く熱衝撃性に比較的強いため静電チャックの主成分
として用いられている。この窒化アルミニウムは、50
℃における体積固有抵抗が1×1014Ωcm以上と絶縁
体であるが、特に、最近では、特に200℃以下で使用
される静電チャックにおいて、シリコンウエハの保持の
ためにより高い吸着力が要求されており、より高い吸着
力を得るためには、抵抗を低くすることが提案されてい
る。
【0004】特に、不純物の少ない窒化アルミニウム焼
結体は、耐食性に優れるため、特に腐食性ガス雰囲気で
寿命が長くなり、部品交換の期間を延ばし、メンテナン
スのための装置の停止を少なくできるため、スループッ
トを向上できる。このような窒化アルミニウムは、焼結
助剤が少ないため、加圧下での焼成方法、例えばホット
プレスや熱間等方プレス等の方法が用いられる。
【0005】例えば、特開平10−72260号公報で
は高純度の窒化アルミニウムの成形体中に金属電極を埋
設し、ホットプレス焼成によって作製し、Al以外の金
属元素の含有量が100ppm以下で、室温での体積固
有抵抗を1×109〜1×1013Ωcmとした直径が2
00mm以上の静電チャックが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−72260号公報に記載された窒化アルミニウム
焼結体は、緻密性には優れるものの、最大直径が200
mm以上で、比誘電率のばらつきが大きいため、プラズ
マの分布が不均一となり、被保持物の処理が不均一にな
り、不良が増え、製品の信頼性が低下するという問題が
あった。
【0007】従って、本発明は、基板の直径や厚みが大
きい場合においても、比誘電率が均一で、同一製品内の
ばらつきが少ない抵抗体及びその製造方法並びに被保持
物の処理を均一に行うことのできる保持装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、比誘電率及び
誘電損失のばらつきを抑制するため、ホットプレス焼成
において最高保持温度までの収縮速度を制御することが
有効であり、また、抵抗体の面内における比誘電率を均
一にすることによって、保持装置の処理の均一性を高め
ることができるという知見に基づくものである。
【0009】即ち、本発明の抵抗体は、最大直径が20
0mm以上、厚みが0.5mm以上のセラミック焼結体
からなり、外周部及び中心部を含む複数の部位で測定し
た相対密度の平均が98%以上、50℃の体積固有抵抗
値の平均が107〜1012Ωcm、周波数1MHzの比
誘電率の平均が7以上、該比誘電率の最小値εminに対
する最大値εmaxの比εmax/εminが1.3以下である
ことを特徴とするものである。これにより、大きな製品
であっても、例えば静電チャックとして被処理物の処理
を行った場合、同一面内における前記処理のばらつきを
小さくすることができる。
【0010】また、AlNを主結晶相とし、炭素を1重
量%以下、酸素を0.2〜3重量%の割合で含むことが
好ましい。これにより、大型基板の耐食性や熱伝導性を
より高くできる。
【0011】さらに、カソードルミネッセンスのスペク
トルにおいて、最大ピークが370〜380nmの波長
領域に存在することが好ましい。これにより、大型基板
の異相の生成を制御して、耐食性や熱伝導性をより高く
維持できるとともに、比誘電率のばらつきを更に抑制で
きる。
【0012】また、本発明の抵抗体の製造方法は、セラ
ミック粉末及び/又は成形体を最高保持温度で焼成し、
最大直径が200mm以上、厚みが0.5mm以上のセ
ラミック焼結体を作製するのに際して、常温から最高保
持温度までの収縮速度を2mm/min以下に制御する
ことを特徴とするものである。この方法により、緻密化
と比誘電率の制御が同時に可能となり、比誘電率の平均
を7以上、且つ比誘電率の最小値に対する最大値の比を
1.3以下にすることができ、比誘電率のばらつきが少
ない抵抗体を実現できる。
【0013】特に、AlN粉末を主体とし、炭素含有量
が1重量%以下、酸素含有量が0.2〜3重量%のセラ
ミック粉末をホットプレス型内に装填し、該セラミック
粉末に0.04〜3MPaのホットプレス圧力を加えた
後に加熱を開始し、800〜1200℃における装置内
の真空度を10Pa以下に保持し、1200〜1600
℃の温度範囲においてN2ガスを導入して装置内の雰囲
気圧力を1〜300kPaにするとともに、1200〜
