JP2003011580A - 筆記具及びインク吸蔵体の製造方法 - Google Patents

筆記具及びインク吸蔵体の製造方法

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JP2003011580A
JP2003011580A JP2001200129A JP2001200129A JP2003011580A JP 2003011580 A JP2003011580 A JP 2003011580A JP 2001200129 A JP2001200129 A JP 2001200129A JP 2001200129 A JP2001200129 A JP 2001200129A JP 2003011580 A JP2003011580 A JP 2003011580A
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occlusion body
writing instrument
tank
penetrating
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Kazuhiko Furukawa
和彦 古川
Yojiro Sano
陽二郎 佐野
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクタンクの内部に外皮を有したインク吸
蔵体を配置した場合にインク吸蔵体内の空白部の発生を
防止し、インクを有効に消費でき、筆記不良等を防止し
た筆記具を提供すること、およびペン先部からインクが
漏れ出すという問題を解決することを課題とする。 【構成】 インクタンクと、インクを保留可能なインク
保留体と、ペン先と、インクタンクのインクをペン先へ
誘導するインク誘導部と、インク誘導部へインクを供給
可能であり、且つ、外皮を有したインク吸蔵体とからな
る筆記具であって、インク吸蔵体の外皮に貫通部を設け
たことを特徴とする筆記具に係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールペン、サイン
ペン等の筆記具及びこれに使用するインク吸蔵体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、特開平11−348
487号公報に示されるように、インクタンク内に液状
のインクと外皮を有したインク吸蔵体(中綿)を内蔵し
た筆記具が知られている。この従来技術は、このような
構成とすることで、従来から存する直液式筆記具の筆記
性能を極力阻害させず、かつ、温度、圧力変化時にイン
クタンク内部の空気が膨張した場合であっても、筆記具
外部へのインクの漏れ出しを軽減させる効果を有するも
のである。しかし、この特開平11−348487号公
報に示される筆記具は上述のようにインクの漏れ出しを
防止する効果を有するものの、外皮を有したインク吸蔵
体(中綿)を内蔵することにより、以下の問題を有す
る。
【0003】この問題を図9及び図10を用いて説明す
る。インクタンク内にインク吸蔵体(中綿)とインクを
内蔵させる方法として様々な方法があるが、例えばイン
クタンクにインクがある程度入った状態で、インクを含
浸させたインク吸蔵体をインクタンク内に入れる方法
や、インクがインクタンクに入った状態のところにイン
クを含浸させていないインク吸蔵体を入れていく方法
や、図8に示すようにインク吸蔵体3がインクタンク1
内に配置された状態で、インクタンク1にインク6を入
れつつインク吸蔵体3にインクを含浸させていく方法等
が考えられる。この方法では、インク吸像体3の内部に
空気を残さないため、インク6をインク吸蔵体3の下部
から含浸させていくことになる。
【0004】そして、規定量のインクを注いだ後、イン
ク保留体7をインクタンク1の開口から圧入していき、
筆記具は完成する。完成後、筆記試験を行なったり、早
速、筆記を行なうため筆記具の上下を反転させ、ペン先
部9を下方へ向けることが一般的である。この場合、イ
ンク6は外皮2とインクタンク2の内壁の間を通り抜
け、ペン先部9方向へ流れることになる。インク吸蔵体
3にインクが完全に含浸されている場合は問題ないが、