2000℃の温度範囲内においてホットプレス圧力を3
〜15MPaに上昇させ、次いで2000〜2300℃
の最高保持温度で焼成することが好ましい。これによ
り、抵抗体の比誘電率のばらつきを抑制したまま、耐食
性及び熱伝導性を高めることができる。
【0014】また、本発明の保持装置は、基板と、該基
板の一主面に設けられた被保持物の載置面と、該載置面
と対向して設けられた電極とを具備し、前記基板の少な
くとも載置面が上記の記載の抵抗体からなることを特徴
とするものである。本発明の抵抗体を用いた保持装置
は、比誘電率の面内ばらつきが小さいため、プラズマと
被保持物との相互作用が均一となり、被保持物の処理を
均一に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の抵抗体は、基板の主面に
対して比誘電率の面内ばらつきが顕著になる最大直径が
200mm以上、厚みが0.5mm以上の板状のセラミ
ック焼結体からなり、外周部及び中心部を含む複数の部
位で測定した相対密度の平均が98%以上であることが
重要である。ここで、複数の部位とは、最大直径が20
0mm以上の略中心である中心部と、最大直径の最外周
部近傍である外周部とを含み、30部位以上、特に50
部位以上での測定を行う。測定点はほぼ等間隔に配置さ
れていることが、均一性をより正確に評価する点で好ま
しい。
【0016】相対密度が98%未満では、機械的特性が
低下し、大型・薄型形状では破壊されやすくいためであ
り、特に99%以上、更には99.5%以上が好まし
い。なお、相対密度については、まずアルキメデス法か
ら嵩密度をもとめた後、理論密度と比較し、相対密度を
算出した。
【0017】また、外周部及び中心部を含む複数の部位
において測定した50℃の体積固有抵抗値の平均を10
7〜1012Ωcmとすることで、必要十分な電荷の移動
を可能にし、例えば静電チャックに用いた場合に優れた
吸着特性を実現できる。静電チャックとして用いた場合
に残留吸着を避けるため、50℃の体積固有抵抗値の平
均値は、特に108〜1011Ωcm、更には、108〜1
10Ωcmであることが好ましい。
【0018】そして、本発明によれば、外周部及び中心
部を含む複数の部位において周波数1MHzにおける測
定した比誘電率の平均が7以上であることが重要であ
り、特に8以上が好ましい。この比誘電率が7より低い
と、ウエハ等の被保持物とセラミック焼結体に設けられ
た電極間の静電容量を大きくできず、プラズマのセルフ
バイアス電位を高めることができないため、被保持物の
処理能力が低下する。
【0019】また、上記複数の部位で測定した比誘電率
のうち、最小値をεmin、最大値をεmaxとしたとき、比
εmax/εminが1.3以下であることが重要であり、特
に1.2以下、さらには1.1以下が好ましい。これに
より、比誘電率の面内ばらつきを小さくでき、静電チャ
ックに応用した場合、部位による電流密度の差が小さく
なるため、最小値εminに近い比誘電率を有する部位で
も残留吸着を防止でき、スループットを高めて生産性を
高めることができる。
【0020】本発明によれば、AlNを主結晶相とする
ことが好ましい。主結晶相をAlNにすると、ハロゲン
を含むプラズマやガス等に対する耐食性が高く、熱伝導
率が高いため耐熱衝撃性に優れるとともに、AlN結晶
は半導体になることが可能なため、体積固有抵抗値を変
えることができ、外周部及び中心部を含む複数の部位に
おいて測定した50℃の体積固有抵抗値の平均を107
〜1012Ωcmに制御することが容易となる。
【0021】また、炭素を1重量%以下、特に0.5重
量%以下の割合で含むことが好ましい。この炭素は導電
性粒界相の形成に関係があると考えられ、炭素量を1重
量%以下にすることにより、AlとCを含む高抵抗の化
合物を部分的に形成するのを防止し、比誘電率のばらつ
きをより小さくする効果がある。
【0022】さらに、酸素を0.2〜3重量%、特に
0.3〜2重量%、更には0.4〜1重量%の割合で含
むことが好ましい。酸素量は、体積固有抵抗値と強く関
連しており、酸素の含有量が上記の範囲であれば、電荷
の移動体となる粒界相が3次元的に連続して形成され、
且つこの導電経路を分断する高抵抗の化合物(AlON
やポリタイプ等)の形成を抑制しやすいため、比誘電率
を安定化させることが容易となる。
【0023】なお、本発明によれば、焼結助剤成分は含