完全に含浸されていない場合はインク吸蔵体3の下部
(ペン先部9側)からもインクの含浸が開始されるた
め、インク吸蔵体3の中に空白部13が生じてしまう。
この状態で筆記を行なっていくと、この空白部13のた
めに、空白部13よりも上部(ペン先部9と反対側)の
インクを有効に消費できないという問題や、筆記不良等
の原因となるという問題を有している。いずれの方法を
採用してもこの問題は発生しやすい。
【0005】更に、単にインク吸蔵体をインクタンク内
に内蔵した場合、気液交換部が濡れない状態が発生する
場合があり、ペン先にかかるインクヘッドが大きくなる
結果ペン先部からインクが漏れ出すという問題を有して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクタン
クの内部に外皮を有したインク吸蔵体を配置した場合に
生ずる問題を解決すること、即ち、インク吸蔵体内の空
白部の発生を防止し、インクを有効に消費でき、筆記不
良等を防止した筆記具を提供することを課題とする。
【0007】更に、インク吸蔵体をインクタンク内に内
蔵した場合に、ペン先にかかるインクヘッドが大きくな
る結果、ペン先部からインクが漏れ出すという問題を解
決することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために内部に液状のインクを保有するインクタンク
と、インクタンクのインクを保留可能なインク保留体
と、ペン先と、インクタンクのインクをペン先へ誘導す
るインク誘導部と、インク誘導部へインクを供給可能な
外皮を有したインク吸蔵体と、からなる筆記具であっ
て、インク吸蔵体の外皮に貫通部を設けたものである。
【0009】インクには様々のものが使用できるが、例
えば、常温(23℃前後)での粘度が2から100mP
a・sの低(又は中)粘度インクが挙げられる。静置状
態では粘度がやや高くペン先部の先端からインクがしみ
出す直流を防止し、筆記によって移動やせん断が起こる
と粘度が低下してスムーズな筆記が可能となる(疑塑性
インク(ゲルインクとも呼ばれる)をやや低粘度にして
応用したものであってもよい。またインクのベースとな
る溶剤としては一般的な水のみではなく、低級アルコー
ル、高級アルコール、キシレン等有機溶剤、エチレング
リコール等のグリコール類、それらのエステルなどを使
用できる。その他、公知の各種のインクが適宜使用可能
である。
【0010】インク吸蔵体には、従来の中綿式筆記具に
用いられているもののように短繊維又は長繊維の糸を外
皮の中へ軟らかく固定した物や、長繊維の糸を接着剤や
熱溶着により形状維持した所謂繊維束や、雪結晶状の断
面を押し出しによって成形したものや、小粒子を熱や接
着剤によって空間を維持しながら固定し焼結したもの
や、スポンジなど、インクをある程度以上保持する性能
が有ればよいものであり、繊維の本数等により内部の毛
細管力を適宜選択することができる。
【0011】外皮としては、ポリプロピレン(PP)
や、塩化ビニルや、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等が挙げられる。また、本発明の外皮とは、必ずし
もインク吸蔵体とは別の部品や材質で外皮を形成する場
合のみをいうのではなく、インク吸蔵体の表面に接着剤
等を含浸し、表面を固定したもののように実質的にイン
クの通過を防止するものも外皮に含まれる。
【0012】インク誘導部とは、インクタンクからペン
先部へインクを誘導するもので、インク吸蔵体と同様の
材質で作成することもできる。インクタンクからペン先
部へインクを導出させる性能が要求されるため、通常は
インク吸蔵体よりは毛細管力が強くなるように設定され
る。
【0013】ペン先部としては、ホルダーの先端にボー
ルが抱持されたボールペン先や、サインペンに用いられ
る繊維や樹脂で形成されたペン先などが含まれる。尚、
インク誘導部とペン先部は必ずしも別の部品である必要
はなく、一体であってもよい。その場合は、紙面などの
被筆記部に接する部分周辺がペン先部に相当する。
【0014】インクタンクの色は透明であることが望ま
しい。内部のインク残量を認識できる作用を有するから
である。また、材質は各種可能だが、一般にポリプロピ
レン(PP)が用いられる。
【0015】インク保留体はインクタンク内部の内圧を
調整する機能を有するものであり、インクタンク内部の
内圧が上昇したときに、インクタンク内のインクを保留
し、逆に内圧が減少したときにはインク保留体内のイン
クをインクタンク内に戻したり、気液交換部から空気を
流入させたりすることにより内圧を調整する作用を有す
る。インク保留体には、以下の実施例で示すように板状
の羽部を軸方向に連続して設けることでその間に保留溝
を形成したものや、スポンジ状のものでインクを吸収す
るタイプが挙げられる。
【0016】貫通部はインク吸蔵体の内と外を連通させ
るためのものであり、その形状としては、請求項2で限
定するように、貫通孔やスリットなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。貫通部があることに
より、インク吸蔵体へ様々な方向からのインクの含浸が
可能となるという作用を有する。
【0017】貫通部を外皮の全長にわたり広範囲に設け
ることもできる。この場合、インク吸蔵体を製造時、ど
の位置でインク吸蔵体をカットしても貫通部が空白部の
生じやすい箇所に位置しやすく、カットする位置を厳密
に管理しないでもよいという作用がある。また、貫通部
を外皮の全長にわたり等間隔かつ全長にわたり設けてお
くこともできる。この場合もインク吸蔵体を製造時、ど
の位置でカットしても貫通部が空白部が生じやすい箇所
に位置しやすく、カットする位置を厳密に管理しないで
もよいという作用を有するとともに、またインクタンク
へインク吸蔵体を配置する際にも方向性を気にする必要
がなくなるという作用を有する。
【0018】また、第2の課題解決手段は、前記貫通部
は、貫通孔又はスリットであることを特徴とするもので
ある。
【0019】貫通孔としては、実施の形態で示した円状
のものに限定されるものではなく、楕円状、四角状、多
角形状等様々なものが含まれる。また、必ずしも孔は閉
じられている必要はなく、図8に示すようにインク吸蔵
体3の端部23において開いた形状であってもよい。ス
リットの形状も特に限定されるものではない。幅、長さ
も適宜設定可能である。尚、図8は貫通部である貫通孔
15をインク吸蔵体3の中心よりもペン先部9側に設け
たものである。
【0020】貫通孔、スリットの位置も特に限定はな
い。インク吸蔵体の全長にわたっていたり、一部分であ
ってもよい。より好ましくは、中心よりもペン先部側に
あることであり、この場合有効に空白部が防止できる。
【0021】第1及び第2の課題解決手段により、貫通
部からインク吸蔵体にインクを含浸でき、空白部の発生
を防止できる作用を有する。
【0022】また、第3の課題解決手段は、前記貫通部
は軸方向に並んでいることを特徴とするものである。こ
こで、「軸方向に並んでいる」とは、必ずしも一直線上
に並んでいるものに限定されるものではない。貫通部が
並んでいる線が互いにずれていても本発明の範囲に含ま
れる。第3の課題解決手段により、インク吸蔵体の軸方
向の広範囲にわたりインクを含浸することができ、空白
部を有効に防止できるという作用を有する。
【0023】また、第4の課題解決手段は、インク誘導
部がインク吸蔵体へ挿入されている筆記具であって、前
記貫通部はインク吸蔵体の中心よりもペン先側に設けた
ことを特徴とするものである。この場合、貫通部を設け
る箇所を減らすことができるため、生産工程の削減によ
るコスト削減が可能となる。なお、空白部はペン先側に
生じやすいため、貫通部を設ける箇所をこのように限定
しても、空白部の発生を有効に防止し得る。
【0024】より好ましい態様はインク誘導部がインク
吸蔵体に挿入されている部分の周辺に貫通部を設けるこ
とである。インク誘導部がインク吸蔵体に挿入されてい
る部分の周辺に空白部があると筆記不良につながる可能
性が高いためであり、また、この場合は貫通部の箇所を
より減ずることができるという作用を有するからであ
る。
【0025】また、第5の課題解決手段は、インク吸蔵
体の外径をd、貫通部が設けられているピッチをPとし
た場合において、Pは2d以下であることを特徴とする
ものである。貫通部の間隔が大きいとそれだけ空白部が
発生する可能性が大きくなる。本課題解決手段の関係を
満たすことで貫通部の間隔を制限し、空白部の発生を有