まれていても良いが、セラミック焼結体の耐食性及び誘
電率のばらつきを小さくするため、実質的に焼結助剤成
分を含まないことが好ましい。具体的には、Al以外の
金属が酸化物換算で1重量%以下、特に0.5重量%以
下であることが好ましい。
【0024】また、カソードルミネッセンスのスペクト
ルにおいて、最大ピークが370〜380nmの波長領
域に存在することが好ましい。このような特徴を持つセ
ラミック焼結体は、AlOCや金属化合物といった異相
の発生を抑制し、抵抗値ばらつきを小さくするととも
に、誘電率のばらつきを更に小さくすることが可能であ
る。なお、最大ピークはAlNに起因するものである。
【0025】以上のように構成された本発明の抵抗体
は、比誘電率のばらつきが非常に小さいため、例えば静
電チャックに使用した場合に、被処理物の処理を均一に
行うことができる。
【0026】次に、本発明の抵抗体を作製する方法につ
いて、具体的にAlNを主結晶相とする抵抗体を例とし
て説明する。
【0027】まず、出発原料として純度99%以上、平
均粒子径が5μm以下、好ましくは3μm以下のAlN
粉末を用意する。このAlN粉末中の炭素含有量を1重
量%以下、酸素含有量を0.2〜3重量%に抑制するこ
とが好ましい。これにより、焼成して得られた焼結体中
の炭素及び酸素の含有量を、それぞれ1重量%以下、
0.2〜3重量%にすることが容易となる。
【0028】なお、AlN粉末の酸素量が0.2重量%
に満たない場合には、Al23、SiO2等の酸化物を
添加することにより、酸素の含有量が0.2〜3重量%
の範囲になるように調整することができる。
【0029】次に、上記のAlN粉末をカーボンモール
ド内のカーボンからなる直径200mm以上のホットプ
レス型(以下HP型と言う)内に均一に充填する。この
AlN粉末は、粉末のまま充填してもよいが、原料粉末
にバインダを添加して予めHP型形状に予備成形してお
き、この成形体をHP型内に装填しても良い。成形の方
法は、金型プレス、CIP、テープ成形、鋳込み等の成
型方法を用いることができる。成形体は、成形の時に必
要なバインダ成分を除去した後にHP型内に装填する。
なお、成形体の内部に電極を成形してもよい。
【0030】HP型に充填されたAlN粉体に0.04
〜3MPaのホットプレス圧力(以下HP圧力と言う)
を加えた後に加熱を開始することが好ましい。HP圧力
が0.04MPaより小さいと充填が不十分で、充填密
度のばらつきが生じやすく、充填密度が低い部分で焼結
時の緻密化を阻害することがある。また、HP圧力が3
MPaより大きいとAlN粉末の表面に化学的に付着し
た水分等が抜けにくくなり、焼成の緻密を阻害する恐れ
がある。
【0031】特に、600〜800℃の間でガス放出が
ピークとなる場合があるため、昇温開始時から800℃
まで、装置内を減圧にすることが好ましい。装置内の減
圧条件は1Pa以下、特に0.5Paが好ましい。これ
により、焼結性や特性に及ぼすガスを容易に除去でき
る。
【0032】また、800〜1200℃の温度領域にお
ける装置内の真空度を常に10Pa以下、特に5Pa以
下、さらには2Pa以下に保持することが好ましい。8
00〜1200℃では、スペーサーやカーボンHP型等
のカーボンと装置及び原料からの酸素が反応して、CO
ガスが発生する。このCOガスが多量に残留すると、高
温でAlN原料と反応してAlCやAlOC化合物を生
成して緻密化を阻害する原因や異相生成の原因となるた
め、この温度領域で真空度を10Pa以下に保持して排
気することが好ましい。
【0033】さらに、1200〜1600℃の温度範囲
においてN2ガスを導入して装置内の圧力を1〜300
kPaにすることが好ましい。つまり、N2ガス導入時
の温度を1200〜1600℃とする。1200℃未満
の温度でN2ガスを導入して装置内の圧力を1〜300
kPaにすると、発生するCOガスが残留して、緻密化
阻害や異相生成の原因となる。1600℃より高い温度
まで真空を保つと、HP型や離型材のカーボンと反応し
てAlCやAlOC化合物を生成して緻密化阻害や異相
生成の原因となることがある。特に、1250〜155
0℃、更には1300〜1500℃の温度範囲において
2ガスを導入し、装置内の圧力を、特に80〜200
kPa、更には100〜200kPaにすることが好ま
しい。
【0034】次に、1200〜2000℃の温度範囲に
おいてホットプレス圧力を3〜15MPaに上昇させる