効に防止できるようになる。
【0026】また、第6の課題解決手段は、貫通部を設
けた外皮を有したインク吸蔵体の製造方法であって、貫
通部を設けた外皮を有したインク吸蔵体を成形後、イン
クタンク内に配置可能な寸法にカットすることを特徴と
するものである。これは、インクタンク内に配置可能な
寸法にカットされた外皮を有したインク吸蔵体に、後か
ら貫通部を設けていくものではなく、貫通部を設けた外
皮を有したインク吸蔵体を成形後、インクタンク内に配
置可能な寸法にカットするものである。
【0027】外皮を有したインク吸蔵体の成形は、様々
な方法が考えられるが、例えば押しだし成形が挙げら
れ、インク吸蔵体と外皮を同時に押し出しながら熱融着
させていく。貫通部の設け方としては、前記のような押
し出し成形後側面部にパンチ等で貫通部である貫通孔を
設けていく方法や、押し出し成形時の口金部分がC字状
になっており、押し出しと同時に外皮にスリットを設け
る方法もある。本課題解決手段はこのように外皮に貫通
部である貫通孔やスリットを設けた後、インクタンク内
に配置可能な所定の寸法にカットするものである。
【0028】第6の課題解決手段により、貫通部を設け
る際の生産工程が容易になるという作用を有する。イン
クタンク内に配置可能な寸法にカットされた外皮を有し
た個々のインク吸蔵体に、後から貫通部を設けていく方
法の場合、既にカットされ短くなった外皮を有したイン
ク吸蔵体を取り扱うことになるが、このインク吸蔵体は
通常軽量かつ柔らかい。この軽量かつ柔らかいインク吸
蔵体の取り扱いは金属部品や樹脂成形品に比べ困難とな
る。特に、自動組立機においては、貫通部を設けるため
にこの柔らかくかつ軽いインク吸蔵体を、搬送、固定と
いう工程が必要とされ、困難性がより顕著となる。本解
決手段では、カットする段階においては既に貫通部が設
けられているため、前述の取り扱い上の問題を解決でき
るという作用を有する。
【0029】より好ましい態様としては貫通部を外皮の
全長にわたり広範囲に設けておくことである。どの位置
でカットしても貫通部が空白部の生じやすい箇所に位置
しやすく、カットする位置を厳密に管理しないでもよい
からである。更に好ましい態様としては、貫通部を外皮
の全長にわたり等間隔かつ全長にわたり設けておくこと
である。この場合もどの位置でカットしても貫通部が空
白部が生じやすい箇所に位置しやすく、カットする位置
を厳密に管理しないでもよく、またインクタンクへイン
ク吸蔵体を配置する際にも方向性を気にする必要がなく
なるからである。
【0030】更に、第7の課題解決手段は、前記インク
保留体は気液交換部を有しており、該気液交換部にイン
クを誘導するインク誘導路を有することを特徴とするも
のである。
【0031】インク吸蔵体を内蔵した筆記具におけるイ
ンクの消費を図1を参照して説明する。筆記を行ってい
くと、インクが消費されることになるが、通常外皮2と
インクタンク1内壁の間にあるインクが先に無くなる。
その後、インク吸蔵体3内にあるインクが消費される。
外皮2とインクタンク1内壁の間にあるインクがまだ存
在している段階においては、このインクが気液交換部1
1を濡らすことになり、メニスカスの作用によりインク
タンク1内が負圧状態となり、ペン先部9からインクが
漏れ出さないように設計されている。尚、このときペン
先部9にはインクヘッドH1がかかることになる。
【0032】しかし、インク吸蔵体3内にあるインクが
消費される段階にいたると気液交換部11が濡れない状
態が発生し、インクのヘッドはインクヘッドH1からイ
ンクヘッドH2になる。通常の筆記具は、インクヘッド
H1がかかることを前提に設計されているため、インク
ヘッドH1以上のインクヘッドH2がかかった場合はイ
ンクがペン先部9から漏れ出すようになってしまう。
【0033】本発明では、インク誘導路20を設けるこ
とによりこの問題が解決される。図2、図6のように気
液交換部11に接続するインク誘導路20を設けること
で、気液交換部11を常に濡らすことが可能となり、イ
ンクヘッドをインクヘッドH1にしておくことができ、
その結果ペン先部9からのインクの漏れだしが防止でき
る。
【0034】詳述すると、ペン先部9が下方に向いてい
る状態ではインク吸蔵体3内のインクは自重により下方