ことが好ましい。1200℃未満で加圧すると、H2
等のガスの除去が不十分となり、緻密化を阻害する恐れ
があり、2000℃を超えて加圧すると、部分的に焼結
が開始し、密度ばらつきの原因となり、抵抗値のばらつ
きが大きくなる傾向がある。ホットプレス圧力は、特に
5〜10MPaの圧力で、特に1300〜1650℃、
更には1400〜1600℃の温度範囲において加える
ことが好ましい。
【0035】次いで、2000℃〜2300℃の最高保
持温度まで昇温し、温度を一定時間保持して相対密度の
平均値が98%以上、特に99%以上、更には99.5
%以上となるになるように焼成する。最高保持温度を2
000℃〜2300℃とすることによってAlN焼結体
の50℃の体積固有抵抗値を107〜1012Ωcmにす
ることが容易となり、その面内ばらつきを小さくするこ
とができる。2000℃未満では、密度が98%に満た
ず、しかも1012Ωmより高い抵抗値を示す。また、2
200℃を超えると、体積固有抵抗値が107Ωcmよ
りも低くなる。
【0036】なお、焼成においては、一定の保持時間に
おいて、温度と圧力を保持することが好ましい。保持時
間は試料の量や組成によって異なるものの、焼結が進む
のを考慮すると20分以上、特に1時間以上であること
が好ましい。
【0037】そして、本発明によれば、常温から昇温し
て上記の最高保持温度に達するまでのAlN粉末及び/
又は成形体の収縮速度を2mm/min以下に制御する
ことが重要である。常温から最高保持温度までの収縮速
度は、AlN粉末及び/又は成形体の焼結挙動に影響
し、収縮速度が2mm/minより大きいと焼結が進む
部位と進まない部位が生じて、密度、体積固有抵抗値及
び比誘電率のばらつきが大きくなる。特に、収縮速度を
1.5mm/min以下、更には1mm/min以下に
することが好ましい。
【0038】なお、粉末や成形体をHP型に装填し、加
熱前に0.04〜3MPaの圧力を加えたときの成形体
の上端面を基準として、この上端面の変位の経時変化を
測定し、単位時間に対する変位量を収縮速度とする。換
言すれば、室温から最高保持温度までの収縮曲線から、
傾きを接線でとることができ、その最大傾きから算出し
た収縮速度の最大値が2mm/min以下かどうかを判
断する。
【0039】このようにして作製した本発明の抵抗体
は、密度及び体積固有抵抗が制御されつつ、比誘電率の
面内ばらつきが小さく、静電チャックとして好適に用い
ることができる。
【0040】次に、本発明の保持装置を、Siウエハな
どを静電的に吸着する静電チャックを例にとって説明す
る。
【0041】図1は、単極タイプの静電チャック1の例
である。円板形状の基板2の一主面3にSiウエハなど
の被保持物を載置する載置面4が設けられている。この
載置面4に対向するように、一主面3の反対の主面に電
極5が設けられている。
【0042】そして、載置面4が、上記の本発明の抵抗
体からなることが重要である。即ち、基板2は、実質的
に本発明の抵抗体からなるものであればよい。また、載
置面4が本発明の抵抗体からなっていれば、基板2が電
極5に平行な層状セラミックスの積層体からなっていて
もかまわない。
【0043】載置面4に載置されたSiウエハ等の被保
持物と電極5との間に電圧が印可され、載置面4と電極
5との間に電流がわずかにながれて静電的な吸着が起こ
る。なお、図1には記載してないが、外部から電極5に
電圧を供給するための接続端子が含まれることは言うま
でもない。
【0044】また、図2は本発明である保持装置の他の
例である。これは、双極タイプの静電チャック11であ
り、円板形状の基板12の一主面13にSiウエハなど
の被保持物を載置する載置面14が設けられており、基
板12の内部には一対の電極15が設けられている。こ
の電極15は、載置面14に対向するように配置されて
いる。
【0045】そして、載置面14が、上記の本発明の抵
抗体からなることが重要である。即ち、基板12は、実
質的に本発明の抵抗体からなり、内部に電極15を埋設
させればよい。また、基板12を、載置面14を含む上
部基板12aと下部基板12bとに分割し、上部基板1
2aに本発明の抵抗体を用い、下部基板12bに他のセ
ラミックスを用いても差し支えない。
【0046】一対の電極15には、正、負の電圧がそれ
ぞれ印加され、載置面14に載置されたSiウエハ等の
被保持物と電極15との間に電流がわずかにながれて静
電的な吸着が起こる。なお、図2には記載してないが、
外部から電極15に電圧を供給するための電気配線及び
接続端子が含まれることは言うまでもない。
【0047】処理装置によってはプラズマを発生する容
器内で用いられる場合があり、その場合には、被保持物
の近傍にプラズマを発生させるために、基板の内部又は
裏面にプラズマ電極が設けられてなることが好ましい。
これにより、装置構造の簡略化や小型化に大きく寄与で
きるとともに、プラズマの制御が容易になる。
【0048】さらには、所望により、冷却用の冷媒の通
路をセラミック平板内に設けたり、ペルチェ素子などの
冷却用装置を内蔵することもできる。
【0049】そして、本発明の抵抗体を、少なくとも載
置面に用いた場合、載置面4、14の誘電率εのばらつ
きが小さいため、最大直径が200mm以上、電極と載
置面との距離が0.5mm以上の本発明の保持装置は、
載置面4、14に載置される被処理物の面内で均一な処
理が可能になる。この優れた処理は、特に−70〜10
0℃の温度範囲において顕著である。
【0050】上記の構成を有する本発明の保持装置は、
ウエハの固定や搬送に好適であり、吸着力が高く、吸着
の離脱応答性が向上し、スループットが速くなる。ま
た、その製造方法においては、歩留まりが向上し、焼成
後の熱処理も不要のため、製造コストを低減できる。
【0051】
【実施例】原料として平均粒子径1μmの還元窒化法の
AlN粉末を用いた。このAlN粉末に対して所望によ
り添加された平均粒子径1μmの炭素粉末及び平均粒子
径1μmのAl23粉末を加えた。そして、炭素量及び
酸素量が表1に示す組成になるように混合した。
【0052】これらの混合粉末をエタノールとともに混
合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を直径210
mmのHP型に直接充填するものと、予備成形を行って
からHP型に充填するものとに分けた。なお、予備成形
を行うための混合粉末には、混合時にバインダとしてパ
ラフィンワックスを9重量%添加してあり、成形後に窒
素雰囲気中600℃で8時間脱脂を行ってからHP型に
装填した。次いで、上記のHP型をホットプレス装置に
装填し、表1に示す条件で焼成した。
【0053】得られた焼結体を加工し、直径202m
m、厚み6mmの形状にした。この焼結体を用いて、中
心部及び外周部を含む30部位において比誘電率、体積
固有抵抗及び吸着特性を測定した。
【0054】即ち、比誘電率は、直径50mmのサイズ
にAg性導電性ペーストにて、電極を形成し、0.5〜
5mmの各厚みに対して、1MHzの周波数で、ブリッ
ジ回路法により測定した。また、体積固有抵抗は、JI
S C2141:1922に基づいた3端子法により、
50℃で測定した。
【0055】さらに、吸着特性は、図1に示した構造を
有する静電チャックを作製し、一辺が25mmの直方体
Siを被処理物として、載置面の30部位において吸着
力及び電荷が除去されるまでの除電時間を測定し、それ
ぞれ平均値、最大値、最小値を算出し、ばらつきを評価
した。ばらつきは、最大値と最小値との差を平均値で割
った値とした。
【0056】なお、吸着力は50℃で500Vを印加
し、印加から30秒後までの吸着力の時間依存性を測定
した。吸着力が飽和するまでの時間(飽和時間)と、電
圧の印加を停止し吸着力がなくなるまでの時間(除電時
間)を測定した。即ち、飽和時間は、電圧印加30秒後
の吸着力を100%とした時、90%の吸着力を示す時
間とした。また、除電時間は、電圧の印加停止から吸着
力が500Paまで低下するのに要した時間とした。
【0057】次に、上記の測定に用いた焼結体を中心部
及び外周部を含む30部位に分け、それぞれの部位毎に
相対密度、酸素量、炭素量及びカソードルミネッセンス
スペクトルを測定した。即ち、相対密度は、まずアルキ
メデス法から嵩密度をもとめた後、焼結体を粉砕してJ
ISR1620に基づいたヘリウム置換法によって得ら
れた真密度と比較して算出した。
【0058】焼結体中の酸素量は日本セラミック協会J
CMR004(Si34)を標準試料として、堀場製作
所製EMGA−650FA装置を用いて行った。また、
炭素量は、校正用標準試料JSS171−7及びJSS
150−14を用いて堀場製作所EMIA−511型炭
素分析装置を用いた。
【0059】AlNのカソードルミネッセンス法による