に移動してくるためインク保留体のインク保留体凹部7
c付近を濡らす。インク誘導路20は極めて細いスリッ
トにより構成されているため、毛細管力を有している。
このためインク保留体凹部7cのインクを引っ張ってく
る作用を有する。その結果、気液交換部11とインク誘
導路20は連続しているため、気液交換部も濡らすこと
が可能になり、インクヘッドH1が保たれることでペン
先部9からのインクの漏れだしが防止出来る。尚、イン
ク誘導路20としてはこのようなスリット状に形成され
ているものの他、スポンジ状、繊維状で形成されている
もの等も考えられる。
【0035】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づき図面を参照して説明する。
【0036】まず、図1、図2、図3を用いて本発明の
第一の実施形態を説明する。インクタンク1には外皮2
を有したインク吸蔵体3及びガイド14が内蔵されると
ともに、インク保留体7が圧入される形で固定されてい
る。インクタンク1の外表面には、ネジ部17が設けら
れており、図示しない外軸が取り付けられる。インク保
留体7の前方(ペン先部9側)には、接続部10、口プ
ラ8及びペン先部9が取り付けられているとともに、外
気導入孔12が形成されている。ペン先部9はボールペ
ン先が取り付けられている。
【0037】ガイド14は、インク吸蔵体3を固定保持
するとともに、インクタンク1内の空気が膨張した際に
通気部16を通じてこの膨張した空気を筆記具の外部へ
排出する作用を有する。膨張した空気は通気部16を通
過後、気液交換部11、縦溝21、外気導入孔12を通
じて排出される。インクタンク1内のインクは気液交換
部11を通過後、縦溝21へ進んでいく。インク保留体
羽部7a間には、幅狭のインク保留体溝部7bが形成さ
れ毛細管力を有しているため、縦溝21のインクを保留
する。
【0038】インク誘導部として、本実施の形態では中
継芯4及びペン芯5を採用している。尚、中継芯、ペン
芯と別部品としているが、一体であってもよい。インク
吸蔵体3の側面には、貫通孔15が軸方向に並んであけ
られており、この貫通孔15からインクがインク吸蔵体
3内に侵入し、空白部の発生を防止する。インク誘導部
である中継芯4がインク吸蔵体3内へ挿入されて接続し
ており、インク吸蔵体3内のインクをペン先部9へ誘導
する。
【0039】図4は図2のB−B線断面図である。ガイ
ド14には切欠き22が設けられている。ガイド14は
インクタンク1に圧入されているため、ガイド圧入部1
4aからペン先部9方向へのインクの移動は規制されて
しまう。よって、この切欠き22がないと、ガイド14
とインクタンク1内壁との間にインクが残ってしまい有
効に消費出来ないという問題がある。そこで、この切欠
き22を設けることで、インクを移動させることができ
インクを有効に消費できるようになる。
【0040】図5は第一の実施形態におけるインク吸蔵
体の拡大図である。インク吸蔵体3はポリエチレンテレ
フタレート(PET)又はポリプロピレン(PP)等で
できており、このインク吸蔵体3の周りをポリプロピレ
ン(PP)の外皮2が覆っている。インク吸蔵体3の外
形dはこの場合3.5mmであり、貫通部である貫通孔
15が設けられている間隔であるピッチPは3.5mm
である。また、貫通孔15の径は0.5mmである。貫
通孔15は外皮両側面の軸方向にそれぞれ5カ所並んで
設けられている。
【0041】図6は第一の実施形態におけるインク保留
体7の正面図である。インク保留体7のペン先部9方向
とは反対側に、インク保留体凹部7cが設けられてい
る。凹部7cにはさらに気液交換部11に接続するイン
ク誘導路20が設けられており、このインク誘導路20
の毛細管力によりインクを引っ張り、最終的に気液交換
部11を濡らすようになる。
【0042】図7は第二の実施形態におけるインク吸蔵
体の拡大図である。外皮2にはスリット19が設けられ
ており、このスリット19を通じてインクがインク吸蔵
体3に侵入する。尚、本実施の形態においてはスリット
19は全長にわたり設けられているが、必ずしも全長に
わたる必要はなく、一部分であってもよい。より好まし
くは、中央よりペン先部9側に設けることが望ましい。