ピークは、カソードルミネッセンス分光装置を用い、H
R−320(愛宕物産製)の分光器で回折格子150g
r/mm、Jobin Yvon製CCD検出器を用い
て測定した。測定条件は、31μmのフィラメント電流
で、2mmスリット、Cレンズを用い、倍率1000倍
で、フォーカス16.3mmにて測定した。結果を表1
及び表2に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】本発明の試料No.1〜12、15〜23
は、誘電率が7以上、誘電率の比が1.3以下、吸着力
のばらつきが20%以下、除電時間が10sec以下、
除電時間のばらつきが5%以下であった。
【0063】一方、収縮速度が2mm/min以上であ
る本発明の範囲外の試料No.13及び14は誘電率が
7以上であるが、誘電率の比が1.3以上、吸着力のば
らつきが33%以上、除電時間の平均値が15sec以
上、除電時間のばらつきが10%以上といずれも大きか
った。
【0064】
【発明の効果】焼結体の直径や厚みが大きい場合におい
ても焼結体の面内における比誘電率のばらつきを制御す
ることにより、製品内のばらつきが少なく、信頼性の高
い静電チャックとして好適に用いることのできる抵抗体
及び被保持物を均一に処理できる保持装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保持装置の一例である静電チャックの
構造を示す断面図である。
【図2】本発明の保持装置の一例である静電チャックの
他の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11・・・静電チャック 2、12・・・基板 3、13・・・一主面 4、14・・・載置面 5、15・・・電極 12a・・・上部基板 12b・・・下部基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最大直径が200mm以上、厚みが0.5
    mm以上のセラミック焼結体からなり、外周部及び中心
    部を含む複数の部位で測定した相対密度の平均が98%
    以上、50℃の体積固有抵抗値の平均が107〜1012
    Ωcm、1MHzの比誘電率の平均が7以上、該比誘電
    率の最小値εminに対する最大値εmaxの比εmax/εmin
    が1.3以下であることを特徴とする抵抗体。
  2. 【請求項2】AlNを主結晶相とし、炭素を1重量%以
    下、酸素を0.2〜3重量%の割合で含むことを特徴と
    する請求項1記載の抵抗体。
  3. 【請求項3】カソードルミネッセンスのスペクトルにお
    いて、最大ピークが370〜380nmの波長領域に存
    在することを特徴とする請求項2記載の抵抗体。
  4. 【請求項4】セラミック粉末及び/又は成形体を最高保
    持温度で焼成し、最大直径が200mm以上、厚みが
    0.5mm以上のセラミック焼結体を作製するのに際し
    て、常温から最高保持温度までの収縮速度を2mm/m
    in以下に制御することを特徴とする抵抗体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】AlN粉末を主体とし、炭素含有量が1重
    量%以下、酸素含有量が0.2〜3重量%のセラミック
    粉末をホットプレス型内に装填し、該セラミック粉末に
    0.04〜3MPaのホットプレス圧力を加えた後に加
    熱を開始し、800〜1200℃における装置内の真空
    度を10Pa以下に保持し、1200〜1600℃の温
    度範囲においてN2ガスを導入して装置内の雰囲気圧力
    を1〜300kPaにするとともに、1200〜200
    0℃の温度範囲内においてホットプレス圧力を3〜15
    MPaに上昇させ、次いで2000〜2300℃の最高
    保持温度で焼成することを特徴とする請求項4記載の抵
    抗体の製造方法。
  6. 【請求項6】基板と、該基板の一主面に設けられた被保
    持物の載置面と、該載置面と対向して設けられた電極と
    を具備し、前記基板の少なくとも載置面が請求項1乃至
    3のいずれかに記載の抵抗体からなることを特徴とする
    保持装置。
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