【0043】
【発明の効果】本発明により、インクタンクの内部に外
皮を有したインク吸蔵体を配置した場合に生ずる問題を
解決することができた。即ち、インク吸蔵体内の空白部
の発生を防止し、インクを有効に消費でき、筆記不良等
を防止した筆記具を提供することが可能となる。
【0044】更に、インク吸蔵体をインクタンク内に内
蔵した場合に、ペン先にかかるインクヘッドが大きくな
る結果、ペン先部からインクが漏れ出すという問題を解
決することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す断面図である。
【図2】第一の実施形態を示す一部拡大図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】第一の実施形態におけるインク吸蔵体の拡大図
である。
【図6】第一の実施形態におけるインク保留体の正面図
である。
【図7】第二の実施形態におけるインク吸蔵体の拡大図
である。
【図8】第三の実施形態におけるインク吸蔵体の拡大図
である。
【図9】インクタンクへインクを注入する場合の説明図
である。
【図10】インクタンクへインクを注入する場合の説明
図である。
【符号の説明】
1 インクタンク 2 外皮 3 インク吸蔵体 4 中継芯 5 ペン芯 6 インク 7 インク保留体 7a インク保留体羽部 7b インク保留体溝部 7c インク保留体凹部 8 口プラ 9 ペン先部 10 接続部 11 気液交換部 12 外気導入孔 13 空白部 14 ガイド 14a ガイド圧入部 15 貫通孔 16 通気部 17 ネジ部 18 リブ 19 スリット 20 インク誘導路 21 縦溝 22 切欠き 23 端部 d インク吸蔵体の外径 P ピッチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に液状のインクを保有するインクタ
    ンクと、インクタンクのインクを保留可能なインク保留
    体と、ペン先と、インクタンクのインクをペン先へ誘導
    するインク誘導部と、インク誘導部へインクを供給可能
    であり、且つ、外皮を有したインク吸蔵体とからなる筆
    記具であって、インク吸蔵体の外皮に貫通部を設けたこ
    とを特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 前記貫通部は、貫通孔又はスリットであ
    ることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 【請求項3】 前記貫通部は軸方向に並んでいることを
    特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  4. 【請求項4】 インク誘導部がインク吸蔵体へ挿入され
    ている請求項1ないし3のいずれかの項に記載の筆記具
    であって、前記貫通部はインク吸蔵体の中心よりもペン
    先部側に設けたことを特徴とする筆記具。
  5. 【請求項5】 インク吸蔵体の外径をd、貫通部が設け
    られているピッチをPとした場合において、Pは2d以
    下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の筆記
    具。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかの項に記載の
    貫通部を設けた外皮を有したインク吸蔵体の製造方法で
    あって、貫通部を設けた外皮を有したインク吸蔵体を成
    形後、インクタンク内に配置可能な寸法にカットするこ
    とを特徴とする貫通部を設けた外皮を有したインク吸蔵
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記インク保留体は気液交換部を有してお
    り、該気液交換部にインクを誘導するインク誘導路を有
    することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項
    に記載の筆記具。
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